JP2516796B2 - ロックアップクラッチ制御装置 - Google Patents

ロックアップクラッチ制御装置

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JP2516796B2 JP63077489A JP7748988A JP2516796B2 JP 2516796 B2 JP2516796 B2 JP 2516796B2 JP 63077489 A JP63077489 A JP 63077489A JP 7748988 A JP7748988 A JP 7748988A JP 2516796 B2 JP2516796 B2 JP 2516796B2
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【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、トルクコンバータ等の流体式動力伝達装置
において、その入力側と出力側とを係脱可能なロックア
ップクラッチに関する。
(従来の技術) 自動車等に用いられる自動変速機としては、流体式動
力伝達装置(例えば、トルクコンバータ)と変速機機構
とを組み合わせたものが従来から知られている。但し、
トルクコンバータは流体を介しての動力伝達であるた
め、伝達時にスリップが生ずるのを避けることできず、
このスリップにより燃費が低下するという問題がある。
このため、トルクコンバータを用いた変速機において
は、従来から、入力側と出力側(インペラとタービン)
とを直接係脱することができるロックアップクラッチを
配設し、トルクコンバータによる動力伝達は変速時など
必要な場合に限り、他の場合はロックアップクラッチを
作動させて燃費の向上を図るということが良く行われて
いる。
このロックアップクラッチの係脱制御に際しては、こ
れをオン・オフ制御するという方法もあるが、ロックア
ップクラッチをオン・オフさせるだけでなく、これを半
係合状態にするロックアップコントロール制御も併せて
行わせることもよくある。このような制御装置として
は、例えば、特開昭61−286665号に提案されているもの
がある。
このようなロックアップクラッチ制御装置において
は、2個のソレノイドバルブのオン・オフ作動に応じて
供給されるモジュレート圧と、エンジンのスロット開度
に対応したスロットル圧とを制御油圧して用い、これら
制御油圧によりロックアップシフトバルブ、ロックアッ
プコントロールバルブおよびロックアップタイミングバ
ルブの作動制御がなされ、ロックアップクラッチの係合
・離脱制御がなされる。ところが、このような制御を行
わせる場合に、制御油圧としてスロットル油圧を用いる
と、このスロットル油圧は変速段用油圧クラッチの制御
用としても用いられていることから、例えば、変速時に
はスロットル油圧が変動されるため、ロックアップクラ
ッチの制御が不安定になるおそれがあるという問題があ
る。
なお、特開昭60−192163号公報には1個のオン・オフ
ソレノイドバルブと1個のデューティソレノイドバルブ
を用いて、スロットル圧を制御油圧として用いることな
く、ロックアップクラッチの係合容量コントロールを行
うことが開示されている。
このロックアップクラッチ制御装置では、オン・オフ
ソレノイドバルブをオフにして作動油圧の供給を遮断す
ることによりロックアップクラッチを解放させ、これを
オンにしてロックアップクラッチに送られる作動油圧を
デューティソレノイドバルブにより調圧してロックアッ
プクラッチの係合制御を行うようになっている。
(発明が解決しようとする問題) しかしながら、この制御装置の場合には、オン・オフ
ソレノイドバルブをオンにした状態でのデューティソレ
ノイドバルブの作動制御により、ロックアップクラッチ
の半係合状態および完全係合状態を作り出すようになっ
ている。このためには、デューティソレノイドバルブの
デューティ比を100%にすることにより完全係合状態を
作り出すことが考えられるが、デューティ比100%近傍
においてはデューティ比に対する油圧の線形性が悪く、
油圧のバラツキが大きくなるため、完全係合状態での特
製が不安定になりやすいという問題がある。
さらに、このような装置においてはソレノイドバルブ
が作動不良を起こしてもロックアップクラッチは解放状
態にできるようにするのが望まれる。上記制御装置で
は、オン・オフソレノイドバルブが作動不良を起こして
オン状態のままとなると、デューティソレノイドバルブ
のデューティ比を0%としてロックアップクラッチを解
放させるのであるが、上記のように0%デューティ近傍
での油圧のバラツキが大きいため、このときのロックア
ップクラッチの解放制御が不安定となるおそれがあると
いう問題もある。
本発明はこのような問題に鑑み、ロックアップクラッ
チの半係合制御および完全係合制御を安定して行うこと
ができ、且つソレノイドバルブの作動不良時にはロック
アップクラッチを確実に解放させることができるような
制御装置を提供することを目的とする。
ロ.発明の構成 (問題を解決するための手段) 上記目的達成のための手段として、本発明の制御装置
は、オン・オフ制御されて所定圧を有した第1制御圧の
供給制御を行う第1ソレノイドバルブと、デューティ比
制御されてこのデューティ比に応じて変動する第2制御
圧を供給する第2ソレノイドバルブと、これら第1およ
び第2制御圧に応じて作動され、ライン圧をロックアッ
プクラッチの係合側に供給する係合位置と解放側に供給
する解放位置とで切換可能なロックアップシフトバルブ
と、第2制御圧と係合側の油圧とに応じて作動され、ラ
イン圧が係合側に供給されている状態での解放側の油圧
を第2制御圧に応じて調圧するロックアップコントロー
ルバルブと、第1および第2制御圧に応じて作動され、
係合側の油圧をロックアップコントロールバルブに作動
制御用として供給させる供給位置とロックアップコント
