JP2527990Y2 - Cng・lpg切換型燃料システムを具備した内燃機関 - Google Patents

Cng・lpg切換型燃料システムを具備した内燃機関

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JP2527990Y2
JP2527990Y2 JP2512291U JP2512291U JP2527990Y2 JP 2527990 Y2 JP2527990 Y2 JP 2527990Y2 JP 2512291 U JP2512291 U JP 2512291U JP 2512291 U JP2512291 U JP 2512291U JP 2527990 Y2 JP2527990 Y2 JP 2527990Y2
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、天然ガス(CNGとも
いう) と液化石油ガス(LPGともいう)を適宜切換え
可能にした燃料システム(CNG・LPG切換型燃料シ
ステムという)を具備した内燃機関に関する。
【0002】
【従来技術および考案が解決しようとする課題】近年、
著しい自動車の増加に伴って、都市部あるいは主要道路
沿いの地域を中心に自動車の排ガス公害が顕著になり、
その対策が政府並びに各自動車メーカによって講じら
れ、所謂ガソリンエンジンの排ガス浄化技術に関しては
かなりのレベルまで到達している。これに対して、主と
してトラックに搭載され経済性が重要視される所謂ディ
ーゼルエンジンの場合には、未だ決定的な対策が講じら
れていないのが現状であり、自動車の排ガス公害を解決
する上でディーゼルエンジンの排ガスの浄化が不可避と
なっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ディーゼルエンジンの
排ガス浄化について、燃料の成分が異なりコストの安価
な天然ガスを使用すれば、排ガスの浄化と経済性が両立
することはある程度推測されるが、現時点において、天
然ガスのガスステーションが極めて少なく、且つ比較的
短期間にこの種のガスステーションを実用上支承のない
程度の数だけ新設することは現実的に不可能である。
【0004】従って、燃料が天然ガスのみ使用できるエ
ンジンでは遠距離間を走行する車両に搭載して使用する
ことができず、また一方において、燃料を天然ガスと他
の種類のもののいずれをも燃料として使用できるような
エンジンでは、各燃料の性質(例えば、天然ガスは非常
な高圧状態でボンベに入れられて搭載しなければなら
ず、且つ単位体積当たりのカロリーが液化石油ガスより
低い等)の差異に起因して、両方の燃料を使用したいず
れの場合にも自動車用の内燃機関として不都合のない運
転状態(円滑性、加速性、高速回転、静粛性)が得られ
且つコンパクトなものが、未だ提供されていないのが現
状である。
【0005】本考案は、このような現況に鑑みおこなわ
れたもので、液化石油ガスのガスステーションが既にあ
る程度の密度で分布していることに着目し、液化石油ガ
スと天然ガスを適宜切り換えていずれをも燃料として使
用可能な、且つ実用上アイドリング状態から高速回転ま
で安定した運転状態を得ることができ、コンパクトにす
ることができる、CNG・LPG切換型燃料システムを
備えた内燃機関(ディーゼルエンジン,ガソリンエンジ
ンを含む概念をいう)を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第1の考案にかかるC
NG・LPG切換型燃料システムを具備した内燃機関
は、天然ガス及び液化石油ガスが自己着火しない圧縮比
に設定したエンジン本体に、スパーク点火装置を配設す
るとともに、燃焼室への燃料供給手段として、燃料の種
類に応じて供給量を補正する補正機能を具備した制御手
段によって制御されるフュエルインジェクターを吸気通
路側に配設し、上記フュエルインジェクターを、天然ガ
ス系統と液化石油ガス系統のうちのいずれかの燃料系統
に選択的に接続可能な切換手段を介して、低圧の液化石
油ガスボンベと高圧の天然ガスボンベに接続し、上記フ
ュエルインジェクターと天然ガスボンベとの間に、高圧
の天然ガスを低圧に減圧する高圧レギュレータを介装す
るとともに、上記フュエルインジェクターと液化石油ガ
スボンベとの間に、液化石油ガスを気化させるための液
化石油ガス用ホットフィルターと所定圧力に調圧する低
圧レギュレータを介装し、上記エンジン本体の吸気ある
いは排気通路にセンサーを配設し、このセンサーの信号
により上記フュエルインジェクターの燃料供給量を制御
して最適な燃焼がおこなわれるよう構成したことを特徴
とする。
【0007】本第2の考案にかかるCNG・LPG切換
型燃料システムを具備した内燃機関は、天然ガス及び液
化石油ガスが自己着火しない圧縮比に設定したエンジン
本体に、点火システムとしてスパーク点火装置を設け、
燃焼室への燃料供給手段として、フュエルインジェクタ
ーと混合器を吸気通路側に配設し、上記フュエルインジ
ェクターと混合器を、いずれか一方の燃料に切り換え可
能な燃料切換手段を介して、低圧の液化石油ガスボンベ
と高圧の天然ガスボンベに接続し、上記フュエルインジ
ェクター,混合器と、燃料切換手段との間に、天然ガス
を調圧し液化石油ガスを調圧・気化させるマルチレギュ
レータを介装するとともに、少なくとも、上記混合器と
マルチレギュレータとの間に、天然ガスと液化石油ガス
との単位体積当たりのカロリーの差を補正するための補
正バルブを介装したバイパス流路を付設し、上記天然ガ
スボンベとマルチレギュレータとの間に、高圧の天然ガ
スを低圧に減圧する高圧レギュレータを介装するととも
に、上記エンジン本体の吸気あるいは排気通路にセンサ
ーを配設し、このセンサーの信号により上記フュエルイ
ンジェクターの噴射量を制御して最適な燃焼がおこなわ
れるよう構成したことを特徴とする。
【0008】本第3の考案にかかるCNG・LPG切換
型燃料システムを具備した内燃機関は、天然ガス及び液
化石油ガスが自己着火しない圧縮比に設定したエンジン
本体に、点火システムとしてスパーク点火装置を設け、
燃焼室への燃料供給手段として、フュエルインジェクタ
ーと混合器を吸気通路側に配設し、上記混合器を、いず
れか一方の燃料に切り換え可能な燃料切換手段を介し
