JP2516677B2

JP2516677B2 - 往復動式揺動圧力型混合ガス分離装置

Info

Publication number: JP2516677B2
Application number: JP1056359A
Authority: JP
Inventors: 政明根本; 順泉; 一晃大島; 清一田辺
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1989-03-10
Filing date: 1989-03-10
Publication date: 1996-07-24
Anticipated expiration: 2011-07-24
Also published as: JPH02237610A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は往復動式揺動圧力型混合ガス分離装置に関
し、特に酸素富加燃焼用送風機、適度の酸素ガスを富加
したアメニティ指向型機能空調機、オゾナイザ用酸素供
給装置及び医療用酸素供給装置に適用するに好ましい同
混合ガス分離装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の混合ガスの分離装置の一態様として揺動ガス圧
利用混合ガス分離装置（以下、PSAと称する）がある。
従来のPSAは大型かつ所要動力が大であるという不具合
があり、本発明者らはその不具合を解消するために、先
にシリンダヘッドとピストンとの間に圧力によるガス吸
着能力に差のある吸着剤を配置した往復動式圧縮機にお
いて、シリンダ壁に掃気ポートを設け、かつ、外部に吸
掃気用機器を備えてなる揺動圧力利用型混合ガス分離装
置を提案した。（特願昭63〜209462号）以下、この先に提案した分離装置の概要を第３図によ
って説明する。第３図において、掃気用ブロァ01からの
空気は蓄圧器02に貯えられた後PSA本体03に送り込まれ
る。シリンダヘッド030上の吸気弁031aからシリンダ033
内へ吸入された空気はピストン034の上昇に伴なう圧縮
行程により昇圧され、吸着槽036に送り込まれる。吸着
槽036の内部には、窒素ガスに対し強い吸着力を有する
ゼオライト等の吸着剤が内蔵されている。そのため、吸
着槽036を通り吐出弁032bから酸素ガスが製品ガスとし
て流出、製造される。

ピストン034の下降に伴なう膨張行程により、シリン
ダ033内のガスは減圧され、したがって、吸着剤のガス
吸着能力が弱まり、それに相当する分の吸着窒素が離脱
する。この窒素ガスは、吸気弁031aからの吸入空気によ
り、シリンダ033の壁面に設けられた掃気ポート035より
外気へ放出される。

前記提案分離装置はこのようなサイクルに従がい、往
復動式PSAにより、空気から酸素ガスを製造するもので
ある。

なお、ピストン034は、クランク室041内のクランク機
構により上・下動し、また、ピストンシリンダ033内の
加圧空気ないしはガスのクランク室041への漏洩はピス
トンリング035a,bによって防止される。

〔発明が解決しようとする課題〕

空気分離装置をより使い易くするための要求として、
小型・軽量化があるが、第３図に示す先に提案した装置
は、次の３組の主要パーツ、すなわち、ブロァ01、蓄圧
器02及びPSA本体03（クランクケース04も含む）から構
成され、小型・軽量化の面から不十分であるという問題
点があった。

上記技術水準に鑑み、本発明は前記提案装置より、な
お一層コンパクト化されたPSA装置を提供しようとする
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明はシリンダヘッドとピストンとの間に圧力によ
るガス吸着能力に差のある吸着剤を配置した密閉型往復
動式圧縮機において、クランク室の側壁及びピストンヘ
ッドに各々吸・掃気用バルブを、シリンダ壁に掃気用ポ
ートを設け、かつ、上記シリンダヘッドに製品ガス吐出
用バルブを、更に上部ばかりでなく下部のクランク室側
にもガスシールリングを装着した上記ピストンを有する
ことを特徴とする往復動式揺動圧力型混合ガス分離装置
である。

すなわち、本発明はPSA本体構造を次のように改造す
る。

（１）クランク室側壁に吸・掃気用バルブを設ける。

（２）ピストンヘッドに吸・掃気用バルブを設ける。

（３）ピストンの上部ばかりでなく、下部のクランク
室側にもピストンリングを装着する。

（４）従来型PSAにおけるシリンダヘッド上の吸・掃
気用バルブは取り除く。

このように構成することにより、先に提案したPSA装
置における、掃気用ブロァ01と蓄圧器02が不要となり、
PSA本体のみから構成される混合ガス分離装置が可能と
なる。

〔作用〕

クランク室は、ピストンの往復動に従がい、（１）上昇時には、大気中より、吸・掃気用バルブを
介して大気を吸入する。

（２）下降時には、吸・掃気用バルブを介してシリン
ダ内ガスを掃気する。

ことにより吸・掃気用圧力チャンバの役目を行う。

〔実施例〕

第１図に、本発明に係る往復動式揺動圧力型混合ガス
分離装置（PSA）の一実施例を示す。クランク室１、ク
ランク機構２、ピストン３、シリンダ４、シリンダヘッ
ド５の主要部品から構成される。

クランク室１の壁面11には吸・掃気用バルブ12が設け
られる。吸・掃気用バルブ12は、ポート12aとその開閉
を行なうリード弁12bよりなり、クランク室１が負圧の
時外部より空気を吸入し、正圧時には閉じる機能を有す
る逆止弁である。

クランク室１内にはピストン３を往復動させるための
クランク機構２を収納している。それは、モータやエン
ジン（図示せず）により駆動する。クランク主軸貫通部
（外部駆動の場合）等にはシール（図示せず）を設け、
クランク室１を完全密封状態とする。また、クランク軸
22を支える主軸21や接合棒24の両端部にあるクランクピ
ン軸受23、ピストンピン軸受25は、オイルシール付のこ
ろがり軸受とし、クランク室１内はトイルフリーとす
る。

