JP2526321B2 - 有床義歯の製作方法 - Google Patents

有床義歯の製作方法

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山人 木暮
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財団法人歯友会
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、義歯床を熱可塑性樹脂
により成形する有床義歯の製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、義歯床を樹脂により成形する
有床義歯の製作方法が知られている。この樹脂による義
歯床の成形には金属製等の割型のフラスコ内に形成され
た石膏型により圧縮成形する方法と射出成形する方法と
が行われている。圧縮成形法は、対をなす石膏型の一方
に馬蹄形又は直方体をなす熱可塑性樹脂を遠赤外線で加
熱しながら重ね合せると共に、樹脂軟化時点で対をなす
石膏型により圧縮して義歯床を形成する。この際、予め
他方の石膏型に埋め混んだ人工歯が圧縮時に義歯床にイ
ンサートされるが、樹脂が人工歯の間である歯肉部分に
入りにくいとともに、生産性が悪いという問題がある。
射出成形法においては、高温で溶融された熱可塑性樹脂
が石膏型内の空洞に射出されるため、樹脂が歯肉部分に
入り易く、生産性も高いものであり、特公昭57−20
23号公報等で提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記射出成形法におい
ては、対をなす石膏型の密閉された空洞内に注入ゲート
から溶融樹脂が射出されるが、樹脂は流動先端に向うに
つれて型内で圧縮勾配を生じ、空洞内における樹脂の圧
力勾配が非常にばらついたものになる。詳細には、樹脂
が抵抗を受け易いスプル,ランナ付近や厚肉部と薄肉部
の境目、あるいは型内壁に樹脂が衝突する部分等に分子
配向乱れが生じて成形品に残留応力が発生し、この残留
応力が経時的に解放されることにより、成形品に反りや
捻れ等の変形を生ずる。特に義歯床の場合には、上顎の
口蓋面に当たる部分の肉厚は0.5ミリから1.2ミリ
以下と薄肉でなければならず、一方、歯槽頂部は10ミ
リ程度であるため、薄肉部と厚肉部との差が大きく、し
かも形状が複雑であるため上記変形を生じ易いという問
題があった。一方、義歯,クラスプ,バー等の曲がり,
変形,破損を防止するために、石膏型を埋設した割型フ
ラスコを接合しボルト締めした状態で、石膏型内の成形
空間となる空洞内に熱可塑性樹脂を射出注入して、その
射出圧力により割型フラスコの接合面をわずかに離間さ
せ、その後離間した割型フラスコの型締めを行うように
した製造方法が特開昭61−176341号公報で提案
され、この製造方法では樹脂の注入開始から終了までの
中間にフラスコの型締を行う。しかし、この製造方法で
は接合しボルト締めされて密閉状態になっている成形空
間に向かって樹脂を射出注入し、射出圧力でボルト締め
力に対応してフラスコがわずかに離間し又型締めされる
ため、空洞内における樹脂の圧力勾配のばらつきが発生
し易く、樹脂が抵抗を受けやすいスプル,ランナ付近や
厚肉部と薄肉部の境目、あるいは型内壁に樹脂が衝突す
る部分等に生じる分子配向の乱れを抑制するのが難し
い。また、前記製造方法では、樹脂の充填開始から終了
間での中間において、型締を行うものであるから、この
ように型内圧力が上昇する中間地点で型締を行うと、充
填中における型締後に型内圧力が急激に上昇してしま
い、義歯のように個々に形状が異なり、かつ0.5〜1
0ミリ程度の大きな範囲で肉厚部分と肉薄部分が不規則
に変化するものを射出成形した場合、樹脂の分子配向の
乱れが大きくなり、変形を抑制することが難しくなる。
【0004】そこで本発明は、残留応力による変形の抑
制を可能にする有床義歯の製作方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はフラスコ内にそ
れぞれ設けられた対をなす石膏型の空洞に熱可塑性樹脂
