JP2525892B2 - ポリッシング方法およびポリッシング装置 - Google Patents

ポリッシング方法およびポリッシング装置

Info

Publication number
JP2525892B2
JP2525892B2 JP1089174A JP8917489A JP2525892B2 JP 2525892 B2 JP2525892 B2 JP 2525892B2 JP 1089174 A JP1089174 A JP 1089174A JP 8917489 A JP8917489 A JP 8917489A JP 2525892 B2 JP2525892 B2 JP 2525892B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
polished
rotary tool
belt
wafer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1089174A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02269552A (ja
Inventor
俊郎 土肥
武久 品川
Original Assignee
ロデール・ニッタ 株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ロデール・ニッタ 株式会社 filed Critical ロデール・ニッタ 株式会社
Priority to JP1089174A priority Critical patent/JP2525892B2/ja
Publication of JPH02269552A publication Critical patent/JPH02269552A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2525892B2 publication Critical patent/JP2525892B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シリコン等のウエハ、光学レンズ等の被研
磨物表面のポリッシング方法およびポリッシング装置に
関する。
(従来の技術) 主としてシリコンを材料とする半導体のIC基盤を製造
する場合には、通常、単結晶シリコンのインゴットをダ
イアモンドブレードを用いてスライスしてウエハを形成
し、該ウエハを研磨してその表面を平面精度の高い鏡面
に仕上げている。このようにして形成されたウエハは、
その表面をポリッシングして鏡面に仕上げられる。該ウ
エハのポリッシングには、大別して次の3つの工程に分
けることが出来る。
第1に、ダイアモンドブレードによりスライスされた
ウエハの反りやブレード条痕等を除去してウエハを基本
的に均一な厚さの平盤とするラッピング工程。
第2に、ラッピング工程に於いてウエハ表面に或る深
さまで生じた加工変質層を除去するためにこの変質層を
酸またはアルカリで侵食するエッチング工程。
第3に、エッチングによる加工変質層(ラッピング後
のストック層と称せられる)を除去して、純シリコン層
がミクロな傷や曇りがなく完全な鏡面でしかもIC回路の
焼付に必要かつ充分の平面性に仕上げるポリッシング工
程。
上記のポリッシング工程では、一般に回転平盤式のポ
リッシング装置が使用されている。該ポリッシング装置
は、例えば第8図に示すように、大型の回転平盤61にポ
リッシングパッド63を貼付けるとともに、該回転平盤61
と対向配設された複数のキャリヤー円盤62の下面にそれ
ぞれ複数のウエハ64を装着しておき、各キャリヤー円盤
62を重錘65その他の手段によりポリッシングパッド63に
圧接する。そして、ポリッシングパッド63とウエハ64と
の間に砥液を通流させながら、回転平盤61を公転させつ
つキャリヤー円盤62を自転させることにより、各キャリ
ヤー円盤62に保持されたウエハはポリッシングされる。
(発明が解決しようとする課題) このような、従来のポリッシング装置では、数多くの
欠点が存在する。
第1に、回転平盤61に貼付けたポリッシングパッド63
は被研磨物である各ウエハ64の研磨面全体に対向してい
るために、各ウエハ64を高精度にポリッシングするため
には、回転平盤61とキャリヤー円盤62下面とが高精度に
平面化されていなければならない。また、ポリッシング
時には、ウエハの温度が上昇するために、ウエハに歪み
が生じるおそれがある。このような歪を補正するため
に、回転平盤61およびキャリヤー円盤62を冷却するため
の冷却水通路をそれぞれの内部に設ける等の複雑な構造
が必要となり、しかも、ポリッシング時には温度コント
ロールしなければならない。
ここで、回転平盤61等の内部を冷却するための構造が
複雑になるのは以下の理由による。つまり第8図に示す
ような従来の研磨機の回転平盤61は、作業上の必要から
その上面には回転の支軸を設けていない。従って、該回
転平盤61の支持構造は、その下側からの片持ち軸構造と
なっている。さらに該回転平盤61の上面にはポリッシン
グパッド63を貼り付けるようにしており、研磨作業は、
該パッド表面にウエハを摺接して相対運動させながら研
磨液を滴下させて行う。ところが、従来の研磨機では、
この研磨液が回転平盤の表面を流れて外径端から振り飛
ばされるので、これを回収してリサイクルして使用する
ようにしてある。ここで、もし回転平盤内に流した冷却
水を外径端から放出するようにすれば、冷却水がリサイ
クル研磨液に混入してしまうことになり、冷却水の放出
は不可能となる。
従って、回転平盤61を冷却水により冷却するには、回
転平盤下側の片持ち軸の中心に2重の通路、すなわち給
水路と排水路を設けざるを得えない。さらに回転平盤内
における冷却水の通路は、冷却水が軸心内の通路を経て
回転平盤の中心から半径方向に外周部に向かって流れ、
さらに該外周部から中心に向かって戻り、再び軸心内の
流路から排出されるような構造、あるいはこの逆の順路
で流れるような構造とする必要がある。つまり回転平盤
61の内部を冷却するための構造が複雑になる。なお、上
記キャリヤー円盤62についても上記と同様なことが言え
る。
さらに、ポリッシングパッド63は、回転平盤61に貼付
けても直ちに使用できず、通常ダイヤモンド工具などに
より厚みを均等化したり、あるいはかなりの長時間にわ
たって予めポリッシングパッド63同士を研磨するいわゆ
る共摺りを施す必要がある。キャリヤー円盤62へのウエ
