JP2527434B2 - 測定用液体単一試薬 - Google Patents

測定用液体単一試薬

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JP2527434B2 JP62070163A JP7016387A JP2527434B2 JP 2527434 B2 JP2527434 B2 JP 2527434B2 JP 62070163 A JP62070163 A JP 62070163A JP 7016387 A JP7016387 A JP 7016387A JP 2527434 B2 JP2527434 B2 JP 2527434B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の背景] 1.発明の分野 生物学的活性物質の簡単かつ迅速で正確な定性的およ
び定量的測定法は絶えず要望されている。例えば非熟練
技術者でも実施し得る方法が必要とされている。さらに
便利さ、信頼性および簡単さが要望されている。臨床研
究室においても、操作および試薬を用いる必要性が可能
な限り少なくてすむこれまでより簡単な測定法に対する
要望が増加している。
通常イムノアッセイでは1種を越える試薬を用いる。
大抵の場合、試薬は互いに接触反応を起こす成分を含有
するため測定実施前に液体媒質中で試薬を合わせること
はできない。1種またはそれ以上の試薬を放出する手段
が提供されるようなときまでは試薬が互いに反応するの
を防いだ状態のまま液体形態として活性材料を合わせる
方法の発見が望まれる。一般にイムノアッセイにおいて
試薬はリガンドおよびそれに相補的なレセプターから成
る特異的結合対の構成員であり、sbpの一つをシグナル
発生系の一員で標識する。互いに相補的な特異的結合対
は普通接触反応する。したがって、そのような試薬は一
般に測定実施直前まで個々に貯蔵される。
単一試薬中で相互反応性薬剤を合わせる特許技術の1
つは、液体試料または希釈剤を加えるまで反応が起こら
ないように試薬を乾燥状態で調製するものである。しか
しながら、測定方法は乾燥試薬により、何らかの制限を
強要される。均一な混合を達成し、水分取り込みを避け
ることが関心事となる。さらに、機が熟す前の反応は避
けられなければならない。乾燥試薬は高価であり、それ
らの製造および品質管理はむずかしい。例えば、試料お
よび希釈剤を同時に加え、激しく振ることにより、反応
が著しく進行してしまう前に粉末を確実に完全溶解させ
ることが一般的に必要である。さらに、特別の処理装置
が必要とされる。
したがって、2つまたはそれ以上の特異的結合成分を
液体単一試薬中で合わせる、試料中のアナライト(Anal
yte)の新規測定方法の開発が望まれる。そのような試
薬により乾燥試薬を混合および浸盪する必要性が除か
れ、そして試料および希釈剤を同時に加える必要もなく
なる。単一液体試薬により、測定遂行に必要とされる時
間および特殊技術はこれまでより少なくてすむ。
2.関連技術の記載 リッチフィールド等、「ハイ・センシティブ・イムノ
アッセイズ・ベイスト・オン・ユース・オブ・リポソー
ムズ・ウイズアウト・コンプレメント」(High Sensit
ive Immunoassays Based on Use Of Liposomes
without Complement)[「クリニカル・ケミストリ
ー」(Clin.Chem.)30巻、1441−1445頁(1984年)]
は、共有結合したハプテン−細胞溶解素コンジュゲート
を用いて小胞を包括酵素により溶解させるリポソームベ
ースのイムノアッセイを記載している。米国特許第3850
578号、第4483921号および第4483929号は、抗原または
抗体が脂質小胞の表面に結合している免疫反応性リポソ
ーム試薬を開示している。脂質小胞の様々な製造方法が
知られている。例えば、米国特許第4529561号、第45228
03号および第4485054号参照。米国特許第4311712号は凍
結乾燥リポソーム混合物の製造方法を開示している。
[発明の要約] この発明は、リガンドおよびそれに相補的なレセプタ
ーから成る特異的結合対(sbp)の一員であるアナライ
トの含有が疑われる試料中の、アナライトの存否の測定
を目的とする方法および組成物を提供する。この方法
は、互いに相補的なsbp成分を単一液体媒質中に含み、s
bp成分をそれに相補的にsbp成分と一時的に結合不可能
にする材料中に1つのsbp成分が可逆的に封じ込められ
ており、他方のsbp成分は同一液体媒質中にフリーの状
態で存在する、予め調製された液体試薬組成物を用いて
行われる。封じ込める材料は合成または天然担体であ
る。sbp成分の少なくとも1つがシグナル発生系の一員
と結合している。一時的に封じ込められたsbp成分の封
じ込みを解除する手段を適当な時点で液体媒質と合わせ
る。化学的または物理的手段またはそれらの組合わせを
用いて一時的に封じ込められたsbp成分の封じ込みを解
除する。この方法において、前述のものを含有する試薬
を適当なオーダーで合わせ、試料中のアナライトの量に
応じて発生されたシグナルを測定する。
この発明の方法は、単一液体試薬中に通常相互反応す
るsbp成分を供給する方法を提供する。1つのsbp成分が
一時的に封じ込められているため、予め必要量の成分を
用いて単一液体試薬を製造部門において調製し、これを
ユーザーに送り、そして将来の使用に備えて貯蔵するこ
とができ、測定に際しては、個々の試薬を秤り混合する
必要はない。
この方法は、スピンイムノアッセイ、FIA、EMIT(エ
ンザイム・マルチプライド・イムノアッセイ・テクニッ
ク)、ELISA(エンザイム・リンクト・イムノソルベン
ト・アッセイ)、RIA(ラジオイムノアッセイ)および
ケミルミネッセント・イムノアッセイを含む様々なイム
ノアッセイ技術で特に有用である。またこの方法は、sb
p成分の一つが粒子上に存在しない粒子凝集イムノアッ
セイにおいても有用である。
単一液体試薬を含有するキットも測定での使用に供さ
れる。また一時的に封じ込められたsbp成分の封じ込み
を解除する手段および補助薬剤もキット中に与えられ得
る。
[実施態様の記載] この発明は、一時的に試薬間の反応を遅らせる様式で
特異的結合試薬を単一液体媒質中に含むように予め調製
した測定用液体単一試薬、および該試薬を用いる方法に
関する。この方法は、一試薬を一時的に他の試薬と非反
応性にする手段として前記試薬を封入した後、包括され
た材料を指定された時間に特異的に放出することを含
む。封入された試薬およびフリーの状態で存在する他の
試薬(単数または複数)が同一の液体媒質中に存在す
る。この発明は、前記液体媒質を利用してアナライトの
含有が疑われる試料中の広範な種類のアナライトを測定
するための高感度で正確で単純化された測定方法を提供
する。
主要発明にしたがうと、リガンドおよびそれに相補的
なレセプターから成る特異的結合対(sbp)の一員であ
るアナライトの存否を決定するための測定方法および組
成物が提供される。アナライトの含有が疑われる試料
を、単一液体媒質中に(1)1つの、封じ込められたsb
p成分をそれに相補的なsbp成分と一時的に結合不可能す
る材料に可逆的に封じ込められたsbp成分および(2)
該液体媒質中にフリーの状態で存在する前記の相補的sb
p成分を含有する組成物と合わせる。sbp成分の少なくと
も1つはシグナル発生系の一員と結合している。シグナ
ル発生系の他の成分もまた単一液体媒質中に存在し得
る。場合により、シグナル発生系のこれらの追加的成分
をさらにsbp成分と封入する。別法として、シグナル発
生系の追加的成分は別の媒質中に存在し得る。
この発明の具体的実施態様をさらに詳細に述べる前
に、用語の説明を行なう。
アナライト・・・測定すべき化合物または組成物であ
り、また関心の対象となる物質である。これは通常特異
