JP2519655B2 - 空気噴射式織機用補助ノズル及びその製造方法 - Google Patents
空気噴射式織機用補助ノズル及びその製造方法Info
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- JP2519655B2 JP2519655B2 JP5164187A JP16418793A JP2519655B2 JP 2519655 B2 JP2519655 B2 JP 2519655B2 JP 5164187 A JP5164187 A JP 5164187A JP 16418793 A JP16418793 A JP 16418793A JP 2519655 B2 JP2519655 B2 JP 2519655B2
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- D03—WEAVING
- D03D—WOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
- D03D47/00—Looms in which bulk supply of weft does not pass through shed, e.g. shuttleless looms, gripper shuttle looms, dummy shuttle looms
- D03D47/28—Looms in which bulk supply of weft does not pass through shed, e.g. shuttleless looms, gripper shuttle looms, dummy shuttle looms wherein the weft itself is projected into the shed
- D03D47/30—Looms in which bulk supply of weft does not pass through shed, e.g. shuttleless looms, gripper shuttle looms, dummy shuttle looms wherein the weft itself is projected into the shed by gas jet
- D03D47/3006—Construction of the nozzles
- D03D47/302—Auxiliary nozzles
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- Textile Engineering (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気噴射式織機にお
いて、経糸開口を通る緯糸に飛走力を付加するために緯
糸通路に沿って配設される補助ノズルに関するものであ
る。
いて、経糸開口を通る緯糸に飛走力を付加するために緯
糸通路に沿って配設される補助ノズルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】空気噴射式織機は、緯入れするために、
主ノズルから噴射される空気噴流と、緯糸通路に沿って
配置された補助ノズルから噴射される空気噴流とを用い
て緯糸を飛走させている。空気噴流は拡散しやすく噴流
の速度低下が著しいことから、主ノズルからの空気噴流
だけでは緯糸を織布の全幅まで飛走させることが困難で
ある。そこで補助ノズルからの空気噴流によって、緯糸
の飛走通路の空気噴流の速度および流量を補うことによ
り、緯糸は織布の全幅まで飛走し、完全な緯入れが達成
される。
主ノズルから噴射される空気噴流と、緯糸通路に沿って
配置された補助ノズルから噴射される空気噴流とを用い
て緯糸を飛走させている。空気噴流は拡散しやすく噴流
の速度低下が著しいことから、主ノズルからの空気噴流
だけでは緯糸を織布の全幅まで飛走させることが困難で
ある。そこで補助ノズルからの空気噴流によって、緯糸
の飛走通路の空気噴流の速度および流量を補うことによ
り、緯糸は織布の全幅まで飛走し、完全な緯入れが達成
される。
【0003】補助ノズルは、緯糸の飛走に必要かつ充分
な量と速度の空気を飛走通路内に送り込む機能を要求さ
れるため、噴流の方向を安定させることと、噴流の速度
の減衰を小さくすることが重要な技術的課題となる。特
に補助ノズルは、経糸の間から経糸開口内へ挿入しなけ
ればならないので、補助ノズルの延在方向と空気の噴出
方向とがほぼ直角となり、補助ノズルの空胴内を軸方向
に流れる空気を噴出方向に円滑に変換することが、方向
の安定した収束性の良い空気噴流を得るために重要であ
る。従来の装置ではたとえば特開昭60−173143
号公報、特開平1−85346号公報などに典型的に示
されているように、補助ノズルの空胴内の空気をノズル
孔に導くように、補助ノズルの内面を補助ノズルの軸線
に対して非対称な形状とすることにより、空気噴流の方
向性および収束性を確保していた。
な量と速度の空気を飛走通路内に送り込む機能を要求さ
れるため、噴流の方向を安定させることと、噴流の速度
の減衰を小さくすることが重要な技術的課題となる。特
に補助ノズルは、経糸の間から経糸開口内へ挿入しなけ
ればならないので、補助ノズルの延在方向と空気の噴出
方向とがほぼ直角となり、補助ノズルの空胴内を軸方向
に流れる空気を噴出方向に円滑に変換することが、方向
の安定した収束性の良い空気噴流を得るために重要であ
る。従来の装置ではたとえば特開昭60−173143
号公報、特開平1−85346号公報などに典型的に示
されているように、補助ノズルの空胴内の空気をノズル
孔に導くように、補助ノズルの内面を補助ノズルの軸線
に対して非対称な形状とすることにより、空気噴流の方
向性および収束性を確保していた。
【0004】また従来の補助ノズルのノズル孔は、主と
して放電加工により穿孔されており、ノズル孔の周面は
円筒ないし外方に向かってわずかに拡径する円錐面とな
っていた。また従来の補助ノズルは、主としてステンレ
スパイプで製作されており、経糸との接触による摩耗の
問題が提起されていたが、近時補助ノズルを耐摩耗性に
優れたセラミックス焼結体で形成することにより、この
問題を解決しようとする試みがなされている。
して放電加工により穿孔されており、ノズル孔の周面は
円筒ないし外方に向かってわずかに拡径する円錐面とな
っていた。また従来の補助ノズルは、主としてステンレ
スパイプで製作されており、経糸との接触による摩耗の
問題が提起されていたが、近時補助ノズルを耐摩耗性に
優れたセラミックス焼結体で形成することにより、この
問題を解決しようとする試みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の補助ノズルは、
供給する圧縮空気の圧力(空気流量)が変化すると、噴
