JP2514862B2 - プラズマ計測法 - Google Patents

プラズマ計測法

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JP2514862B2 JP3039072A JP3907291A JP2514862B2 JP 2514862 B2 JP2514862 B2 JP 2514862B2 JP 3039072 A JP3039072 A JP 3039072A JP 3907291 A JP3907291 A JP 3907291A JP 2514862 B2 JP2514862 B2 JP 2514862B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波を使った半
導体集積回路等の各種デバイスの製造工程で利用される
プラズマの計測法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路等の各種デバイスの製造
工程において、薄膜形成およびエッチングに用いるプラ
ズマとして、高周波放電を利用したRFプラズマやマイ
クロ波励起による電子サイクロトロン共鳴を利用したE
CRプラズマが利用されている。特にECRプラズマ
は、低ガス圧,高イオン化率,高活性の特徴を有し、導
入ガスの選択,イオンエネルギーの制御によって、優れ
た加工特性を発揮できることが明らかにされ(特開昭5
6−155535号公報,特公昭58−13626号公
報参照)、微細なパタンのエッチングや薄膜形成に利用
されている。
【0003】図6にECRプラズマを利用したプラズマ
処理装置の基本構成を示す。図において、61はプラズ
マ生成室、62は試料室、63はプラズマ生成室61の
上部に設けたマイクロ波導入窓であって、例えば石英ガ
ラス板により構成されている。64はマイクロ波導入の
ための矩形導波管である。69はプラズマ生成室61で
生成されたプラズマを試料台70に置かれた試料71に
導くためのプラズマ引出し窓である。72はプラズマ生
成室61の内部の適当な領域で電子サイクロトロン共鳴
条件を満たす磁界強度を発生させるための磁気コイルで
あり、プラズマ流68を形成させるための発散磁界の形
成にも利用している。65はプラズマ生成室を冷却する
ための冷却水系である。66および67はガス導入系
で、処理目的に応じて単独または組み合わせて使用され
る。ガス導入系66,67から必要なガスを導入し、磁
気コイル72によりプラズマ生成室61の内部の適当な
領域に電子サイクロトロン共鳴条件を満たす磁界(マイ
クロ波周波数が2.45GHzのとき875ガウス)を
発生させ、マイクロ波をマイクロ波導入窓63を通して
プラズマ生成室61に導入し電子サイクロトロン共鳴を
起こす。電子サイクロトロン共鳴により加速された電子
が、ガスと衝突,電離する事ことによってプラズマが生
成される。生成されたプラズマは、磁気コイル72によ
る発散磁界により、プラズマ流68を形成して試料71
に到達する。
【0004】半導体集積回路はますます高集積化,微細
化し、また処理されるべき試料の口径も大きくなってお
り、これに対応するには、上記のECRプラズマを利用
したプラズマ処理装置においても、より精密なプラズマ
の制御が必要となっている。そのためにはプラズマの正
確な計測に基づいた、プラズマの生成,輸送に関する十
分な理解が不可欠である。
【0005】半導体プロセスに利用されている低温プラ
ズマの計測法としては、ラングミュアプローブ法とマイ
クロ波干渉法が知られている。ラングミュアプローブ法
は、金属の電極をプラズマ中に挿入し、電圧を加えてプ
ローブに流れ込む電子電流を測定し、電子の速度分布を
仮定して電圧電流特性を解析し、プラズマの電子温度,
電子密度等のプラズマパラメータを決定する方法である
{堤井信力著,プラズマ基礎工学,第3章(内田老鶴
圃,1986)}。この方法は、プローブが置かれた場
所での測定ができるため、位置の分解能が高いという利
点がある。しかし、挿入することによるプラズマの乱れ
が避けられず、精度良い測定がむずかしい。また、電子
温度,電子密度の算出の際に、電子の速度分布,電極表
面のシース形状を仮定する必要があるため、特に半導体
プロセス用プラズマのような、非平衡プラズマの測定の
際には、誤差が大きくなる。さらに、ECRプラズマの
ように磁界がある場合には、電子の流入条件が一定にな
らないため誤差が大きく使用困難になる。実用的な面で