的結合対(sbp)の一員であり、一価または多価のリガ
ンドであることができ、通常抗原性またはハプテン性で
あり、単一化合物であるかまたは少なくとも1つの共通
エピトープ部または決定基をもつ複数の化合物である。
多価リガンド・アナライトは、通常ポリ(アミノ酸)
すなわちポリペプチドおよび蛋白質、多糖類、核酸、お
よびこれらの組合わせである。このような組合わせに
は、細菌、ウイルス、染色体、遺伝子、ミトコンドリ
ア、核、細胞膜等が含まれる。
アナライトの詳細な性質は、数多くの例と共に米国特
許第4299916号(リトマン等)特に16−23欄に記載され
ている。
多くの場合、この発明で用いるポリエピトープ性リガ
ンド・アナライトは、分子量少なくとも約5000、通常少
なくとも約10000である。ポリ(アミノ酸)類の中で
は、関心のあるポリ(アミノ酸は一般に分子量約5000−
5000000であり、通常約20000〜1000000である。関心の
あるホルモン類では、分子量は約5000〜60000の分子量
範囲内にある。
広範囲の蛋白質が、同様な構造的特徴を有する蛋白
質、特定の生物学的機能を有する蛋白質、特定の微生物
特に病原性微生物に関連する蛋白質等として含まれる。
モノエピトープ性リガンド・アナライトは、一般に分
子量約100−2000、通常125−1000である。関心のあるア
ナライトには、医薬、中間代謝物、殺虫剤、汚染物等が
含まれる。関心のある医薬としては、アルカロイド性の
ものが含まれる。アルカロイドの中には、モルヒネ、コ
デイン、ヘロイン、デキストロメトルファン、それらの
誘導体および代謝物を含むモルヒネアルカロイロ、コカ
イン、ベンゾイルエルゴニン、それらの誘導体および代
謝物を含むコカインアルカロイド、リセルグ酸ジエチル
アミドを含む麦角アルカロイド、ステロイドアルカロイ
ド、イミナゾイルアルカロイド、キナゾリンアルカロイ
ド、イソキノリンアルカロイド、キニンおよびキニジン
を含むキノリンアルカロイド、ジテルペンアルカロイ
ド、それらの誘導体および代謝物がある。
医薬の別の群には、エストロゲン、エストゲン、アン
ドロゲン、アドレノコルチコステロイド、胆汁酸、強心
配糖体およいアグリコン(ジゴキシンおよびジゴキシゲ
ニンを含む)、サポニンおよびサポゲニン、それらの誘
導体および代謝物を含むステロイド類がある。また、ジ
エチルスチルベストロールのようなステロイド様物質も
含まれる。
医薬の別の群には、バルビツレート、例えばフエノバ
ルビタールおよびセコバルビタール、ジフエニルヒダン
トニン、プリミドン、エトスクシミド、およびそれらの
代謝物を含む5−6員ラクタムがある。
医薬の別の群には、アンフェタミン、カテコールアミ
ン(エフエドリンを含む)、L−ドーパ、エピネフリ
ン、ナルセイン、パパベリン、およびそれらの代謝物を
含むアミノアルキルベンゼン類がある。
医薬の別の群には、オキサゼパム、クロルプロマジ
ン、テグレトール、イミプラミン、それらの誘導体およ
び代謝物を含むベンズヘテロ環(ヘテロ環はアゼピン、
ジアゼピン、フエノチアジンであり得る)がある。
医薬の別の群には、テオフイリン、カフエイン、それ
らの代謝物および誘導体を含むプリン類がある。
医薬の別の群には、カナビノールおよびテトラビドロ
カナビノールを含むマリファナ由来物質がある。
医薬の別の群には、A、B(例えばB12)、C、D、
E、K、葉酸、チアミンを含むビタミンがある。
医薬の別の群には、ヒドロキシ化および不飽和の度合
いと位置でことなるプロスタングランジン類がある。
医薬の別の群には、ペニシリン、クロロマイセチン、
アクチノマイセチン、テトラサイクリン、テラマイシ
ン、それらの代謝物および誘導体を含む抗生物質があ
る。
医薬の別の群には、ATP、NAD、FMN、アデノシン、グ
アノシン、チミジンおよびシチジン(それらは適当な糖
および燐置換基を有し得る)を含むヌクレオシドおよび
ヌクレオチドがある。
医薬の別の群には、メサドン、メプロバメート、セロ
トニン、メペリジン、アミトリプチリン、ノルトリプチ
リン、リドカイン、プロカインアミド、アセチルプロカ
インアミド、プロプラノロール、グリセオフルビン、バ
ルプロ酸、ブチロフエノン類、抗ヒスタミン剤、抗コリ
ン作用薬(例えばアトロピン)、それらの代謝物および
誘導体を含む種々の個別医薬がある。
疾病状態に関連する代謝物には、スペルミン、ガラク
トース、フエニルピルビン酸、およびポルフイリンI型
が含まれる。
医薬の別の群には、ゲンタマイシン、カナマイシン、
トブラマイシンおよびアミカシンのようなアミノグリコ
シド類がある。
関心のある殺虫剤には、ポリハロゲン化ビフエニル、
燐酸エステル、チオホスフエート、カルバメート、ポリ
ハロゲン化スルフエンアミド、それらの代謝物および誘
導体がある。
レセプター・アナライトの場合、分子量は一般に1000
0−2×108の範囲、通常10000−106である。免疫グロブ
リン類、IgA、IgG、IgEおよびIgMの場合、分子量は一般
に約160000−約106の間で変化する。酵素は通常分子量
範囲約10000−1000000である。天然レセプターは広範囲
で変化し、一般に少なくとも分子量約25000であり、106
またはそれ以上の分子量でもあり得、アビジン、DNA、R
NA、チロキシン結合グロブリン、チロキシン結合プレア
ルブミン、トランスコルチン等のような物質を含む。
リガンド類似体またはアナライト類似体・・・レセプ
ターに対して類似のリガンドまたはアナライトと競合し
得る修飾リガンドまたはリガンド代用物または修飾アナ
ライトまたはアナライト代用物であり、修飾はリガンド
類似体またはアナライト類似体を他の分子に結合する手
段を供給するものである。リガンド類似体またはアナラ
イト類似体は、通常、リガンド類似体またはアナライト
類似体をハブ(hub)または標識に結びつける結合で1
個の水素を置換すること以外の点でリガンドまたはアナ
ライトと異なっているが、これは必らずしも必要ではな
い。リガンド代用物またはアナライト代用物の語は、リ
ガンドまたはアナライトに対して相補的なレセプターに
特異的に結合する能力を有する化合物を意味する。すな
わち、リガンド代用物およびアナライト代用物は、リガ
ンドまたはアナライトと類似の仕方でレセプターと結合
することができる。代用物(surrogate)は、例えば、
リガンドまたはアナライトに対する抗体のイデイオタイ
プを指向する抗体である。
ポリ(リガンド類似体)・・・通常ハブ(hub)核に
対して、互いに共有結合した複数個のリガンド類似体で
ある。ハブ核は、多官能性物質で、普通ポリマー性であ
り、通常複数個の官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、
メルカプト、エチレン基等を結合部位として有する。ハ
ブ核は水溶性でも非水溶性でもよいが、水溶性が好まし
く、通常分子量少なくとも約30000であり、分子量1000
万またはそれ以上であり得る。ハブ核の例には、多糖
類、ポリペプチド(蛋白質を含む)、核酸、アニオン交
換樹脂等が含まれる。非水溶性ハブ核はまた、容器壁
(例えばガラスまたはプラスチック)、ガラスビーズ、
付加および縮合重合体、セフアデックスおよびアガロー
スビーズ等を含むことができる。
特異的結合対の構成員(「sbp構成員」)・・・他方
の分子と特異的に結合し、それ故に該分子に固有の空間
的および極性的構成と相補的であると規定される表面上
の区域またはくぼみを有する異なった二つの分子のうち
一つ。特異的結合対の要素はリガンドと受容体(アンチ
リガンド)として表すことができる。これらは通常、抗
原−抗体のような免疫学的対の要素である。なお、ビオ
チン−アビジン、ホルモン−ホルモン受容体、核酸2本
鎖分子、IgG−プロテインA、DNA−DNA、DNA−RNA等の
ような他の特異的結合対の要素は免疫学的対ではないけ
れども発明に含まれる。