射角度が大きく変化するという問題があった。通常ノズ
ルの内圧を高くすると、すなわちノズル孔からの空気噴
流の速度を大きくすると、噴流が下方に偏向する傾向が
ある。緯入れ時の空気噴流の量および速度は糸種によっ
て異なり、糸種によって補助ノズルに供給する空気の圧
力を調整しなければならない。圧力の変化によって噴射
角度が変化すると、圧力調整に伴って補助ノズルの高さ
及び角度も調整する必要があり、段取り替えが煩雑にな
る。また経糸を掛けたままの状態で補助ノズルの高さ及
び角度を調整することは、実際上困難である。
供給する圧縮空気の圧力(空気流量)が変化すると、噴
射角度が大きく変化するという問題があった。通常ノズ
ルの内圧を高くすると、すなわちノズル孔からの空気噴
流の速度を大きくすると、噴流が下方に偏向する傾向が
ある。緯入れ時の空気噴流の量および速度は糸種によっ
て異なり、糸種によって補助ノズルに供給する空気の圧
力を調整しなければならない。圧力の変化によって噴射
角度が変化すると、圧力調整に伴って補助ノズルの高さ
及び角度も調整する必要があり、段取り替えが煩雑にな
る。また経糸を掛けたままの状態で補助ノズルの高さ及
び角度を調整することは、実際上困難である。
【0006】また従来の補助ノズルは、補助ノズルの空
胴に非対称な流路を形成したことに伴い、外形も左右非
対称となること及び補助ノズルの取付角度を経糸に対し
て平行にしていないことにより、単に経糸だけでなくオ
サへも損傷を与える危険があった。
胴に非対称な流路を形成したことに伴い、外形も左右非
対称となること及び補助ノズルの取付角度を経糸に対し
て平行にしていないことにより、単に経糸だけでなくオ
サへも損傷を与える危険があった。
【0007】また従来の補助ノズルは、空気噴流の速度
減衰率が大きいため、補助ノズルの取付間隔を狭くする
必要があり、補助ノズルの本数が多くなり、圧縮空気の
消費量も増大して、織機のランニングコストを増大させ
る問題があった。
減衰率が大きいため、補助ノズルの取付間隔を狭くする
必要があり、補助ノズルの本数が多くなり、圧縮空気の
消費量も増大して、織機のランニングコストを増大させ
る問題があった。
【0008】そこでこの発明は、簡単な構造でかつ補助
ノズルを非対称な形状にすることなく、空気噴流の方向
安定性及び収束性に優れ、しかも空気噴流速度の減衰率
を小さくすることにより、補助ノズル設置本数も少なく
することができ、ひいては圧縮空気量の削減が可能な構
造の補助ノズルを得ることを第1の課題としている。
ノズルを非対称な形状にすることなく、空気噴流の方向
安定性及び収束性に優れ、しかも空気噴流速度の減衰率
を小さくすることにより、補助ノズル設置本数も少なく
することができ、ひいては圧縮空気量の削減が可能な構
造の補助ノズルを得ることを第1の課題としている。
【0009】さらにこの発明は、補助ノズルの材質とし
て、従来の金属系材料はもとより、セラミックス焼結体
が優れていることに鑑み、ガラス質を含めたセラミック
ス系の材料で上記構造の補助ノズルを製造する方法を得
ることを第2の課題としている。
て、従来の金属系材料はもとより、セラミックス焼結体
が優れていることに鑑み、ガラス質を含めたセラミック
ス系の材料で上記構造の補助ノズルを製造する方法を得
ることを第2の課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明では、偏平断面
形状に成形したパイプ1の閉鎖した先端の一偏平面中央
にノズル孔3を設けた空気噴射式織機用補助ノズルにお
いて、ノズル孔3の直下のパイプ1の内面に突起2を設
けることにより、上記第1の課題を解決している。
形状に成形したパイプ1の閉鎖した先端の一偏平面中央
にノズル孔3を設けた空気噴射式織機用補助ノズルにお
いて、ノズル孔3の直下のパイプ1の内面に突起2を設
けることにより、上記第1の課題を解決している。
【0011】上記構造の補助ノズルにおいては、パイプ
1の偏平部5の中空部の厚さ方向寸法bを一定で平行と
してもよいが、パイプ1の先端に向かってその軸線に対
称にかつ等しい変化率で1段または2段の角度で漸減す
る形状とするのが好ましく、また、ノズル孔3の内周面
4を、外側に向けて小径となる円錐面とするのが好まし
い。
1の偏平部5の中空部の厚さ方向寸法bを一定で平行と
してもよいが、パイプ1の先端に向かってその軸線に対
称にかつ等しい変化率で1段または2段の角度で漸減す
る形状とするのが好ましく、また、ノズル孔3の内周面
4を、外側に向けて小径となる円錐面とするのが好まし
い。
【0012】パイプ1は、従来のようにステンレス等の
金属製とすることができ、更には強化ガラス製も可能で
この場合にはポンチやプレスなどによりパイプ1の外壁
を内側に塑性変形させることにより上記突起2を形成す
ることができる。またパイプ1は、その少なくとも先端
部外壁をセラミックス焼結体で形成することにより、耐
磨耗性の向上および経糸の損傷の防止を図ることができ
る。
金属製とすることができ、更には強化ガラス製も可能で
この場合にはポンチやプレスなどによりパイプ1の外壁
を内側に塑性変形させることにより上記突起2を形成す
ることができる。またパイプ1は、その少なくとも先端
部外壁をセラミックス焼結体で形成することにより、耐
磨耗性の向上および経糸の損傷の防止を図ることができ
る。
【0013】上記構造のセラミックス焼結体の補助ノズ
ルは、パイプ1の内面に形成する突起2に対応する凹部
を設けた抜取可能な中子型を用いて射出成型することに
より製造できる。あるいは凹部を設けたワックスまたは
樹脂製中子を用いて射出成形ないし鋳込み成形によりグ
リーン体を成形し、このグリーン体の脱脂工程ないし予
備焼結工程で中子を蒸発または燃焼除去する方法で製造
することができる。
ルは、パイプ1の内面に形成する突起2に対応する凹部
を設けた抜取可能な中子型を用いて射出成型することに
より製造できる。あるいは凹部を設けたワックスまたは
樹脂製中子を用いて射出成形ないし鋳込み成形によりグ
リーン体を成形し、このグリーン体の脱脂工程ないし予
備焼結工程で中子を蒸発または燃焼除去する方法で製造
することができる。
【0014】また他の方法として、軸方向に脱型可能な
先細り形状の中子を用いて射出成形ないし鋳込み成形に
よりグリーン体を成形した後、中子を軸方向に抜き取る
か、または鋳込成形法により中空状のグリーン体を形成
した後、その最終焼結工程の前の段階でセラミックスの
高粘度スラリーないし粘土状材料で成形した突起片(突
起2の形状をした小片)を接合してパイプ1の内面に突
起2を形成し、その後パイプ1と共に突起2を焼結する
方法や、同様な方法で成形したグリーン体ないしその焼
結体のパイプ1に、突起片を2液混合硬化性ないし熱硬
化性樹脂の接着剤で接合する方法や、上記樹脂自体で突
起2を形成する方法などを採用することができる。
先細り形状の中子を用いて射出成形ないし鋳込み成形に