ロールバルブへの作動制御用としての係合側油圧の供給
を遮断する遮断位置とで切換可能なロックアップタイミ
ングバルブとから構成される。
そして、第1および第2ソレノイドバルブの作動制御
により、第1および第2制御圧を供給してロックアップ
クラッチを完全に解放するロックアップオフ状態と、第
1制御圧の供給を停止して第2制御圧のみを供給し、ロ
ックアップクラッチの係合を制御するロックアップコン
トロール状態と、第2制御圧の供給は停止して第1制御
圧のみを供給しロックアップクラッチを完全に係合させ
る完全ロックアップ状態とを作り出し、これら各状態に
応じてロックアップクラッチの係合制御を行うようにな
っている。
この場合に、ロックアップオフ状態は、第1および第
2制御圧を供給して、ロックアップシフトバルブを解放
位置に位置せしめることにより作り出すことができる。
また、ロックアップコントロール状態は、第1制御圧の
供給を停止して第2制御圧のみを供給し、ロックアップ
シフトバルブを係合位置に位置せしめ、ロックアップタ
イミングバルブを供給位置に位置せしめてロックアップ
コントロールバルブにより解放側の油圧を第2制御圧お
よび係合側の油圧に応じて調圧して作り出すことができ
る。さらに、完全ロックアップ状態は、第2制御圧の供
給を停止して第1制御圧のみを供給し、ロックアップシ
フトバルブを係合位置に位置せしめ、ロックアップタイ
ミングバルブを遮断位置に位置せしめて作り出すことが
できる。
このように、本発明の制御装置によれば、ロックアッ
プオフ状態、ロックアップコントロール状態および完全
ロックアップ状態をそれぞれ独立して作り出すことがで
き、ロックアップクラッチの作動制御を安定して行うこ
ができる。さらに、ロックアップコントロール状態の係
合トルク領域と完全ロックアップ状態の係合トルク領域
とを離して、ロックアップコントロール状態での係合ト
ルク領域は所望の領域に限定して制御し、その上で完全
ロックアップ状態の係合トルクは大きくして確実にロッ
クアップを行わせる制御が可能である。
なお、本発明の制御装置においては、第1制御圧の供
給が停止された状態でも最大第2制御圧が供給されたと
きには、ロックアップシフトバルブは解放位置に位置し
てライン圧が解放側に供給され、ロックアップオフ状態
が作り出されるようになっているので、第1ソレノイド
バルブの作動不良で第1制御圧が供給されない状態とな
っても、第2ソレノイドバルブのオンデューティ比を0
%(ノーマルクローズタイプの場合)にして第2制御圧
を最大の圧とした上でこれを供給させることによりロッ
クアップクラッチを確実に解放させることができる。
(実施例) 以下、本発明の好ましい実施例について図面を用いて
説明する。
第1図は、本発明に係るロックアップクラッチ制御装
置を有したトルクコンバータ5の油圧回路を示す図であ
る。このトルクコンバータ5はインペラ5aとタービン5b
とを直結可能なロックアップクラッチ6を有しており、
このロックアップクラッチ6の作動制御は、第1ソレノ
イドバルブ7のオン・オフ作動および第2ソレノイドバ
ルブ8のデューティ比作動に応じて作動されるロックア
ップシフトバルブ20、ロックアップコントロールバルブ
30およびロックアップタイミングバルブ40によりなされ
る。
このロックアップクラッチ6は、運転状態に応じて作
動され、ドライバビリティおよび燃費の向上を図るもの
で、上記3個のバルブ20,30,40によりその容量が、ロッ
クアップオフ領域、ロックアップコントロール領域、完
全ロックアップ領域(タイト状態)および減速ロックア
ップコントロール領域の4領域に制御される。なお、ロ
ックアップコントロール領域は、後述するように、フィ
ードバック領域、コントロール領域、第1セミタイト領
域および第2セミタイト領域の4領域からなる。
この回路においては、オイルサンプ1から油路101を
介して吸入され油圧ポンプ2から油路102に吐出された
オイルは、分岐油路103を介して接続されたレギュレー
タバルブ3により所定のライン圧に調圧され、油路104
を介して変速段設定用のクラッチ、ブレーキに供給され
る。また、油路104から分岐した油路105はモジュレータ
バルブ4に接続され、このモジュレータバルブ4により
油路105のライン圧がモジュレータ圧に調圧されて油路1
06に供給される。
まず、第1および第2ソレノイドバルブ7,8がオフの
場合について考える。このときには、それぞれオリフィ
ス7a,8aを介して油路106に連通する油路7b,8bがソレノ
イドバルブ7,8のスプールにより閉塞されており、油路1
10,11,112,113には、油路106からのモジュレータ圧が作
用する。このため、油路110,113および油路111を介して
ロックアップシフトバルブ20の両端にモジュレート圧が
作用し、このバルブ20のスプール21は、これら油圧力の
差およびスプリング22により図中右方に移動された状態
になる。また、油路112を介して、ロックアップコント
ロールバルブ30の左端にモジュレート圧が作用し、この
バルブ30のスプール31が右動され、油路113,114および
油路110,116を介してロックアップタイミングバルブ40
の両端にモジュレート圧が作用し、タイミングバルブ40
のスプール41がスプリング42の付勢により右動した状態
になる。
このときには、レギュレータバルブ3から油路107に
供給されたライン圧は、ロックアップシフトバルブ20の
スプール21の溝部を介して油路108に供給され、油路108
から、ロックアップクラッチ6の解放側通路6a内に供給
されるため、タービン5bに連結されたクラッチプレート
6bがインペラ5aに連結されたケース5dから離され、ロッ
クアップクラッチ6はOFF状態となる。
なお、トルクコンバータ5から油路131に排出された
オイルは、トルクコンバータチェックバルブ9を介して
クーラー油路132に流され、トルクコンバータ5から油
