JP2516251Y2 - 多角ナットの供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、多角ナットの供給装
置、更に詳しくは、ナット締めを行うナットボックス
に、１個づつ多角ナットを供給する装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、ナット締めを行うナットボックス
に、１個づつ六角ナット等の多角ナットを供給する装置
は公知である。

【０００３】代表例として、例えば、実開昭５５−１２
５７７８号公報においては、シュートから支持具上に移
送される多角ナットが、支持具が嵌着されている支柱体
の上端上に位置して静止されると、その上方から、吸引
式のナットボックスが下降して来て、弾性体で上方に付
勢されている支持具を下方へ押し付けながら多角ナット
を保持する供給装置が開示されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、かかる供給装
置は、ナットボックスを回転させながら支持具を下方へ
押し付けるものであるから、ナット保持の初期、すなわ
ち、ナットボックス内に多角ナットが僅かに嵌挿された
状態において、かかるナットの多角エッジが削り取られ
易く、特に、小さいナットの場合においてそれが顕著で
あり、その為、保持した多角ナットをボルトに取り付け
るに際してナットボックス内で空回りして十分な締め付
けが困難になってしまうといったトラブルが度々であっ
た。

【０００５】本考案は、このようなことに鑑み、これを
解決すべく鋭意検討の結果、シュートから切り出される
多角ナットを異方向に配向させないように支持してナッ
ト渡し位置に移動させると共にこれを、吸引式のナット
ボックスを回転させずに保持し得るように構成すればよ
いことを見出したのである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち、本考案に係る
多角ナットの供給装置は、多角ナット群を同一方向に配
向させて一列に滑走させるシュートと、前記シュートか
ら前記多角ナットの１個を切り出しし得る間隔に前記シ
ュートの切出口と対向されて配設されたストッパーと、
前記シュートから切り出される前記多角ナットを支持す
る支持具と、前記多角ナットをナット渡し位置に移動さ
せるように前記支持具を前記シュートの延設方向と直交
する水平方向若しくは上方へ移動させる移動手段と、前
記支持具がナット渡し位置に移動される際に前記シュー
トの切出口を閉塞し得るように前記支持具に装着された
シャッターと、かかるナット渡し位置に移動された前記
多角ナットの上方から下降されて前記多角ナットを吸引
保持するナットボックスとを備え、かつ前記支持具が、
前記多角ナットの多角形端面を形成している互いに平行
な端面夫々に接触される一対のナット回り止め突起を有
している共に前記ナットボックスが、ボックス壁下端に
前記ナット回り止め突起を挿入し得る切欠凹部を有して
いることを特徴とするものである。

【０００７】

【実施例】以下、本考案に係る一実施例について図面に
基いて述べると、図１において、図示されていない供給
装置から次々と送られて来る六角ナット１群は、シュー
ト２で同一方向に配向されて一列の姿に滑走されるが、
かかるシュート２の切出口３と対向されてストッパー４
が配設されている。なお、ストッパー４は、機台５に固
着されているが、切出口３に対して六角ナット１の１個
を切り出しし得る間隔に配設されている。

【０００８】また、図示のように、切出口３とストッパ
ー４間に位置して支持具６が配設されているが、これ
は、切出口３から切り出される六角ナット１を異方向に
配向させないように支持、すなわち、六角ナット１の六
角形端面を形成している互いに平行な端面イ，ロ夫々に
接触される一対のナット回り止め突起７を有し、更にシ
ャッター８を固着している。

【０００９】なお、支持具６は、機台５上に載置されて
おり、下方に配設されている移動手段９により上方のナ
ット渡し位置に移動されるが、その際、シャッター８に
より切出口３が閉塞される。かかるシャッター８は、所
定長さの板材で構成されて支持具６に懸架されていると
共に移動手段９は、アクチュエータ１０のピストンロッ
ド先端にリフト治具１１を固着して構成されている。