よりグリーン体を成形した後、中子を軸方向に抜き取る
か、または鋳込成形法により中空状のグリーン体を形成
した後、その最終焼結工程の前の段階でセラミックスの
高粘度スラリーないし粘土状材料で成形した突起片(突
起2の形状をした小片)を接合してパイプ1の内面に突
起2を形成し、その後パイプ1と共に突起2を焼結する
方法や、同様な方法で成形したグリーン体ないしその焼
結体のパイプ1に、突起片を2液混合硬化性ないし熱硬
化性樹脂の接着剤で接合する方法や、上記樹脂自体で突
起2を形成する方法などを採用することができる。
【0015】突起2を接合により形成するときは、突起
片などをパイプ1の基端から細長い把持具を用いてパイ
プ1内に挿入して接合する方法の他、グリーン段階のパ
イプ1の突起形成部にパイプ壁を貫通する嵌合穴を設
け、突起2をこの嵌合穴に埋め込んだ状態で接合するこ
とも可能である。
片などをパイプ1の基端から細長い把持具を用いてパイ
プ1内に挿入して接合する方法の他、グリーン段階のパ
イプ1の突起形成部にパイプ壁を貫通する嵌合穴を設
け、突起2をこの嵌合穴に埋め込んだ状態で接合するこ
とも可能である。
【0016】
【作用】ノズル孔3の直下のパイプ1の内面に突起2を
設けた補助ノズルは、パイプ1の軸線方向に流れた空気
が突起2を乗り越えた後ノズル孔3に向けて屈折するよ
うに流れるので、噴出方向への空気流の転向が円滑に行
われる。この空気の転向作用を得るには、突起2はある
程度の高さが必要である。突起2形成部分で空気流が絞
られるのを避けたいときは、突起2の幅wをパイプ1の
内幅Bよりも短くして、突起2の両側に空気をノズル先
端に回り込ませる通路を形成してやればよい。
設けた補助ノズルは、パイプ1の軸線方向に流れた空気
が突起2を乗り越えた後ノズル孔3に向けて屈折するよ
うに流れるので、噴出方向への空気流の転向が円滑に行
われる。この空気の転向作用を得るには、突起2はある
程度の高さが必要である。突起2形成部分で空気流が絞
られるのを避けたいときは、突起2の幅wをパイプ1の
内幅Bよりも短くして、突起2の両側に空気をノズル先
端に回り込ませる通路を形成してやればよい。
【0017】突起2の断面形状について出願人が行った
実験では、突起2の断面を四角形(図4、5)としたも
のと半円形(図6)としたものとの間にあまり有意差は
認められなかった。これは、突起それ自体が小さいため
に流体抵抗がほとんど無視できること、及び、どのよう
な断面形状の突起であれ、ノズル孔の直下に突起を設け
ること自体による空気の転向作用効果が非常に大きいこ
とを示すものと考えられる。
実験では、突起2の断面を四角形(図4、5)としたも
のと半円形(図6)としたものとの間にあまり有意差は
認められなかった。これは、突起それ自体が小さいため
に流体抵抗がほとんど無視できること、及び、どのよう
な断面形状の突起であれ、ノズル孔の直下に突起を設け
ること自体による空気の転向作用効果が非常に大きいこ
とを示すものと考えられる。
【0018】ノズル先端における空気の転向が突起2を
設けることによって効果的に達成されるので、パイプ1
は従来の形状でもよいが、その先端に向けて軸対称に1
段または2段の角度で滑らかに絞られた形状とすること
ができ、経糸やオサの損傷を小さくできるとともに、特
にセラミックス焼結体で補助ノズルを形成するときの成
形性が向上する。
設けることによって効果的に達成されるので、パイプ1
は従来の形状でもよいが、その先端に向けて軸対称に1
段または2段の角度で滑らかに絞られた形状とすること
ができ、経糸やオサの損傷を小さくできるとともに、特
にセラミックス焼結体で補助ノズルを形成するときの成
形性が向上する。
【0019】また外側に向けて縮径された円錐状のノズ
ル孔3は、空気噴流を絞って収束させる作用をなし、突
起の作用効果と複合して、空気噴流の拡散を防止し、噴
流の到達距離を長くする効果が得られる。
ル孔3は、空気噴流を絞って収束させる作用をなし、突
起の作用効果と複合して、空気噴流の拡散を防止し、噴
流の到達距離を長くする効果が得られる。
【0020】一方セラミックス焼結体や強化ガラスで製
作した補助ノズルは、経糸との摺接による摩耗が小さ
く、摩耗した場合にも経糸に損傷を与えるような凹凸や
バリが生じないという長所がある。この発明の補助ノズ
ルは、ノズル孔3の直下に突起2を設けることにより、
従来形状のみならず、パイプ1の内面を軸対称で等しい
変化率で、1段または2段の角度で先細り形状にでき
る。上述したこの発明の方法によれば、セラミックス製
のパイプ1の内面に突起2を簡単な工程で形成できるの
で、補助ノズルを安価に製作することができる。
作した補助ノズルは、経糸との摺接による摩耗が小さ
く、摩耗した場合にも経糸に損傷を与えるような凹凸や
バリが生じないという長所がある。この発明の補助ノズ
ルは、ノズル孔3の直下に突起2を設けることにより、
従来形状のみならず、パイプ1の内面を軸対称で等しい
変化率で、1段または2段の角度で先細り形状にでき
る。上述したこの発明の方法によれば、セラミックス製
のパイプ1の内面に突起2を簡単な工程で形成できるの
で、補助ノズルを安価に製作することができる。
【0021】
【実施例】図1ないし3はこの発明の補助ノズルの第1
実施例を示したものである。各部の寸法は長さLが42
mm、基端部の内径Dが3.4mm、偏平部の先端から
の長さSが23.7mm、正面の先端半径Rが2mm、
パイプの肉厚tが0.3mm、側面方向先端半径rが
0.8mmである。偏平部5は、頂角θが6度で、直線
状にかつ軸線Aに対称に絞られている。ノズル孔3は、
先端からの寸法aが2mmの位置に直径dが1.5mm
の孔として穿孔されており、その内周面は頂角Φが40
度の外側に向けて絞られた円錐面となっている。突起2
は、パイプ先端からの寸法cが4mmの位置に薄い板状
に設けられており、高さはノズルの中心軸線Aに達する
高さである。
実施例を示したものである。各部の寸法は長さLが42
mm、基端部の内径Dが3.4mm、偏平部の先端から
の長さSが23.7mm、正面の先端半径Rが2mm、
パイプの肉厚tが0.3mm、側面方向先端半径rが
0.8mmである。偏平部5は、頂角θが6度で、直線
状にかつ軸線Aに対称に絞られている。ノズル孔3は、
先端からの寸法aが2mmの位置に直径dが1.5mm
の孔として穿孔されており、その内周面は頂角Φが40
度の外側に向けて絞られた円錐面となっている。突起2
は、パイプ先端からの寸法cが4mmの位置に薄い板状
に設けられており、高さはノズルの中心軸線Aに達する
高さである。
【0022】図4、図5及び図6は、出願人が実験に供
した第2実施例の突起形状を示したものである。図4、
図5に示したものは、第1実施例と同様に形成したノズ
ル孔3の中心からの距離eが1.1mmの位置にノズル
孔側の側面6がくるように、高さhが0.6mmの断面
四角形状の突起2を設けたもので、突起2の幅wは1.