路133に排出されたオイルは、ロックアップシフトバル
ブ20のスプール21の溝部から油路134を介してクーラー
油路132に流され、この後、オイルクーラー11を通過し
て冷却され、油路135を介してオイルサンプ1に戻され
る。また、クーラー油路132およびクーラー11の保護の
ため、クーラーリリーフバルブ10がクーラー油路132に
接続されている。
次に、ロックアップコントロール状態の場合を考え
る。この状態は車速およびエンジン出力の増大に応じて
ロックアップクラッチと係合容量が制御されるもので、
第1ソレノイドバルブ7をオンにし、第2ソレノイドバ
ルブ8をデューティ比制御することにより発生する。第
1ソレノイドバルブ7がオンになると、シフトバルブ20
の左端に作用する油路110内のモジュレータ圧が解放さ
れ、その分、スプール21を右方に押す力は低下する。な
お、油路110は油路116にも連通しているので、ロックア
ップタイミングバルブ40の右端に作用する油圧力はなく
なるのであるが、このバルブ40のスプール41はすでに右
動されており、そのまま保持される。
一方、第2ソレノイドバルブ8がデューティ比制御さ
れると、油路112,113内の油圧はこのデューティ比に応
じて制御され、油路106内のモジュレータ圧より低いデ
ューティ比制御油圧となる。このデューティ比制御油圧
は、オン・デューティ信号の比率が増大するのに応じて
低下する油圧である。このため、例えば、車速が増大す
るのに応じてオン・デューティ信号が増大され、これに
応じて油路113からロックアップシフトバルブ20の左端
に作用していた油圧が低下し、このシフトバルブ20のス
プール21は油路106,111から右端に作用するモジュレー
タ圧により左動される。スプール21が左動されると、油
路107からのライン圧の供給方向が油路133の方に切り換
わり、油路133からトルクコンバータ5の内部にライン
圧が供給されてトルクコンバータ5の内圧が高くなる。
これによりロックアップクラッチ6のクラッチプレート
6bは係合側(すなわち、ケース5bの側面と接触する側)
に押され、解放側通路6a内には、背圧が発生する。
トルクコンバータ内圧は、クラッチプレート6bをケー
ス5dと係合させる方向に作用し、背圧はこれを解放する
方向に作用するのであるが、この背圧が発生する解放側
通路6aは、油路108、ロックアップシフトバルブ20のス
プール21の溝部および油路115を介してロックアップコ
ントロールバルブ30に接続しており、このコントロール
バルブ30のスプール31は上記トルクコンバータ65の背圧
により左方への押力を受ける。また、このスプール31は
その左端に油路112を介してデューティ比制御油圧を受
けるのであるが、オン・デューティ信号の増大に応じて
この制御油圧は低下され、スプール31がこの制御油圧に
より受ける右方への押力はデューティ比に応じて変動す
る。このスプール31はさらに、その左端に油路117,118
を介してトルクコンバータ内圧を受けて右方に押されて
いる。このため、スプール31には、右端に作用するトル
クコンバータ背圧およびスプリング32の付勢力と、左端
に作用するデューティ比制御油圧およびトルクコンバー
タ内圧とが作用し、トルクコンバータ背圧は、デューテ
ィ比制御油圧に応じて変化する。すなわち、デューティ
比制御油圧を変化させることによりトルクコンバータ背
圧を制御して、ロックアップクラッチ6の係合容量の制
御がなされる。
上記のようにして、ロックアップコントロール状態が
得られるのであるが、この状態で第2ソレノイドバルブ
8のオン・デューティ信号が100%になった状態(すな
わち、第2ソレノイドバルブ8がオンの状態)から、第
1ソレノイドバルブ7がオフに切り換えられると、完全
ロックアップ状態が作られる。第1ソレノイドバルブ7
がオフになると、油路110,116からロックアップタイミ
ングバルブ40の右端にモジュレート圧が作用する。この
とき、第2ソレノイドバルブ8はオン状態であるので、
油路113,114の油圧は零であり、タイミングバルブ40の
スプール41は左動される。このため、油路118がドレン
に連通され、ロックアップコントロールバルブ30のスプ
ール31は完全に左動した位置に保持され、油路108,115
を介してトルクコンバータ5の解放側通路6aがドレンに
連通され、トルクコンバータ背圧は零となる。これによ
り、ロックアップクラッチ6は完全に係合した状態とな
る。
なお、第1ソレノイドバルブ7がオンの状態で第2ソ
レノイドバルブ8のオンデューティ信号が0%になる
と、ロックアップシフトバルブ20のスプール21は右動さ
れ、解放側油路6aは、油路108、ロックアップシフトバ
ルブ20、油路107からレギュレータバルブ3に繋がり、
ロックアップクラッチは解放される。このため、例え
ば、第1ソレノイドバルブ7が作動不良を起こしてオン
状態のままとなっても、第2ソレノイドバルブをオフ
(0%オンデューティ)にして最大制御圧を出力させれ
ば、ロックアップクラッチを確実に解放させることがで
きる。
以上説明したように、第1ソレノイドバルブ7のオン
・オフ制御および第2ソレノイドバルブ8のデューティ
比制御のみによりロックアップクラッチ6の容量制御を
行うことができるのであるが、ここで、この容量制御が
行われる場合の具体的な運転状態について第2図のグラ
フに基づいて説明する。
第2図は、縦軸にスロットル開度、横軸に車速を表し
ており、この両軸上の領域がロックアップオン作動ライ
ンm(実線)により2分割される。このオン作動ライン
mより左側の領域はオフ領域Aであり、スロットル開度
と車速とで決まる運転状態がこのオフ領域A内にあると
きは、ロックアップクラッチ6はオフとなるように制御
され、運転状態がオフ領域Aからオン作動ラインmを横
切ってこのラインmより右側のロックアップ領域内に移
行するとロックアップクラッチ6の係合制御が開始され
