JP2521604B2 - 高落差用自動定量分水装置 - Google Patents

高落差用自動定量分水装置

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JP2521604B2
JP2521604B2 JP3332414A JP33241491A JP2521604B2 JP 2521604 B2 JP2521604 B2 JP 2521604B2 JP 3332414 A JP3332414 A JP 3332414A JP 33241491 A JP33241491 A JP 33241491A JP 2521604 B2 JP2521604 B2 JP 2521604B2
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connecting rod
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MIRAI NOGYO KOKUSAI KENKYU ZAIDAN
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Flow Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高水圧状態にある幹線
管水路から受益地に分水する場合、流量変動および分水
工の数による幹線管水路内圧力の大幅な変動によって、
分水量が変化するのを減殺し、高精度の定量分水を行う
ことができる高落差用自動定量分水装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、幹線管水路と、この幹線管水路に
設けられた多数の分水点と、各分水点にそれぞれ分水装
置を介して配置された支線管水路とからなる管水路系が
普及してきている。
【0003】このような管水路系においては、幹線管水
路内の圧力変動の影響を受けずに自動的な定量分水を行
い、かつ、各分水点での分水操作に対して管水路中に水
撃圧が発生するのを防止することができる分水装置の開
発が望まれていた。
【0004】このため、本発明者は、特願平1−287
171号において水撃圧制御自動定量分水装置を提案し
た。
【0005】この水撃圧制御自動定量分水装置を図9に
示す。図9において、幹線管水路31に分水管32の一
端が取水口33として接続され、分水管32の他端側は
主貯留槽34の側壁を越えて主貯留槽34の内部へ案内
され、先端部分32aが下方へ向かって略垂直にのび、
先端が放水口35として下方を向くように配置されてい
る。
【0006】また、主貯留槽34に隣接して副貯留槽3
6が設けられ、主貯留槽34および副貯留槽36の間に
は、水量調節仕切板37が設けられている。副貯留槽3
6には、支線管水路38が接続されており、図示されな
いが、この管水路38の下流端には普通の開閉バルブが
取付けられている。
【0007】分水管32の略垂直にのびる先端部分32
aには、その中心軸に沿って連結棒39が上下に貫通
し、かつ先端部分32aに固定されたガイド手段40に
よって上下運動可能に案内されている。
【0008】主貯留槽34の水面上には、内部に空洞4
1を有する直方体形状のフロート42が配置され、この
フロート42には、連結棒39が螺合状態で差し込ま
れ、フロート42を上下に貫通している。さらに、連結
棒39のフロート42から上方に突出する部分には、連
結棒39に直交して調節ハンドル43が設けられ、フロ
ート42を主貯留槽34水面上に静止させた状態で調節
ハンドル43を介して連結棒39を左右に回転させるこ
とにより、連結棒39に対するフロート42の固定位置
を選択的に変更できるようになっている。
【0009】フロート42の下面には、水量調節弁を備
えた吸排水孔44が設けられ、上面には、浮力調節バル
ブ45を備えた浮力調節管46が設けられており、フロ
ート42の空洞41内に水を適当量流入させることによ
って、フロート42の浮力の調節が可能となっている。
【0010】連結棒39の分水管32の放水口35から
