JP2522532B2 - ファジィ制御装置 - Google Patents

ファジィ制御装置

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JP2522532B2
JP2522532B2 JP63301727A JP30172788A JP2522532B2 JP 2522532 B2 JP2522532 B2 JP 2522532B2 JP 63301727 A JP63301727 A JP 63301727A JP 30172788 A JP30172788 A JP 30172788A JP 2522532 B2 JP2522532 B2 JP 2522532B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、ボイラの温度制御や焼却プラントの燃焼制
御等のプロセス制御分野や、エレベータの群管理制御,
列車の自動運転制御等の交通制御分野等に利用されるフ
ァジィ制御装置に関する。
(従来の技術) 近年、人間のもつ制御知識を条件部(if部)と結論部
(then部)とからなるファジィルールにより表現し、制
御対象システムの状態に関する情報を取込み上記ファジ
ィルールを使ってファジィ推論を行なうことにより操作
量を決定し、制御対象システムへ出力するようにしたフ
ァジィ制御装置は、あいまいさを含むシステムを制御す
るのに適しているため、各種の制御分野で使用されつつ
ある。
第9図はファジィ制御装置を熱交換器の出口温度制御
に適用した例を示す系統図であって、図中1は熱交換
器、2は原料として例えば水が通流する水ライン、3は
蒸気が通流する蒸気ラインである。水ライン2の熱交入
口側には水の入口温度TWIを検出する温度検出器4およ
び水の流量FWを検出する流量検出器5が設けられてお
り、熱交出口側には水の出口温度TWOを検出する温度検
出器6が設けられている。蒸気ライン3の熱交入口側に
は蒸気の入口温度TSIを検出する温度検出器7、蒸気の
流量FSを検出する流量検出器8、蒸気の流量FSを調節す
る流量調節弁9が設けられており、熱交出口側には蒸気
の出口温度TSOを検出する温度検出器10が設けられてい
る。
しかして、ファジィ制御装置11は、各検出器4,5,6,7,
8,10の検出出力を制御対象システムの状態に関する情報
として取込み、ルールデータベースに構築されたファジ
ィルールを使ってファジィ推論を行なうことにより流量
調節弁9の操作量MVを決定し、操作信号を流量調節弁9
へ出力して蒸気流量を制御することにより出口温度TWO
の一定制御を行なっている。
ここで、一例としてファジィ制御装置11のルールデー
タベースに構築されるファジィルールを第1表の〜
に設定する。
ただし、第1表においてUは熱交換器1の熱交換効率
であって、水のエンタルピー差と蒸気のエンタルピー差
との比で求められるので次の式が成立する。
また、第1表においてPB(positive big),PS(posit
ive small)はそれぞれメンバシップ関数を示してお
り、メンバシップ関数PBは第10図の如く設定され、メン
バシップ関数PSは第11図の如く設定されているものとす
る。
このような条件下で、例えば水の入力温度TWIが出力8
0%に相当し、蒸気の入力温度TSIが出力20%に相当し、
水の流量FWと熱交換効率Uがともに出力60%に相当した
場合、各ルール〜を実行することによりそれぞれの
メンバシップ関数′〜′が得られ、第12図に示すよ
うに合成される。したがって、各メンバシップ関数′
〜′の重心から操作量MVが決定されるので、第12図か
ら明らかなように操作量MV=50%が求められ、この操作
量MVに対応する操作信号が流量調節弁9に出力される。
ところで、上記例において例えば水の流量FWのみが変
動して出力50%以下になると、ルールに対応するメン
バシップ関数′が0となる。この場合、合成された各
メンバシップ関数′〜′の重心によって決定される
操作量MVは40%前後となり、この後、いくら流量FWが減
少しても他の検出値の変動が少なければ操作量MVはほと
んど変化しない。また、水の流量FWが出力75%以上にな
ると、ルールに対応するメンバシップ関数′はルー
ルに対応するメンバシップ関数′と等しくなる。こ
の場合、操作量MVは70%前後となり、この後、いくら流
量FWが増加しても他の検出値の変動が少なければ操作量
MVはほとんど変化しない。すなわち、水の流量FWのみが