る。さらに、ロックアップオフ作動ラインnが、オン作
動ラインmより低車速側に一定のヒステリシスを有して
設けられており、運転状態がロックアップ領域に移行し
た後においては、ロックアップオフ作動ラインnを横切
ったときにロックアップクラッチ6がオフにされオフ領
域Aに移行する。
上記ロックアップ領域はさらに、図中1点鎖線で示す
5本のラインa〜eにより5分割されており、これによ
り、フィードバック領域B、コントロール領域C、第1
セミタイト領域D、第2セミタイト領域Eおよびタイト
領域Fが形成されている。なお、スロットル開度がほぼ
零となり、車速が所定車速(約25km/H)以上の領域とし
て減速ロックアップ領域Gが形成されている。
以上のように形成された領域に応じてロックアップク
ラッチ6の容量制御がなされるのであるが、その制御内
容の概略をまず第3図のフローチャートを用いて説明す
る。
この制御においては、まず、ステップS1においてロッ
クアップオフ時間の判断を行う。この判断は、マニュア
ル変速、すなわち、シフトレバーの手動操作、ノーマル
・パワーモード切換スイッチの切換操作等により変速さ
れた場合、一定時間ロックアップクラッチをオフとさせ
るためのものである。次にステップS2に進み、自動変速
がなされるときでのロックアップクラッチのオフ判断を
行う。ここでは自動変速がなされる場合に、アップシフ
トがダウンシフトか、スロットル開度がどの程度か等を
検出し、これらに基づいてロックアップを行うか否かの
判断を行う。この後、ステップS3に進んでトルクコンバ
ータの油温が極く低温もしくは極く高温でロックアップ
をオフにする必要があるか否かの判断を行う。そして、
上記いずれのステップにおいてもロックアップをオフに
する必要があると判断された場合には、ステップS8に進
んでロックアップクラッチがオフにされる。
次いで、ステップS4に進み、車速およびスロットル開
度の変化に基づいて車両が減速状態にあるか否かの判断
がなされ、減速状態のときには、ステップS5において、
油温、車速およびエンジン回転数により減速ロックアッ
プコントロールを行うかどうかを判断し、必要に応じて
ステップS8に進みロックアップがオフにされる。
減速状態でないと判断された場合は、ステップS6にお
いて運転状態が第2図に示したマップ上でどの領域にあ
るかの判断がなされ、この領域に応じて第1および第2
ソレノイドバルブ7,8の作動制御がなされる(ステップS
7)。
次に、以下において、上記ステップS7での制御を第4
図のフローチャートを用いて詳細に説明する。
この制御においては、ステップS10〜30において、ロ
ックアップゾーンコードKZから運転状態がどの領域にあ
るかを判断する。このゾーンコードKZは、第3図のステ
ップS6での判断の際に各領域に応じて付けられた番号で
あり、オフ領域AがKZ=0で、減速ロックアップ領域G
がKZ=1で、フィードバック領域Bおよびコントロール
領域CがKZ=2で、第1セミタイト領域DがKZ=3で、
第2セミタイト領域EがKZ=4で、タイト領域FがKZ=
5である。但し、ステップSNに進んでくるのは運転状態
がロックアップ領域にある場合のみであり、KZ=2,3,4
もしくは5の場合である。
まず、ステップS10において、KZ=2であると判定さ
れた場合には、運転状態はフィードバック領域Bもしく
はコントロール領域C内にあり、この場合にはステップ
S11に進む。このステップS11においては、運転状態がオ
フ領域からこれらの領域B,C内に移行したときから所定
のディレー時間LD2が経過したか否かの判断を行う。こ
れは、運転状態がオフ領域Aからロックアップ領域内に
移行する場合に一定の時間遅れをおいてロックアップの
作動を行わせるためのもので、このためディレータイマ
LDTの値がディレー時間LD2より大きくなるまでは、この
まま今回のフローを終了させる。
LDT≧LD2となった場合には、学習値DOS(この値につ
いては後で説明する)をオフデューティ比DOMとして記
憶し(ステップS12)、第2ソレノイドバルブ8のデュ
ーティ比制御用のフィードバック成分の決定を行う(ス
テップS13)。なお、このステップS13の制御内容につい
ては後述する。次いで、ステップS14において、領域の
移行等に伴うデューティ比の急激な変化を緩やかにし
て、デューティ比の急変によるショックを防止するため
のZon制御を行わせる。さらに、フィードバック領域B
もしくはコントロール領域Cの制御においては、前述の
如く第1ソレノイドバルブ7をオンにする必要があるの
で、ステップS15において第1ソレノイドバルブ7をオ
ンにする指令を出して、今回のフローを終了する。
一方、ステップS20においてKZ=3であると判定され
た場合には、運転状態は第1セミタイト領域D内にあ
り、この場合はステップS21に進み、ディレータイマLDT
の値によりこの領域D内に移行してから所定のディレー
時間LD3を待った後、ステップS22に進む。ステップS22
においては、最新の学習値DOSから一定値D1を減じた値
をオフデューティ値DOMとして記憶する。ここで、学習
値DOSもオフデュティ比を示す値であり、一定値D1を減
じるということは、オンデューティ比を大きくすること
を意味し、これにより、第1セミタイト領域において
は、学習値DOSに基づくロックアップクラッチの係合容
量よりも一定量だけ大きな容量とさせる値に設定された
オフデューティ値DOM(一定値)が設定される。但し、
このデューティ比を用いた場合、デューティ比の変化が
急激になってショックが発生するのを防止するため、ス
テップS23においてZon制御がなされ、デューティ比の変
化を滑らかにする修正が加えられる。また、この領域に
おいても第1ソレノイドバルブ7はオンにする必要があ
るので、ステップS24においてこのための指令を出力
し、今回のフローを終了する。
また、ステップS30においてKZ=4であると判定され
