JP2526537C - - Google Patents

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JP2526537C
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株式会社 デンソー
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は配管内エネルギー供給システムに関するものであり、例えば熱交換器
等の金属配管内で、検査、修理等の作業を行うマイクロロボットに対して、マイ
クロ波を用いてエネルギーを供給するシステムに用いられるものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、金属配管内、特にその内径が細い管(直径が数mm程度の管)を分解す
ることなく、検査、修理等を行うことが可能なマイクロロボットの実現が切望さ
れている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 ところが上述したようなマイクロロボットは実現するためには、従来、マイク
ロロボットを駆動するためのエネルギー供給が問題となっていた。すなわち、一
般的な無線によるエネルギー供給は電磁誘導(低周波数)によって行われている ので、エネルギーの伝送距離がある程度(数cm程度)限定されてしまい、配管
の接続方法によってはマイクロ波発生源からの移動距離が数mにも及ぶマイクロ
ロボットを駆動できないという問題がある。また、マイクロ波発生源とマイクロ
ロボットとを電気結線で接続する方法においては、マイクロロボットは数mm程
度の直径の配管内を移動して検査、修理等を行う体格の小さなものなので、マイ
クロロボットが電気結線で接続されているとマイクロロボットの移動を妨げてし
まうという問題がある。 【0004】 そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、配管内に配置された
ロボットの作動を妨げることなく、ロボットに対して的確にエネルギー供給を行
うことが可能な配管内エネルギー供給システムを提供することを目的とするもの
である。 【0005】 【課題を解決するための手段】 そのため本発明は、 導体で構成され且つ管軸方向からみた断面形状が略円形の配管内にて作動する
ロボットと、 前記配管の管軸に垂直な面内において周方向の電磁界エネルギー分布が均一と
なる伝送形態のマイクロ波を前記配管内に伝送する伝送手段と、 前記ロボットに設けられ、前記マイクロ波の磁力線と垂直に結合するマイクロ
波受信器により受信されたマイクロ波を電力に変換する変換手段と、 前記ロボットに設けられ、前記変換手段からの電力により前記ロボットを駆動
する駆動手段とを備え、 前記伝送手段により伝送されるマイクロ波の周波数fは、少なくとも前記ロボ
ットが配置された配管の直径を遮断周波数特性曲線に対応させて得られた周波数
sより大きく設定することを特徴とする配管内エネルギー供給システムを採用
するものである。 【0006】 【作用】 上記構成により、伝送手段からは、少なくともロボットが配置された配管の直
径を遮断周波数特性曲線に対応させて得られた周波数fS より大きく設定された
周波数fを有するマイクロ波を伝送し、ロボットに構成された変換手段は、この
マイクロ波を受信して電力に変換し、この電力により、駆動手段はロボットを作
動させる。故に、伝送手段からはマイクロ波によりロボットに対してエネルギー
供給を行っているので、伝送手段およびロボットの間に電気結線を用いることな
くエネルギー供給を行うことができる。 【0007】 また、伝送手段から伝送されるマイクロ波は、少なくともロボットが配置され
た配管の直径を遮断周波数特性曲線に対応させて得られた周波数fS より大きく
設定された周波数fで伝送されているので、マイクロ波は、ロボットの変換手段
に低損失で伝送させることができる。 さらに、伝送手段が、配管の管軸に垂直な面内において周方向の電磁界エネル
ギー分布が均一となる伝送形態のマイクロ波を伝送することで、ロボットが常時
マイクロ波を受信することができる。 【0008】 【実施例】 以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。 この実施例では、本発明を、異なる内径を有する配管が相互に複数接続された
系において、その配管内を1つのマイクロロボットで移動、作動させるシステム
に適用した場合について説明する。 【0009】 図1は本発明の一実施例を表す全体構成図である。 図1において、配管3は、後述するマイクロロボット4がその管内で作動する
金属配管(図1は、その断面を示す)であり、任意の内径(最小内径はD)を有
する複数の配管3が相互に接続された系となっている。なお、これらの配管の直
径は、みな数mm程度である。 【0010】 マイクロ波エネルギー源1は、マイクロロボット4が作動する配管へマイクロ 波(一般的に、その周波数は3GHz〜300GHz)を送信するためのエネル
ギー源であり、例えばマイクロロボット4が最小内径Dの配管3に配置されてい
る場合には、最小内径Dで伝送可能な周波数f=fD(後述する遮断周波数特性