いくら変動しても流量調節弁9の操作量MVの変動はせい
ぜい40%〜70%程度の小さなものとなる。同様に、例え
ば熱交換効率Uの出力が50%以下になると、ルールに
対応するメンバシップ関数′が0となる。この場合、
合成された各メンバシップ関数′〜′の重心によっ
て決定される操作量MVは60%前後となり、この後、いく
ら熱交換効率Uが低下しても他の検出値の変動が少なけ
れば操作量MVはほとんど変化しない。また、熱交換効率
Uが出力75%以上になると、ルールに対応するメンバ
シップ関数′はルールに対応するメンバシップ関数
′と等しくなる。この場合、操作量MVは30%前後とな
り、この後、いくら熱交換効率が上昇しても他の検出値
の変動が少なければ操作量MVはほとんど変化しない。す
なわち、熱交換効率Uのみがいくら変動しても操作量MV
の変動はせいぜい30%〜60%程度の小さなものとなる。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように、従来のファジィ制御装置において
は、メンバシップ関数の値が0〜1に正規化されてお
り、全てのメンバシップ関数が正方向の値をとるので、
入力値の変動に対する操作量の変動は小さなものとな
る。このため、特定の入力値について操作量の変動量を
大きくして感度を上げたい要望があるが、従来のファジ
ィ制御装置では困難であった。
そこで本発明は、ファジィルールに否定形のルールを
組込むことによりメンバシップ関数の値を負方向に拡張
し得、特定の入力値について操作量の変動量を大きくで
き、特定の入力値に対する感度を上げることが可能なフ
ァジィ制御装置を提供しようとするものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、条件部と結論部とからなる複数のファジィ
ルールを記憶するルールデータベースと、制御対象シス
テムの状態に関する情報を入力する入力部と、この入力
部に入力された制御対象システムの状態に関する情報に
よりルールデータベースに記憶されている各ファジィル
ールを実行して得られた各メンバシップ関数を合成して
操作量を決定するファジィ推論部と、このファジィ推論
部にて決定された操作量を制御対象システムへ出力する
出力部とからなるファジィ制御装置に適用される。
そして、本発明においては、ルールデータベースに記
憶された複数のファジィルールを、条件部と結論部が共
に肯定形で示される通常の肯定形ファジィルールと結論
部のみが否定形で示される否定形ファジィルールとで構
成している。
さらに、ファジィ推論部に対して、肯定形ファジィル
ールを実行して通常の正極性のメンバシップ関数を算出
する肯定形メンバシップ関数算出手段と、否定形ファジ
ィルールの結論部を肯定形に変換して肯定形ファジィル
ールとしてこの肯定形ファジィルールを実行してメンバ
シップ関数を算出し、この算出されたメンバシップ関数
の極性を反転して負極性のメンバシップ関数を得る否定
形メンバシップ関数算出手段と、各メンバシップ関数算
出手段で算出された正極性のメンバシップ関数と負極性
のメンバシップ関数とを合成するメンバシップ関数合成
手段とを付加している。
(作用) このように構成されたファジィ制御装置においては、
ルールデータベースに記憶されるファジィルールには、
条件部と結論部が共に肯定形で示される通常の肯定形フ
ァジィルールと結論部のみが否定形で示される否定形フ
ァジィルールとが記憶されている。
そして、制御対象システムの状態に関する情報が入力
されるとルールデータベースに記憶されている各ファジ
ィルールが実行されてそれぞれのメンバシップ関数が得
られ、各メンバシップ関数が合成されて、例えば合成さ
れたメンバシップ関数の重心位置に基づいて制御対象シ
ステムへ印加する操作量が算出される。
この場合、前述した一般の肯定形ファジィルールに対
しては通常の正極性のメンバシップ関数が算出される。
一方、否定形ファジィルールに対しては、否定形の結論
部が一旦肯定形に変換された後、通常の肯定形ファジィ
ルールと同様の手法で正極性のメンバシップ関数が算出
される。そして、算出された正極性のメンバシップ関数
の極性が変換されて負極性のメンバシップ関数が得られ
る。
その後、先の肯定形ファジィルールから得られる正極
性のメンバシップ関数と今回の否定形ファジィルールか
ら得られる負極性のメンバシップ関数とが合成される。
合成されたメンバシップ関数の重心位置に基づいて制御