て、低圧の液化石油ガスボンベと高圧の天然ガスボンベ
に接続し、上記混合器と燃料切換手段との間に、天然ガ
スおよび液化石油ガスを調圧する混合器用低圧レギュレ
ータを介装するとともに、上記混合器と混合器用低圧レ
ギュレータとの間に、天然ガスと液化石油ガスとの単位
体積当たりのカロリーの差を補正するための補正バルブ
を介装したバイパス流路を付設し、上記フュエルインジ
ェクターを、低圧の液化石油ガスボンベに液化石油ガス
用低圧レギュレータを介して接続するとともに、且つ、
高圧の天然ガスボンベに天然ガス用高圧レギュレータを
介して、ぞれぞれ接続し、上記液化石油ガスボンベの後
流側に液化石油ガス用ホットフィルターを配設し、且
つ、この液化石油ガスボンベと液化石油ガス用ホットフ
ィルターとの間を、気相あるいは液相のいずれか一方の
液化石油ガスを選択的に供給する液化石油ガス用気液切
換手段を介して、一方は液化石油ガスボンベの液相部分
と、他方は液化石油ガスボンベの気相部分と、それぞれ
別個の流路により接続するとともに、上記エンジン本体
の吸気あるいは排気通路にセンサーを配設し、このセン
サーの信号により上記フュエルインジェクターの噴射量
を制御して最適な燃焼がおこなわれるよう構成したこと
を特徴とする。
【0009】
【作用】しかして、上記本第1の考案にかかるCNG・
LPG切換型燃料システムを具備した内燃機関は、エン
ジンを始動する際、天然ガス側に燃料切換操作をおこな
うと、燃料切換手段が天然ガス側に切り換わるととも
に、上記制御手段の補正機能が天然ガスを燃料として使
用する補正モード(天然ガスモード)にセットされ、天
然ガスボンベがエンジン本体側に流通可能になる。そし
て、天然ガスボンベからの圧力の高い天然ガスは高圧レ
ギュレータで低圧に減圧されて、フュエルインジェクタ
ーに供給される。そして、フュエルインジェクターから
吸気通路に供給された天然ガスはここでエアインテーク
から吸入された空気と混合されてエンジン本体の燃焼室
に吸入され、ここで適正圧に圧縮され、スパーク点火装
置の点火により爆発がおこり、適正な運転がおこなわれ
る。この際、センサーの作用により、燃料が過多の場合
には、フュエルインジェクターへの燃料の供給量を減ら
し、一方燃料が過少の場合には、フュエルインジェクタ
ーへの燃料の供給を増加して、排ガスが最も良好な状態
になるよう燃焼室での燃焼が制御される。
【0010】そして、天然ガスボンベが空に近くなり、
液化石油ガス側に燃料切換操作をおこなうと、燃料切換
手段が液化石油ガス側に切り換わるとともに、上記制御
手段の補正機能が液化天然ガスを燃料として使用する補
正モード(液化石油ガスモード)に変更され、液化石油
ガスボンベがエンジン本体側に流通可能になる。そし
て、液化石油ガスボンベからの液化石油ガスは、液化石
油ガス用ホットフィルターで気化され、低圧レギュレー
タで所定の圧力に調圧されて、フュエルインジェクター
に供給される。そして、上記天然ガスの場合と同様に、
フュエルインジェクターから吸気通路に供給された液化
石油ガスはここでエアインテークから吸入された空気と
混合されてエンジン本体の燃焼室に吸入され、ここで適
正圧に圧縮され、スパーク点火装置の点火により爆発が
おこり、適正な運転がおこなわれる。また、この際、セ
ンサーの作用により、燃料が過多の場合には、フュエル
インジェクターへの燃料の供給量を減らし、一方燃料が
過少の場合には、フュエルインジェクターへの燃料の供
給を増加して、排ガスが最も良好な状態になるよう燃焼
室での燃焼が制御される。
【0011】ところで、本CNG・LPG切換型燃料シ
ステムを具備した内燃機関では、液化石油ガスと該液化
石油ガスに比べて単位体積当たりのカロリーの低い(約
20%程度低い) 天然ガスのいずれかを適宜切り換えて使
用しても、上記制御手段が天然ガスの場合と液化石油ガ
スの場合とでフュエルインジェクターの噴射量を補正す
るため、エンジンの出力は使用する燃料の種類に影響さ
れることはない。
【0012】本第2の考案にかかるCNG・LPG切換
型燃料システムを具備した内燃機関は、エンジンを始動
する際、天然ガス側に燃料切換操作をおこなうと、燃料
切換手段が天然ガス側に切り換わるとともに、上記補正
バルブが「開」になり、天然ガスボンベがエンジン本体
側に流通可能になり、且つパイパス流路が流通可能にな
る。そして、天然ガスボンベからの圧力の高い天然ガス
は高圧レギュレータで低圧に減圧されて、マルチレギュ
レータに供給され、このマルチレギュレータでエンジン
の燃料として適した圧力に調圧され、通常の流路とパイ
パス流路を通って、混合器とフュエルインジェクターに
供給される。そして、混合器で空気と混合されてエンジ
ン本体の燃焼室に吸入され、ここで適正圧に圧縮され、
スパーク点火装置の点火により爆発がおこり、適正な運
転がおこなわれる。この際、センサーの作用により、燃
料が過多の場合には、フュエルインジェクターへの燃料
の供給量を減らし、一方燃料が過少の場合には、フュエ
ルインジェクターへの燃料の供給を増加して、排ガスが
最も良好な状態になるよう燃焼室での燃焼が制御され
る。
【0013】そして、天然ガスボンベが空に近くなり、
液化石油ガス側に燃料切換操作をおこなうと、燃料切換
手段が液化石油ガス側に切り換わるとともに、上記補正
バルブが「閉」になり、液化石油ガスボンベがエンジン
本体側に流通可能になり、且つパイパス流路が流通不可
になる。そして、液化石油ガスボンベからの液化石油ガ
スは、マルチレギュレータに供給されここで調圧・気化
されて、混合器とフュエルインジェクターに供給され
る。そして、上記天然ガスの場合と同様に、混合器で空
気と混合されてエンジン本体の燃焼室に吸入され、ここ
で適正圧に圧縮され、スパーク点火装置の点火により爆
発がおこり、適正な運転がおこなわれる。
【0014】また、この際、センサーの作用により、燃
料が過多の場合には、フュエルインジェクターへの燃料
の供給量を減らし、一方燃料が過少の場合には、フュエ
ルインジェクターへの燃料の供給を増加して、排ガスが
最も良好な状態になるよう燃焼室での燃焼が制御され
る。
【0015】ところで、本CNG・LPG切換型燃料シ
ステムを具備した内燃機関では、液化石油ガスと該液化
石油ガスに比べて単位体積当たりのカロリーの低い(約
