JP2525975B2 - 低分子量キトサン含有植物機能調節用組成物 - Google Patents
低分子量キトサン含有植物機能調節用組成物Info
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Description
れDNA・RNAの賦活を基本として生理活性を誘導
し、植物の休眠打破による発芽促進や葉根のバランスの
とれた伸長・生育の促進等の植物の機能を調節する低分
子量キトサン含有植物機能調節用組成物に関する。
体、医薬徐放性担体、医用材、種子前処理剤、化粧品等
に使用され、人工皮膚、縫合糸、シャンプー、リンス、
キトサンビーズ、キトサン繊維等が製造販売されてい
る。またキトサンはその有効成分と共に残留農薬と結合
し、その残留農薬を不活性化させるので、有機無農薬野
菜の栽培に最適で、キトサンを施用するとフザリュウム
菌、リゾクトニア菌等に対して抗菌抗ウイルス効果があ
り、野菜や果樹に対して耐病性が発現されるものであ
る。また、土壌中へ投入すると土壌中の放線菌が増殖
し、これによる拮抗作用が働くため、土壌病害の発生が
抑制され、更に、キュウリのつる割れ病を防ぎ、トマト
の発病抑制効果もある。稲に対しては収量、耐病性、耐
寒性、耐熱性、施肥量、倒伏防止、作業量等でキトサン
の効果が認められ、根の成長促進作用があるとされてい
る。
シ−D−グルコース(β−D−グルコサミン)が直鎖状
にβ−(1→4)結合したホモ多糖で、化学的には
(1,4)−2−アミノ−2−デオキシ−β−D−グルカ
ンの構造を有する。通常キトサンは、エビ、カニなど甲
殻類の殻、甲虫の甲皮など節足動物の外骨格、軟体動物
の器官、カビ・酵母・キノコ等の真菌類の細胞壁等に含
まれるムコ多糖の一種であるキチンを脱アセチル化して
製造する。従ってキトサンの分子量はキチンの100万程
度より若干低いと考えられるが、それでも数10万の高分
子化合物である。このような高分子量キトサンは希酸に
しか溶解せず、用途も凝集剤等に限られていた。
た低分子化技術が種々検討されてきた。化学的に反応を
行う方法としては酸化剤によるものが主流であり、例え
ば過酸化水素、塩素ガス、二酸化塩素、アスコルビン
酸、亜塩素酸ソーダ、臭素、亜硝酸塩、濃塩酸等が使用
されている。これらの化学的方法に対して、他の技術と
して提案されている方法が微生物もしくは酵素による方
法である。この方法によれば低分子化キトサンというよ
りもキトオリゴ糖の生産が主流となる。
物細胞内に透過確認される限界とされている平均分子量
30000より高分子量のもの、或いは植物細胞内に取り込
まれても酵素活性の誘導効果が認められない平均分子量
500以下の低分子のものである。また平均分子量500〜30
000に調整されたキトサンであっても、その分子末端に
2,5アンヒドロマンノースを1分子以上持つものでな
ければ、植物生体内での酵素活性の誘導が顕著ではな
い。
を誘導することの出来る平均分子量500〜30000で分子末
端に2,5アンヒドロマンノースを1分子以上持った低
分子量キトサン及びキトオリゴ糖(以下2,5A.H.Mキ
トサンと称す)の製造方法は「特開平2-41301号」及び
「特開平5-65302号」によるところのものである。すな
わち、キチン質に濃アルカリ溶液を加えて加熱又はカリ
融解をして、脱アセチル化し精製したキトサンを原料と
して、これを、無水酢酸に過酸化水素を混合し、更に好
ましくは硫酸を加えて合成した高濃度過酢酸水溶液に投
入し、空気又は酸素を吹き込みながら攪拌して反応させ
ることにより、極めて短時間に反応を実施することが可
能であることを特徴とする製造方法であり、キトサンに
対する過酢酸の重量比を3〜15、好ましくは5〜10と
し、反応開始後60〜90分後に、使用された過酢酸量の40
〜60%の温水を添加することにより、平均分子量が500
〜30000の2,5A.H.Mキトサンを90%の収率で得たと
している。
サンは3重量%前後の希薄水溶液であるが、結合水を形
成しており透析膜及び逆浸透膜によっても濃縮が甚だ難
しいことと、特異的にカンジダ菌などの寄生・増殖が発
生するため粉末化した製品にせざるを得ない。粉末化に
はスプレードライ法等によるところとなるが、これでは
著しく高い乾燥コストを伴う。また、現在市場に出回っ
ている平均分子量30000以上の高分子量キトサンは殆ど