は、金属電極の挿入によるプラズマ装置の汚染も問題と
なる。
【0006】マイクロ波干渉法は、プラズマ振動数より
も高い振動数のマイクロ波を使い、プラズマによるマイ
クロ波の減衰及び位相のズレを検出してプラズマの屈折
率を求め、マイクロ波に対するプラズマの屈折率が後述
するようにプラズマ密度,電子の衝突角振動数νによっ
て決まっていることを利用して、プラズマ密度,電子温
度等のプラズマパラメータを決定する方法である。図7
にマイクロ波干渉法によるプラズマ計測の基本構成を示
す{堤井信力著,プラズマ基礎工学,第4章(内田老鶴
圃,1986)}。図において、1はマイクロ波源でク
ライストロン発振器等が使われる。21,22はマジッ
クT、23,24はホーンアンテナ、12は可変減衰
器、13は可変移相器、3はマイクロ波検出器である。
マイクロ波源1から出たマイクロ波は、導波管によりマ
ジックT21に導かれ2つに分けられる。一方は、ホー
ンアンテナ23を介してプラズマ中に送られてプラズマ
中を伝播し、反対側にあるホーンアンテナ24によって
集められてマジックT22に到達する。他方は、可変減
衰器12,可変移相器13を経てマジックT22に達す
る。マジックT22で合成されたマイクロ波の強度をマ
イクロ波検出器3で検出する。プラズマがないときにマ
イクロ波検出器3に到達するマイクロ波の強度が零にな
るように、あらかじめ可変減衰器12,可変移相器13
を調節しておき、プラズマがあるときにもマイクロ波検
出器3に到達するマイクロ波の強度が零になるように可
変減衰器12,可変移相器13を調節する。その調節量
からプラズマによるマイクロ波の減衰,位相のズレを計
算し、プラズマパラメータを決める。
【0007】この方法は核融合用プラズマ等の大体積の
プラズマの計測に用いられており、マイクロ波とホーン
アンテナの組み合わせによりプラズマへの乱れが小さい
という利点がある。しかし、ホーンアンテナを出たマイ
クロ波はホーンアンテナによって決まる角度分布で広が
って伝播するため、半導体プロセス用の小体積のプラズ
マのようにプラズマが壁に接している場合にはマイクロ
波の一部が壁に到達して複雑な反射をする。また、プラ
ズマが壁から離れている場合には、マイクロ波の一部が
プラズマの境界で反射され、プラズマの外を伝播した
り、容器の壁で複雑な反射を起こしたりする。ホーンア
ンテナで検出されるマイクロ波には、これらすべてが足
し合わされているため、マイクロ波の減衰,位相のズレ
には、プラズマによる減衰,位相のズレの他に上にあげ
た反射等による減衰,位相のズレも含まれており正確な
測定ができない。また、2つのホーンアンテナを向い合
わせに設置しなければならないため、プラズマ装置によ
り測定できる場所が限定されてしまう。さらに、導波管
を使用しているために、計測用マイクロ波の周波数を大
きく変えられない。
【0008】さらに、ECRプラズマなどのように磁界
がある場合には、マイクロ波に対するプラズマの屈折率
はマイクロ波の伝播方向,磁界強度,マイクロ波電界の
方向等によって決まる。しかし、マイクロ波干渉法で
は、マイクロ波をホーンアンテナでプラズマ中に導入し
ているために、プラズマ中でのマイクロ波の伝播方向,
マイクロ波の電界の方向を規定できないため正確な測定
は不可能である。このように、従来のマイクロ波干渉法
によって、半導体プロセスに使われる比較的に小体積の
プラズマの正確な計測は不可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】半導体集積回路の微細
化にともない、低ガス圧,高イオン化率,高活性の特徴
を有するECRプラズマ装置の重要性が増大している。
ECRプラズマ装置のさらなる高性能化には、ECRプ
ラズマの生成,輸送に関する正確な理解に基づいた高精
度なプラズマの制御が必要であり、そのために精度の良
いプラズマ計測法が必要である。しかしながら上述した
ように、従来の測定法では半導体プロセスに用いられる
比較的小体積のプラズマやECRプラズマなどの磁界中
にあるプラズマの高精度な計測が原理的に不可能であ
る。
【0010】本発明は、上述した従来法の欠点を原理的
に解決するために提案されたもので、その目的は、半導
体プロセスに用いられる比較的小体積のプラズマ、特に
ECRプラズマ等のような磁界中にあるプラズマに対す
る高精度な計測法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は計測用マイクロ波を計測すべきプラズマ中