リガンド・・・レセプターが天然に存在し、もしくは
これを作成することができる任意の有機化合物。
レセプター(「アンチリガンド」)・・・ある分子に
固有の空間的および極性的構成、例えばエピトピック部
位または決定部位を認識し得る任意の化合物または組成
物。具体的なレセプターの例を挙げれば、例えばチロキ
シン結合グロブリン、抗体、酵素、Fab断片、レクチン
類、核酸類等を挙げることができる。
標識・・・標識は、シグナル発生系の構成員であり、
sbp成分とコンジュゲートしている。標識は、同位元素
であってもなくてもよいが、通常非同位元素であり、酵
素のような触媒、蛍光剤、染料または化学発光剤のよう
なクロモーゲン、放射性物質、粒子等である。
シグナル発生系・・・シグナル発生系は1またはそれ
以上の構成要素を有し、少なくともその1要素は標識で
ある。シグナル発生系は、試料中のアナライトの存在ま
たはその量と比例した信号を発生する。シグナル発生系
は、測定し得る信号の発生に要するすべての試薬を含ん
でいる。シグナル発生系の少なくとも一成分は、sbp構
成員の少なくとも一員と結合する。シグナル発生系の他
の要素は基質、エンハンサー、活性化物質、化学発光体
化合物、補因子、阻害物質、スカベンジャー、金属イオ
ン、およびシグナル発生物質の結合に必要な特異的結合
をする物質等を含むことができる。また、シグナル発生
系の他の要素は、補酵素、酵素生産物と反応する物質、
他の酵素および触媒等である。シグナル発生系は、外的
手段、好ましくは放射能、粒子の凝集度の測定または電
磁放射の使用のような手段により、好ましくは視覚的な
計測によって検出し得る信号を提供する。多くの場合、
シグナル発生系には発色性の基質および酵素(発色性の
基質は酵素反応によって紫外部または可視部領域の光を
吸収する染料へと変換する)、りん、発蛍光剤または化
学発光剤が含まれる。
シグナル発生系は、少なくとも1個の触媒(通常、酵
素)と少なくとも1個の基質とを含むことができるが、
また2個またはそれ以上の酵素と複数個の基質とを含む
ことができ、さらに1酵素の基質が他の酵素の生産物で
あることから成る酵素の組合わせを含むことができる。
シグナル発生系の作動により、試料中のポリオリゴヌク
レオチド量と関係する検出可能な信号を提供する生産物
を生成することができる。
シグナル発生系に有用な多数の酵素および補酵素が米
国特許第4275149号(第19〜23欄)および米国特許第431
8980号(第10〜14欄)に示されている。多数の酵素の組
合わせが米国特許第4275149号(第23〜48欄)に提供さ
れており、該組合わせはこの発明に利用し得ることが判
明した。
とくに興味深いのは、過酸化水素の産生、および色素
前駆物質を酸化して色素に変える過酸化水素の利用を行
う酸素類である。特殊な組合わせとしては、過酸化水素
を利用して色素前駆物質を酸化する酵素、即ち、西洋ワ
サビペルオキシダーゼ、ラクトベルオキシダーゼ、また
はミクロペルオキシダーゼのようなペルオキシダーゼ類
を組合わせた糖類酸化酵素(例えばブドー糖酸化酵素お
よびガラクトース酸化酵素等)またはウリカーゼやキサ
ンチン酸化酵素のような複素環酸化酵素等を挙げること
ができる。その他の酵素の組合わせについては、前記し
た特許に示されている。1個の酵素を標識として使用し
たときは、その他の酵素を組合わせて使用することがで
き、そのような酵素としては加水分解酵素、転移酵素お
よび酸化還元酵素が使用され、好ましくはアルカリホス
ファターゼおよびβ−ガラクトシダーゼのような加水分
解酵素が使用される。別法として、蛍ルシフェラーゼお
よび細菌ルシフェラーゼのような発光酵素類を使用する
ことができる。
使用可能な補酵素類を例示すれば、NAD〔H〕、NADP
〔H〕、ピリドキサール燐酸、FAD〔H〕、FNM〔H〕等
を挙げることができる。通常、代謝回転に含まれる補酵
素であれば使用することができる(とくに、米国特許第
4318980号を参照)。
酸素反応の生産物は、通常、染料または蛍光剤であ
る。多数の蛍光剤の例が米国特許第4275149号に提供さ
れている(第30〜31欄)。
補助材料・・・この発明による測定には、多くの補助
材料がよく使用される。例えば、バッファーは普通に媒
質に使用されるし、また測定媒質および測定成分の安定
剤も普通に使用される。これらの添加剤のほかに、アル
ブミンのような別の蛋白質、界面活性剤、とくに非イオ
ン界面活性剤、結合促進剤(例えばポリアルキレングリ
コール)等が用いられる。
sbp成分を可逆的に封じ込める材料・・・sbp成分を一
時的に封じ込めることにより封じ込めらたsbp成分がそ
れに相補的なsbp成分と結合するのを防ぐことができる
材料ならどれでも使用することができる。例えば、sbp
成分が互いに接近するのを阻止すれば結合を防ぐことが
できる。封じ込みは可逆的でなければならない。材料は
普通細かく分割されているため液体媒質にけん濁され
得、封じ込められたsbp成分を急速に放出させることが
できる。粒子は球形または不規則な形状であり得、普通
10nm〜500μ、さらに一般的には20nm〜2μ、多くの場
合100nm〜1μの平均直径を有する。材料は液体媒質と
化学反応を起こさず不溶性であり、通常は水性緩衝液で
あり、そして混和しない、液体、液晶、固体、ゲルなど
から成る。ただし「混和しない」は、封じ込められたsb
p成分の貯蔵条件下では混和しないが、測定条件下では
必ずしもそうでないものてする。材料の例には、リポソ
ーム、人工細胞、小胞、ゲル例えばゼラチンおよびアガ
ロース、天然細胞膜例えば赤血球ゴースト、ポリマー化
ビーズなどがある。
リポソームは、ほぼ球形の微小胞である。リポソーム
の外殻は、ある容量の水または水溶液を内包するリン脂
質二重層(2分子層)で構成される。複数の二重層を有
するリポソームはマルチラメラ小胞と呼ばれる。単一の
二重層を有するリポソームはユニラメラ小胞と呼ばれ
る。二重層は、相補的sbpの拡散に対する不浸透性障壁
としての役割を果たす。二重層のリン脂質は、全体的ま
たは部分的に通常荷電状態の極性頭部基および普通2個
またはそれ以上の炭化水素直鎖からなる疎水性部分を有
する他の両親媒性(amphiphylic)化合物と置き換える
ことができる。リン脂質代用物の例には、ジセチルホス
フェート、ジアルコキシプロピルホスフェート類(ただ
し、アルキル基は12〜20個の炭素原子から成る直鎖を有
する)、N−(2,3−ジ−(9−(Z)−オクタデセニ
ルオキシ))−プロパ−1−イル−N,N,N−トリメチル
アンモニウムクロリド、スフィンゴミエリン、カルジオ
リピンなどがある。
この発明で用いられるリポソームは、sbp成分を収容
することができなければならない。一般的に、リポソー
ムは少なくとも約20nm〜2μ、普通約100nm〜1μ、好
ましくは約200〜600nmである。好ましいリポソームは、
同じ大きさのもので容易に分散して非常にゆっくりと沈
殿する均一なけん濁液をもたらし、実質量のsbp成分の
封入または均一な残存に充分な大きさものである。過去
の方法と対比すると、この発明のリポソームは、脂質小
胞の外部表面にsbp成分が実質的に存在しないように形
成される。
リポソームは、水溶液中における乾燥リン脂質または
リン脂質代用物の水和および機械的分散により製造され
得る。こうして製造されたリポソームは様々な寸法、組
成および性質を有する。機械的に分散されたリポソーム
の不均一性および不調和性を低減する方法は音波処理に
よるものである。そのような方法は平均リポソームサイ
ズを減少させる。別法として、リポソーム製造中最終段
階として押し出し法を用いることができる。米国特許第
4529561号は、リポソームに圧力を加えて一律孔サイズ
の膜から押し出すことによりサイズの均一性を改良する
方法を開示している。
この発明のリン脂質は、レシチンを含む天然の膜に見
