JP2519666B2 - カオリン質粘土の製造方法 - Google Patents
カオリン質粘土の製造方法Info
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- JP2519666B2 JP2519666B2 JP5276079A JP27607993A JP2519666B2 JP 2519666 B2 JP2519666 B2 JP 2519666B2 JP 5276079 A JP5276079 A JP 5276079A JP 27607993 A JP27607993 A JP 27607993A JP 2519666 B2 JP2519666 B2 JP 2519666B2
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- kaolin clay
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- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窯業原料、吸着剤、無
機充填剤として有用なカオリン質粘土の製造方法に関す
る。
機充填剤として有用なカオリン質粘土の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、石炭火力発電所から毎年多量
の石炭灰が排出されてきたが、これらは産業廃棄物とし
て取り扱われ、主として、海岸や空き地の埋め立てによ
って処分されているのが現状である。
の石炭灰が排出されてきたが、これらは産業廃棄物とし
て取り扱われ、主として、海岸や空き地の埋め立てによ
って処分されているのが現状である。
【0003】この石炭灰は、数ミクロンを中心として、
サブミクロンからサブミリの範囲の粒径を有するシリカ
アルミナを主成分とする微粉体である。原料炭の産地や
燃焼条件によってその成分は異なるが、シリカアルミナ
重量比(Al2O3/SiO2)は約1/3 〜1/2 であり、少量の
鉄、マグネシウム、カルシウムの他に約3〜10%の未燃
の炭素分を含有しており、灰色に着色している。
サブミクロンからサブミリの範囲の粒径を有するシリカ
アルミナを主成分とする微粉体である。原料炭の産地や
燃焼条件によってその成分は異なるが、シリカアルミナ
重量比(Al2O3/SiO2)は約1/3 〜1/2 であり、少量の
鉄、マグネシウム、カルシウムの他に約3〜10%の未燃
の炭素分を含有しており、灰色に着色している。
【0004】石炭灰は、化石燃料の燃焼残渣であるため
産地により品質にばらつきがあり、今日では、建材やセ
メントに混入して少量は利用されているが、工業原料と
しては殆ど利用されていない。また、未燃炭素が含まれ
ることによって灰色に着色していることも、美的感覚か
ら敬遠され、利用され難い原因の一つであると思われ
る。
産地により品質にばらつきがあり、今日では、建材やセ
メントに混入して少量は利用されているが、工業原料と
しては殆ど利用されていない。また、未燃炭素が含まれ
ることによって灰色に着色していることも、美的感覚か
ら敬遠され、利用され難い原因の一つであると思われ
る。
【0005】ところで、高品質のシリカアルミナは窯業
原料として極めて需要が多い。わが国は古くから世界有
数の良質の陶磁器(セラミックス)の生産国であるが、
これは、良質の粘土資源によるところが大きい。しか
し、最近はこの粘土も枯渇が心配されており、人工粘土
合成の研究が行なわれつつある。しかしながら、石炭灰
を利用した粘土化技術の開発については未だ報告例がな
い。
原料として極めて需要が多い。わが国は古くから世界有
数の良質の陶磁器(セラミックス)の生産国であるが、
これは、良質の粘土資源によるところが大きい。しか
し、最近はこの粘土も枯渇が心配されており、人工粘土
合成の研究が行なわれつつある。しかしながら、石炭灰
を利用した粘土化技術の開発については未だ報告例がな
い。
【0006】また、平成3年に施行された「再生資源の
利用の促進に関する法律」において、石炭灰が指定副産
物に指定され、再生資源としての利用拡大をさらに推進
することが定められたこともあり、石炭火力発電所を擁
している当業者にとっても従来以上に石炭灰の利用に関
する研究が加速することとなった。
利用の促進に関する法律」において、石炭灰が指定副産
物に指定され、再生資源としての利用拡大をさらに推進
することが定められたこともあり、石炭火力発電所を擁
している当業者にとっても従来以上に石炭灰の利用に関
する研究が加速することとなった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】こうしたなかで本発明