ハ64の取り付けに、細心の注意が必要になるという問題
もある。
第2に、第8図に示すように回転平盤61の公転時に
は、その外周部と内周部とでは周速度は本質的に異なる
ため、各ウエハ64が取り付けられたキャリヤー円盤62を
自転させないと、ポリッシングパッドに対する各ウエハ
64の摺動運動量が等しくならない。このために回転平板
61の公転に対してキャリヤー円盤62を自転させることに
より、各ウエハ64の回転方向および回転速度を調整し
て、各ウエハ64のポリッシングパッド63に対する摺動運
動量の均一化を図っている。しかし、キャリヤー円盤62
に取付られた各ウエハ64がキャリヤー円盤62の外周部に
位置する場合と内周部に位置する場合とでも、ポリッシ
ングパッド63に対する各ウエハ64の摺動運動量が不均一
になり、各ウエハ64のポリッシング精度を均一化するこ
とは不可能である。このように、各ウエハ64のポリッシ
ング精度が不均一であれば、ポリッシングパッド63に
は、研削屑による目詰まりや摩耗が、その径方向に不均
一に生じてしまう。ポリッシングパッド63の径方向の目
詰まりや摩耗の不均一は、各ウエハ64のポリッシング精
度に差が生じる原因となり、そのポリッシング精度の差
は、ポリッシングを繰返すにつれて大きくなるために、
各ウエハ64は高精度にポリッシングできなくなる。
第3に、従来のポリッシング装置は4〜6個のキャリ
ヤー円盤62を備え、各キャリヤー円盤62に3〜7枚のウ
エハ64が装着されるために、1回のポリッシング作業が
終了すると、少なくとも4〜6個のキャリヤー円盤62を
交換しなければならない。このように、従来のポリッシ
ング装置では、ポリッシング作業が断続的に行われるバ
ッチ作業となって、連続的にポリッシング作業を行え
ず、作業効率が悪いという問題がある。また、前述した
ように、ポリッシングパッド63はその径方向位置による
ポリッシング能力が不均一になることは、該ポリッシン
グパッド63とウエハ64との相対摺動運動量の不均一に起
因する目詰まり状態が不均一に発生することが主たる原
因である。このため、ポリッシングされたウエハ64に平
面不良が生じる以前にポリッシング作業を中断し、回転
平盤61に貼着したポリッシングパッド63を洗いながらス
クイーズして研磨屑(主として削り取られたポリッシン
グ後のストック)を除去するドレッシング作業を1バッ
チあるいは数バッチ毎に行わねばならない。
第4に、従来のポリッシング装置では回転平盤61に貼
着されたポリッシングパッド63に、多数のウエハ64が同
時に摺動するために、ポリッシングパッド63とそれぞれ
のウエハ64との間に砥液を均一に供給することが容易で
はなく、しかも砥液の供給に特別の配慮をすることが困
難である。通常は、回転平盤61の中心付近に砥液を流下
させて、遠心力とキャリヤー円盤62の回転により、砥液
をウエハ64とポリッシングパッド63との間へ自然に流し
ており、また、両者の間隙からの排出も遠心力により行
われている。このように、遠心力によりウエハ64とポリ
ッシングパッド63との間に砥液を介在させるためには、
砥液の流量を大きくする必要があるが、このように流量
が大きくなれば、大部分はポリッシング作用を行なうこ
となく無為に回転平盤61上を通流することになる。この
場合でも、砥液はウエハ64の全面に亘って均一に通流し
ない。ウエハ64の中心付近において、砥液の供給および
排出を良好に行わせるために、ポリッシングパッド63に
溝等を設けて該溝内に砥液を通流させる試みも為されて
いるが、ポリッシング作用が阻害される等の不都合があ
り、必ずしも良好な結果は得られていない。
第5に、ポリッシング速度が遅いという問題がある。
従来の回転平盤式のポリッシング装置では、ウエハの寸
法が大きくなるに連れて回転平盤61も大きくなる。例え
ば、通常、回転平盤61の外径は48〜52インチ程度であ
り、5〜6個のキャリヤー円盤62が設けられている。そ
して、各キャリヤー円盤62に6インチウエハを5〜7枚
装着するようになっている。このような大型のポリッシ
ング装置では、回転速度を大きくすることは難しく、回
転平盤61は、通常、キャリヤー円盤62中心位置におい
て、60〜100m/分程度の低周速となるようにされてお
り、ポリッシング作業としてはかなり低い速度である。
従って、ポリッシュ作業はきわめて低能率であり、スト
ックリムーバル(エッチングされた加工変質層を磨き去
る)と称する粗ポリッシング工程においても、0.5〜1.0
μm/分の速度であるため、通常、20〜30分を要する。
第6に、作業装置の大型化が困難である。前述のよう
に6インチウエハ用のポリッシング装置でも、作業やメ
ンテナンス性の限界に近づいているが、さらに近い将
来、8インチウエハが使用される環境となれば、ポリッ
シング装置の大型化は深刻な問題となる。そこで、1枚
のウエハ毎にポリッシングする単葉型或は少枚数型のポ
リッシング装置の開発が行われているが、いずれの装置
もウエハを回転させるために、前述した第2の問題点で
あるウエハが径方向で均一にポリッシングされないとい
う基本的な欠点がある。
例えば、特開昭62−162467号公報には、ウエハをチャ
ックに取り付けて回転させて、布又は帯等よりなるポリ
ッシングロールを回転接触させ、加工面にポリッシング
液を供給しつつポリッシングを行なうことが開示されて
いる。該装置は、ポリッシングの最終工程である、いわ
ゆる仕上げポリッシングにのみ適用され、また、ポリッ
シングローラー自体を布、帯等よりなるものとしたいわ
ゆるバフロール的作用を示すものである。しかも、ウエ
ハがポリッシングローラーに接して回転する構成である
ため、前述したように、ウエハの内周部と外周部とによ
りポリッシング精度に差が生じるという問題がある。
特公昭61−16586号公報、特開昭62−162466号公報に
は、帯状のベルトを用いた研磨方法が開示されている。
しかし、いずれの方法も、被研磨物を回転させつつ研磨
しているため、やはり、同様の問題が生じる。
この発明は上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、ウエハ等の被研磨物の研磨面を高精度にし
かも連続的にポリッシングすることができるポリッシン
グ方法及びポリッシング装置を得ることが本発明の目的
である。
(課題を解決するための手段) この発明に係るポリッシング方法は、研磨すべき被研
磨物に、隙間を隔てて周面が線状に対向して配設された
円柱状の回転工具を回転させつつ、該回転工具の周面と