酢酸又は乳酸などの希酸による水溶液状である。特に、
生体由来の酢酸はカンジダ菌などの増殖に必要な炭素源
であるので、水溶液状では特定の細菌の増殖原因となり
現場レベルでの使用に問題がある。
が望まれるが、実際に植物に賦与する場合は、濃度が1
0〜1000PPMでpH値5.0〜7.5を呈する水溶液に
調整しなければ、植物生体内で酵素活性の誘導は期待で
きないため、使用に際しハンドリングの煩わしさを伴な
わざるを得ない。
なう微小管の重合、脱重合はカルモジュリンを含む複数
の成分により調整されているが、カルモジュリンは別名
カルシウム結合タンパク質とも云われCa2+の結合により
構造変化を起こすことが判明し、植物生体内の不活性な
酵素に結合してこれら酵素を活性化することがわかっ
た。
H.Mキトサンも、製造コストと使用時のハンドリング
の煩雑さを伴うのが実情であり、これを解決し、また植
物に施用した場合に土壌の保水性を高め2,5A.H.M
キトサンの流出を防ぎ、しかもCa2+との相乗効果を付与
することのできる手段が解決するべき課題となってい
た。
に鑑み、低分子量キトサンとカルシウム元素含有無機物
質とを主成分とする低分子量キトサン含有植物機能調節
用組成物を開発した。この場合の低分子量キトサンは平
均分子量500〜30000で分子末端に2,5アンヒドロマン
ノースを1分子以上持つ低分子量キトサン及びキトオリ
ゴ糖である。また、カルシウム元素含有無機物質として
の炭酸カルシウムを担体として、これに低分子量キトサ
ン及び水溶性結晶形有機酸の1種又は2種以上、アルミ
ニウム元素を含む無機物質並びに必要に応じて賦形剤、
結合剤、崩壊剤、滑沢剤を混和し、造粒成形する。
Mキトサンの作用に相乗効果が期待できるカルシウム元
素を含有する無機物質の中で、pH5.0〜7.5の水系
において容易にCa2+に解離する炭酸カルシウムを担体と
して、これに2,5A.H.Mキトサン及び水溶性結晶形
有機酸の1種又は2種以上、アルミニウム元素を含む無
機物質並びに賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を混和
し、造粒成形することにより成る低分子量キトサン含有
植物機能調節用組成物が、前記の製造コストの問題と使
用時のハンドリングの煩雑さを解決し、土壌の保水性を
高め、かつ組成物中のCa2+が植物生体内における2,5
A.H.Mキトサンの酵素活性の誘導作用に対し相乗効果
のあることを見出した。
2,5A.H.Mキトサン0.1〜50部と水溶性結晶形有機酸
10〜100部、アルミニウム元素を含む無機物を0.1〜10
部、賦形剤・崩壊剤を併せて0.5〜10部とを加えて乾式
法により成形された顆粒状成形物、及び(又は)更に滑沢
剤0.1〜5部とを加えて乾式顆粒圧縮法又は直接粉末圧
縮法により成形された錠剤状成形物とする。II)炭酸カ
ルシウム100部に対し、2,5A.H.Mキトサン水溶液
(純分換算)0.1〜50部と結合剤水溶液(純分換算)0.5〜10
部との混合液に、アルミニウム元素を含む無機物0.1〜1
0部を加えた懸濁液を添加して湿式法により成形された
顆粒状成形物に、更に水溶性結晶形有機酸10〜100部と
滑沢剤0.1〜5部を加えて、いわゆる湿式顆粒圧縮法に
より成形された錠剤状成形物とする。
比で10〜1000倍の範囲で各倍率の純水に溶解した時、
水溶液のpH値が5.0〜7.5を呈するように各々を予
め有機酸の重量部数で調整することにより、植物細胞内
に取り込まれ酵素活性を誘導する低分子量キトサン含有
植物機能調節用組成物を得ることができた。本発明で用
いる炭酸カルシウムは天然品でも合成品でも良く、結晶
形態はカルサイト、アラゴナイト、バテライト等、或い
はアモルファスのもの何れかを限定するものではない。
また粒度範囲も限定しないが成形する上で好ましくは平
均粒子径0.5〜30μmのものである。更に純度につ
いては、可溶性重金属類の多量の含有は植物生体への悪
影響が考慮されるため、日本薬局法に規定する炭酸カル
シウムの定量法による数値が98.5%以上であること
が好ましい。
る。 I)炭酸カルシウム100部に対し、2,5A.H.Mキトサ
ンを0.1〜50部、好ましくは0.5〜3部と、水溶性結晶形
有機酸は所定の希釈倍率で純水に希釈した時のpH値が
5.0〜7.5、好ましくは5.5〜7.0を呈するように予め調整
された必要量及びアルミニウム元素を含む無機物質を0.