下方に突出する下端には、制御板47が、放水口35に
平行になるように取付けられている。この制御板47は
2枚の円板47a、47bを上下に重ね合わせた2層構
造を有するものであって、中心を連結棒39に固定され
た、放水口35より大きい直径を有し放水口35に対応
する領域に複数の通水穴が形成された下板47bと、こ
の下板47bの上側において、中心を連結棒39によっ
て貫通され連結棒39に沿って一定の範囲内で上下運動
可能に案内された、放水口35より小さい直径を有し下
板47bの通水穴を封閉可能な上板47aとからなって
いる。
【0011】そして、分水管32からの放水流量の増
減、または支線管水路38における水使用量の増減によ
って主貯留槽34の水位が上下すると、それに伴ってフ
ロート42が上下に運動する。これに連動して制御板4
7が上下運動して分水管32の放水口35の開度が自動
的に調節され、放水口35からの放水流量がほぼ一定に
維持される。
【0012】また、支線管水路38における水使用量が
急激に減少した場合、または幹線管水路31内で急激な
流速変化が生じ分水管放水口35からの放水量が急激に
増加した場合には、主貯留槽34の水位が急上昇しフロ
ート42が一時的に水没する。このとき、予めフロート
42の浮力を適当に調節しておけば、フロート42に生
じる浮力によって制御板47に作用する上向きの力と、
分水管放水口35からの放水による下向きの水圧とが適
度に作用し、放水口35からの放水の流速および放水口
35の開度が緩やかに減少し、水撃圧の発生が防止され
る。
【0013】さらに、幹線管水路31内における水圧変
動の結果、分水管32内に急激な負圧が発生した場合に
は、制御板47が放水口35に圧接すると同時に、制御
板上板47aが放水口内に進入し、一定の高さまで上昇
する。そして、制御板下板47bの通水穴を通じて主貯
留槽34内の水が分水管32内に流入するため、水撃圧
を生じることがない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この水撃圧制御自動定
量分水装置は、広範囲にわたる条件下において所期の目
的を達成する。しかし、この装置を、高水圧状態にある
幹線管水路31から分水を行う場合に使用すると、幹線
管水路31から分水管32へ伝わる圧力変動が非常に大
きいために、分水精度が著しく低下する。
【0015】今、図8において、高圧幹線管水路31か
ら主貯留槽34の水面までの水位差をZとし、分水流量
をQm2/sとすれば、その流出による位置エネルギーE
は、Wを水の単位重量とすれば、E=W×Z×Qで与え
られる。この位置エネルギーは運動エネルギーに変換さ
れ、放水口35と制御板47との細隙h0 を通って主貯
留槽34内に噴流として流出し、剪断乱流のために大き
な直径をもつ渦が発生する。さらに、前記噴流が主貯留
槽34の内壁面に沿って上昇流を形成する。その結果、
主貯留槽34の水面は激しく動揺し、これに伴って、そ
の水面上に浮かぶフロート42も大きく動揺し、定量分
水の精度が著しく低下する。
【0016】したがって、本発明の課題は、分水管放水
口から吹き出す高速噴流によって発生する渦運動エネル
ギーを短時間に消滅させて、静水槽水面の動揺を抑制し
てフロートの動揺を制御し、それと同時に、分水量の予
め設定される計画値からの微小変動も確実に制御し得
る、高精度の自動定量分水を行い得る分水装置を提供す
ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、分水槽と、前記分水槽を2つの部分に分
割する隔壁と、前記2つの部分の一方に形成された静水
槽と、前記2つの部分の他方に形成された補助水槽と、
前記補助水槽における前記隔壁に対向する壁面に形成さ
れた量水堰と、一端が幹線管水路に接続されて取水口を
形成し、他端が前記静水槽の内部に案内されて下向きの
放水口を形成する分水管と、前記放水口を通って前記分
水管を上下方向に貫通してのび、または前記分水管の外
側において前記分水管に沿って上下方向にのび、軸方向
に運動可能に案内された少なくとも1本の連結棒と、