に入射し、前記プラズマからうける計測用マイクロ波の
位相,強度の変化からプラズマパラメータを決定するプ
ラズマ計測法において、前記計測用マイクロ波を平行対
ケーブルを用い、計測すべきプラズマ中を伝播させるこ
とを特徴とするプラズマ計測法を発明の要旨とするもの
である。
【0012】
【作用】本発明は、測定用マイクロ波を平行対ケーブル
を使ってプラズマ中を伝播させることで、プラズマ中で
のマイクロ波の伝播モード,伝播路,電磁界の存在領域
を限定することを最も主要な特徴とする。このことによ
り、半導体プロセス用プラズマの計測において、プラズ
マへの乱れを最小限に抑えて高精度なプラズマの計測を
行いうる作用を有する。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。なお
実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱しな
い範囲で、種々の変更あるいは改良を行いうることは言
うまでもない。
【0014】(実施例1)図1に本発明の第1の実施例
を示す。図において、1は周波数可変のマイクロ波源、
40は平行対ケーブル、3はスペクトルアナライザー等
のマイクロ波検出器、43は同軸ケーブル、2は反射波
によるマイクロ波源1の損傷を防ぐためのアイソレー
タ、31および32は同軸ケーブル43と平行対ケーブ
ル40のインピーダンスを合わせるための整合器、62
は試料室、68はプラズマ流、69はプラズマ引出し
窓、70は試料台を示す。
【0015】マイクロ波源1を出た計測用マイクロ波
は、同軸ケーブル43を伝播してアイソレータ2,整合
器31を経て平行対ケーブル40によってプラズマ中に
導かれる。平行対ケーブル40を伝播したマイクロ波
は、整合器32を経て同軸ケーブル43によりマイクロ
波検出器3に導かれ検出される。この構成によるプラズ
マの計測は次の手順で行う。はじめにプラズマがないと
きのマイクロ波の透過強度を計測用マイクロ波の周波数
を変化させて測定する。次にプラズマがあるときのマイ
クロ波の透過強度を測定する。両者を比較してプラズマ
による減衰量を求め、プラズマ密度,電子温度といった
プラズマパラメータを決める。
【0016】図2(A)に平行対ケーブル40の断面を
示す。80は伝送線、84は絶縁体、85はマイクロ波
電界の電気力線の状態を示す。平行対ケーブル40は2
本の近接した平行な伝送線80からなり、各々の伝送線
はプラズマに直接触れないように石英などの絶縁体84
で覆われている。この様な構成での基本伝播モードはT
EM波である。実験では絶縁体84として、外径1.2
mmの石英管を使用した。平行対ケーブル40の断面積
はこのように小さくできるので、プラズマ中に挿入する
ことによるプラズマへの乱れも小さく抑えられる。ま
た、マイクロ波は平行対ケーブル40によってプラズマ
中を伝播するので、プラズマ中でのマイクロ波の広がり
による壁での反射,プラズマの外への回り込み等の影響
を除くことが出来る。
【0017】平行対ケーブルとして、図2(B)に示す
ような3本の伝送線を使った構成も考えられる。この場
合伝送線81と伝送線82を等電位になるように接続す
ると、マイクロ波電界は、85の様になり、図2(A)
に示す平行対ケーブルの場合よりもプラズマとマイクロ
波電界が相互作用する領域が増し測定精度が向上する。
図2(A)および(B)に示す平行対ケーブルの一部を
プラズマから遮蔽することによって、平行対ケーブルに
沿った方向での位置の分解能を高くできる。
【0018】一般に、平行対ケーブルを伝播するマイク
ロ波の基本モードはTEM波であり、その伝播特性は平
面波の伝播特性と同じである。従って、磁界が存在しな
いとき、平行対ケーブルに沿ってプラズマ中を伝播する
マイクロ波の基本モードの伝播特性については、平面波
近似によるマイクロ波のプラズマ中での伝播特性につい
ての解析結果が適用できる。
【0019】平面波近似によるプラズマ中でのマイクロ
波の伝播についての解析結果について説明する。磁界が
ない場合のプラズマのマイクロ波に対する屈折率nは、
電子の衝突角振動数νがマイクロ波の角振動数ωに比べ
て十分小さく無視できるときには、
【0020】
【数1】
【0021】であることが知られている。ここに、ωは
マイクロ波の角振動数であり、ωp はプラズマ角振動数
で、プラズマ密度をnp ,電子電荷を−e,電子の質量
をme とするとωp =(e2 p /εo e 1/2 であ