1〜10部、好ましくは0.5〜3部と賦形剤・崩壊剤を併せ
て0.5〜10部好ましくは1〜2.5部とを加えて均等に混和
し、この混合粉末を圧縮成形ロールと製粒機を組み合わ
せた乾式造粒機に供給すれば顆粒状の成形物を得ること
ができる。ここで賦形剤・崩壊剤の添加量が0.5部以下
の場合は崩れ易い顆粒状成形物となり、また10部以上添
加した場合は顆粒が固くなり、後工程の錠剤成形が難し
くなる。次に上記顆粒状成形物に更に滑沢剤を0.1〜5
部、好ましくは0.5〜2部を加えた混合物、或いは上記
配合に滑沢剤を同じく0.1〜5部、好ましくは0.5〜2部
を加えた混合粉末を単発打錠機、ロータリー打錠機、ブ
リケッティングロール等によるいわゆる乾式顆粒圧縮
法、或いは、直接粉末圧縮法により錠剤状の成形物にする
ことができる。
H.Mキトサン水溶液(3〜5重量%)を純分換算で0.1〜
50部、好ましくは0.5〜3部と結合剤水溶液(5〜20重量
%)を純分換算で0.5〜10部、好ましくは1〜6部との混
合液に、アルミニウム元素を含む無機物質を0.1〜10
部、好ましくは0.5〜3部を加えた懸濁液を添加し混練
したスラリー状混合物を噴霧乾燥機や媒体流動層乾燥機
により顆粒状の成形物にすることができる。また、上記
混合物でやや水分の少ないペースト状のものについては
スクリュー式や回転多孔ダイス式、あるいは回転ブレー
ド(バスケット)式等の押出し成形機により造粒し、乾燥
・整粒工程を経て顆粒状の成形物にできる。ここでも上
記I)と同様に結合剤の添加量は0.5部以下の場合は崩れ
易い顆粒状成形物となり、また10部以上添加した場合は
顆粒が固くなり、後工程の錠剤成形が難しくなる。
方式、スクリュウ・リボン・羽根攪拌方式、流動層攪拌
方式等で粉体を攪拌させ、そこに上記懸濁液を徐々に添
加して造粒していく、いわゆる転動造粒法、攪拌造粒
法、流動層造粒法等によっても顆粒状の成形物を得るこ
とができる。この顆粒状成形物に、更に水溶性結晶形有
機酸を所定の希釈倍率で純水に希釈した時のpH値が5.