出されるリン脂質もしくはリン脂質混合物、またはモノ
エステルとしてリン酸エステルが存在し得る飽和もしく
は不飽和の12−炭素もしくは24−炭素直鎖脂肪酸の合成
グリセリルリン酸、ジエステル酸、または極性アルコー
ル例えばエタノールアミン、コリン、イソシトール、セ
リン、グリセリンなどのエステルとして存在し得る。特
に好ましいリン脂質には、L−α−パルミトイルオレオ
イルホエファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレ
オイルホスファチジルグリセリン(POPG)、L−α−ジ
オレオイルホスファチジルグリセリンおよびL−α−
(ジオレオイル)−ホスファチジルエタノールアミンが
ある。
またリポソームは、コレステロールおよびその誘導体
および様々の両親媒性化合物を二重層に含み得る。
この発明による好ましいリポソームの例は、POPC65〜
97重量%、POPG3〜30重量%およびコレステロール0〜3
0重量%で構成されたものである。特に好ましい具体例
の場合、リポソームの組成はPOPC67〜76%、POPG3〜4
%およびコレステロール20〜30%である。
前述のように、リポソームは様々な方法で製造され得
る。方法の一例は、クロロホルム溶液にリン脂質を合わ
せ、次いで窒素気流下クロロホルムを除去するものであ
る。残存する痕跡量の溶媒は例えば高度減圧により除去
され得る。次いでリン脂質を凍結可能な溶媒例えばt−
ブタノールまたはシクロヘキサンにゆっくり混合しなが
ら溶かし、次いで溶液を凍結乾燥する。sbp成分に封入
に使用するまで生成した粉末を乾燥および冷却状態に保
つ。
封入されるべき材料を緩衝液に溶かす。緩衝液の例に
は、ホウ酸緩衝液、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、トリス
緩衝液、バルビタール緩衝液などがある。この発明の場
合、使用される特定の緩衝液は厳密ではないが、個々の
封入においてある緩衝液が別の緩衝液より好ましいこと
はあり得る。
リポソームけん濁液は、脂質粉末を封入されるべき材
料と混合することにより製造され得る。次いでけん濁液
を緩衝液で希釈し、徐々に孔を小さくした一連のフィル
ターにより濾過する。例えば、1.0μ、0.6μ、0.4μお
よび0.2μ。フィルターのいずれか1つおよび特に孔が
最小のフィルターにより繰返し濾過するのが望ましい。
リポソームは例えばセファクリル(Sephacryl)S−100
0のカラムによるゲル濾過により精製され得る。カラム
を緩衝液で溶離し、リポソームを集めることができる。
好ましい具体例において、可逆的に封じ込められたsb
p成分の少なくとも1つをシグナル発生系の一員と結合
させる。そのような結合、可逆的に封じ込められた成分
は例えば酵素およびハプテンのコンジュゲートであり
得、相補的成分は、これもまた、可逆的に封じ込められ
得るかまたは遊離し得るが、例えばハプテンに対する抗
体であり得、そして封じ込める材料は例えばリポソーム
であり得る。封じ込められた物質が酵素およびハプテン
のコンジュゲートであるそれらの場合において、封入さ
れた物質は所望により酵素に対する安定剤を含有し得
る。酵素を封入する一利点は、別法として安定剤が測定
遂行に不利な影響を与え得るバルク(bulk)溶液におい
て行なう場合よりかなり高濃度で安定剤が封入された物
質に含まれ得ることである。すなわち、封入することに
より、バルク溶液の組成に関して例えば粘稠度、イオン
強度、pHおよび酵素阻害剤濃度の限界が存在する場合に
バルク溶液の場合より大きな酵素安定性を達成する機会
がもたらされる。
別法として、可逆的に封じ込められた成分は非標識sb
p成分、例えば抗体であり得、そして相補的成分は標識
例えば酵素およびsbp成分例えばハプテンのコンジュゲ
ートであり得る。
sbp成分を可逆的に封じ込める材料が赤血球ゴースト
である場合、sbp成分は例えば「メソッド・イン・エン
ザイモロジー」(Method in Enzymology)第31巻、フラ
イシェルおよびパッカー編、172〜180頁、アカデミック
・プレス(1974年)に記載された公知技術にしたがい細
胞中に封入され得る。
またこの発明の範囲には、封じ込められたsbp成分が
同じ液体媒質に存在する場合1個より多いsbp成分を可
逆的に封じ込めることも含まれる。
封じ込み解除手段・・・sbp成分が可逆的に封じ込ま
れるとは、それを相補的sbpと同じ液体培地中に貯蔵す
る場合の条件下ではそれら2つのsbp成分は反応できな
いが、封じ込みを解除する手段を加えることによりsbp
成分はそれに相補的なsbp成分と反応可能になる場合で
ある。測定遂行な実質的に妨害しない条件で一時的に封
じ込められたsbp成分の封じ込みを解除することができ
る天然もしくは合成、有機もしくは無機の化学的化合
物、組成物もしくは材料、または物理的手段またはそれ
らの組み合わせ、または酵素方法または溶菌蛋白質材料
はいずれも用いられ得る。封じ込み解除手段は、可逆的
にsbp成分を封じ込めるに使用された材料により異な
る。
リポソームおよび細胞膜内の封じ込みを解除する化学
的化合物、組成物または材料の例には、トリトン(TRIT
ON)、デオキシコール酸ナトリウム、オクチルグルコシ
ド、ドデシル硫酸ナトリウムなどを含むデタージェント
がある。リン脂質リポソームおよび細胞膜による封じ込
みは、ポリペプチド類例えばメリチン、酵素類例えばホ
スホリパーゼ、多電荷金属イオン例えばCu++およびMg++
により解除され得る。細胞膜は浸透圧ショックにより中
身を放出する。リポソーム、細胞膜およびゲルは音波処
理によるかまたは温度変化、普通は加熱により中身を放
出し得る。アルギン酸カルシウムはEDTAのようにカルシ
ムイオンをキレート化する薬剤により溶解されるゲルを
形成する。前記の材料およびそれらの製法または単離は
当技術分野においてよく知られており、多くは市販され
ている。
封じ込みを解除する物理的手段の例には、凍結および
解凍を含む温度変化、音波処理および浸透圧ショックが
ある。
既に述べたように、この発明は単一液体試薬およびそ
の測定における用途を包含する。測定はホモジニアスま
たはヘテロジニアスであり得、触媒性、発色性、放射性
などである標識を用い得る。この発明の単一液体試薬は
米国特許第3817837号に記載された方法に有用である。
この試薬を使用できる他の方法には、マジオによる「エ
ンザイム・イムノアッセイ」(Enzyme−Immunoassay)
シー・アール・シー・プレス社、ボカ・レイトン・フロ
リダ(1980年)並びに米国特許第3690834号、第3791932
号、第3850578号、第3853987号、第3867517号、第39016
54号、第3935074号、第3984533号、第3996345号および
第4098876号に記載された方法があるが、これらは例を
示したであり限定しているのではない。
この発明の方法は総じて、アナライトの含有が疑われ
る試料を(1)sbp成分をそれに相補的なsbp成分と一時
的に結合不可能にする材料に可逆的に封じ込まれた1つ
のsbp成分および(2)該液体媒質中でフリーの状態で
存在する相補的sbp成分を含む単一液体試薬組成物と合
わせることを含む。sbp成分の少なくとも1つはシグナ
ル発生系の一員と結合している。可逆的に封じ込まれた
物質は例えば酵素−薬剤コンジュゲートのような標識さ
れたsbp成分であることが多い。そのような場合、封じ
込まれていないspb成分は例えば薬剤に対する抗体のよ
うに相補的sbp成分である。可逆的に封じ込まれたsbp成
分を封入する物質が透過を妨げるため、相補的sbp成分
は封じ込まれた成分と反応することはできない。
この測定方法を実施するには、アナライトの含有が疑
われる試料の予定された量を測定する。試料の量は一般
にアナライトに関して正確で高感度の測定結果を与える
