JP2515244Y2

JP2515244Y2 - 自動車バッテリーの起電力チェッカー

Info

Publication number: JP2515244Y2
Application number: JP1991034917U
Authority: JP
Inventors: 幸三郎藤田
Original assignee: Sakura Color Products Corp
Current assignee: Sakura Color Products Corp
Priority date: 1991-05-17
Filing date: 1991-05-17
Publication date: 1996-10-30
Anticipated expiration: 2006-05-17
Also published as: JPH04130087U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】本考案は自動車バッテリーの起電力チェッ
カーに関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】従来、自動車バッテリーの起
電力チェッカーとして、自動車のシガライター用ソケッ
トに結合されるプラグを介して得られる電圧を検出しこ
の検出値を電圧文字盤と指示針とによって表示するよう
な構成のものが提案（例えば実開昭６２−１４６７０号
公報参照）されているが、この従来構造のものは電気系
統が複雑であるために製造コストが高くつき、また電気
系統が衝撃に弱く故障し易いなどの問題点があった。こ
の場合、検出表示方式として、例えば特開昭６３−２６
６３７４号公開にみられるような熱変色層による検出表
示方式をとるようにすれば、製造コストの引下げが可能
になるが、熱変色層は繰返し熱を受ける間にその検出表
示機能に低下を来たし、チェック機能の持続性に問題を
生ずる。

【０００３】本考案はこのような従来の問題点を一掃す
ることを目的としてなされたものである。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本考案は、自動車のシ
ガライターソケットに差込み可能なプラグと、該プラグ
を通じて供給される自動車バッテリーよりの電圧を検出
表示する起電力チェッカー部とを備え、該チェッカー部
は、自動車バッテリーが保有する電圧の大きさに相応し
て発熱する導電層と該導電層の発熱で熱変色する熱変色
層とを備えていて、基材フィルム上に形成されており、
起電力チェッカー部付基材フィルムは、上記プラグ上に
ホルダー装置を介して取換え可能に保持されていること
を特徴とする自動車バッテリーの起電力チェッカーに係
る。

【０００５】

【実施例】以下に本考案の一実施例を添附図面にもとづ
き説明すると、次の通りである。図１〜２は本考案起電
力チェッカーの原理説明図であり、プラグ１の胴部に起
電力チェッカー部２が形成されている。

【０００６】プラグ１は自動車の車内に備えられている
シガライターソケット（図示せず）に差込み可能であ
り、通常のシガライターと同様に先端寄りの部分に、陽
極としての先端端子１１と、陰極としての側部端子１２
とを備えている。

【０００７】プラグ１の胴部は概して胴長であって、上
記ソケットへの非差込みゾーン１３の外周面に起電力チ
ェッカー部２が備えられている。

【０００８】起電力チェッカー部２の構造が第２図に拡
大して示され、プラグ１の非差込みゾーン１３の外周面
に順次一体に積層された、導電層２１、熱不変色層２
２、熱変色層２３及び透明保護層２４とから構成されて
いる。このうち層２２、２４は場合によっては省略して
もよい。

【０００９】チェッカー部２の導電層２１は、自動車バ
ッテリの電圧に相応する温度に発熱させるためのもので
あり、その形成は導電性インキの塗布、金属蒸着など公
知の適宜の手段を適用して行なわれる。導電層２１の平
面形状は特に制限されないが、図１に示すようにプラグ
１の軸線方向に直線帯状に延出され、その左右巾は抵抗
値ひいては発熱温度に勾配を付けるために、一端から他
端に向けて漸進的に増大または減少している。導電層２
１の両端にはターミナル２１ａ、２１ｂが設けられ、之
等ターミナル２１ａ、２１ｂは、接続コード２５、２６
を介しプラグ１側の端子１１、１２（図１参照）に接続
されている。

【００１０】熱不変色層２２は、熱変色層２３の視認性
を高めるためのものであり、導電層２１から与えられる
熱によって変色しない着色層である。このような熱不変
色層２２は例えば本出願人が先に提案した実開昭６３−
２６６３７４号公報から公知の手段を適用して導電層２
１上に一体に形成すればよい。

