JP2528169Y2 - 蓄電池パック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、直流電源を用いるポー
タブルな機器に用いられる充電可能な蓄電池パックに係
り、特に電極間に導電体が接触して短絡する危険性を防
止することのできる蓄電池パックに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ビデオカメラ等の直流電源を用い
るポータブルな機器に用いられている蓄電池パックにあ
っては、その電極を突出させたものや、電極部分を被覆
するカバーを取付け取外し自在に設けたものが存在す
る。

【０００３】また特開昭４−２２０６０号公報には、蓄
電池パックの電極端子を被蓋するカバーが、蓄電池パッ
クを相手部材に装着することにより開蓋し、蓄電池パッ
クの電極と相手部材の電極端子とが接触する構造が記載
されている。

【０００４】さらに実開昭６３−１２５３６８号公報に
も、蓄電池パックの電極端子を被蓋するカバーが、蓄電
池パックを相手部材に装着することにより開蓋し、蓄電
池パックの電極と相手部材の電極端子とが接触する構造
が記載されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の電極を露出した蓄電池パックにあっては、単体
で持ち歩いたり保管する際に、電極部分に金属等の導電
体が接触してせっかく充電した蓄電池パックが短絡して
使用不能となったり、破損する恐れがあった。

【０００６】また、電極部分を被覆するカバーを取付け
取外し自在に設けた従来の蓄電池パックにあっては、使
用する毎にカバーを取り外す手間を要するとともに、取
り外したカバーを紛失する恐れがあり、カバーが紛失し
てしまうと電極は露出したままとなり、前述の蓄電池パ
ックと同様に使用不能となったり、破損する恐れがあっ
た。

【０００７】そして、上述した特開昭４−２２０６０号
公報に記載された蓄電池パックにあっては、この蓄電池
パックを用いる相手部材の電極端子の保護部材が存在し
ないことから、汚損したり短絡する危険性が伴うととも
に、蓄電池パックを相手部材から離脱させるのに相手部
材の解除ボタンを操作してスライドさせるという手間を
要するものであった。

【０００８】さらに実開昭６３−１２５３６８号公報に
記載された蓄電池パックにあっても、蓄電池パックの電
極はカバーで被蓋されるものの、前述した特開昭４−２
２０６０号公報に記載された蓄電池パックと同様に、相
手部材の電極端子の保護部材が存在しないことから、汚
損したり短絡する危険性が伴うとともに、蓄電池パック
のカバー端部に当接して開蓋させるための突出部材を相
手部材に形成する必要があった。

【０００９】そこで本考案にあっては、電極に導電体が
接触して短絡する危険性を確実に防止し得るとともに、
カバーを取り外す手間や紛失する恐れがなく、さらに相
手部材との着脱が容易で、相手部材に突出部材を形成せ
ずともそのまま従来の相手部材に使用することのできる
蓄電池パックを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成すべ
く、本考案の蓄電池パックは、内部に収納してなる蓄電
池に接続される複数個の電極片を並列状に露出状態にて
収納してなる収納ケースの取付け面を、複数個の電極端
子を備えてなる相手部材の被取付け面に押し当てて摺動
移動させることで相手部材と係合し、前記相手部材の複
数個の電極端子間に撓曲自在に間置されてなる電極端子
保護用突起部を撓曲させることにより前記電極端子と前
記電極片とが接触する蓄電池パックにおいて、前記収納
ケースの取付け面には収納ケース内に配設されたバネ部
材により前記複数個の電極片を閉蓋する方向に付勢され
てなる電極カバーを開閉自在に配設するとともに、前記
収納ケースの取付け面を前記相手部材の被取付け面に押
し当てた際、前記電極カバーの先端部は前記相手部材の
電極端子保護用突起部に当接し突起部の傾斜面を利用し
て自動的に前記電極カバーが開蓋方向に若干移動し、さ
らに前記収納ケースを前記相手部材に係合させるべく収
納ケースの取付け面を相手部材の被取付け面に押し当て
摺動移動させると、前記電極カバーが開蓋し前記電極片
は露出状態となり、前記収納ケースの電極片と前記相手
部材の電極端子とが接触することを特徴とするものであ
る。