曲線により求められた周波数fSDより大きい周波数をfD とする)でマイクロ波
信号を後述するマイクロ波送信器2へ出力することにより、周波数fD を有する
マイクロ波を発生させて、低損失なマイクロ波の伝送を可能とする。 【0011】 マイクロ波送信器2は、マイクロロボット4が配置された配管の内径に対応し
た周波数fを有するマイクロ波を発生するものであり、この際には、金属配管3
自体を理想的な伝送線路として用いることができるので、効率良くマイクロ波を
伝送させることができる。なお、マイクロ波エネルギー源1およびマイクロ波送
信器2は、送信手段に相当するものである。 【0012】 マイクロロボット4は、配管3内に伝送されたマイクロ波を受信して、アクチ
ュエータ駆動用の電気エネルギーに変換すると共に、この変換した電気エネルギ
ーによって作動する。 【0013】 ここで、配管内径とマイクロ波の周波数との関係について説明する。図15は
、マイクロ波を後述するTE0Xモード(具体的にはTE11モード)で伝送する場
合の配管内径−周波数特性曲線を表すものである。 【0014】 つまり、配管内径と電波の伝送周波数との間には、図15に示すような関係が
あり、遮断周波数特性曲線Sを境にして、遮断領域、TE11モード領域、高次モ
ード領域に分かれている。 【0015】 ここで、例えば、配管内径が4mmであった場合には、遮断周波数はfS4=4
5GHzとなって、この配管4mmの内部をマイクロ波等の電波で伝送させよう
とする際には、その電波の発振周波数f4 を45GHzより大きくすればよい。
なお、ここでは、配管内径Zの時の遮断周波数特性曲線S上の周波数をfSZ、こ の周波数fSZより大きい周波数をfZ と表記している。 【0016】 また、更なる工夫として、電波を低損失で伝送させようとする場合には、高次
モード領域にならない周波数した方が良く、例えば、上述した配管内径が4mm
であった場合では、電波の発振周波数fは、45GHz<f<73GHzとすれ
ば、低損失な伝送が可能となる。 【0017】 次に、このような全体構成を有するシステムにおいて、その各部の詳細な構成
および作動を各実施例に基づいて説明する。なお、各実施例において、均等の構
成を示すものについては、共通の図番号を用いるものとし、各実施例とも上述し
たような、配管内径と遮断周波数特性曲線とを対応させた周波数fをマイクロ波
の周波数として用いているものとする。 【0018】 〔第1実施例〕 まず、第1実施例におけるマイクロ波送信器2の具体的な構成について説明す
る。図2は、第1実施例におけるマイクロ波送信器2を詳細に表した具体構成図
である。 【0019】 図2において、入力端子201はマイクロ波エネルギー源1からのマイクロ波
信号を受ける端子であり、他端は同軸コネクタ202に接続されている。ループ
導体203は線材で構成されたループ形状をしており、一端は同軸コネクタ20
2の中心導体202aに接続されると共に、他端は同軸コネクタの外部導体20
2b、すなわちアースに接続されている。そして、ループ導体203にマイクロ
波電流が流れることにより、ループを貫通し且つループ面に垂直な磁力線Hを発
生すると共に、電気力線Eを生じて、マイクロ波を配管3内に伝送させる。また
反射板301は、配管3の端部に配置されて同軸コネクタ202およびループ導
体203を固定する電磁波反射体であり、配管3内に伝送されたマイクロ波を反
射することで磁力線Hに対する境界条件を形成して、マイクロ波を効率良く伝送
させる。 【0020】 続いて、マイクロロボット4の構成について説明する。図3は、第1実施例に
おけるマイクロロボット4を概略的に表した概略構成図である。 図3において、マイクロロボット4は、主として配管3内に伝送されたマイク
ロ波を受信するマイクロ波受信器401と、後述するアクチュエータ403を駆
動すべく、受信したマイクロ波を電気エネルギーに変換する変換器402と、マ
イクロロボット4を作動させるためのアクチュエータ403(駆動手段に相当)
とで構成されている。なお、マイクロ波受信器401および変換器402は、変
換手段に相当する。 【0021】 このような概略構成を有するマイクロロボット4は、具体的には図4に示すよ
うに構成されている。 すなわち、図4において、ループ導体4011は、上述したマイクロ波送信器
2を構成するループ導体203(図2)と同様の構成であり、電波の可逆性によ
りマイクロ波送信器2から送信されたマイクロ波の磁力線をループ面に対して垂
直に受信する。反射板4012は、後述するハウジング4016の端面に構成さ
れた電波反射体であり、配管3内に伝送されたマイクロ波を反射することで磁力
線Hに対する境界条件を形成して、高効率のマイクロ波受信を可能としている。
なお、この反射板4012は、マイクロロボット4の内部において電気的に接地
されている。 【0022】 信号線4013は、その一端がループ導体4011の非接地側に接続された線
材であり、信号線4014は、その一端がループ導体4011の接地側に接続さ
れた線材である。そして、信号線4013、4014の両他端は、後述するサー
キットボード4015に接続されている。サーキットボード4015は、ループ
導体4011で受信したマイクロ波エネルギーを信号線4013、4014を介