対象システムへ印加する操作量が算出される。すなわ
ち、従来の正極性のメンバシップ関数のみを合成してい
た場合に比較して、重心の位置範囲が広くなる。
このように、ルールデータベースに記憶された否定形
のファジィルールに対しても負極性のメンバシップ関数
としてメンバシップ関数合成に組込むことができるの
で、入力値に対して最終的に出力される操作量の取り得
る値の範囲を大幅に広げることができ、ファジィ制御装
置としての感度を向上できる。
(実施例) 以下、本発明のファジィ制御装置を第9図に示す熱交
換器の出口温度制御に適用した一実施例について説明す
る。
第1図は本実施例のファジィ制御装置の構成を示すブ
ロック図である。同図において20はファジィルールやメ
ンバシップ関数を記憶するデータベースの記憶部であっ
て、条件部(if部)と結論部(then部)とからなる複数
のファジィルールを記憶するルールデータベース21と、
任意に設定された所定のメンバシップ関数を記憶する関
数データベース22とが形成されている。情報入力部23
は、制御対象システムに関する情報として温度検出器4
からの水の入口温度TWI,流量検出器5からの水の流量
FW,温度検出器6からの水の出口温度TWO,温度検出器7
からの蒸気の入口温度TSI,流量検出器8からの蒸気の流
量FS,温度検出器10からの蒸気の出口温度TSOをそれぞれ
一定周期で取込むものである。IF部呼出し部24は、上記
情報入力部23の情報取込みに応動してルールデータベー
ス21に構築されている各ファジィルールの条件部を呼出
すものである。IF部メンバシップ関数呼出し部25は、上
記IF部呼出し部24により呼出された各条件部にそれぞれ
対応するメンバシップ関数を関数データベース22から呼
出すものである。ピーク値決定部26は、上記IF部メンバ
シップ関数呼出し部25により呼出された各メンバシップ
関数と前記PV入力部23で取込んだ各検出器4,5,6,7,8,10
の検出出力とを照らし合わせて結論部で使用されるメン
バシップ関数のピーク値を求めるものである。IF部否定
形処理部27は、前記IF部呼出し部24にて呼出された条件
部が肯定形の場合は何もせずに処理完了となるが、否定
形の場合は上記ピーク値決定部26にてピーク値が変更さ
れた該当メンバシップ関数の正負を逆に切換えて処理完
了となる。
THEN部呼出し部28は、上記IF部否定形処理部27の処理
完了に応動して前記各ファジィルールの結論部を呼出す
ものである。THEN部メンバシップ関数呼出し部29は、上
記THEN部呼出し部28により呼出された各結論部にそれぞ
れ対応するメンバシップ関数を関数データベース22から
呼出すものである。メンバシップ関数変更部30は、上記
THEN部メンバシップ関数呼出し部29により呼出された各
メンバシップ関数を前記ピーク値決定部26およびIF部否
定形処理部27にて処理された同一ルールのメンバシップ
関数のピーク値に基いて変更するものである。THEN部否
定形処理部31は、前記THEN部呼出し部28にて呼出された
結論部が肯定形の場合は何もせずに処理完了となるが、
否定形の場合は上記メンバシップ関数変更部30にて変更
された該当メンバシップ関数の正負を逆に切換えて処理
完了となる。
メンバシップ関数合成部32は、上記メンバシップ関数
変更部30およびTHEN部否定形処理部31により処理された
各ファジィルールに対応するメンバシップ関数を合成す
るものである。重心演算部33は、上記メンバシップ関数
合成部32により合成された各メンバシップ関数の重心m
を次の(1)式から算出するもので、この重心mを操作
量MVと決定する。
MV出力部34は、上記重心演算部33により決定された操
作量MVに対応する操作信号を流量調節弁9へ出力する。
このような構成の本実施例装置において、今、ルール
データベース21に構築されるファジィルールを第2表の
〜に設定する。
また、関数データベース22に記憶されるメンバシップ
関数PB(positive big)およびPS(positive small)を
それぞれ第10図,第11図の如く設定する。なお、メンバ
シップ関数▲▼はPSの否定形を示している。
このような条件下で、例えば水の入力温度TWIが出力8
0%に相当し、蒸気の入力温度TSIが出力20%に相当し、
水の流量FWと熱交換効率Uとがともに出力60%に相当し
た場合、情報入力部23の情報取込みタイミングに応じて
ファジィ推論が行なわれると、肯定形のファジィルール