る。屈折率nの媒質中を伝播するマイクロ波の電界E
は、伝播方向をz方向とすると、 E〜exp{−i(ωt−nko z)} (2) と書ける。但し、ko は真空中の波数で真空中の波長を
λとするとko =2π/λである。従って、(1),
(2)式よりプラズマ角振動数ωp がカットオフとな
り、マイクロ波の角振動数ωがプラズマ角振動数ωp
りも小さいときには、屈折率nが虚数となるためマイク
ロ波はプラズマによって反射され、プラズマを透過する
マイクロ波の強度は減衰する。マイクロ波の角振動数ω
がプラズマ角振動数ωp よりも大きいときには屈折率n
は実数となり、マイクロ波はプラズマ中を伝播できる。
【0022】磁界がある場合のプラズマのマイクロ波に
対する屈折率は、マイクロ波の伝播方向,マイクロ波電
界の向きによって異なる。表1に、平面波の場合のマイ
クロ波に対するプラズマの屈折率を示す。マイクロ波の
伝播方向が磁界に垂直で電界が磁界と平行なマイクロ波
(正常波)の場合には、屈折率は磁界がない場合と同じ
になる。
【0023】
【表1】
【0024】平行対ケーブル40を伝播するマイクロ波
の電界は、図2(A)に示すように2本の伝送線を結ぶ
方向が強いから、平行対ケーブルを図1に示すように磁
界に垂直に設置し、図2(A)に示すように2本の伝送
線を結ぶ方向を磁界と平行にすることで、マイクロ波の
電界と外部磁界をほぼ平行にでき、正常波と同じ配置に
できる。このとき、プラズマの屈折率は、(1)式と同
じになり、プラズマ角振動数ωp がカットオフとなる。
なお、磁界があるときのプラズマの特異性により、正常
波以外の波は平行対ケーブルの基本モード(TEM波)
と両立できない。
【0025】従って、平行対ケーブルを使って計測用マ
イクロ波の伝播方向を磁界に垂直にし、計測用マイクロ
波の電界を外部磁界と平行にすれば、磁界の有無によら
ずプラズマ角振動数ωp がカットオフとなる。そして、
図1に示す様な構成によって、透過特性を測定して直接
カットオフ周波数を求め、プラズマ密度を決めることが
できる。この実施例ではマイクロ波発振器の発振周波数
が2〜18GHzであるため、測定可能な電子密度の範
囲は5×1010cm-3〜4×1012cm-3であるが、発
振可能な周波数を変化させることで測定可能な電子密度
の範囲を変えられる。
【0026】図3は本実施例によるECRプラズマの測
定結果を示す。図3(A)の縦軸は、透過マイクロ波の
強度(dB単位)で、横軸はマイクロ波の振動数(GH
z単位)である。□はプラズマがないときの透過マイク
ロ波の強度、■はプラズマがあるときの透過マイクロ波
の強度を示す。ECRプラズマでは、ガス圧が低いため
ν<<ωの条件が成り立つからプラズマの屈折率は
(1)式となり、ωp がカットオフとなる。
【0027】カットオフ周波数は次のようにして決定す
る。ω<ωp の場合のマイクロ波の減衰対数量ΔI(d
b)(=プラズマ無し−プラズマあり)はプラズマの厚
さをdとし光速をcとすると、
【0028】
【数2】
【0029】と書ける。(3)式から、(ΔI)2 はω
2 の一次関数で(ΔI)2 =0になる周波数がωp であ
ることがわかる。従って、プラズマ角振動数ωp は、
測定データからΔIを求め、縦軸に(ΔI)2 ,横軸
にω2 をとってプロットし、ω<ωp のデータから最
小2乗法等により直線の式を決定し、横軸との交点を
求めることによって決めることができる。
【0030】以上は、プラズマの境界での反射がない場
合であるが、実際の測定では、プラズマと真空との屈折
率の差により、プラズマの境界で計測用マイクロ波の反
射が生じる。以下に、反射がある場合について説明す
る。
【0031】マイクロ波がプラズマに入射する際の境界
での振幅反射率,振幅透過率をΓA ,TA 、プラズマか
ら出る際の振幅反射率,振幅透過率をΓB ,TB とする
と、
【0032】
【数3】
【0033】と書ける。但し、nはプラズマの屈折率で
ある。従って、プラズマの厚さをdとすると、プラズマ
を透過してくるマイクロ波の振幅Aは、
【0034】
【数4】
【0035】となる。A0 は入射するマイクロ波の振
幅、ω<ωp の場合には、プラズマの屈折率は、
【0036】
【数5】
【0037】であるから、計測用マイクロ波の電力の透
過率は、
【0038】
【数6】
【0039】となる。ωp d/c>>1の場合には、分
母の第2項が他の項に比べて大きくなり、
【0040】
【数7】