20%程度低い) 天然ガスのいずれかを適宜切り換えて使
用しても、天然ガスを燃料として使用するときにのみ、
上記補正バルブが「開」になり上記バイパス流路を通っ
た分だけ燃料が多く流れることになるため、エンジンの
出力は使用する燃料の種類に影響されることはない。
【0016】本第3の考案にかかるCNG・LPG切換
型燃料システムを具備した内燃機関は、エンジンを始動
する際、天然ガス側に燃料切換操作をおこなうと、燃料
切換手段が天然ガス側に切り換わるとともに、上記補正
バルブが「開」になり、天然ガスボンベがエンジン本体
側に流通可能になり、且つパイパス流路が流通可能にな
る。そして、天然ガスボンベからの圧力の高い天然ガス
は高圧レギュレータで低圧に減圧されて、一部は、混合
器用低圧レギュレータに供給され、この混合器用低圧レ
ギュレータでエンジンの燃料として適した圧力に調圧さ
れ、通常の流路とパイパス流路を通って、混合器に供給
される。そして、他の一部は、上記高圧レギュレータか
ら、フュエルインジェクターに供給される。
【0017】そして、混合器であるいは混合器からの空
気と混合された燃料はエンジン本体の燃焼室に吸入さ
れ、ここで適正圧に圧縮され、スパーク点火装置の点火
により爆発がおこり、適正な運転がおこなわれる。この
際、センサーの作用により、燃料が過多の場合には、フ
ュエルインジェクターへの燃料の供給量を減らし、一方
燃料が過少の場合には、フュエルインジェクターへの燃
料の供給を増加して、排ガスが最も良好な状態になるよ
う燃焼室での燃焼が制御される。
【0018】そして、天然ガスボンベが空に近くなり、
液化石油ガス側に燃料切換操作をおこなうと、燃料切換
手段が液化石油ガス側に切り換わるとともに、上記補正
バルブが「閉」になり、液化石油ガスボンベがエンジン
本体側に流通可能になり、且つパイパス流路が流通不可
になる。この際、気液切換手段によって、液化石油ガス
ボンベのうち、液相のものあるいは気相のものの何れか
が選択的に供給される。いずれの場合にも、液化石油ガ
スボンベからの液化石油ガスは、ホットフィルターで気
化および浄化(気相の液化石油ガスの場合には主として
浄化)され、一部は、混合器用レギュレータに供給され
ここで調圧されて、混合器に供給される。そして、他の
一部は、上記ホットフィルターから液化石油ガス用低圧
レギュレータによって、フュエルインジェクターでの燃
料に適した圧力に調圧され、フュエルインジェクターに
供給される。そして、上記天然ガスの場合と同様に、混
合器であるいは混合器からの空気と混合されてエンジン
本体の燃焼室に吸入され、ここで適正圧に圧縮され、ス
パーク点火装置の点火により爆発がおこり、適正な運転
がおこなわれる。また、この際、センサーの作用によ
り、燃料が過多の場合には、フュエルインジェクターへ
の燃料の供給量を減らし、一方燃料が過少の場合には、
フュエルインジェクターへの燃料の供給を増加して、排
ガスが最も良好な状態になるよう燃焼室での燃焼が制御
される。
【0019】さらに、この第3の考案にかかるCNG・
LPG切換型燃料システムを具備した内燃機関の場合に
は、上記作用の他に、エンジンが冷機状態の始動時にお
いて、液化石油ガスを燃料として使用するときに、上記
気液切換手段を気相側に切り換えれば、既に気相の液化
石油ガスが使用できるため、始動時においても排ガスの
状態が極めて良好となる。
【0020】
【実施例】以下、上記第1〜第3の考案にかかる各実施
例を図面を参照しながら説明する。
【0021】図1は第1の実施例にかかる内燃機関のC
NG・LPG切換型燃料システムの要部の構成を示す構
成図である。
【0022】本燃料システムが用いられるエンジン本体
Eは、本実施例の場合、汎用のディーゼルエンジンの圧
縮比を燃料が自己着火しない適正圧(例えば、小型の場
合には概ね21→13kg/cm2程度に,大型の場合には概ね17
→10.5kg/cm2程度の圧力) に、ピストン頭部を研削加工
することによって、下げたものが用いられている。そし
て、噴射ノズルを取り外しその位置にスパークプラグ取
着穴を設けて、通常ガソリンエンジンで使用される周知
のスパーク点火装置(図示せず)が付設されるととも
に、燃料供給手段として、吸気通路側(本実施例ではマ
ニホールド1)には各気筒毎にフュエルインジェクター
2が配設され、また、上記吸気通路(マニホールド1)
の先端にエアーフィルター3aと後端にスロットル3bを具
備したエアインテーク3が付設されている。本第1の考
案の場合、上記各フュエルインジェクター2が、そのと
きどきのエンジンの円滑な運転に必要な量の燃料、即
ち、具体的には、アクセルペダルの踏み込み量およびエ
ンジンの負荷状態に比例した燃料が、供給されるよう構
成されている。
【0023】そして、上記各フュエルインジェクター2
は、それぞれ、流路L1 によって高圧(200kg/cm2程度)
の天然ガスボンベBと、また、流路L2 によって低圧(5
kg/cm2程度) の液化石油ガスボンベAと接続されてい
る。
【0024】上記フュエルインジェクター2と天然ガス
ボンベBとの間には、天然ガス用高圧レギュレータ7と
天然ガス用高圧ソレノイドバルブ (燃料切換手段の一
つ) 8が介装され、前者は天然ガスボンベ中の200kg/cm
2 の天然ガスを5kg/cm2に調圧するよう、また後者は燃
料切換スイッチSWの操作により適宜天然ガスをフュエル
インジェクター2側に供給できるよう構成されている。
【0025】また、上記フュエルインジェクター2と液
化石油ガスボンベAの間には、5kg/cm2の液化石油ガス
を1kg/cm2の圧力に減圧する低圧レギュレータ16と、液
化石油ガスを急速気化させ且つ浄化するホットフィルタ
ー15と、液化石油ガス用ソレノイドバルブ10(燃料切換
手段の一つ)が介装されている。
【0026】上記ソレノイドバルブ10は、燃料切換スイ
ッチSWの操作により適宜液化石油ガスを上記フュエルイ
ンジェクター2側に供給できるよう構成されている。
【0027】さらに、本実施例の場合、上記エンジン本
体の排気通路 (例えば、排気管; 図示せず) には、公知
のO2 センサー11が配設され、このO2 センサー11の信
号により、制御装置 (マイクロコンピータ) が働き、上
