JP2519313Y2 - 双方向リモコン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、遠隔制御対象機器とリモコン送信器の間
の双方向通信により学習作業を簡単化した双方向リモコ
ン装置に関する。

［従来の技術］ 一般家庭向けに販売されているテレビジョン受像機や
ビデオテープレコーダ或はCDプレーヤやカセットテープ
レコーダといったAV機器には、殆どといってよいほどリ
モコン送信器が付属している。しかし、個々のリモコン
送信器のコードデータはメーカ間で異なるため、同一メ
ーカ製のAV機器を組み合わせない限り、複数のAV機器を
共通のリモコン送信器を使って遠隔操作できるAVシステ
ムを構築することは困難である。事実、遠隔制御対象機
器と同数のリモコン送信器が既に部屋中に氾濫している
家庭は多く、こうした家庭ではどの機器をどのリモコン
送信器で操作したらよいか即座に判断できないなど、家
族全員が増え過ぎたリモコン送信器に振り回されてしま
うといった報告例も少なくない。

一方、こうしたリモコン送信器の使い勝手の悪さとい
った事情を改善すべく、リモコン送信器に学習機能をも
たせ、工場出荷時にいわば先天的に割り当てられている
リモコン指令とコードデータの対応関係を、後天的に切
り替えられるようにしたリモコン装置が提案され、複数
の遠隔制御対象機器を単一のリモコン装置により操作で
きるようにするといった努力が払われるようになった。
この種のリモコン装置は、コードデータが異なるリモコ
ン送信器の指令体系が学習できるよう構成されるため、
一般に学習機能付きと呼ばれ、増え続けるリモコン送信
器の切札的存在として注目を集めている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来の学習機能付きリモコン装置は、コードデー
タが異なるリモコン送信器の指令体系を学習する場合
に、学習対象となるリモコン送信器のリモコン信号を受
信し、そのコードデータをリモコン指令の内容に対応す
る操作キーを押して内蔵メモリに格納するといった方法
を通じて学習する構成をとっているため、すべての操作
を学習させ終わるまでにかなりの時間と注意深い作業が
要求され、またこれを複数のリモコン送信器に対して行
うには相当の労力が要求されるといった課題を抱えてい
た。また、学習により新規に体得したリモコン指令につ
いては、そのリモコン指令を発するための操作キーとし
て、本来は他の制御目的で使用する操作キーを代用する
ことになるため、学習直後の日の浅いうちはよいが、時
間が経つにつれ、リモコン送信器に学習させた本人自身
が学習内容を忘れてしまうケースも多く、こうした場合
どの操作キーを操作すれば希望するリモコン指令を送信
できるのか全く見当がつかなくなってしまい、結局は何
回か試行を繰り返す羽目になったりするなど、リモコン
送信器の学習機能がかえって仇になることもあるといっ
た課題を抱えていた。

［課題を解決するための手段］ この考案は、上記課題を解決したものであり、リモコ
ン指令を特定するコードデータと前記リモコン指令によ
って実行される遠隔制御の内容を示すキーシンボルデー
タとを、外部からの要求に応えてダウンロードする遠隔
制御対象機器と、この遠隔制御対象機器からダウンロー
ドされる前記コードデータと前記キーシンボルデータと
を内部に格納し、前記リモコン指令を表意するキーシン
ボルを表示するとともに、表示された前記キーシンボル
が押されたときに対応する前記リモコン指令を送信する
リモコン送信器を具備することを特徴とするものであ
る。

［作用］ この考案は、リモコン指令を特定するコードデータと
前記リモコン指令によって実行される遠隔制御の内容を
示すキーシンボルデータを、外部からの要求に従って遠
隔制御対象機器からダウンロードさせ、ダウンロードさ
れるコードデータとキーシンボルデータをリモコン送信
器内部に格納し、リモコン指令を表意するキーシンボル
を表示するとともに、表示されたキーシンボルが押され
たときに対応するリモコン指令を送信することにより、
リモコン送信器に対しリモコンデータを簡単に学習さ
せ、しかも正確で確実なリモコン操作を可能にする。

［実施例］ 以下、この考案の実施例について、第１図ないし第３
図を参照して説明する。第１図は、この考案の双方向リ
モコン装置の一実施例を示す概略回路構成図、第２図
は、第１図に示したCPUの動作を説明するためのフロー
チャート、第３図は、第１図に示したリモコン送信器と
遠隔制御対象機器の間で行なわれる双方向通信例を説明
するための図である。

