JP2530311B2 - 締結具 - Google Patents

締結具

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JP2530311B2
JP2530311B2 JP60260996A JP26099685A JP2530311B2 JP 2530311 B2 JP2530311 B2 JP 2530311B2 JP 60260996 A JP60260996 A JP 60260996A JP 26099685 A JP26099685 A JP 26099685A JP 2530311 B2 JP2530311 B2 JP 2530311B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、締結具、より具体的には、新規なリベッ
ト、ネジ、ボルト、クギなどの締結具に関する。さらに
詳しくは、本発明のサーモトロピック液晶性ポリマーか
ら形成された上記のような新規な締結具を提供するもの
である。
本発明の締結具は、非常に多くの最終用途に有用であ
って、しかも有利に使用できる。本発明に従って製作し
た締結具の顕著な特性は、締結具に関する多くの問題点
を克服および解決する。締結具の特に大きな問題の1つ
は、航空機産業に見られる。
(従来の技術および問題点) 航空機産業において今日直面している特に厄介で厳し
い問題の1つは、航空機の外板構造材料、特に高強度ア
ルミニウム合金板、チタン板および黒鉛繊維強化複合材
料板の効果的な締結である。問題点として、締結具が挿
入された孔を起点とする航空機外板構造材料の腐食およ
び/または表層剥離が挙げられる。この問題の原因は、
すべてではないにしても、ほとんどはリベット自体に帰
すべきものである。
たとえば、アルミニウム板を締結する場合、軽量化の
ためにモネルに代えてチタンもしくはチタン/ニオブ合
金製のリベットを使用することが試みられたが、チタン
もしくはチタン合金は、アルミニウムの腐食速度、特に
塩水噴霧環境での腐食速度を増大させ、アルミニウムの
電食が加速されるため、接合部の弛みを生じがちである
ことが認められた。さらに、チタンは、ガルバニ作用に
より水素を吸収しうることから、水素化物が生成して、
リベットの破壊を生ずることもある。
チタン板を締結しようとする場合、アルミニウム製の
リベットは、アプセット(リベット頭形成のための据込
み)が容易で軽量であるが、より貴なチタン中では非常
に急速に腐食するために使用できない。セン断に関して
高強度水準にあることからモネル製リベットが使用され
るが、上述したように、これは板材重量に比べて重く、
またアプセットがより困難で、しかも使用時に薄い板材
のゆがみ又は変形を生ずる。チタン製リベットを使用す
ると、これも薄い板材では許容できない程の板材の変形
を生ずる上に、アプセットがかなり困難で、より重いリ
ベットガンと突き棒(bucking bar)とが必要となるこ
とから、作業員の疲労(これは重要なファクターであ
る)が大きくなり、理想的形状のものよりも小さな突き
棒を使用しなければならない遠隔部位でのアプセットが
困難である。
リベットの金属クラッディングまたは航空機の外面塗
装ではこの難点は排除されない。締結具を差込むために
締結具用の穴を構造部材すなわち板材にドリルもしくは
パンチ加工により穿孔すると、クラッディングでは、締
結具を差込む穴の壁面に露出することになる高強度の基
板金属合金の端面組織の所望の保護は得られない。水分
が接合面内または締結具と穴もしくはサラ穴(counters
unk opening)の壁面との隙間に浸透もしくは引き込ま
れる。これらの穴の壁面は、締結具を受けるためにドリ
ル(もしくはパンチ)加工による穿孔で構造材料すなわ
ち板材の端面組織が既に露出している。
塗布被膜では、外板表面に塗装した場合、水分の浸透
をある程度防止ないし遅らせるかもしれないが、一旦被
膜が劣化すると、締結具の頭部の周囲で被膜のひび割れ
もしくは剥離が始まる。それにより、締結具の周囲の穴
の壁面の端面組織という重要な部分に水分が直接接近す
ることができるようになる。いずれにしても、塗装は以
前には推奨されたが、これはある程度の一次的保護を与
えるにすぎないので、結局は水分が浸透して腐食や表層
剥離が起こることが認められた。
ウエット・ジンククロメートプライマー、すなわち未
硬化の燃料タンク用シール材を用いた締結具も使用され
たが、これも所望の結果を生じなかった。特に、これは
非電気的連続性および温度変動の問題を解決しない。
プラスチック製締結具にとって耐薬品溶剤性が最も重
要である。たとえば、メチルエチルケトン(MEK)が航
空機などの部品の塗装前に使用されており、ペイントリ
ムーバーは従来のプラスチック製締結材料に腐食および
可溶化作用を示すため、さらに一層影響が大きい。
米国特許第3,642,312号および第4,107,805号では、ア
ルミニウムリベットを使用する際に認められる腐食の問
題を、高強度アルミニウム合金のリベットを作ったあ
と、形成されたリベットの外面に純にアルミニウムの柔
軟な被膜を被覆することによって克服することが提案さ
れている。しかし、得られたリベットならびにその製造
方法は、被覆法が煩雑である上に、所望の腐食防止特性
を与えないという点で、とても十分とはいえないもので