記流路L2 に配設されたフュエルインジェクター2の燃
料供給量を調整し、常に最適な燃焼がおこなわれるよう
構成されている。
【0028】ところで、本燃料システムでは、天然ガス
が液化石油ガスに比べて単位体積当たりのカロリーが約
20%程度低いことに鑑み、上記フュエルインジェクター
2の動作を制御する図示しない制御装置が、上記燃料切
換スイッチSWの切換操作によって、「天然ガスモード」
と体積比率で約20%少ない量の燃料を供給する「液化石
油ガスモード」に切り換えられるよう構成され、噴射さ
れる燃料の種類によりフュエルインジェクター2の噴射
時間を制御するよう構成されている。
【0029】しかして、本燃料システムを具備したエン
ジンは、運転に際し、以下のように作用する。即ち、燃
料に天然ガスを用いるときには、上記燃料切換スイッチ
SWを天然ガス側にセットすれば、制御装置の制御モード
が「天然ガスモード」になるとともに、上記天然ガス用
高圧ソレノイドバルブ8が「開」になり、天然ガスボン
ベBから高圧(200kg/cm2)の天然ガスが流路L1 を通っ
てフュエルインジェクター2側に供給される。この供給
の過程で、天然ガス用高圧レギュレータ7で200kg/cm2
のものが5kg/cm2に減圧される。
【0030】そして、エンジンの運転に応じて、上記図
示しない制御装置の制御により、上記各フュエルインジ
ェクター2からマニホールド内に燃料が噴射され、また
上記マニホールド1ではエアインテーク3側から空気が
供給されて、該マニホールド1において適正な濃さにな
るよう混合され、エンジン本体Eの各気筒の燃焼室に吸
入される。そして、このエンジン本体Eの燃焼室で適正
圧に圧縮され、図示しないスパーク点火装置の点火によ
り該各気筒の燃焼室で順次爆発がおこり、適正な運転が
おこなわれる。この際、上記O2 センサー11が燃料過多
を検出すると、図示しない制御装置がフュエルインジェ
クター2への燃料の供給量を減らす旨の指令を発し、一
方燃料過少を検出すると、フュエルインジェクター2へ
の燃料の供給を増加する旨の指令を発する、所謂空燃比
(混合比) に関する制御がなされ、排ガスが最も良好な
状態になるようエンジン本体の燃焼室での燃焼がおこな
われる。また、本実施例の場合、このように天然ガスが
燃料として使用されているときには、上記低圧レギュレ
ータ16が、液化石油ガスに比べて高い圧力(5kg/cm2
の天然ガスが液化石油ガスポンベA側へ流入するのを阻
止する。
【0031】そして、天然ガスボンベB側から、液化石
油ガスボンベA側に切り換えたいときには、上記燃料切
換スイッチSWを液化石油ガス側にセットすれば、制御装
置の制御モードが「液化石油ガスモード」になるととも
に、上記天然ガス用高圧ソレノイドバルブ8が「閉」
に、液化石油ガス用ソレノイドバルブ10が「開」にな
り、液化石油ガスボンベAから液化石油ガスが供給され
るが、その際、ホットフィルター15で浄化・気化され
て、上記低圧レギュレータ16に供給される。この低圧レ
ギュレータ16で、5kg/cm2から1kg/cm2に減圧され、上
記各フュエルインジェクター2に供給される。
【0032】そして、運転状態に応じて、上記図示しな
い制御装置の制御により、各フュエルインジェクター2
から燃料が上記マニホールド1内に噴射され、ここでエ
アインテーク3からの空気と適正な濃さに混合され、エ
ンジン本体Eの各気筒の燃焼室に吸入される。そして、
このエンジン本体の各気筒の燃焼室で適正圧で圧縮さ
れ、図示しないスパーク点火装置の点火により爆発がお
こり、適正な運転がおこなわれる。この際、上記天然ガ
スの場合と同様に、上記O2 センサー11の検出によっ
て、排ガスが最も良好な状態になるようフュエルインジ
ェクター2への燃料の供給量が制御される。
【0033】そして、燃料を液化石油ガスとした場合に
は、上述の図示しない制御装置の制御により、上述した
天然ガスの場合に比べて体積比率で概ね20%程度少ない
量の燃料がエンジン本体E側に供給され、燃料が液化石
油ガスあるいは天然ガスのいずれであっても、同じ状態
の運転が維持できることとなる。
【0034】従って、本燃料システムを具備した内燃機
関は、単位体積当たりのカロリーが異なる、高圧の天然
ガスボンベから供給される天然ガスであっても低圧の液
化石油ガスボンベからの液化石油ガスであっても、共に
同様の出力状態で、アイドリング状態から高速回転状態
まで、円滑に運転することができる。
【0035】ところで、この実施例では、液化石油ガス
は液相のもののみ使用するよう構成されているが、図4
に図示する実施例のように、液相のものと気相のものを
適宜切り換えて使用できるよう構成してもよい。
【0036】次に、本第2の考案について、図2,図3
を参照しながら説明する。
【0037】図2は第2の実施例にかかる内燃機関のC
NG・LPG切換型燃料システムの要部の構成を示す構
成図である。図3はキャブオール型の小型トラックに本
第2の考案を実施した場合の平面配置図である。
【0038】この第2の考案の実施例のエンジン本体E
は、上記実施例のものと同じものが使用される。
【0039】この実施例では、燃料供給手段として、吸
気通路側(本実施例ではマニホールド1)にエンジン本
体Eに対して一つのフュエルインジェクター2が付設さ
れるとともに、且つ、このフュエルインジェクター2が
付設されている吸気通路(マニホールド1)の先端には
混合器3′が付設されている。そして、本第2の考案で
は、このフュエルインジェクター2と混合器3′から供
給される燃料の合計値が、そのときどきのエンジンの円
滑な運転に必要な燃料の量となるよう、両者の供給能力
が設定されている。即ち、具体的には、上記燃料の合計
値がアクセルペダルの踏み込み量およびエンジンの負荷
状態に比例して変化するよう構成されている。
【0040】そして、本燃料システムの場合、上記フュ
エルインジェクター2と混合器3′は、共に、燃料切換
部4を介して、流路Lにより、低圧(5kg/cm2程度) の液
化石油ガスボンベAと、高圧(200kg/cm2程度) の天然ガ
スボンベBに接続されている。
【0041】上記フュエルインジェクター2,混合器
3′と、燃料切換部4との間には、天然ガスに対して低
圧レギュレータとして機能し液化石油ガスに対してベー
パライザーレギュレータとして作用するマルチレギュレ
