JP2531860Y2 - ドレン排出装置用作動表示器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、スチーム配管中のドレ
ンパイプに取り付けられるスチームトラップ或いは高温
の凝縮液を系外に排出するドレントラップ等のようなド
レン排出装置が正常に作動しているか否かを目視により
簡単に識別することのできる作動表示器に関する。

【０００２】

【従来の技術】スチーム配管中のドレンラインが何等か
の原因により詰まったりして、ドレンが排出されないと
事故に結びつく危険があるので、定期的にドレンライン
に取り付けられたスチームトラップの巡回点検が必要と
なる。この方法は、スチームトラップに手をかざしてそ
の輻射熱で確認する方法と、イオウ粉のように比較的融
点の低い物質をスチームトラップの上に置き、粉体が熱
で溶融することで作動を確認する方法が公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、手をかざす方
法の場合、スチームトラップに直接手が触れて火傷を負
う心配があり、低融点粉末を利用する方法は確認までに
時間がかかり、多数のスチームトラップが取り付けられ
ている工場等においては点検に時間がかかり過ぎる。

【０００４】本考案の目的は、確実に作動し、且つ視認
で簡単かつ安全に確認できるドレン排出装置用作動表示
器を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案に係る作動表示器
の構成は次のとおりである。

【０００６】ドレン排出装置に取り付け可能な外筒と、
前記外筒内上部に上端が固定さた形状記憶合金製コイル
バネと、前記外筒の下部において、水平方向に固定され
た支軸に対して回転自在に取り付けられていると共に先
端にカウンタウエイトを取り付け、このカウンタウエイ
トと支軸との間に前記形状記憶合金製コイルバネの下端
が連結されたレバーと、前記外筒に沿ってたて方向に形
成されたマーカーガイド内に出入り自在に挿入され、前
記レバーの先端と連結棒を介して連結されているマーカ
ーと、から成るドレン排出装置用作動表示器。

【０００７】なお、外筒の断面は円形、四角形等何れで
もよい。

【０００８】

【作用】本考案に係る作動表示器はスチームトラップ等
に固定具を用いて密着固定される。そして、このスチー
ムトラップが正常に作動している状態では、ライン温度
が高く、これにともなって外筒も高温となり、この熱で
形状記憶合金製コイルバネが転移してカウンタウエイト
側を引き上げる。この結果、レバーが回転して連結棒に
よりマーカーをマーカーガイド内に引っ込めて隠してし
まい、外部からマーカーが視認できなくなり、これによ
り正常状態が判る。

【０００９】一方、ラインが閉塞状態にあり、スチーム
トラップが作動していない場合、スチームトラップは冷
えており、外筒温度も冷えて常温に戻るため、形状記憶
合金製コイルバネは転移温度以下となり、この結果、カ
ウンタウエイト側の重量がバネの力に勝って下降する。
この結果、レバーが逆回転して連結棒によりマーカーを
押し上げてマーカーガイドの上端より露出させるので、
外部からこのマーカーを視認することで異常（閉塞）が
判る。

【００１０】

【実施例】図１において、１は金属製の外筒、３は前記
外筒１内上部にピン９により上端３ｂが固定された形状
記憶合金製コイルバネ、４はレバーにして、このレバー
４は前記外筒１の下部において、水平方向に固定された
支軸２に対して回転自在に取り付けられていると共に先
端にカウンタウエイト５を取り付け、このカウンタウエ
イト５と支軸２との間に前記形状記憶合金製コイルバネ
３の下端３ａが連結されている。なお、外筒１はスチー
ムトラップとの密着性を向上させるために、スチームト
ラップの外周面に沿うように取付面が湾曲して形成され
ている。

【００１１】７は外筒１に沿ってたて方向に形成された
マーカーガイドにして、このマーカーガイド７内には、
出入り自在にマーカー８が挿入され、このマーカー８は
前記レバー４の先端４ａと連結棒６を介して連結されて
いる。