ある。
プラスチック製の締結手段自体ならびに金属にプラス
チックを張合わせたプラスチッククラッド金属締結具は
当該技術分野で既に提案されている。たとえば、米国特
許第2,510,693号は、繊維状強化媒体を配合したプラス
チック材料から製作された強化プラスチック製締結部材
を提供するものである。この装置は、実質的に長手方向
に強化用連続繊維が通っているプラスチック材料の中実
もしくは中空ロッドの形態の素材から形成でき、この素
材は連続的に拡げられて、かかる締結具の頭部(ヘッ
ド)が形成される。
米国特許第3,076,373号は、腐食の問題を克服するた
めにワイヤ強化プラスチックフィラメント製のテーブル
(ホチキスの針)などの締結具を開示している。これ
は、プラスチックの本体中に鋼もしくは非鉄金属の強化
手段を含有させたものである。プラスチック本体はナイ
ロンおよびポリプロピレンなどの常温流れ特性を持った
熱可塑性材料であり、これを適当な押出ダイから同時押
出して、所望の断面形状を付与すると共に、フィラメン
トの直線方向の引張強度を増大させ、かつ強化用ワイヤ
との堅固な結合が得られるようにプラスチックを分子配
向させる。
米国特許第3,252,569号は、熱可塑性プラスチックで
被覆されたクギを開示しており、これは、ナイロンもし
くはアクリル樹脂のような熱可塑性材料を、この熱可塑
性材料の長い鎖様の分子を配向させて、未配向の熱可塑
性材料の偶然の配列ではなく押出軸に対して平行な規則
的な分子配列を付与するように適当な押出ダイから押出
して、心材のワイヤに接合させる。
よって、本発明の目的は、上述したような問題点を軽
減ないし回避することである。
本発明の別の目的は、重量と嵩が小さいにもかかわら
ず、有利な物理的および化学的性質を与える締結具を提
供することである。
本発明のまた別の目的は、製作が容易で、しかも所望
の物理的および化学的性質を示す締結具を提供すること
である。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、サーモトロピック液晶性ポリマーから
締結具、たとえばリベット、ボルトなどを製作すること
ができ、得られた製品は、セン断強度が少なくとも約1
0,000psi(700kg/cm2)、例えば10,000〜50,000psi(70
0〜3500kg/cm2)もしくはそれ以上、引張強度が少なく
とも20,000psi(1400kg/cm2)、たとえば20,000〜100,0
00psi(1400〜7000kg/cm2)もしくはそれ以上、線熱膨
張率が本質的に負、すなわち約0〜−3×10-5(in/in
℃)であり、多様な有害物質に対する耐薬品性が極めて
高いという特徴を持つことが判明した。有利には、本発
明の締結具は、高度に配向したスキン層(表層部)を示
し、されにより上記利点が一層得られる。使用するサー
モトロピック液晶性ポリマーは、60℃でペンタルフルオ
ロフェノールに0.1重量%の濃度で溶解した時に約1.0〜
15dl/gの対数粘度数を有するものであり、この液晶性ポ
リマーは、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリ(エス
テル−アミド)もしくは芳香族−脂肪族ポリ(エステル
−アミド)、またはこれらの混合物である。
(作用) 本発明の締結具はを形成するポリマーは、射出成形も
しくは溶融押出などにより成形可能となるのに必要な分
子量を持ったサーモトロピック液晶性ポリマーでなけれ
ばならない。かかるサーモトロピック液晶性ポリマーは
当該技術分野で公知であるが、これが締結具の形成に適
しており、得られた締結具が後で述べられるように予想
外の物理的および化学的性質を示すことは、本発明より
前には認められていなかった。
ポリマー技術において知られているように、サーモト
ロピック液晶性ポリマーは、溶融体で光学異方性を示
す。ポリマー溶融体のこの異方性は、直光偏光子を用い
る通常の偏光技術により確認することができる。より具
体的には、溶融相の異方性は、ライツ(Leitz)偏光顕
微鏡を用い、ライツ高温載物台に乗せた試料を窒素雰囲
気下に40×の倍率で観察することにより確認するのが好
都合である。試料を強制的に流動させると光の透過量が
変化するが、液晶性試料の場合、試料は静止状態でも光
学異方性を示し、光を透過させる。これに反して、一般
的な溶融加工性ポリマーは、同じ条件下で検査した場合
に実質的程度に光を透過させない。
本発明に使用するサーモトロピック液晶性ポリマー
は、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリ(エステル−
アミド)、もしくは芳香族−脂肪族ポリ(エステル−ア
ミド)である。かかる全芳香族ポリエステルおよび全芳
香族ポリ(エステル−アミド)において、ポリマー連鎖
内に存在する各反復成分は少なくとも1つの芳香環を持
っている。また、サーモトロピック液晶性ポリマーに、
ナフタレン系成分(例、6−オキシ−2−ナフトイル成
分、2,6−ジオキシナフタレン成分、もしくは2,6−ジカ
ルボキシナフタレン成分)が、約10モル%以上の量で含
まれている。サーモトロピック液晶性ポリマーに存在さ
せるのが特に好ましいナフタレン系成分は、約10モル%
