JP2515770Y2 - タンデム型負圧式倍力装置 - Google Patents

タンデム型負圧式倍力装置

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JP2515770Y2
JP2515770Y2 JP1989011038U JP1103889U JP2515770Y2 JP 2515770 Y2 JP2515770 Y2 JP 2515770Y2 JP 1989011038 U JP1989011038 U JP 1989011038U JP 1103889 U JP1103889 U JP 1103889U JP 2515770 Y2 JP2515770 Y2 JP 2515770Y2
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秀行 森本
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株式会社ナブコ
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、車両等でマスタシリンダの作動を補助す
るタンデム型負圧式倍力装置に関し、特に、ケーシング
の内部に二つの内部空所を区分する中間隔壁の部分の改
良であって、ハブ部材との間をシールするシール装置の
組み付け構造に関する。
(従来の技術) 一般に、この種のタンデム型の倍力装置(いわゆる、
タンデムブースタ)は、ケーシングの内部に、中間隔壁
によって前後一対の内部空所が区分され、それらの内部
空所の中に各々受圧部が形成されている。そのため、タ
ンデム型の倍力装置は、受圧部が一つである通常のシン
グル型のものに比べて、受圧部の面積が全体として大き
く、したがって、より大きな倍力機能を有する。
ここで、ケーシングの内部を仕切る中間隔壁に注目す
ると、中間隔壁は、通常、プレート形状の隔壁本体を有
し、その内周がハブ部材の外周にはまり合っている。そ
して、ハブ部材との間をシールするため、隔壁本体の内
周部分にシール装置が設けられているが、従来のシール
装置は、ゴム製のシール材のみによって構成されてい
た。たとえば、特公昭53−23913号の公報が、そうした
技術を示している。
(考案が解決しようとする課題) タンデムブースタでは、受圧部が軸線方向に二つある
ため、軸線方向の長さが必然的に長い。そこで、中間隔
壁は、ハブ部材を軸線方向に摺動案内する機能をも有す
る。この摺動案内の機能からすると、従来の構造には少
し無理がある。シール材だけでは、ハブ部材を円滑に摺
動案内することが困難であり、また、シール材に局部的
に過大な作用力が加わることから、その耐久性も低い。
そこで、本考案者は、前記シール装置として、プラス
チック製の摺動部材を用い、中間隔壁の内周の筒部に摺
動部材、リップ型のシール材、抜け止めを順次組み付け
る構造を採用することにした。
この考案は、そうした組み付け構造の中でも、シール
材の耐久性および各部品の組み付け性が良好な技術を提
供することを目的とする。
(考案の着眼点) タンデム型のものにあっては、シングル型のものに比
べて、軸線方向の長さが長く、しかも、中間隔壁の部分
にはハブ部材からより大きな揺動力が作用する。そのた
め、タンデム型のものにおける中間隔壁の内周に配置す
るシール装置としては、シール用と摺動案内用の各部材
を少なくとも別部品として設けることが必要である。そ
して、シール材については、その固定を強固に行うと同
時に、リップ部に大きな自由度をもたせるようにするこ
とが要望される。
(考案の概要) この考案では、実施例に対応する第1図および第3図
に示すように、中間隔壁60の内周の筒部61の中に、バッ
クアッパとしての摺動部材36、それに隣り合うシール材
38、および抜け止め37を備え、抜け止め37が、シール材
38の外周リップ38aの先端前方で筒部61に圧接する止め
部37aと、シール材38の外周リップ38aを筒部61に向かっ
て押圧する押え部37bとをもった構成としている。
摺動部材36は、シール材38に過大な力が加わることを
防ぎ、また、抜け止め37は、シール材38の内周リップ38
bの自由度を阻害することがない。しかも、抜け止め37
がシール材38の外周リップ38a側を押えるようになって
いるため、抜け止め37の圧入の程度にかかわらず、内周
リップ38bの自由度は高い。以上により、シール材38の
耐久性および各部品の組み付け性が共に向上される。
(実施例) タンデムブースタ10は、径の大きな本体20の部分と、