た場合には、運転状態は第2セミタイト領域E内にあ
り、この場合はステップS31に進み、ディレータイマLDT
の値によりこの領域D内に移行してから所定のディレー
時間LD4を待った後、ステップS32に進む。ステップS32
においては、オフデューティ値DOMの値を零に設定し、
ステップS33,34において、上記と同様のZon制御および
第1ソレノイドバルブ7へのオン指令の出力を行い今回
のフローを終了する。
さらに、ステップS30においてKZ≠4と判定された場
合には、KZ=5であるので、運転状態はタイト領域(完
全ロックアップ領域)F内にあり、この場合はステップ
S40に進み、ディレータイマLDTの値によりこの領域D内
に移行してから所定のディレー時間LD5を待った後、ス
テップS41に進む。ステップS41においては、オフデュー
ティ値DOMの値を零に設定し、さらにステップS42におい
て、上記と同様のZon制御を行う。
次いでステップS43に進み、Zon実行フラグFZが1か否
かの判定を行う。このZon実行フラグFZは、上記Zon制御
によるデューティ比の修正がなされている間は1が立て
られるものであり、このフラグFZが0になるのを待っ
て、すなわち上記修正が完了するのを待ってステップS4
4に進み、第2ソレノイドバルブ8をオンにする指令を
出力する。
この後、ステップS45において、ソレノイドオンタイ
マTZ1が零になったか否かの判定を行い、これが零にな
るまでの間は第1ソレノイドバルブ7をオンのまま保持
する(ステップS46)とともに、上記タイマTZ1が零にな
ったときに第1ソレノイドバルブ7をオフにする指令を
出力する(ステップS47)。すなわち、タイト状態(完
全ロックアップ状態)は、第1ソレノイドバルブ7をオ
ンからオフに切り換えて作り出されるのであるが、この
切換を一定時間待って行わせるのである。
次に、上記ステップS13において行われるフィードバ
ック領域Bおよびコントロール領域Cにおける制御内容
の詳細について第5図のフローチャートにより説明す
る。
この制御においては、まず、ステップS51〜55に示す
判断を行う。ステップS51においては、フィードバック
禁止フラグFepに1が立っているか否かの判断をなし、
1が立っている場合にはステップS57に進む。
ステップS52においては、スロットル開度THがクルー
ズ判断スロットル開度THCRより大きいか否かの判断がな
される。このクルーズ判断スロットル開度THCRは、第2
図におけるフィードバック領域Bとコントロール領域C
とを区分する鎖線aのスロットル開度と同じであり、TH
>THCRということは、運転状態がコントロール領域C内
にあるということを意味し、この場合にはステップS57
に進む。
ステップS53においては、ブレーキが作動されている
か否かの判断を行い、これが作動中の場合にはステップ
S57に進む。
ステップS54においては、温度レンジコードNTが2で
あるか否かの判断がなされ、NT≠2の場合にはステップ
S57に進む。この温度レンジコードNTは、トルクコンバ
ータ油温に応じて0から4までの5段階の値に設定さ
れ、それぞれ、極低温、低温、常温、高温および極高温
を示す。ここで、極低温および極高温の場合(NT=0お
よび4の場合)には、第3図のステップS3においてロッ
クアップがオフとされているので、本フローに流れてく
るのは、NT=1〜3の場合であり、NT=2の場合(常温
の場合)にはステップS55に進み、NT=1もしくは3の
場合(低温もしくは高温の場合)にはステップS57に進
む。
ステップS55においては、エンジン冷却水温TWがフィ
ードバック制御許可温度DTWより高温か否かの判断がな
され、この許可温度DTW以下の場合にはステップS57に進
み、これ以上の場合にはステップS56に進む。
以上の判断ステップからステップS57に進んだ場合に
は、ステップS57において、修正許可フラグFCRに0を立
て、さらに、ステップS58,59において、サンプリングカ
ウンタ値Pを零にセットし、速度比積分値Σeを零にセ
ットする。なお、ステップS57に進む場合としては、ス
テップS52の判断から分かるように、コントロール領域
にある場合であるが、この場合には、第2ソレノイドバ
ルブ8のオフデューティ値DOMは第4図のステップS12で
記憶された最新の学習値DOSとなる。
一方、ステップS56に進む場合は、フィードバック領
域の場合であるが、この場合には、C−eコントロール
によるフィードバック制御がなされる。このステップS5
6に示すC−eコントロールの内容について、第6図か
ら第11図を用いて説明する。
このC−eコントロールは、第6図に示すように、平
均値算出時間TCRのロックアップクラッチの入出力回転
速度比eの平均値を算出する平均速度比算出ルーチンe
avcal(ステップS61)と、ここで算出した平均速度比e
avに基づいて速度比eを目標速度比範囲(eL〜eHの範
囲)にするようにデューティ比を補正するeav補正ルー
チン(ステップS62)と、速度比eが上限値eHを所定時
間TeH以上継続して上回った場合にこれを上記目標速度
比範囲内に戻すようにデューティ比を補正するeH補正ル
ーチン(ステップS63)と、上記ルーチンにおいて得ら
れたデューティ比の最新値を必要に応じて更新し、これ
を学習値DOSとして記憶するDOS更新ルーチン(ステップ
S64)とからなる。
上記各ルーチン(ステップS61〜64)を説明する前
に、これらの制御による速度比eの変化を示す第7図を
用いて、これらの制御の概略について説明する。
第7図は、縦軸に速度比eを、横軸に時間を示してお
り、このグラフ中に実線で実際の速度比eの変化が示さ
れている。目標速度比範囲は、それぞれ1点鎖線で示さ
れた下限速度比eL(例えば、eL=0.95)と上限速度比eH
(例えば、eH=0.98)との間であり、平均値算出時間T