については第2図に示すようにして正極性のメンバシ
ップ関数′が得られる。すなわち、IF部呼出し部24に
よりファジィルールの条件部[TWIisPB]が呼出さ
れ、IF部メンバシップ関数呼出し部25により条件部[T
WIisPB]に対応するメンバシップ関数PBが呼出される。
そして、水の入力温度TWIが出力80%に相当するので、
ピーク値決定部26によりメンバシップ関数PBによるピー
ク値“1"が求められる(第2図(a))。このルール
の条件部[TWIisPB]は肯定形であるので、IF部否定形
処理部27では何も処理しない。
また、IF部否定形処理部27の処理完了に応じてTHEN部
呼出し部28によりファジィルールの結論部[FSisPS]
が呼出され、THNE部メンバシップ関数呼出し部29により
結論部[FSisPS]に対応するメンバシップ関数PSが呼出
される。そして、該当ルールの条件部処理においてピー
ク値“1"が求められているので、メンバシップ関数変更
部30によりメンバシップ関数PSがピーク値“1"に合わせ
て変更され、メンバシップ関数′が得られる(第2図
(b))。このルールの結論部[FSisPS]は肯定形で
あるので、THEN部否定形処理部31では何も処理しない。
否定形のファジィルールについては第3図に示すよ
うにしてメンバシップ関数′が得られる。すなわち、
IF部呼出し部24によりファジィルールの条件部[TSIi
sPS]が呼出され、IF部メンバシップ関数呼出し部25に
より条件部[TSIisPS]に対応するメンバシップ関数PS
が呼出される。そして、蒸気の入力温度TWIが出力20%
に相当するので、ピーク値決定部26によりメンバシップ
関数PSによるピーク値“1"が求められる(第3図
(a))。このルールの条件部[TSIisPS]は肯定形
であるので、IF部否定形処理部27では何も処理しない。
また、IF部否定形処理部27の処理完了に応じてTHEN部
呼出し部28によりファジィルールの結論部[FSis▲
▼]が呼出され、THEN部メンバシップ関数呼出し部29
により結論部[FSis▲▼]に対応するメンバシップ
関数PSが呼出される。そして、該当ルールの条件部処理
においてピーク値“1"が求められているので、メンバシ
ップ関数変更部30によりメンバシップ関数PSがピーク値
“1"に合わせて変更され、メンバシップ関数′が得ら
れる(第3図(b))。ただし、このルールの結論部
[FSis▲▼]は否定形であるので、THEN部否定形処
理部31によりメンバシップ関数′の正負が逆に切換え
られ、負極性のメンバシップ関数″が得られる(第3
図(c))。
ファジィルールについては第4図に示すようにして
メンバシップ関数′が得られる。すなわち、IF部呼出
し部24によりファジィルールの条件部[FWisPB]が呼
出され、IF部メンバシップ関数呼出し部25により条件部
[FWisPB]に対応するメンバシップ関数PBが呼出され
る。そして、水の流量FWが出力60%に相当するので、ピ
ーク値決定部26によりメンバシップ関数PBによるピーク
値“0.4"が求められる(第4図(a))。このルール
の条件部[FWisPB]は肯定形であるので、IF部否定形処
理部27では何も処理しない。
また、IF部否定形処理部27の処理完了に応じてTHEN部
呼出し部28によりファジィルールの結論部[FSisPB]
が呼出され、THEN部メンバシップ関数呼出し部29により
結論部[FSisPB]に対応するメンバシップ関数PBが呼出
される。そして、該当ルールの条件部処理においてピー
ク値“0.4"が求められているので、メンバシップ関数変
更部30によりメンバシップ関数PBがピーク値“0.4"に合
わせて変更され、メンバシップ関数′が得られる(第
4図(b))。このルールの結論部[FSisPB]は肯定
形であるので、THEN部否定形処理部31では何も処理しな
い。
ファジィルールについては第5図に示すようにして
メンバシップ関数′が得られる。すなわち、IF部呼出
し部24によりファジィルールの条件部[UisPB]が呼
出され、IF部メンバシップ関数呼出し部25により条件部
[UisPB]に対応するメンバシップ関数PBが呼出され
る。そして、熱交換効率Uが出力60%に相当するので、
ピーク値決定部26によりメンバシップ関数PBによるピー
ク値“0.4"が求められる(第5図(a))。このルール
の条件部[UisPB]は肯定形であるので、IF部否定形
処理部27では何も処理しない。