ータ5が介装されている。このマルチレギュレータ5
は、市販されている液化石油ガス用エンジンのレギュレ
ータ(株式会社兵庫商会製のREADCAB(登録商標))を、レ
ギュレータ内のガス流路のクリアランスとストロークが
大きくなるよう、改造したものが使用されている。
【0042】上記マルチレギュレータ5は2つの吐出口
5a,5b を具備し、吐出口5aはメイン系統の流路L1 を介
して上記混合器3′に、また、吐出口5bは、該メイン系
統の流路L1 からの燃料供給量を補足するフィードバッ
ク系統の流路L2 を介して上記フュエルインジェクター
2に接続されている。そして、上記マルチレギュレータ
5の、上記吐出口5aからは大気圧で燃料が供給され、上
記吐出口5bからは大気圧よりやや高い0.3kg/cm2 の圧力
で燃料が調圧されて供給されるよう、構成されている。
【0043】また、本実施例の場合、上記吐出口5bに
は、先端が上記混合器3′に接続されたアイドル系の流
路L2aが上記流路とは別途設けられ、またこのアイドル
系の流路L2aにはエンジンの円滑なアイドリング状態を
形成するアイドラー13が介装されている。
【0044】また、上記マルチレギュレータ5の流入口
5cは、共通流路L3 により、上記燃料切換部4に接続さ
れている。
【0045】また、図示しないが、上記マルチレギュレ
ータ5には、ラジエータ(図示せず)からの温水が供給
され、また冷間時には上記マルチレギュレータ5に付設
された冷間時始動バルブ20の操作により加温機構が作動
し、効果的に液化石油ガスを気化させるよう構成されて
いる。
【0046】ところで、天然ガスが液化石油ガスに比べ
て単位体積当たりのカロリーが約20%程度低いことに鑑
み、上記メイン系統の流路L1 及び上記アイドル系の流
路L2aには、燃料切換スイッチSWによって開閉操作可能
な天然ガス用の補正バルブ6を具備したパイパス流路L
1a, 2bが付設され、該メイン系統の流路L1 及びフィ
ードバック系統の流路L2 に、天然ガスが供給されると
きにのみ上記補正バルブ6が開いて、パイパス流路L
1a, 2bからも天然ガスが供給されるよう構成されてい
る。
【0047】また、上記燃料切換部4と天然ガスボンベ
Bの間の流路L5 には、天然ガス用高圧レギュレータ7
と天然ガス用高圧ソレノイドバルブ (燃料切換手段の一
つ) 8が介装され、前者は天然ガスボンベ中の200kg/cm
2 の天然ガスを5kg/cm2に調圧するよう、また後者は燃
料切換スイッチSWの操作により適宜天然ガスを上記燃料
切換部4側に供給できるよう構成されている。
【0048】また、上記燃料切換部4と液化石油ガスボ
ンベAの間の流路L6 には、天然ガスの液化石油ガスボ
ンベAへの流入を防止するチェックバルブ9と、フィル
ター付の液化石油ガス用ソレノイドバルブ10 (燃料切換
手段の一つ) が介装されている。そして、上記ソレノイ
ドバルブ10は、液体状の液化石油ガスの浄化をおこなう
とともに、燃料切換スイッチSWの操作により適宜液化石
油ガスを上記燃料切換部4側に供給できるよう構成され
ている。
【0049】さらに、本実施例の場合、上記エンジン本
体の排気通路 (例えば、排気管; 図示せず) には、公知
のO2 センサー11が配設され、このO2 センサー11の信
号により、制御装置 (マイクロコンピータ) が働き、上
記フィードバック系統の流路L2 に配設されたフュエル
インジェクター2の燃料供給量を調整し、常に最適な燃
焼がおこなわれるよう構成されている。
【0050】しかして、本燃料システムは、エンジンの
運転に際し、以下のように作用する。即ち、燃料に天然
ガスを用いるときには、上記燃料切換スイッチSWを天然
ガス側にセットすれば、上記天然ガス用高圧ソレノイド
バルブ8, 天然ガス用の補正バルブ6が「開」になり、
天然ガスボンベBから高圧(200kg/cm2)の天然ガスが流
路L5 を通ってエンジン本体E側に供給される。この供
給の過程で、天然ガス用高圧レギュレータ7で5kg/cm2
に減圧されるとともに、ここから上記燃料切換部4を経
て流路L3 を通り、マルチレギュレータ5で調圧され、
上記メイン系統の流路L1 およびそのバイパス流路L1a
からは大気圧に調圧された天然ガスが混合器3′の燃料
供給口へ供給される。また、上記フィードバック系統の
流路L2からは0.3kg/cm2 の天然ガスがフュエルインジ
ェクター2を経てマニホールド1に供給されるととも
に、上記アイドル系の流路L2bおよびバイパス流路L2b
からは0.3kg/cm2 の天然ガスがアイドラー13と補正バル
ブ6を経て混合器3′に供給される。そして、上記混合
器3′では燃料が空気と混合され、また上記マニホール
ド1ではフュエルインジェクター2からの燃料が混合気
に噴射することによって適正な濃さになるよう混合さ
れ、この適正な濃さの混合気はエンジン本体Eの燃焼室
に吸入される。そして、このエンジン本体Eで適正圧で
圧縮され、図示しないスパーク点火装置の点火により該
燃焼室で爆発がおこり、適正な運転がおこなわれる。こ
の際、上記O2 センサー11が燃料過多を検出すると、図
示しない制御装置がフュエルインジェクター2への燃料
の供給量を減らす旨の指令を発し、一方燃料過少を検出
すると、フュエルインジェクター2への燃料の供給を増
加する旨の指令を発する、所謂空燃比 (混合比) に関す
る制御がなされ、排ガスが最も良好な状態になるようエ
ンジン本体の燃焼室での燃焼がおこなわれる。また、本
実施例の場合、このように天然ガスが燃料として使用さ
れているときには、上記チェックバルブ9が、高い圧力
の天然ガスが液化石油ガスポンベA側へ流入するのを阻
止する。
【0051】そして、天然ガスボンベB側から、液化石
油ガスボンベA側に切り換えたいときには、上記燃料切
換スイッチSWを液化石油ガス側にセットすれば、上記天
然ガス用高圧ソレノイドバルブ8, 天然ガス用の補正バ
ルブ6 が「閉」になり、液化石油ガスボンベAから液
体の液化石油ガスが供給されるが、その際、液化石油ガ
ス用ソレノイドバルブ10を通過するときに浄化され、チ
ェックバルブ9、燃料切換部4を経てマルチレギュレー
タ5に供給され、ここで調圧・気化されて、上記メイン
系統の流路L1 からは大気圧の液化石油ガスが混合器
