JP2518163Y2 - 物品の分離整列装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、物品の分離整列装置に
関するものであり、特に供給されたボトルを1個ずつに
分離すると共に、 1列に整列する物品の分離整列装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】物品の分離整列装置に関する従来の技術
としては、実公昭59-14406号公報に記載のもの等が知ら
れており、該公報には、傾斜状に配置された無端周回状
の搬送ベルト上に紙葉類を供給して上方へ搬送させるも
のにおいて、前記搬送ベルトの搬送面は搬送ベルトの搬
送方向と直角な方向に区切られた紙葉類の幅以上の平滑
面を形成せる部分と、この部分に隣接して多数の小突起
を成形せる一定面積の部分とから構成され、前記平滑面
を形成せる部分と多数の小突起を成形せる部分とを交互
に配置した紙葉類の傾斜コンベア装置が記載されてい
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】然しながら、上記の従
来の技術は以下のような課題を有していた。

【０００４】即ち、実公昭59-14406号公報に記載の紙葉
類の傾斜コンベア装置は、紙葉類（物品）を上方に搬送
することはできるが、供給された物品を 1個ずつに分離
すると共に、１列に整列することはできない。

【０００５】従って、本考案の目的は、供給された物品
を 1個ずつに分離すると共に、 1列に整列なし得る物品
の分離整列装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本考案
は、ランダムに供給された物品を 1個ずつに分離すると
共に、 1列に整列する物品の分離整列装置において、傾
斜状に配設され上記物品を上方に搬送する搬送ベルト
と、該搬送ベルトの表面に沿って配設された一対のガイ
ドとを備え、上記搬送ベルトの表面が平滑面と滑り止め
された面とを備え、上記滑り止めされた面が上記一対の
ガイドの間において上記搬送ベルトの搬送方向と直角の
方向に 2列の千鳥状に配設されていると共に、上記滑り
止めされた面が上記搬送ベルトの搬送方向に対して物品
の最大長さより大きい間隔に配設されているようにした
ものである。

【０００７】請求項２に記載の本考案は、請求項１に記
載の本考案において、搬送ベルトの表面に沿って３本以
上のガイドを備え、隣接する一対のガイド毎に物品を整
列するようにしたものである。

【０００８】請求項３に記載の本考案は、請求項１又は
２に記載の本考案において、物品が、略楕円状の断面形
状からなるプラスチックボトルであるようにしたもので
ある。

【０００９】

【作用】傾斜状搬送ベルトにて搬送される各物品は、搬
送方向に沿って物品の最大長さより大きい間隔で配設さ
れている各滑り止めされた面にそれぞれ摩擦力にて捕捉
され、搬送される。

【００１０】このとき、搬送ベルトに上下並列状態（複
数の物品が搬送ベルト上にて上下に重なり合う状態）で
供給された物品のうち、下側の物品は搬送ベルトの搬送
方向にて先行する滑り止めされた面に捕捉され、上側の
物品は下側の物品上を滑り落ちた後、搬送ベルトの搬送
方向にて後続する滑り止めされた面に捕捉され、結果と
して 1個ずつ分離され、かつ 1列に整列される。

【００１１】また、搬送ベルトに左右並列状態（複数の
物品が搬送ベルト上にて搬送方向と直角の方向の左右に
隣り合う状態）で供給された物品のうち、一方の物品は
搬送ベルトの搬送方向にて先行し、かつ 2列の千鳥状を
なす一方側の滑り止めされた面に捕捉され、他方の物品
は搬送ベルトの搬送方向にて後続し、かつ 2列の千鳥状
をなす他方側の滑り止めされた面に捕捉され、結果とし
て 1個ずつ分離され、かつ 1列に整列される。

【００１２】

【実施例】図１は本考案の一実施例に係る物品の分離整
列装置を模式的に示す平面図、図２は図１の側面図、図
３は傾斜ベルトコンベアを示す斜視図、図４は傾斜ベル
トコンベアを示す平面図、図５は傾斜ベルトコンベアを
示す端面図、図６は物品の正常搬送状態を示す説明図、
図７は物品の上下並列搬送状態を示す説明図、図８は物
品の左右並列搬送状態を示す説明図、図９は傾斜ベルト
コンベアの傾斜角度設定テスト状態を示す模式図であ
る。