以上の量の6−オキシ−2−ナフトイル成分である。
サーモトロピック液晶性を示す代表的な全芳香族ポリ
エステルとしては、下記の米国特許に開示されているも
のがある:第3,991,013号;第3,991,014号;第4,066,62
0号;第4,067,851号;第4,075,262号;第4,083,829号;
第4,093,595号;第4,118,372号;第4,130,545号;第4,1
46,702号;第4,153,779号;第4,156,071号;第4,159,36
5号;第4,161,470号;第4,169,933号;第4,181,792号;
第4,183,895号;第4,184,996号;第4,188,476号;第4,2
01,856号;第4,219,461号;第4,224,433号;第4,226,97
0号;第4,230,817号;第4,232,143号;第4,232,144号;
第4,238,598号;第4,238,599号;第4,238,600号;第4,2
42,496号;第4,245,082号;第4,245,084号;第4,247,51
4号;第4,256,624号;第4,265,802号;第4,267,304号;
第4,269,965号;第4,279,803号;第4,299,756号;第4,2
94,955号;第4,318,841号;第4,337,190号;第4,337,19
1号;および第4,355,134号。後述するように、米国特許
第4,161,470号に記載の全芳香族ポリエステルが本発明
での使用に特に好ましい。
サーモトロピック液晶性を示す代表的な芳香族−脂肪
族ポリエステルは、ジャクソン他(W.J.Jackson,Jr.et
al)、「自己強化熱可塑性ポリエステルX−7G−A」、
米国プラスチック工業会第30回年次技術会議(1975)強
化プラスチック/複合材部会、セクション17−D、ペー
ジ1〜4の開示のポリエチレンテレフタレートとヒドロ
キシ安息香酸とのコポリマーである。この種のコポリマ
ーは、ジャクソン他(W.J.Jackson,Jr.et al)、「液晶
ポリマー:Ip−ヒドロキシ安息香酸コポリマーの製造と
性質」、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス、ポ
リマー・ケミストリー版(Journal of Polymer Scienc
e,Polymer Chemistry Edition)14巻、2043−2058頁(1
976)にも開示されている。また、本出願人に譲渡され
た米国特許第4,318,842号および第4,355,133号も参照で
きる。
サーモトロピック液晶性を示す代表的な全芳香族およ
び芳香族−脂肪族ポリ(エステル−アミド)は、米国特
許第4,272,625号および本出願人に譲渡された米国特許
第4,330,457号;第4,351,917号;第4,351,918号;第4,3
41,688号;第4,355,132号;ならびに第4,339,375号に開
示されており、参照できる。後述のように、米国特許第
4,330,457号に記載のポリ(エステル−アミド)が、本
発明での使用に特に好適である。
本発明の締結具の形成に使用するサーモトロピック液
晶性ポリマーは、市販の装置を使用した溶融押出に適合
した範囲内の溶融温度を有するものの中から一般に選択
される。たとえば、約250〜400℃の範囲内に入る融解温
度を示すサーモトロピック液晶性ポリマーが一般に選択
される。
使用するサーモトロピック液晶性ポリマーは、ペンタ
フルオロフェノールに0.1重量%の濃度で溶解したとき
に60℃で少なくとも1.0dl/gの対数粘度数(例、約1.0〜
15.0dl/gの対数粘度数)を示すことが好ましい。
本発明に使用するのに特に好ましい全芳香族ポリエス
テルは米国特許第4,161,470号に開示のものであり、こ
れは約350℃より低温で異方性溶融相を形成することが
できる。このポリエステルは本質的に下記反復成分I、
およびIIよりなる: このポリエステルは約10〜90モル%の成分Iおよび約
10〜90モル%の成分IIよりなる。1実施態様において、
成分IIは約65〜85モル%、好ましくは約70〜80モル%、
たとえば約73モル%の量で存在させる。別の実施態様で
は、成分IIは約15〜35モル%、好ましくは約20〜30モル
%というずっと少量で存在させる。また、環に結合して
いる水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン、フェ
ニル基、置換フェニル基およびこれらの組合せよりなる
群から選ばれた置換基で場合により置換されていてもよ
い。(本明細書で、フェニル基は置換フェニル基も含む
ものである。)この種のポリマーは、好ましくは、60℃
でペンタフルオロフェノールに0.1重量%の濃度で溶解
した時に約3.5〜10dl/gの対数粘度数を示す。
本発明に使用するのに特に好ましい全芳香族ポリ(エ
ステル−アミド)もしくは芳香族−脂肪族ポリ(エステ
ル−アミド)が米国特許第4,330,457号に開示されてお
り、これは約400℃より低温で異方性溶融相を形成する
ことができる。この米国特許に開示のポリ(エステル−
アミド)は、本質的に、下記の反復成分I、II、III、
および場合によりIV: (式中、Aは少なくとも1つの芳香環からなる2価基ま