CR毎に算出された平均速度比eav(図中、太線で示され
た値)に基づいて、速度比eがこの目標速度比範囲内に
入るように制御される(ステップS62の制御)。
この制御中に、実速度比eが上限速度比eHを越えた場
合には、速度比eは1.0(完全ロックアップ)に非常に
近くなり、1.0になりやすい状態となる。速度比1.0にな
り、完全ロックアップ状態となると、運転状態がフィー
ドバック領域B内にある状態では、エンジン振動が駆動
系および車体に伝達され、こもり音等を発生させるおそ
れがあるので、この完全ロックアップを確実に防止する
のが望ましく、このため、所定時間TeH以上の間、速度
比eが上限値eHを上回った場合には、上記のような平均
速度比eavによる制御ではなく、その時点の速度比eに
基づき、速度比eを上記目標範囲内に保持させるような
デューティ比の設定制御(ステップS63の制御)がなさ
れる。
なお、上記制御において、平均速度比eavに基づいて
補正されたデューティ比は、その都度更新されて学習値
DOSとして記憶される(ステップS64)。
ステップS61のルーチンの内容を示すのが第8図のフ
ローチャートである。ここでは、まず、サンプリングタ
イマTSPが零になったか否かの判定を行い(ステップS7
0)、これが零になった時点でステップS71に進み、サン
プリングカウンタPの値がサンプリング回数aになった
か否かの判定を行う。サンプリングタイマTSPは速度比
の検出を行う周期間隔であり、この周期でサンプリング
回数a回の検出を行いこれらの平均を求めることによ
り、平均速度比eavを算出するものであり、平均値算出
時間TCR=TSP×aである。
このため、サンプリングカウンタPの値がaになるま
では、サンプリングタイマTSPの周期毎に、ステップS72
に進んでカウンタPの値を1増やし、前回の速度比積分
値Σeに今回の検出速度比e(P)を加えて今回の速度
比積分値Σeを求める。これにより、P=0からP(a
−1)までの間(TCRの間)、a回の速度比e(P)の
合計、すなわち平均値算出時間TCRの間での速度比eの
積分値Σeが求められる。
そして、P=aとなった時点において、ステップS71
からステップS74に進み、上記のようにして求められた
速度比積分値Σeをサンプリング回数aにより除して、
今回の平均値算出時間TCRでの平均速度比eavを算出する
(ステップS75)。この後、次の平均速度比算出のた
め、サンプリングカウンタPおよび速度比積分値Σeの
値を零にセットし、さらに、平均速度比eavが算出され
たことに応じ、補正タイミングフラグFCeおよび補正許
可フラグFCRに1を立てる(ステップS75〜78)。
次に、上述のようにして求めた平均速度比eaVを用い
てデューティ比の補正を行うeav補正ルーチン(ステッ
プS62)について、第9図のフローチャートを用いて説
明する。
このフローにおいては、補正許可フラグFCRが1か否
かの判断をなし(ステップS80)、これが0のときに
は、学習値更新タイマTDOSを零にセットする(ステップ
S81)。さらに、補正タイミングフラグFCeが1か否かの
判断をなし(ステップS82)、これが零のときにはその
まま本フローを終了する。
これが1のときには、ステップS83において、平均速
度比eavが第7図に示した上限速度比eHより大きいか否
かの判断がなされ、eav<eHならばステップS88に進む。
ステップS88においては、平均速度比eavと上限速度比eH
との差に所定の係数βを乗じて弱補正値XHを求め、前回
の第2ソレノイドバルブ8の作動制御用のオフデューテ
ィ比Dにこの弱補正値XHを加えた値を新たなオフデュー
ティ比Dとして記憶する(ステップS89)。これによ
り、ロックアップクラッチの係合容量は、上記弱補正値
XHに対応する分だけ小さくされることになり、上限速度
比eHより大きくなった速度比を小さくしてこれを目標速
度比範囲内の方に修正させる。次いで、学習値更新タイ
マTDOSが零にセットされ(ステップS90)、今回のフロ
ーが終了する。
一方、ステップS83において、eav≦eHと判断された場
合には、ステップS84に進み、eav<eLか否かの判断がな
され、eav<eLの場合には、ステップS85に進み、ステッ
プS85においては、下限速度比eLと平均速度比eavとの差
に所定の係数αを乗じて強補正値XLを求め、前回の第2
ソレノイドバルブ8の作動制御用のオフデューティ比D
からこの強補正値XLを減じた値を新たなオフデューティ
比Dとして記憶する(ステップS86)。これにより、ロ
ックアップクラッチの係合容量は、上記強補正値XLに対
応する分だけ大きくされることになり、上限速度比eL
り小さくなった速度比を大きくしてこれを目標速度比範
囲内の方に修正させる。次いで、学習値更新タイマTDOS
が零にセットされ(ステップS87)、今回のフローが終
了する。
ステップS84において、eav>eLと判断された場合に
は、平均速度比eAvは目標速度比範囲内にあるので、ス
テップS91に進み、学習値更新タイマTDOSの値を1だけ
増加させ、今回のフローを終了する。
次に、第6図のステップS63に示すeH補正ルーチンに
ついて、第10図のフローチャートを用いて説明する。
この制御においても、まず補正許可フラグFCRが1か
否かの判断を行い(ステップS101)、これが零の場合に
はステップS110に進みeH補正判定時間TeHを初期値にセ
ットする。FCR=1の場合には、ステップS102において
その時の実速度比eが上限速度比eHより大きいか否かの
判断を行う。e≦eHのときにはステップS110に進みeH
正判定時間TeHを初期値にセットする。
e>eHのときには、eH補正判定時間TeHが零になった
か(アップしたか)否かの判定がなされる。これがアッ
プするということは、e>eHの状態がeH補正判定時間
(所定時間)TeH以上の間継続したということを意味
し、このときには、ステップS104以下の制御を行う。な