7mmである。
した第2実施例の突起形状を示したものである。図4、
図5に示したものは、第1実施例と同様に形成したノズ
ル孔3の中心からの距離eが1.1mmの位置にノズル
孔側の側面6がくるように、高さhが0.6mmの断面
四角形状の突起2を設けたもので、突起2の幅wは1.
7mmである。
【0023】また図6に示した第3実施例は、第1実施
例と同形状のノズル孔3の中心からの距離fが1.5m
mの位置に中心を有する半径gが0.625mmの半円
状断面の突起2を設けたもので、突起2の幅は第2実施
例のものと同様に1.7mmである。なお実験にはd寸
法とa寸法を種々変化させとものを使用した。更に図7
は2段の角度で先端に向かって漸減した試作図面であ
る。更に第4実施例として、図8に示した形状の従来構
造のノズルに図6の半円状断面突起2を第3実施例と同
じ寸法に形成した補助ノズルを作り実験を行った。
例と同形状のノズル孔3の中心からの距離fが1.5m
mの位置に中心を有する半径gが0.625mmの半円
状断面の突起2を設けたもので、突起2の幅は第2実施
例のものと同様に1.7mmである。なお実験にはd寸
法とa寸法を種々変化させとものを使用した。更に図7
は2段の角度で先端に向かって漸減した試作図面であ
る。更に第4実施例として、図8に示した形状の従来構
造のノズルに図6の半円状断面突起2を第3実施例と同
じ寸法に形成した補助ノズルを作り実験を行った。
【0024】実験の結果、突起2は、ノズル孔3の端か
ら突起2の上端までの距離がノズル孔3の直径d以下と
なるように、すなわち図4の畝状(四角形)突起の場
合、eはd/2より大きくかつ3d/2以下で、図6の
半円形突起の場合、fは(d/2)+gより大きくかつ
(3d/2)−g以下となるように設ける必要がある。
突起2をこれより離れた位置に設けた場合には、空気流
の安定した転向作用が得られず、噴流の方向を安定させ
ることは困難である。また突起2を設けた部分における
パイプ1の導管断面積は、ノズル孔3の面積よりも大き
くなければならない。パイプ1の導管断面積がノズル孔
3の面積より小さくなると、パイプ内での圧力損失が大
きくなると共に、流速の不安定な噴流となる。
ら突起2の上端までの距離がノズル孔3の直径d以下と
なるように、すなわち図4の畝状(四角形)突起の場
合、eはd/2より大きくかつ3d/2以下で、図6の
半円形突起の場合、fは(d/2)+gより大きくかつ
(3d/2)−g以下となるように設ける必要がある。
突起2をこれより離れた位置に設けた場合には、空気流
の安定した転向作用が得られず、噴流の方向を安定させ
ることは困難である。また突起2を設けた部分における
パイプ1の導管断面積は、ノズル孔3の面積よりも大き
くなければならない。パイプ1の導管断面積がノズル孔
3の面積より小さくなると、パイプ内での圧力損失が大
きくなると共に、流速の不安定な噴流となる。
【0025】図9は、従来構造の補助ノズル、図1、2
の形状の補助ノズルに突起を設けたものと設けないも
の、及び図6の半円状断面の突起2を設けた補助ノズル
について、その流量と偏向角の関係を計測した結果を示
したものである。図の横軸は空気流量Q(normal
liter/min)、縦軸は偏向角θz(degr
ee)で、試料No.1は従来構造のもの、試料No.
2〜4は突起を設けない図1及び図2の形状のもの、試
料No.5〜8は突起2を設けた図1及び図2の形状の
ものである。また試料No.9は試料No.1に半円状
断面突起2を設けた第4実施例のものである。各試料の
dはノズル孔の直径、aはパイプ先端からノズル孔の中
心までの距離を示す。
の形状の補助ノズルに突起を設けたものと設けないも
の、及び図6の半円状断面の突起2を設けた補助ノズル
について、その流量と偏向角の関係を計測した結果を示
したものである。図の横軸は空気流量Q(normal
liter/min)、縦軸は偏向角θz(degr
ee)で、試料No.1は従来構造のもの、試料No.