【００１３】物品の分離整列装置１０は、図１、図２に
示す如く、ホッパー１１から引出しベルトコンベア１２
にて引出された物品１の搬送方向に対する姿勢をシュー
ト１３にて長手方向に統一し、この物品１を導入ベルト
コンベア１４にて傾斜ベルトコンベア１５に搬入し、各
物品１を該傾斜ベルトコンベア１５にて 1個ずつ分離
し、かつ 1列に整列する。

【００１４】尚、物品１は、例えば、略楕円状の横断面
形状からなるＰＥ（ポリエチレン）、ＰＶＣ（ポリ塩化
ビニル）、ＰＰ（ポリプロピレン）等のプラスチックボ
トルである。

【００１５】このとき、シュート１３は、下向傾斜状の
搬送面を備え、上部入口幅を広く、下部出口幅を狭く設
定することにより、物品１の長手方向を搬送方向に向け
るように姿勢統一せしめる。

【００１６】また、傾斜ベルトコンベア１５は、図３〜
図５に示す如く、上向き傾斜状に配設され物品１を上方
に搬送する無端周回状の搬送ベルト１６と、搬送ベルト
１６の表面に沿う搬送方向と直角の方向に 3本以上のガ
イド１７を備え、隣接する一対のガイド１７間毎に物品
１を整列する。

【００１７】ここで、傾斜ベルトコンベア１５は、搬送
ベルト１６の表面に平滑面１８と滑り止めされた面１９
とを備え、上記滑り止めされた面が上記一対のガイド１
７の間において該搬送ベルト１６の搬送方向と直角の方
向に 2列の千鳥状に配設されていると共に、上記滑り止
めされた面１９が該搬送ベルト１６の搬送方向に対して
物品１の最大長さより大きい間隔に配設されている。

【００１８】そして、搬送ベルト１６は、平滑面１８を
例えばポリウレタンにて形成され、滑り止めされた面１
９を例えばＥＰＤＭ（エチレンプロピレンジエンターポ
リマー）にて形成される。

【００１９】尚、物品の分離整列装置１０にあっては、
シュート１３の傾斜角度と傾斜ベルトコンベア１５の傾
斜角度を下記(A) 、(B) の如くにより設定することがで
きる。尚、物品１Ａ（容積350ml 、重量28g 、材質ＨＤ
ＰＥ）、物品１Ｂ（容積220ml 、重量24g 、材質ＨＤＰ
Ｅ）を対象物品とした。

【００２０】(A) シュート１３の傾斜角度 シュート１３の表面をテフロンとするとき、テフロンと
物品の滑り出し角度を考慮し、シュート１３の傾斜角度
を20度とする。

【００２１】(B) 傾斜ベルトコンベア１５の傾斜角度 搬送ベルト１６の滑り止めされた面１９の材質をＥＰＤ
Ｍとし、図９のＡ（滑り止めされた面１９上に位置する
単一物品の滑り出し角度θの測定）、Ｂ（滑り止めされ
た面１９上に位置する先行物品の下方の平滑面１８上に
位置し、該先行物品に寄りかかっている後続物品の滑り
出し角度θの測定）、Ｃ（滑り止めされた面１９上に位
置する下側物品の上面に重なっている上側物品の滑り出
し角度θの測定）を考慮する。各滑り出し角度θの測定
結果は表 1の通りである。

【００２２】

【表１】 然るに、傾斜ベルトコンベア１５に設定すべき傾斜角度
αは、図９のＡの滑り出し角度θよりは小さく、Ｂ、Ｃ
の滑り出し角度θよりは大きくする必要がある。表 1よ
り、60.3度＞α＞38.6度であり、傾斜ベルトコンベア１
５の傾斜角度としては例えば40度が選定される。

【００２３】次に、上記実施例の作用について説明す
る。

【００２４】傾斜ベルトコンベア１５の搬送ベルト１６
にて搬送される各物品１は、搬送方向に沿って物品１の
最大長さより大きい間隔で配設されている各滑り止めさ
れた面１９にそれぞれ摩擦力にて捕捉され、搬送され
る。

【００２５】このとき、傾斜ベルトコンベア１５に搬入
される物品１は、シュート１３にて長手方向には整列さ
れていても、搬送ベルト１６上の一対のガイド１７間に
図６〜図８の如くのランダムな状態で到達するため、傾
斜ベルトコンベア１９上で下記(a) 〜(c) の如くにより
分離整列せしめられる。