また、IF部否定形処理部27の処理完了に応じてTHEN部
呼出し部28によりファジィルールの結論部[UisPS]
が呼出され、THEN部メンバシップ関数呼出し部29により
結論部[UisPS]に対応するメンバシップ関数PSが呼出
される。そして、該当ルールの条件部処理においてピー
ク値“0.4"が求められているので、メンバシップ関数変
更部30によりメンバシップ関数PSがピーク値“0.4"に合
わせて変更され、メンバシップ関数′が得られる(第
5図(b))。このルールの結論部[UisPS]は肯定
形であるので、THEN部否定形処理部31では何も処理しな
い。
しかして、メンバシップ関数合成部32においては、第
6図に示すように各ファジィルール〜にそれぞれ対
応する各メンバシップ関数′,″,′,′が合
成され、重心演算部33にて合成された各メンバシップ関
数′,″,′,′の重心が求められて、操作量
MV(この場合出力50%)が決定される。そして、この操
作量MVに対応する操作信号が流量調節弁9へ出力され、
流量調節弁9の開度が調節されて蒸気流量FSが制御され
ることにより、水の出口温度TWOが一定制御される。
ところで、上記例において水の流量FWが変動して出力
50%以下になると、ファジィルールに対応するメンバ
シップ関数′が0となる。この場合、各メンバシップ
関数′,″,′,′の合成によりメンバシップ
関数′と″とは互いに打消し合って“0"にキャンセ
ルされるので、操作量MVはメンバシップ関数′の重心
となり約20%程度となる。また、水の流量FWが出力75%
以上になると、ファジィルールに対応するメンバシッ
プ関数′はメンバシップ関数PBに等しくなる。この場
合、操作量MVはメンバシップ関数′と′との重心と
なり約75%程度となる。すなわち、水の流量FWの変動に
よって流量調節弁9の操作量MVは20%〜75%程度の範囲
で変動する。したがって、従来は水の流量FWの変動に対
して操作量MVの変動量は40%〜70%程度であったのに対
し本実施例では20%〜75%程度となり、水の流量FWの変
動に対して感度が高められたことになる。
同様に、熱交換効率Uが変動して出力50%以下になる
と、ファジィルールに対応するメンバシップ関数′
が0となる。この場合、操作量MVはメンバシップ関数
′の重心となり約80%程度となる。また、熱交換効率
Uが出力75%以上になると、ファジィルールに対応す
るメンバシップ関数′はメンバシップ関数PSに等しく
なる。この場合、操作量MVはメンバシップ関数′と
′との重心となり約25%程度となる。すなわち、熱交
換効率Uの変動によって流量調節弁9の操作量MVは25%
〜80%程度の範囲で変動する。したがって、従来は熱交
換効率Uの変動に対して操作量MVの変動量は30%〜60%
程度であったのに対し本実施例では25%〜80%程度とな
り、水の流量FWの変動に対して感度が高められたことに
なる。
このように本実施例によれば、ルールデータベース21
に否定形のファジィルールを組込み、この否定形ルー
ルの場合は得られたメンバシップ関数の正負を切換える
ようにしたので、メンバシップ関数の負方向への拡張を
はかり得、ファジィルールに対応するメンバシップ関
数′とファジィルールに対応するメンバシップ関数
″とを合成によって“0"にキャンセルできる。この結
果、水の流量FWの変動および熱交換効率Uの変動に対す
る流量調節弁9の操作量MVを大きくでき、水の流量FW
よび熱交換効率Uに対する感度を高め得る。
なお、前記実施例では重心演算部33において重心を求
める際のメンバシップ関数が正の場合のみについて示し
たが、メンバシップ関数に負の部分が存在しても前記
(1)式を用いて重心mを算出することは可能である。
この場合、x座標[0〜X]に対するメンバシップ関数
f(x)の正の部分についてはそのままで前記第(1)
式により重心演算を行ない、負の部分については2/Xを
中心にして180゜回転させた後、前記(1)式により重
心演算を行なう。
具体的にその計算手順を説明すると、先ず、x座標
[0〜X]の範囲内でのメンバシップ関数f(x)をy
座標[−1〜1]の関数f(y)に変換する。すなわ
ち、 x=X/2(y+1) …(2) ∴y=x(2/X)−1 …(3) 次いで、前記(1)式に基いて関数f(y)の重心n
を求める。すなわち、 しかる後、算出された重心nを前記(2)式のyに代入
することによりx座標[0〜X]上での重心mを求め