【００１１】熱変色層２３は、導電層２１の発熱で熱変
色し表示部として機能するものであり、公知（例えば特
公昭６０−５２１８９号公報参照）のものと同様に可逆
的熱変色材料その他顕色剤及び減感剤などを含有し、減
感剤の種類を適宜選択することにより、任意の温度で変
色（発色又は消色）させることができる。熱変色層２３
は、導電層２１上に、長さ方向に連続して設けてもよい
し、あるいは複数個のゾーンに分割し、長さ方向に断続
して設けるようにしてもよい。

【００１２】保護層２４は、導電層２１及び熱変色層２
３を保護するためのものであり、熱変色層２３の視認性
を妨げることのないよう、実質的に透明であることが必
要である。このような保護層２４は樹脂溶液の塗布ある
いはフイルムの貼着などにより形成できる。

【００１３】今例えば、熱変色層２３の熱変色温度を５
０℃に設定したとすると、導電層２１は中間点Ｐｏ位置
が、自動車バッテリの適正値例えば１２ボルトの通電時
に５０℃に発熱するように形成される。ちなみに導電層
２１の発熱温度は通電される電圧を一定とした場合、そ
の材質、厚み、巾などを適宜選択することにより容易に
設定できる。

【００１４】このような設定状態に於て、プラグ１を自
動車シガライターソケットに挿着すると、自動車バッテ
リの電圧がその適正値である１２Ｖあるいはそれ以上の
数値を有している場合は、導電層２１の５０℃以上に発
熱する領域は、中間点Ｐｏあるいはこれを超えて広巾領
域Ｐ₁内に入るので、熱変色層２３の熱変色領域もこの
５０℃以上の発熱領域と同じ挙動を示し、よってこの熱
変色領域を目視で確認することにより、自動車バッテリ
ーの電圧が適正値の範囲内にあることが判る。一方自動
車バッテリーの電圧が適正値の１２Ｖを下回っている場
合は、５０℃以上の発熱領域ひいては熱変色領域は中間
点Ｐｏまで到達することができず、それより手前の狭巾
領域Ｐ₂内にとどまるので、これを目視で確認すること
により自動車バッテリの電圧が不足していることが判
る。尚図１に示すように、発熱温度が５０℃になる個所
に、それに対応する自動車バッテリの電圧を具体的に数
字で表示しておけば、チェック時に於ける自動車バッテ
リーの電圧を、具体的数値として把握できるので便利で
ある。

【００１５】図３は本考案の１実施例を示し、チェッカ
ー部２はプラグ１に対しホルダー装置を介し取換え可能
に保持されており、チェッカー機能に低下を来した場合
はチェッカー部２を新しいものと取換えることで、チェ
ッカー機能の回復を計り得るような構成になっている。

【００１６】このような目的のために、チェッカー部２
は図４に示すように基材フイルム３上に形成され、該フ
イルム３はプラグ１の非差込み部１３の外周面に、略々
３６０℃の全範囲に亘って巻付けることのできるような
寸法、形状とされている。チェッカー部２は図１の実施
例のものと実質的に同じ構造を有し、その構成要素の一
つである導電層の両端のターミナル部２１ａ、２１ｂは
基材フイルム３を貫通し、該フイルム３の裏面側に、該
裏面と面一もしくはこれより外方へ僅かに突出するよう
な状態で、露出している。

【００１７】一方プラグ１の非差込み部１３の前端部に
は、３６０の全角度範囲に亘って連続又は断続する実質
的にリング状のフイルム受け４が形成され、この受け４
内に基材フィルム３の前端側が挿着されるようになって
いる。更に非差込み部１３の後端部には、ねじキャップ
５螺着用のねじ部１４が形成され、このキャップ５と非
差込み部１３の後端部外周面との間で、基材フイルム３
の後端側を挟持できるような構成になっている。フイル
ム受け４及びキャップ５は基材フイルム３を取換え可能
に保持するホルダー装置を構成している。