たは2価trans−1,4−シクロヘキシレン基を意味す
る)、 III Y−Ar−Z〔式中、Arは少なくとも1つの芳
香環からなる2価基、YはO、NHまたはNR、そしてZは
NHまたはNR(ただし、Rは炭素数1〜6のアルキル基ま
たはアリール基)を意味する〕、 IV O−Ar′−O(式中、Ar′は少なくとも1つの
芳香環からなる2価基を意味する)、 からなるものである。ただし、上記式中、環に結合して
いる水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン、フェ
ニル基、置換フェニル基およびこれらの組合せよりなる
群から選ばれた置換基で場合により置換されていてもよ
く、またこのポリ(エステル−アミド)は約10〜90モル
%の成分I、約5〜45モル%の成分II、約5〜45モル%
の成分IIIおよび約0〜40モル%の成分IVからなる。好
ましいジカルボキシアリール成分IIは、 であり、好ましい成分IIIは、 であり、好ましいジオキシアリール成分IVは、 である。この種のポリマーは、好ましくは、60℃でペン
タフルオロフェノールに0.1重量%の濃度で溶解した時
に約1.0〜15dl/gの対数粘度数を示す。
本発明の製品を射出成形により形成する場合、慣用の
射出成形装置を使用することができる。適当な射出成形
装置には、スタッベ(Stubbe)自動射出成形機SKM 50/4
5型がある。
溶融状のサーモトロピック液晶性ポリマーの射出成形
に採用する温度および圧力条件は、当業者には明らかな
ように、使用ポリマーの融解温度およびその粘度により
左右されよう。典型的には、ポリマーの融解温度より約
5〜50℃高い射出成形温度と、約2000〜20,000psi(140
〜1400kg/cm2)の圧力とを採用する。ここで用いた「融
解温度」という用語は、ポリマーが成形加工に十分な流
れを示すように十分低粘度になる温度を意味している。
液晶性ポリマーの射出成形にあっては、溶融体は層流
状態でキャビティ内に流入し、溶融体の層流の各層は、
実質的に層間混合を生ずることなく一様な速度で流れて
いく。この流れがキャビティの下流側閉端部に突き当た
って、ここから反転すると、反転した分子波形と干渉す
るために、この終端部で層流は終わりになる。成形され
た液晶性ポリマーの機械的性質は、各層における分子の
規則的配列の程度と直接関係してくるので、この反転流
は成形品内の構造上の弱点を生ずることがあり、その機
械的性質を低下させる。
所望により、キャビティの下流側終端部に排出口を設
け、溶融材料をキャビティから流出可能にし、それによ
りキャビティ内での望ましくない反跳分子波運動(すな
わち、波形)を防ぐようにすることができる。好適態様
にあっては、溶融材料を受けるように、上記の下流側排
出口に連通する通路を設ける。この技術は、本出願人に
譲渡された米国特許出願第414,558号および同第414,560
号(いずれも1982年9月3日出願)ならびに特願昭59−
113638号に開示されているので、参照されたい。
成形品を金型から取り出した後、通路内で固化した突
出部分の材料を成形品から取り除くことができる。この
場合、突出部より大きく材料を取り除いて、軸部自体か
ら少なくともいくらかの材料を取り除くのが好ましい。
この後者の態様(すなわち、材料の切取りを多めに行う
方法)により成形および切取りをした成形品は、突出部
を従来法により取り除いた成形品に比べて優れた機械的
性質を示す。
本発明の締結具は、長尺材を溶融押出成形し、これを
所望の長さに切断し、その後この軸部に頭部を形成する
ことによっても製造できる。軸部の押出は、棒材のほか
に長尺の中空管材の形状で行うこともできる。溶融押出
により長尺材(これから切断により軸部を形成する)を
形成する場合、従来の溶融押出装置を使用することがで
き、かかる装置における押出ダイは、形成すべき長尺材
の断面形状に対応した寸法および形状のものを選択する
が、ただし、オリフィス寸法は、押出直後に行う溶融ポ
リマーの引落しを考慮して、形成する長尺材の寸法より
大きくする。サーモトロピック液晶性ポリマー以外のポ
リマーは、ここで説明するような輪郭がダイ形状に精確
に一致する断面部を持った物品を溶融押出により形成す
ることができないと認められる。したがって、サーモト
ロピック液晶性ポリマーは、従来のポリマーが溶融押出
時に示すような押出ダイから出た直後の実質的な弾性反
跳を示さない。適当な押出装置は、たとえば、Joel Fra
dos編,米国プラスチック工業会のプラスチックス・エ
ンジニアリング・ハンドブック」第4版,156−203頁,Va
n Nostrand Reinhold社発行(1976)に記載されてい
る。本発明の長尺材は、場合により、本出願人に譲渡さ
れた米国特許第4,332,759号に記載の方法による押出成
形により形成することもできる。
溶融状態のサーモトロピック液晶性ポリマーの押出に
採用する温度および圧力条件は、当業者には明らかなよ
うに、使用ポリマーの融解温度およびその粘度により左
右される。一般的には、使用ポリマーの融解温度より約
0〜30℃高い押出温度と、約100〜5000psi(7〜350kg/
cm2)の圧力とを採用する。長尺材の長さ方向と同方向
の比較的高い分子配向を誘起させるために、押出物が押
出オリフィスにすぐ隣接した位置で溶融相状態にあって