【００１１】

【作用】収納ケースの取付け面に収納ケース内に配設さ
れたバネ部材により複数個の電極片を閉蓋する方向に付
勢されてなる電極カバーを開閉自在に配設するととも
に、収納ケースの取付け面を相手部材の被取付け面に押
し当てた際、電極カバーの先端部は相手部材の電極端子
保護用突起部に当接し突起部の傾斜面を利用して自動的
に電極カバーが開蓋方向に若干移動し、さらに収納ケー
スを相手部材に係合させるべく収納ケースの取付け面を
相手部材の被取付け面に押し当て摺動移動させると、電
極カバーが開蓋し電極片は露出状態となり、収納ケース
の電極片と前記相手部材の電極端子とが接触することに
より、蓄電池パックが相手部材から離脱した状態では、
電極カバーがバネ部材により閉蓋し電極片を被覆すると
ともに、収納ケースの取付け面を相手部材の被取付け面
に押し当てて摺動移動させると、電極片を被覆していた
電極カバーが自動的に開蓋して電極片と電極端子とが接
触する。

【００１２】

【実施例】図１は、本考案の蓄電池パックを示し、図中
１は本考案における蓄電池パックであり、合成樹脂材か
らなる収納ケース２内に複数個の蓄電池セルを収納し、
その取付け面２ａの一方側で取付け面２ａよりも１段低
い位置に、前記蓄電池セルに接続される電極片３を、本
実施例にあっては４個並列状に露出状態にて配設してい
る。

【００１３】そして、電極片３の上方には合成樹脂材か
らなる略平板状の電極カバー４が閉蓋して位置し、４個
の電極片４を完全に被覆して露出することを防いでい
る。この電極カバー４は、凸状を設けた先端部４ａを設
け、左右両端縁を電極片３部分の側縁に突設されたガイ
ド溝付きの段部に摺動移動自在に係合させ、基端部分を
取付け面２ａと電極片３の配設された面との間に摺動移
動自在に介在させるとともに、この基端部分と収納ケー
ス内部との間には、引張状態のバネ部材５が、常に電極
カバー４を閉蓋する方向に牽引付勢して介在している。

【００１４】２ｂは、蓄電池パック１の取付け面２ａと
両側面との角部の４ヵ所に形成された略Ｌ形状のガイド
溝であり、機器や充電器等の相手部材６との係合に際し
て用いるものである。また。２ｃは係合した相手部材６
を容易に抜去することを防止すべく取付け面２ａに形成
された係合孔である。

【００１５】本考案の蓄電池パック１が使用される充電
器等の相手部材６は、蓄電池パック１のガイド溝２ｂに
係合する凸部７を、被取付け面６ａの周囲を囲繞して突
設されたコ字状のリブ６ｂの内側に設けるとともに、蓄
電池パック１の４個の電極片３に当接して直流電流を通
電させるための撓曲自在の４個の電極端子８を、基端部
分を内部に固定した状態で被取付け面６ａから突出させ
ている。

【００１６】そして、電極端子８同士が接触して短絡し
たり損傷することを防止すべく、相手部材６の４個の電
極端子８の相互間及び両端には、撓曲自在の５本の電極
端子保護用突起部９が電極端子８よりも突出して並列状
に設けられている。