3′の燃料供給口へ供給されて、上記フィードバック系
統の流路L2 からは0.3kg/cm2 の液化石油ガスがフュエ
ルインジェクター2を経てマニホールド1に、またアイ
ドラー系の流路L2aからは0.3kg/cm2 の液化石油ガスが
混合器3′に供給される。そして、混合器3′で空気と
混合され、また上記マニホールド1ではフュエルインジ
ェクター2から燃料が噴射されることによって適正な濃
さに混合され、この適正な濃さの混合気はエンジン本体
Eの燃焼室に吸入される。そして、このエンジン本体の
燃焼室で適正圧で圧縮され、図示しないスパーク点火装
置の点火により爆発がおこり、適正な運転がおこなわれ
る。この際、上記天然ガスの場合と同様に、上記O2
ンサー11の検出によって、排ガスが最も良好な状態にな
るようフュエルインジェクター2への燃料の供給量が制
御される。
【0052】かかる液化石油ガスの場合には、上記補正
バルブ6が「閉」の状態になっているため、上述した天
然ガスの場合に比べて体積比率で概ね20%程度少ない量
の燃料がエンジン本体E側に供給され、燃料が液化石油
ガスあるいは天然ガスのいずれであっても、同じ状態の
運転が維持できることとなる。
【0053】従って、本燃料システムを具備した内燃機
関は、単位体積当たりのカロリーが異なる、高圧の天然
ガスボンベから供給される天然ガスであっても低圧の液
化石油ガスボンベからの液化石油ガスであっても、共に
同様の出力状態で、アイドリング状態から高速回転状態
まで、円滑に運転することができる。
【0054】そして、本考案者が三菱自動車株式会社製
のトラック(車種及び型式:三菱S−L069P)のデ
ィーゼルエンジンを上記実施例どおりに改造(その平面
配置を示した図3参照)し、その実車の排ガスを、財団
法人日本自動車輸送協会で、測定してもらったデータ
は、以下の表1〜表8のとおりである。即ち、表1〜表
4は触媒なしの状態のもので、表1,表2は燃料を天然
ガス側にしたときの所謂「10モード」と「11モード」の
値で、表3,表4は燃料を液化石油ガス側にしたときの
同様の値である。また、表5〜表8は所謂三元触媒を使
用したときのもので、表5,表6は燃料を天然ガス側に
したときの所謂「10モード」と「11モード」の値で、表
7,表8は燃料を液化石油ガス側にしたときの同様の値
である。そして、これに対して我が国の平成1年規制値
は、「「10モード」の場合、表9に図示する如き値であ
り、「11モード」の場合、表10に図示する如き値であ
る。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
【表8】
【0063】
【表9】
【0064】
【表10】
【0065】また、アイドリング状態のときの測定値は
以下のとおりである。即ち、触媒なしの状態で、燃料を
天然ガス側にしたときの値を表11に、燃料を液化石油ガ
ス側にしたときの値を表12に、また、三元触媒を使用し
たときの、燃料を天然ガス側にしたとの値を表13に、燃
料を液化石油ガス側にしたときの値を表14に示す。
【0066】
【表11】
【0067】
【表12】
【0068】
【表13】
【0069】
【表14】
【0070】これらの各表から明らかなように、燃料に
天然ガスあるいは液化石油ガスのいずれのものを用いた
場合にも、上記各状態での規制値に比較して大幅に良好
な数値を示している。
【0071】ところで、この実施例では、センサーにつ
いて、O2 センサーを排気通路に配設しているが、他の
形式のセンサーを用いて同様に制御してもよい。また、
上記実施例では、燃料切換手段として、液化石油ガスボ
ンベ側にソレノイドバルブ10と天然ガスボンベ側に高圧
ソレノイドバルブ8を設けて燃料の切り換えをおこなっ
ているが、これに代えて、上記燃料切換部4に液化石油
ガス側と天然ガス側を選択的に接続するような機能のも
のを使用してもよい。
【0072】また、この実施例では、ディーゼルエンジ
ンをベースにして実施しているが、ガソリンエンジンの
場合にも、同様に実施できることは言うまでもない。
【0073】次に、本第3の考案の実施例について図4
を参照しながら説明する。基本的な天然ガスと液化石油
ガスを適宜切り換えて使用できるという作用について
は、上述した第1,第2の考案と略同様であるが、この
内燃機関の場合には、液化石油ガスを使用したときのエ
ンジン冷機状態でのエンジン始動時の排ガス浄化の向上
を企図して、始動当初液化石油ガスタンクに蓄積させた
気相の液化石油ガスを使用するようにしたもので、エン
ジンが暖機状態(本実施例では水温が30℃) になると、
液相の液化石油ガスに切り換えて使用するよう構成され
ている点で異なり、また、フュエルインジェクター2が
各気筒毎に配設されるとともに混合器3′の構成が簡単
なもの(一般のガソリン自動車に採用されている電子噴
射装置のための混合器)が使用され、このフュエルイン
ジェクター2への燃料供給系であるフィードバック系統
には、上述の実施例の如くマルチレギュレータ5(図2
参照)を経ることなく上述の実施例のものより高い圧力
(液化石油ガス側は1kg/cm2、天然ガス側は5kg/cm2
を有する液化石油ガスあるいは天然ガスが供給されるよ
う構成されている点において異なる。
【0074】即ち、図4において、1はマニホールド
で、このマニホールド1の各気筒の吸入口付近にはそれ
ぞれフュエルインジェクター2が配設されている。そし
て、このフュエルインジェクター2は、1kg/cm2の圧力
に減圧する低圧レギュレータ16を具備した液化石油ガス
用フィードバック系統の流路L2Lによって、液化石油ガ
スを急速気化させ且つ浄化するホットフィルター15と、
液化石油ガスボンベAへの流入を防止するチェックバル
ブ9に、接続されている。そして、このチェックバルブ
9から、一方はこの流路の開閉をおこなう液化石油ガス
液相用ソレノイドバルブ10A (気液切換手段)を途中に
具備する液相流路L6Lによって液化石油ガスボンベAの
液相部分と、また、他方はこの流路の開閉をおこなう液
化石油ガス気相用ソレノイドバルブ10B (気液切換手
段)を途中に具備する液相流路L6Aによって液化石油ガ
スボンベAの気相部分と、いずれか一方に選択的に接続
されるよう構成されている。そして、上記二つのソレノ