して入力し、後述するアクチュエータ4032を駆動すべく、電気エネルギーに
変換する。 【0023】 ハウジング4016は、上述したループ導体4011、反射板4012、サー
キットボード4015等を保持するものであり、連結部4031は、後述するア
クチュエータ4032とハウジング4032とを連結する部材である。なお、こ
の連結部4031の内部は、図示されない信号線が設けられており、サーキット
ボード4016からの電気エネルギーをアクチュエータ4032に伝達する。そ
して、アクチュエータ4032は、この電気エネルギーを受けてマイクロロボッ
ト4を移動、もしくは所定の作動を行わせている。 【0024】 次に、上記構成における作動を説明する。 図1〜図4において、マイクロ波エネルギー源1は、マイクロロボット4が作
動する配管の内径Dで伝送可能な周波数fD のマイクロ波信号をマイクロ波送信
器2へ出力し、マイクロ波送信器2は、入力端子201にてマイクロ波信号を受
けると、ループ導体203にマイクロ波電流を流して、周波数fD のマイクロ波
を図1および図2の矢印方向へ発生する。 【0025】 すると、マイクロロボット4のループ導体4011は、このマイクロ波を受信
して、その受信信号を信号線4013、4014を介してサーキットボード40
15へ入力する。サーキットボード4015では、入力した受信信号をアクチュ
エータ4032の駆動用エネルギー(電気エネルギー)に変換して、連結線40
31を介してアクチュエータ4032へエネルギー供給を行う。そして、このエ
ネルギー供給により、マイクロロボット4は作動、もしくは移動する。 【0026】 上記のようにして、内径の異なる配管が相互に接続された系において、配管3
内の検査、修理を行うマイクロロボット4に対して、信号線を用いることなくエ
ネルギーの供給が可能となる。しかも、その伝送されるマイクロ波の周波数は、
マイクロロボット4が配置された配管の内径に対応した周波数(もしくはそれよ
り大きい周波数)しているので、好適にエネルギーの供給が可能となる。 【0027】 次に、上記構成において、特に、マイクロ波送信器2より発生するマイクロ波 の伝送を好適に行う伝送方法の一例について説明する。 ここでは、マイクロ波をTE0X(Transverse Electric)モードもしくはTM0X(
Transverse Magnetic)モードで伝送する場合について説明する。なお、上述した
TE0X、TM0Xの表記において、‘0’は管の周方向の波数が0であることを示
し、‘X’は管の軸方向(半径方向)の波数がX(X;正の整数)であることを
示す。 【0028】 図5(a)〜(c)は、TE0Xモードで伝送する場合のマイクロ波の発生形態
を説明するための説明図であり、図5(a)は配管3の側面からみた断面図であ
り、図5(b)は配管の上面からみた断面図であり、図5(c)は管軸方向から
みた断面図である。 【0029】 図5(a)〜(c)において、TE01モードで伝送する場合には、ループ導体
203の設置位置は、配管内径の1/2の同心円上でループ面は演習の接線方向
に平行な位置に設置されている。そして、同軸コネクタ202に接続されたルー
プ導体203からは、入力端子201からのマイクロ波信号に応じて、所定周波
数(マイクロロボットが配置された内径に対応もしくはそれより大きい周波数)
のマイクロ波をマイクロロボット4のループ導体4011へ伝送する。ここで、
図中、点線は伝送するマイクロ波の磁力線を示し、実線は電気力線を示している
。 【0030】 そして、図5(c)に示すように、このTE0Xモードにおけるマイクロ波は、
配管3の周方向の電磁界エネルギー分布が均一なモードで伝送している。なお、
図5(c)のマイクロ波は、具体的には、TE01モードで伝送しており、この様
なモードで伝送されるマイクロ波では、以下に述べるような好適な伝達が可能と
なる。 【0031】 すなわち配管3は、一般的には、湾曲、折れ曲りが多数存在しており、その管
内を移動するマイクロロボット4は、作業上、管軸に垂直な面内で回転する場合
が多い。そのため、マイクロ波送信用のループ導体203およびマイクロ波受信 用のループ導体4011の間に、管軸に垂直な面内において角度差が生じてしま
う。すると、互いのループ面が軸方向に垂直となるまでに角度差が生じてしまう
と、マイクロ波の損失が20dBにも及び、常時マイクロ波を受信することがで
きなくなってしまう。 【0032】 そこで、本実施例に示すTE01モードの様に、管の周方向において、電磁界エ
ネルギー分布が均一なモードを選定することで、マイクロロボット4の周方向回
転によらず、常に一定のマイクロ波を受信することが可能となる。 【0033】 なお、ここではTE01モードを選定したが、TM01モードでも同様の効果が得
られ、その他、TE又はTMモードの最初の係数が0(すなわち、周方向の波数
が0)であるモードであれば同様の効果が得られる。また、ここでは、所定の位
置に設置されたループ導体203及びループ導体4011で磁力線と結合して、
マイクロ波を伝送しているが、図14に示すように、電気力線と結合可能な位置
に設置される棒状導体204でも、同様な効果を得ることができる。 【0034】 〔第2実施例〕 この第2実施例においては、マイクロ波を円偏波として送信する場合のシステ
