JP2516228B2 - 無機質板の補強構造 - Google Patents

無機質板の補強構造

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JP2516228B2 JP62314400A JP31440087A JP2516228B2 JP 2516228 B2 JP2516228 B2 JP 2516228B2 JP 62314400 A JP62314400 A JP 62314400A JP 31440087 A JP31440087 A JP 31440087A JP 2516228 B2 JP2516228 B2 JP 2516228B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コンクリートスラブやコンクリート壁を作
製するためのコンクリート打設用の捨型枠等として用い
られるもので、詳しくは、セメントモルタルやコンクリ
ート、ケイ酸カルシウム等からなる無機質板の補強構造
に関する。
〔従来の技術〕
今日では、セメントモルタル板やコンクリート板、ケ
イ酸カルシウム板で代表される無機質板の補強構造とし
て、ガラス繊維や炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、
炭化ケイ素繊維等の無機質・有機質の各種の長繊維を無
機質板内に配設してその無機質板を曲げ強度面で補強す
るものが知られている。その一例としては、コンクリー
ト板内の表裏両板表面に近い箇所の夫々に長繊維を板表
面に沿って姿勢で配設したものが知られている(例えば
特開昭62−178644号公報参照)。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、前記従来の補強構造によるときは、コンクリ
ート打設用の捨型枠や土留用の簡易な矢板等、表裏の板
表面に作用する荷重に大きな差があって一方側への曲げ
応力のみが作用する条件で使用される無機質板を考えた
場合、曲げ応力が引張力として作用する側の板表面の近
くに位置する長繊維は、その引張力に抗してその板表面
の曲げに起因したひび割れを防止するといったように、
曲げ応力に対して効果的に作用するものの、他方の板表
面の近くに位置する長繊維は、曲げ応力の対策として役
に立っていない。
従って、前述したように、一方側への曲げ応力のみが
作用する無機質板において、表裏の両板表面近くの夫々
に長繊維を配設することは、要求される耐曲げ性能の割
には長繊維の使用量が不当に多くて材料面からのコスト
アップを招来し、しかも、長繊維を表裏の両板表面近く
にそれら板表面に沿った姿勢で配設するといった手数の
かかる長繊維設置作業が2回も必要たなって作業面から
もコストアップを招来するのである。
そして、一方側への曲げ応力のみが作用する条件下で
使用する無機質板の用途は多岐にわたり、かつ、多々発
見されており、その結果、今日においては、そのような
用途に使用できる耐曲げ性能をそなえながらも、安価で
ある無機質板が強く望まれている。
本発明の目的は、無機質板に対する前述の強い要望を
十分に充足できるようにする点にある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明による無機質板の補強構造の特徴構成は、無機
質板内のうち表裏一方の板表面に近い箇所にのみ、多数
の枝又は突起を備えた長繊維を板表面に沿った姿勢で配
置してある点にあり、その作用・効果は次の通りであ
る。
〔作 用〕
無機質板の表裏の両板表面のうち長繊維に近い側の板
表面を引張力作用側とする曲げ応力が無機質板に作用し
たとき、長繊維によって、無機質板に作用する曲げ応力
に起因して生じる引張力に抗して板表面のひび割れを防
止できるため、長繊維に近い側の板表面を引張力作用側
とする曲げ応力に対する耐曲げ性能を十分に確保でき
る。しかも、一方の板表面近くにのみ耐曲げ性能向上の
ための長繊維を配設してあるため、前述した従来のもの
に比較して、長繊維の使用量を半減できるとともに、長
繊維の配設といった手数のかかる作業の数を半減でき
る。
前記長繊維は、多数の枝又は突起を備えたものである
から、前記長繊維と無機質板とは、物理的に結合力の大
きなものとなり、前記無機質板に大きな耐引張力作用を
期待することが出来る。
また、長繊維と、無機質板との物理的な結合力が大き
ければ、前記無機質板の前記長繊維を狭んだ両面側が、
前記長繊維の配設位置で層間剥離を起してしまうような
虞も少なく出来る。
〔発明の効果〕
その結果、一方側への曲げ応力のみが作用する条件下
での多岐にわたる用途に使用できながらも、安価に作製
できる無機質板を提供できるようになった。
特に、無機質板のうち、長繊維とそれに近い側の板表
面との間に位置する表層部分の厚さを0.5〜5mmとして実
