JP2518187B2 - 静電センサ装置 - Google Patents

静電センサ装置

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JP2518187B2
JP2518187B2 JP3112500A JP11250091A JP2518187B2 JP 2518187 B2 JP2518187 B2 JP 2518187B2 JP 3112500 A JP3112500 A JP 3112500A JP 11250091 A JP11250091 A JP 11250091A JP 2518187 B2 JP2518187 B2 JP 2518187B2
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昇 増田
哲夫 大澤
康生 藤井
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部静電容量の変化を
検出して、その検出信号を出力する静電センサ装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】出願人は先に1×10-5PFという微小静電
容量の変化を検出することができる高精度の静電センサ
装置を例えば特願平1-126234号において提案している。
【0003】この提案装置は、図5に示すように、発振
回路1と、共振回路2と、被検出体との静電容量変化を
検出する検出電極3と、検波回路4と、増幅回路5とを
有している。前記発振回路1と共振回路2はそれぞれ別
個独立の誘電体共振器としてのセラミック共振器を含
み、例えば、図6に示すように、発振回路1の固定発振
周波数f1に対して共振回路2の共振周波数f0をわずかに
ずれた位置に設定しておき、検出電極3によって検出さ
れる微小静電容量の変化ΔCに対応させて共振周波数を
f0からΔfだけ偏倚させ、前記静電容量の変化ΔCを出
力電圧ΔVの変化(発振周波数信号を搬送波とするΔV
の変調信号)に変換し、これを検波増幅して取り出すも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案装置を動作する場合、環境温度等が変化すると、発振
回路1の発振周波数と発振出力の大きさが変化してしま
い、これに起因して、検波回路4の検波出力が変化して
しまうという問題がある。一般に、環境温度の変化は非
常に緩慢であり、このため、例えば、被検出体に対して
微小静電容量の変化がゆるやかなほぼ静止状態の微小容
量の変化を検出しようとすると、前記環境温度の変化成
分が検波出力に現れてしまい、被検出体の静止状態に近
い微小静電容量の変化を正確に検出することができなく
なるという問題があった。
【0005】本発明は上記従来の課題を解決するために
なされたものであり、その目的は、環境温度の影響を受
けずに、ほぼ静止状態の微小静電容量の変化を正確に検
出することができる静電センサ装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明は、周波数信号を出力するセンサ発振回路と、被検
出体との間の外部静電容量を検出する検出部と、外部静
電容量の変化に応じて共振周波数を変化させるセンサ共
振回路と、このセンサ共振回路の出力信号を検波するセ
ンサ検波回路とを有する静電センサ装置であって、前記
センサ共振回路とセンサ検波回路と検出部は静電検出用
のセンサ回路を構成し、このセンサ回路とは別に補償共
振回路と補償検波回路によって補償回路が形成され、こ
の補償回路の補償共振回路とセンサ回路のセンサ共振回
路には前記共通の発振回路から発振周波数信号が分配供
給されており、また、センサ回路の出力側と補償回路の
出力側は差動回路に接続されていることを特徴として構
成されている。
【0007】
【作用】上記構成の本発明において、センサ回路のセン
サ共振回路は外部静電容量の変化に対応して共振周波数
を変化させ、その共振周波数の変化に対応する検出信号
をセンサ検波回路に加える。センサ検波回路はセンサ共
振回路からの信号を検波して微小静電容量の変化を電圧
信号に変換する。この外部静電容量の検出に際し、環境
温度の変化が生じると、この環境温度の変化に応じてセ
ンサ発振回路の発振周波数と発振出力の大きさが変化
し、この変化の影響が検波出力に現れる。
【0008】一方、発振回路の発振周波数信号は補償回
路の補償共振回路にも加えられ、その補償共振回路の出
力信号は同じく補償回路の補償検波回路により検波さ
れ、前記環境温度の変化に対応する成分が補償回路の検