イドバルブ10A と10B は、エンジンの液温センサー17の
検出温度が30℃以下と以上によって自動的に切り換わる
よう構成されている。
【0075】そして、混合器3′は、上記ホットフィル
ター15と、燃料切換部4,混合器用レギュレータ5′を
介して、一方は補正バルブ6を有するパイパス流路L1a
が並設されたメイン系統の流路L1 で接続され、他方は
補正バルブ6を有するパイパス流路L2bが並設されると
ともにエンジンの円滑なアイドリング状態を形成するア
イドラー13を有するアイドル系の流路L2aで接続されて
いる。
【0076】また、上記フュエルインジェクター2は、
天然ガスボンベBと以下のように接続されている。即
ち、フュエルインジェクター2は、天然ガス用フィード
バック系統の流路L2Cによって、5kg/cm2の圧力に減圧
する高圧レギュレータ7と接続され、この高圧レギュレ
ータ7は、天然ガス用高圧ソレノイドバルブ8を介し
て、天然ガスボンベに接続されている。
【0077】そして、混合器3′は、上記高圧レギュレ
ータ7と、燃料切換部4,混合器用低圧レギュレータ
5′を介して、一方は補正バルブ6を有するパイパス流
路L1aが並設されたメイン系統の流路L1 によって接続
され、他方は補正バルブ6を有するパイパス流路L2b
並設されたアイドル系の流路L2aによって接続されてい
る。
【0078】そして、上記液化石油ガス液相用ソレノイ
ドバルブ10A あるいは液化石油ガス気相用ソレノイドバ
ルブ10B と、天然ガス用高圧ソレノイドバルブ8は、燃
料切換スイッチSWによって液化石油ガス側あるいは天然
ガス側を選択的に「開」にすることができるよう構成さ
れている。
【0079】また、本実施例では、フュエルインジェク
ター2に異なる圧力でもって液化石油ガスと天然ガスが
供給されるよう構成されていることに起因して、上記燃
料切換スイッチSWの操作により、上記フュエルインジェ
クター2の噴射時間が変化し、同一条件下において燃料
が異なっても同じ状態でエンジンが運転できるよう構成
されている。
【0080】しかして、本実施例にかかる内燃機関は、
上述した実施例の他に以下のような作用を生じさせる。
【0081】即ち、エンジンが冷機状態で始動する場合
には、燃料切換スイッチSWを液化石油ガス側になるよう
セットすれば、上記エンジン液温センサー17がエンジン
の液温が30℃以下であることを検出して液化石油ガス気
相用ソレノイドバルブ10B を「開」にする。このため、
液化石油ガスボンベAの気相部分から気体状の液化石油
ガスが、液化石油ガス気相用ソレノイドバルブ10B ,チ
ェックバルブ9を経てホットフィルター15に供給され、
完全に気化された状態となって、一部はフィードバック
系統の流路L2Lをとおり途中で低圧レギュレータ16で5
kg/cm2から1kg/cm2に減圧されフュエルインジェクター
2からマニホールド1の燃焼しようとする気筒近傍部位
に供給され、また他の一部は燃料切換部4,混合器用レ
ギュレータ5′を経てメイン系統の流路L1 およびアイ
ドル系の流路L2aをとおって混合器3′で空気と混合さ
れてエンジン本体Eの燃焼室に吸入され、ここで適正圧
で圧縮され、図示しないスパーク点火装置の点火により
該燃焼室で爆発がおこり、適正な運転がおこなわれる。
この際、O2 センサー11が燃料過多を検出すると、図示
しない制御装置 (マイクロコンピータ) がフュエルイン
ジェクター2への燃料の供給量を減らす旨の指令を発
し、一方燃料過少を検出すると、フュエルインジェクタ
ー2への燃料の供給を増加する旨の指令を発するところ
の、所謂空燃比 (混合比) に関する制御がなされ、排ガ
スが最も良好な状態になるようエンジン本体の燃焼室で
の燃焼がおこなわれる。
【0082】従って、エンジンの冷機状態においても、
気相状の液化石油ガスを用い、上述のように空燃比が制
御されることにより、非常に良好な排ガス状態が得られ
る。
【0083】尚、エンジンの液温が30℃を越えると、上
記エンジン液温センサー17が、エンジンの液温が30℃以
上であることを検出して、液化石油ガス気相用ソレノイ
ドバルブ10B を「閉」に液化石油ガス液相用ソレノイド
バルブ10A を「開」に切り換える。このため、液化石油
ガスボンベAの液相部分から液体状の液化石油ガスが、
上記気相状の液化石油ガスに代わって供給されることと
なる。
【0084】
【考案の効果】しかして、本第1〜第3の考案によれ
ば、上述したように、液化石油ガスと天然ガスを適宜切
り換えていずれをも燃料として使用可能な、且つ実用上
アイドリング状態から高速回転まで安定した運転状態を
得ることができるコンパクトなCNG・LPG切換型燃
料システムを備えた内燃機関を得ることができる。
【0085】この内燃機関は、主燃料を天然ガスにすれ
ば、安価で且つ排ガスのきれいな内燃機関となり、従来
のディーゼルエンジンに代わって経済性が重要視される
トラック等の商用車に使用することができ、自動車公害
を大いに改善することができる。また、天然ガスがなく
なると、簡単に液化石油ガスに切り換えて走行すること
ができるため、天然ガスのガスステーションが少なくと
も、問題なく使用することができる。もちろん、本考案
は、ガソリンエンジンに適用しても、同様の効果が得ら
れる。
【0086】また、この内燃機関は、スパーク点火装置
を備えスパーク点火させるため、燃焼が極めて円滑にお
こなわれるため、静粛性の点でも、従来のディーゼルエ
ンジンに比べて格段に優れている。
【0087】また、本第3の考案によれば、さらに、排
ガス浄化の問題でもっとも難しいと言われているエンジ
ン冷機状態での始動時においても、きれいな排ガスの内
燃機関を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の考案の実施例にかかる内燃機関のCN
G・LPG切換型燃料システムの要部の構成を示す構成
図である。
【図2】 第2の考案の実施例にかかる内燃機関のCN
G・LPG切換型燃料システムの要部の構成を示す構成
図である。
【図3】 図2の構成のものを実際の車両(小型キャブ
オール型トラック)に搭載したときの平面配置状態を示
す平面図である。
【図4】 第3の考案の実施例にかかる内燃機関のCN
G・LPG切換型燃料システムの要部の構成を示す構成