本体20の後ろ側一面から突き出た突出し部30とを有す
る。ケーシングである本体20は、筒状部21を含んだコッ
プ状のフロントシェル22と、皿状のリアシェル24とを結
合して形成されている。したがって、本体20の中には、
充分なスペースの内部空所が形成されている。一方、突
出し部30は、リアシェル24の中央に設けた筒部24aと、
筒部24aの後端から延びた蛇腹状のブーツ32とを有す
る。
そして、こうした本体20および突出し部30の内部に、
ハブ部材40が配置されている。このハブ部材40は、プラ
スチック成形品であって、大径な前部42aと小径な後部4
2bとを有する主部分42と、主部分42の後部42bの外周に
摺動可能にはまり合った筒状部44とを有する。
筒状部44は、前部44aが後部44bよりも少し径が大きく
なった、金属製の二段構成の筒である。互いに径の異な
る前部44aおよび後部44bの径は、リアシェル24の筒部24
aの内径よりも小さい。しかし、その前端に外向きフラ
ンジ46があるため、図に示すように、ハブ部材40が戻り
位置にあるとき、外向きフランジ46がリアシェル24の内
壁に当たる。それによって、筒状部44の後退位置が決ま
る。外向きフランジ46は、第2図が明らかにしているよ
うに、一周にわたり、しかも、その外周縁には異音防止
のためのゴムコーティング47が設けられている。こうし
た外向きフランジ46の部分は、筒状部44それ自体の後退
位置を定めるだけでなく、ハブ部材40の後退位置をも定
めている。一方、筒状部44の後端には内向きフランジ48
がある。内向きフランジ48は、入力部材であるオペレー
ティングロッド90にねじ結合したナット92のつば部92a
に当たっている。それにより、オペレーティングロッド
90は所定量だけ前進し、タンデムブースタ10の遊びを小
さくしている。なお、ナット92に隣り合った部材93はロ
ックナットである。
また、ハブ部材40の弁孔50の中におけるオペレーティ
ングロッド90の周りを見ると、オペレーティングロッド
90の前端には、弁ピストン52がある。この弁ピストン52
の後端に一つの弁座521があり、また、その外周の主部
分42の内壁部分にもう一つの弁座421がある。そして、
それらの弁座421,521に対向してポペット弁53がある。
ポペット弁53は、後部53bがばね受け54によって主部分4
2の内周の段部に押し付けられ、他方、補強板53cを有す
る前部53aは可動になっている。ばね受け54は、また、
主部分42の後端にシールリング55を支持している。シー
ルリング55は、主部分42と筒状部44との間のシールを司
っている。ポペット弁53の前部53aに前方に向かう着座
力を与えるのが、内側の第1のばね561であり、また、
オペレーティングロッド90を後方に付勢するのは、外側
の第2のばね562である。このように、ハブ部材40の弁
孔50の内部に弁装置Vが構成されるが、その弁装置Vの
作動を有効に行なうためには、ハブ部材40に対する弁ピ
ストン52の移動範囲を制限することが必要である。
主部分42の内周の弁孔50の中を移動する弁ピストン52
は、段付き形状であるので、前方側に向かう動きについ
ては、段部51aによって制限あるいは規制することがで
きる。したがって、弁ピストン52の動きは、後方側につ
いて制限するようにすれば良い。その点、弁ピストン52
はオペレーティングロッド90と一体的に動き、しかも、
後方に向かう動きをするとき、オペレーティングロッド
90は筒状部44を付随する。そこで、弁ピストン52の動き
を規制する方法として、主部分42に対する筒状部44の動
きを規制あるいは制限する手法を採ることができる。こ
こでは、互いに摺動可能に結合した主部分42および筒状
部44に対し、一方に凹所57、他方にはその凹部57にはま
り合う突部58を設けている。第2図が凹所57および突部
58の関係をより明らかにしているが、それらは周方向に
適当な間隔をもって複数設けられている。図に示す場合
とは逆に、筒状部44に凹所、主部分42に突部を設けるよ
うにすることもできる。また、突部としては、筒状部44
の一部を三方で切り、その部分を起こした片を利用する
だけでなく、二方で切った片、あるいは、切ることなく
突出させたものなど種々の変形をなすことができる。し
かし、どの場合にしろ、凹所57および突部58は主部分42
の表面部分を占めるだけである。そのため、それらによ
って主部分40の内部に設けるべき各通路を形成しにくく
なることはない。この例では、各通路を互いに周方向に