波出力に現れる。
【0009】前記センサ回路の検波出力と補償回路の検
波出力は差動回路に加えられる。差動回路はセンサ回路
の出力信号と補償回路の出力信号との差を求め、環境温
度の変化に対応する発振回路の変動に起因する成分を打
ち消し、外部静電容量の検出信号成分のみを取り出す。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には本発明に係る静電センサ装置の第1の実
施例のブロック構成が示されている。本実施例の静電セ
ンサ装置は、発振回路1と、インピーダンス整合回路11
と、共振回路(センサ共振回路)2と、検出部としての
検出電極3と、検波回路(センサ検波回路)4と、差動
増幅器12とを有し、共振回路2と検出電極3と検波回路
4によって静電検出用のセンサ回路6が構成されてい
る。また、このセンサ回路6とは別に共振回路(補償共
振回路)7と検波回路(補償検波回路)8からなる補償
回路10が形成されており、この補償回路の共振回路7と
検波回路8は前記センサ回路6の共振回路2と検波回路
4と回路条件が等しくなるように形成されている。
【0011】前記発振回路1の出力側にはインピーダン
ス整合回路11が設けられており、発振回路1側から見た
各共振回路2,7側に対するインピーダンスの整合がと
られており、このインピーダンス整合回路11を介して発
振回路1の発振周波数信号がセンサ回路6の共振回路2
と補償回路10の共振回路7に均一に分配供給されてい
る。そして、センサ回路6の検波回路8の検波出力と補
償回路10の検波回路8の検波出力は差動回路としての差
動増幅器12の入力側にそれぞれ加えられている。差動増
幅器12はセンサ回路6の検波出力と補償回路10の検波出
力との差を求め、その差動出力を増幅して図示されてい
ない所望の信号処理回路に加えるのである。
【0012】図2は本実施例の静電センサ装置の静電検
出側の回路の要部詳細を示したもので、発振回路1は誘
電体共振器としてのセラミック共振器13を有しており、
本実施例では0.5 GHz〜10GHzの高周波数の発振周波数
信号を出力する。発振回路1には高インピーダンス化回
路1aが内蔵されており、この高インピーダンス化回路
1aの出力側にインピーダンス整合回路11が接続されて
いる。
【0013】このインピーダンス整合回路11は様々な回
路構成を採り得るもので、例えば、図3に示すような各
種の回路を使用することができる。これらの回路で、14
はコンデンサ、15はインダクタンス、16は可変抵抗器、
17は可変容量ダイオードをそれぞれ示している。このイ
ンピーダンス整合回路11と共振回路2はマイクロストリ
ップライン又は同軸ケーブル、この実施例では同軸ケー
ブル18によって接続されている。なお、インピーダンス
整合回路11と補償回路10の共振回路7も同軸ケーブルを
用いて接続されている。
【0014】共振回路2は誘電体共振器としてのセラミ
ック共振器20を有しており、このセラミック共振器20の
入出力端子には被検出体との間の静電容量の変化を検出
する検出電極3が接続されている。この検出電極3は被
検出体との間の微小静電容量の変化を検出し、その微小
静電容量の変化を共振回路2に加える。共振回路2は発
振回路1からの発振周波数信号を搬送波として前記微小
静電容量の変化および環境温度の変化に対応する変調信
号を作り出し、これを検出信号として検波回路4に加え
る。
【0015】検波回路4は共振回路2から加えられる検
出信号を包絡線検波して微小静電容量の変化を電圧信号
に変換し、その検波出力を差動増幅器12に加えるのであ
る。
【0016】一方、補償回路10は前記の如く、共振回路
7と検波回路8とからなり、共振回路7は発振回路1か
ら加えられる発振周波数信号を搬送波として環境温度の
変化に応じた変調信号を作り出し、これを検波回路8に
加える。検波回路8は共振回路7から加えられる信号を
包絡線検波し、その検波出力を差動増幅器12に加える。
【0017】本実施例によれば、環境温度の変化によ
り、発振回路1の発振周波数や発振周波数信号の出力の
大きさに変化が生じると、この変化に応じてセンサ回路
6および補償回路10の検波回路4,8の検波出力に環境
温度の変化に対応する同一の変動成分が現れる。そし
て、センサ回路6からはこの変動成分と微小静電容量の
検出成分とを含む信号が差動増幅器12に加えられ、補償
回路10側からは温度変化に対応する変動成分のみが差動
増幅器12に加えられる。差動増幅器12はセンサ回路6の
検波出力と補償回路10の検波出力との差を求める結果、