べく選ばれる。一般的に、生理学的液体中の多くの薬剤
の容量は、約1.0〜500μ、通常約5〜100μの範囲
である。試料の性質および最初の容量次第で、試料は適
当な容量の蒸留水または脱イオン水または緩衝液により
希釈され得る。通常、試料をこの発明の液体試薬組成物
と合わせ、続いて封じ込み解除手段を与える。用いられ
る液体試薬の量は、試料成分からの非特異的妨害を避け
るのに必要な試料の希釈量、アナライトの濃度範囲およ
び考慮すべき要因、例えば正確な液体測定および分光光
度計による測定における最適容量により異なる。普通、
液体試薬の量は5μ〜3ml、多くの場合25μ〜1mlで
ある。合わせたものの最終容量は、約5μ〜3ml、普
通約50〜500μである。前述のように、シグナル発生
系の少なくとも一成分はsbp成分の1つと結合してい
る。この方法の場合、培地はまたシグナル発生系の前記
以外の成分をさらに含み得るが、これらは最初封じ込ま
れた物質とは離れて存在するかまたはその内部に存在す
るかまたはその両方の場合であり得る。シグナル発生系
の様々な成分の濃度は興味の対象であるアナライトの濃
度範囲により変化する。
使用される封じ込み解除手段の量は、sbp成分を可逆
的に封じ込める材料の性質および量、放出手段の性質お
よび所望の放出速度により異なる。化学的放出剤または
それらの組合わせを用いる場合、薬剤(単数または複
数)の濃度は所望の時間内で封じ込まれたsbp成分の実
質的または完全な放出をもたらすのに充分なものでなく
てはならない。一般に、5分未満、好ましくは1分未
満、さらに好ましくは15秒未満で完全に放出させるのが
好都合である。多くの場合、本質的に封じ込み解除手段
を与えた瞬間放出が起こる。
封じ込み解除手段としてデタージェントを使用する場
合、デタージェントの量および組成は、経験的に、放出
されるsbp成分を量を最大限とし、放出時間を最小限と
するべく選択される。酵素または蛋白質試薬を用いる場
合、これらの試薬のコストおよび有用性はこれらの試薬
をどの程度使用できるかを決定する際の重要な要素であ
る。一般に、使用される前記試薬が多くなると、放出プ
ロセスも速く完全になる。これらおよび他の封じ込み解
除手段を用いる場合、試薬の量(化学的手段の場合)お
よびプロセスの大きさ(物理的手段の場合)に関して、
測定要素または測定結果に対する不利な影響を避けるた
めに制限を設ける必要がある。sbp成分を封入状態から
放出後sbp成分およびそれに相補的な成分に対する損傷
を最小限にするかまたは避けるために封入材料およびsb
p成分の性質に応じて放出剤(単数または複数)を選択
することが重要である。
アナライトを含有する試料を液体媒質と合わせ、封じ
込まれたsbp成分の封じ込み解除手段を与えた後、結合
が生じるのに充分な時間液体媒質を放置する。通常、こ
の時間は少なくとも約5秒〜約30分およびさらに一般的
には約10秒〜5分を要する。次に、検出可能なシグナル
の初回読み取りを行なう。通常、混合の約30秒〜60分後
さらに(数回の)読み取りを行なう。
通常この方法を行なう場合の温度は中温であり、普通
この方法を行なっている間は温度を一定に保つ。一般的
に、この方法における温度は、約0〜50℃、さらに普通
は約15〜40℃の範囲である。sbp成分の封入解除後に
は、sbp成分およびそれに相補的なsbp成分の結合を促す
温度が選ばれる。また、一般に測定を行なう場合の温度
は中温であり、普通一定温度を保つ。一般に測定温度は
約10〜50℃、さらに普通は15〜40℃の範囲である。
この方法を行なう場合、媒質のpHは普通約5〜10、お
よび好ましくは約6〜9の範囲である。pHは、封じ込み
の逆転を防ぎ、試薬の安定性を制御し、貯蔵中の望まし
くない反応を防ぐように選択される。媒質のpHが測定の
実施に適していない場合、解除手段を加える前またはそ
れと同時に適当な緩衝液を媒質に加えて測定に適したpH
に調節する。様々な緩衝液を用いることにより所望のpH
を達成し、測定中そのpHを維持することができる。この
発明の場合使用される特定の緩衝液は厳密ではないが、
個々の測定において、ある緩衝液が別の緩衝液よりも好
ましいことはあり得る。緩衝液の例には、ホウ酸緩衝
液、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、トリス緩衝液、バルビ
タール緩衝液などがある。
アナライトの測定を行なうのに加えて、通常1種また
はそれ以上の検量線による測定を行なうのが望ましく、
その際様々な濃度において単一の値または複数の値を
得、アナライト濃度対観察値をグラフに示すことにより
標準曲線が得られる。検量線およびアナライト測定が実
質的に類似の周囲条件下で行なわれている限り、特別の
温度制御は要求されない。
この方法は、sbp成分およびそれに相補的な成分の両
方を含有し、そのうち少なくとも1つがシグナル発生系
と結合している単一液体試料を供給する手段を提供する
ことによるオートメーション化された測定方法に特に有
利である。この発明により、測定を行なう前に別々の試
薬を測量および混合して正確な比率にしたり、固体試薬
を再構成することが不必要となった。
この発明の単一液体試薬を用いた測定実施方法の例が
米国特許第3817837号に開示されている。可逆的に封じ
込まれた物質は酵素−ハプテンコンジュゲート、例えば
グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ−テオフィリ
ンであり得る。相補的成分は、非封入状態であり、アナ
ライトに対する抗体、例えば抗テオフィリンであり得、
そして封入材料はリポソームであり得る。単一製剤およ
びアナライトを合わせる。
そのような方法において、測定プロトコルは酵素コン
ジュゲートの封じ込みを解除する手段を用いることによ
り開始される。すなわち、デタージェント例えばトリト
ン(TRITON)X−100またはデオキシコール酸ナトリウ
ム、またはポリペプチド、例えばメリチンが液体媒質に
加えられ得る。別法として、物理的手段、例えば温度変
化、音波処理または浸透圧ショックが使用され得る。
リポソームに封入された酵素−ハプテンコンジュゲー
トおよび抗体を含有する単一液体製剤の一時的な封じ込
みを解除し、そしてこれに加えるシグナル発生系試薬、
例えば酵素基質があればこれらを加えた後、測定媒質の
酵素活性を測定し、媒質におけるアナライト濃度との関
連を調べる。酵素−ハプテンコンジュゲートおよびアナ
ライトは抗体に対し拮抗する。酵素−ハプテンコンジュ
ゲートが抗体と結合すると酵素活性は変化、すなわち普
通は低減または抑制されるため、溶液の酵素活性は測定
媒質中に存在するアナライトの量に直接関係する。好ま
しくは、酵素および酵素基質は、基質または最終生成物
が紫外線または可視領域もしくは蛍光剤の光を吸収する
ように選択される。したがって、アナライト含有水溶液
中でこの発明の単一試験用液体試薬の封じ込みを解除す
ると、光の吸収または放射を測定することによりアナラ
イト濃度を測定することができる。
さらにこの発明は、液体媒質中に(a)sbp成分をそ
れに相補的なsbp成分と一時的に結合不可能にする材料
中に可逆的に封じ込まれた少なくとも1つのsbp成分お
よび(b)相補的sbp成分を含有する組成物を含む。sbp
成分の少なくとも1つはシグナル発生系の一員と結合し
ている。好ましい具体例において、可逆的に封じ込めれ
たsbp成分の少なくとも1つがシグナル発生系の少なく
とも1つの成分と結合している。別法として、相補的sb
p成分がシグナル発生系の一員と結合し得る。
封入材料の組成は広範に変化し得る。好ましくは封入
材料はリポソームである。リポソームの成分は好ましく
はレシチンを含有する天然膜に見出されるリン脂質また
はリン脂質混合物、またはリン酸エステルがモノエステ
ルとして存在し得る飽和もしくは不飽和の炭素数12〜24