2〜4は突起を設けない図1及び図2の形状のもの、試
料No.5〜8は突起2を設けた図1及び図2の形状の
ものである。また試料No.9は試料No.1に半円状
断面突起2を設けた第4実施例のものである。各試料の
dはノズル孔の直径、aはパイプ先端からノズル孔の中
心までの距離を示す。
【0026】図9から判るように、この発明の補助ノズ
ルでは、ノズル孔3の位置を適切に選び、突起2を設け
ることにより、試料No.5と8に示すごとく、流量の
変化に対する空気噴射方向の変化を大幅に小さくするこ
とができる。同様に、偏平部が平行な試料No.1とN
o.9とを比較するとNo.9の偏向角の変化が小さい
ことが判る。なお試料No.8と同一形状でノズル孔部
をパイプ内面及び外面ともにd=1.58のストレート
孔としたものは、偏向角の変化が3.5度まで増加し
た。このことから、突起2と図3の形状のノズル孔とを
同時形成することにより、偏向角の変化を更に小さくす
る複合効果が得られることが明らかになった。
ルでは、ノズル孔3の位置を適切に選び、突起2を設け
ることにより、試料No.5と8に示すごとく、流量の
変化に対する空気噴射方向の変化を大幅に小さくするこ
とができる。同様に、偏平部が平行な試料No.1とN
o.9とを比較するとNo.9の偏向角の変化が小さい
ことが判る。なお試料No.8と同一形状でノズル孔部
をパイプ内面及び外面ともにd=1.58のストレート
孔としたものは、偏向角の変化が3.5度まで増加し
た。このことから、突起2と図3の形状のノズル孔とを
同時形成することにより、偏向角の変化を更に小さくす
る複合効果が得られることが明らかになった。
【0027】一方、2段の角度で先端に向かって厚みを
漸減した補助ノズルは、経糸と接触する部分の厚みが小
さくなるので、経糸との接触抵抗が1段角のものより軽
減され、更に優れた織物が得られる。
漸減した補助ノズルは、経糸と接触する部分の厚みが小
さくなるので、経糸との接触抵抗が1段角のものより軽
減され、更に優れた織物が得られる。
【0028】図10はこの発明の突起2を設けた補助ノ
ズルと従来構造の補助ノズルについて、圧力特性を測定
した結果を示したものである。図の横軸は空気流量Q
(normal liter/min)、縦軸は従来構
造の補助ノズルに必要な圧力を100とした時のこの発
明の補助ノズルに必要な圧力である。図から分かるよう
に、この発明の補助ノズルでは、従来構造の補助ノズル
に必要な圧力よりも小さい圧力で、従来構造の補助ノズ
ルと同じ流量を得ることができる。また、このことか
ら、この発明の補助ノズルでは空気圧縮機が必要とする
動力を少なくすることができる。
ズルと従来構造の補助ノズルについて、圧力特性を測定
した結果を示したものである。図の横軸は空気流量Q
(normal liter/min)、縦軸は従来構
造の補助ノズルに必要な圧力を100とした時のこの発
明の補助ノズルに必要な圧力である。図から分かるよう
に、この発明の補助ノズルでは、従来構造の補助ノズル
に必要な圧力よりも小さい圧力で、従来構造の補助ノズ
ルと同じ流量を得ることができる。また、このことか
ら、この発明の補助ノズルでは空気圧縮機が必要とする
動力を少なくすることができる。
【0029】図11は、従来構造の補助ノズル、図1、
2の形状の補助ノズルで突起を設けたものと設けないも
の、及び半円状断面の突起2を設けた補助ノズルについ
て、その流量と速度減衰率の関係を計測した結果を示し
たものである。図の横軸は空気流量Q(normal
liter/min),縦軸はノズル孔3から噴出方向
に50mmと100mm離れた位置における噴流中心速
度U50とU100との比率で、試料No.1は従来構
造のもの、試料No.2〜4は突起を設けない図1、2
の形状のもの、試料No.5〜8は突起2を設けた図
1、2の形状のものである。試料No.9は試料No.
1に半円状断面突起2を設けたものである。各試料のd
はノズル孔の直径、aはパイプ先端からノズル孔の中心
までの距離を示す。図から分かるように、この発明の補
助ノズルでは、従来構造の補助ノズルよりも、各流量に
対して速度減衰率を小さくすることができる。
2の形状の補助ノズルで突起を設けたものと設けないも
の、及び半円状断面の突起2を設けた補助ノズルについ
て、その流量と速度減衰率の関係を計測した結果を示し
たものである。図の横軸は空気流量Q(normal
liter/min),縦軸はノズル孔3から噴出方向
に50mmと100mm離れた位置における噴流中心速
度U50とU100との比率で、試料No.1は従来構
造のもの、試料No.2〜4は突起を設けない図1、2
の形状のもの、試料No.5〜8は突起2を設けた図
1、2の形状のものである。試料No.9は試料No.