被研磨物との隙間に砥液を供給し、両者に該回転工具の
軸心に対して直角方向の速度成分を持つ直線的な相対移
動を行わせるポリッシング方法である。
このポリッシング方法では、前記回転工具の外周面に
は、ポリッシングベルトが全周にわたってまたは周方向
の一部に巻掛けられ、該ポリッシングベルトと被研磨物
とは、これらの間に砥液が通過可能な程度の微小な隙間
が形成されるように非接触状態となっている。また、該
被研磨物は空気中に露出しており、該ポリッシングベル
トと被研磨物とが対向する部分には、ノズルから該対向
部分に向けて吐出された砥液が供給され、該ポリッシン
グベルトは、該被研磨物を研磨する位置と異なる位置
で、洗浄液槽に浸漬されて洗浄される。そのことにより
上記目的が達成される。
この発明に係るポリッシング方法では、前記ポリッシ
ングベルトが無端状になっていることが好ましい。
この発明に係るポリッシング方法では、前記ポリッシ
ングベルトは有端状であり、回転工具の一部に巻掛けら
れて巻取り手段により巻取られることが好ましい。
この発明に係るポリッシシング方法では、前記ポリッ
シングベルトは、その周回移動時に洗浄液に浸漬されて
洗浄されることが好ましい。
この発明に係るポリッシング装置は、研磨すべき被研
磨物に、周面が線状に対向して回転可能に配設された円
柱状の回転工具と、該回転工具の周面と被研磨物との対
向部間に砥液を供給する手段と、該被研磨物を該回転工
具に対して該対向部間において隙間を隔てて支持し、該
回転工具と被研磨物とに、該回転工具の軸心に対して直
角方向の速度成分を持つ直線的な相対移動を行わせる手
段とを備えている。
また、このポリッシング装置は、前記回転工具の外周
面には、ポリッシングベルトが全周にわたってまたは周
方向の一部に巻掛けられ、被研磨物を研磨する位置と異
なる位置で、ポリッシングベルトが浸漬されて洗浄され
る洗浄液槽を備えており、該ポリッシングベルトと被研
磨物とはこれらの間に砥液が通過可能な程度の微小な隙
間が形成されるよう非接触状態となっている。
さらに、このポリッシング装置では、該被研磨物は空
気中に露出するようになっており、該砥液を供給する手
段は、該砥液を、該ポリッシングベルトと該被研磨物と
が対向する部分に向けて吐出するノズルを有しており、
該ポリッシングベルトと被研磨物との対向部分には、該
ノズルから吐出された砥液が供給されるようになってい
る。そのことにより上記目的が達成される。
この発明に係るポリッシング装置では、前記ポリッシ
ングベルトが無端状になっていることが好ましい。
この発明に係るポリッシング装置では、前記ポリッシ
ングベルトは有端状であり、回転工具の一部に巻掛けら
れて巻取り手段により巻取られるものであることが好ま
しい。
この発明に係るポリッシング装置では、前記ポリッシ
ングベルトの洗浄液が収容された洗浄液槽が該ポリッシ
ングベルトの周回移動域に配設されていることが好まし
い。
(作用) この発明においては、回転工具の外周面に巻掛けられ
たポリッシングベルトと被研磨物との間に形成された、
砥液が通過可能な程度の微小な隙間に、砥液が供給され
るので、回転工具の回転によるポリッシングベルトの移
動により砥液が被研磨物の研磨面上を該研磨面との相対
運動量が均一となるよう流れることとなり、これによ
り、ウエハ等の被研磨物の研磨面を高精度に平面研磨す
ることができる。
また、該ポリッシングベルトは、被研磨物を研磨する
位置と異なる位置で、洗浄液槽に浸漬されて洗浄される
ので、ポリッシングベルトが常に清浄に維持されること
となり、ポリッシングベトルに研削屑が堆積したり、砥
液に研削屑が混入したりすることはなく、ポリッシング
作業は、ポリッシングベルトの寿命がつきるまで、高い
精度を保持しつつ行うことができる。
さらに、空気中に露出した被研磨物とポリッシングベル
トとの間に形成される所定の微小な隙間に、ノズルから
砥液を吐出して供給するので、ポリッシングベルトと被
研磨物との隙間に流れ込む砥液の流れを、該ベルトの全
幅に渡って均一にすることが可能となり、これにより被
研磨物の精密な平面研磨を実現することができる。
(実施例) 以下、本発明の基本原理について説明する。
第1図(a)〜(c)は、基本的なポリッシング装置
を示しており、これは本発明の実施例によるものではな
いが、本発明の原理説明に適したものである。該装置
は、例えば、円筒型の回転工具11が精密軸受16に支持さ
れて高精度に回転し得るように配設されている。各軸受
16の上方には、各軸受16とは一体的に構成された一対の
ガイド12および12が配設されている。各ガイド12は、回
転工具11の各端部側方の上方に位置しており、両ガイド
12間に、平盤キャリヤー13が架けわたされている。該平
盤キャリヤー13は、各ガイド12に案内されて、回転工具
11の上方をその軸方向、或いはその軸方向の近似の方向
に往復運動しながら、回転工具11の軸心に直交する方
向、あるいは適当な斜角方向に往復移動される。平盤キ
ャリヤー13の回転工具11とは対向する下面にはポリッシ
ュすべきウエハ14が装着されている。回転工具11の上端
部近傍には、砥液を該回転工具11の上端部の上方に向け
て吐出するノズル部15が配設されている。また、回転工
具11の下方には、該回転工具11の周面に接触してその軸
心方向に沿って往復移動する整形治具17が配設されてお
り、円筒状の回転工具11の周面を、その軸心に平行状態
になるように整形する。このような構成により平盤キャ
リヤー13に装着されたウエハ14は、回転工具11の上端部
とは、軸心方向に平行な適当な間隔をあけて、略接線方
向へ往復移動される。この間隙には、ノズル部15から砥
液がウエハ14に向けて吐出され、該砥液は、回転工具11
とウエハ14との間に介在される。回転工具11は高速にて
回転されており、ウエハ14は、回転工具11の周面とは砥
液を介して線状に対向され、両者の間に介在された砥液
によりウエハ14がポリッシングされる。砥液は、ノズル
部15配設側とは回転工具11を挟んで反対側方向へ排出さ
れる。
回転工具11は基本的には硬質プラスチック等のよう
に、保形性が高く、高精度に容易に加工することができ
る材質が選ばれる。該回転工具11は、必要に応じて内部
から水冷される。
該回転工具11はドラム状とされるが、必要に応じて、
外周面に、砥液を保持したり流れ易くするための凹部、
溝部等を設けてもよい。
砥液は、一般に、アルカリ性のコロイダルシリカ水溶
液、微細砥粒を懸濁させたアルカリ性あるいは酸性の水
溶液、もしくはこれ等にアミンを加えたものが使用され