を射出する有床義歯の製作方法において、前記対をなす
石膏型を僅かに開き前記空洞を開放した状態で保持し、
前記空洞内に熱可塑性樹脂を射出し、充填終了後直ちに
前記石膏型を型閉して圧縮成形する製作方法である。
【0006】
【作用】上記構成により、石膏型の空洞内に射出された
熱可塑性樹脂は空洞内における圧力勾配のばらつきが抑
制される。
【0007】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面を参照して説
明する。図1乃至図8は本発明の一実施例を示し、まず
製作しようする樹脂製品と同型の模型1をワックスまた
は軟質樹脂またはワックスと軟質樹脂の合成ワックスの
ような熱融解性材料により形成する。前記模型1には予
め人工歯1Aを設ける。金属材料等からなる耐圧割型の
フラスコ2は一方のフラスコ3と他方のフラスコ4とに
分割形成され、両フラスコ3,4の接合面には射出口5
が形成されている。前記模型1を表面に形成した石膏台
6を前記フラスコ4内に石膏により固定するとともに、
注入した石膏6Aによりフラスコ4に一次埋没する。模
型1と射出口5とを前記熱融解性材料のランナー7によ
り連結する。フラスコ4にフラスコ3を被せてフラスコ
2を適宜な固定具によりセットすると共に、フラスコ3
内に注入口8から石膏6Bを注入し二次埋没して図3の
ように埋没を終了する。石膏6A,6Bが硬化した後、
フラスコ2を分解することにより、石膏の分割面9を介
して一方の石膏型3Aと他方の石膏型4Aとに分割す
る。模型1,ランナー7を溶融排出し熱湯で洗い流して
両石膏型3A,4A間に空洞を形成する。このようにし
て硬化した石膏6Bにより一方の石膏型3Aが形成さ
れ、石膏台6と硬化した石膏6Aとにより他方の石膏型
4Aが形成される。石膏型4Aには図4に示すように空
洞10の周囲に溝部11を形成し、この溝部11に沿ってアル
ミ箔等からなるカッター部材12を設ける。石膏型3Aの
空洞10内壁に耐磨耗性及び耐溶剤性を有する表皮材13を
設ける。表皮材13は歯肉模様13Aを有する着色樹脂シー
ト、または樹脂シートに歯肉模様13Aを印刷形成したも
のが用いられる。上記実施例において、石膏型製造時に
は石膏の攪拌作業を常法通り行い、埋没にあたってはそ
の可塑化反応前に真空内で石膏を注入し、同時に振動を
与えて埋没製造することが石膏型内面を緻密にできる。
またフラスコ3内に石膏を注入するための開口部は適宜
箇所に適宜な大きさで設ければよい。射出圧縮成形装置
14は前記一方のフラスコ3を固定する可動盤15と、他方
のフラスコ4を固定する固定盤16とを相対向して備え、
可動盤15には油圧シリンダ等を駆動力としてフラスコ2
の開閉動作を行う図示しない型締装置と、油圧シリンダ
等を駆動力として樹脂を圧縮するための圧縮装置17と、
樹脂を射出するための例えばインラインスクリュウ式射
出成形機18を備え、さらに圧縮装置17,型締装置及び射
出成形機18を制御する図示しない制御部及びセンサ等を
備える。
【0008】次に上記構成につき、その作用を説明す
る。型締装置を制御して図1に示すように石膏型3A,
4Aの間に例えば数ミクロンの間隙Hを設けた状態でフ
ラスコ3,4をセットする。そして射出成形機18により
射出口5から空洞10内に溶融軟化したポリカーボネート
樹脂,ポリマアロイ樹脂,ポリサルフォン樹脂等の熱可
塑性樹脂20を射出注入する。一方、射出注入工程の終了
により直ちに圧縮成形工程に移行し、型締装置と圧縮装
置17によりフラスコ3を降下して石膏型3A,4Aを所
定圧で型締する。樹脂の射出は例えば0.03秒間程度
にてフラスコ2への充填を終了するとともに、同時にフ
ラスコ2を型閉し所定圧で型締して義歯床19を成形す
る。この際、射出された樹脂20は、フラスコ2が僅かに
開いて空洞10が外部に開放された状態で空洞10内に比較
的低圧で注入されることにより、分子配向の不整列状態
の発生が低減し残留応力の変形が抑制される。さらに樹
脂20はフラスコ2の型閉動作により均一に型内に押し広
げられる。樹脂20の一部は溝部11へ流れるが、型締の