施することが望ましい。なぜなら、それより薄くする
と、無機質板と長繊維との結合力が弱くなって長繊維に
よる耐引張力作用を期待できなくなり、反対に鉄筋コン
クリートや鉄骨コンクリートの構造をそのまま採用して
それよりも厚くすると、引張力が作用したとき、長繊維
近くの無機質板部分の引張力による破壊は防止できるも
のの、長繊維による破壊防止作用が板表面にまで及ば
ず、板表面にひび割れが生じ易いといったことが実験の
繰り返しによって知見されたからである。
また、無機質板はコンクリート打設用の捨型枠として
非常に有用である。なぜなら、長繊維が配設されていな
い側の板表面は、曲げ応力が作用したとき圧縮力を受け
て破損するおそれがあるが、その破損のおそれがある板
表面は打設コンクリートと結合して修復され、強度面お
よび外観とに悪影響が全くないからである。
前記無機質板は、耐引張力作用が大きく、かつ、層間
剥離を起こしにくいものであるから、前記無機質板の前
記長繊維を狭んだ両面側が一体とならずに各別に破損し
てしまうような虞を低減でき、前記無機質板の前記長繊
維を狭んだ両面側が一体となった高い強度を実現し易
い。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を示す。
第3図に示すように、コンクリート打設用の捨型枠
(A)として用いられセメントモルタル板(1)(無機
質板)であって、第1図に示すように、このセメントモ
ルタル板(1)内の表裏一方の板表面近くの箇所には、
多数の枝を備えた長繊維(2)が板表面に沿った姿勢の
ネットを形成する状態で配設されている。
前記長繊維(2)は、ガラス繊維であって、第2図に
示すように、複数のフィラメントが集束したロービング
を単位としてネットの網目を形成するように縦横に配置
されており、ネットの縦糸になるロービングと横糸にな
るロービングとは、結合しておらず、重なっているだけ
である。
前記セメントモルタル板(1)のうち、前記長繊維
(2)とそれに近い側の板表面との間に位置する表層部
分(1A)は、モルタルをもって構成されており、長繊維
(2)と他方の板表面との間に位置する層部分(1B)
は、短繊維(3)をランダムは配向状態で混入した繊維
補強モルタルをもって構成されている。
前記短繊維(2)は、ガラス繊維で、ストランドと称
されているものである。
そして、前記モルタル製の表層部分(1A)の厚さ
(t)(一般に鉄筋コンクリートや鉄骨コンクリートに
おけるかぶり厚に相当するもの)は、0.5〜5mm、好まし
くは1〜2mmであり、セメントモルタル板(1)の厚さ
(t0)は、10〜50mmである。つまり、表層部分(1A)の
厚さ(t)は、セメントモルタル板(1)の厚さ(t0
の1/10〜1/25である。
そして、そのようにネット状の長繊維(2)および短
繊維(3)で補強されたセメントモルタル板(1)は、
第3図に示すように、長繊維(2)に近い側の板表面を
外側に位置させる状態で捨型枠(A)として用いられる
ものであって、スラブや壁となるコンクリート(B)の
打設に伴う曲げ応力で外側の板表面に引張力が作用する
ものの、この引張力に長繊維(2)で対抗して、板表面
のひび割れが防止されるものである。
前記セメントモルタル板(1)の作製方法の一例を示
すと、第4図(イ)に示すように、成形型(4)に表層
部分(1A)を形成するためのモルタル(5)を所定厚さ
(1〜2mm)に吹付け、その吹付けモルタル(5)が硬
化する前に第4図(ロ)に示すように、その吹付けモル
タル(5)の上面に長繊維(2)をネット状に配置し、
ローラ等を用いて脱泡し、その後、第4図(ハ)に示す
ように、その上に層部分(1B)を形成するための短繊維
混入モルタル(6)を所定の厚さに吹付け、その上面を
整形したのち、養生させ、脱型する。
次に本発明者が行った耐曲げ性能の試験を示す。
試験は、長繊維入りのセメントモルタル板と、長繊維
無しのセメントモルタル板とを供試体として、それぞれ
について、曲げ比例限界強度(LOP)と曲げ破壊強度(M
OR)とヤング係数(E)とを調べることで行った。
前記長繊維入り供試体は、上述した実施例のセメント
モルタル板で、かつ、径が13μmのガラスフィラメント
を200本集束させたロービングをもって形成した5mm角の
網目のネットを長繊維(2)として配設するとともに、
総重量の5%の重量の量のガラスストランドを短繊維
(3)として混入し、かつ、表層部分(1A)の厚さ
(t)を1〜1.5mmとして作製したものである。
前記長繊維無し供試体は、総重量の5%の重量の量の
ガラスストランドを短繊維(3)として混入したモルタ
ルから作製したものである。
なお、両種供試体は、ともに、スチームで高温養生し
たのち、脱型し、所定寸法に切断し、水中養生し、材令
7日で取出したのち室内で養生させた材令28日のもので
ある。
結果を表(イ)に示す。なお、結果は6つの供試体の
