JP2515033Y2 - 蒸気調理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は蒸気によって食品の解凍もしくは加熱調理な
どを行うために用いる蒸気調理装置に関する。

［従来の技術］ 従来の蒸気調理装置は、一例として、電気ボイラーの
ような蒸気発生手段に蒸気供給である蒸気供給管を介し
て接続した調理ケースを有している。調理ケースには蒸
気発生手段によって発生させた蒸気が蒸気供給管を通し
て送り込まれ、下から上に蒸気が噴射される。調理ケー
スの内部には食品トレイが収納されている。食品トレイ
の底面部には複数の流出孔が形成されている。

蒸気噴射ノズル部は食品トレイの下方に位置し、蒸気
をこの蒸気噴射ノズル部の噴出孔から上方に向けて噴射
する。したがって、この蒸気調理装置においては、蒸気
噴射ノズル部から噴射される蒸気が上方の食品トレイの
底面部に形成されている流出孔を通過して上昇する。こ
の結果、食品トレイに収納されている食品は、蒸気によ
って解凍もしくは加熱調理が可能である。（実開昭62−
73832号参照） ［考案が解決しようとする課題］ 従来の蒸気調理装置では、噴射する蒸気は、上方に向
けて出されるので、食品トレイの流出孔を除く底部分に
蒸気が突き当たる。このため、蒸気が食品トレイの底面
部分で保有している熱量を奪われ、しかも流出孔を通過
する蒸気が減少し、調理に必要な熱量を得るまでに多く
の時間がかかる。このため、食品を加熱調理するための
蒸気熱量を多く要する。

また、調理ケースは箱形に作られているため、食品ト
レイからこぼれ落ちた食品の屑や露などの掃除がしずら
いという問題がある。

さらに、食品を加熱した後の蒸気や水滴は、調理ケー
スの下方へ落ちて調理ケースの下部に溜まるため、排出
管を通して外部に流出するようにしているが、これによ
っても、噴出孔が汚れてしまうため、問題がある。

それ故に、本考案の課題は蒸気を直接に食品に噴射す
ることによって、食品の加熱調理を効率よく行うことが
でき、掃除が容易にできる蒸気調理装置を提供すること
にある。

［課題を解決するための手段］ 本考案によれば、調理ケースと、該調理ケースの内部
に蒸気を供給する蒸気供給手段とを含む蒸気調理装置に
おいて、前記調理ケースの内部の食品配置領域に食品を
出し入れ可能に位置させる食品トレイを有し、前記蒸気
供給手段は、前記調理ケースの外部から前記調理ケース
の内部に導入した蒸気供給管を有し、該蒸気供給管は、
前記蒸気を下方に噴射して前記食品配置領域に噴射する
よう前記食品配置領域の上方に位置した蒸気噴射ノズル
部を有していることを特徴とする蒸気調理装置が得られ
る。

また本考案によれば、前記調理ケースは、前記食品配
置領域の下方に配したドレントレイと、該ドレントレイ
上で前記食品配置領域及び前記蒸気供給管を着脱可能に
覆うカバー体とを有し、前記蒸気を前記ドレントレイに
流出させるための流出孔を有し、前記カバー体は、前記
ドレントレイとともに前記食品配置領域を確定する蒸気
調理室と、前記ドレントレイとともに該蒸気調理室から
排出される蒸気を排出するための蒸気排出室とに仕切
り、かつ前記蒸気調理室及び前記蒸気排出室間を互いに
連通させる連通路を形成した仕切り板を有していること
を特徴とする蒸気調理装置が得られる。

また本考案によれば、前記ドレントレイは、前記蒸気
調理室から前記蒸気排出室に流出した前記蒸気及び水を
外部に排出させる排出管を備えていることを特徴とする
蒸気調理装置が得られる。

［実施例］ 第１図及び第２図は本考案の一実施例による蒸気調理
装置を示している。

第１図及び第２図を参照して、この蒸気調理装置は調
理ケース１と、この調理ケース１の内部に蒸気を供給す
る蒸気供給管３（蒸気供給手段）とを有している。調理
ケース１は排出管５（第２図参照）が接続されているド
レントレイ７と、このドレントレイ７の上で蒸気供給管
３を覆うように設けられているカバー体９とを有してい
る。蒸気供給管３は調理ケース１の外からドレントレイ
７の平板部7aを貫通して調理ケース１の内部に導入さ
れ、カバー体９の天板部9aに対向するように曲げられて
いる。