180°隔てた位置に二つ設けるようにしている。なお、
各通路については、後の関連した部分で再度説明する。
ハブ部材40は、主部分42の前部42aの外周および筒状
部44の外周の二つの部分で案内かつシールされつつ、前
後方向に移動可能である。リアシェル24の筒部24aの開
口部に設けたプラスチック製の案内リング34が、小径な
筒状部44を案内し、しかも、その筒状部44の周りをブー
ツ32の前端のリップ32aがシールする。また、大径な主
部分42の前部42aの方は、中間隔壁60の内周に設けた、
摺動部材である案内リング36が摺動案内、そしてシール
材であるシールリング38がシールする。中間隔壁60はプ
レス成形品であって、全体としてドーナツ形状であり、
内部空所を二分する隔壁本体62のほか、その隔壁本体62
の内周側および外周側に、各々軸線方向に延びる筒部6
1,63がある。内周側の筒部61の端部61aは軸線に対して
直交する方向に折れ曲がり、それによって案内リング36
を支持している。それに対し、外周側の筒部63は、フロ
ントシェル22の筒状部21の内面に沿い、肉の薄いフロン
トシェル22を補強している。しかも、この筒部63の方
は、第1ダイヤフラム71および第2ダイヤフラム72の各
外周ビード部71b,72bをも支持しており、そのため、中
間隔壁60は、本体20の内部空所を前方側と後方側とに気
密に二分している。
ここで、中間隔壁60とハブ部材40の主部分42との間を
シールするシール装置300に注目されたい。第3図がシ
ール装置300を詳細に示している。シール装置300は、隔
壁本体62の内周側の筒部61の中に位置する、三つの部
材、つまり、摺動部材であるプラスチック製の案内リン
グ36と、内外周のリップ38b,38aを有するゴム製のシー
ル材38と、止め部37aおよび押え部37bを有する金属製の
抜け止め37とによって構成されている。案内リング36
は、後方部分に段部36aを有し、その段部36aの部分が筒
部61の端部のフランジ部61aに係合している。また、案
内リング36の前方に隣り合うシール材38は、断面形状が
コ字型であって、その背面が案内リング36の前面によっ
て支持されている。シール材38の外周には一周にわたる
突起38cがあり、その突起38cによって筒部61の内面との
間のシールが図られている。抜け止め37の押え部37b
が、シール材38の外周リップ38aを外側に向かって押え
ているため、外周リップ38aの外周の突起38cによるシー
ルは確実である。抜け止め37は、内周の押え部37bがシ
ール材38の環状溝であるくぼみ38dの中に入り込み、外
周の止め部37aが筒部61に圧接している。止め部37aは、
周方向の複数ヶ所に設けた突片である。
したがって、このようなシール装置300では、シール
材38の内周リップ38bの自由度が高く、しかも、その自
由度は、抜け止め37の圧入の程度によって低減されるこ
ともない。そのため、シール材38は高い耐久性をもち、
しかも、シール装置300はその組み付け性にも優れてい
る。この点、部品の構成を基本的に同じにした他のシー
ル装置300′,300″(第4図参照)にあっては、内周リ
ップ38′b,38″bの自由度が低くなり、摺動抵抗が増加
して、さらには、シール材38′,38″の耐久性が低下す
るなどの不具合を生じてしまう。勿論、抜け止め37′,3
7″の圧入も慎重に行なわざるをえず、その組み付け性
が悪い。なお、第4図において、第3図における同様な
構成部分には、同一符号にダッシュをつけてある。
次に、各外周ビード部71b,72bの支持構造に注目しよ
う。第1ダイヤフラム71の外周ビード部71bは、フロン
トシェル22の筒状部21の中間部に設けた段部22aと、中
間隔壁60の筒部63の前端に設けた段部60aとの間に挾ま
り、また、第2ダイヤフラム72の外周ビード部72bは、
中間隔壁60の筒部63の後端に設けた立上りフランジ60b
と、フロントシェル22の開口部内壁およびリアシェル24
の外周のフランジ24bとの間に挾まり、各々支持されて
いる。各外周ビード部71b,72bは、圧縮された状態で支
持されているのは勿論である。したがって、中間隔壁60
は、その筒部63の両端に各外周ビード部71b,72bの圧縮
に応じた弾性力を受ける。このとき、中間隔壁60の筒部
63の後端の立上りフランジ60bとフロントシェル22の開
口部に設けた段部22bとの間に小さな隙間600が設けられ
ているため、前記の弾性力に差があると、中間隔壁60
は、その差をなくすように軸線方向における自らの位置