0〜7.5、好ましくは5.5〜7.0を呈するように予め調整さ
れた必要量と滑沢剤を0.1〜5部、好ましくは0.5〜2部
とを加えた混合物は、単発打錠機、ロータリー打錠機、
ブリケッティングロール等によるいわゆる湿式顆粒圧縮
法で錠剤状に成形される。上記I)II)において、アルミ
ニウム元素を含む無機物質の添加量が0.1部より少ない
場合は土壌の保水性は向上されず、更に10部より多い場
合は土壌の湿潤状態が長時間維持され、根腐れの原因と
もなるため、適正範囲の添加量が重要な点となる。
しては、アジピン酸、L-アスパラギン酸、DL-アスパラ
ギン酸、アセチルサリチル酸、アリルマロン酸、アロキ
サン酸、イサチン酸、イソ糖酸、イソプロピリデンコハ
ク酸、イタコン酸、オキサル酢酸、3-オキシフタル酸、
D-ガラクトン酸、キナ酸、クエン酸、グリコール酸、グ
ルタコン酸、L-グルタミン酸、グルタル酸、クロトン
酸、コハク酸、ジエトオキサル酸、4,5-ジオキシフタル
酸、ジグリコール酸、1,1-シクロプロパンジカルボン
酸、dl-シトラマル酸、α,α-ジメチルコハク酸、ジメ
チルマロン酸、シュウ酸、d-酒石酸、3,4,5,6-テトラヒ
ドロフタル酸、トリカルバリル酸、トリブロム酢酸、ナ
フトールスルフォン酸、乳酸、ビオルル酸、ビダントイ
ン酸、ビナコン酸、ピメリン酸、2-ピロールカルボン
酸、β-フェニル乳酸、β-フェニルヒドロアクリル酸、
フェノール-2,4-ジスルフォン酸、フタル酸、ブドウ
酸、フマル酸、ブロム酢酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、マロン酸、無水フタル酸、l-リンゴ酸、dl-リンゴ
酸等の中から1種類又は2種類以上が使用できる。これ
らの中でも生体由来の有機酸であるL-アスパラギン酸、
DL-アスパラギン酸、クエン酸等が好ましい。
ついては、カオリン、焼成クレー、パイロフィライト、
ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、ネフェリン・
シナイト、セピオライト等が挙げられる。これら中では
ベントナイト、セピオライトが好適である。
糖、でんぷん、結晶セルロース、ポリビニールピロリド
ン等を用い、結合剤としてはでんぷんのり液、ヒドロキ
シプロピルセルロース液、カルボキシメチルセルロース
液、アラビアゴム液、ゼラチン液、ブドウ糖液、白糖
液、トラガント液、アルギン酸ナトリウム液、ポリビニ
ールピロリドン液等が使用でき、崩壊剤はカルボキシメ
チルセルロースカルシウムを用いることができる。滑沢
剤については、ステアリン酸マグネシウム、精製タル
ク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、硬化ヒマ
シ油、硬化ナタネ油等の中から選択できる。
は)錠剤状成形物は、所定の希釈倍率の水又は温水に発
泡を伴いながら速やかに溶解し、その水溶液は求めるp
Hを示す。更に、II)の方法は炭酸カルシウムが乾燥助
剤として作用するため、キトサン単独で乾燥する場合と
比較して乾燥効率を大幅に向上させることができた。ま
た、保水性、塩基置換容量の高いベントナイト、セピオ
ライト等を適量添加することにより、土壌の保水力を高
め、かつ2,5A.H.Mキトサンの流出を防止し、植物
に対する2,5A.H.Mキトサンの機能調節効果を向上
させることができる。β−1,4−D−N−アセチルグ
ルコサミンと2,5アンヒドロマンノースの構成物質の
ヘテロ糖である2,5A.H.Mキトサンは植物の細胞壁
より取込まれ、細胞膜上でキチナーゼやキトサナーゼ等
の細胞内酵素により切断される。しかし、生体内糖類の
構成糖としてのN−アセチルグルコサミンは、糖構成量
体として生体内においては外来異物であり、植物の生体
内酵素の基質特異性により基質として認められ、酵素活
性中心のジスフィールド結合の解離を行い活性を誘導す
る。一方、糖鎖の量体の大きさによっては、生体内のシ
グナル系により抗体物質の産生を誘導させる。また細胞
内に透過確認される平均分子量5000あたりの2,5A.