平均であり、( )内の数字は標準偏差である。
〔別実施例〕 以下、本発明の別実施例を示す。
[1]上記実施例では、長繊維(2)として、縦糸用の
長繊維と横糸用の長繊維とを板厚さ方向で重ねただけの
ネットを示したが、長繊維(2)としては、両種長繊維
を編む又は織った構造のネット状のものであっても良
い。また、縦糸用又は横糸用のうちの一方の長繊維を引
張力作用方向に沿わせるように配設することが望ましい
が、長繊維を引張力の作用方向に対して傾斜する姿勢に
配設して実施しても良い。加えて、両種の長繊維の間
隔、つまり、ネットの網目の大きさはその無機質板
(1)に作用する引張力に応じて適宜選定するものであ
る。
[2]上記実施例では、長繊維(2)をネット状に配置
したが、長繊維(2)は、縞状に一方向に沿った姿勢に
配設しても良い。
[3]上記実施例では、短繊維(3)が混入した無機質
板(1)を示したが、本発明は、短繊維(3)のないも
のにも適用できる。
[4]上記実施例では、無機質板(1)としてセメント
モルタル板を示したが、無機質板(1)としては、コン
クリート板やケイ酸カルシウム板等であっても良い。
[5]上記実施例では、コンクリート打設用の捨型枠
(A)として使用される無機質板(1)を示したが、本
発明は、スラブや壁、天井下地、天井等各種の用途に使
用される無機質板(1)に適用できる。
[6]上記実施例では、長繊維(2)としてガラス繊維
を示したが、長繊維(2)としては、ガラス繊維の他
に、炭素繊維、ステンレス等の金属繊維、アラミド繊
維、炭化ケイ素繊維等、有機質、無機質の各種の繊維を
挙げることができる。
[7]長繊維(2)として、表面に無機質板(1)との
結合力を増大させる化学的処理が施されたものを用いて
もよい。
[8]長繊維(2)にプレストレスをかけた状態で無機
質板(1)内に配設しても良い。
[9]尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利に
する為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面
の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明に係る無機質板の補強構造の実施例を示
し、第1図は縦断面図、第2図は一部切欠き平面図、第
3図は使用状態を示す縦断面図、第4図(イ)〜(ハ)
は作製工程図である。 (1)……無機質板、(2)……長繊維、(1A)……表
層部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横井 征夫 大阪府大阪市東区本町4丁目27番地 株 式会社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 村上 信直 大阪府南河内郡美原町木材通3丁目1番 8号 株式会社竹中工務店技術研究所大 阪支所内 (72)発明者 田中 国富 大阪府大阪市東区道修町4丁目8番地 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 高島 秀郎 大阪府大阪市東区道修町4丁目8番地 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 朝日 清公 大阪府大阪市東区道修町4丁目8番地 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 遊垣 慶一 東京都江東区佐賀1―9―14 マサル工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−32608(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機質板(1)内のうち表裏一方の板表面
    に近い箇所にのみ、多数の枝又は突起を備えた長繊維
    (2)を板表面に沿った姿勢で配設してある無機質板の
    補強構造。
  2. 【請求項2】前記無機質板(1)のうち、前記一方の板
    表面と長繊維(2)との間に位置する表層部分(1A)の
    厚さ(t)が0.5〜5mmである特許請求の範囲第1項に記
    載の無機質板の補強構造。
  3. 【請求項3】前記無機質板(1)が、コンクリート打設
    用の捨型枠である特許請求の範囲第1項又は第2項に記
    載の無機質板の補強構造。
JP62314400A 1987-12-12 1987-12-12 無機質板の補強構造 Expired - Lifetime JP2516228B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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