【0041】となる。従って、マイクロ波の減衰対数量
ΔIは、
【0042】
【数8】
【0043】ωp d/c>>1のときには、
【0044】
【数9】
【0045】となり、(3)式と一致する。従って、平
行対ケーブルに照射するプラズマの厚さdが、
【0046】
【数10】
【0047】の場合には、(3)式を用いて精度よくω
p を決定できる。プラズマ振動数が2GHz以上(プラ
ズマ密度に換算すると5×1010cm-3以上)の場合に
は、dを5cm以上とすればよい。なお、この近似が使
えない場合には、(3)式を用いずに、厳密な式
(3)’を用いてωp を求めることができる。
【0048】図3(B)は、図3(A)のデータをもと
に上記〜のデータ処理を行った結果で、縦軸は(Δ
I)2 ,横軸はω2 であり、□は測定点である。また、
直線は3GHz以下のデータから最小2乗法で決定し
た。この図から、カットオフ周波数は3.7GHz、プ
ラズマ密度は1.7×1011cm-3と決定できる。ガス
圧が高く電子の衝突が無視できないような場合には、プ
ラズマのマイクロ波に対する屈折率nは、電子の衝突角
振動数をνとすると、
【0049】
【数11】
【0050】となるから、測定されるマイクロ波の透過
特性においては、カットオフがなまり、さらにマイクロ
波の角振動数ωがプラズマ角振動数ωp よりも大きいと
ころでもマイクロ波の減衰が生じる。従って、カットオ
フ近傍でのなまり、あるいは、ω>ωp でのマイクロ波
の減衰量から電子の衝突角振動数νがわかる。さらに、
ガス圧,電子の衝突角振動数ν等から電子温度を見積も
れる。
【0051】(実施例2)図4に本発明の第2の実施例
を示す。周波数可変のマイクロ波源1から出たマイクロ
波は、同軸ケーブル43を通り、アイソレータ2,結合
器10,整合器31を経て、平行対ケーブル41によっ
てプラズマ中に導入される。42はダミー抵抗を示す。
プラズマ68により反射されたマイクロ波は、整合器3
1を経て結合器10により分岐され、マイクロ波検出器
3に到達する。平行対ケーブル41は、第1の実施例に
使用する平行対ケーブル40の一端を平行対ケーブルの
インピーダンスに応じたダミー抵抗42によって終端し
ていること以外は同じ構成である。
【0052】プラズマのマイクロ波に対する屈折率は
(1)式で表されるから、マイクロ波の角振動数ωがプ
ラズマ角振動数ωp よりも大きいときには、屈折率は実
数となりマイクロ波はプラズマ中を伝播してダミー抵抗
42まで到達し吸収される。逆に、マイクロ波の角振動
数ωがプラズマ角振動数ωpよりも小さいときには、屈
折率が虚数となるため、プラズマによって反射されマイ
クロ波検出器3で検出されるマイクロ波強度は大きくな
る。従って、図4に示す構成により反射波の周波数依存
性からプラズマ周波数を測定し、プラズマ密度を決定で
きる。この場合には、平行対ケーブルの終端側にはつな
がっているものがないため、プラズマ中で設置場所の制
限がなく測定の自由度が非常に大きいという利点があ
る。この実施例の変形として実施例1における透過特性
の測定と組み合わせて反射特性を特定し、測定精度の向
上を図ることができる。
【0053】(実施例3)図5に本発明の第3の実施例
を示す。図において、1はマイクロ波源でマイクロ波の
振動数は、プラズマ振動数よりも高くなるように選ぶ。
43は同軸ケーブル、40は平行対ケーブルを示す。2
はアイソレータ、10と11は結合器、31と32は整
合器、3はマイクロ波検出器、12は可変減衰器、13
は可変移相器を示す。マイクロ波源1を出たマイクロ波
は、アイソレータ2を経て結合器10に到達し、2つに
分けられる。一方は、整合器31を経て平行対ケーブル
40によってプラズマ中を伝播した後、結合器11に達
する。他方は、可変減衰器12,可変移相器13を経て
結合器11に達する。結合器11で合成されたマイクロ
波の強度をマイクロ波検出器3で検出する。プラズマが
ないときに、マイクロ波検出器3で検出されるマイクロ
波の強度が零になるように可変減衰器12及び可変移相
器13を調整しておき、プラズマがある場合にも零にな
るように再び調整し、調整量からプラズマの有無による
位相差,減衰量を求める。位相差および減衰量から
(1)式または、(4)式を使って、プラズマ角振動数
ωp ,電子の衝突角振動数νを計算し、それらからプラ
ズマパラメータを決める。
【0054】図7に示したホーンアンテナ23,24を
用いた方法と違い、平行対ケーブル40によってプラズ