【００２６】(a) 図６に示す如く、各物品１が搬送ベル
ト１６に 1列状態で供給される場合には、各物品１は搬
送ベルト１６上の各滑り止めされた面１９に捕捉され
る。従って、各物品１は、搬送方向にて隣り合う先後の
滑り止めされた面１９のピッチ間隔ずつ引き離される如
くに分離され、かつ 1列状態を保って整列される。

【００２７】(b) 図７に示す如く、各物品１が搬送ベル
ト１６に上下並列状態（ 2個の物品１が搬送ベルト１６
上にて上下に重なり合う状態）で供給される場合には、
下側の物品１は搬送ベルト１６の搬送方向にて先行する
滑り止めされた面１９に摩擦力にて捕捉され、上側の物
品１は搬送ベルト１６の傾斜角度により下側の物品１上
を滑り落ち、搬送ベルト１６の平滑面１８を更に滑り落
ちた後に該搬送ベルト１６の後続する滑り止めされた面
１９に摩擦力にて捕捉される。従って、各物品１は、搬
送ベルト１６上で先後の滑り止めされた面１９に捕捉さ
れ、 1個ずつ分離され、かつ 1列に整列される。

【００２８】(c) 図８に示す如く、各物品１が搬送ベル
ト１６に左右並列状態（ 2個の物品１が搬送ベルト１６
上にて搬送方向と直角の方向の左右に隣り合う状態）で
供給される場合には、一方の物品１は搬送ベルト１６の
搬送方向にて先行し、かつ 2列の千鳥状をなす一方側の
滑り止めされた面１９に捕捉される。そして、他方の物
品が、上記一方の物品の側方にて搬送ベルト１６の平滑
面１８上を相対的に下方側に滑り、搬送ベルト１６の搬
送方向にて後続し、かつ 2列の千鳥状をなす他方側の滑
り止めされた面１９に捕捉される。従って、各物品１
は、搬送ベルト１６上で先後の滑り止めされた面１９に
捕捉され、 1個ずつ分離され、かつ 1列に整列される。

【００２９】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、供給され
た物品を 1個ずつに分離すると共に、1列に整列するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の一実施例に係る物品の分離整列
装置を模式的に示す平面図である。

【図２】図２は図１の側面図である。

【図３】図３は傾斜ベルトコンベアを示す斜視図であ
る。

【図４】図４は傾斜ベルトコンベアを示す平面図であ
る。

【図５】図５は傾斜ベルトコンベアを示す端面図であ
る。

【図６】図６は物品の正常搬送状態を示す説明図であ
る。

【図７】図７は物品の上下並列搬送状態を示す説明図で
ある。

【図８】図８は物品の左右並列搬送状態を示す説明図で
ある。

【図９】図９は傾斜ベルトコンベアの傾斜角度設定テス
ト状態を示す模式図である。

【符号の説明】

１ 物品１０ 物品の分離整列装置 １５ 傾斜ベルトコンベア １６ 搬送ベルト １７ ガイド １８ 平滑面 １９ 滑り止めされた面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 秋山 薫 千葉県千葉市朝日ヶ丘１−３

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ランダムに供給された物品を 1個ずつに
   分離すると共に、 1列に整列する物品の分離整列装置に
   おいて、傾斜状に配設され上記物品を上方に搬送する搬
   送ベルトと、該搬送ベルトの表面に沿って配設された一
   対のガイドとを備え、上記搬送ベルトの表面が平滑面と
   滑り止めされた面とを備え、上記滑り止めされた面が上
   記一対のガイドの間において上記搬送ベルトの搬送方向
   と直角の方向に 2列の千鳥状に配設されていると共に、
   上記滑り止めされた面が上記搬送ベルトの搬送方向に対
   して物品の最大長さより大きい間隔に配設されているこ
   とを特徴とする物品の分離整列装置。
2. 【請求項２】 搬送ベルトの表面に沿って３本以上のガ
   イドを備え、隣接する一対のガイド毎に物品を整列す
   る、請求項１記載の物品の分離整列装置。
3. 【請求項３】 物品が、略楕円状の断面形状からなるプ
   ラスチックボトルである、請求項１又は２記載の物品の
   分離整列装置。