調理ケース１の内部には、ドレントレイ７とカバー体
９とによって囲まれた部分に食品配置領域Ａが作られて
いる。食品配置領域Ａには調理ケース１の内部に出し入
れ可能に収納した食品トレイ11が設けられている。食品
トレイ11は調理ケース１の一側に形成されている開口部
13から出し入れ可能になっている。また、食品トレイ11
には取手15が設けられている。この取手15を握り食品ト
レイ11の出し入れができる。

一方、蒸気供給管３はカバー体９の天板部9aに対向す
るように曲げらた部分に蒸気噴射ノズル部3aを有してい
る。蒸気噴射ノズル部3aは食品配置領域Ａの上部に位置
し、蒸気を下方に噴射する部分である。蒸気噴射ノズル
部3aの下方には調理ケース１に収納されている食品トレ
イ11が位置している。

また、ドレントレイ７とカバー体９とはそれらが上下
で着脱可能に組合わされている。食品トレイ11の底部に
は水もしくは蒸気をドレントレイ７に向けて流出するた
めの複数の流出孔17が形成されている。カバー体９には
仕切り板19が取付けられている。この仕切り板19によっ
て調理ケース１の内部は、食品配置領域Ａを含みかつ食
品トレイ11及び蒸気供給管３を備えた蒸気調理室21と、
排出管５を備えた蒸気排出室23とに区分けされている。
仕切り板19はカバー体９の天板部9aからこの天板部9aに
対向しているドレントレイ７の平面部7aに向けてのびて
いる。カバー体９がドレントレイ７に組合わされた状態
では、仕切り板19の下端とカバー体９の天板部9aとの間
には隙間Ｓが形成されている。隙間Ｓは蒸気調理室21と
蒸気排出室23とを互いに連通させた連通路を構成する。

さらに、蒸気排出室23の一側には蒸気排出孔25が形成
されている。

次に、この蒸気調理装置を用いて食品を調理する操作
について説明をする。

まず、第１図の蒸気調理装置において、食品トレイ11
の取手15を持ち、調理ケース１から食品トレイ11を引き
出す。そして、この食品トレイ11に食品を収納し、再び
調理ケース１の開口部13から調理ケース１の内部に食品
トレイ11を挿入する。この際、食品トレイ11が調理ケー
ス１の内部に完全に収納されると、食品トレイ11が食品
配置領域Ａに位置する。これにより食品も蒸気噴射ノズ
ル部3aの下で食品配置領域Ａの範囲内に位置する。

この状態で、電気ボイラーなどの蒸気発生手段（図示
せず）から送られた蒸気を蒸気供給管３によって蒸気噴
射ノズル部3aに送ると、この蒸気噴射ノズル部3aの孔か
ら蒸気が噴射する。この際、蒸気供給管３に送られる蒸
気には所定の圧力が加えられて送られるため蒸気噴射ノ
ズル部3aのノズルから加速された蒸気が噴射する。この
蒸気は食品トレイ11に収納されている食品に向けて噴射
する。すなわち、蒸気は蒸気噴射ノズル部3aの孔から下
方に向けて噴射する。蒸気を噴射する孔は蒸気噴射ノズ
ル部3aに複数の孔を形成し、これらの孔の位置もしくは
孔の径を所定の大きさに設定すると、蒸気の角度や蒸気
噴射量などの変更が可能である。

このようにすると、食品には蒸気が均一に、しかも直
接に噴射されて加熱調理が行える。さらに、食品に噴射
した後の蒸気は、蒸気そのものや、食品の露などを含ん
だ水滴となって、食品トレイ11の流出孔17を通り、ドレ
ントレイ７の平面部7aに流れ落ちる。この際、水滴はド
レントレイ７の排出管５を通り調理ケース１の外部に流
出する。

また、蒸気は仕切り板19とドレントレイ７の平面部7a
との間の隙間Ｓを通り蒸気排出室23の蒸気排出孔５から
外部に流出する。仕切り板19は調理ケース１の内部容積
を蒸気調理室21と蒸気排出室23とに区分けされているの
で蒸気調理室21の限られた空間で効率よく加熱調理が行
われる。