る。砥液に含有された微細砥粒がウエハを機械的にポリ
ッシングし、そして、該砥液の酸性あるいはアルカリ性
により、また、砥液に添加されたアミンによりウエハは
化学的にポリッシングされる。このような砥液により、
粗ポリッシング工程、中間ポリッシング工程、および仕
上げ工程の各ポリッシング作業が行われる。このような
砥液及びこれを使用するポリッシュ方法は、例えば特公
昭61−38954号公報に開示されている。
次に本発明の実施例について説明する。
第2図は、本発明の一実施例によるポリッシッグ方法
及びポリッシング装置を説明するための図である。本実
施例のポリッシング装置は、第1図に示すポリッシング
装置における回転工具に代えて、この回転工具11にポリ
ッシングベルト18を装着したものを備え、砥液をポリッ
シングベルト18とウエハ14との間に供給して研磨を行う
ようにしている。
また、この装置では、該ポリッシングベルト18の周回
域の下部は、洗浄液が収容された洗浄液槽21内に位置し
ており、該洗浄液槽21内の洗浄液にて該ポリッシングベ
ルト18が洗浄される。
ポリッシングベルト18は、構成材質と使用条件に応じ
て、砥液を保持し得るポリッシングパッド材を無端シー
ムレス状となしたものが使用される。該ポリッシングベ
ルト18は、例えば、回転工具11に貼着され、該回転工具
11とは一体的に回転される。
この場合、ポリッシュベルト18とウエハ14との対向部
間に、ノズル部15により砥液を供給することは第1図に
示すポリッシング装置と同様である。
該洗浄液槽21内には、回転工具11に貼着されたポリッ
シングベルト18が洗浄液から退出する側に、該ポリッシ
ングベルト18に転接するスクラバロール22が配設されて
いる。該スクラバロール22はブラシ状になっており、ポ
リッシングベルト18に付着した研削屑等を除去してい
る。
また洗浄槽21内の回転工具11が洗浄液内へ進入する側
には、再生用ロール23がポリッシングベルト18に転接す
るように配設されている。該再生用ロール23は、例え
ば、ゴム製であり、ポリッシングベルト18の表面に転接
して該表面を研削することにより再生している。
ポリッシングベルト18は、回転工具11の全周に巻掛け
られている必要はなく、例えば、第3図に示すように、
該回転工具11の下方に、従動ローラ24を配設し、該従動
ローラ24と回転工具11との間にテンションローラ25を配
設して、これら回転工具11、従動ローラ24およびテンシ
ョンローラ25に無端状のポリッシングベルト18を巻掛け
ることにより、回転工具11の周面にポリッシングベルト
18を略半周にわたって巻掛けるようにしてもよい。この
場合も、ポリッシングベルト18が洗浄および再生される
ように、従動ローラ24は、前記第2図に示す実施例と同
様に、スクラバローラ22および再生ローラ23が配設され
た洗浄液槽21内に配設される。
さらにポリッシングベルト18は無端状である必要はな
く例えば、第4図に示すように、有端状であって、各端
部をそれぞれ巻取りリール31および36に巻回しておき、
適当なアイドルローラ32および33を介して、回転工具11
の一部に巻掛けるようにしてもよい。該回転工具11に巻
掛けられたポリッシングベルト18は、適当なアイドルロ
ーラ34および35を介して巻取りリール36に巻回されてい
る。この場合にも、ポリッシングベルト18の周回域に、
洗浄液槽21が配設される。このように、ポリッシングベ
ルト18が有端状の場合には、ポリッシングベルト18を容
易に往復移動し得るため、ウエハ14のポリッシング時に
往復移動させるように構成してもよい。ここでのポリッ
シング時の往復移動は、ポリッシングベルト18を一方向
に移動させて一端側の巻取りリール35に巻き取った後、
ポリッシングベルト18の移動方向を逆にして他側端の巻
取りリール36に巻き取るというものである。
さらに、多数の回転工具11を用いて、ウエハ14のポリ
ッシングを多段階で行うようにしてもよい。例えば、第
5図に示すように、キャリヤー13によるウエハ14の搬送
域に対向させてウエハ14の移動方向に多数の回転工具11
を並設すると共に、隣接する各回転工具11間の下方にそ
れぞれ従動ロール41を並設し、各回転工具11と従動ロー
ル41とに交互にポリッシングベルト18を巻掛ける構成と
してもよい。
各従動ロール41は砥液が収容された砥液槽42内に配設
され、各従動ロール41の周面を通過するポリッシングベ
ルト18には砥液槽42内の砥液が保持される。この場合ポ
リッシングベルト18は無端状であってもよく、また、第
6図に示すように有端状であってもよい。いずれの場合
にも、スクラバロール22および再生ロール23を有する洗
浄液槽21を、ポリッシングベルト18の周回域に配設すれ
ばよい。
ポリッシングベルト18としては、フェルトタイプポリ
ッシングパッド材を無端シームレス状に、又は長尺切り
放し状に形成したもの、ナップタイプポリッシングパッ
ド材を無端シームレスに、又は長尺切り放し状に形成し
たもの、あるいはこれ等パッド状の構成体の内部、もし
くは背面をコード状、織布状或はシート状の屈曲性抗張
材をもって補強したもの、ポリッシング面に織布を用い
織布の背面に適宜の厚みのエラストマー層を接合積層し
たポリッシングパッド材を無端シームレスに、又は長い
尺切り放し状に形成したもの、或いはプラスチック、或
いはエラストマーのそれぞれ単一又はそれらの複合積層
構造体で、その何かの側の面をポリッシュ面と為し、其
の面に砥液を保持するための凹部を適宜の密度に配設
し、或はさらに砥液の流れを良くするための溝等を、型
押し、又は刻設したポリッシングパッド材料を無端シー
ムレスに、又は長尺切り放し状に形成したもの等が使用
される。
このように本発明の実施例では、円筒状の回転工具に
巻掛けしたポリッシングベルトの周面と被研磨物とを線
状に対向させ、両者を直線状に相対移動させるので、従
来の回転円盤式ポリッシング方式のように、被研磨物と
ポリシッングパッド等との相対摺動量が不均一となるお
それがなく、ポリッシング精度が著しく向上する。ま
た、該方法の実施に使用される装置を小型化することが
でき、さらに内部からの水冷を施すことも容易であり、
従って、高いポリッシング精度の装置を容易に実現し得
る。
つまり、従来の研磨機で使用していた回転平盤が片持
ち支軸構造となっているのに対して、本発明で用いてい
る円柱状の回転工具では、その両端で支持する両支軸構
造を採用でき、このため、一端側の支軸を冷却水の入り