者らは、石炭灰を利用して、上述の窯業原料としてだけ
でなく、吸着剤、無機充填材としても利用できるカオリ
ン質粘土の製造に関する粘土化技術の開発へ向けて積極
的な研究を重ねてきた。
者らは、石炭灰を利用して、上述の窯業原料としてだけ
でなく、吸着剤、無機充填材としても利用できるカオリ
ン質粘土の製造に関する粘土化技術の開発へ向けて積極
的な研究を重ねてきた。
【0008】ここでいうカオリン質粘土とは、粘土鉱物
としてカオリナイト、ハロイサイトおよび加水ハロイサ
イト等の1:1型2八面体層状ケイ酸塩のいずれか、あ
るいはこれらの鉱物群より選ばれる混合物を含む粘土混
合物をいう。
としてカオリナイト、ハロイサイトおよび加水ハロイサ
イト等の1:1型2八面体層状ケイ酸塩のいずれか、あ
るいはこれらの鉱物群より選ばれる混合物を含む粘土混
合物をいう。
【0009】これらの粘土鉱物は、自然界では含アルミ
ニウムケイ酸塩鉱物が長期にわたって風化・溶脱作用を
うけて生成すると考えられているが、短期間にカオリナ
イトを合成するには、水熱合成法を用いる必要がある。
この方法は、用いるシリカアルミナ原料により次の5種
類の反応に分類される。
ニウムケイ酸塩鉱物が長期にわたって風化・溶脱作用を
うけて生成すると考えられているが、短期間にカオリナ
イトを合成するには、水熱合成法を用いる必要がある。
この方法は、用いるシリカアルミナ原料により次の5種
類の反応に分類される。
【0010】1.ゼオライト、セリサイト、斜長石、正
カリ長石などのアルミノケイ酸塩鉱物の風化・溶脱促進
法。 2.層状アルミノケイ酸塩にアルミナ成分を添加して水
熱処理を行なう方法。 3.非晶質アルミノケイ酸塩の結晶化促進法。 4.ゾル・ゲル混合物の結晶化法。 5.各種シリカと強酸アルミニウム塩の水熱反応法。
カリ長石などのアルミノケイ酸塩鉱物の風化・溶脱促進
法。 2.層状アルミノケイ酸塩にアルミナ成分を添加して水
熱処理を行なう方法。 3.非晶質アルミノケイ酸塩の結晶化促進法。 4.ゾル・ゲル混合物の結晶化法。 5.各種シリカと強酸アルミニウム塩の水熱反応法。
【0011】カオリナイト合成の水熱反応は、一般に17
0 〜350 ℃で行なわれるが、反応温度によってカオリナ
イトの結晶化に要する反応時間は著しく異なる。石炭灰
は数ミクロンの粒径を中心とする中空球状のシリカアル
ミナであり、大部分はガラス質であるが石英と少量のム
ライトが存在する。従って、石炭灰のカオリナイト合成
原料としての位置付けは、上述の(3)および(5)の
反応で用いられる原料の混合物に近いと考えられるが、
高温で燃焼されているため、反応性が低く、高い水熱処
理温度が必要である。
0 〜350 ℃で行なわれるが、反応温度によってカオリナ
イトの結晶化に要する反応時間は著しく異なる。石炭灰
は数ミクロンの粒径を中心とする中空球状のシリカアル
ミナであり、大部分はガラス質であるが石英と少量のム
ライトが存在する。従って、石炭灰のカオリナイト合成
原料としての位置付けは、上述の(3)および(5)の
反応で用いられる原料の混合物に近いと考えられるが、
高温で燃焼されているため、反応性が低く、高い水熱処
理温度が必要である。
【0012】上記知見から、処理温度を下げ、短期間で
効率よくカオリン質粘土に変換するには、結晶化促進剤
を開発する必要があった。そして、本発明に開示した内
容に代表される製造方法を完成するに至った。
効率よくカオリン質粘土に変換するには、結晶化促進剤
を開発する必要があった。そして、本発明に開示した内
容に代表される製造方法を完成するに至った。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであって、上記課題を解消し、石炭灰を利用して、窯
業原料としてだけでなく、吸着剤、無機充填材としても
利用可能なカオリン質粘土の製造方法を提供することを
目的とするものである。
のであって、上記課題を解消し、石炭灰を利用して、窯
業原料としてだけでなく、吸着剤、無機充填材としても
利用可能なカオリン質粘土の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、石炭灰にアルミニウム源および結晶化促進
剤を添加してスラリーを調製し、これをオートクレーブ
処理することを特徴とするものである。
に本発明は、石炭灰にアルミニウム源および結晶化促進
剤を添加してスラリーを調製し、これをオートクレーブ
処理することを特徴とするものである。
【0015】また、好適には、上記アルミニウム源が可
溶性アルミニウム塩、水酸化アルミニウム、各種の水和
アルミナからなる物質群から選択されたアルミニウム化
合物である。
溶性アルミニウム塩、水酸化アルミニウム、各種の水和