ムについて説明する。 【0035】 まず、第2実施例におけるマイクロ波送信器2の具体的な構成について説明す
る。 図6(a)は第2実施例におけるマイクロ波送信器2を詳細に表した具体構成
図であり、図6(b)は管軸方向からみた断面図である。 【0036】 図6(a)において、電力分配器212は、入力端子211からのマイクロ波
信号を入力して、2つの出力(後述する位相器213および第2の同軸コネクタ
215)に対して同位相で同じ割合の電力を分配するものであり、第2の同輔コ
ネクタ215は電力分配器212の一方の出力を受けて、第2のループ導体21 7にマイクロ波電流を流す。この第2のループ導体217は、図6(b)に示す
ように、後述するループ導体216に対して管の周方向に90°ずれた位置に設
置されている。 【0037】 また、位相器213は、電力分配器211の他方の出力を受けて、入力された
マイクロ波の位相を電気角90°遅らせ、この遅らせたマイクロ波信号を第1の
同軸コネクタ214を介して第1のループ導体216にマイクロ波電流を流す。 【0038】 続いて、第2実施例におけるマイクロロボットの構成についてであるが、基本
的には上記第1実施例のマイクロロボット4と同様の構成であり、円偏波の送信
および受信は電波の可逆性があるから、第1実施例におけるループ導体4011
を円偏波のマイクロ波を受信するために図6(a)、(b)に記載された第1、
第2のループ導体216、217と同様に間の周方向に90°ずらした位置に設
置して構成すればよいので、ここでは構成・作動を省略する。 【0039】 次に、上記構成における作動を説明する。 図6(a)において、入力端子211にマイクロ波信号が入力されると、電力
分配器212では、このマイクロ波信号の電力を等配分して、位相器213およ
び第2の同軸コネクタ215へ出力する。そして、この電力分配器212で等配
分された一方のマイクロ波信号を受けた第2の同軸コネクタ215は、第2のル
ープ導体217へマイクロ波電流を流す。 【0040】 また位相器213では、電力分配器212で等配分された他方のマイクロ波信
号を電気角90°遅延させて、この遅延させたマイクロ波信号を第1の同軸コネ
クタ214を介して第1のループ導体216へマイクロ波電流を流す。すると、
図6(b)に示すように、管の周方向に90°ずれた位置に設置された第1、第
2のループ導体216、217に各々印加することで、配管3内を伝送するマイ
クロ波は円偏波になる。 【0041】 この円偏波は電磁界がマイクロ波の周波数で回転するために周方向の電磁界エ
ネルギー分布は均一となるので、管内を伝送するマイクロ波のモードおよびマイ
クロロボット4の周方向回転によることなく、常に一定のマイクロ波を受信する
ことが可能ができる。 【0042】 なお、円偏波のマイクロ波を発生させるものとして、ここではループ導体を示
したが、管の周方向に角度90°ずれた所定の位置に設置された電気力線と結合
する棒状導体でも同様の効果が得られる。 【0043】 次に、上述したような円偏波のマイクロ波を利用した際に、マイクロロボット
の作動制御に有用な方法について説明する。 (A)データ伝送によるマイクロロボットの作動制御 ここでは、マイクロ波送信器より駆動用エネルギーに利用される第1のマイク
ロ波と、制御データを伝送してマイクロロボットの作動をコントロールするマイ
クロ波とをそれぞれ発生する場合について説明する。 【0044】 まず、マイクロ波送信器2およびマイクロロボット4の構成を図7を用いて説
明する。 図7において、第1のマイクロ波発生器221は、マイクロロボット4のアク
チュエータ415駆動用のエネルギーとなるマイクロ波を発生すべく、第1のマ
イクロ波信号を出力する。右旋円偏波送信器223は、この第1のマイクロ波発
生器221より出力された第1のマイクロ波信号を入力して、配管3内に、右旋
円偏波のマイクロ波を発生する。 【0045】 また、第2のマイクロ波発生器222は、マイクロロボット4の制御データ、
例えば、マイクロロボット4のアクチュエータ415の駆動状態を制御するため
のディジタルデータ等で変調された第2のマイクロ波信号を出力する。左旋円偏
波送信器224は、この第2のマイクロ波発生器222からの第2のマイクロ波
信号を入力して、配管3内に、左旋円偏波のマイクロ波を発生させる。 【0046】 マイクロロボット4に構成された右旋円偏波受信器411は、右旋円偏波のマ
イクロ波のみを受信して受信信号を出力し、変換器413はその受信信号により
アクチュエータ415を駆動用の電気エネルギーを変換により得て、その電気エ
ネルギーをアクチュエータ415へ出力する。 【0047】 一方、マイクロロボット4に構成された左旋円偏波受信器411は、左旋円偏
波のマイクロ波のみを受信して受信信号を出力し、復調器414は、この受信信
号、すなわち変調したディジタルデータを復調する。制御回路416は、復調さ
れたディジタルデータに応答して、所定のプログラムによりアクチュエータ41
5の作動を制御する。 【0048】 次に、上記構成における作動を説明する。 図7において、例えばマイクロロボット4が配置された管内の現在位置から同