第１図に示す双方向リモコン装置１は、家庭用AV機器
等の遠隔制御対象機器２に双方向通信が可能なリモコン
送信器３を付属させて構成したものである。遠隔制御対
象機器２は、リモコン指令を特定するコードデータとリ
モコン指令によって実行される遠隔制御の内容を示すキ
ーシンボルデータとを、外部からの要求に従ってダウン
ロードすることができるよう構成してある。一方また、
リモコン送信器３は、遠隔制御対象機器２からダウンロ
ードされるコードデータとシンボルデータ等を内部に格
納し、リモコン指令を表意するキーシンボルを表示する
とともに、表示されたキーシンボルが押されたときに対
応するリモコン指令を送信する構成としてある。

実施例に示したリモコン送信器３は、全体を統括制御
するCPU4を中心に、その動作プログラムを格納したROM5
や遠隔制御対象機器２から送られてきたリモコンデータ
を格納するためのRAM6、さらに入・出力を制御するため
のI/O制御部７及び液晶表示パネル８を制御するための
表示制御部９等がバス接続してある。さらにまた、I/O
制御部７には送信部10と受信部11及びタッチパネル12
が、そして表示制御部９には液晶表示パネル８が接続し
てある。実施例に示したタッチパネル12は、透明な加圧
導電性フィルムからなり、液晶表示パネル８の表示面を
覆って設けられており、液晶表示パネル８に区割り表示
されるキーシンボルを上から押したときに、キーシンボ
ルに対応するデータがI/O制御部７に供給される。

I/O制御部７に供給されたキーシンボルに対応するデ
ータは、そこからCPU4に送り込まれ、CPU4により上記デ
ータに対応するコードデータがRAM6から読み出される。
そして、RAM6から読み出されたコードデータは、I/O制
御部７を経由して送信部10に供給される。送信部10は、
コードデータをもってキャリアを変調し、赤外線を媒体
に遠隔制御対象機器２に対してリモコン指令を送信す
る。

ここで、リモコンデータが未知の遠隔制御対象機器２
から、そのリモコン指令体系を学習するものとする。こ
の場合、まず第２図に示したステップ（101）におい
て、リモコン送信器３から遠隔制御対象機器２に対して
リモコン指令に関するデータをダウンロードするよう要
求が出される。一方、このダウンロード要求を受けた遠
隔制御対象機器２は、一の遠隔操作について、液晶表示
パネル８上の表示位置を示す表示位置データと遠隔操作
の内容を表意するキーシンボルデータ及びリモコン指令
を形成するコードに関するコードデータとを転送するた
め、同図のステップ（102）に示したように、リモコン
送信器３の側では受信部11を経由してI/O制御部７に送
り込まれた受信データを、リモコンデータとしてRAM6に
格納する。

ところで、リモコン指令は、１台の遠隔制御対象機器
２に対して現実には複数存在するため、遠隔制御対象機
器２は複数のリモコン指令について、指令ごとに上記表
示位置データとキーシンボルデータ及びコードデータを
組にしてリモコン送信器３に転送する。そして、すべて
のリモコン指令について転送を完了すると、最後に遠隔
制御対象機器２はダウンロードすべきデータの送出がす
べて完了したことを示すデータ終了表示信号を出力す
る。このため、リモコン送信器３内のCPU4は、判断ステ
ップ（103）の判断結果を受けて表示制御部９を駆動
し、データ転送が終了したことを液晶表示パネル８に表
示し、続いてステップ（104）に示したように、データ
ダウンロードを確認する確認信号を遠隔制御対象機器２
に送り返す。

こうして、第３図に示した双方向通信を経て、最終的
にはリモコン送信器３のタッチパネル12付きの液晶表示
パネル８に、直前にダウンロードされたリモコン指令に
ついて、キーシンボルとその操作内容が英文字で表示さ
れる。なお、ここまでの学習操作は、他の遠隔制御対象
機器２に対しても同様に可能であり、複数の遠隔制御対
象機器２に対して学習を行った場合は、リモコン送信器
３の液晶表示パネル８に表示されたVTR,TV,……等の遠
隔制御対象機器２のなかから、リモコン指令を送信しよ
うとする機器を指定することができる。そして、指定し
た遠隔制御対象機器２を遠隔操作する上で必要なキーシ
ンボルは、その操作内容を示す文字とともに液晶表示パ
ネル８に表示させることができる。そこで、液晶表示パ
ネル８に表示されたキーシンボルをタッチパネル12の上
から押すことにより、キーシンボルに示されたリモコン
指令を発することができる。