【００１２】上記作動表示器はスチームトラップ等に固
定具を用いて密着固定される。そして、このスチームト
ラップが正常に作動している状態では、ライン温度が高
く、これにともなって外筒１も高温となり、この熱で形
状記憶合金製コイルバネ３が転移してカウンタウエイト
５側を引き上げる。この結果、レバー４が回転して連結
棒６によりマーカー８をマーカーガイド７内に引っ込め
て隠してしまい、外部からマーカー８が視認できなくな
り、これにより正常状態が判る。

【００１３】一方、ラインが閉塞状態にあり、スチーム
トラップが作動していない場合、スチームトラップは冷
えており、外筒１の温度も冷えて常温に戻るため、形状
記憶合金製コイルバネ３は転移温度以下となり、この結
果、カウンタウエイト５側の重量がバネ３の力に勝って
下降する。この結果、レバー４が逆回転して連結棒６に
よりマーカー８を８ａに示すように押し上げてマーカー
ガイド７の上端より露出させるので、外部からこのマー
カー８を視認することで異常（閉塞状態）が判る。

【００１４】なお、実施例とは反対に、形状記憶合金製
コイルバネ３の特性を常温では収縮し、高温では伸長す
る特性のものを利用することにより、正常時にはマーカ
ー８を露出させて視認でき、閉塞時には引っ込めて視認
できないように構成してもよい。

【００１５】次に、実施例はマーカーガイド７の上端か
らマーカー８を露出させたり、引っ込めたりしている
が、マーカーガイド７に表示窓を設けて、この表示窓に
マーカー８が露出するか隠れるかで正常、閉塞を表示す
るようにしてもよい。

【００１６】

【考案の効果】本考案は以上のように、形状記憶合金製
コイルバネの転移によりマーカーを作動させて視覚的に
確認可能な手段で正常及び閉塞を表示するようにしたの
で、作動は確実であり、また外部から視覚的に確認する
だけのため、確認作業を能率的に行うことができると共
に安全である。

【００１７】又、本考案は電気等の動力源を使用してい
ないため、可燃性ガス雰囲気下での使用が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る作動表示器において、外筒を断面
した正面図。

【図２】図１に示した作動表示器を右方向から見た正面
図。

【符号の説明】

１ 外筒 ３ 形状記憶合金製コイルバネ ４ レバー ７ マーカーガイド ８ マーカー

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドレン排出装置に取り付け可能な外筒
   と、 前記外筒内上部に上端が固定され、常温時には伸長して
   おり、転移温度を超えると収縮する特性の形状記憶合金
   製コイルバネと、 前記外筒の下部において、水平方向に固定された支軸に
   対して回転自在に取り付けられていると共に先端にカウ
   ンタウエイトを取り付け、このカウンタウエイトと支軸
   との間に前記形状記憶合金製コイルバネの下端が連結さ
   れたレバーと、 前記外筒に沿ってたて方向に形成されたマーカーガイド
   内に出入り自在に挿入され、前記レバーの先端と連結棒
   を介して連結されていると共に形状記憶合金製コイルバ
   ネが伸長している状態においてはマーカーガイドから露
   出しており、収縮している状態においてはマーカーガイ
   ド内に隠れるように設定されたマーカーと、 から成るドレン排出装置用作動表示器。
2. 【請求項２】 形状記憶合金製コイルバネに常温時には
   収縮しており、転移温度を超えると伸長する特性のもの
   を選択し、転移して伸長したときにマーカーをマーカー
   ガイドから露出させ、常温時には収縮してマーカーをマ
   ーカーガイド内に隠れるように設定して成る請求項１記
   載のドレン排出装置用作動表示器。
3. 【請求項３】 マーカーガイドの一部に表示窓を設け、
   この表示窓内にマーカーが露出したり表示窓から外れる
   ように表示窓とマーカーとの位置関係を設定して成る請
   求項１及び２記載のドレン排出装置用作動表示器。