口とし、他端側の支軸を冷却水の出口とすることができ
る。従って、最も単純な冷却水通路の構成としては、回
転工具を単に中空円筒形とし、一端側の軸に形成した通
路から該回転工具内へ冷却水を供給し、さらに他端側の
軸に形成した通路から冷却水を排出するというものであ
り、本発明では、従来の研磨機に比べて、装置内部から
の冷却を行うための構造を簡単に実現できる。しかも、
このように冷却することにより、回転工具の熱歪みの影
響を排除でき、高いポリッシング精度の装置が得られ
る。
また、ポリッシングベルトと被研磨物との間に形成さ
れる所定の微小な隙間に、ノズルから砥液を吐出して供
給するので、ポリッシングベルトと被研磨物との隙間に
流れ込む砥液の流れを、該ベルトの全幅に渡って均一に
することが可能となり、これにより被研磨物の精密な平
面研磨を実現することができる。
例えば、被研磨物としてIC製造用シリコンウエハを例
にとれば、要求されるTTV1μm以下を得ることがきわめ
て容易になる。
さらに、該ポリッシングベルトのポリッシング作業域
と異なる位置に設けられている洗浄液槽にて、研磨屑の
排出、研磨面の再生、洗浄、砥液の供給、等を行い得る
ので、これらの作業のためにポリッシング作業を中断す
る必要が無い。
また、被研磨物の研磨に、回転工具に巻き掛けられた
ポリッシングベルトを用いる方法では、従来のようにキ
ャリヤーに装着したウエハを、回転平盤により研磨する
方法に比べて、研磨部材(ポリッシングベルト)と比研
磨物との相対速度を簡単に高めることができる。なぜな
ら、直径がウエハ径の何倍(40〜50cm)もあり、かなり
の重量もある回転平盤の回転速度を高めようとすると、
回転平盤の支持機構を、その高速に耐え得るよう大がか
りなものとする必要があるのに対し、ポリッシングベル
トの場合は、その幅はウエハ径よりやや広い程度で、重
量も回転平盤に比べて非常に軽いため、ベルトの送り速
度をさらに高めてもその支持機構が大型化することはな
いからである。
そして、ポリッシングベルトの送り速度の高速化によ
り、被研磨物に対する研磨効果を増大でき、これにより
高効率にてポリッシング作業を行うことができる。
また、被研磨物であるシリコンウエハが大径化した場
合でも容易に対応できる。これは上述したように、本発
明では、シリコンウエハが大径化した場合でも、ポリッ
シングベルトや回転工具の幅を広げるだけでよく、従来
の回転平盤を用いるもののように、回転平盤ばかりでな
くその支持機構の大型化を招くといったことがないから
である。
ウエハをキャリヤーに装着して、これに小さい円運動
を与えながら、或は回転させながら、一方向にスルーフ
ィードすることにより、ウエハの研磨を一個ずつ連続的
に処理することができる。
なお、この場合、ウエハと回転工具の周面との直線的
な相対移動によりウエハのポリッシングが行われるの
で、これによって基本的には回転工具に対するウエハの
摺動運動量の不均一化の問題が解消されている。従っ
て、このような構成において、さらにウエハに円運動を
与えたり、ウエハを回転させたりしても、このような付
随的な回転運動により生ずる、回転工具に対するウエハ
の摺動運動量の不均一化は、加工精度上問題とならない
程度に小さく、従来のような問題が生ずることはない。
さらに、上記のようにウエハに適当な自転速度を与える
ことは、ウエハに設けられているオリエンテーションフ
ラットと称する、IC製造プロセスにおいて必要な方向検
知用の切り欠き部による回転工具の不均等摩耗を防止す
る上で有効である。
また、従来頻繁に必要だった研磨布の洗浄再生等のメ
ンテナンスを、ポリッシングベルトが作動している最中
に平行して行い得るので、ポリッシング作業はポリッシ
ングベルトの寿命がつきるまで中断することなく継続し
得る。
従って、従来の如く1回の研磨作業に多数のウエハを
装着し、1回の研磨毎にウエハを脱着するいわゆるバッ
チ作業でなく、研磨作業を連続作業で容易に行えるの
で、ポリッシング作業を安定した研磨仕上りの品質で高
効率に実施することができる。
また、上述したようにポリッシングベルトは、機械力
学的な無理を冒すことなく、従来の回転円盤ポリッシャ
に比してはるかに大きい線速度でも使用が可能であるた
め、必要に応じて被研磨物の研磨効率を高めることがで
きるわけであるが、この際、さらに砥液の動粘度の調整
を行うことにより、より一層ウエハの研磨効率を高めた
り、研磨仕上がりの面粗度をより細密にしたりすること
も可能である。
以上に述べた本発明の各実施例では、ウエハの形状を
角形に図示したが、これは本発明の効果を最も高く利用
する態様として示したものであって、現在一般に広く使
われている丸形ウエハであっても何ら本発明の適用を脱
するものではない。被研磨物は、シリコンウエハに限ら
ず、ガリウムヒ素、LiNbO3、LiTaO3、サファイア等の半
導体材料、Al、ステンレス等の金属材料、ガラス、SiC
等の光学材料であってもよい。
また、各実施例では、回転工具11が下にあり、ウエハ
14が回転工具11の上方を通過する場合について説明した
が、このようなものに本発明は限定されるものではな
く、例えば、前記各実施例と上下が逆であっても、ある
いはウエハが下から上へ、もしくは上から下へ送られる
方式でも、又、回転工具の軸が水平ではなく鉛直であっ
て、ウエハが鉛直状に横方向に送られる方式であっても
よい。回転工具は、硬質プラスチック、ジュラコン、フ
ッ素樹脂、セルロイド等で製造される。回転工具11は、
径が一定の円柱状に限らず、例えば、中央部の外径が各
端部よりも大きくなった鼓状であってもよい。回転工具
がこのような形状の場合には、例えば表面が凹状に窪ん
だ光学材料のポリッシングに適している。
ウエハ等の被研磨物は、回転工具の軸心に対して直角
方向に、あるいは回転工具の軸心に対して斜め方向に往
復移動(被研磨物をその送りにより回転工具に対して完
全に通過させた後、被研磨物を逆方向の送りにより回転
工具に対して完全に通過させるという被研磨物の送りを
繰り返すもの)させてもよく、また、該被研磨物の移動
は、往復移動ではなく一方向への移動でもよい。さら
に、被研磨物に代えて、回転工具を移動させるようにし
てもよい。
次に上述したポリッシング装置により行った実験及び
その結果について説明する。
(実験例1) 第4図に示す装置により、ウエハをポリッシングし
た。該装置は、硬質のクロメックを施した砲金製の回転
工具(直径150mm、面長180mm)を空気軸受で支持してい
る。該回転工具は、外周直線度0.04μm、外周のフレ0.