お、上記判定時間TeHがアップしていない場合には、こ
のまま今回のフローは終了する。
ステップS104においては、ロックアップクラッチの係
合容量を小さくして速度比eを上限値eH以下に低下させ
るため、第2ソレノイドバルブ8のオフデューティ比D
に所定補正量DHを加えてこれを補正する。この後、ステ
ップS105および106において、サンプリングカウンタP
および速度比積分値Σeの値を零にセットし、ステップ
S107においてサンプリングタイマTSPをセットする。さ
らに、ステップS108においてZon制御許可フラグFZに0
を立て、eH補正については、Zon制御は行わせず直ちに
補正を行わせるようになし、ステップS109において学習
値更新タイマTDOSを零にセットする。この後、ステップ
S110においてeH補正判定時間TeHを初期値にセットし、
今回のフローを終了する。
第6図のステップS64であるDOS更新ルーチンは第11図
のフローチャートに示される。ここでは、Zon許可フラ
グFZが1か否かの判断(ステップS121)および学習値更
新タイマTDOSが更新判定時間DDOS以上になったか否かの
判断(ステップS122)がなされ、Zon制御を実行してお
らず、且つ速度比eが更新判定時間DDOS以上の間、目標
速度比範囲内に入った場合には、ステップS123におい
て、このときのオフデューティ比Dを学習値DOSとして
記憶する。このため、第4図のステップS12において記
憶されるオフデューティ比DOMは、最新の学習値DOSであ
り、速度比eを目標速度比範囲内に維持するためその時
点で最も適切な値となる。
以上説明した制御により、第2ソレノイドバルブ8の
デューティ比が決定されるのであるが、このデューティ
比は速度比eが所定基準範囲内に入るように制御される
ため、エンジントルク成分が変動すれば、この変動に応
じてロックアップ係合容量が変動制御されて速度比eを
上記範囲に入るようにする制御がなされる。このため、
上述のようにして決定されるデューティ比は、エンジン
トルクに対応する成分を含んだ値であり、例えば、坂道
走行の場合と、平坦路走行の場合とでは、同一の速度比
を得るために必要なデューティ比が異なる。
このようなことから、本制御においては、上述のよう
にして決定されたデューティ比から、エンジントルクに
対応する成分(これをエンジントルク成分と称する)を
引き去り、残りの成分(これをフィードバック成分と称
する)に基づいてロックアップ係合容量の推測・設定を
行うようにしている。
これについて、第12図を用いて説明する。例として、
50km/Hで通常走行時のデューティ比の設定を考える。こ
の場合でのエンジントルクが4kg−mであり、フィード
バック成分の学習値が20%(オン側)であるとすると、
エンジントルク成分は、図から分かるように20%であ
り、フィードバック成分は、50×(20/100)=10%であ
る。このため、この場合での第2ソレノイドバルブ8の
オンデューティ比は両成分を合計して30%となる。な
お、運転状態が第1セミタイト領域にある場合には、フ
ィードバック成分は、上記学習値に一定値が加えられた
値が用いられる。
ここで、各領域毎のソレノイドバルブの制御内容を第
13図の表に基づいて整理する。運転状態がオフ領域の場
合には、第1ソレノイドバルブ7およびタイミングバル
ブルブ8がOFFであり、且つ第2ソレノイドバルブ8もO
FF、すなわち、0%のオン・デューティである。フィー
ドバック領域の場合には、第1ソレノイドバルブ7がON
に切り換わり、第2ソレノイドバルブ8は、フィードバ
ック制御に基づいて定まるフィードバック成分と、その
時のエンジントルクに対応して定まるエンジントルク成
分との和により設定されるデューティ比により制御され
る。コントロール領域においては、フィードバック制御
において記憶された最新の学習値がフィードバック成分
となり、これとエンジントルクに対応したエンジントル
ク成分との和により設定されるデューティ比による制御
がなされる。第1セミタイト領域では、最新の学習値に
係合容量を増加させるための一定値が加えられたフィー
ドバック成分とエンジントルク成分との和により設定さ
れるデューティ比による制御がなされる。第2セミタイ
ト領域では、第1および第2ソレノイドバルブ7,8がと
もにONとなり、タイミングバルブ40はOFFのままにされ
る。そして、タイト領域では第1ソレノイドバルブ7が
OFFに切換られ、タイミングバルブ40がONに切換られ
る。
なお、上記実施例においては、第2ソレノイドバルブ
8の制御用デューティ比の決定に際して、ロックアップ
クラッチの入出力回転数の速度比を用いる例を示した
が、この速度比の代わりに入出力回転数の差を用いて決
定するようにしてもよい。
さらに、上記実施例においては、流体式動力伝達装置
として、トルクコンバータを用いた例を示したが、他の
形式の流体式動力伝達機構、例えばフイルドカップリン
グ等を用いてもよい。
ハ.発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、第1および第
2ソレノイドバルブの作動制御により、第1および第2
制御圧を供給してロックアップクラッチを完全に解放す
るロックアップオフ状態と、第1制御圧の供給を停止し
て第2制御圧のみを供給し、ロックアップクラッチの係
合を制御するロックアップコントロール状態と、第2制
御圧の供給は停止して第1制御圧のみを供給しロックア
ップクラッチを完全に係合させる完全ロックアップ状態
とを作り出し、これら各状態に応じてロックアップクラ
ッチの係合制御を行うようになっているので、ロックア
ップオフ状態、ロックアップコントロール状態および完
全ロックアップ状態をそれぞれ独立して作り出すことが
でき、ロックアップクラッチの作動制御を安定して行う
ことができる。
さらに、ロックアップコントロール状態の係合トルク