アルミナからなる物質群から選択されたアルミニウム化
合物である。
【0016】さらにまた、上記結晶化促進剤が各種層状
ケイ酸塩、粘土鉱物群から選択されたケイ酸塩である。
ケイ酸塩、粘土鉱物群から選択されたケイ酸塩である。
【0017】
【実施例】本発明の一実施例を添付図面を参照して以下
説明する。図1に製造工程のフロー図を示す。ここで、
1が原料(石炭灰)、2が添加(アルミニウム源/結晶
化促進剤)、3が混練(スラリー調製)、4がオートク
レーブ処理および5が生成(カオリン質粘土)である。
図示のとおり、石炭灰〔原料〕にアルミニウム化合物
(アルミニウム源)および結晶化促進剤を添加してスラ
リーを調製し〔混練〕、これをオートクレーブ処理〔圧
力容器内で水熱処理〕してカオリン質粘土を生成する各
工程を包含するものである。
説明する。図1に製造工程のフロー図を示す。ここで、
1が原料(石炭灰)、2が添加(アルミニウム源/結晶
化促進剤)、3が混練(スラリー調製)、4がオートク
レーブ処理および5が生成(カオリン質粘土)である。
図示のとおり、石炭灰〔原料〕にアルミニウム化合物
(アルミニウム源)および結晶化促進剤を添加してスラ
リーを調製し〔混練〕、これをオートクレーブ処理〔圧
力容器内で水熱処理〕してカオリン質粘土を生成する各
工程を包含するものである。
【0018】また、本発明のカオリン質粘土(以下、カ
オリナイト[Al2Si2O5(OH)4] として代表的に表記す
る。)の製造方法における石炭灰のカオリナイトへの変
換に及ぼす温度と結晶化促進剤の効果を表1に示す。こ
こでの実施は製造条件を違えてカオリナイト生成を確認
したものであり、試料毎に表中に示した比較例1,2お
よび3並びに実施例1,2,3,4,5および6であ
る。すなわち、各水熱処理温度( 250℃、 230℃および
200℃)について、比較例1〜3は、結晶化促進剤が無
添加のものであり、実施例1〜3は、結晶化促進剤を天
然カオリンとしたものであり、実施例4〜6は、結晶化
促進剤をモンモリロナイトとしたものである。なお、処
理期間はいずれも2日間である。
オリナイト[Al2Si2O5(OH)4] として代表的に表記す
る。)の製造方法における石炭灰のカオリナイトへの変
換に及ぼす温度と結晶化促進剤の効果を表1に示す。こ
こでの実施は製造条件を違えてカオリナイト生成を確認
したものであり、試料毎に表中に示した比較例1,2お
よび3並びに実施例1,2,3,4,5および6であ
る。すなわち、各水熱処理温度( 250℃、 230℃および
200℃)について、比較例1〜3は、結晶化促進剤が無
添加のものであり、実施例1〜3は、結晶化促進剤を天
然カオリンとしたものであり、実施例4〜6は、結晶化
促進剤をモンモリロナイトとしたものである。なお、処
理期間はいずれも2日間である。
【0019】
【表1】
【0020】比較例1〜3について説明すると;石炭灰
[組成 (重量%):61%SiO2, 21.5%Al2O3, 1.6%MgO,
5.4%Fe2O3]1gに1M塩化アルミニウム水溶液18mlを
加え、テフロンで内張りしたオートクレーブに入れ、電
気炉中静置して 250℃(比較例1)、 230℃(比較例
2)および 200℃(比較例3)で2日間水熱処理を行な
い、生成物をX線回折測定により調べた。
[組成 (重量%):61%SiO2, 21.5%Al2O3, 1.6%MgO,
5.4%Fe2O3]1gに1M塩化アルミニウム水溶液18mlを
加え、テフロンで内張りしたオートクレーブに入れ、電
気炉中静置して 250℃(比較例1)、 230℃(比較例
2)および 200℃(比較例3)で2日間水熱処理を行な
い、生成物をX線回折測定により調べた。
【0021】250℃処理(比較例1)で得られた試料に
は、カオリナイトに特徴的な7.2 Åに回折ピークが現
れ、標準試料と比較してもカオリナイトの生成が確認さ
れた。このとき石炭灰に含まれる石英による回折ピーク
(強度)は著しく減少することから、石炭灰中のSiO2が
塩化アルミニウムと反応してカオリナイトの変換に利用
されたと結論される。また、 230℃(比較例2)および
200℃(比較例3)では、カオリナイトの生成は全く認
められなかったが、これらにはさらに長期間あるいはよ
り高温での処理が必要であると考察される。
は、カオリナイトに特徴的な7.2 Åに回折ピークが現
れ、標準試料と比較してもカオリナイトの生成が確認さ
れた。このとき石炭灰に含まれる石英による回折ピーク
(強度)は著しく減少することから、石炭灰中のSiO2が
塩化アルミニウムと反応してカオリナイトの変換に利用
されたと結論される。また、 230℃(比較例2)および
200℃(比較例3)では、カオリナイトの生成は全く認
められなかったが、これらにはさらに長期間あるいはよ