センサ回路6側の環境温度変化に起因する変動成分と、
補償回路10側の環境変化に起因する変動成分とが打ち消
されて消失し、差動増幅器12からはセンサ回路6によっ
て検出された被検出体の微小静電容量の変化成分の検波
出力のみが所望の信号処理回路に加えられることとな
り、環境温度変化の影響を受けることなく、微小静電容
量の変化を正確に検出することが可能となる。
【0018】図4には本発明に係る静電センサ装置の第
2の実施例のブロック構成が示されている。この第2の
実施例は、共振回路2と検波回路4とからなるセンサ回
路6を複数系列並設し、各系列のセンサ回路6の共振回
路2と、補償回路10の共振回路7にそれぞれインピーダ
ンス整合回路11から発振回路1の発振周波数信号を均一
に分配供給し、各系列のセンサ回路6の検波出力と補償
回路10の検波出力とを各系列ごとの差動増幅器12によっ
て差動増幅し、その差動増幅信号を図示されていない所
望の信号処理回路に加えるようにしたものである。
【0019】この第2の実施例によれば、各系列のセン
サ回路6の検波出力が補償回路10の検波出力によって補
正され、環境温度の変化に起因する変動成分が各系列ご
とに差動増幅器12によって打ち消されるので、前記第1
の実施例と同様に正確な検出信号が得られることにな
る。
【0020】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ことはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上
記実施例では、発振回路1の出力側に発振回路1側から
見た共振回路2,7側のインピーダンスの整合をとるイ
ンピーダンス整合回路11を設けたが、それに加え、さら
に、共振回路2,7の入力側に、つまり、同軸ケーブル
18の出力端側に各共振回路2,7側から見た発振回路1
側に対するインピーダンスの整合をとる他のインピーダ
ンス整合回路を設けるようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明は、環境温度等の変化に起因する
発振回路の発振周波数や発振周波数信号の出力の変動に
よって生じるセンサ回路の検波出力の変動を補償回路側
の検波出力によって打ち消すように構成したものである
から、環境温度の変化に影響を受けずに正確な微小静電
容量の変化を検出することが可能となり、微小静電容量
の変化がゆるやかな静止状態に近い変化であっても、こ
れを正確に検出することが可能となる。
【0022】また、本発明の補償回路はセンサ回路のセ
ンサ共振回路とセンサ検波回路と同一の回路条件をもっ
た補償共振回路と補償検波回路により構成するものであ
るから、温度補償用の特別な回路素子を使う必要がな
く、これにより、本発明の優れた装置を安価に提供する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電センサ装置の第1の実施例を
示すブロック構成図である。
【図2】同実施例の装置の静電検出側の要部を示す詳細
な回路図である。
【図3】同実施例の装置に使用されるインピーダンス整
合回路の各種例の回路図である。
【図4】本発明に係る静電センサ装置の第2の実施例の
ブロック構成図である。
【図5】出願人が先に提案した静電センサ装置のブロッ
ク図である。
【図6】先の提案装置および本実施例の装置における微
小静電容量の検出動作の説明図である。
【符号の説明】
1 発振回路 2,7 共振回路 3 検出電極 4,8 検波回路 6 センサ回路 10 補償回路 12 差動増幅器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数信号を出力する発振回路と、被検
    出体との間の外部静電容量を検出する検出部と、外部静
    電容量の変化に応じて共振周波数を変化させるセンサ共
    振回路と、このセンサ共振回路の出力信号を検波するセ
    ンサ検波回路とを有する静電センサ装置であって、前記
    センサ共振回路とセンサ検波回路と検出部は静電検出用
    のセンサ回路を構成し、このセンサ回路とは別に補償共
    振回路と補償検波回路によって補償回路が形成され、こ
    の補償回路の補償共振回路とセンサ回路のセンサ共振回
    路には前記共通の発振回路から発振周波数信号が分配供
    給されており、また、センサ回路の出力側と補償回路の
    出力側は差動回路に接続されている静電センサ装置。
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