図である。
【符号の説明】
A…液化石油ガスボンベ B…天然ガスボンベ E…エンジン本体 1…マニホールド(吸気通路側) 2…フュエルインジェクター 3…エアインテーク 3′…混合器 5…マルチレギュレータ 5′…液化石油ガス用低圧レギュレータ 6…補正バルブ 7…天然ガス用高圧レギュレータ(高圧レギュレータ) 8,10,10A,10B …ソレノイドバルブ (燃料切換手段) 10A,10B …ソレノイドバルブ (気液切換手段) 11…O2 センサー (センサー) 15…ホットフィルター 16…低圧レギュレータ L1a, 2a…バイパス流路

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ガス及び液化石油ガスが自己着火し
    ない圧縮比に設定したエンジン本体に、スパーク点火装
    置を配設するとともに、燃焼室への燃料供給手段とし
    て、燃料の種類に応じて供給量を補正する補正機能を具
    備した制御手段によって制御されるフュエルインジェク
    ターを吸気通路側に配設し、上記フュエルインジェクタ
    ーを、天然ガス系統と液化石油ガス系統のうちのいずれ
    かの燃料系統に選択的に接続可能な切換手段を介して、
    低圧の液化石油ガスボンベと高圧の天然ガスボンベに接
    続し、上記フュエルインジェクターと天然ガスボンベと
    の間に、高圧の天然ガスを低圧に減圧する高圧レギュレ
    ータを介装するとともに、上記フュエルインジェクター
    と液化石油ガスボンベとの間に、液化石油ガスを気化さ
    せるための液化石油ガス用ホットフィルターと所定圧力
    に調圧する低圧レギュレータを介装し、上記エンジン本
    体の吸気あるいは排気通路にセンサーを配設し、このセ
    ンサーの信号により上記フュエルインジェクターの燃料
    供給量を制御して最適な燃焼がおこなわれるよう構成し
    たことを特徴とするCNG・LPG切換型燃料システム
    を具備した内燃機関。
  2. 【請求項2】 天然ガス及び液化石油ガスが自己着火し
    ない圧縮比に設定したエンジン本体に、スパーク点火装
    置を設けるとともに、燃焼室への燃料供給手段として、
    フュエルインジェクターと混合器を吸気通路側に配設
    し、上記フュエルインジェクターと混合器を、いずれか
    一方の燃料に切り換え可能な燃料切換手段を介して、低
    圧の液化石油ガスボンベと高圧の天然ガスボンベに接続
    し、上記フュエルインジェクター,混合器と、燃料切換
    手段との間に、天然ガスを調圧し液化石油ガスを調圧・
    気化させるマルチレギュレータを介装するとともに、少
    なくとも、上記混合器とマルチレギュレータとの間に、
    天然ガスと液化石油ガスとの単位体積当たりのカロリー
    の差を補正するための補正バルブを介装したバイパス流
    路を付設し、上記天然ガスボンベとマルチレギュレータ
    との間に、高圧の天然ガスを低圧に減圧する高圧レギュ
    レータを介装するとともに、上記エンジン本体の吸気あ
    るいは排気通路にセンサーを配設し、このセンサーの信
    号により上記フュエルインジェクターの噴射量を制御し
    て最適な燃焼がおこなわれるよう構成したことを特徴と
    するCNG・LPG切換型燃料システムを具備した内燃
    機関。
  3. 【請求項3】 天然ガス及び液化石油ガスが自己着火し
    ない圧縮比に設定したエンジン本体に、スパーク点火装
    置を設けるとともに、燃焼室への燃料供給手段として、
    フュエルインジェクターと混合器を吸気通路側に配設
    し、上記混合器を、いずれか一方の燃料に切り換え可能
    な燃料切換手段を介して、低圧の液化石油ガスボンベと
    高圧の天然ガスボンベに接続し、上記混合器と燃料切換
    手段との間に、天然ガスおよび液化石油ガスを調圧する
    混合器用低圧レギュレータを介装するとともに、上記混
    合器と混合器用低圧レギュレータとの間に、天然ガスと
    液化石油ガスとの単位体積当たりのカロリーの差を補正
    するための補正バルブを介装したバイパス流路を付設
    し、上記フュエルインジェクターを、低圧の液化石油ガ
    スボンベに液化石油ガス用低圧レギュレータを介して接
    続するとともに、且つ、高圧の天然ガスボンベに天然ガ
    ス用高圧レギュレータを介して、ぞれぞれ接続し、上記
    液化石油ガスボンベの後流側に液化石油ガス用ホットフ
    ィルターを配設し、且つ、この液化石油ガスボンベと液
    化石油ガス用ホットフィルターとの間を、気相あるいは
    液相のいずれか一方の液化石油ガスを選択的に供給する
    液化石油ガス用気液切換手段を介して、一方は液化石油
    ガスボンベの液相部分と、他方は液化石油ガスボンベの
    気相部分と、それぞれ別個の流路により接続するととも
    に、上記エンジン本体の吸気あるいは排気通路にセンサ
    ーを配設し、このセンサーの信号により上記フュエルイ
    ンジェクターの噴射量を制御して最適な燃焼がおこなわ
    れるよう構成したことを特徴とするCNG・LPG切換
    型燃料システムを具備した内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101396315B1 (ko) * 2012-04-20 2014-05-16 경남정보대학교 산학협력단 실린더별 공급 연료량 편차가 최소화된 차량의 가스연료 공급장치

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KR101396315B1 (ko) * 2012-04-20 2014-05-16 경남정보대학교 산학협력단 실린더별 공급 연료량 편차가 최소화된 차량의 가스연료 공급장치

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JPH04121452U (ja) 1992-10-29

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