まだ完全固化する前にこの押出物を引落しする。かかる
引落しの程度は、押出された長尺材を適宣の支持体もし
くは捕集装置に巻取りその他の方法で捕集するときの引
取速度により左右される。得られる引落し比は、完全固
化した押出物の断面積に対する押出ダイの断面積の比と
定義される。かかる引落し比は、実施例に記載の装置を
使用した場合、一般に4〜100、好ましくは約10〜50の
範囲内である。
引落しのほかに、適当な冷却も押出オリフィスと捕集
地点の間の位置でサーモトロピック液晶性ポリマーの押
出物に適用しなければならない。適宣の流体冷却媒
(例、ガスもしくは液体)を使用して所望の冷却を付与
できる。たとえば、押出物を単に空気その他のガスの気
流と接触させるだけでもよく、また好ましくは、固化に
必要な冷却を付与するのに適した温度に保持されたいる
水その他の液体の循環浴に浸漬する方法で冷却を行う。
得られた断面形状は、実質的に均一で、たとえば航空
機産業に要求される品質管理に合格するように、レーザ
ーその他の適当な検知手段を利用して断面形状を監視す
ることができる。軸部として使用するのに適した長尺材
は、約1/16インチ(1.6mm)から1/2インチ(13mm)ま
で、もしくは所望によりそれ以上の断面直径を有し、約
1/8〜1/4インチ(3.2〜6.4mm)が特に多く利用される直
径範囲である。
本発明で規定した所望の特性を有する型成形もしくは
押出成形により形成された締結具の断面を線密に検査す
ると、高度に配向した表皮層(スキン層)と比較的配向
度の低い芯層(コア層)とが通常観察される。これは、
直光偏光顕微鏡もしくは走査式電子顕微鏡の顕微鏡写真
もしくはその他の微視的手段で検知できる。本発明の締
結具の望ましい特性は、このスキン層の厚みと直接相関
していることが認められる。
添付図面を参照して本発明を説明すると、第1図は、
この配向したスキン現象が最も特有に関係するリベット
3の軸部2のセン断破壊様式を示す。第2図および第3
図は、それぞれ溶融押出および射出成形により形成した
軸部2の断面を示し、軸部2の断面は外側の「真の」ス
キン層11、内側スキン層12および未配向のコア層13から
なる。内側スキン層12は約5μmのマクロフィブリル1
4、約0.5μmのフィブリル15、および約0.05μmのミク
ロフィブリル16からなる。
ここで用いた「スキン層」もしくは「表皮層」なる用
語は、実際の表面スキンとその内側の配向領域の両方を
含む意味である。内側配向領域の構造モデルは、約5μ
mから約5nm(ナノメータ)までの範囲内で階層に分化
したフィブリル状組織である。分子レベルで監視された
最も微細な下部構造単位は、本発明で使用するポリマー
については約50×5nmの程度のミクロフィブリルであ
る。このミクロフィブリル状組織が集合して、寸法のよ
り大きな、すなわち断面約0.5μmのフィブリル単位
(フィブリル)になる。寸法が約5μmのマクロ単位
(マクロフィブリル)も認められる。したがって、この
組織の階層化は、スキン層が細長く高度に配向した繊維
様のフィブリル状構造となる点に特徴があり、この特徴
により所望の優れた物理的および化学的性質が付与され
る。
いくつかのメカニズムがこのスキン−コア形成に関与
すると考えられる。これらは、(a)溶融体の降伏応
力、(b)セン断歪み全体の半径方向分布状態、および
(c)ダイ出口後の伸び歪みである。上記メカニズムに
基づいてスキン層の厚みは、適当な締結具の断面の少な
くとも5%、好ましくは該断面の少なくとも10%とすべ
きである。すなわち、1/4インチ(6.4mm)の軸部を有す
る締結具は、使用適性を備えるためには、少なくとも0.
0125インチ(0.32mm)、好ましくは少なくとも約0.025
インチ(0.64mm)の配向したスキン層を持つべきであ
る。したがって、押出された締結具素材を延伸(引落
し)するか、型成形条件を適宣調整する、たとえば異形
材の成形に採用されるように溶融体および金型の温度な
らびに射出圧力および速度を比較的低くするといった
「温和な」成形条件を採用することにより、配向の増大
を図ることができる。スキン層厚みの概算値、ならびに
伸び歪みに対する配向の感受性を考慮すると、速度変換
により起こるメカニズム(c)がスキン−コア形態の形
成の特に大きな要因であると思われる。
本発明の締結具の頭部(ヘッド)は、音波もしくは超
音波エネルギーを使用する従来法により形成され、場合
により加熱を併用してもよい。
本発明の締結具がボルト、ネジ、クギなどの形状のも
のである場合、ネジ山、セレーション(平目刻み)など
の形状修正をプラスチック製品の賦形に常用されている
方法で行うことができる。
所望により、本発明のサーモトロピック液晶性ポリマ
ーからなる固化と成形が既に済んだ締結具のセン断強
度、引張強度および伸びなどの物理的性質を、そのサー
モトロピック液晶性ポリマーの融解温度より低温で、ポ
リマーの融解温度を少なくとも10℃上昇させるのに十分
な時間だけ熱処理することにより、任意に増強すること
もできる。たとえば、長尺材を、窒素もしくはその他の
雰囲気中で、ポリマーの融解温度より低く、かつ融解温
度まで50℃以内の高温度で24時間まで熱処理しうる。
本発明によると、締結具がリベットである場合、慣用
手段を採用して所望の頭部、すなわちリベット頭を形成