【００１７】６ｃは、蓄電池パック１を相手部材６に装
着した状態で、蓄電池パック１の係合孔２ｃに係合する
可撓性を有する係合凸部である。

【００１８】このような構成からなる蓄電池パック１に
おいて、蓄電池パック１が相手部材６に装着されていな
い状態では、図１及び図４に示す如く、電極カバー４は
バネ部材５の付勢により常に閉蓋し電極片３を被覆す
る。そして、蓄電池パック１を相手部材６に装着する際
には、図５そして図６に示す如く、相手部材６の電極端
子保護用突起部９の傾斜面が、蓄電池パック１の電極カ
バー４における先端部４ａを斜めに押動付勢し、電極カ
バー４を開蓋する方向に自動的に移動させ、さらに蓄電
池パック１を相手部材６に係合させるべく図７に示す矢
印方向にスライドさせると、電極カバー４は開蓋し電極
片３を露出状態とするとともに、この電極片３と電極端
子８とが接触し、通電が可能となる。そして、相手部材
６の係合凸部６ｃが蓄電池パック１の係合孔２ｃに係合
して、蓄電池パック１が容易には抜去されなくなるもの
である。

【００１９】

【考案の効果】以上詳述した如く、本考案の蓄電池パッ
クによれば、相手部材と係合していない状態では、電極
カバーがバネ部材により閉蓋し電極片を被覆して短絡す
ることを確実に防止することができるとともに、収納ケ
ースの取付け面を相手部材の被取付け面に押し当てて摺
動移動させると、電極片を被覆していた電極カバーが自
動的に開蓋して電極片と電極端子とが接触して係合する
ことから、カバーを取り外す手間が不必要であるばかり
かカバーを紛失してしまう恐れもなく、そして相手部材
に対する蓄電池パックの着脱において従来の解除ボタン
等が不要で極めて容易になるものである。また、本考案
の蓄電池パックは、電極カバーのない従来の蓄電池パッ
クを使用している電子・電気機器や充電器等の相手部材
にそのまま使用することができることから、新規な相手
部材を設計・製造する必要がなく、省資源・省エネルギ
ーの社会的要請にマッチした極めて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の蓄電池パックと相手部材を示す斜視図
である。

【図２】本考案の蓄電池パックの断面図である。

【図３】本考案の蓄電池パックにおける開蓋状態を示す
斜視図である。

【図４】本考案の蓄電池パックと相手部材との係合関係
を示す説明図である。

【図５】本考案の蓄電池パックと相手部材との係合関係
を示す説明図である。

【図６】本考案の蓄電池パックと相手部材との係合関係
を示す説明図である。

【図７】本考案の蓄電池パックと相手部材との係合関係
を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 蓄電池パック ２ 収納ケース ２ａ 取付け面 ３ 電極片 ４ 電極カバー ４ａ 先端部 ５ バネ部材 ６ 相手部材 ８ 電極端子 ９ 電極端子保護用突起部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平４−123065（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−150463（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−125368（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に収納してなる蓄電池に接続される
   複数個の電極片を並列状に露出状態にて収納してなる収
   納ケースの取付け面を、複数個の電極端子を備えてなる
   相手部材の被取付け面に押し当てて摺動移動させること
   で相手部材と係合し、前記相手部材の複数個の電極端子
   間に撓曲自在に間置されてなる電極端子保護用突起部を
   撓曲させることにより前記電極端子と前記電極片とが接
   触する蓄電池パックにおいて、前記収納ケースの取付け
   面には収納ケース内に配設されたバネ部材により前記複
   数個の電極片を閉蓋する方向に付勢されてなる電極カバ
   ーを開閉自在に配設するとともに、前記収納ケースの取
   付け面を前記相手部材の被取付け面に押し当てた際、前
   記電極カバーの先端部は前記相手部材の電極端子保護用
   突起部に当接し突起部の傾斜面を利用して自動的に前記
   電極カバーが開蓋方向に若干移動し、さらに前記収納ケ
   ースを前記相手部材に係合させるべく収納ケースの取付
   け面を相手部材の被取付け面に押し当て摺動移動させる
   と、前記電極カバーが開蓋し前記電極片は露出状態とな
   り、前記収納ケースの電極片と前記相手部材の電極端子
   とが接触することを特徴とする蓄電池パック。