る。すなわち、 m=2/X(n−1) …(5) 今、第7図に示すようなメンバシップ関数f(x)の
重心mを求めようとすると、先ず前記(3)式によりX
座標[0〜X]の範囲内でのメンバシップ関数f(x)
を第8図に示すようにy座標[1−1〜1]の関数f
(y)に変換する。次いで、前記(4)式により重心n
を求める。すなわち、 しかる後、前記(2)式によりメンバシップ関数f
(x)の重心mを求める。すなわち、 このように、メンバシップ関数f(x)に負部分が存
在すると、その負部分が0<x<2/Xの範囲ではf
(x)の重心はxが大なる方向へ移動し、負部分が2/X
<x<Xの範囲ではf(x)の重心はxが小なる方向へ
移動する。これはf(x)が正の場合の重心の移動と逆
になる。
また、前記実施例ではファジィルールの結論部を否定
形とした場合を示したが、条件部を否定形としてもよ
い。また、メンバシップ関数の算出手段や操作量MVの決
定手段は前記実施例に限定されるものではなく、種々変
形実施可能であるのは勿論である。また、本実施例のフ
ァジィ制御装置がボイラの温度制御,焼却プラントの燃
焼制御等のプロセス制御分野や、エレベータの群管理制
御,列車の自動運転制御等の交通制御分野等にも適用で
きるのは言うまでもない。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば、ファジィルー
ルに否定形のルールを組込むことによりメンバシップ関
数の値を負方向に拡張し得、特定の入力値について操作
量の変動量を大きくでき、特定の入力値に対する感度を
上げることが可能なファジィ制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は本発明を熱交換器の出口温度制御
に適用した一実施例を示す図であって、第1図はファジ
ィ制御装置の構成を示すブロック構成図、第2図ないし
第5図は各ファジィルール〜を実行して得られるメ
ンバシップ関数を示す図、第6図は各メンバシップ関数
の合成を示す図、第7図および第8図はメンバシップ関
数の重心を算出する応用例の説明に用いる図、第9図は
一般的な熱交換器にファジィ制御装置を適用した場合の
構成を示す図、第10図および第11図は予め設定されるメ
ンバシップ関数を示す図、第12図は従来における各メン
バシップ関数の合成を示す図である。 1……熱交換器、4,6,7,10……温度検出器、5,8……流
量検出器、9……流量調節弁、21……ルールデータベー
ス、22……関数データベース、23……情報入力部、27,3
1……否定形処理部、32……メンバシップ関数合成部、3
3……重心演算部、34……MV出力部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】条件部と結論部とからなる複数のファジイ
    ルールを記憶するルールデータベースと、制御対象シス
    テムの状態に関する情報を入力する入力部と、この入力
    部に入力された制御対象システムの状態に関する情報に
    より前記ルールデータベースに記憶されている各ファジ
    ィルールを実行して得られた各メンバシップ関数を合成
    して操作量を決定するファジイ推論部と、このファジィ
    推論部にて決定された操作量を前記制御対象システムへ
    出力する出力部とからなるファジィ制御装置において、 前記ルールデータベースに記憶された複数のファジィル
    ールは、条件部と結論部が共に肯定形で示される通常の
    肯定形ファジィルールと結論部のみが否定形で示される
    否定形ファジィルールとで構成され、 前記ファジィ推論部は、 前記肯定形ファジィルールを実行して通常の正極性のメ
    ンバシップ関数を算出する肯定形メンバシップ関数算出
    手段と、 前記否定形ファジィルールの結論部を肯定形に変換して
    肯定形ファジィルールとしてこの肯定形ファジィルール
    を実行してメンバシップ関数を算出し、この算出された
    メンバシップ関数の極性を反転して負極性のメンバシッ
    プ関数を得る否定形メンバシップ関数算出手段と、 前記各メンバシップ関数算出手段で算出された正極性の
    メンバシップ関数と負極性のメンバシップ関数とを合成
    するメンバシップ関数合成手段と を備えたことを特徴とするファジィ制御装置。
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