2μmであった。これにフェルトタイプの厚み0.8mmのポ
リッシングパッド材(ロデール・ニッタ株式会社製、商
品名「SUBA−600」)を幅175mm、長さ50mの長尺切り放
し状にしたポリッシングベルトを、芯径150mm、フラン
ヂ径380mmの一対の巻取りリールにそれぞれの巻回する
とともに、回転工具に巻掛けた。このポリッシングベル
トを150m/分の速度で巻取りリールを交互方向に反復し
て走行させた。
この装置をシリコンウエハの粗ポリッシング(ストッ
クリムーバル)工程に適用した場合について説明する。
この場合、キャリヤーに6インチウエハを装着し、砥
液としてコロイダルシリカのゾル成分2%の水溶液にエ
タノールアミンを加えたものを、ポリッシングベルトの
幅方向全体にわたって均一に50cc/分の流量で供給しな
がら上記ウエハのポリッシング処理を行った。このポリ
ッシング処理では、キャリヤーを回転工具の軸心と直角
方向に移動させつつ、該回転工具の軸心と平行な方向に
ストローク20mm、40サイクル/分で往復運動させた。ま
た、この際ウエハの送りは以下のように行った。例え
ば、ポリッシングベルトの有効長さを25m、該ベルトの
送り速度を100m/分とすると、該ベルトの1走行(一方
向への有効長さ分の1回の走行)に要する時間は15秒と
なる。ここでは、この間にウエハを3mm回転工具の軸心
と直角な方向に送るようにした。ベルトの走行方向を反
転するのに要する時間を5秒とすると、ウエハが3mm送
られるのに20秒要する。3mmのストロークで6インチウ
エハを送り終わるのに51ストローク要するので、6イン
チウエハ1枚をストックリムーバルするのに17分を要し
た。
得られたウエハは面粗度Rmax≒20〜30Åで、ウエハの
取代は15μm、ポリッシュ後の平面度は、TTV(Total T
hickness Variation)0.8μmであって、従来の粗ポリ
ッシング工程と同等以上の仕上がりを約2倍の能率で行
い得た。
(実験例2) 実験例1と同じように硬質のクロムメッキを施した砲
金製の回転円筒(直径15mm、面長180mm)を空気軸受け
で支持し、外周直線度0.04μm、外周のフレ0.2μmを
得た。これに薄手のナイロン平織布の裏面に軟質プラス
チック(ポリウレタン)をコーティングしたものを、高
精度に調整して、厚み0.3mm、幅175mm、長さ130mmの長
尺切り放し状のポリッシングベルトを、芯径150mm、フ
ランジ径380mmの一対の巻取りリールに夫々の端部を巻
回するとともに、回転工具に巻掛けた。このポリッシン
グベルトを、100m/分の速度で巻取りリールの間を交互
方向に反復して走行させた。
この装置を、実験例1によるストックリムーバルポリ
ッシング工程を経たシリコンウエハの中間ポリッシング
工程に使用した。ここでは、ポリッシングベルトの1走
行(一方向への有効長さ分の1回の走行)毎にウエハを
40mmだけ間欠的に送ることにより、約3分でウエハの中
間ポリッシング工程を行った。得られたウエハは、取代
は、0.8μm得られた面粗度はRmax≒10〜20Åに達し
た。
(実験例3) 第3図に示す装置により、ウエハをポリッシングし
た。該装置の回転工具は、前記実験例1と同様に、硬質
のクロムメッキを施した砲金製(直径150mm、軸方向長
さ180mm)であって、空気軸で支持されている。該回転
工具の外周直線度は0.04μm、外周のフレ0.2μmであ
った。該回転工具と同一径のローラを反対側に芯間距離
約600mmで平行に設置し、2つの円筒間に後述のシーム
レス無端ポリッシングベルトを巻掛け、さらにテンショ
ンローラを用いてベルトを弛みなく緊張させた。
ポリッシングベルトは、2軸延伸処理をしたポリエス
テルフィルムであって厚み180μmのものを、幅175mm、
長さ1680mmのシームレス無端状に接合し、表面にポリウ
レタンを厚み60μmにコーティングし、さらに幅1mm、
深さ20μmの溝部を、ピッチ3mm、斜角30゜にエンボス
したものを使用した。
この装置をベルト速度150m/分で走行させ、コロイダ
ルシリカ水溶液をシリカゾル濃度1.5%に希釈して供給
しながら、実験例2で中間ポリッシング工程を経たシリ
コンウエハの仕上げポリッシング工程に使用した。
ウエハは、ストローク20mm、40サイクル/分で往復運
動させながら、一方から他方へ毎分50mmで送った。この
場合、ポリッシングベルトとウエハの隙間は平均1μm
±0.4μmに調整された。その結果、仕上げポリッシン
グ工程は約3分で行われ、得られた結果は取代平均0.2
μmであり、中間ポリッシング工程後に残っていたマイ
クロスラッチ、ヘイズ等は完全に除去され、鏡面平面と
なっていた。
(実験例4) 第1図に示す装置により、ポリッシングを行った。円
筒型回転工具は硬質クロムメッキした砲金で製作し、外
周に硬質塩ビ製の外筒を圧入して外径150mm、軸方向長
さ180mmとした。該回転工具の両軸を空気圧軸受けで支
えてモーターローター(図示せず)を装着して直接電動
駆動とし、インバータ電流を以て600r.p.m.の回転数を
与え、周速を約283m/分としたところ、外周面の回転精
度の振れが0.3μm以下であった。外周面には深さ0.3m
m、幅3mmの溝をねじれ角30゜、ピッチ6mmで該設した受
軸と一体的な構造基体にセラミック製ガイドウェーを設
け、この上を滑動するキャリヤーを同様のセラミックで
製作し、キャリヤー下面にシリコン製6インチウエハを
ワックスで貼り付けて、キャリヤーを毎分0.1mの速度で
一方から他方へ送り、その間に往復量25mmで毎分120回
のベースで左右動させた。
線状に対向するウエハと回転工具との間に、該回転工
具の全幅に平均に100cc/分の流量でコロイダルシリカの
水溶液をシリカゾル濃度1.5%に希釈し、温度25℃に調
整して供給した。
この装置をシリコンウエハの仕上げポリッシング工程
に使用した。ウエハと回転工具外周との隙間は平均0.4
μmに調整したが、仕上げポリッシング工程前の中ポリ
ッシング工程後、面粗度Rmax≒10Åのウエハはポリッシ
ング後にRmax<5Åとなり、このポリッシュに於ける取
代は平均0.25μmであり、マイクロスクラッチ、ヘイズ
等もなく、完全なジェットブラック鏡面を得た。
この成績は在来法の仕上げポリッシング工程に比して
約10倍の速度であった。
(実験例5) 実験例4と同様にして,回転工具とウエハとの間隙を
変化させてポリッシングしたところ、第7図に示すグラ
フの結果が得られた。回転工具とウエハとの間隙が0μ
mでは、100μm/時の加工速度で10Å程度の表面粗さと
なり、間隔が5μmでは、50μm/時の加工速度で、5〜
4Åの表面粗さとなり、さらに、10μmの間隔では、30
μm/時の加工速度で4Åの表面粗さとなった。さらに、
15〜30μmの間隔では、15〜5μm/時の加工速度で表面
粗さが究極ともいえる3Å以下となった。
(発明の効果) 以上のように本発明によれば、回転工具の外周面に巻