り高温での処理が必要であると考察される。
【0022】次に、表中の実施例1〜6について説明す
ると;石炭灰5gに1M塩化アルミニウム水溶液80mlを
加え、結晶化促進剤として石炭灰に対して5%の天然カ
オリン(実施例1〜3)、モンモリロナイト(実施例4
〜6)をそれぞれ水に分散して添加し、上記比較例と同
様に 250℃、 230℃、 200℃でオートクレーブ処理を行
なった。表中に示したとおり、いずれの添加剤(結晶化
促進剤)および水熱処理温度によってもカオリナイトの
生成が認められ、原料の石炭灰に含まれる石英の回折ピ
ーク(強度)は著しく減少した。ここでは、 230℃,200
℃の比較的低温での処理によりカオリナイトの生成が可
能であることが注目される。
ると;石炭灰5gに1M塩化アルミニウム水溶液80mlを
加え、結晶化促進剤として石炭灰に対して5%の天然カ
オリン(実施例1〜3)、モンモリロナイト(実施例4
〜6)をそれぞれ水に分散して添加し、上記比較例と同
様に 250℃、 230℃、 200℃でオートクレーブ処理を行
なった。表中に示したとおり、いずれの添加剤(結晶化
促進剤)および水熱処理温度によってもカオリナイトの
生成が認められ、原料の石炭灰に含まれる石英の回折ピ
ーク(強度)は著しく減少した。ここでは、 230℃,200
℃の比較的低温での処理によりカオリナイトの生成が可
能であることが注目される。
【0023】上記実施例4で得られたカオリン質粘土の
粉末X線回折図(CuKα)および示差熱重量分析曲線
(昇温速度10℃/min )を図2および図3に示す。図
2から明らかなように、2日間の水熱処理では石英によ
る回折ピーク(図中Q)が残存するが、カオリナイトに
特徴的な 7.2Åの強い底面反射ピーク(図中K)が観察
され、カオリナイトが 200℃の低温でも生成することが
わかる。また、図3の示差熱重量分析曲線にみられる 5
00℃付近の吸熱を伴った重量減少は、生成したカオリナ
イトの分解によるものであり、600 ℃付近の発熱を伴う
なだらかな重量減少は、残存する炭素分の燃焼に起因す
るものである。この燃焼によって、カオリン質粘土は白
色に変化する。
粉末X線回折図(CuKα)および示差熱重量分析曲線
(昇温速度10℃/min )を図2および図3に示す。図
2から明らかなように、2日間の水熱処理では石英によ
る回折ピーク(図中Q)が残存するが、カオリナイトに
特徴的な 7.2Åの強い底面反射ピーク(図中K)が観察
され、カオリナイトが 200℃の低温でも生成することが
わかる。また、図3の示差熱重量分析曲線にみられる 5
00℃付近の吸熱を伴った重量減少は、生成したカオリナ
イトの分解によるものであり、600 ℃付近の発熱を伴う
なだらかな重量減少は、残存する炭素分の燃焼に起因す
るものである。この燃焼によって、カオリン質粘土は白
色に変化する。
【0024】さらに、実施例4で得られたカオリン質粘
土に酢酸カリウム飽和水溶液を滴加し、3日間室温で放
置後、X線回折測定により底面間隔の変化を調べた。
(図示省略)その結果、底面間隔がカオリナイトの 7.2
Åから14.2Åに拡大し、カオリナイトに特有のインター
カレーション反応がおこることが確認された。このこと
からも石炭灰のカオリナイトへの変換が結論される。
土に酢酸カリウム飽和水溶液を滴加し、3日間室温で放
置後、X線回折測定により底面間隔の変化を調べた。
(図示省略)その結果、底面間隔がカオリナイトの 7.2
Åから14.2Åに拡大し、カオリナイトに特有のインター
カレーション反応がおこることが確認された。このこと
からも石炭灰のカオリナイトへの変換が結論される。
【0025】また、石炭灰5gに AlCl3・6H2O 2.4g、
Al(OH)3 1.6 g、H2O 50mlおよびモンモリロナイト250m
g を加えて混練し、オートクレーブ中 200℃で2日間水
熱処理した。この場合にもカオリナイトが生成し、アル
ミニウム源として塩化アルミニウムと水酸化アルミニウ
ムを混合して用いることができることが明らかとなっ
た。
Al(OH)3 1.6 g、H2O 50mlおよびモンモリロナイト250m
g を加えて混練し、オートクレーブ中 200℃で2日間水
熱処理した。この場合にもカオリナイトが生成し、アル
ミニウム源として塩化アルミニウムと水酸化アルミニウ
ムを混合して用いることができることが明らかとなっ
た。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上の構成よりなるものであ
り、これによれば産業廃棄物として多量に排出される石
炭灰をカオリン質粘土へ高効率に変換することができ
る。
り、これによれば産業廃棄物として多量に排出される石
炭灰をカオリン質粘土へ高効率に変換することができ