1に半円状断面突起2を設けたものである。各試料のd
はノズル孔の直径、aはパイプ先端からノズル孔の中心
までの距離を示す。図から分かるように、この発明の補
助ノズルでは、従来構造の補助ノズルよりも、各流量に
対して速度減衰率を小さくすることができる。
【0030】この発明の補助ノズルは、金属材料のみな
らずセラミックスやサーメット、及び超硬質合金等の材
料で製作することができる。セラミックスで製作すると
きは、曲げ強さは少なくとも5MPで好ましくは10M
P(100kg/平方mm)以上、ロックウエルA硬度
90以上の焼結体とすべきであり、より好ましくは曲げ
強さ12MP以上の材料で形成することにより繰り返し
応力による補助ノズルの破損を防止できるとともに、経
糸との摺擦によるノズル先端部の摩耗及びノズル孔の摩
耗を飛躍的に減少させることができる。セラミックス製
の補助ノズルは、仮にノズル先端部に若干の摩耗が生じ
た場合でも、均一に摩耗して面粗度が劣化せず、バリが
発生しないので、経糸にけば立ち等を生じさせる虞がな
い。また強化ガラスで製作する場合は、材料強度不足を
補うために、パイプ肉厚を厚くすることにより折損を防
止できる。
らずセラミックスやサーメット、及び超硬質合金等の材
料で製作することができる。セラミックスで製作すると
きは、曲げ強さは少なくとも5MPで好ましくは10M
P(100kg/平方mm)以上、ロックウエルA硬度
90以上の焼結体とすべきであり、より好ましくは曲げ
強さ12MP以上の材料で形成することにより繰り返し
応力による補助ノズルの破損を防止できるとともに、経
糸との摺擦によるノズル先端部の摩耗及びノズル孔の摩
耗を飛躍的に減少させることができる。セラミックス製
の補助ノズルは、仮にノズル先端部に若干の摩耗が生じ
た場合でも、均一に摩耗して面粗度が劣化せず、バリが
発生しないので、経糸にけば立ち等を生じさせる虞がな
い。また強化ガラスで製作する場合は、材料強度不足を
補うために、パイプ肉厚を厚くすることにより折損を防
止できる。
【0031】セラミックスを原料とするときは、ジルコ
ニア系セラミックスを使用することが好ましく、焼結方
法として等方加圧焼結(HIP)を採用することが好ま
しい。たとえば原料として2.5mol%イットリアで
部分安定化したジルコニアスラリーを用いた成形法によ
ってグリーン体を成形し、この段階で超硬合金製ドリル
またはダイヤモンドドリルでノズル孔3の下孔を穿設し
た後、大気雰囲気炉で温度1450℃のもとで2時間焼
結し、さらに不活性ガス(アルゴン)雰囲気炉で温度1
000〜1450℃、加圧力1000kg/平方cm以
上の条件でHIP処理を行なうことにより、曲げ強さ1
20kg/平方mm以上、比重6.05以上、ロックウ
エルA硬度90.5の補助ノズルとして好適なセラミッ
クス焼結体を得ることができる。
ニア系セラミックスを使用することが好ましく、焼結方
法として等方加圧焼結(HIP)を採用することが好ま
しい。たとえば原料として2.5mol%イットリアで
部分安定化したジルコニアスラリーを用いた成形法によ
ってグリーン体を成形し、この段階で超硬合金製ドリル
またはダイヤモンドドリルでノズル孔3の下孔を穿設し
た後、大気雰囲気炉で温度1450℃のもとで2時間焼
結し、さらに不活性ガス(アルゴン)雰囲気炉で温度1
000〜1450℃、加圧力1000kg/平方cm以
上の条件でHIP処理を行なうことにより、曲げ強さ1
20kg/平方mm以上、比重6.05以上、ロックウ
エルA硬度90.5の補助ノズルとして好適なセラミッ
クス焼結体を得ることができる。
【0032】グリーン体の成形方法としては、射出成形
法、遠心鋳造法、鋳込み法、ラバープレス法および粘土
状混練体の湿式プレス法等が採用できる。突起2をパイ
プ1と一体に成形するときは、射出成形法を採用するの
が好適である。また別方法としては、突起を含むノズル
内径形状の割型(金属、樹脂など)をあたためた状態に
して80℃程度に加熱溶融したパラフィンワックスを流
し込み、その後冷却、脱型してノズル内径形状の固化し
たワックス型を製作し、このワックス型を中子にしてセ
ラミックスを鋳込成形する。その後ワックス型のついた
成形体をそのまま脱脂炉で従来の脱脂処理と同様の処理
を行ってワックス型を取り除き、更に焼成して内面に突
起を有する一体型のセラミックスノズル焼結体を得る。
なおノズル孔3は、グリーン段階で超硬合金製ドリルな
いしダイヤモンドドリルで穿孔したものを焼結し、逆円
錐状の砥石で研削及び研磨することにより経済的に形成
できる。
法、遠心鋳造法、鋳込み法、ラバープレス法および粘土
状混練体の湿式プレス法等が採用できる。突起2をパイ
プ1と一体に成形するときは、射出成形法を採用するの
が好適である。また別方法としては、突起を含むノズル
内径形状の割型(金属、樹脂など)をあたためた状態に
して80℃程度に加熱溶融したパラフィンワックスを流
し込み、その後冷却、脱型してノズル内径形状の固化し
たワックス型を製作し、このワックス型を中子にしてセ
ラミックスを鋳込成形する。その後ワックス型のついた
成形体をそのまま脱脂炉で従来の脱脂処理と同様の処理
を行ってワックス型を取り除き、更に焼成して内面に突
起を有する一体型のセラミックスノズル焼結体を得る。
なおノズル孔3は、グリーン段階で超硬合金製ドリルな
いしダイヤモンドドリルで穿孔したものを焼結し、逆円
錐状の砥石で研削及び研磨することにより経済的に形成
できる。
【0033】突起2は、パイプ1を成形した後に後付け
によって形成することもできる。射出成形、鋳込成形に
より中空状のグリーン体を成形した後に成形体と同種の
スラリーを用いて突起片を製作し、同種のスラリーを用
いてこの突起片を接着する。この際グリーン体が完全に
乾燥していると急激にスラリー中の溶媒を吸収し接着し
ないので適度に希釈したスラリーや溶媒を付与すると効
果的である。
によって形成することもできる。射出成形、鋳込成形に
より中空状のグリーン体を成形した後に成形体と同種の
スラリーを用いて突起片を製作し、同種のスラリーを用
いてこの突起片を接着する。この際グリーン体が完全に
乾燥していると急激にスラリー中の溶媒を吸収し接着し
ないので適度に希釈したスラリーや溶媒を付与すると効
果的である。
【0034】突起2のパイプ1内への接合は、パイプ1
の開口端から細長い保持具を用いて突起2を挿入して行
う方法のほか、ノズル孔3の直下に矩形ないし長円形の
嵌合穴を有する形状にグリーン体を成形するか、あるい
はグリーン体を成形したあと嵌合穴を穿孔し、この嵌合
穴に基部を嵌め込んだ状態で突起2を接合することもで
きる。その例としては、部分安定化ZrO2 (3mol
%Y2 O3 )粉末に重量%で25〜30%の水分を加