を修正する。この動きによって、両外周ビード部71b,72
bの各圧縮力、つまりは締付け力が均衡する。
中間隔壁60によって区分された本体20の中の二つの内
部空所に、各々、受圧部を構成するピストン101,102が
配置される。両ピストン101,102は同様な構成であり、
プレス成形品であるプレート部材81,82と、各プレート
部材81,82に支持される第1ダイヤフラム71および第2
ダイヤフラム72とからなる。主部分42の大径な前部42a
には、各端部の近くに一周にわたる溝651,652が各々あ
る。これらの溝651,652は、第1ダイヤフラム71および
第2ダイヤフラム72の内周ビード部71a,72aが入り込む
溝である。
各ピストン101,102の骨となる各プレート部材81,82
は、主部分42の大径な前部42aの外周に支持されてい
る。ここでは、これらのプレート部材81,82の支持のた
めに、ハブ部材40に後方への戻り力を与える戻しばねの
力を利用する。戻しばねは、二つのピストン101,102に
対応して二本、すなわち、前方側コイルスプリング941
と後方側コイルスプリング942との二本である。
各コイルスプリング941,942は、その付勢力を各プレ
ート部材81,82の支持力としても利用するため、各プレ
ート部材81,82上の受け部分を主部分42の大径な前部42a
の外周よりも径方向外側に配置する。前方側コイルスプ
リング941は、フロントシェル22の内壁面に当てたばね
受け95とプレート部材81との間、また後方側コイルスプ
リング942は、中間隔壁60とプレート部材82との間に各
々設けられる。両コイルスプリング941,942の径は互い
に異なり、両者は同心上に配列され、しかも、プレート
部材81および中間隔壁60の隔壁本体62には、径方向に見
て互いに重なる凹所81d,60dがあり、それらの各凹所81
d,60d内に各コイルスプリング941,942の端部が挿入され
ている。
各プレート部材81,82は、内外周の各端部に内側に折
り返した折り返し部81a,81b,82a,82b、また、内周側の
折り返し部81a,82aに近い部分に、折り返し部81a,82aと
ほぼ平行に折り曲げられた折り曲げ部81c,82c、さら
に、その外周側に凹所81dを含んでいくつかの屈曲部が
ある。こうした各プレート部材81,82は、各々、折り曲
げ部81c,82cが前部42aの溝651,652の前方側の部分には
まり合い、しかも、折り返し部81a,82aの端面が溝651,6
52の前方側壁面651a,652aに係合するようにして、主部
分42の外周に取り付けられている。各プレート部材81,8
2は、常時、戻しばねである各コイルスプリング941,942
から後方に向かう力を受けるが、その力は折り曲げ部81
c,82cおよび折り返し部81a,82aの端面を通して加わる主
部分42の側からの反力によって相殺される。したがっ
て、単純な構成ではあるが、各プレート部材81,82は、
主部分42の外周に安定して支持される。
各プレート部材81,82は、勿論、両ダイヤフラム71,72
と相俟って、本体20の中の前方側および後方側の各内部
空所の中に二つの室を区分する。前方側の室201f,202f
が定圧室、後方側の室201b,202bが変圧室である。両定
圧室201f,202fは、主部分42に設けた第1の通路111を通
して、また、両変圧室201b,202bは第2の通路112を通し
て各々互いに連通している。互いに連通した定圧室201
f,202fは、配管の接続部である継手部およびそれに続く
ホース(ともに図示しない)を通してエンジンのインテ
ークマニホールド等の負圧源に連絡し、常に負圧を保持
する。他方、変圧室201b,202bの方は、定圧室201f,202f
と同じ負圧、あるいは、外部の大気圧に保持される。定
圧室201f,202fと変圧室201b,202bとは、たとえばブレー
キ非作動時には、ハブ部材40の弁孔50、およびその弁孔
50と各室とを連絡する二つの通路113,114を通して互い
に連通しており、両方ともに外部負圧源による負圧に保
持されている。しかし、ブレーキ作動時、ハブ部材40の
弁孔50の内部に配置した弁装置Vが、入力部材であるオ
ペレーティングロッド90に連動して作動し、それら二群
の室を互いに隔離する。それにより、一方の定圧室201
f,202fが依然として負圧に保持されたままであるのに対
し、他方の変圧室201b,202bはフィルタ97を通して流入
する外気によって大気圧に保持される。このような二群