記静水槽の水面上に配置され、前記少なくとも1本の連
結棒に選択的に固定位置を変更可能に取り付けられた浮
力調節可能なフロートと、前記少なくとも1本の連結棒
の前記分水管の放水口より下方に突出する部分に、前記
放水口に平行となるように取り付けられた噴流減勢板と
を有し、前記噴流減勢板の上面が、前記分水管の放水口
を封閉可能な平坦な中央部分と、前記中央部分の周囲に
連続する水はね部分とを有し、前記水はね部分は、前記
連結棒の中心軸に対して実質上放射状に複数個の部分に
分割され、前記複数個の部分は、それぞれ交互に凸部お
よび凹部として形成され、前記凸部は外側に向かって次
第に高くなり、前記凹部は外側に向かって次第に低くな
るように形成されており、前記隔壁には、所定の断面積
をもつ通水開口が形成されていることを特徴とする高落
差用自動定量分水装置を構成したものである。
【0018】さらに、本発明の好ましい実施例におい
て、前記静水槽の内側壁面における所定の高さの位置
に、その内周に沿って、減衰格子が、格子面が前記静水
槽の水面に対して実質上平行となるように取付けられて
いる。
【0019】
【作用】以上の構成において、高水圧状態にある幹線管
水路から分水管に分水がなされる場合、放水口から流出
する高速の噴流は、噴流減勢板の水はね部分によって、
上向きの噴流と下向きの噴流とに細かく分割され、周囲
に分散される。これによって、等方性乱流の渦を発生さ
せ、しかも渦体積を小さくすることができる。こうし
て、渦を短時間のうちに消滅させることができ、静水槽
水面の動揺を抑制することができる。
【0020】さらに、分水管からの放水流量の増減によ
って静水槽の水位が上下すると、それに伴ってフロート
が上下に運動する。これに連動して噴流減勢板が上下動
して分水管放水口の開度が自動的に調節され、放水口か
らの放水流量が略一定に維持される。このとき、通水開
口を備えた隔壁によって、分水管からの放水流量の微小
変動に対してフロートがより敏感に上下動し、隔壁の通
水開口から補助水槽へ供給される流量を常時略一定にす
ることができ、非常に精度の高い自動定量分水が達成さ
れる。
【0021】また、減衰格子を設けた構成とした場合に
は、噴流減勢板によって周囲に分散され、その後静水槽
の内側壁面に沿って上昇する水流が、減衰格子によっ
て、格子目の大きさの程度のより小さい渦に分割され
る。その結果、分水管放水口からの噴流による渦をより
短時間に消滅させることができ、静水槽水面の動揺をよ
り効果的に制御することができる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。図1に示したように、本発明による高
落差用自動定量分水装置は分水槽22を有しており、こ
の分水槽22は、隔壁7によって、静水槽4と補助水槽
6の2つの部分に分割されている。
【0023】さらに、幹線管水路1に分水管2の一端が
取水口3として接続され、分水管2の他端側は静水槽4
の側壁を越えて静水槽4の内部へ案内されるとともに、
先端部分2aが下方へ向かって実質上垂直にのび、先端
が放水口5として下方を向きかつ静水槽4の内底面から
適当な距離だけ離れるように配置される。
【0024】静水槽4に隣接して補助水槽6が設けら
れ、静水槽4および補助水槽6は、隔壁7によって仕切
られている。この隔壁7には、後述するように適当な断
面積を有する大きさの通水開口が形成される。補助水槽
6における隔壁7に対向する壁面は、量水堰8となって
いる。量水堰8は、静水槽4の高さより低く、上端縁が
外側へ向かって下方に鋭く傾斜した薄刃として形成され
ている。補助水槽6の量水堰8の外側には、適宜、支線
管水路20が接続された副貯留槽19が隣接して設けら
れる。
【0025】図2に示したように、分水管2の実質上垂
直にのびる先端部分2aには、その中心軸に沿って連結
棒9が上下方向に貫通して配置される。さらに、連結棒
9は分水管2の先端部分の外側上端に固定された短管か
らなるガイド手段10に挿通され軸方向に運動可能に
内される。
【0026】連結棒9の分水管2から上方に突出する部
