JP2522998Y2 - 噴水ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、噴水装置に組込まれる噴水ノズルに関す
る。

［従来の技術］ 噴水装置は水の流れを目で見て楽しみ、水音により安
らぎを得ることができるので、快適な生活を目指す住宅
などのエクステリアとして良く適合するものである。そ
のため、最近ではガーデン等に噴水装置を設けた豪華な
住宅を見かけることが多くなってきた。

このような噴水装置に組込まれる噴水ノズルは、送水
ポンプの圧力変化に伴う脈動（脈流）を阻止できるもの
であることが望ましい。そのため、従来から第３図〜第
５図に示すような噴水ノズルが開発されている。

即ち、第３図の噴水ノズルは、筒状のノズル本体101
の下部に拡張室102を形成し、該拡張室102の内部に凹球
面板103を設けたものであって、下端の入水孔104から送
り込まれた水が凹球面板103に衝突して該凹球面板103の
周囲の隙間を流れ、脈動が抑制されてノズル上方へ流れ
るようになっている。

また、第４図の噴水ノズルは、下端が閉じたノズル本
体101に上端が閉じた小径の入水筒105を挿入し、該入水
筒105の筒壁に通水孔106を穿孔したものであって、入水
筒105から流入した水が通水孔106を通り、脈動が抑制さ
れてノズル上方へ流れるようになっている。

また、第５図の噴水ノズルは、ノズル本体101の下端
に小径の入水筒107を一体に形成し、該入水筒107に絞り
弁108を設けたものであって、入水筒107から流入した水
が絞り弁108で絞られ、脈動が抑制されてノズル上方へ
流れるようになっている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、第３図の噴水ノズルでは、流入した水
を凹球面板103に衝突させて水流の方向を外向きに変
え、凹球面板103の周囲の隙間で水流を絞ることによっ
て脈動を抑制するだけであるから、充分な脈動抑制効果
を発揮できないという問題があった。

同様に、第４図の噴水ノズルも、入水筒105から流入
した水が通水孔106を通過するときに、該通水孔106によ
って水流を絞りながら水流の方向を外向きに変更して脈
動を抑制するだけであるから、充分な脈動抑制効果を発
揮できないという問題があった。

また、第５図の噴水ノズルでは、入水筒107から流入
した水の方向を変えずに単に絞り弁108で水流を絞るだ
けであるから、脈動抑制効果が第３図や第４図の噴水ノ
ズルよりも劣るという問題があった。

本考案は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、優れた脈動防止効果を発揮できる噴
水ノズルを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案に係る噴水ノズル
は、筒状のノズル本体の下部に上端が閉塞された入水筒
を挿着し、該ノズル本体と該入水筒の間に下端が閉塞さ
れた環状室を形成すると共に、該環状室への通水孔を該
入水筒の筒壁に形成し、該通水孔の軸線に対して平面視
の状態で斜めに交差する羽根板を該環状室内に設けたこ
とを特徴とするものである。

［作用］ 本考案に係る噴水ノズルによれば、入水筒から流入し
た水が通水孔で絞られて入水筒外側の環状室へ流出し、
流出した水が羽根板に当って周方向に向きを変え、環状
室内で渦流となるため、脈動が充分抑制されてノズル上
方へ流れる。

［実施例］ 以下、図面を参照しながら本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案に係る噴水ノズルの縦断断面図、第２
図は第１図のII−II線横断面図である。この噴水ノズル
は、円筒状のノズル本体１より小径の入水筒８をノズル
本体１下端から挿入したもので、この入水筒８の上端は
上蓋９で閉塞されている。そして、この入水筒８の外周
にはノズル本体１の内径と同一の外径を有する漏斗状の
短筒体10が水密的に嵌合され、この短筒体10によって下
端の閉塞された環状室11が入水筒８とノズル本体１の間
に形成されている。この環状室11は、入水筒８の筒壁上
部に90度の角度間隔をあけて穿孔された四つの通水孔12
を介して入水筒８と連通しており、また上蓋９の周縁部
に90度の角度間隔をあけて形成された連通孔13を介して
ノズル本体１内部と連通している。この環状室11の内部
には、渦流を生じさせるための四枚の羽根14がそれぞれ
の通水孔12の軸線に対して平面視の状態で斜めに交差す
るように配設され、各羽根14の一端が入水筒８の外面に
固定されている。通水孔12や羽根板14の個数は特に制限
されないが、あまり少ないと渦流が生じにくくなり、逆
に多すぎても渦流が生じにくくなるので、３〜４個程度
とするのが望ましい。なお、15はノズル本体１の下端に
水密的に取付けられた水漏れ防止用の底蓋15である。

このような構成の噴水ノズルは、下端の入水筒３を送
水ポンプや送水パイプに直接又は継手を介して接続する
ことにより、噴水装置に組込まれる。そして、送水ポン
プを作動させると、入水筒８から流入した水が通水孔12
を通り、流量が絞られて環状室11へ流出する。この流出
した水は羽根板14に衝突し、その流れの向きを周方向に
変えて渦流となり、上蓋９の連通孔13を通ってノズル上
方へ流れる。上記のように、この噴水ノズルは環状室11
内で渦流が発生するので、満足な脈動防止効果が得られ
る。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案に係る噴水ノ
ズルは、流量が絞られ、渦流が発生するため、充分な脈
動防止効果を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る噴水ノズルの一実施例を示す縦断
面図、第２図は第１図のII−II線横断面図、第３図、第
４図、第５図はいずれも従来の噴水ノズルの縦断面図で
ある。 １……ノズル本体、８……入水筒、11……環状室、12…
…通水孔、14……羽根板。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状のノズル本体の下部に上端が閉塞され
   た入水筒を挿着し、該ノズル本体と該入水筒の間に下端
   が閉塞された環状室を形成すると共に、該環状室への通
   水孔を該入水筒の筒壁に形成し、該通水孔の軸線に対し
   て平面視の状態で斜めに交差する羽根板を該環状室内に
   設けて成る噴水ノズル。