る。
【0027】また、石炭灰の変換において、アルミニウ
ム源の他に少量の結晶化促進剤を添加して水熱処理する
ことで、低温でのカオリン質粘土の製造が可能である。
ム源の他に少量の結晶化促進剤を添加して水熱処理する
ことで、低温でのカオリン質粘土の製造が可能である。
【0028】また、結晶化促進剤は原料スラリーに均一
に混合しているため、スラリー全体の均一な結晶化を進
めることができ、スラリー攪拌を必要としないため、大
規模な製造プロセスにもそのまま適用できる。
に混合しているため、スラリー全体の均一な結晶化を進
めることができ、スラリー攪拌を必要としないため、大
規模な製造プロセスにもそのまま適用できる。
【0029】このようにして石炭灰から得られるカオリ
ン質粘土は、オートクレーブ処理により品質管理が可能
で、信頼性の高い良質な製品である。さらに、このオー
トクレーブ処理では、脱鉄処理が同時に行われるので、
窯業原料として酸化鉄の少ない高品質のカオリン質粘土
を得ることができる。
ン質粘土は、オートクレーブ処理により品質管理が可能
で、信頼性の高い良質な製品である。さらに、このオー
トクレーブ処理では、脱鉄処理が同時に行われるので、
窯業原料として酸化鉄の少ない高品質のカオリン質粘土
を得ることができる。
【図1】本発明の一実施例である製造工程のフロー図で
ある。
ある。
【図2】実施例4で得られたカオリン質粘土の粉末X線
回折図である。
回折図である。
【図3】同じく示差熱重量分析曲線を示す説明図であ
る。
る。
1 原料(石炭灰) 2 添加(アルミニウム源/結晶化促進剤) 3 混練(スラリー調製) 4 オートクレーブ処理(圧力容器/水熱処理) 5 生成(カオリン質粘土)
Claims (3)
- 【請求項1】 石炭灰にアルミニウム源および結晶化促
進剤を添加してスラリーを調製し、これをオートクレー
ブ処理することを特徴とするカオリン質粘土の製造方
法。 - 【請求項2】 アルミニウム源が、可溶性アルミニウム
塩、水酸化アルミニウム、各種の水和アルミナからなる
物質群から選択されたアルミニウム化合物である特許請
求の範囲第1項記載のカオリン質粘土の製造方法。 - 【請求項3】 結晶化促進剤が各種層状ケイ酸塩、粘土
鉱物群から選択されたケイ酸塩である特許請求の範囲第
1項記載のカオリン質粘土の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5276079A JP2519666B2 (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | カオリン質粘土の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5276079A JP2519666B2 (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | カオリン質粘土の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07101717A JPH07101717A (ja) | 1995-04-18 |
JP2519666B2 true JP2519666B2 (ja) | 1996-07-31 |
Family
ID=17564517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5276079A Expired - Fee Related JP2519666B2 (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | カオリン質粘土の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2519666B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4904474B2 (ja) * | 2006-05-29 | 2012-03-28 | 北陸電力株式会社 | リンの浄化回収方法およびリンの浄化回収装置 |
CN107344141B (zh) * | 2017-08-02 | 2019-12-13 | 曲靖市沾益区龙鑫资源回收有限公司 | 一种煤泥提取精煤的工艺 |
-
1993
- 1993-10-06 JP JP5276079A patent/JP2519666B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07101717A (ja) | 1995-04-18 |
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