分には、図示はしないが、適当な長さにわたってねじが
切られている。また、静水槽4の水面上には、直方体形
状を有し内部に空洞が形成され、上面および下面の中央
に、それぞれ連結棒9のねじに係合するねじ穴が形成さ
れたフロート11が配置される。このフロート11のね
じ穴には、連結棒9のねじを切られた部分が螺合状態で
差し込まれ、フロート11を上下に貫通している。さら
に、連結棒9のフロート11から上方に突出する部分に
は、連結棒9に直交して調節ハンドル12が設けられ
る。そして、フロート11を静水槽4の水面上に静止さ
せた状態で調節ハンドル12を介して連結棒9を左右に
回転させることにより、連結棒9に対するフロート11
の固定位置を選択的に変更することができる。
【0027】図示はしないが、フロート11の下面に
は、水量調節弁を備えた吸排水孔が設けられ、上面に
は、フロート11内の吸排気を行うために、浮力調節バ
ルブを備えた浮力調節管が設けられており、フロート1
1内に適量の水を侵入させることによって浮力調節が可
能となっている。
【0028】連結棒9の分水管2の放水口5から下方に
突出する下端には、噴流減勢板13が、放水口5に平行
となるように取付けられる。こうして、フロート11お
よび噴流減勢板13は、連結棒9を介して一体的に形成
され、フロート11の上下運動に連動して、噴流減勢板
13が上下動することによって分水管2の放水口5の開
度が調節されるようになっている。そして、定常的に一
定水量が分水されるように、フロート11の浮力が適当
に設定され、またフロート11と噴流減勢板13との距
離、すなわち分水管2の放水口5の開度が適当に設定さ
れる。
【0029】図2および図3に示したように、噴流減勢
板13は円板形状を有し、その上面に、分水管2の放水
口5を閉鎖可能な平坦な中央円形部分14と、中央円形
部分14の外周に連続する環状の水はね部分15とを有
している。水はね部分15は、噴流減勢板13の中心か
ら等角度で放射状に複数個の部分に分割され(この実施
例の場合には16等分され)、各分割部分は、交互に凸
部15aおよび凹部15bとして形成されている。さら
に、凸部15aは、外側に向かって次第に高くなるよう
に傾斜し、凹部15bは、外側に向かって次第に低くな
るように傾斜して形成される。
【0030】隔壁7には、適当な断面積を有する通水開
口が形成される。この通水開口は、例えば、図4に示し
たように、適当な直径の円形の通水孔16として形成さ
れてもよく、あるいは図5に示したように、比較的小さ
い幅の矩形の通水用欠切部17として形成されてもよ
い。
【0031】さらに、図2に示したように、静水槽4の
内側壁面の所定の高さの位置に、壁面の内周に沿って、
減衰格子18が、格子面が静水槽4の底面に実質上平行
となるように取付けられている。図6に示すように、こ
の減衰格子18の格子目18aは、所定の断面積を有し
ている。
【0032】以上の構成において、高圧送水を行ってい
る幹線管水路1から分水管2を通して分水が行われる場
合、分水管2の放水口5から噴流減勢板13に向かっ
て、高速の噴流が吹き出す。この噴流は、噴流減勢板1
3の水はね部分15の凸部15aおよび凹部15bによ
って、それぞれ上向きの噴流と下向きの噴流とに細かく
分割され、周囲に分散される。こうして、上向き、およ
び下向きの噴流と静水槽内緩流との間で発生する渦の直
径を著しく小さくすることができる。その結果、等方性
乱流の渦とすることができる。渦の運動エネルギーは渦
体積に比例するので、その体積を小さくすれば、その持
続時間もまた著しく小さくすることができる。すなわ
ち、噴流のもつ運動エネルギーを、これによって生じる
渦の大きさを小さくすることによって、最終的に熱エネ
ルギーに変え、水面の動揺を根本的に抑制することが可
能となる。
【0033】さらに、噴流減勢板13の水はね部分15
によって周囲に分散された渦流は、その後、静水槽4の
内側壁面に沿って上昇流となるが、これは、減衰格子1
8によって、格子目18aの大きさ程度の渦に強制的に
分割され、より小さい渦となる。こうして、渦のもつ運