マ中でのマイクロ波の伝播経路,マイクロ波の電界の方
向が限定されているので、小面積の半導体プロセス用プ
ラズマの正確な計測が可能である。
【0055】
【発明の効果】叙上のように、本発明はプラズマ中で測
定用マイクロ波を小断面積の平行対ケーブルを使って伝
播させたので、マイクロ波の伝播路が限定され、マイク
ロ波電界の方向が規定されるから、ECRプラズマなど
磁界中におかれたプラズマを含めた半導体プロセス用プ
ラズマの計測において、プラズマへの乱れを最小限に抑
えて高精度なプラズマ計測が実現できるという利点があ
る。
【0056】また、平行対ケーブルではマイクロ波の周
波数に関してカットオフを生じないので、マイクロ波の
周波数を大幅に変化させて高精度に測定しうるという利
点がある。
【0057】さらに、次のような効果を有する。容器
の壁からの複雑な反射による影響を除くことができる。
マイクロ波電界の存在領域が限定できるため、位置分
解能の高い測定が可能となる。容器中で平行対ケーブ
ルを容易に移動できるため、測定場所が限定されない。
マイクロ波電界の方向が規定できるため、磁界がある
場合においても高精度な測定が可能となる。
【0058】本発明は、半導体プロセス用プラズマ以外
のプラズマの計測にも適用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す。
【図2】平行対ケーブルの断面で、(A)は伝送線が2
本の場合、(B)は3本の場合を示す。
【図3】本発明の効果を示す図で、ECRプラズマを測
定した結果で、(A)は周波数と強度との関係、(B)
は周波数とdBとの関係を示す。
【図4】本発明の第2の実施例を示す。
【図5】本発明の第3の実施例を示す。
【図6】ECRプラズマを利用したプラズマ処理装置の
基本構成を示す。
【図7】マイクロ波干渉法によるプラズマ計測の基本構
成を示す。
【符号の説明】
1 マイクロ波源 2 アイソレータ 3 マイクロ波検出器 10,11 結合器 12 可変減衰器 13 可変移相器 21,22 マジックT 23,24 ホーンアンテナ 31,32 整合器 40,41 平行対ケーブル 42 ダミー抵抗 43 同軸ケーブル 61 プラズマ生成室 62 試料室 63 マイクロ波導入窓 64 矩形導波管 65 冷却水系 66,67 ガス導入系 68 プラズマ流 69 プラズマ引出し窓 70 試料台 71 試料 72 磁気コイル 80,81,82,83 伝送線 84 絶縁体 85 電気力線

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測用マイクロ波を計測すべきプラズマ
    中に入射し、前記プラズマからうける計測用マイクロ波
    の位相,強度の変化からプラズマパラメータを決定する
    プラズマ計測法において、前記計測用マイクロ波を平行
    対ケーブルを用い、計測すべきプラズマ中を伝播させる
    ことを特徴とするプラズマ計測法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ計測法におい
    て、計測用マイクロ波源として発振周波数可変のマイク
    ロ波発振器を用い、前記計測用マイクロ波の周波数を変
    化させ、プラズマを透過したマイクロ波の強度をマイク
    ロ波検出器で検出し、マイクロ波の透過特性を測定する
    ことを特徴とするプラズマ計測法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプラズマ計測法におい
    て、計測用マイクロ波源として発振周波数可変のマイク
    ロ波発振器を用い、前記計測用マイクロ波の周波数を変
    化させ、プラズマにより反射されたマイクロ波の強度を
    マイクロ波検出器で検出し、マイクロ波の反射特性を測
    定することを特徴とするプラズマ計測法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のプラズマ計測法におい
    て、マイクロ波源からのマイクロ波を2つに分け、一方
    はプラズマ中を伝播させ、他方は別に設けた基準路を伝
    播させた後、前記2つのマイクロ波を合成し、2つのマ
    イクロ波の位相差,強度差を検出することを特徴とする
    プラズマ計測法。
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