の直鎖状脂肪酸の合成グリセリルリン酸ジエステル類、
または極性アルコール例えばエタノールアミン、コリ
ン、イソシトール、セリン、グリセリンなどのエステル
として存在するものである。特に好ましいリン脂質な
は、L−α−パルミトイルオレオイルホスファチジルコ
リン(POPC)、L−α−パルミトイルオレオイルホスフ
ァチジルグリセリン(POPG)、L−α−ジオレオイル−
ホスファチジルグリセリンおよびL−α−(ジオレオイ
ル)ホスファチジルエタノールアミンがある。またリン
脂質代用物も用いられ得る。普通荷電状態の極性頭部基
および普通2個またはそれ以上の直鎖状炭化水素から成
る疎水性部分を有する他の両親媒性化合物も用いられ得
る。リン脂質代用物の例には、ジセチルホスフェート、
アルキル基が12〜20個の炭素原子を含む直鎖を有するジ
アルコキシプロピルホスフェート類、DOTMA、スフイン
ゴミエリン、カルジオリピンなどがある。また脂質物質
はコレステロールおよびその誘導体を含有し得る。
好ましい具体例において、リポソームの組成は、POPC
67〜97%、POPG3〜30%およびコレステロール0〜30%
である。そのようなリポソームの例はPOPC67%、POPG4
%およびコレステロール29%から成るものである。別の
例は、POPC70%およびPOPG30%である。さらに別の例
は、POPC76%、POPG4%およびコレステロール20%であ
る。
この発明の一具体例において、可逆的に封じ込まれた
成分は酵素およびハプテンのコンジュゲートであり、相
補的成分はハプテンに対する抗体であり、そして封入材
料はリポソームである。さらにそのような組成物は、安
定剤、酵素基質を含むシグナル発生系の他の成分を含み
得る。そのような場合、可逆的に封じ込まれた成分はグ
ルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ−テオフィリン
であり相補的成分は抗テオフィリンであり得る。
別法としては、可逆的に封じ込まれた成分は抗体であ
り、相補的成分は酵素およびハプテンのコンジュゲート
であり、そして封入材料はリポソームである。
便宜上、測定用試薬発生系アネライトの測定に用いる
予定量でパッケージに組まれたキットで提供され得る。
キットは(a)sbp成分をそれに相補的なsbp成分と一時
的に結合不可能にする材料に可逆的に封じ込まれた1つ
のsbp成分および(b)相補的sbp成分を含有し得る。sb
p成分の少なくとも1つはシグナル発生系の一員と結合
している。またキットは試料中のアナライトの量に応じ
てシグナルを発生する試薬も含有し得る。さらに、キッ
トは封じ込まれたsbp成分の封じ込みを解除する薬剤を
含有し得る。相補薬剤は必要に応じて含有され得る。
[実施例] 以下の実施例は説明を目的とするものであって限定を
目的とするものではない。
特記しない限り温度はすべて摂氏である。特記しない
限りパーセントおよび部はそれぞれ重量パーセントおよ
び重量部であるが、ただし液体混合物の場合は容量に関
するものである。
次の省略形を用いる。
G6PDH…グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、P
OPC…パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、P
OPG…パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセリ
ン、RSA…ウサギ血清アルブミン、BSA…ウシ血清アルブ
ミン、G6P…グルコース−6−ホスフェート、NAD…ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド、トリトン…トリト
ン(Triton)X−100、「緩衝液」…0.055モルトリス−
Cl、pH8、0.05%アジ化ナトリウム含有、1Eu▲=0.003
ΔA1cm 34nm▼。
実施例1 リポソームの特性および製造 酵素および酵素−ハプテンコンジュゲートを封入前に
5mg/mlに濃縮した。抗体は希釈せずに用いた。封入前に
すべての蛋白質を「緩衝液」に対して透析した。
脂質とクロロホルム溶液をカラスびんに入れた。穏や
かな窒素気流下クロロホルムを除去した。4時間以上か
けて痕跡量の溶媒を高度減圧下除去した。次に、脂質を
30mg/mlの濃度でt−ブタノールに60゜で静かに攪拌し
ながら溶かした。ブタノール溶液を凍結乾燥すると、大
きなけば立った粉末が得られ、これを使用時まで乾燥お
よび冷却(−20℃)状態に保った。
方法1 蛋白質溶液(リン脂質100mg当たり1ml)を周囲温度で
脂質に加え、ボルテックスにより混合した。蛋白質の2
倍容量の緩衝液を加え、再びけん濁液をボルテックス混
合することにより、未けん濁の脂質または塊を含まない
濃厚なミルク状のリポソームけん濁液を得た。次にけん
濁液を緩衝液で希釈して最初の蛋白質容量の20倍にし
た。4゜で20分間15Krpmの遠心分離によりリポソームを
集めた。上清を吸引除去し、非封入蛋白質測定のために
確保しておいた。遠心分離の直後にリポソーム沈殿物ペ
レットを上清から分離した。リポソームを最初の蛋白質
容量の20倍容量の緩衝液で2回洗浄した。次いでリポソ
ームを振盪することにより再けん濁した。リポソームを
遠心分離により再沈殿し、上清を除去した。洗浄された
リポソームを最初の蛋白質の20倍容量にけん濁した。
方法2 蛋白質を「緩衝液」(pH7)溶かした。脂質粉末およ
び蛋白質をボルテックス混合することによりリポソーム
けん濁液を製造した。未精製けん濁液を1倍容量の「緩
衝液」で希釈し、徐々に孔を小さくした一連のヌクレオ
ポア(Nucleopore)ポリカーボネートフィルター(1.0
μ、0.6μ、0.4μおよび0.2μ)で濾過した。0.2μのフ
ィルターによる濾過を3回繰返した。膜を手動シリンジ
に付着させて濾過を行なった。直径13mmのフィルターを
使用した。濾過を行なっている間、リポソームの光散乱
特性は、減少した大きさを反映しながら可視的に変化し
最後に、セファクリル(Sephacryl)S−1000の30×1.5
cmカラムによるゲル濾過により小さいリポソームを精製
した。30ml/時の割合でカラムを「緩衝液」により溶離
し、1mlのフラクションを集めた。リポソームは非封入
蛋白質のピークに先行する長いトレイリングエッジを有
する非対称ピークとして現われた。トリトンX−100を
使用および使用せずにフラクションを測定した。非封入
蛋白質を全部排除するためにリポソームをプールした。
方法2の重要な特徴は、膜濾過を非希釈蛋白質の存在
下で行なう結果、リポソーム破壊としての封入された蛋
白質の純喪失がないことである。
方法1にしたがいリポソームにテオリィリン−G6PDH
コンジュゲートを封入すると酵素活性は次のようになっ
た。 インプット活性の% 未精製リポソーム調製液 98.7 リポソームに封入されたもの 28.4 封入されていないもの 70.1 リポソーム精製後回収されたもの(封入されたもの+非封入のもの) 98.5% リポソームにおける酵素潜伏 99 % リポソーム製造を行なったことによる活性の喪失は非
常に小さかった。ほとんど全部の酵素が精製リポソーム
および最初のリポソーム上清に回収された。活性の約3
分の1が非漏出リポソームに封入された。他の酵素コン
ジュゲートによる結果も同様であった。
方法1はG6PDH−ハプテンコンジュゲートおよび抗体
の両方に適用可能である。それを用いて天然G6PDHおよ
びそのジゴキシン、テオフィリン、キニジンおよびチロ
キシンコンジュゲートを封入すると匹敵する程度の封入
および潜伏を示した。ポリクローナルおよびモノクロー
ナル抗体並びに酵素および抗体(抗酵素)の複合体もま
た共に封入された。
実施例2 酵素活性測定 前記方法1にしたがいテオフィリン−6PDHをリポソー