領域と完全ロックアップ状態の係合トルク領域とを離し
て、ロックアップコントロール状態での係合トルク領域
は所望の領域に限定して制御し、その上で完全ロックア
ップ状態の係合トルクは大きくして確実にロックアップ
を行わせる制御が可能であり、ロックアップクラッチの
半係合状態での良好な制御を行うことができる。
なお、本発明の制御装置においては、本発明の制御装
置においては、第1制御圧の供給が停止された状態でも
最大第2制御圧が供給されたときには、ロックアップシ
フトバルブは解放位置に位置してライン圧が解放側に供
給され、ロックアップオフ状態が作り出されるようにな
っているので、第1ソレノイドバルブの作動不良で第1
制御圧が供給されない状態となっても、第2ソレノイド
バルブのオンデューティ比を0%(ノーマルクローズタ
イプの場合)にして第2制御圧を最大の圧とした上でこ
れを供給させることによりロックアップクラッチを確実
に解放させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る潤滑圧制御バルブを有したトルク
コンバータ回りの油圧回路図、 第2図はスロットル開度と車速との関係からロックアッ
プクラッチの係合領域を示すグラフ、 第3〜6図および第8〜11図は、ロックアップクラッチ
の作動制御を行うソレノイドバルブノ作動制御内容を示
すフローチャート、 第7図はロックアップクラッチの速度比と時間との関係
の1例を示すグラフ、 第12図はソレノイドバルブのデューティ比とエンジント
ルクとの関係を示すグラフ、 第13図は各領域毎のソレノイドバルブの制御内容を示す
表である。 1……オイルサンプ、2……油圧ポンプ 3……レギュレータバルブ、5……トルクコンバータ 6……ロックアップクラッチ 7,8……ソレノイドバルブ、11……オイルクーラ 20……ロックアップシフトバルブ 30……ロックアップコントロールバルブ 40……ロックアップタイミングバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 弘 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−56662(JP,A) 特開 昭60−192163(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体式動力伝達装置の入力側と出力側とを
    機械的に係脱させるロックアップクラッチにおいて、 オン・オフ制御されて所定圧を有した第1制御圧の供給
    制御を行う第1ソレノイドバルブと、 デューティ比制御されてこのデューティ比に応じて変動
    する第2制御圧を供給する第2ソレノイドバルブと、 前記第1および第2制御圧に応じて作動され、ライン圧
    を前記ロックアップクラッチの係合側に供給する係合位
    置と解放側に供給する解放位置とで切換可能なロックア
    ップシフトバルブと、 前記第2制御圧と前記係合側の油圧とに応じて作動さ
    れ、前記ライン圧が前記係合側に供給されている状態で
    の前記解放側の油圧を前記第2制御圧に応じて調圧する
    ロックアップコントロールバルブと、 前記第1および第2制御圧に応じて作動され、前記係合
    側の油圧を前記ロックアップコントロールバルブに作動
    制御用として供給させる供給位置と、前記ロックアップ
    コントロールバルブへの作動制御用としての前記係合側
    油圧の供給を遮断する遮断位置とで切換可能なロックア
    ップタイミングバルブとからなり、 前記第1および第2ソレノイドバルブの作動制御によ
    り、 前記第1および第2制御圧を供給して前記ロックアップ
    クラッチを完全に解放するロックアップオフ状態と、前
    記第1制御圧の供給を停止して前記第2制御圧のみを供
    給し、前記ロックアップクラッチの係合を制御するロッ
    クアップコントロール状態と、前記第2制御圧の供給を
    停止して前記第1制御圧のみを供給し前記ロックアップ
    クラッチを完全に係合させる完全ロックアップ状態とを
    作り出し、ロックアップクラッチの係合制御を行うよう
    にしたことを特徴とするロックアップクラッチ制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記第1および第2制御圧を供給して、前
    記ロックアップシフトバルブを前記解放位置に位置せし
    めて、前記ロックアップオフ状態を作り出し、 前記第1制御圧の供給を停止して前記第2制御圧のみを
    供給し、前記ロックアップシフトバルブを前記係合位置
    に位置せしめ、前記ロックアップタイミングバルブを前
    記供給位置に位置せしめて前記ロックアップコントロー
    ルバルブにより前記解放側の油圧を前記第2制御圧およ
    び前記係合側の油圧に応じて調圧し、ロックアップコン
    トロール状態を作り出し、 前記第2制御圧の供給を停止して前記第1制御圧のみを
    供給し、前記ロックアップシフトバルブを前記係合位置
    に位置せしめ、前記ロックアップタイミングバルブを前
    記遮断位置に位置せしめて前記完全ロックアップ状態を
    作り出すうようになっていることを特徴とする請求項1
    に記載のロックアップクラッチ制御装置。
  3. 【請求項3】前記第1制御圧の供給が停止された状態で
    前記第2制御圧のうちの最大圧が供給されたときには、
    前記ロックアップシフトバルブは前記解放位置に位置し
    て前記ライン圧が前記解放側に供給され、前記ロックア
    ップオフ状態が作り出されるようになっていることを特
    徴とする請求項1もしくは2に記載のロックアップクラ
    ッチ制御装置。
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