え、分散剤0.3%、ワックス1〜5%を混合して得た
スラリーを脱泡し、ノズル外形寸法を25%割掛した石
膏型に流し込み、所定の肉厚になったところで排泥し脱
型乾燥する。この成形体にエンドミルで長円形の嵌合穴
を設け、その部分に予め準備しておいた同材質の突起片
を嵌め込み、隙間を同種のスラリーで埋めて一体の成形
体とすることができる。
の開口端から細長い保持具を用いて突起2を挿入して行
う方法のほか、ノズル孔3の直下に矩形ないし長円形の
嵌合穴を有する形状にグリーン体を成形するか、あるい
はグリーン体を成形したあと嵌合穴を穿孔し、この嵌合
穴に基部を嵌め込んだ状態で突起2を接合することもで
きる。その例としては、部分安定化ZrO2 (3mol
%Y2 O3 )粉末に重量%で25〜30%の水分を加
え、分散剤0.3%、ワックス1〜5%を混合して得た
スラリーを脱泡し、ノズル外形寸法を25%割掛した石
膏型に流し込み、所定の肉厚になったところで排泥し脱
型乾燥する。この成形体にエンドミルで長円形の嵌合穴
を設け、その部分に予め準備しておいた同材質の突起片
を嵌め込み、隙間を同種のスラリーで埋めて一体の成形
体とすることができる。
【0035】突起片を焼結した後で接着を施すことも可
能であるが、焼結体とした場合にはノズルに設けた嵌合
穴と突起片の形状を正確に合わせないとエアー漏れが生
じたり後工程での表面仕上げに手間がかかる。
能であるが、焼結体とした場合にはノズルに設けた嵌合
穴と突起片の形状を正確に合わせないとエアー漏れが生
じたり後工程での表面仕上げに手間がかかる。
【0036】また突起2を後付けにより接合する場合に
は、軸方向に脱型可能な先細り形状の中子を用いて成形
するか中空状パイプを鋳込法により形成した後焼結した
セラミックス製パイプの内面にセラミックス、金属、樹
脂などで予め製作した突起片をエポキシ系などの高強度
な接着剤で接着する方法を採用することもできる。この
ときの接着剤としてはたとえばエポキシ系の熱硬化性樹
脂及び2液硬化性樹脂などを使用することができる。ま
た接着剤自体で突起2を形成することも可能である。
は、軸方向に脱型可能な先細り形状の中子を用いて成形
するか中空状パイプを鋳込法により形成した後焼結した
セラミックス製パイプの内面にセラミックス、金属、樹
脂などで予め製作した突起片をエポキシ系などの高強度
な接着剤で接着する方法を採用することもできる。この
ときの接着剤としてはたとえばエポキシ系の熱硬化性樹
脂及び2液硬化性樹脂などを使用することができる。ま
た接着剤自体で突起2を形成することも可能である。
【0037】また補助ノズルのパイプ1をステンレス等
の金属製とした場合には、パイプを成形した後、ポンチ
の打ち込みやプレスなどにより管壁を部分的に内側に変
形させて突起2を形成することができる。更に強化ガラ
ス特に繊維強化ガラス等で補助ノズルを形成する場合に
は、硬化前の塑性変形可能段階で管壁押込治具により部
分的に内側に変形させて突起2を形成することができ
る。
の金属製とした場合には、パイプを成形した後、ポンチ
の打ち込みやプレスなどにより管壁を部分的に内側に変
形させて突起2を形成することができる。更に強化ガラ
ス特に繊維強化ガラス等で補助ノズルを形成する場合に
は、硬化前の塑性変形可能段階で管壁押込治具により部
分的に内側に変形させて突起2を形成することができ
る。
【0038】
【発明の効果】この発明により下記のような効果が得ら
れる。 (1) ノズル孔直下のパイプ内面に突起を設けることによ
り、方向性の安定した空気噴流が得られる。 (2) パイプの偏平部をパイプ軸に対称に直線的に先細り
にした形状とすることにより、パイプ内の急激な容積変
化が無いため、更に優れた流速の安定した空気噴流を得
ることができる。 (3) (2) に伴い、パイプ外形を左右対称とすることが可
能となり、経糸及びオサに与える損傷を抑えることがで
き、補助ノズルが経糸から受ける損傷も軽減することが
できる。 (4) ノズル孔を外方に向かって絞られた円錐面とするこ
とにより、噴出抵抗を小さくすることができ、また速度
減衰率の小さい空気噴流を得ることができる。従って織
機に設ける補助ノズルの本数を減らすことができ、圧縮
空気の消費量も減らすことができる。 (5) パイプが左右対称のシンプルな形状となるため、製
造が容易であり、特に材料としてセラミックスを用いた
ときの成形性に優れている。 (6) パイプ内面に突起を有するセラミックス、サーメッ
ト、超硬質合金及び強化ガラス等の材料が採用でき、優
れた空気噴射特性を有する耐摩耗性の高い補助ノズルを
安価に提供できる。
れる。 (1) ノズル孔直下のパイプ内面に突起を設けることによ
り、方向性の安定した空気噴流が得られる。 (2) パイプの偏平部をパイプ軸に対称に直線的に先細り
にした形状とすることにより、パイプ内の急激な容積変
化が無いため、更に優れた流速の安定した空気噴流を得
ることができる。 (3) (2) に伴い、パイプ外形を左右対称とすることが可
能となり、経糸及びオサに与える損傷を抑えることがで
き、補助ノズルが経糸から受ける損傷も軽減することが
できる。 (4) ノズル孔を外方に向かって絞られた円錐面とするこ
とにより、噴出抵抗を小さくすることができ、また速度
減衰率の小さい空気噴流を得ることができる。従って織
機に設ける補助ノズルの本数を減らすことができ、圧縮
空気の消費量も減らすことができる。 (5) パイプが左右対称のシンプルな形状となるため、製
造が容易であり、特に材料としてセラミックスを用いた
ときの成形性に優れている。 (6) パイプ内面に突起を有するセラミックス、サーメッ
ト、超硬質合金及び強化ガラス等の材料が採用でき、優
れた空気噴射特性を有する耐摩耗性の高い補助ノズルを
安価に提供できる。
【図1】第1実施例の補助ノズルの断面側面図
【図2】第1実施例の補助ノズルの正面図
【図3】図2のA部の拡大断面図
【図4】第2実施例のノズル先端部の拡大断面側面図
【図5】第2実施例の突起の形状を示す正面図
【図6】第3実施例のノズル先端部の拡大断面側面図
【図7】2段の角度で先細り形状とした補助ノズルの断
面側面図及び正面図
面側面図及び正面図
【図8】突起を設けて試料に供した従来構造の補助ノズ
ルの断面側面図及び正面図
ルの断面側面図及び正面図
【図9】各種のノズルについて流量と偏向角の関係を示
すグラフ
すグラフ
【図10】流量(圧力)特性の試験結果を示す図
【図11】速度減衰率の試験結果を示す図