することができる。たとえば、埋込(さら)型(flus
h)のリベット頭の形成は高圧溶接法により実施でき
る。この方法は、材料を超音波エネルギーの適用により
軟化させるだけで、実際には溶融しない。盛り上がった
突出型のリベット頭は、頭を別の部材として付け加える
ステーキング(頭付け)もしくはステーク溶接により形
成できる。穴の中に挿入したリベットを、突出したりリ
ベットすなわちボスの表面に超音波エネルギーを当て、
リベット本体を軟化させることにより拡幅することによ
ってもリベット頭を形成できる。
たとえば、20〜40KHzの慣用の超音波装置を有利に使
用できる。使用するジグおよび装置、たとえば超音波ホ
ーンの望ましい形状は、当該技術分野では公知である。
実際問題として、リベット頭の形成は、締結すべき工
作物を貫通して表面から突き出たリベットの突出部もし
くはボスに超音波エネルギーを導入することにより行う
ことができる。適当に導入されたエネルギーにより、突
出部もしくはボスの形状を変化させ、そのため工作物が
締結される。
より具体的に説明すると、突出部もしくはボスの高さ
は、所望形状の頭部を生成するのに十分な材料を与える
ように基材の工作物の厚みより高くする。突出部の先端
に隣接してカプラー部材を配置し、その後このカプラー
部材を高周波数で超音波振動させて、これで突出部の先
端を下向きに打擲することにより突出部もしくはボスに
超音波エネルギーを導入する。こうして超音波エネルギ
ーが突出部もしくはボスに捕捉されると、これが加熱さ
れ、流動可能になるため、その先端部がカプラー部材の
打擲により漬れて拡がる。
本発明のサーモトロピック液晶性ポリマー製締結具の
物理的性質は、特異なものであり、賦形操作、すなわち
上に説明したような噴出成形もしくは溶融押出で加工す
ることのできる他のポリマーではこのような物理的性質
を完全に得ることはできないと思われる。
本発明のサーモトロピック液晶性ポリマーのセン断強
度は極めて高く、少なくとも10,000psi(700kg/cm2)で
あって、たとえば10,000〜50,000psi(700〜3500kg/c
m2)もしくはそれ以上である。かかるセン断強度は、AS
TM B565−76に規定の標準的方法により測定するのが好
都合である。したがって、本発明の締結具は、従来の熱
可塑性ポリマー材料から形成した締結具をひどく損傷す
るような大きさのセン断歪みに耐えるという顕著な傾向
を示す。
本発明のサーモトロピック液晶性ポリマーの締結具の
引張強度も高く、少なくとも20,000psi(1400kg/cm2
あり、たとえば20,000〜100,000psi(1400〜7000kg/c
m2)である。かかる引張強度は、ASTM D638に規定の標
準的方法により約23℃で歪みゲージを使用して測定する
のが好都合である。
本発明のサーモトロピック液晶性ポリマーの耐薬品性
を、次の第IA表および第1B表に記載のデータで例示す
る。これらの表は、本発明の締結具を製作する素材樹脂
を、塩酸、クロム酸、硝酸および硫酸;水酸化ナトリウ
ムおよびめっき液に各種温度で30日間暴露した結果を示
す。
さらに、本発明に係るサーモトロピック液晶性ポリマ
ー製の締結具の線熱膨張率特性は、現在使用されている
金属製締結具および他のプラスチック製の締結具(これ
らは一般にこの点で不十分なために使用不適であると認
められている)とは異なり、非常に満足すべきものであ
ることも認められた。有利には、この材料の線熱膨張率
は、ほぼ0付近であって、数値的には負の数値をとりう
る。本発明の締結具を形成しうる充填材未配合のポリマ
ーの代表的な線熱膨張率の値は、約0(わずかに正の数
値となることもある)から約−3×10-5(in/in℃)ま
での範囲内である。本発明の液晶性ポリマーの線熱膨張
率の例を、競合材料と比較して次表に示す。表中、“C"
が線熱膨張率表わす。
C×10-5(in/in℃) 液晶性ポリマー(実施例1) −0.3〜−2.4 アルミニウム 2.4 チタン/ニオブ合金 0.8 ナイロン 7.2 Rynite530PET樹脂 2.4〜3.6 Ultem2300ポリエーテルイミド樹脂 2.9 RytonR−4ポリフェニレンスルフィド樹脂 1.9 各種の充填材および/または強化材を、得られる成形
材料の約0〜50重量%もしくはそれ以上の合計量で配合
しうる。本発明の締結具中に強化媒体として使用できる
代表的な繊維としては、ガラス繊維、石綿、黒鉛質炭素
繊維、非晶質炭素繊維、合成ポリマー繊維、アルミニウ
ム繊維、ケイ酸アルミニウム繊維、アルミニウム繊維の
繊維物、チタン繊維、ホウ素繊維、マグネシウム繊維、
ロックウール繊維、スチール戦域、タングステン繊維、
木綿繊維、および木材セルロース繊維などが挙げられ
る。所望により、繊維状強化材は、最終的に連続マトリ
ックス相となる液晶性ポリマーへの付着力を改善するた
めに予備処理してもよい。代表的な充填材には、ケイ酸
カルシウム、シリカ、クレー、タルク、マイカ、ポリテ
トラフルオロエチレン、黒鉛、アルミナ・3水和物、炭
酸ナトリウムアルミニウム、バリウムフェライトなどが
ある。
本発明の締結具にあっては、サーモトロピック液晶性
ポリマーマトリックスに補強のためにガラス繊維を配合
して成形材料を調製し、締結具の製造に使用するのが好
ましい。