の室間の差圧に基づく力が、ペダル踏力にプラスしてラ
バーディスク86を通して出力部材87側に加わる。したが
って、このような制御を有効に行なう上で、空気の流れ
を阻害しないよう各通路を充分な大きさに確保すること
が肝要である。そこで、前述したように、各通路を互い
に180°隔てた二個所に設けるようにし、また、筒状部4
4に孔45(これも二つ)、さらに主部分42に溝115を各々
設けることによって、それに応じるようにしている。主
部分42表面の凹所57が周方向にも限定されているので、
凹所57にはまった突部58と相俟って、筒状部44の不要な
回転を防止する。このことも、前記通路の確保を確実に
している。
ここで、両ダイヤフラム71,72の内周ビード部71a,72a
が入り込んだ溝651,652の部分に注目されたい。ハブ部
材40の軸線方向の長さを短縮するため、各溝651,652
と、それに隣接した各通路112,111の開口112a,111aとを
直接連らなった構成としている。そして、圧縮された各
内周ビード部71a,72aが各通路112,111の開口112a,111a
側へ変形するのを防止するため、リング形状の保護部材
201,202を設けるようにしている。
各ピストン101,102は前方側のピストン101、ついで後
方側のピストン102の順序でハブ部材40に対して組み付
けるが、前方側のピストン101については、ダイヤフラ
ム71の内周ビード部71aを保護部材201を乗り越えて溝65
1内にはめ込む関係上、前方側の開口112aに臨む保護部
材201の径は、主部分42の径と同じか、それよりも小さ
く設定される。しかも、内周ビード部71aをセットする
とき、保護部材201を動かすことなく、セット後におい
ても、安定した支持状態を保つため、溝651の底部にさ
らに溝42dが形成される。保護部材201は、その溝42dの
中にはまり、開口112aに臨み、しかも、内周ビード部71
aによって径方向に抜け出るのを防止されている。この
場合、溝42dは一周にわたる構成とするのが好ましい
が、その途中にさらに深い別の凹部を設け、その凹部の
中に保護部材201の外周に設けた突部をはめ込むように
すれば、さらに好ましい。別の凹部は、回り止めのため
にも利用することができ、保護部材201により安定した
支持を与える。
一方、後方側の開口111aに臨む保護部材202の方は、
主部分42の径よりも大きくすることもできるし、小さく
することもできる。図示した例では、保護部材202の径
は主部分42のそれよりも大きくなっている。保護部材20
2は、プレート部材82の折返し部82aと相俟って内周ビー
ド部72aが開口111a側に変形するのを防止している。し
かも、この保護部材202は、その外周部分がプレート部
材82の折り曲げ部82cに当たるため、径方向の抜けが確
実に防止されるだけでなく、主部分42に対してセンター
リングされつつ、常に一定の支持形態を保つ。また、折
り曲げ部82cは、ダイヤフラム72の内周ビード部72aを二
つの部分で支持する構成にし、その支持を安定、かつ確
実にしている。
なお、各保護部材201,202の回り止めを図るため、た
とえば、その周方向の複数ヶ所に凸あるいは凹部を形成
し、その凸あるいは凹部を主部分42側の対応する凹ある
いは凸部などにはまり合うようにすることが好ましい。
というのは、各保護部材201,202は、そのセット上、一
部を切断した割りリング型であるので、切断部が開口11
2a,111aに一致しないようにすることを要するからであ
る。また、後方側の保護部材202は、プレート部材82の
内側端面を受ける機能をもつため、摩耗の防止および安
定した支持を得る上でもリング形状が好ましい。しか
し、たとえば、断面形状をコ字型とし、通路111の開口1
11aの部分のみを保護するようにすることもできる。そ
の点、前方側の保護部材201については、部分的な保護
の方が組み付けなどの上から却って好ましい。各保護部
材201,202は金属あるいはプラスチックなどによって構
成することができるが、後方側の保護部材202について
は、摩耗の防止上、金属製のものが望ましい。
さらに、ラバーディスク86および出力部材87の大径な
後部87bは、筒部材88の中にはまり合い、しかも、止め
部材89によってハブ部材40の主部分42側からの抜け防止
が図られている。そして、この筒部材88を主部分42側に
組み込むとき、部分Pの隙間をなくすように接着剤を付
けるようにするのが好ましい。それによって、ラバーデ
ィスク86の周縁が隙間に食われることを防止することが