動エネルギーをより短い持続時間内において消失させ、
静水槽4の水面の動揺をより効果的に制御することがで
きる。
【0034】なお、実際の使用に際しては、噴流減勢板
13および隔壁7の作用によって所期の目的を達成する
ことができ、この減衰格子18は、必要に応じて設けれ
ばよい。
【0035】また、高圧管水路1の圧力変動のために、
予め設定される分水量Qの計画値からの変動ΔQがある
と、それによって静水槽4の水位は変動し、フロート1
1が上下動する。この上下動に伴って、フロート11に
連結された噴流減勢板13と、分水管放水口5との間の
距離h0 、すなわち噴流減勢板13の開度が、水位変動
の方向とは逆方向に変化し、自動定量分水が達成され
る。
【0036】隔壁7による定量分水精度の向上につい
て、数式を用いて簡単に説明する。今、隔壁7を設けな
い場合を考えると、Kを定数、h1 を量水堰の越流水深
として、分水管からの分水量およびその変化率は、 Q=K×h1 3/2 dQ/dh1 =3/2×K×h1 1/2 で与えられる。
【0037】これに対し、図4に示した円形の通水孔を
備えた隔壁を設けた場合には、K2 を定数、h2 を静水
槽水面および補助水槽水面の水位差として、分水管から
の分水量およびその変化率は、 Q=K2 ×h2 1/2 dQ/dh2 =1/2×K×h2 -1/2 で与えられる。上記の2つの場合において、それぞれ、
1 、h2 の微小変化に対しては、dQ/dh2 はdQ
/dh1 に比べて非常に大きくなる。すなわち、隔壁を
設けることによって、分水量の変化ΔQに対し、フロー
トが浮かべられた水面の水位変動がより大きくなる。言
い換えれば、分水量の微小変化に対し、フロートがより
敏感に反応するようになり、定量分水の精度が著しく向
上する。
【0038】この実施例における高落差用自動定量分水
装置の定量分水精度を確かめるために、以下の実験を行
った。実験に使用した装置は、全長3m、幅1.5m、
高さ1.55mの鉄製水槽を、幅1.5mの隔壁によっ
て、長さ1.5mの静水槽と、長さ1.5mの補助水槽
に仕切ったものから形成されている。フロートは、一辺
の長さが1.3mのものを使用した。そして、補助水槽
内には、分水量を測定するための量水堰を設けた。さら
に、この量水堰から分水された水を、流量測定後、量水
堰の右側に設けた水中ポンプによって、再び分水管に送
水するような循環系を構成するようにしてある。こうし
て、隔壁を設けた場合、あるいは設けない場合のそれぞ
れについて、分水精度を測定した。
【0039】特に、この装置において、直径15cmの
円形通水孔を備えた隔壁を設け、分水管の圧力変化を、
4.0kg/cm2 から0kg/cm2 まで変化させて
分水量の計画値からの変動を測定すると、1%以下とな
った。さらに、噴流減勢板からの噴流は、直ちに分散し
消滅することがわかった。それと同時に、静水槽水面の
動揺をゼロとし、フロートの上下の動揺を略完全に消失
せしめ得ることが確認された。また、分水管の水圧を
4.5kg/cm2 から1kg/cm2 まで変化させて
も、それによる分水量の計画値からの変動は1%以下と
なった。
【0040】以上のように、本発明による高落差用自動
定量分水装置によれば、幹線管水路から高落差にある支
線管水路に分水を行う場合に、分水管の放水口から吹き
出す高速度の噴流の運動エネルギーを極めて短時間で減
衰させることができ、静水槽水面の動揺を抑制すること
ができる。同時に、通水開口を備えた隔壁を設けたこと
によって、静水槽水面の微小変動に対するフロートの上
下動の感度を向上させることができる。その結果、静水
槽から補助水槽へ供給される流量を常時略一定に維持す
ることができ、非常に精度の高い自動定量分水を行うこ
とができる。
【0041】なお、本発明はこの実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で
種々の変形例を構成することが可能である。例えば、図
7に示したように、噴流減勢板14を、分水管2の垂直
にのびる部分2aの周囲に、該部分に平行に上下方向に
配置された4本の連結棒22を介してフロート11に連
