JP2526841Y2 - ビスカスダンパ - Google Patents

ビスカスダンパ

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JP2526841Y2
JP2526841Y2 JP1988156011U JP15601188U JP2526841Y2 JP 2526841 Y2 JP2526841 Y2 JP 2526841Y2 JP 1988156011 U JP1988156011 U JP 1988156011U JP 15601188 U JP15601188 U JP 15601188U JP 2526841 Y2 JP2526841 Y2 JP 2526841Y2
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JP
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housing
inertia
viscous damper
ring
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進 沼尻
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Mitsubishi Motors Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は例えば車両用エンジンのクランク軸等の回転
体に装着されて使用されるビスカスダンパに関する。
[従来の技術] エンジンのクランク軸等のねじり振動を伴う回転軸に
はその制振用にラバーダンパ等が多く使用されてきた。
最近、制振用ダンパを必要とするエンジンが高過給化の
傾向にあることから、使用条件の苛酷化、制振能力への
負担増大等によりビスカスダンパが採用されることが多
くなってきた。
一般に、ビスカスダンパはシリコン油を充填したハウ
ジング内に慣性リングを装填して、そのハウジングと慣
性リングの間での粘性抵抗により振動の制振を行なうよ
うになっている。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、従来のビスカスダンパを使用しての実
験の結果によると、そのエンジンのクランク軸のねじり
振動において、最大の共振ピーク示すI節3次振動はエ
ンジンの通常の最大回転時aでは生じないが、オーバラ
ン回転領域時bでは生じてしまうことがわかった(第5
図参照)。そして、この従来のビスカスダンパにおい
て、そのハウジング側の慣性モーメントと慣性リングの
慣性モーメントの比は0.8以上であった。
そこで、本考案は回転体のねじり振動において、共振
ピークを使用回転領域では生じないようにするビスカス
ダンパを提供することを目的とするものである。
[課題を解決する手段および作用] 上記課題を解決するために本考案は、ねじり振動を伴
う回転体に取着されるハウジング内に慣性リングを装填
するとともに上記ハウジング内に粘性抵抗を生じさせる
作動油を充填したビスカスダンパにおいて、上記ハウジ
ング側の部材を軽合金で形成するとともに上記ハウジン
グ側の部材の慣性モーメントと慣性リングの慣性モーメ
ントの比を0.5以下としたものである。
このような構成のビスカスダンパによれば、ハウジン
グ側の部材を軽合金で形成しダンパ全体の慣性モーメン
トを低減することにより、オーバーラン時の慣性力によ
る影響が大きいI節3次振動に対して、その振動を低減
することができる。また、ハウジング側の部材を軽合金
で形成しダンパ全体の慣性モーメントを低減することに
より、固有振動数が大きくなりI節3次振動の最大共振
ピークが使用回転領域から外れるようにすることができ
る。一方、燃焼圧の影響が大きいI節6次振動やI節4.
5次振動に対しては、ハウジング側の部材の慣性モーメ
ントと慣性リングの慣性モーメントの比を0.5以下とす
ることにより、全体的なねじり振動を低減することがで
きる。
[実施例] 図面は本考案の一実施例を示すものである。この実施
例は例えば過給化したディーゼルエンジンのクランク軸
1にそのビスカスダンパ2を使用した例であり、第1図
で示すように制振対象の回転体としてのクランク軸1の
先端部に固着されたプーリ3に対して取り付けられてい
る。
上記ビスカスダンパ2はハウジング4とこれに収容さ
れる慣性リング5とから構成されている。第2図で示す
ようにハウジング4はボス孔6を有した円板状のアーム
部7の外周に収納部8を一体に形成してハウジング本体
4aを構成してなり、収納部8はその円板状のアーム部7
の周辺において、軸方向の一方の向きに開口する断面コ
字状の収納溝9を同心的に形成するとともに、その収納
溝9の開口縁にはリング状円板からなるカバー10が気密
的に取着されている。そして、カバー10で閉塞される収
納溝9内によって収納室11を形成している。なお、カバ
ー10は収納溝9の開口周縁の段部12に突き当てられると
ともに、その収納溝9の開口周縁に形成したかしめ片13
によってかしめ付けられている。また、このかしめ部に
は二液性エポキシ樹脂などからなるシーランド14によっ
て液密的に封止されている。
このように形成された収納室11には第2図および第3
図で示すようにリング状の充実体からなる慣性リング5
が収納され、この慣性リング5はその収納室11内でその
周回方向に回転できるようになっている。収納室11の内
壁と慣性リング5の外壁との間は狭く、特に、前後の間
隙部分は例えば0.3mm〜0.5mm程度の狭い間隔に設定され
ている。そして、慣性リング5を収納した収納室11には
耐熱性の高い、例えばシリコン油等の作動油15が充填さ
れている。しかして、ハウジング4側と慣性リング5と
はその作動油15を介して対面している。
なお、収納室11の内壁と慣性リング5の外壁との前後
の間隙部分にはこの両者の接触を阻止するスラストベア
リング16,16が介挿され、また、慣性リング5の内側面
とこれに対面する収納室11の内壁との間には帯状のジャ
ーナルベアリング17が形成されている。スラストベアリ
ング16,16とジャーナルベアリング17はそれぞれ潤滑性
の高い、例えばポリテトラフロロエチレン(PTFE)等が
使用される。上記スラストベアリング16,16は第3図で
示すように一定の角間隔θで慣性リング5の前後両側面
の部分に配置されている。
また、ハウジング4側のカバー10には2か所以上に作
動油注入孔18が設けられていて、この各作動油注入孔18
は収納室11に作動油15を注入したのち、スポット溶接す