このように、上記双方向リモコン装置１は、リモコン
送信器３を双方向通信可能な状態で遠隔制御対象機器２
に対応させ、リモコン送信器３がリモコンデータに関す
るダウンロード要求を送信することで、遠隔制御対象機
器２からその遠隔制御に必要なリモコンデータが、リモ
コン指令を特定するコードデータと前記リモコン指令に
よっって実行される遠隔制御の内容を示すキーシンボル
データとして、人手を介することなく逐一リモコン送信
器３内のRAM6に格納することができ、従って学習は操作
者の判断や思考を交えることなくすべて機械的に行わ
れ、遠隔制御対象機器２やリモコン送信器３との複雑な
対話は一切不要でありあ、さらにまたリモコン送信器３
にリモコンデータを格納したときに、リモコン指令を表
意するキーシンボルが表示され、表示されたキーシンボ
ルを押すことで対応するリモコン指令を送信することが
できるため、リモコン送信器３に示されたキーシンボル
からリモコン指令を直観的に理解することができ、従っ
てキーシンボルが固定された操作キーを複数のリモコン
指令でもって共用する従来の学習リモコン装置のごと
く、キーシンボルとリモコン指令の対応関係が後から思
い出せなくなるといったことはなく、複数の遠隔制御対
象機器２を単一のリモコン送信器３をもって正確かつ確
実に遠隔制御することができる。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案は、リモコン指令を特
定するコードデータと前記リモコン指令によって実行さ
れる遠隔制御の内容を示すキーシンボルデータを、外部
からの要求に従って遠隔制御対象機器からダウンロード
させ、ダウンロードされるコードデータとキーシンボル
データをリモコン送信器内部に格納し、リモコン指令を
表意するキーシンボルを表示するとともに、表示された
キーシンボルが押されたときに対応するリモコン指令を
送信する構成としたから、リモコン送信器を双方向通信
可能な状態で遠隔制御対象機器に対位させ、リモコン送
信器がリモコンデータに関するダウンロード要求を送信
することで、遠隔制御対象機器からその遠隔制御に必要
なリモコンデータが、リモコン指令を特定するコードデ
ータと前記リモコン指令によって実行される遠隔制御の
内容を示すキーシンボルデータとして、人手を介するこ
となく逐一リモコン送信器内に格納することができ、従
って学習は操作者の判断や思考を交えることなくすべて
機械的に行われ、遠隔制御対象機器やリモコン送信器と
の複雑な対話は一切不要であり、さらにまたリモコン送
信器にリモコンデータを格納したときに、リモコン指令
を表意するキーシンボルが表示され、表示されたキーシ
ンボルを押すことで対応するリモコン指令を送信するこ
とができるため、リモコン送信器に示されたキーシンボ
ルからリモコン指令を直観的に理解することができ、従
ってキーシンボルが固定された操作キーを複数のリモコ
ン指令でもって共用する従来の学習リモコン装置のごと
く、キーシンボルとリモコン指令の対応関係が後から思
い出せなくなるといったことはなく、複数の遠隔制御対
象機器を単一のリモコン送信器をもって正確にしかも確
実に遠隔制御することができる等の優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の双方向リモコン装置の一実施例を
示す概略回路構成図、第２図は、第１図に示したCPUの
動作を説明するためのフローチャート、第３図は、第１
図に示したリモコン送信器と遠隔制御対象機器の間の双
方向通信例を説明するための図である。 １……双方向リモコン装置,2……遠隔制御対象機器,3…
…リモコン送信器,4……CPU,6……RAM,8……液晶表示パ
ネル,12……タッチパネル。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リモコン指令を特定するコードデータと前
   記リモコン指令によって実行される遠隔制御の内容を示
   すキーシンボルデータとを、外部からの要求に応えてダ
   ウンロードする遠隔制御対象機器と、この遠隔制御対象
   機器からダウンロードされる前記コードデータと前記キ
   ーシンボルデータとを内部に格納し、前記リモコン指令
   を表意するキーシンボルを表示するとともに、表示され
   た前記キーシンボルが押されたときに対応する前記リモ
   コン指令を送信するリモコン送信器を具備することを特
   徴とする双方向リモコン装置。