結するような構成とすることもできる。
【0042】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、幹線管
水路から高落差にある支線管水路に分水を行う場合、幹
線管水路から分水放水される水槽水面の動揺を押さえ、
渦運動を短時間に減衰せしめることができ、非常に高精
度の自動定量分水を達成することができる。しかも、こ
れを非常に簡単な構造において達成することができ、製
作コストもあまりかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高落差用自動定量分水装置を示す
側断面図である。
【図2】図1の高落差用自動定量分水装置の静水槽の構
成を示す拡大された側断面図である。
【図3】図1の高落差用自動定量分水装置の噴流減勢板
の構成を示す上面図である。
【図4】図1の高落差用自動定量分水装置の隔壁の1実
施例を示す正面図である。
【図5】図1の高落差用自動定量分水装置の隔壁の別の
実施例を示す正面図である。
【図6】図1の高落差用自動定量分水装置の減衰格子を
示す拡大された上面図である。
【図7】本発明による高落差用自動定量分水装置のフロ
ートと噴流減勢板との連結構造の別の実施例を示す側断
面図である。
【図8】従来の水撃圧制御自動定量分水装置を示す側断
面図である。
【符号の説明】
1 幹線管水路 2 分水管 3 取水口 4 静水槽 5 放水口 6 補助水槽 7 隔壁 8 量水堰 9 連結棒 10 ガイド手段 11 フロート 13 噴流減勢板 14 中央円形部分 15 水はね部分 15a 凸部 15b 凹部 16、17 通水開口 18 減衰格子 22 分水槽

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分水槽22と、 前記分水槽22を2つの部分に分割する隔壁7と、 前記2つの部分の一方に形成された静水槽4と、 前記2つの部分の他方に形成された補助水槽6と、 前記補助水槽6における前記隔壁7に対向する壁面に形
    成された量水堰8と、一端が幹線管水路1に接続されて取水口3を形成し、他
    端が前記静水槽4の内部に案内されて下向きの放水口5
    を形成する分水管2と、 前記放水口5を通って前記分水管2を上下方向に貫通し
    てのび、または前記分水管2の外側において前記分水管
    2に沿って上下方向にのび、軸方向に運動可能に案内さ
    れた少なくとも1本の連結棒9と、 前記静水槽4の水面上に配置され、前記少なくとも1本
    の連結棒9に選択的に固定位置を変更可能に取り付けら
    れた浮力調節可能なフロート11と、 前記少なくとも1本の連結棒9の前記分水管2の放水口
    5より下方に突出する部分に、前記放水口5に平行とな
    るように取り付けられた噴流減勢板13とを有し、 前記噴流減勢板13の上面が、前記分水管2の放水口5
    を封閉可能な平坦な中央部分14と、前記中央部分14
    の周囲に連続する水はね部分15とを有し、前記水はね
    部分15は、前記連結棒9の中心軸に対して実質上放射
    状に複数個の部分に分割され、前記複数個の部分は、そ
    れぞれ交互に凸部15aおよび凹部15bとして形成さ
    れ、前記凸部15aは外側に向かって次第に高くなり、
    前記凹部15bは外側に向かって次第に低くなるように
    形成されており、前記隔壁7には、所定の断面積をもつ
    通水開口16、17が形成されていることを特徴とする
    高落差用自動定量分水装置。
  2. 【請求項2】 前記静水槽4の内側壁面における所定の
    高さの位置に、その内周に沿って、減衰格子18が、格
    子面が前記静水槽4の底面に対して実質上平行となるよ
    うに取付けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の高落差用自動定量分水装置。
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