掛けられたポリッシングベルトと被研磨物との間に砥液
が供給されるので、回転工具の回転によるポリッシング
ベルトの移動により砥液が被研磨物の研磨面上を該研磨
面との相対運動量が均一となるよう流れることとなり、
これにより、ウエハ等の被研磨物の研磨面を高精度にポ
リッシングすることができる効果がある。
また、該ポリッシングベルトは、被研磨物を研磨する
位置と異なる位置で、洗浄液槽に浸漬されて洗浄される
ので、ポリッシングベルトが常に清浄に維持されること
となり、ポリッシングベルトに研削屑が堆積したり、砥
液に研削屑が混入したりすることはなく、ポリッシング
作業は、ポリッシングベルトの寿命がつきるまで、高い
精度を保持しつつ行うことができる効果もある。
さらに、空気中に露出した被研磨物とポリッシングベ
ルトとの間に形成される所定の微小な隙間に、ノズルか
ら砥液を吐出して供給するので、ポリッシングベルトと
被研磨物との隙間に流れ込む砥液の流れを、該ベルトの
全幅に渡って均一にすることが可能となり、これにより
被研磨物の精密な平面研磨を実現することができる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の基本原理を説明するための基本
的なポリッシング装置を示す平面図、第1図(b)はそ
のB−B線における断面図、第1図(c)は第1図
(a)のC−C線における断面図、第2図(a)は本発
明方法の実施に使用されるポリッシング装置を説明する
ための断面図、第2図(b)はその正面図、第3図〜第
6図はそれぞれ本発明方法の実施に使用される装置の他
の例の断面図、第7図は本発明方法の一実施例における
ポリッシングベルトとウエハとの間隙とポリッシング速
度およびウエハの面粗度との関係を示すグラフ、第8図
(a)は従来のポリッシング装置の側面図、第8図
(b)はそのB−B線における断面図である。 11……回転工具,12……ガイド,13……キャリヤー,14…
…ウエハ,15……ノズル部,18……ポリッシングベルト,2
1……洗浄液槽,22……スクラバロール,23……再生用ロ
ール。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】研磨すべき被研磨物に、隙間を隔てて周面
    が線状に対向して配設された円柱状の回転工具を回転さ
    せつつ、該回転工具の周面と被研磨物との隙間に砥液を
    供給し、両者に該回転工具の軸心に対して直角方向の速
    度成分を持つ直線的な相対移動を行わせるポリッシング
    方法であって、 前記回転工具の外周面には、ポリッシングベルトが全周
    にわたってまたは周方向の一部に巻掛けられ、 該ポリッシングベルトと被研磨物とはこれらの間に砥液
    が通過可能な程度の微小な隙間が形成されるよう非接触
    状態となっており、 該被研磨物は空気中に露出しており、該ポリッシングベ
    ルトと被研磨物とが対向する部分には、ノズルから該対
    向部分に向けて吐出された砥液が供給され、 該ポリッシングベルトは、該被研磨物を研磨する位置と
    異なる位置で、洗浄液槽に浸漬されて洗浄されるポリッ
    シング方法。
  2. 【請求項2】前記ポリッシングベルトが無端状になって
    いる請求項1記載のポリッシング方法。
  3. 【請求項3】前記ポリッシングベルトは有端状であり、
    回転工具の一部に巻掛けられて巻取り手段により巻取ら
    れる請求項1記載のポリッシング方法。
  4. 【請求項4】前記ポリッシングベルトは、その周回移動
    時に洗浄液に浸漬されて洗浄される請求項1記載のポリ
    ッシング方法。
  5. 【請求項5】研磨すべき被研磨物に、周面が線状に対向
    して回転可能に配設された円柱状の回転工具と、 該回転工具の周面と被研磨物との対向部間に砥液を供給
    する手段と、 該被研磨物を該回転工具に対して該対向部間において隙
    間を隔てて支持し、該回転工具と被研磨物とに、該回転
    工具の軸心に対して直角方向の速度成分を持つ直線的な
    相対移動を行わせる手段とを備え、 前記回転工具の外周面には、ポリッシングベルトが全周
    にわたってまたは周方向の一部に巻掛けられ、被研磨物
    を研磨する位置と異なる位置で、ポリッシングベルトが
    浸漬されて洗浄される洗浄液槽を備えており、 該ポリッシングベルトと被研磨物とはこれらの間に砥液
    が通過可能な程度の微小な隙間が形成されるよう非接触
    状態となっており、 該被研磨物は空気中に露出しており、 該砥液を供給する手段は、該砥液を、該ポリッシングベ
    ルトと該被研磨物とが対向する部分に向けて吐出するノ
    ズルを有しており、 該ポリッシングベルトと被研磨物との対向部分には、該
    ノズルから吐出された砥液が供給されるようになってい
    るポリッシング装置。
  6. 【請求項6】前記ポリッシングベルトが無端状になって
    いる請求項5記載のポリッシング装置。
  7. 【請求項7】前記ポリッシングベルトは有端状であり、
    回転工具の一部に巻掛けられて巻取り手段により巻取ら
    れる請求項5記載のポリッシング装置。
  8. 【請求項8】前記ポリッシングベルトの洗浄液が収容さ
    れた洗浄液槽が該ポリッシングベルトの周回移動域に配
    設されている請求項5記載のポリッシング装置。
JP1089174A 1989-04-06 1989-04-06 ポリッシング方法およびポリッシング装置 Expired - Fee Related JP2525892B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1089174A JP2525892B2 (ja) 1989-04-06 1989-04-06 ポリッシング方法およびポリッシング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1089174A JP2525892B2 (ja) 1989-04-06 1989-04-06 ポリッシング方法およびポリッシング装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26584794A Division JP2703507B2 (ja) 1994-10-28 1994-10-28 ポリッシング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02269552A JPH02269552A (ja) 1990-11-02
JP2525892B2 true JP2525892B2 (ja) 1996-08-21

Family