1 パイプ 2 突起 3 ノズル孔 4 ノズル孔内周面 5 偏平部 6 ノズル孔側の突起部側面 a 先端からのノズル孔中心寸法 b 偏平部の厚さ方向寸法 c パイプ先端から突起までの寸法 d ノズル孔直径 e ノズル孔中心からの距離 f ノズル孔中心からの距離 g 突起の半径 h 突起の高さ w 突起の巾 Φ ノズル孔内周面の頂角 A パイプの軸線 B パイプの内巾 D 基端部の内径 L パイプの長さ S 偏平部の長さ θ 偏平部の頂角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土定 育英 石川県金沢市戸水町ロ−1番地 石川県 工業試験場内 (72)発明者 宮原 陸人 福岡県福岡市南区清水2丁目20番31号 日本タングステン株式会社 内 (72)発明者 馬場 信哉 福岡県粕屋郡宇美町大字宇美字大谷3351 番地 日本タングステン株式会社 宇美 工場 内 (72)発明者 桶作 正広 石川県小松市花坂町リ80番地 北陸成型 工業株式会社 内 (56)参考文献 特開 平1−132850(JP,A) 特開 昭63−264947(JP,A) 実開 平1−102171(JP,U) 実開 昭63−113614(JP,U) 実開 昭61−159386(JP,U) 実開 平5−22580(JP,U)
Claims (10)
- 【請求項1】 偏平断面形状に成形したパイプの閉鎖し
た先端の一偏平面中央にノズル孔を設けた空気噴射式織
機用補助ノズルにおいて、ノズル孔の直下のパイプの内
面に突起を設けた空気噴射式織機用補助ノズル。 - 【請求項2】 パイプの偏平部の中空部の厚さ方向寸法
がパイプの軸線に対称にかつ等しい変化率で1段または
2段の角度でパイプの先端に向かって漸減している、請
求項1記載の空気噴射式織機用補助ノズル。 - 【請求項3】 ノズル孔の内周面が外側に向けて小径と
なる円錐面である、請求項1または2記載の空気噴射式
織機用補助ノズル。 - 【請求項4】 パイプの少なくとも先端部外壁がセラミ
ックス焼結体で形成されている、請求項1、2または3
記載の空気噴射式織機用補助ノズル。 - 【請求項5】 パイプが金属または強化ガラス製で、当
該パイプの外壁の一部を内側に塑性変形させることによ
りノズル孔の直下のパイプ内面に突起が形成されてい
る、請求項1、2または3記載の空気噴射式織機用補助
ノズル。 - 【請求項6】 セラミックスの射出成形ないし鋳込み成
形により成形しようとする補助ノズルの内面の突起に対
応する凹部を設けたワックスまたは樹脂製中子を用いて
グリーン体を成形し、このグリーン体の脱脂工程ないし
予備焼結工程で中子を蒸発または燃焼除去することを特
徴とする、請求項1、2、3または4記載の空気噴射式
織機用セラミックス製補助ノズルの製造方法。 - 【請求項7】 先細り形状に射出成形ないし鋳込み成形
により中空状のグリーン体を成形した後、グリーン段階
ないし最終焼結前の段階でセラミックスの高粘度スラリ
ーないし粘土状材料で成形した突起片を接合してパイプ
の内面に突起を形成し、その後の焼結工程でパイプと共
に突起を焼結することを特徴とする、請求項1、2、3
または4記載の空気噴射式織機用セラミックス製補助ノ
ズルの製造方法。 - 【請求項8】 先細り形状に成形した後焼結したセラミ
ックス製パイプの内面に形成しようとする突起の形状に
成形した突起片を2液混合硬化性ないし熱硬化性樹脂の
接着剤で接合することを特徴とする、請求項1、2、3
または4記載の空気噴射式織機用セラミックス製補助ノ
ズルの製造方法。 - 【請求項9】 先細り形状に成形した後焼結したセラミ
ックス製パイプの内面に2液混合硬化性または熱硬化性
樹脂の突起を接合形成することを特徴とする、請求項
1、2、3または4項記載の空気噴射式織機用セラミッ
クス製補助ノズルの製造方法。 - 【請求項10】 グリーン段階または最終焼結前の段階
でパイプの突起形成部にパイプ壁を貫通する嵌合穴を設
け、突起をこの嵌合穴に埋め込んだ状態で接合焼結した
ことを特徴とする、請求項1、2、3または4記載の空
気噴射式織機用セラミックス製補助ノズルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5164187A JP2519655B2 (ja) | 1992-11-06 | 1993-06-07 | 空気噴射式織機用補助ノズル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32258492 | 1992-11-06 | ||
JP4-322584 | 1992-11-06 | ||
JP5164187A JP2519655B2 (ja) | 1992-11-06 | 1993-06-07 | 空気噴射式織機用補助ノズル及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06200448A JPH06200448A (ja) | 1994-07-19 |
JP2519655B2 true JP2519655B2 (ja) | 1996-07-31 |
Family
ID=26489384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5164187A Expired - Lifetime JP2519655B2 (ja) | 1992-11-06 | 1993-06-07 | 空気噴射式織機用補助ノズル及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2519655B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001288644A (ja) * | 2000-04-04 | 2001-10-19 | Tsudakoma Corp | 緯入れ用サブノズル |
CN1795297B (zh) | 2003-05-27 | 2013-03-27 | 奥林康赫伯利坦姆科瓦特维尔股份公司 | 用于产生多圈纱线的装置的喷嘴芯以及用于制造喷嘴芯的方法 |
JP7311297B2 (ja) * | 2018-10-16 | 2023-07-19 | 津田駒工業株式会社 | 空気噴射式織機のサブノズル |
JP7364356B2 (ja) * | 2019-05-13 | 2023-10-18 | 津田駒工業株式会社 | 空気噴射式織機用のサブノズル |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP5164187A patent/JP2519655B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06200448A (ja) | 1994-07-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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