ピストン３のピストンヘッド31には、吸・排気用バル
ブ32を設ける。それはポート部32aとリード弁部32bより
なりたち、クランク室１側の室内空気圧力がシリンダ４
側の室内ガス圧力より高い時のみ、クランク室１側から
シリンダ４側へ空気が流出する一方向弁である。また、
ピストン３には、シリンダ４室内ガスシール用のピスト
ンリング33a,33bをピストン上部に装着するだけでな
く、クランク４室内空気シール用のピストンリング33c
をピストン下部にも装備する。なお、これ等のピストン
リング33a,33b,33cは、無給油運転を可能にするPTFE製
である。また、シリンダ４の壁面41には、ピストン下死
点の位置に掃気ポート42を設ける。

シリンダヘッド５は、吸着剤50が充填された吸着槽5
1、製品ガス吐出バルブ52、製品ガス室53からなる、吐
出バルブ52は、ポート52aとリードバルブ52bの組合せで
形成される一方向弁であり、吸着槽51内のガス圧力が製
品ガス室53のガス圧力より高い時のみ前者から後者への
製品ガス流れが生ずる。その逆の条件下では、吐出バル
ブ52は閉じた状態となる。

製品ガス室53は配管ライン６により製品ガス貯蔵タン
ク（図示せず）と接続しており、そこには、吐出ガス圧
力制御弁61が取り付けられている。

このように構成された往復動式揺動圧力型混合ガス分
離装置（PSA）の動作について、第２図に作動行程を示
す。

ピストン31が上昇行程に入り、ピストン31側面がシリ
ンダ４の壁面41に設けられた掃気ポート42を閉じる（ク
ランク角度θ＝θ₀）と、シリンダ４内にトラップされ
た空気の圧力が上がり始め、シリンダ４内の圧縮空気は
シリンダヘッド５に設置された吸着剤50が装填されてい
る吸着槽51に送り込まれる。ピストン３が上昇を続け、
ついには吐出弁52が開く圧力P₀に達すると、吸着槽を通
り易吸着ガスである窒素を吸着した残りの酸素が吐出ポ
ート52aを経て、製品ガス室53を通り、製品ガスとして
外部へ送り出される。ピストン３が上死点（TDC）に達
するまで製品ガスの吐出が継続する。

一方、ピストン３の上昇に伴い、クランク室１の容積
の増大につれ室内圧力が低下し、その結果クランク室１
の壁面11に設けられた吸掃気用バルブ12が開き、大気よ
り空気を吸入し始め、それはピストン３が上死点（TD
C）へ達する行程中続く。

ピストン３が下降行程に入ると、シリンダ４内のガス
圧力も下がり始め、ほゞ同時に吐出弁52bが吐出ポート5
2aを閉じる。さらに、ピストン３の下降に従いシリンダ
４内のガス圧力は減少し続ける。

他方、アンダピストン部のクランク室１内の空気は、
ピストン３が下降行程に入るとともに圧力上昇が始ま
り、同時に吸気弁12bがポート12aを塞ぐ。また、クラン
ク室１内の空気は、ピストン３の下降に応じ圧力の上昇
が続く。なお、クランク室１自体のデットボリュームは
ピストン作動容積に較べ充分に大きな値にとることによ
り、空気圧力の最高値はピストン上部のシリンダガスの
それに対し１桁以上低い値（例えば、0.1〜0.2kg/cm²）
となる。

ピストン３の下降によるシリンダ４内のガス圧力の低
下は、吸着槽51内の吸着剤50に吸着されていた窒素ガス
の離脱を生じさせる。離脱した窒素ガスは、吸着槽51か
らシリンダ４内へと膨張・吸引される。シリンダ４内の
膨張ガス圧力（P₁）が、クランク室１内の圧縮空気
（P₂）と等しい値（P_i）になると、ピストン３のピスト
ンヘッド31上に設けた吸・掃気弁32が開き、クランク室
１からシリンダ４内への空気の流入が始まる。さらに、
ピストンヘッドトップが掃気ポート42の位置（θ＝
θ₀）に到達すると、シリンダ４内のガスが系外へ掃気
され始める。ピストン３は下降し続け、終には下死点
（BDC）に達し、シリンダ４内のガスを新しく吸入した
空気に置換する。

このようにして、往復動型PSAで必要とする圧縮・膨
張及び吸・掃気行程を含む１サイクルを形成することが
できる。

〔発明の効果〕

（１）往復動式PSAにおいて、クランク室壁面及びピ
ストンヘッドに吸・掃気用一方向弁を設けることによ
り、アンダピストンを利用した吸・掃気ポンプを形成す
ることができ、その結果、外部ブロァ及び蓄圧器を有す
る従来型往復動式PSAに較べ、部品点数の減少並びにコ
ンパクト化が図れる。

（２）これにより、製品価格の低減にもつながる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における往復動式PSAの構成
図、第２図はその作動行程図、第３図は先に提案した往
復動式PSAの構成図である。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】シリンダヘッドとピストンとの間に圧力に
よるガス吸着能力に差のある吸着剤を配置した密閉型往
復動式圧縮機において、クランク室の側壁及びピストン
ヘッドに各々吸・掃気用バルブを、シリンダ壁に掃気用
ポートを設け、かつ、上記シリンダヘッドに製品ガス吐
出用バルブを、更に上部ばかりでなく下部のクランク室
側にもガスシールリングを装着した上記ピストンを有す
ることを特徴とする往復動式揺動圧力型混合ガス分離装
置。