JP2525836Y2 - 回転翼用ブレードの先端部形状 - Google Patents

回転翼用ブレードの先端部形状

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JP2525836Y2 JP1989035675U JP3567589U JP2525836Y2 JP 2525836 Y2 JP2525836 Y2 JP 2525836Y2 JP 1989035675 U JP1989035675 U JP 1989035675U JP 3567589 U JP3567589 U JP 3567589U JP 2525836 Y2 JP2525836 Y2 JP 2525836Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、回転翼用ブレードに関する。特に、本考案
は、回転翼用ブレードの先端部形状に関する。さらに詳
細に述べると、本考案は、回転翼航空機の高速飛行時の
空力問題に対処できる回転翼用ブレードの先端部形状に
関する。
〔従来技術〕
ヘリコプタ等の回転翼航空機の高速飛行に伴う空力的
問題は、回転翼の前進側ブレード先端における衝撃波と
後退側ブレードにおける失速に基づく抵抗の増加に一因
がある。この問題に対処するため、米国特許第4,077,74
1号は、ブレード先端部の形状を工夫して、後退側ブレ
ードの先端部における失速を遅らせ、該先端部の高揚力
化をはかることを提案している。この米国特許では、ブ
レード先端部の高揚力化は、渦揚力の利用と剥離制御に
より達成される。渦揚力は、ブレード先端部における大
きな後退角と鋭い前縁から作られる前縁剥離渦により発
生する。また、剥離制御は、約10%翼弦長ほど先端から
内寄り部分で前縁に設けた前方突出部すなわちドッグツ
ースから発生する縦渦と前述の剥離渦との相乗効果によ
り達成される。
〔考案が解決しようとする課題〕
本考案は、上述の米国特許による構成とは異なる手段
で回転翼ブレード先端部の揚力をさらに高めることを一
目的とする。
本考案の他の目的は、上述の米国特許により構成にさ
らに別の構成を付加することにより、回転翼先端部の揚
力を一層高めることである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、本考案においては、回転翼
用ブレードの先端に60°以上の、好ましくは60°ないし
80°の後退角を形成し、その後退角部分の前縁に下向き
に傾斜する翼面部を有するボルテックスフラップを形成
する。さらに、本考案においては、上述の米国特許に開
示されているような、ブレード先端に60°以上の後退角
を有するとともに、先端後縁部が後方に張り出して拡幅
され、先端前縁部には前方に突出するドッグツースが形
成されたブレード先端部形状において、後退角部分の前
縁に上述したようなボルテックスフラップを形成する。
すなわち、本考案においては、ボルテックスフラップ
は、ブレードのピッチ軸に直角な前後方向の線に対し前
縁側から後縁側に向けて長手方向外向きに傾斜する線に
沿って、下向きに傾斜する翼面部を有する形に形成され
る。
〔作用〕
本考案においては、回転翼ブレード先端に上述のよう
に大きな後退角を設けるとともに、この後退角部分に、
下向きに傾斜する翼面部を有するボルテックスフラップ
を形成したので、このボルテックスフラップの渦発生効
果により前縁剥離渦が強化され、渦揚力が高められる。
また、渦に基づく空気力ベクトルが前方に向く成分を持
つため、推力成分が発生して抵抗が減少する。その結
果、高迎角における揚力特性と抗力特性の両方が改善さ
れる。
〔実施例〕
第1図は、本考案の一実施例を示す回転翼ブレードの
平面図である。図に示すように、回転翼ブレード1は、
回転翼ハブ2に対してピッチ軸P周りにピッチ運動が可
能なように取り付けられる。ブレード1は、ピッチ軸P
に対して平行な前縁3aおよび後縁3bを有するブレード主
体部3と該ブレード主体部3の先端に設けられる先端部
4とから構成される。
第2図に示すように、先端部4は、主体部3の前縁3a
から前方にほぼ直角に突出する突出肩部すなわちドッグ
ツース4aを有し、該ドッグツース4aの前縁から長手方向
に延びる前縁4bはわずかな後退角αを有する。この後退
角αは0ないし30°とする。先端部4の後縁4cは、後方
に傾斜し、したがって該先端部4は拡幅された形状を有
する。先端部4の長手方向外縁4dは、ブレード1のピッ
チ軸Pに対して大きな後退角βを有する。この後退角β
は、60°以上、好ましくは60°ないし80°とする。この
長手方向外縁4dにより構成される後退角部の前縁には、
下向きに傾斜する翼面部を有するボルテックスフラップ
5が形成されている。
第3図は、ブレード1の先端ブレード付近の長手方向
断面を示すもので、ブレード先端部4においては翼厚は
先端に向けて次第に減少し、ボルテックスフラップ5に
連続している。本実施例におけるボルテックスフラップ
5の形状は、平坦な三角形であり、下向き傾斜角θは、
10°ないし30°の内の任意の角度とする。このボルテッ
クスフラップ5は、第3図に示すように先端が尖った形
状であることが必要である。
第3図に示すように、ブレード1の先端部4は先端に
向かうにつれて厚みが減少している。第4図(a)、
(b)、(c)、(d)は、この形状を断面で示すもの
で、第3図(a)に示すブレード主体部3の翼型は、最
大翼厚と翼弦長との比が0.12であるのに対し、第3図
(b)、(c)、(d)に示すブレード先端部4の断面
では、この比がそれぞれ0.08、0.06、0.05となってい
る。
このブレード1の先端部4の形状によれば、先端に形
成されるボルテックスフラップ5により発生される渦の
効果および後縁4cを後方に延長することで得られる面積
増大効果のために、最大揚力が増加する。また、ドッグ
ツース4aを鋭く前方に突出するように形成することによ
り、強い縦渦が形成され、その影響により剥離の進行が
遅らされる。さらに、先端部の後退角βを大きくするこ
とと、先端に向かうにつれて翼厚を減少させることによ
り、前進側ブレードの衝撃波の発生を抑制することがで
きる。これらの総合的な効果により、後退側ブレードに
おいて失速を抑え、前進側ブレードにおいて衝撃波の発
生を抑えることが可能になり、回転翼航空機の高速飛行
時の空力的問題を解決した高性能の回転翼ブレードを得
ることが可能になる。
回転翼航空機における騒音源の1つとして、先行ブレ
ードの出す渦との干渉があるが、本考案におけるように
プレードの先端にボルテックスフラップを設けることに
より、渦放出位置を下方に下げることが可能になり、騒
音源となる干渉を弱めることができる。また、ブレード
先端に設けられるボルテックスフラップにより、ブレー
ド先端の揚力が抑制されるので、回転翼ハブに作用する
曲げモーメントを緩和することが可能になる。
第5図は本考案の他の実施例を示すもので、この実施
例においては、ブレード10の主体部13に連続する先端部
14の前方張り出し部14aは曲線状に形成されている。ま
た、先端部14の先端縁14dは大きな後退角を有し、該先
端縁14dには第6図に示すように円錐面状のボルテック
スフラップ15が形成されている。
本考案の効果は、ブレード先端部に前方の張り出しお
よび後方への拡幅を設けなくても達成することができ
る。第7図はその実施例を示すものであって、回転翼ブ
レード21の先端縁21aには前例におけると同様に大きな
後退角が形成され、その後退前縁に3角形の平坦なボル
テックスフラップ22が形成されている。このボルテック
スフラップ22は、第8図に示すように4辺形の平面形状
でもよく、また第9図(a)、(b)に示すようにボル
テックスフラップ22の先端に水平に延びるタブ23を設け
てもよい。さらに、この実施例においても、ボルテック
スフラップ22は、第5図および第6図の例におけるよう
な円錐形状にしてもよい。
実施例 本考案の効果を確認するために、本考案の実施例とし
て、第10図(a)、(b)に示す形状で、表に示す諸元
を有する試験片と、先端にボルテックスフラップが設け
られていない点を除いて該試験片と同一の寸法を有する
比較試験片を準備して、比較試験を行った。試験は、風
洞内において、種々のマッハ数のもとで行った。その結
果を第11図および第12図に示す。
第11図はマッハ数0.4における揚力特性を示し、第12
図は揚力係数0.2の状態でのマッハ数と抗力特性の関係
をを示す。図から明らかなように、本考案においては、
比較例に比し高い揚力係数が得られ、かつ高速のもとで
は抗力係数も減少する。
〔効果〕
以上述べたように、本考案は、回転翼航空機の先端に
大きな後退角を形成し、この先端部の後退前縁にボルテ
ックスフラップを設けるので、揚力係数が高められ、後
退側ブレードにおける失速が抑制される。また、ブレー
ド先端部の前縁にドッグツース等の前方突出部を形成
し、後縁を後方に張り出して拡幅することにより、揚力
の一層の増大をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す回転翼ブレードの平面
図、第2図は第1図に示すブレードの先端部の形状を示
す平面図、第3図は第2図のIII-III線断面図、第4図
(a)、(b)、(c)、(d)は第2図のIVa-IVa
線、IVb-IVb線、IVc-IVc線、IVd-IVd線断面図、第5図
は本考案の他の実施例を示す平面図、第6図は第5図の
実施例の長手方向断面図、第7図は本考案のさらに他の
実施例を示す平面図、第8図はボルテックスフラップの
他の形状を示す平面図、第9図(a)はボルテックスフ
ラップの先端にタブを有する例を示す平面図、第9図
(b)は第9図(a)の長手方向断面図、第10図(a)
は比較試験の試験片の平面図、第10図(b)は第10図
(a)のX−X線断面図、第11図および第12図は試験結
果を示す図表である。 1……ブレード、3……主体部、4……先端部、4d……
長手方向外縁、5……ボルテックスフラップ。

Claims (8)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転翼ブレードの長手方向先端部に60°以
    上の大きな後退角が形成され、前記先端部における翼厚
    は、最大翼厚と翼弦長の比が先端に向けて次第に小さく
    なるように変化しており、その後退角部分の前縁に、前
    記ブレードのピッチ軸に直角な前後方向の線に対し前縁
    側から後縁側に向けて長手方向外向きに傾斜する線に沿
    って、下向きに傾斜する翼面部を有するボルテックスフ
    ラップが形成されたことを特徴とする、回転翼用ブレー
    ドの先端部形状。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した回転翼用ブレードの先
    端部形状において、前期後退角は80°以下である、回転
    翼用ブレードの先端部形状。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載した回転翼用ブレ
    ードの先端部形状において、前記ボルテックスフラップ
    は、3角形、4辺形または円錐形である、回転翼用ブレ
    ードの先端部形状。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1つに記載し
    た回転翼用ブレードの先端部形状において、前記ボルテ
    ックスフラップの下向き角は10°ないし30°である、回
    転翼用ブレードの先端部形状。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか1つに記載し
    た回転翼用ブレードの先端部形状において、回転翼ブレ
    ードの長手方向先端部の後縁部が後方に拡幅された、回
    転翼用ブレードの先端部形状。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか1つに記載し
    た回転翼用ブレードの先端部形状において、回転翼ブレ
    ードの先端部前縁が前方に突出するドッグツースにより
    拡幅された、回転翼用ブレードの先端部形状。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれか1つに記載し
    た回転翼用ブレードの先端部形状において、前記ボルテ
    ックスフラップの先端が尖った形状である、回転翼用ブ
    レードの先端部形状。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれか1つに記載し
    た回転翼用ブレードの先端部形状において、前記ボルテ
    ックスフラップの先端に水平に延びるタブが形状され
    た、回転翼用ブレードの先端部形状。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4324530A (en) * 1980-01-21 1982-04-13 United Technologies Corp. Helicopter blade with a tip having a selected combination of sweep, taper and anhedral to improve hover efficiency
GB8815955D0 (en) * 1988-07-05 1988-11-16 Westland Helicopters Helicopter rotor blades

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