【００１８】プラグ１の非差込み部１３に、チェッカー
部２付フイルム３を取付けた状態で、該フイルム３の裏
面に露出するターミナル部２１ａ、２１ｂを、プラグ１
側の端子１１、１２にそれぞれ電気的に接続するため
に、非差込み部１３の前端部と後端部とに接続端子が設
けられている。図５に前端側の接続端子１１ａが概略的
に示され、該端子１１ａは、リング状で上端部が外方へ
断面半円形状に突出し、受け４内に挿着されたフイルム
３の一端側の裏面で露出している一方のターミナル２１
ａ（図４参照）に接触している。同様の接続端子（図示
せず）が非差込み部１３の後端部に設けられ、これはフ
イルム３の後端側の裏面で露出している他方ターミナル
２１ｂ（図４参照）に接触する。接続端子をリング状に
設けることにより、非差込み部１３上に於けるチェッカ
ー部２の位置を問わず、そのターミナル２１ａ、２１ｂ
を接続端子に安定確実に接触させることができる。

【００１９】その他の構成は、図１の実施例と実質的に
異なる所がない。

【００２０】第６図は本考案の更に他の実施例を示し、
本実施例ではプラグ１の後端面に、チェッカー部２付フ
イルム３を取換え自在に保持するホルダー装置として該
フイルムをその周辺部に於て挟持し展示するための額部
６が備えられている。額部６は背面中央部に於てプラグ
１の後端面に固設された板状の後部材６１と、該後部材
６１に脱着又は開閉自在に重ね合わされた枠状の前部材
とから構成され前部材６２の窓６３内にチェッカー部２
が展示されるような構成になっている。額部材６の後部
材６１の内面には、チェッカー部２付フイルム３の裏面
に露出するターミナル２１ａ、２１ｂ（図４参照）をプ
ラグ１側の端子１１、１２に接続するための接続端子
（図示せず）が設けられている。

【００２１】本実施例によれば、図３の実施例と同様に
チェッカー機能が低下した場合は、チェッカー部２付フ
イルム３を新しく取換えることでチェッカー機能の回復
を計り得ることに加え、チェッカー部２を正面で目視で
きるので、目視確認が容易となるなどの利点が得られ
る。

【００２２】尚本考案に於ては、バッテリー電圧チェッ
ク（エンジン停止時）に加え、充電系統チェック（エン
ジン作動時）にも使用できる。エンジン作動時に於ける
自動車バッテリーの電圧の適正値は、１３Ｖ付近あるい
はそれ以上となるので、例えば図１に於て、１３Ｖの目
盛の付近に、目印（図示せず）を設けておけば、この目
印を基準にして、熱変色領域を目視で確認することによ
り、充電が正常に行なわれているかをどうかを判別でき
る。

【００２３】

【考案の効果】本考案によれば、導電層の発熱とこの発
熱により熱変色する熱変色層とを利用して、自動車バッ
テリーの保有電圧をチェックできるので、電圧文字盤と
指示針とを利用する従来品に比べ構造が簡素となり安価
に提供できる。更に電気系統が極めて簡素となるので衝
撃などに強く、故障が少ない。しかもチェッカー機能を
低下した場合は、チェッカー部を新しいものと取換える
ことにより、チェッカー機能を回復できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の原理説明図である。

【図２】図１の２〜２線に沿う拡大断面図である。

【図３】本考案の実施例の１例を示す一部縦断側面図で
ある。

【図４】図３の実施例に適用されるチェッカー部付フイ
ルムの裏面図である。

【図５】図３のフイルム受けの部分の拡大断面図であ
る。

【図６】本考案の他の実施例の１例を示す斜視図であ
る。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】自動車のシガライターソケットに差込み可
能なプラグと、該プラグを通じて供給される自動車バッ
テリーよりの電圧を検出表示する起電力チェッカー部と
を備え、該チェッカー部は、自動車バッテリーが保有す
る電圧の大きさに相応して発熱する導電層と該導電層の
発熱で熱変色する熱変色層とを備えていて、基材フィル
ム上に形成されており、起電力チェッカー部付基材フィ
ルムは、上記プラグ上にホルダー装置を介して取換え可
能に保持されていることを特徴とする自動車バッテリー
の起電力チェッカー。
【請求項２】ホルダー装置が、上記基材フィルムをプラ
グ胴部に巻付けた状態で、脱着自在に拘束する機構を備
えていることを特徴とする請求項１記載の起電力チェッ
カー。
【請求項３】ホルダー装置が、上記プラグと一体の額部
を備え、該額部内に上記基材フィルムが取換え可能に展
示されることを特徴とする請求項１記載の起電力チェッ
カー。