H.Mキトサンは、核に向かって存在が確認されてお
り、これらは核膜を透過してDNAの発現を制御してい
ると考えられる。これら形態変化については、従来報告
されていない発現形態として、特定植物の花の色の変化
や矮化・球根類の分裂化・特定細胞培養において増殖分
化の促進を誘導することが確認される「特開平4-210589
号」及び「特開平3-297305号」。
キトオリゴ糖の水溶解時の発泡拡散の効果として、更に
炭酸成分とカルシウム成分の分解にともない発生するCa
2+は植物の根部より吸収され植物細胞内カルシウムイオ
ンプールに蓄積される。真核細胞に広く分布するCa2+受
容タンパク質であるカルモジュリンはCa2+と結合する
と、更に不活性酵素に結合してこれを活性型に変えると
され、カルモジュリン1分子あたり4分子のCa2+が結合
する。結合したカルモジュリンは、アデニル酸環化酵
素、ホスホリラーゼbキタナーゼ、赤血球膜Ca2+,Mg2
+,ATPアーゼ、NADキナーゼ、ミオシンL鎖キナー
ゼなどの酵素をCa2+存在下で活性化することが確認され
ている。また酵素の活性化だけでなく、植物細胞壁の構
築誘導を行う微小管の重合を調整するとされている、そ
の他カルモジュリンは多機能を有し屈性など形態変化の
誘導を行うと言われているが、これは細胞周期やフィト
クロムも関連すると考えられる。
除いて生体機能としての作用構造はほぼ同一である。生
体内解糖系においてヒドロキシトリカルボン酸の1種で
あるクエン酸は、細胞内では、クエン酸シンターゼによ
りアセチルCoAとオキサロ酢酸から生成するクエン酸
回路の中間体であり、レモン、ミカンなどの柑橘類の果
樹に多く存在し、またCa2+、Fe3+とキレートをつくる。
アスパラギンや、アスパラギン酸は、タンパク質の構成
物質であると同時に糖鎖の構成物質でもある。N−アセ
チルグルコサミンの2量体を構成している糖鎖末端部と
結合するアスパラギン結合糖鎖は機能性分枝糖鎖と呼ば
れる。これら生体内糖鎖に結合するアスパラギン及びア
スパラギン酸はアミノ基と結合し生体内酵素の活性を誘
導する。以上により、本発明よりなる粉末状、顆粒状及
び(又は)錠剤状成形物である低分子量キトサン含有植
物機能調節用組成物が、2,5A.H.Mキトサンの製造
コストと植物へ施用時のハンドリングの煩雑さを解決
し、更に土壌の保水性を高め2,5A.H.Mキトサンの
流出を防ぎ、しかもCa2+との相乗効果を付与することが
できる等、全ての課題を解決することが明かとなったの
である。
るが、本発明はこれらによって何ら限定されるものでは
ない。 実施例1 平均粒子径5μmで、純度99.9%のカルサイト型炭
酸カルシウム1000gに対し、2,5A.H.Mキトサンを
10gとクエン酸を300g、更にベントナイトを10g
と乳糖を60g加え、リボンブレンダーで十分に混和す
る。この混合粉末を乾式造粒機であるローラーコンパク
ター;TF−156(フロイント産業製)に供給すること
により、0.3〜1mmの顆粒状成形物である低分子量キ
トサン含有炭酸カルシウム組成物を得た。
A.H.Mキトサン10gとクエン酸250g、DL-アスパラギン
酸50g、更にセピオライトを10g、乳糖を100gとステアリ
ン酸マグネシウムを10g加え、リボンブレンダーで十分
に混和する。この混合粉末をロータリー打錠機;HT−
P18A(畑鉄工所製)に供給し、打錠圧力800kgでいわゆ
る直接粉末圧縮法により、径8mmφで重量0.2g/錠の錠
剤状成形物である低分子量キトサン含有炭酸カルシウム
組成物を得た。
%の2,5A.H.Mキトサン水溶液200gと20重量%のア
ラビアゴム水溶液100gとの混合液にセリサイト10gを加
えた懸濁液を添加し、ニーダーで十分混練してペースト
状混合物とする。これを回転ブレード式押出し成形機;
HATA-HC-120(畑鉄工所製)に供給し成形した物
を、定温式オーブン乾燥機の温度60℃設定下で乾燥し、
解砕の後、篩により整粒を行い0.5〜1mmの顆粒状成形
物を得た。この成形物にクエン酸を250g、dlリンゴ酸50
gと精製タルクを10g加えてリボンブレンダーにより混合
し、この混合物をロータリー打錠機;HT−P18A(畑
鉄工所製)に供給し、打錠圧力800kgでいわゆる湿式顆粒
圧縮法により、径8mmφ、重量0.2g/錠の錠剤状成形物
である低分子量キトサン含有炭酸カルシウム組成物を得
た。
FLO−5(フロイント産業製)に充填し、温度80℃の熱
風を3〜4Nm3/minの流量で吹き込み流動層を形成させ
る。ここに、5重量%の2,5A.H.Mキトサン水溶液
1kgと7.5重量%のHPC−L水溶液2kgとの混合液に