る栓19によって閉塞されている。
このビスカスダンパ2をクランク軸1に取着する場
合、第1図で示すようにそのハウジング4のアーム部7
のボス孔6に、クランク軸1の先端部に固着されたプー
リ3のボス20を嵌め込む。また、アーム部7には第1図
および第2図で示すように複数の取付け孔21が設けられ
ている。そして、円板状のアーム部7をプーリ3のボス
20の立上り側面22に接合するとともに、各取付け孔21を
貫通するボルト23でボス20に対して締結する。
また、各取付け孔21にはそれぞれ補強用カラー24が嵌
着されている。この各補強用カラー24は鉄などの材料か
らなり、ボルト23で締結するときにアーム部7が押し潰
されてへたり、締結強度が低下するのを防止するための
ものである。補強用カラー24を円板状のアーム部7に取
着する方法としては鋳込みや圧入等によって行なう。ま
た、回止め用として補強用カラー24の外周に突起や溝な
どを設けてもよい。さらに、補強用カラー24の両端にフ
ランジを形成してもよい。
さらに、上記構成のビスカスダンパ2において、上記
ハウジング4側の部材の慣性モーメントと慣性リング5
側の慣性モーメントの比を0.5以下となるように構成し
てある。ここで、ハウジング4側の部材は、ハウジング
本体4aとカバー10を指す。このため、ハウジング4側の
部材であるそのハウジング本体4aとカバー10を高珪素入
りのアルミニウム合金等の軽合金が使用される。また、
アルミニウム合金等の軽合金を用いれば、その質量を小
さくできる。一方、慣性リング5側の部材については鋳
物等の鉄系の材料を用い、極力その質量を大きく確保す
る。
しかして、上記構成のビスカスダンパ2においてはそ
のハウジング4側の部材の慣性モーメントと慣性リング
5側の慣性モーメントの比が0.5以下とするから、その
クランク軸1のねじり振動の制振作用は従来のものより
も良好になる。つまり、第4図で示すように従来のもの
(そのハウジング4側の部材の慣性モーメントと慣性リ
ング5側の慣性モーメントの比が0.8以上)に比べてそ
の制振作用を受けたクランク軸1のねじり振幅が格段に
低下する。その比が0.5まではねじり振幅が急激に低下
するが、これ以下からは比較的緩やかになる。
また、振動エネルギのレベルについて見ると、第5図
で示すようになる。つまり、従来のものに比べて各共振
ピークが通常の使用回転の範囲よりも高めに移行し、そ
のエンジンのクランク軸1のねじり振動において、最大
の共振ピーク示すI節3次振動はエンジンのオーバラン
回転領域bを越えて生じないことがわかった。このよう
に共振ピークをそれぞれ高めに移行し、特に、最大の共
振ピーク示すI節3次振動が現われないから、クランク
軸1のねじり振動を大幅に低減できた。
また、上記ハウジング4側の部材にはアルミニウム合
金等の軽合金が使用されているから、全体の重量の軽量
化とその慣性モーメントの低減が図れる。また、各ベア
リング16,17の耐摩耗性を向上できる。
なお、上記ハウジング4をアルミニウム合金等の軽合
金で形成したから、これと一体に形成されるかしめ片13
によってカバー10をかしめ付けて取着するようにするこ
とができる。また、ハウジング4のアーム部7をクラン
ク軸1側のプーリ3のボス20締結するときにボルト23を
通す取付け孔21には補強用カラー24を嵌着してあるか
ら、ハウジング4をアルミニウム合金等の軽合金で形成
しても、締結強度が低下することはない。つまり、伸び
を10%以上のものであっても、その強度を確保できる。
なお、本考案は上記実施例のものに限定されず、その
要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能なものであ
る。
[考案の効果] 以上説明したように本考案のビスカスダンパは、ねじ
り振動を伴う回転体に取着されるハウジング内に慣性リ
ングを装填するとともに上記ハウジング内に粘性抵抗を
生じさせる作動油を充填したビスカスダンパにおいて、
上記ハウジング側の部材を軽合金で形成するとともに上
記ハウジング側の部材の慣性モーメントと慣性リングの
慣性モーメントの比を0.5以下としたものであるから、
制振対象の回転体のねじり振動の制振とともに、そのね
じり振動の最大共振ピークが使用回転領域から外れるよ
うにすることが可能であり、使用回転領域における全域
にわたりエンジン振動の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示すもので、第1図はビスカ
スダンパの組付け部分の断面図、第2図はビスカスダン
パの断面図、第3図はその慣性リングの一部の正面図、
第4図は慣性モーメントの比とそのねじり振動の振幅と
の関係を示す特性図、第5図はエンシンの回転によって
現われる共振ピークとそのねじり振動の強度との関係を
示す特性図である。 1……クランク軸、2……ビスカスダンパ、4……ハウ
ジング、5……慣性リング、10……カバー、11……収納
室、15……作動油。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ねじり振動を伴う回転体に取着されるハウ
    ジングを有し、このハウジング内に慣性リングを装填す
    るとともに上記ハウジング内に粘性抵抗を生じさせる作
    動油を充填したビスカスダンパにおいて、上記ハウジン
    グ側の部材を軽合金で形成するとともに上記ハウジング
    側の部材の慣性モーメントと慣性リングの慣性モーメン
    トの比を0.5以下としたこと特徴とするビスカスダン
    パ。
JP1988156011U 1988-11-30 1988-11-30 ビスカスダンパ Expired - Lifetime JP2526841Y2 (ja)

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JPH0276242U JPH0276242U (ja) 1990-06-12
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0640345Y2 (ja) * 1985-04-12 1994-10-19 三菱自動車工業株式会社 車両用エンジンのビスカスダンパ装置

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JPH0276242U (ja) 1990-06-12

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