ム(POPC67%、POPG4%、コレステロール29%)に封入
し、「緩衝液」にけん濁した(25mg(脂質)/ml)。基
質として緩衝液(pH4.7中)にG6P(0.13モル)、NAD
(0.08モル)およびRSA(20mg/mlを調製した。封入され
た酵素(50μ)および基質(50μ)を0.8mlの緩衝
液と混合したがトリトン(5%)を加えた場合と加えな
い場合の両方を行なった。30゜におけるΔA340を、その
温度に達した時点から始めて30秒間にわたり温度調整さ
れたセルにおいて記録した。トリトンが存在しない場合
リポソーム含有酵素は本質的に活性を示さなかった(1
%未満)。トリトンが存在する場合、封入された酵素の
ほとんどは30秒以内に放出された。
実施例3 単一液体試薬として封入されたジゴキシン−G6PDHを用
いた測定 前記実施例1で製造されたリポソーム組成物をジゴキ
シン測定に用いた。この測定では次の試薬を使用した。
第1表 試薬:リポソーム(POPC70%、POPG30%)に封入された
ジゴキシン−G6PDH(0.49mg(脂質)/ml)、応答に最適
化された抗ジゴキシン、0.13モルG6P、RSA(20mg/m
l)、緩衝液中 希釈剤:0.5%トリトン、4ミリモルNAD、5ミリモルNaN
3、0.005%チメロサール、pH4.4 プロトコル:50μの試薬を希釈器中に移し、RSAを含有
する(1mg/ml)緩衝液200μと共に1mlクローン(Croa
n、商標)カップ中に投入した。50μアリコートの試
料の吸引し、クローンカップ中700μの希釈剤に分散
させた。試料添加直後、試料全体をフローセル中に吸引
し、30℃で30秒間にわたって読み取りを行なった。結果
をEMIT測定単位(Eu)で第2表に記録する。
第2表ジゴキシン(μg/ml) 二試薬 単一試薬 0 386 369 0.083 410 403 0.166 456 440 0.333 518 511 0.666 603 584 1.33 645 628 2.66 678 653 5.33 713 − 10.65 717 665 充分な抗ジゴキシン抗体が存在したため、ジゴキシン
−G6PDHの46%阻害をもたらしたがトリトンを加えるま
で阻害は起こらなかった。
実施例4 2種の異なる液体試薬を用いた比較測定 単一液体試薬を用いた測定との比較として異なる液体
試薬中非封入酵素コンジュゲートおよび抗体を用いて測
定を行なった。試薬の量および測定の最終容量を、実施
例3で記載された単一試薬測定の場合と同一となるよう
に準備した。
測定には次の試薬を使用した。
第3表 試薬A:ジゴキシン−G6PDH(濃度測定により前記実施例
3の場合と同じ割合(すなわち抗ジゴキシンが存在しな
いとき)とした)、0.13モルG6P、RSA(20mg/ml)、緩
衝液中。
試薬B:抗ジゴキシン(濃度測定により前記実施例3の場
合と同じ最終量とした)、0.13モルG6P、RSA(20mg/m
l)、緩衝液中。
プロトコル:50μの試薬Aを希釈器に移し、RSAを含有
する(1mg/ml)緩衝液100μにクローン(Croan、商
標)カップ中でけん濁した。50μアリコートに試料を
RSA含有(1mg/ml)緩衝液100μで希釈し、クローン
(Croan、商標)カップに加えた。25μの試薬Bを希
釈器に移し、700μの緩衝液と共にクローン(Croan、
商標)カップ中に投入した。その直後、試料を前記実施
例3と同様に測定した。結果をEMIT測定位置で第2表に
記録する。
実施例5 単一液体試薬として封入されたテオフィリン−G6PDHを
用いた測定 テオフィリン−G6PDHをリポソーム(POPC76%、POPG4
%およびコレステロール20%)に封入し、テオフィリン
測定に用いた。測定には次の試薬を用いた。
第4表 試薬:リポソーム(POPC76%、POPG4%、コレステロー
ル20%)に封入されたテオフィリン−G6PDH、0.86μ/
mlモノクローナル抗テオフィリン、3.0ミリモルNAD、お
よびBSA(2mg/ml)、緩衝液中。
希釈剤:2.5%トリトン、2%デオキシコール酸ナトリウ
ム、3ミリモルG6P、1mg/mlBSA、50ミリモルNaN3
プロトコル:0.3mlの試薬をクローン(Croan、商標)カ
ップ中に投入した。8.3μの血清試料を希釈器に移
し、0.6mlの希釈剤と共にクローン(Croan、商標)カッ
プ中に投入した。
試料を加えた直後試料全体をフローセル中に吸引し、
30゜で酵素活性を測定した(15秒遅れ、30秒読み取
り)。結果をEMIT測定単位で第5表に記録する。
第5表 テオフィリン(μg/ml) 単一試薬(EV) 0 310 2.5 356 5 394 10 455 20 537 40 610 実施例6 封入された抗G6PDHおよび遊離抗G6PDHを用いた測定 抗G6PDHをリポソームに封入した。リポソームの組成
はL−α−ジオレオイルレシチン(70%)およびL−α
−ジオレオイルホスファチジルグリセリン(30%)であ
った。
第4表 酵素:G6PDH、RSA含有緩衝液(1mg/ml)に溶解。
封入された抗体:G6PDH、リポソーム[70%L−α−(ジ
オレオイル)レシチンおよび30%L−α−ジオレオイル
ホスファチジルグリセリン)中、RSA含有緩衝液(1mg/m
l)にけん濁。
遊離抗体:G6PDH、RSA含有緩衝液(1mg/ml)にけん濁。
基質:0.13モルG6P、0.08モルNADおよびRSA(20mg/m
l)、緩衝液(pH4.7)中。
プロトコル:50μの酵素(270ng)を50μの遊離また
は封入された抗体およびRSA含有緩衝液(1mg/ml)0.6ml
と5%トリトンを使用するかまたは使用せずに混合し
た。周囲温度で1時間後50μの基質を0.3mlの緩衝液
と共に加えた。前記実施例2と同様に測定結果を読み取
り、結果をEMIT測定単位(EV)で第7表に記録する。
データが示すように、封入された抗体は同量の非封入
抗体よりも酵素の阻害率がかなり低かった。封入された
抗体を放出するために加えられたトリトンは、酵素活性
または抗体による酵素阻害程度に影響を与えなかった。
封入された抗体と酵素と混合すると、トリトンを加えた
場合短い測定時間に57%の阻害をもたらしたが、トリト
ンを加えなかった場合1時間で6%の阻害しかもたらさ
なかった。
実施例7 代わりの放出剤 テオフィリン−G6PDHをリポソーム(POPC58%、POPG2
5%およびコレステロール17%)に封入し、5mg(脂質)
/mlの濃度で緩衝液にけん濁した。
封入されたテオフィリン−G6PDH1mlを添加物と混合
し、第9表に示す処理に付した。その後、0.1mlアリコ
ートをRSA含有緩衝液(1mg/ml)0.9mlで希釈した。希釈
された試料50μアリコートを2%トリトンを使用また
は使用せずに実施例4と同様に測定した。次いで処理後
回復された酵素活性フラクションおよび非封入フラクシ
ョンを計算し、第9表に示す。
この発明は、広範な種類のアナライトの測定試験を迅
速で簡単なものにし得る組成物を提供する。単一液体試
薬は高度の信頼性および正確性を提供し、また非熟練者
および/または訓練中の者でも容易に使用できるもので
ある。粉末を再構成する必要がなく、また様々な試薬を
混合して正確な比率を達成する必要もない。常用の装置
を用いることができ、2種の試験例えば対照および試料
に関する試験を同時に行なうことができるため2種の測
定媒質条件は同一となる。
理解を明確なものにするため前記発明を実例をあげな
がらある程度詳細に記載したが、特許請求の範囲内であ
る程度変更および修正が行なえることは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フィリップ・エル・フェルグナー アメリカ合衆国カリフォルニア 94022、 ロス・アルトス、フレモント・アベニュ ー 1080番 (56)参考文献 特開 昭62−55561(JP,A)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アナライトがリガンドおよびそれに相補的