第３図は本考案の蒸気調理装置の他の実施例を示して
いる。この蒸気調理装置において、第１図及び第２図と
同じ部分には同じ符合を付して説明を省略する。

図示の蒸気調理装置は調理ケース31に３つの食品トレ
イ11が収納されている。調理ケース31の内部には縦方向
に３段にドレントレイ７が設けられている。ドレントレ
イ７の夫々には第２図で示した排出管５（図示せず）が
設けられている。また、調理ケース31の底部にも排出管
34が設けられている。調理ケース31の内部には蒸気供給
管３の蒸気噴射ノズル部3aが導入されている。蒸気噴射
ノズル部3aは調理ケース31の食品配置領域Ａの上部に位
置している。すなわち、蒸気噴射ノズル部3aは調理ケー
ス31に収納した食品トレイ11の上方に位置している。

また、調理ケース31の内部には３段に仕切り板19が取
付けられている。これらの仕切り板19は食品配置領域Ａ
を含み、食品トレイ11及び蒸気噴射ノズル部3aを備えた
蒸気調理室21と蒸気排出室23とを区分するものである。

この蒸気調理装置によっても、各調理ケース31の内部
の食品配置領域Ａに蒸気を噴射できる。さらに、各食品
トレイ11の流出孔17を通る水滴は排出管34から外部に流
出できる。

［考案の効果］ 以上、実施例により説明したように、本考案の蒸気調
理装置によれば、食品に向けて噴射する蒸気は、上方か
ら下方に噴射されるので、食品に直接に蒸気が当たるた
め、熱効率のよい食品の加熱調理ができる。

また、調理ケースはカバー体とドレントレイとが着脱
可能であるため、食品を通過した屑や露などの掃除が容
易にできる。また、蒸気調理室及び蒸気排出室が仕切り
板によって仕切られ、蒸気調理室及び蒸気排出室間を互
いに連通させる連通路を有しているため、排出蒸気を蒸
気圧を減少して蒸気排出室から水や蒸気として排出でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による蒸気調理装置の一部を
断面した斜視図、第２図は第１図の側面図、第３図は本
考案の他の実施例による断面図である。 1;調理ケース、3;蒸気供給管、3a;蒸気噴射ノズル部、
5;排出管、7;ドレントレイ、9;カバー体、11;食品トレ
イ、17;流出孔、19;仕切り板、21;蒸気調理室、23;蒸気
排出室、31;調理ケース、34;排出管。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】調理ケースと、該調理ケースの内部に蒸気
   を供給する蒸気供給手段とを含む蒸気調理装置におい
   て、前記調理ケースの内部の食品配置領域に食品を出し
   入れ可能に位置させる食品トレイを有し、前記蒸気供給
   手段は、前記調理ケースの外部から前記調理ケースの内
   部に導入した蒸気供給管を有し、該蒸気供給管は、前記
   蒸気を下方に噴射して前記食品配置領域に噴射するよう
   前記食品配置領域の上方に位置した蒸気噴射ノズル部を
   有していることを特徴とする蒸気調理装置。
2. 【請求項２】前記調理ケースは、前記食品配置領域の下
   方に配したドレントレイと、該ドレントレイ上で前記食
   品配置領域及び前記蒸気供給管を着脱可能に覆うカバー
   体とを有し、前記食品トレイは前記蒸気を前記ドレント
   レイに流出させるための流出孔を有し、前記カバー体
   は、前記ドレントレイとともに前記食品配置領域を確定
   する蒸気調理室と、前記ドレントレイとともに該蒸気調
   理室から排出される蒸気を排出するための蒸気排出室と
   に仕切り、かつ前記蒸気調理室及び前記蒸気排出室間を
   互いに連通させる連通路を形成した仕切り板を有してい
   ることを特徴とする請求項１記載の蒸気調理装置。
3. 【請求項３】前記ドレントレイは、前記蒸気調理室から
   前記蒸気排出室に流出した前記蒸気及び水を外部に排出
   させる排出管を備えていることを特徴とする請求項２記
   載の蒸気調理装置。