【００１０】その為、アクチュエータ１０のピストンロ
ッドを突出させてリフト治具１１を上昇させることによ
り、これのピン部１１ａを、機台５及び支持具６に貫通
されている孔に挿入することができる共に支持具６に支
持されている六角ナット１の螺子孔に挿入することがで
き、かつ段部１１ｂで支持具６を係止してシュート２の
延設方向と直交する上方のナット渡し位置に移動させる
ことができる。なお、機台５に貫通されている孔は段部
１１ｂを挿入し得る大きさに設けられている。

【００１１】而して、六角ナット１が支持具６と一緒に
上方のナット渡し位置に移動されると、次いで、その上
方からナットボックス１２が下降されて来る。かかるボ
ックス１２は図示されていないが、縦軸で案内されて昇
降し得ると共に該軸中心に水平方向に所定角度に揺動し
得るアームに装着され、断面図である図２において示さ
れているように、ボックス壁下端に、ナット回り止め突
起７を挿入し得る一対の切欠凹部１２ａを有し、かつ吸
気により六角ナット１を吸引保持し得るように構成され
ている。

【００１２】その為、支持具６の一対のナット回り止め
突起７夫々を、切欠凹部１２ａ夫々に挿入させるように
ナットボックス１２を下降させることにより、支持具６
で支持されている六角ナット１を吸引保持することがで
き、従って、ナットの六角エッジが削り取られるといっ
た問題を発生させることなく保持することができる。

【００１３】以下、六角ナット１を吸引保持し得たナッ
トボックス１２は上昇されてナットを取り付ける所へ移
動されると共に、移動手段９のピストンロッドが没され
て支持具６が再び機台５上に載置される。すると、次の
六角ナット１が切出口３から支持具６に切り出される。
このようにして次々とナットボックス１２に対して１個
づつ供給することができる。

【００１４】以上、本考案に係る一実施例について述べ
たが、本考案においては、平面図である図３において示
されているように、支持具６を、シュート２の延設方向
と直交する水平方向に移動させるように設けてもよい。
かかる場合においては、支持具６は、（Ａ）から（Ｂ）
に移動されるが、その為の移動手段９は、アクチュエー
タ１０のピストンロッド先端を支持具６に固着して構成
される。なお、ナットは、六角以外の多角ナットであっ
てもよい。

【００１５】

【考案の効果】上述のように、本考案によると、ナット
締めを行うナットボックスに対して多角ナットを供給す
るに際し、ナットの多角形エッジが削り取られるといっ
た問題を発生させることなく供給することができる供給
装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】六角ナットの供給装置の斜視図である。

【図２】ナットボックスの縦断面図である。

【図３】本考案に係る他の実施例を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 六角ナット ２ シュート ３ 切出口 ４ ストッパー ６ 支持具 ７ ナット回り止め突起 ８ シャッター ９ 移動手段 １２ ナットボックス １２ａ 切欠凹部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多角ナット群を同一方向に配向させて一
   列に滑走させるシュートと、前記シュートから前記多角
   ナットの１個を切り出しし得る間隔に前記シュートの切
   出口と対向されて配設されたストッパーと、前記シュー
   トから切り出される前記多角ナットを支持する支持具
   と、前記多角ナットをナット渡し位置に移動させるよう
   に前記支持具を前記シュートの延設方向と直交する水平
   方向若しくは上方へ移動させる移動手段と、前記支持具
   がナット渡し位置に移動される際に前記シュートの切出
   口を閉塞し得るように前記支持具に固着されたシャッタ
   ーと、かかるナット渡し位置に移動された前記多角ナッ
   トの上方から下降されて前記多角ナットを吸引保持する
   ナットボックスとを備え、かつ前記支持具が、前記多角
   ナットの多角形端面を形成している互いに平行な端面夫
   々に接触される一対のナット回り止め突起を有している
   共に前記ナットボックスが、ボックス壁下端に前記ナッ
   ト回り止め突起を挿入し得る切欠凹部を有していること
   を特徴とする多角ナットの供給装置。