以下の実施例は、本発明の具体例として示したもので
ある。ただし、本発明は、実施例に記載の詳細に制限さ
れるものではない。
実施例1 サーモトロピック液晶性を示す全芳香族ポリエステル
を使用して、本発明により溶融押出(射出成形)による
締結具の製作を行った。この全芳香族ポリエステルは、
米国特許第4,161,470号の記載に従って調製した、p−
オキシベンゾイル反復単位73モル%と6−オキシ−2−
ナフトイル反復単位27モル%とからなるものであった。
この全芳香族ポリエステルは、60℃でペンタフルオロフ
ェノールに0.1重量%の濃度で溶解した時には8.4dl/gの
対数粘度数を示し、示差走査式熱量法における融解温度
ピークは約289℃であった。
実施例2 実施例1の全芳香族ポリエステルに代えてサーモトロ
ピック液晶性を示す全芳香族ポリ(エステル−アミド)
を用い、異なる押出条件を用いて、実施例1を実質的に
繰り返した。より具体的には、この全芳香族ポリ(エス
テル−アミド)は、本出願人に譲渡された米国特許第4,
330,457号(1982年5月18日発行)に記載の製造法によ
り、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸60モル%、テレフ
タル酸20モル%およびp−アミノフェノール20モル%か
ら形成したものである。この全芳香族ポリ(エステル−
アミド)は、60℃でペンタフルオロフェノールに0.1重
量%の濃度で溶解した時に4.41dl/gの対数粘度数を示
し、示差走査式熱量法による融解温度ピークは284℃で
あった。
実施例3 本実施例は、本発明で用いる代表的な充填材未配合の
液晶性ポリマーの引張およびセン断特性を、航空機産業
で締結具に使用されている金属材料と比較した結果を示
す。すなわち、実施例1および2のポリマー材料を、第
2表に示すようにアルミニウムおよびチタン/ニオブ合
金と比較する。各材料の比重の結果も第2表に併せて示
す。この結果をその他の結果と共に考慮すると、本発明
で用いる液晶性ポリマーが優れていることがわかる。耐
薬品性および耐電食性(ガルバニ腐食に対する耐性)を
考慮すると、本発明の液晶性ポリマーは多くの用途に対
して優れた材料であると考えられる。
実施例4 4種類の競合材料の直径1/4インチ(6.4mm)の丸棒形
射出成形試験片を二面セン断試験に付した。結果は、本
発明で用いる液晶性ポリマー材料が明らかに有利である
ことを示した。試験した競合材料は、ナイロン(ガラス
繊維33%配合ナイロン)−ポリアミド樹脂、Rynite530
(ガラス繊維30%配合)−デュポン社製のポリエチレン
テレフタレート樹脂、Ultem2300(30%ガラス繊維配
合)−ゼネラル・エレクトリック社製のポリエーテルイ
ミド樹脂、およびRytonR−4(40%ガラス繊維配合−フ
ィリップス・ペトロリアム社製のポリフェニレンスルフ
ィド樹脂であった。比較のために、結果を次表に実施例
1および2の液晶ポリマーの結果と共に示す。この表に
示したセン断強度の面での利点のほかに、本発明で用い
る液晶ポリマーは、比較材料のすべてより引張強度の面
で優れており、またRytonを除くすべての比較材料に比
べて耐薬品性にも優れていることも留意されたい。
実施例5 実施例1の液晶性ポリマーから成形したリベットにつ
いて線熱膨張率を測定した。実験は、リベットの軸に1
インチ(2.54cm)の伸び計を取りつけ、このゲージを加
熱器に入れることにより行なった。加熱器の温度は、室
温から150℃まで、1段階約25℃づつ段階的に昇温さ
せ、各段の間は約2℃/minの速度で加熱器温度が上昇し
た。
下記の線熱膨張率が得られた。 試 料 線熱膨張率(in/in℃) 1/4インチ丸リベット −0.9 3/16インチ平リベット −1.0 以上に本発明を好適態様について説明したが、本発明
の範囲内で各種の変更が可能であることは理解されよ
う。
【図面の簡単な説明】
第1図は、締結具のセン断強度試験で起こるセン断破壊
様式を示す略式図、 第2図は、本発明に係る押出成形により形成された締結
具軸部のポリマー構造を示す、押出成形締結具の一部破
断略式図、および 第3図は、本発明に係る射出成形により形成された締結
具軸部のポリマー構造を示す、射出成形締結具の一部破
断略式図である。 2:リベット軸部、3:リベット 11:外側スキン層、12:内側スキン層 13:コア層、14:マクロフィブリル 15:フィブリル、16:ミクロフィブリル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラルフ・アール・ミアーノ アメリカ合衆国ニユージヤージー州、サ ミツト、ヒルクレスト・アベニユー121 番地 (56)参考文献 特開 昭59−147034(JP,A) 特開 昭58−31718(JP,A) 特開 昭60−58829(JP,A) 特開 昭60−38426(JP,A) 特開 昭59−176020(JP,A) 特開 昭54−77691(JP,A) 実開 昭51−36756(JP,U) 特公 昭57−51561(JP,B2) 実公 昭51−489(JP,Y2)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】頭部と工作物に設けた孔に挿入するための