じ管の他の位置へ移動させたい際には、第1のマイクロロボット発生器221、
右旋円偏波送信器223によって右旋偏波のマイクロ波を配管3内に発生すると
共に、第2のマイクロロボット発生器222、左旋円偏波送信器224によって
所望の位置への移動データに対応した変調をかけて、左旋偏波のマイクロ波を配
管3内に発生させる。 【0049】 すると、右旋偏波のマイクロ波を受信した右旋円偏波送信器223は、変換器
413によりアクチュエータ415へ駆動用エネルギーを供給すると共に、左旋
偏波のマイクロ波を受信した左旋円偏波送信器223は、復調器414により作
動制御用のディジタルデータ415を復調して、制御回路416にアクチュエー
タの作動制御を行わせる。 【0050】 このように、マイクロ波の円偏波には、右旋円偏波と左旋円偏波であっても配
管3のような線形空間においては独立に伝搬する性質があるので、配管3の内径
により規定される所定周波数のマイクロ波を2系統同時に同一伝送経路で伝送す ることができる。すなわち、図7に示すように、右旋円偏波マイクロ波を用いて
マイクロロボットのアクチュエータ駆動用のエネルギーを供給し、左旋円偏波マ
イクロ波を用いてアクチュエータ制御用の制御データを送信することで、遠隔か
らのマイクロロボットの作動制御を可能とする。 【0051】 なお、本実施例ではエネルギー供給に右旋円偏波、データ通信に左旋円偏波を
用いたが、逆であっても差し支えない。また、送信するデータをアクチュエータ
用の制御データとしたが、他の目的(修理を行うために溶接する等)の他の形態
(溶接用のデータ形態)のデータ伝送でも良い。 【0052】 (B)マイクロロボットのアクチュエータとして、電磁ステップモータを使用
した場合。 ここでは、マイクロロボットのアクチュエータとして電磁ステップモータを使
用した場合について説明する。 【0053】 まず、マイクロ波送信器2およびマイクロロボット4の構成を図8を用いて説
明する。 図8において、マイクロ波発生器231は、後述する電磁ステップモータ42
51駆動エネルギー用のマイクロ波を発生させるべくマイクロ波信号を出力し、
方形波発生器232は、電磁ステッピングモータ4215の駆動回転数を制御す
るための方形波信号を発生する。 【0054】 そしてマイクロ波スイッチ233は、方形波発生器232からの方形波信号の
2値レベルに応じて、マイクロ波発生器231からのマイクロ波信号の出力経路
を、後述する右旋円偏波送信器234および左旋円偏波送信器235の2方向へ
切り換えるものである。 【0055】 右旋円偏波送信器234は、マイクロ波スイッチ233の一方の断続的な出力
を受けて右旋円偏波のマイクロ波を送信し、左旋円偏波送信器235は、他方の 断続的な出力を受けて左旋円偏波のマイクロ波を送信する。 【0056】 マイクロロボット4を構成する右旋円偏波受信器421は、右旋円偏波のマイ
クロ波を受信し、第1の検波器423は、この受信信号を検波して直流電力へと
変換する。また、マイクロロボット4を構成する左旋円偏波受信器422は、左
旋円偏波のマイクロ波を受信し、第2の検波器424は、この受信信号を検波し
て直流電力へと変換する。そして、モータユニット425は、第1、第2の検波
器423、424から供給される直流電力を受けて動作する電磁ステップモータ
4251及び駆動回路よりなっている。 【0057】 このモータユニット425は、具体的には図9のように構成されている。 すなわち、図9において、端子Aは第1の検波器423からの直流電力を受け
る端子であり、端子Bは、第2の検波器424からの直流電力を受ける端子であ
る。電磁ステップモータ4251は、端子xおよび端子yに交番電圧が交互にか
けられることで発生する交番電流(すなわち、x←y方向の電流とy←x方向の
電流)により回転駆動されるモータである。また、第1、第2のスイッチ回路4
252、4253は、NPNトランジスタと抵抗で構成されるスイッチ回路であ
り、このNPNトランジスタのベースに電流が流入すると、コレクタ−エミッタ
間が導通するものである。 【0058】 次に、上記構成における作動を説明する。 マイクロ波発生器231より出力されたマイクロ波信号は、マイクロ波スイッ
チ233に入力される。この際、方形波発生器232により、マイクロ波信号は
2つの出力経路(右旋円偏波送信器234への出力経路および左旋円偏波送信器
235への出力経路)に交互に出力される。その結果、右旋円偏波送信器234
と左旋円偏波送信器235とから、配管3の内部に交互に偏波方向を変えながら
マイクロ波が伝送される。 【0059】 一方マイクロロボット4では、この伝送されたマイクロ波を、右旋偏波受信器 421および左旋偏波受信器422で交互に受信して、各々の受信信号を第1、
第2の検波器423、424に入力する。すると、第1、第2の検波器423、
424の出力は交互に正の電圧が発生される。 【0060】 第1、第2の検波器423、424より交互に出力された正の電圧は、図9に
示すように、端子A,Bにそれぞれ交互に印可される。これにより、例えば端子
Aに電圧が印可されている(すなわち端子Bには印可されていない)場合には、
電磁ステップモータ4251のy端子には正の電圧が印可されると共に、第1の