    なレセプターから成る特異的結合対(sbp成分)の一員
    であり、試料中のアナライトの量に応じて検出可能なシ
    グナルを提供するシグナル発生系が使用される、アナラ
    イトの含有が疑われる試料中のアナライトの測定方法で
    あって、 (a)単一液体媒質中に、(1)sbp成分をそれに相補
    的なsbp成分と一時的に結合不可能にさせる材料中に、
    可逆的に封じ込められた1つのsbp成分、および(2)
    該液体媒質中にフリーの状態で存在する前記の相補的sb
    p成分を含み、前記sbp成分の少なくとも1つがシグナル
    発生系の一員と結合している、予め調製された単一の液
    体組成物と、アナライトの含有が疑われる試料を合わ
    せ、そして (b)前記材料から前記sbp成分の封じ込みを解除する
    手段を提供し、そして (c)試料中のアナライトの量に応じて発生したシグナ
    ルを測定する 段階を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】前記シグナル発生系の成分が、酵素、補酵
    素、蛍光剤、染料、基質、化学発光剤およびコファクタ
    ーからなる群から選ばれ、好ましくは前記酵素がグルコ
    ース−6−リン酸デヒドロゲナーゼである、特許請求の
    範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】前記アナライトが抗原および抗体からなる
    群から選ばれる、特許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】前記アナライトが、薬剤、蛋白質、ポリペ
    プチド、核酸および多糖類からなる群から選ばれ、好ま
    しくは前記薬剤がテオフィリン、チロキシンおよびジゴ
    キシンからなる群から選ばれる、特許請求の範囲第1項
    記載の方法。
  5. 【請求項5】前記材料が天然材料、好ましくは赤血球ゴ
    ーストまたは合成材料、好ましくはリポソームである、
    特許請求の範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】sbp成分の封じ込みを解除する手段が、デ
    タージェント、補体および他のポリペプチド、および有
    機溶媒から成る群から選ばれる化学的手段、または温度
    変化、音波処理および浸透圧ショックから成る群から選
    ばれる物理的手段、または化学的手段および物理的手段
    の組み合わせである、特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  7. 【請求項7】前記の可逆的に封じ込められた成分が酵素
    およびハプテンのコンジュゲートであり、前記相補的成
    分が前記ハプテンに対する抗体であり、前記材料がリポ
    ソームであり、好ましくは前記の可逆的に封じ込められ
    た成分がグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ−テ
    オフィリンであり、前記の封じ込められていない成分が
    抗テオフィリンであり、前記材料がリポソームである、
    特許請求の範囲第1項記載の方法。
  8. 【請求項8】前記リポソームがパルミトイルオレオイル
    ホスファチジルコリン、パルミトイルホスファチジルグ
    リセロースおよびコレステロールを成分とする、特許請
    求の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】リガンドおよびそれに相補的なレセプター
    から成る特異的結合対(sbp成分)の一員であるアナラ
    イトの測定を行なうための予め調製された単一の液体組
    成物であって、 (a)sbp成分をそれに相補的なsbp成分と一時的に結合
    不可能にさせる材料中に、可逆的に封じ込められた1つ
    のsbp成分、および (b)該液体媒質中にフリーの状態で存在する前記の相
    補的sbp成分 を液体媒質中に含むが、該アナライトは存在せず、前記
    sbp成分の少なくとも一つがシグナル発生系の一員と結
    合している組成物。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第9項記載の組成物から
    液体を蒸発除去することにより得られる組成物。
  11. 【請求項11】アナライトが抗体および抗原から成る群
    から選ばれる、特許請求の範囲第9項記載の組成物。
  12. 【請求項12】シグナル発生系の前記成分が、酵素、補
    酵素、蛍光剤、染料、基質、化学発光剤およびコファク
    ターから成る群から選ばれ、好ましくは前記酵素がグル
    コース−6−リン酸デヒドロゲナーゼである、特許請求
    の範囲第9項記載の組成物。
  13. 【請求項13】前記材料が天然材料、好ましくは赤血球
    ゴースト、または合成材料、好ましくはリポソームであ
    る、特許請求の範囲第9項記載の組成物。
  14. 【請求項14】前記の可逆的に封じ込められた成分が酵
    素およびハプテンのコンジュゲートであり、前記の相補
    的成分が前記ハプテンに対する抗体であり、そして前記
    材料がリポソームであり、好ましくは前記の可逆的に封
    じ込められた成分がグルコース−6−リン酸デヒドロゲ
    ナーゼ−テオフィリンであり、前記の相補的成分が抗テ
    オフィリンであり、そして前記材料がリポソームであ
    る、特許請求の範囲第9項記載の組成物。
  15. 【請求項15】リポソームがパルミトイルオレオイルホ
    スファチジルコリン、パルミトイルホスファチジルグリ
    セロースおよびコレステロールを成分とする、特許請求
    の範囲第14項記載の組成物。
  16. 【請求項16】リガンドおよびそれに相補的なレセプタ
    ーから成る特異的結合対(sbp成分)の一員であるアナ
    ライトの含有が疑われる試料中のアナライト測定用キッ
    トであって、 (a)sbp成分をそれに相補的なsbp成分と一時的に結合
    不可能にさせる材料中に、可逆的に封じ込められた1つ
    のsbp成分、 (b)該液体媒質中にフリーの状態で存在する前記の相
    補的sbp成分 を液体媒質中に含むが、該アナライトは存在せず、前記
    sbp成分の少なくとも一つがシグナル発生系の一員と結
    合している、予め調製された単一の液体組成物、 および (c)封じ込められたsbp成分の封じ込みを解除する試
    薬 を組合わせて成るキット。
  17. 【請求項17】アナライトがリガンドおよびそれに相補
    的なレセプターから成る特異的結合対(sbp成分)の一
    員であり、試料中のアナライトの量に応じて検出可能な
    シグナルを提供するシグナル発生系が使用される、アナ
    ライトの含有が疑われる試料中のアナライトの測定方法
    において、単一液体媒質中に、(1)sbp成分をそれに
    相補的なsbp成分との結合を一時的に不可能にする材料
    に可逆的に封じ込められた少なくとも1つのsbp成分、
    および(2)該液体媒質中にフリーの状態で存在する前
    記の相補的sbp成分を含有し、前記sbp成分の少なくとも
    1つがシグナル発生系の一員と結合している、予め調製
    された単一の液体組成物を前記測定に試薬として用いる
    ことを含む改良。
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