できる。筒部材88は、内周の一周にわたる筒部88aと、
筒部88aの外周面に放射状に設けたリブ部88bとを有す
る。外周側のリブ部88bは隣り合うもの同志の間に通路
を形成することになる。したがって、その部分を主部分
42に設ける通路の一部として利用することができる。
また、オペレーティングロッド90にねじ結合したナッ
ト92は、当然にオペレーティングロッド90と一体に動く
ので、揺動するような動きもする。そこで、そうした動
きを考慮して、ナット92のつば部92aと筒状部44の内向
きフランジ48との接触部を、たとえば、球面状の部分で
接触するような形状、または、線あるいは複数の点で接
触するような形状にするのが良い。
(考案の効果) この考案によれば、中間隔壁60の内周に位置するシー
ル装置300として、摺動部材36、シール材38および抜け
止め37を有し、抜け止め37がシール材38の外周リップ38
a側を押える構成としているため、シール材38の耐久性
および各部品の組み付け性を共に向上させることができ
る。特に、抜け止め37がシール材38の環状溝38d側から
筒部61の内壁に対して外周リップ38aを押さえる構成で
あるため、外周リップ38aのへたりや収縮によるシール
力の低下を防止することができ、しかも、内周リップ38
bの動きの自由度を大きく保って、ハブ部材40およびピ
ストン101,102の動きに対する追従性を良くして、摺動
抵抗を低減し、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案によるタンデム型負圧式倍力装置の
一実施例を示す側断面図、 第2図は、第1図のII−II線に沿った断面図、 第3図は、要部を拡大して示す断面図、そして、 第4図は、第3図と同じ部分の先行例を示す図である。 10…タンデムブースタ、22…フロントシェル、24…リア
シェル、40…ハブ部材、36…案内リング(摺動部材)、
37…抜け止め、38…シール材、38a…外周リップ、38b…
内周リップ、38d…くぼみ、50…弁孔、60…中間隔壁、6
1…筒部、61a…フランジ部、62…隔壁本体、63…筒部、
71…第1ダイヤフラム、72…第2ダイヤフラム、300…
シール装置。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】フロントシェルとリアシェルとを結合して
    形成され、中間隔壁により前後一対の内部空所を有する
    ケーシングと、リアシェルおよび中間隔壁を各々シール
    装置を介在して摺動自在に配置されるハブ部材と、この
    ハブ部材に対して前記一対の内部空所で各々取り付けら
    れ、各内部空所を外部負圧源に連絡される前方側の定圧
    室と後方側の変圧室とに各々区分する一対のピストン
    と、前記ハブ部材に形成され、後方側から入力部材が入
    り込む弁孔と、前記ハブ部材に形成され、各内部空所の
    定圧室同士および変圧室同士を連絡する第1通路および
    第2通路と、前記ハブ部材に形成され、前記弁孔と少な
    くとも一方の定圧室および少なくとも一方の変圧室とを
    各別に連絡する第3通路および第4通路と、前記弁孔の
    内部に配置され、変圧室の外気および定圧室への連通、
    遮断を、入力部材からの入力に応じて制御する弁装置
    と、前記ハブ部材の前方側の端部に配置され、出力を伝
    達する出力部材とを備え、前記中間隔壁とハブ部材との
    間のシール装置が、中間隔壁の内周側の筒部内に位置
    し、しかも、筒部端部の後方側に形成したフランジ部の
    前方側で係合する摺動部材と、この摺動部材の前方側に
    隣り合い、内外周リップを前方側に向け、かつ内外周リ
    ップ間に環状溝を有するシール材と、筒部に圧入した抜
    け止めとを有しているタンデム型負圧式倍力装置であっ
    て、前記抜け止めは、シール材の外周リップの先端前方
    で筒部に圧接する止め部と、シール材の外周リップの径
    内側に沿って前記環状溝の底部近くまで延び、その外周
    リップを筒部に向かって押圧する押え部とを有するよう
    にしたタンデム型負圧式倍力装置。
JP1989011038U 1989-02-01 1989-02-01 タンデム型負圧式倍力装置 Expired - Lifetime JP2515770Y2 (ja)

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