スイッチ回路4252がNPNトランジスタの作動により導通状態となるため、
x端子は接地され、これにより電磁ステップモータ4251にはy→x方向に電
流が流れる。 【0061】 一方、端子Bに電圧が印可されている(端子Aには印可されていない)場合に
は、電磁ステップモータ4251のx端子には正の電圧が印可されると共に、第
2のスイッチ回路4253は導通状態となってx端子が接地され、これにより電
磁ステップモータ4251にはx→y方向に電流が流れる。 【0062】 このように、右旋円偏波のマイクロ波と左旋円偏波のマイクロ波とを交互に連
続して発生させることにより、電磁ステップモータ2451駆動用の交番電流を
形成することができる。 【0063】 このことは、電磁ステップモータを駆動する駆動回路において交番電流を発生
する回路を不要とするため、極めて小規模でシンプルな回路構成にて回路で回転
駆動及び回転数制御を行うことができ、超小型化が不可欠なマイクロロボットに
対して極めて有効な手段となる。 【0064】 なお、ここではNPNトランジスタによるスイッチ回路を示したが、他のスイ
ッチでも同様の効果を得ることができる。また、上述したような交番電流を得る
手段は、電磁ステップモータ以外の交番電流を必要とする電気的負荷(例えば、 アクチュエータとして交流モータ、静電モータを使用する場合とか、溶接を行う
ために昇圧を行う場合)に対しても有効である。 【0065】 〔第3実施例〕 この第3実施例においては、マイクロ波送信器2とマイクロロボットとの間で
電波の送受信を行う場合のシステムについて説明する。 【0066】 まず、第3実施例におけるマイクロ波送信器2およびマイクロロボット4の具
体的な構成について説明する。 図12は第3実施例におけるマイクロ波送信器2およびマイクロロボット4を
詳細に表した具体構成図である。 【0067】 図12において、マイクロ波発生器241は、マイクロロボット4のアクチュ
エータ433を駆動するための駆動用エネルギーのマイクロ波を発生すべく、マ
イクロ波信号を出力するものであり、後述する送信制御回路244により、マイ
クロ波信号の周波数及び電力値を変更することができる。また、マイクロ波送信
器242は、マイクロ波発生器241からのマイクロ波波信号に応じて配管3内
にマイクロ波を送信するものである。 【0068】 マイクロロボット4を構成するマイクロ波受信器431は、送信されたマイク
ロ波を受信して変換器432へ出力し、変換器432は、このマイクロ波受信器
431からの受信信号を入力、変換して、アクチュエータ433駆動用の電気エ
ネルギーを得る。そして、この電気エネルギーをアクチュエータ433(駆動手
段に相当)に出力して、アクチュエータ433を駆動すると共に、後述する受信
レベル信号発生器434へ出力する。なお、マイクロ波受信器431および変換
器432は、変換手段に相当する。 【0069】 受信レベル信号発生器434は変換器432からの出力レベルをモニタして、
この出力レベルに応じたレベル信号を出力し、情報信号発生器435は、このレ ベル信号を入力して、レベル信号に応じた変調がかけられた情報電波を配管3内
に送信する。 【0070】 すると、配管3の端部に構成された情報電波受信器243は、マイクロロボッ
ト4からの情報電波を受信して送信制御回路244に出力し、送信制御回路24
4にて情報電波からレベル信号を検出して、そのレベル値に基づいて、マイクロ
波発生器241のマイクロ波信号の周波数および電力値を制御する。なお、信号
線2441、2442はマイクロ波発生器241の電力値および周波数を制御す
る第1、第2の制御信号を出力するための信号線である。 【0071】 次に、上記構成における作動を説明する。 図12において、マイクロ波発生器241よりマイクロ波信号が出力されると
、マイクロ波送信器242よりマイクロ波が配管3内に送信される。すると、送
信されたマイクロ波は、マイクロロボット4のマイクロ波受信器431にて受信
され、変換器432で電気エネルギーに変換される。この電気エネルギーは、ア
クチュエータ433を駆動する駆動エネルギーとして供給されると共に、受信レ
ベル信号発生器434へ出力される。 【0072】 受信レベル信号発生器434では、変換器432からの出力レベルをモニタし
て、この出力レベルに応じたレベル信号を出力し、情報信号発生器435は、レ
ベル信号に応じた変調がかけられた情報電波を配管3内に送信する。 【0073】 すると、配管3の端部に構成された情報電波受信器243は、マイクロロボッ
ト4からの情報電波を受信して送信制御回路244に出力し、送信制御回路24
4にて情報電波からレベル信号を検出して、そのレベル値に基づいて、マイクロ
波発生器241のマイクロ波信号の周波数および電力値を信号線2441、24
42を介して制御する。 【0074】 これによって、レベル信号により現在のマイクロロボットのマイクロ波受信レ ベルを把握することができるので、受信レベルに応じた制御を行うことによりマ
イクロロボット4を好適に作動させることができる。 【0075】 すなわち、受信レベルが徐々に低下する場合には、マイクロロボット4がマイ
クロ波送信器に対して遠方に移動していると判断できるので、その受信レベル低
下を修正すべく、送信制御回路244は、マイクロ波発生器241に対して送信