ID=13963417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1089174A Expired - Fee Related JP2525892B2 (ja) 1989-04-06 1989-04-06 ポリッシング方法およびポリッシング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2525892B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE186001T1 (de) 1994-08-09 1999-11-15 Ontrak Systems Inc Linear poliergerät und wafer planarisierungsverfahren
US5593344A (en) * 1994-10-11 1997-01-14 Ontrak Systems, Inc. Wafer polishing machine with fluid bearings and drive systems
JP3566417B2 (ja) * 1994-10-31 2004-09-15 株式会社荏原製作所 ポリッシング装置
US5827115A (en) * 1995-07-19 1998-10-27 Ebara Corporation Polishing apparatus
KR100189970B1 (ko) * 1995-08-07 1999-06-01 윤종용 웨이퍼 연마장치
US5961372A (en) 1995-12-05 1999-10-05 Applied Materials, Inc. Substrate belt polisher
US5967881A (en) * 1997-05-29 1999-10-19 Tucker; Thomas N. Chemical mechanical planarization tool having a linear polishing roller
US6736714B2 (en) * 1997-07-30 2004-05-18 Praxair S.T. Technology, Inc. Polishing silicon wafers
US6336845B1 (en) 1997-11-12 2002-01-08 Lam Research Corporation Method and apparatus for polishing semiconductor wafers
US6156659A (en) * 1998-11-19 2000-12-05 Chartered Semiconductor Manufacturing Ltd. Linear CMP tool design with closed loop slurry distribution
JP5183840B2 (ja) * 2001-07-30 2013-04-17 エルエスアイ コーポレーション 円筒形のローラを用いる化学的機械的研磨装置及び方法
US7025660B2 (en) 2003-08-15 2006-04-11 Lam Research Corporation Assembly and method for generating a hydrodynamic air bearing
US9108293B2 (en) * 2012-07-30 2015-08-18 Rohm And Haas Electronic Materials Cmp Holdings, Inc. Method for chemical mechanical polishing layer pretexturing

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63267155A (ja) * 1987-04-24 1988-11-04 Babcock Hitachi Kk 研磨装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02269552A (ja) 1990-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5860181A (en) Method of and apparatus for cleaning workpiece
JP2525892B2 (ja) ポリッシング方法およびポリッシング装置
KR100336933B1 (ko) 표면 연마기
US6475070B1 (en) Chemical mechanical polishing with a moving polishing sheet
US6135859A (en) Chemical mechanical polishing with a polishing sheet and a support sheet
US6336851B1 (en) Substrate belt polisher
JPH0811356B2 (ja) ポリッシング方法およびポリッシング装置
JP2008290233A (ja) 半導体製造における基板斜面及び縁部の研磨用の高性能及び低価格の研磨テープのための方法及び装置
JP5331844B2 (ja) 半導体ウェハの両面研磨のための方法
US6439978B1 (en) Substrate polishing system using roll-to-roll fixed abrasive
JP2000349056A (ja) 固定研磨部材のコンディショニング
JPH07230973A (ja) 半導体処理装置
US6343977B1 (en) Multi-zone conditioner for chemical mechanical polishing system
US6813796B2 (en) Apparatus and methods to clean copper contamination on wafer edge
JP4751115B2 (ja) 角形状基板の両面研削装置および両面研削方法
JP2703507B2 (ja) ポリッシング装置
JPH09254021A (ja) 高平坦研磨方法および高平坦研磨装置
JP2000108022A (ja) 表面処理方法および装置
US6155913A (en) Double polishing head
JPH1034528A (ja) 研磨装置と研磨方法
JPH09285957A (ja) 研磨材、それを用いた研磨方法および装置
JP4241164B2 (ja) 半導体ウェハ研磨機
JP2003318138A (ja) 半導体ウェーハの製造方法
EP0769350A1 (en) Method and apparatus for dressing polishing cloth
WO2000024548A1 (fr) Dispositif de polissage et procede de fabrication de semi-conducteurs au moyen dudit dispositif

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees