JP2523918C - - Google Patents

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JP2523918C
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Kobe Steel Ltd
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高炉への粉体燃料吹込み方法に関し、詳細には一般に燃焼性が悪い
とされている粉体燃料(微粉炭等)を、高炉下部から燃焼性の良い状態で、且つ
羽口内の圧力損失および熱損失を最小限にしながら最適に吹込みを行う方法に関
するものである。 〔従来の技術〕 石油価格の大幅な高騰を契機に、高炉においては補助燃料として吹込んでいた
重油を全面的に中止するオールコークス操業に移行した。その後、高炉操業の安
定化とコークスの代替として経済効果が高い微粉炭吹込みが注目され、現在では
日本国内高炉の過半数で採用されるまでに至った。 しかしながら、微粉炭等の粉体燃料(以下粉体燃料と総称する)は重油に比べ
て燃焼性が悪く、灰分を含有するという欠点を有しているので、吹込みに当たっ
てはさまざまな対策を講じる必要がある。 こうした状況のもとで、本出願人もかねてより粉体燃料の効果的な吹込み法を
確立すべく鋭意研究開発を進めており、例えば特公昭60-53081号、特公昭63-328
42号、特公平 1-29846号公報に開示する技術を提案した。 特公昭60-53081号では、粉体燃料の燃焼率向上とブローパイプ内への灰分付着 防止という二つの要望をどちらも満足させる手段として粉体燃料の吹込み位置を
ブローパイプ内の上流側へ移行したものである。 また、特公昭63-32842号および特公平 1-29846号では、1050℃を下まわる様な
低温の熱風を使用した場合でも粉体燃料の燃焼率を充分に高めるために、コーク
ス炉ガスや天然ガスなどの易燃焼ガスを熱量換算で 2%以上混焼するか、熱風中
の酸素濃度を23容量%以上に酸素富化燃焼することを提案した。 〔発明が解決しようとする課題〕 これまでに提案した高炉への粉体燃料吹込み方法をそれぞれの高炉の状況に応
じて適切に応用し、同時にコークス等装入物の分布制御などの改善を行った結果
、微粉炭吹込み量は銑鉄 1トン当たり 100〜 110kgまで高めることができた。し
かし、石炭はコークスに比べて価格が約半分であり、高炉微粉炭吹込み用は粘結
炭(原料炭)に限定されず一般炭まで使用可能であるから、経済性および石炭ソ
ースの多様化の両面から、より多くの微粉炭を吹込むことが可能になればメリッ
トは一層大きくなる。 そこで、本出願人は試みに従来一般に使用されている1本の粉体燃料吹込み用
バーナを有する羽口により、微粉炭吹込み量を銑鉄 1トン当たり現状の最大量よ
りも大幅に増量した 185kgまで吹込んだ結果、次のような問題点が明らかとなっ
た。 熱風量、温度を一定に保ちながら微粉炭吹込み量を増加すると、羽口内での
微粉炭燃焼率は少し低下するが、燃焼量すなわち発熱量が増加してガス温度が高
くなり、ガス容積が増加して羽口内圧力損失が上昇する。この結果、ブロワー圧
力の上限界以上となり、高炉へ所要の熱風量を供給できなくなる。 微粉炭吹込み量を増加すると、燃焼量の変動により熱風圧力の変動も大きく
なり装入物のスリップ回数が増すなど炉況が悪化する。 微粉炭吹込み量を増加すると、羽口内でのガス温度が高くなり、羽口冷却水
の抜熱量が増えて、省エネルギの面で好ましくない。 微粉炭吹込み量を増加すると、粒子濃度が高まり羽口内面の摩耗損失量が多
くなる。 微粉炭吹込み量を増加すると、気流輸送空気または窒素量が増し、バーナ先 端からの微粉炭噴射速度が上昇し、羽口摩耗損失量が多くなり粉体輸送ラインの
配管圧損も大きくなる。 本発明はこのような事情に着目してなされたものであって、その目的は、高炉
への粉体燃料吹込み量をより高めても、上記の諸問題を起こすことなく粉体燃料
が吹込める高炉への粉体燃料吹込み方法を提供しようとするものである。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するために、本発明に係わる高炉への粉体燃料吹込み方法は
、粉体燃料吹込み用バーナを、高炉羽口または高炉羽口に連接された熱風吹込み
用ブローパイプの壁に貫通して設け、この粉体燃料吹込み用バーナを介して 148
kg/T−P以上の大量の粉体燃料を熱風と共に吹込む高炉への粉体燃料吹込み方
法であって、各吹込み羽口またはブローパイプに対して前記粉体燃料吹込み用バ
ーナを複数設置し、それらバーナより粉体燃料を同時に吹込むと共に、その吹込
み位置をブローパイプと羽口との境界面から 256mm以上下流の羽口内とすること
を要旨とするものである。 〔作 用および実 施 例〕 以下実験経過および解析結果に沿って本発明の構成および作用効果を詳細に説
明する。第4図は燃焼実験で使用した装置の概略図であり、実際の高炉羽口部に
模した構造に設計されている。粉体燃料(微粉炭)Aは地上ホッパ 1からスクリ
ューコンベア 2によってコールビン 3へ搬送される。コールビン 3の下部には粉
体燃料定量供給機 4が設けられており、この部分で一定量ずつ切り出された粉体
燃料 Aは、輸送空気 5と共に輸送管 6によってバーナ 7へ送られる。一方高温熱
風炉 8で得られた熱風は、送風管 9からブローパイプ10および水冷羽口11を経て
燃焼試験炉12へ送られる。図中13は煙突である。 高炉の燃料吹込み部は一般の燃焼装置とは全く異なり、ブローパイプ10および
水冷羽口11で構成されているので、この実験装置は実際の高炉吹込み部に近似さ
せている。また燃焼試験炉12には粉体燃料の燃焼状態および着火状態を観察する
為の覗き窓を多数設けると共に、炉内温度、炉内ガス組成、炉内ダスト、火炎輻
射量等を測定するための検査孔が設けられ、且つブローパイプ10の上流側曲がり
部には、該ブローパイプ10の壁面への灰の付着状況を観察するための覗き窓14が 設けられている。 この装置を用いた後記一連の実験における条件は下記の通りである。 粉体燃料 :石炭(揮発分34重量%,灰分10.5重量%) 粉体燃料吹込み量 :74〜 185kg/銑鉄 1トン相当(T−P) 熱風温度 :1200℃ 粉体燃料吹込み位置:羽口11とブローパイプ10の境界位置から上流 200mm(Q 点)〜下流 496mm(羽口内) 先ず、本出願人は、前記した諸問題を知見した後これら諸問題の発生原因をよ
り明確にするために実験を行った。その結果を以下に説明する。 第5図は、微粉炭吹込み位置Q点(上流 200mm)で微粉炭吹込み量を変化させ
た時のブローパイプ内圧力の変化を示すグラフである。微粉炭吹込み量を増加す
ると、羽口11内での燃焼量が増加してガス温度が高くなり、ガス容積が増加して
羽口内流速が高まり圧力損失が上昇する。即ち、ブローパイプ10内圧力は微粉炭
吹込み量が国内の平均吹込み量に近い74kg/T−Pの場合には、その燃焼により
吹込みの無い場合に比べて 300〜 450mmH2O 上昇する。さらに 185kg/T−Pま
で微粉炭吹込み量を増量すると、ブローパイプ10内圧力は 550〜 670mmH2O 上昇
し、74kg/T−Pの時の上昇圧力の約2倍ほど上昇する。本燃焼実験は低圧であ
るが、実際の高炉の送風圧力はゲージ圧の 4〜 5kg/cm2であり、したがって微
粉炭を 185kg/T−Pまで多量に吹込むと、実際の高炉では燃焼により送風圧力
が2700〜4000mmH2O(0.27〜0.40kg/cm2)上昇し、既設の送風機の供給最高圧力
を越え、結果的に高炉への送風量が減少し、高炉操業へ支障をきたすことになる
。また、圧力上昇分だけブロワー消費動力が増加して省エネルギの面から好まし
くない。 さらに、羽口11内での発熱変動が微粉炭吹込み量が増加するほど大きくなり、
その結果として送風圧力の変動も大きくなった。例えば、燃焼試験炉における周
波数 0〜 601Hzの脈動エネルギ積分値は、微粉炭吹込み量74kg/T−Pから 185
kg/T−Pにすると、約 2.9倍に大幅に増加し、装入物のスリップの発生など炉
況にも大きな悪影響を及ぼすことになる。 また、第6図は、微粉炭吹込み量と羽口冷却水温度の変化の関係を示すグラフ である。吹込み量が増加するほど冷却水の抜熱量が増加して好ましくない。した
がって、省エネルギ対策の面から羽口11内の燃焼を極力抑制して火炎温度を低下
させるか、重油吹込み時に使用していた羽口断熱リングを使用する必要がある。
但し、羽口断熱リングを装着すると、石炭中に灰分が含有されているため微粉炭
吹込み位置が上流の場合には、灰付着の問題を生ずるので注意を必要とする。 しかるに、上述した諸問題を解決するためには羽口内での燃焼を抑制する必要
があり、一方においては燃焼性を高めるために羽口より下流の炉内の燃焼空間で
あるレースウェイ内で爆発的な燃焼を行わせる相反する対策が必要となる。 第1図は、本発明方法に適用される羽口構造の一例を示す概要図である。7aお
よび7bは粉体燃料吹込み用バーナであって、このバーナ7a,7bは、ブローパイプ
10を貫通し対称に配置してある。またそのバーナ先端は、ブローパイプ10と水冷
羽口11の境界面より下流側の羽口11内へ配置してある。この場合、微粉炭供給量
は粉体燃料吹込み用バーナ7a,7bに均等配分され、羽口内で二つの微粉炭噴流と
して熱風中へ均一分散させることができる。 以下は、上記第1図に示す羽口構造を第4図示の実験装置に適用した場合と前
記従来技術とにより得られた結果を比較して説明する。 第2図は、微粉炭吹込み位置とブローパイプ上昇圧力との関係を示す。従来技
術では、1本の粉体燃料吹込み用バーナで微粉炭をブローパイプ10と水冷羽口11
との境界面またはその境界面より上流側のブローパイプ内から吹込んでいたが、
本発明では、ブローパイプと羽口との境界面から 256mm以上下流の羽口内へ吹込
むようにした。その結果、ブローパイプ上昇圧力は、微粉炭吹込み量が 148kg/
T−Pであっても 180〜 240mmH2O であり、従来技術より大幅に減少し、従来技
術の74kg/T−Pと同等程度となる。すなわち、国内の殆どの高炉では、従来技
術である微粉炭を1本の粉体燃料吹込み用バーナで74kg/T−P程度吹込んでい
るが、本発明の2本の粉体燃料吹込み用バーナを使用し、ブローパイプと羽口と
の境界面から 256mm以上下流の羽口内へ微粉炭を吹込む場合には、その2倍の微
粉炭多量吹込みを行っても送風圧力の問題は発生しないことになる。同時に熱風
の変動圧力を大幅に抑制できた。 第3図は、微粉炭吹込み量が 148kg/T−Pでの羽口先端から1.8mの位置にお ける燃焼率と微粉炭吹込み位置との関係を示す。本発明によると、羽口内では微
粉炭は熱風中へ均一に分散され微粉炭粒子の予熱、揮発化および着火が主として
行われ、燃焼反応はできるだけ抑制される。一方、羽口11から出てレースウェイ
内へ入ったら広い範囲に分散した微粉炭が爆発的に急激な燃焼を起こす。このた
め燃焼率は急上昇し、微粉炭吹込み位置を水冷羽口内にしても燃焼率は従来技術
の燃焼率と同等程度に保つことができる。参考までに、1本の粉体燃料吹込み用
バーナを使用して羽口内へ微粉炭を 148kg/T−P吹込んだ場合の燃焼率と比較
すると12〜16%高くなる。この理由は、1本バーナではレースウェイ内燃焼でも
燃焼が拡散律速されているために低くなり、本発明の燃焼は均一に微粉炭が分散
し、拡散の制約が無いので燃焼率が高くなるためである。 したがって、本発明によると、ブローパイプ内の圧力が低下すると共に燃焼率
は大幅に改良されるために、従来技術による吹込み量の2倍以上の多量吹込みが
可能となる。 さらに、羽口内では燃焼反応はできるだけ抑制され主として微粉炭の予熱、揮
発化および着火が起こるだけなので、羽口内での火炎温度は灰融点である1400〜
1600℃より低くなり、従来の重油吹込みで使用していた水冷羽口内面への断熱リ
ングの装着が可能となった。このことは、羽口内の火炎温度の低下と断熱リング
による断熱との相乗効果により、大幅に省エネルギとなり、実高炉の実績による
と送風温度換算でΔT=21℃の断熱効果がえられ、羽口の内面摩耗も皆無となっ
た。 〔発明の効果〕 本発明は以上のように構成されており、その効果を要約すれば、次の通りであ
る。 送風圧力および燃焼率が同等のままで、微粉炭の吹込み量を倍増できる。 羽口内での燃焼変動を低減できるので、送風圧力の変動も小さくなり炉況が
安定する。 羽口内の火炎温度が低下すると共に断熱リングの採用が可能となり大幅な省
エネルギとなる。また断熱リングの装着により羽口の摩耗問題は解決できる。 吹込み量が少ない場合には1本でも吹込むことが可能であり、微粉炭吹込み 量の調節範囲を広く採れる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明方法に適用される羽口構造の一例を示す概要図、第2図は、
微粉炭吹込み位置とブローパイプ上昇圧力との関係を示すグラフ、第3図は、微
粉炭吹込み量が 148kg/T−Pでの羽口先端から1.8mの位置における燃焼率と微
粉炭吹込み位置との関係を示すグラフ、第4図は燃焼実験で使用した装置の概略
図、第5図は、微粉炭吹込み位置Q点(上流 200mm)で微粉炭吹込み量を変化さ
せた時のブローパイプ内圧力の変化を示すグラフ、第6図は、微粉炭吹込み量と
羽口冷却水温度の変化の関係を示すグラフである。 1 地上ホッパ 2 スクリューコンベア 3 コールビン 4 粉体燃料定量供給機 5 輸送空気 6 輸送管 7,7a,7b 粉体燃料吹込み用バーナ 8 高温熱風炉 9 送風管 10 ブローパイプ 11 水冷羽口 12 燃焼試験炉 13 煙突 14 覗き窓 A 粉体燃料(微粉炭)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 粉体燃料吹込み用バーナを、高炉羽口または高炉羽口に連接された熱風吹込み
    用ブローパイプの壁に貫通して設け、この粉体燃料吹込み用バーナを介して 148
    kg/T−P以上の大量の粉体燃料を熱風と共に吹込む高炉への粉体燃料吹込み方
    法であって、各吹込み羽口またはブローパイプに対して前記粉体燃料吹込み用バ
    ーナを複数設置し、それらバーナより粉体燃料を同時に吹込むと共に、その吹込
    み位置をブローパイプと羽口との境界面から 256mm以上下流の羽口内とすること
    を特徴とする高炉への粉体燃料吹込み方法。

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