ベントナイト10gを加えた懸濁液を、100ml/minの流量で
添加し、徐々に粉末を造粒成長させて0.3〜1mmの顆粒
状成形物を得た。この成形物にクエン酸を1.5kgと精製
タルクを50g加えてリボンブレンダーにより混合し、こ
の混合物をロータリー打錠機;HT−P18A(畑鉄工所
製)に供給し、打錠圧力800kgでいわゆる湿式顆粒圧縮法
により、径8mmφ、重量0.2g/錠の錠剤状成形物である
低分子量キトサン含有炭酸カルシウム組成物を得た。
FLO−5(フロイント産業製)に充填し、温度80℃の熱
風を3〜4Nm3/minの流量で吹き込み流動層を形成させ
る。ここに、5重量%のHPC−L水溶液3kgとベント
ナイト10gを加えた懸濁液を、100ml/minの流量で添加
し、徐々に粉末を造粒成長させて実施例4と同様の0.3
〜1mmの顆粒状成形物を得た。同じくこの成形物にクエ
ン酸を1.5kgと精製タルクを50g加えてリボンブレンダー
により混合し、この混合物をロータリー打錠機;HT−
P18A(畑鉄工所製)に供給し、打錠圧力800kgでいわゆ
る湿式顆粒圧縮法により、径8mmφ、重量0.2g/錠の錠
剤状成形物を得た。
pH6.0の各水溶液を準備した。それぞれの水溶液に
発芽板を置床し、発芽板上にアスターの種子1を播種し
た。室温および自然光の環境下で30時間後に、実施例
1〜4の発芽板2上では植物の活性誘導物リグニン物質
3が確認された(図1)。更にこれらの種子を切断して
実体顕微鏡による観察を行なうと、実施例1〜4の水溶
液で浸漬処理したアスター種子については葉原基形成が
確認された。 応用比較例1 比較例についても応用例1と同様の試験を行ったが、発
芽板2上に活性誘導物リグニン物質3の存在は確認でき
なかった(図2)。また応用例1と同様の実体顕微鏡に
よる観察では、葉原基形成は確認できなかった。
6.0の各水溶液を準備した。それぞれの水溶液に籾を48
時間浸漬した後、この籾を育苗床に播種して稲の生育促
進試験を行った。その結果を表1に示す。 応用比較例2 比較例についても応用例2〜5と同様の試験を行った。
その結果を同じく表1に示す。 応用比較例3 市販のキトサン;DAC<平均分子量50000>(日本冷
熱株式会社製)について濃度を100 P.P.Mに調整して応
用例2〜5と同様の試験を行った。その結果を同じく表
1に示す。 応用比較例4 水のみによる慣行試験を応用例2〜5と同様に行った。
1ヶ月後の田植え当日の各例個体数50個の各実測値の
平均値に基づき、応用比較例4(慣行試験)の各実測値
の平均値を100とした指数で表した。
に、本発明よりなる粉末状、顆粒状および(又は)錠剤
状成形物である低分子量キトサン含有植物機能調節用組
成物が、慣行の水だけ或いは比較例の炭酸カルシウム錠
剤又は市販の高分子量キトサンと比較して、如何に植物
の休眠打破を行い、伸長生育の促進を強く行うかが分か
る。
チ図である。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 平均分子量500〜30000で分子端末に2,
5アンヒドロマンノースを1分子以上持つ低分子量キト
サン及びキトオリゴ糖からなる低分子量キトサンと炭酸
カルシウムとを主成分とする発芽・生長促進機能の調節
可能な低分子量キトサン含有植物機能調節用組成物。 - 【請求項2】 炭酸カルシウムを担体として、これに低
分子量キトサン及び水溶性結晶形有機酸の1種又は2種
以上、アルミニウム元素を含む無機物質並びに必要に応
じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤を混和し、造粒成
形してなる請求項1記載の発芽・生長機能の調節可能な
低分子量キトサン含有植物機能調節用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3255845A JP2525975B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 低分子量キトサン含有植物機能調節用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3255845A JP2525975B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 低分子量キトサン含有植物機能調節用組成物 |
Publications (2)
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