    比較的剛体の軸部とを有する、サーモトロピック液晶性
    ポリマーからなる一体型締結具であって、このサーモト
    ロピック液晶性ポリマーが2−オキシ−6−ナフトイル
    成分、2,6−ジオキシナフタレン成分、および2,6−ジカ
    ルボキシナフタレン成分から選ばれたナフタレン系成分
    を少なくとも10モル%以上含有する全芳香族ポリエステ
    ル、全芳香族ポリ(エステル−アミド)、芳香族−脂肪
    族ポリ(エステル−アミド)、またはこれらの混合物で
    あり、前記締結具が高度に配向されたスキン層を断面積
    の少なくとも5%の厚みで有し、そのセン断強度が少な
    くとも10,000psi(700kg/cm2)、引張強度が少なくとも
    20,000psi(1400kg/cm2)、線熱膨張率が実質的に負で
    あることを特徴とする締結具。
  2. 【請求項2】前記軸部に第二の頭部が設けられている、
    特許請求の範囲第1項記載の締結具。
  3. 【請求項3】前記軸部の外面にネジ山が設けられてい
    る、特許請求の範囲第1項記載の締結具。
  4. 【請求項4】前記頭部および軸部が前記締結具の直線軸
    に沿って中空である、特許請求の範囲第1項記載の締結
    具。
  5. 【請求項5】前記サーモトロピック液晶性ポリマーが、
    60℃でペンタフルオロフェノールに0.1重量%の濃度で
    溶解した時に1.0〜15dl/gの対数粘度数を有するもので
    ある、特許請求の範囲第1項記載の締結具。
  6. 【請求項6】前記サーモトロピック液晶性ポリマーが、
    本質的に下記の反復成分I、II、III、および場合によ
    りIV: (式中、Aは少なくとも1つの芳香環からなる2価基ま
    たは2価trans−1,4−シクロヘキシレン基を意味す
    る)、 III Y−Ar−Z〔式中、Arは少なくとも1つの芳
    香環からなる2価基、YはO、NHまたはNR、そしてZは
    NHまたはNR(ただし、Rは炭素数1〜6のアルキル基ま
    たはアリール基)を意味する〕、 IV O−Ar′−O(式中、Ar′は少なくとも1つの
    芳香環からなる2価基を意味する)、 (ただし、上記式中、環に結合している水素原子の少な
    くとも一部は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
    4のアルコキシ基、ハロゲン、フェニル基、およびこれ
    らの組合せよりなる群から選ばれた置換基で場合により
    置換されていてもよい) からなる、400℃より低温で異方性溶融相を形成しうる
    溶融加工性ポリ(エステル−アミド)であり、このポリ
    (エステル−アミド)は10〜90モル%の成分I、5〜45
    モル%の成分II、5〜45モル%の成分IIIおよび0〜40
    モル%の成分IVからなるものである、特許請求の範囲第
    1項記載の締結具。
  7. 【請求項7】前記サーモトロピック液晶性ポリマーが、
    本質的に下記の反復成分I、IIおよびIII: II 一般式O−Ar−Oで示されるジオキシアリール
    成分(式中、Arは少なくとも1つの芳香環からなる2価
    基を意味する)、 で示されるジカルボキシアリール成分(式中、Ar′は少
    なくとも1つの芳香環からなる2価基を意味する)、 (ただし、上記式中、芳香環に結合している水素原子の
    少なくとも一部は任意に置換されていてもよく、その場
    合の置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
    4のアルコキシ基、ハロゲン、フェニル基およびこれら
    の組合せよりなる群から選ばれる) からなる、400℃より低温で異方性溶融相を形成しうる
    溶融加工性全芳香族ポリエステルであり、このポリエス
    テルは10〜90モル%の成分I、5〜45モル%の成分IIお
    よび5〜45モル%の成分IIIからなるものである、特許
    請求の範囲第1項記載の締結具。
  8. 【請求項8】前記サーモトロピック液晶性ポリマーが、
    本質的に下記の反復成分IおよびII: (ただし、上記式中、芳香環に結合している水素原子の
    少なくとも一部は任意に置換されていてもよく、その場
    合の置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
    4のアルコキシ基、ハロゲン、フェニル基およびこれら
    の組合せよりなる群から選ばれる) からなる、350℃より低温で異方性溶融相を形成しうる
    溶融加工性全芳香族ポリエステルであり、このポリエス
    テルは10〜90モル%の成分Iおよび10〜90モル%の成分
    IIからなるものである、特許請求の範囲第1項記載の締
    結具。
  9. 【請求項9】0〜−3.0×10-5(in/in℃)の負の線熱膨
    張率を示すことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記
    載の締結具。
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