電力値を上げる制御信号を出力し、マイクロ波発信器241は、これに応答して
送信マイクロ波信号の電力値を増加を行う。これにより、マイクロロボット4が
マイクロ波送信器2に対して遠方に位置していたとしても、安定した動作を維持
することができる。 【0076】 また、受信レベルが急激な低下を示した場合には、マイクロロボット4の作動
する配管の内径が移動により変化したと判断することができるので、送信制御回
路244は、マイクロ波発生器241の周波数値を変化させるべく、制御信号を
出力し、マイクロ波発生器241は、これに応答してマイクロ波信号の周波数変
更を行う。これにより、マイクロロボットの安定した動作を維持すると共に、マ
イクロ波4が作動する配管内径に低損失で伝送可能な周波数に設定することがで
きる。 【0077】 なお、ここでは、レベル信号はその媒体を特定しなかったが、例えばマイクロ
ロボット4にて受信したマイクロ波の一部を変調して返信するものでも良いし、
他の伝送可能な媒体(例えば音波)でも良い。但し、上記のように、マイクロ波
の一部を返信する手段を用いる場合には、マイクロ波が受信するものと送信する
ものとで同一周波数になってしまうので、旋回方向を変えた円偏波を用いること
により、往復のアイソレーションを向上させて、好適な通信を可能とすることが
できる。 【0078】 以上、第1〜3実施例で述べたようにして、マイクロ波によるマイクロロボッ
トの駆動を行うことができるが、ここで、各実施例に共通していえる配管形態に 対応したマイクロ波の低損失伝送の方法について説明する。 【0079】 第1の方法としては、図10に示すように、T字型の配管において、マイクロ
ロボット4が配置されていない側の配管に所定のマイクロ波反射係数を有する反
射板5を設置する方法である。これは、配管3に分岐が存在した際にマイクロ波
は電力が分配されてしまい、マイクロロボット4に対して十分なエネルギーを供
給できなくなることを防止せんとするものであり、例えばマイクロロボット4の
動作により、予め分岐により分かれる経路のうち、進行予定の方向でない側の配
管経路に反射板5を設置して、マイクロ波の流入を防止できるものである。 【0080】 これにより、マイクロ波は図10中の矢印方向に伝送されて、効率の良いエネ
ルギー供給が可能となる。なお、この反射板5は、マイクロロボット4により、
搬送、設置されるものとしたが、同様の反射板を有する自律走行タイプのマイク
ロロボットをマイクロロボット4とは別に構成してもよい。 【0081】 続いて、第2の方法としては、図11に示すように、L字型の配管において、
その折れ曲がり部に所定のマイクロ波リアクタンスを有する整合体を設置する方
法である。これは、伝送されたマイクロ波は、L字構成の配管の折れ曲がり部で
リアクタンス成分により反射を受ける場合が有り、折れ曲がりの先に位置するマ
イクロロボット4に対して十分なエネルギーを供給できなくなることを防止せん
とするものであり、マイクロロボット4が予め折れ曲がり部の所定位置に整合体
6を搬送、配置して、この整合体により反射を生じさせるリアクタンス成分を取
り除いて、折れ曲がり部での反射を防止することができる。 【0082】 これにより、マイクロ波は図11の矢印方向に伝送されて、マイクロ波の伝送
を効率良く行うことが可能となる。なお、この整合体6は、マイクロロボット4
により搬送、設置されるものとしたが、同様の整合体を有する自律走行タイプの
マイクロロボットをマイクロロボット4とは別に構成してもよい。 【0083】 また、上述した各実施例では、異なる内径を有する配管が相互に複数接続され
た系において、その配管内を1つのマイクロロボットで移動、作動させるシステ
ムに適用した場合について説明したが、図13に示すように、系の各配管内に各
々1つのマイクロロボットを配置したシステムでもよい。この場合には、第2実
施例に示すようにマイクロロボットの作動を制御する必要があり、作動不要のマ
イクロロボットに対しては作動不要のデータを送信することによりマイクロロボ
ットのアクチュエータ駆動を停止させて、作動させたいマイクロロボットのみを
動かすようにする。これにより、上述した反射板5、整合体6を有するマイクロ
ロボットを所定の位置に移動、固定させることができる。 【0084】 【発明の効果】 以上述べたように本発明においては、伝送手段およびロボットの間に電気結線
を用いることなくエネルギー供給を行うことができるので、例えば、直径が極め
て小さい配管内で体格の小さなロボットを駆動させたとしても、電気結線がない
ために、ロボットの移動を滞りなく行わせることができるという優れた効果があ
る。 【0085】 また、伝送手段より送信されるマイクロ波は、ロボットの変換手段に低損失で
伝送させることができるので、マイクロ波の伝送距離を伸ばすことができ、伝送
手段とロボットとの間の距離が離れている場合でも、的確にロボットを作動させ
ることができるという優れた効果がある。 さらには、伝送手段が、配管の管軸に垂直な面内において周方向の電磁界エネ
ルギー分布が均一となる伝送形態のマイクロ波を伝送することにより、ロボット
が管軸に垂直な面内で回転した場合でも常時一定のマイクロ波を受信することが
できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例を表す全体構成図である。 【図2】 本発明の第1実施例におけるマイクロ波送信器の具体的な構成を表す構成図で
ある。 【図3】 上記第1実施例におけるマイクロロボットの構成を概略的に表す概略図である
。 【図4】 上記第1実施例におけるマイクロロボットの具体的な構成を表す構成図である
。 【図5】 上記第1実施例において、磁力線を用いてTE01モードで伝送する場合のマイ
クロ波の発生形態を説明する説明図である。 【図6】 本発明の第2実施例におけるマイクロ波送信器の具体的な構成を表す構成図で
ある。 【図7】 上記第2実施例における円偏波のマイクロ波を用いた場合の具体利用例を説明
する、マイクロ波送信器およびマイクロロボットの具体的な構成を表す構成図で
ある。 【図8】 上記第2実施例における円偏波のマイクロ波を用いた場合の他の具体利用例を
説明する、マイクロ波送信器およびマイクロロボットの具体的な構成を表す構成
図である。 【図9】 上記他の具体利用例のモータユニットの具体的な構成を表す構成図である。 【図10】 配管形態に対応したマイクロ波の低損失伝送の一例を説明するための説明図で
ある。 【図11】 配管形態に対応したマイクロ波の低損失伝送の他の一例を説明するための説明
図である。 【図12】 第3実施例におけるマイクロ波送信器およびマイクロロボットの具体的な構成
を表す構成図である。 【図13】 本発明の一実施例における全体構成の他の例を表す全体構成図である。 【図14】 上記第1実施例において、電気力線を用いてTE01モードで伝送する場合のマ
イクロ波の発生形態を説明する説明図である。 【図15】 マイクロ波を後述するTE0X(具体的にはTE11モード)で伝送する場合の配
管内径−周波数特性曲線を表す特性図である。 【符号の説明】 1 マイクロ波エネルギー源 2 マイクロ波送信器 3 配管 4 マイクロロボット 401 マイクロ波受信器 402 変換器 403 アクチュエータ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 導体で構成され且つ管軸方向からみた断面形状が略円形の配管
    内にて作動するロボットと、 前記配管の管軸に垂直な面内において周方向の電磁界エネルギー分布が均一と
    なる伝送形態のマイクロ波を前記配管内に伝送する伝送手段と、 前記ロボットに設けられ、前記マイクロ波の磁力線と垂直に結合するマイクロ
    波受信器により受信されたマイクロ波を電力に変換する変換手段と、 前記ロボットに設けられ、前記変換手段からの電力により前記ロボットを駆動
    する駆動手段とを備え、 前記伝送手段により伝送されるマイクロ波の周波数fは、少なくとも前記ロボ
    ットが配置された配管の直径を遮断周波数特性曲線に対応させて得られた周波数
    sより大きく設定することを特徴とする配管内エネルギー供給システム。 【請求項2】 前記マイクロ波は、円偏波であることを特徴とする請求項1記
    載の配管内エネルギー供給システム。 【請求項3】 前記マイクロ波は、配管内伝送モードが、配管の周方向の波数
    が0である、TE0xモードもしくはTM0xモード(X;正の整数)であることを
    特徴とする請求項1記載の配管内エネルギー供給システム。 【請求項4】 前記配管において、分岐を有する配管の一方に前記ロボットが
    存在する場合には、他方の配管に前記マイクロ波の短絡条件を満たす部材を設け
    ることを特徴とする請求項1記載の配管内エネルギー供給システム。 【請求項5】 前記配管に折れ曲がり部を有する配管がある場合には、前記折
    れ曲がり部を構成するリアクタンス成分を除去する部材を前記折れ曲がり部に設
    けることを特徴とする請求項1記載の配管内エネルギー供給システム。 【請求項6】 前記マイクロ波は、右旋及び左旋の2系統の円偏波を伝送する
    ことを特徴とする請求項2記載の配管内エネルギー供給システム。 【請求項7】 前記2系統の円偏波のうち、一方の円偏波を、前記ロボットを
    駆動するための電力変換用のマイクロ波として伝送し、他方の円偏波を、情報 を伝達するための情報伝達用のマイクロ波として伝送することを特徴とする請求
    項6記載の配管内エネルギー供給システム。 【請求項8】 前記送信手段は前記2系統の円偏波を交互に伝送し、前記変換
    手段は前記2系統の円偏波を交互に電力に変換して出力することにより、前記駆
    動手段に交番電流を発生させることを特徴とする請求項6記載の配管内エネルギ
    ー供給システム。 【請求項9】 前記ロボットに設けられ、前記変換手段が受信したマイクロ波
    のレベルを検出する検出手段と、 前記ロボットに設けられ、前記レベルのレベル値を伝達するレベル値伝達手段
    と、 このレベル値伝達手段からのレベル値に基づいて、前記伝送手段が発生するマ
    イクロ波の電力レベルもしくは周波数を変更する変更手段とを備えることを特徴
    とする請求項1記載の配管内エネルギー供給システム。

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