際、石膏型3Aの分割面9内周縁とカッター部材12によ
り空洞10と溝部11が遮断されて、従来ばりとして残る部
分が義歯床19から除去される。樹脂硬化後フラスコ2を
分割し、石膏型3A,4Aを破砕して有床義歯を取り出
すものである。尚、空洞10内には射出前に樹脂剥離剤を
注入することが好ましい。
【0009】このように本実施例では、フラスコ3,4
内にそれぞれ設けられた対をなす石膏型3A,4Aの空
洞10に熱可塑性樹脂20を射出する有床義歯の製作方法に
おいて、前記対をなす石膏型3A,4Aを僅かに開き前
記空洞10を開放した状態で保持し、前記空洞10内に熱可
塑性樹脂20を射出し、充填終了後直ちに前記石膏型3
A,4Aを型閉して圧縮成形する製作方法であるから、
石膏型3A,4Aの空洞10内に射出された熱可塑性樹脂
20は圧力勾配が均一化されて分子配向の不整列状態の発
生が低減し、義歯床の残留応力による変形が抑制され
る。また実施例上の効果として、クラスプ等の一部有歯
用の義歯床の場合、従来の射出成形では樹脂の射出圧に
より型内においてクラスプ等のずれを生じ易かったが、
本実施例では比較的低圧の射出が可能になりこのような
問題を解消できる。また、本実施例では、間隔Hにより
エアの排出が行われるため、フラスコ及び石膏型にエア
ベンドを形成する必要がなく、型の簡略化が図れる。
【0010】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能である。例えば間隔H、射出時間等の値は適宜
選定すればよい。また、カッター部材はアルミ箔に限ら
ず金属製であればよい。また、表皮材は義歯床の歯肉表
面側の他に上顎口蓋面側つまり一方の石膏型の空洞内壁
に設けてもよく、さらに他方の石膏型の空洞内壁に設け
てもよい。
【0011】
【発明の効果】本発明はフラスコ内にそれぞれ設けられ
た対をなす石膏型の空洞に熱可塑性樹脂を射出する有床
義歯の製作方法において、前記対をなす石膏型を僅かに
開き前記空洞を開放した状態で保持し、前記空洞内に熱
可塑性樹脂を射出し、充填終了後直ちに前記石膏型を型
閉して圧縮成形する製作方法であり、石膏型の空洞内に
射出された熱可塑性樹脂は圧力勾配のばらつきが抑制さ
れ、義歯床の残留応力による変形を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す樹脂射出前状態の断面
図である。
【図2】本発明の一実施例を示す射出圧縮状態の断面図
である。
【図3】本発明の一実施例を示す埋設状態の断面図であ
る。
【図4】本発明の一実施例を示す樹脂射出前の要部の拡
大断面図である。
【図5】本発明の一実施例を示す射出圧縮後の要部の拡
大断面図である。
【図6】本発明の一実施例を示す射出圧縮後の断面図で
ある。
【図7】本発明の一実施例を示す模型を収納したフラス
コの平面図である。
【図8】本発明の一実施例を示す有床義歯の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 模型 2 フラスコ 3 一方のフラスコ 4 他方のフラスコ 3A 一方の石膏型 4A 他方の石膏型 10 空洞 14 射出圧縮成形機 19 義歯床 20 熱可塑性樹脂

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラスコ内にそれぞれ設けられた対をな
    す石膏型の空洞に熱可塑性樹脂を射出する有床義歯の製
    作方法において、前記対をなす石膏型を僅かに開き前記
    空洞を開放した状態で保持し、前記空洞内に熱可塑性樹
    脂を射出し、充填終了後直ちに前記石膏型を型閉して圧
    縮成形することを特徴とする有床義歯の製作方法。
JP13297891A 1991-06-04 1991-06-04 有床義歯の製作方法 Expired - Lifetime JP2526321B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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