JP2512437B2 - 血液蛋白質、その調製方法、前記蛋白質およびt−PA阻害剤をアツセイする方法、および前記蛋白質を含有する製薬学的組成物 - Google Patents

血液蛋白質、その調製方法、前記蛋白質およびt−PA阻害剤をアツセイする方法、および前記蛋白質を含有する製薬学的組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヒト血液中において同定されかつそれから
単離された新規な蛋白質に関する。それは、また、他の
哺乳動物、例えば、ラットおよびウサギの血液中に存在
する。この新規な蛋白質は、プラスミノゲン活性化因
子、すなわち、組織型プラスミノゲン活性化因子(tiss
ue type plasminogen activator)(t−PA)および
ウロキナーゼの活性を特異的に阻害するように思われ
る。この蛋白質はPA−結合性蛋白質(PA−BP)と呼ぶ。
血漿はt−PAの阻害を示すことが知られており、この
t−PAは、例えば、PA−阻害試験によりアッセイ(assa
y)することができる[トロンボシス・ヘマストシス(T
hromb.Haemastos.)、483266−269(1982)]。この阻
害はよく特徴づけられたPA阻害剤のためであり[血液凝
固の最近の発展(Recent Advances in Blood Coagu
lation)、L.ポウラー(Poller)編;チャーチル・リビ
ングストーン(Churchill Livingstone)、ニューヨー
ク、Vol.11−22ページ1985)]、この阻害剤は血小板、
内皮細胞培養物(以下「培養物」を培養基という場合が
ある)および肝細胞培養基中にも見出された。
血漿中において、第2蛋白質はt−PAの阻害に寄与す
ること、およびこの蛋白質はPA阻害剤に関係しないこと
が発見された。この蛋白質は、100,000の分子質量(mol
ecular mass)(ゲル濾過)を有し、t−PAと可逆的に
反応する蛋白質と思われる。このPA−結合性蛋白質(PA
−BP)を、以後詳細に説明する。
フィブリノゲンのブィブリンへの転化は重要な生物学
的過程である。フィブリンの形成は止血においてきわめ
て重要であるが、それは、また、他の生物学的過程、例
えば、炎症および悪性の病気および組織の修復過程にお
ける1つの重要な面である。有機体におけるフィブリン
の付着物のデグラテイション(degratation)はセリン
プロテイナーゼプラスミンにより触媒され、そしてプラ
スミンは活性化因子の影響のもとにプラスミノゲンから
形成される。2つの型の活性化因子が知られている:組
織型(t−PA)およびウロキナーゼ。フィブリンのデグ
ラテイションは、これらのプラスミノゲン活性化因子に
より、プラスミン阻害剤によりおよび活性化因子阻害剤
により制御されることが知られている。
プラスミノゲン活性化因子を介する線維素溶解を制御
する最も重要な阻害性蛋白質は、PA阻害剤である。この
阻害剤は1982〜1983年以来初めて同定され、そしてその
活性はt−PAの滴定による簡単な方法でアッセイするこ
とができ、そしてt−PAは、例えば、オランダ国特許82
01987号に従う手順によりアッセイすることができる。P
A阻害剤の研究は、この蛋白質がまた不活性または潜在
的な形態で存在することもできるこを示した。
PA阻害剤の他の研究は阻害剤の活性を中和することが
できかつ不活性な形態と反応する抗体を得ることに導い
た。それは、また、PA阻害剤の活性が37℃で不安定であ
ることが発見された。これらの研究の間に実施された血
漿中のPA阻害剤の活性の測定により、この阻害剤の一部
分は37℃で不安定であり、そしてこの温度においてこの
部分はPA阻害剤に対する抗血清と反応しないことが観察
された。さらに、これらの研究により、第2PA蛋白性蛋
白質が含まれることが示された。
PA−BPの性質を、ここで詳述する。
ヒトt−PAは2つの相同クリングル(Kringle)構
造、すなわち、表皮成長因子の一部に対して相同の領
域、フィブロネクチンのフィンガー(finger)構造対し
て相同の領域およびセリン含有活性中心をもつ軽鎖領域
を含有する。これらの領域は配位子、蛋白質および細胞
構造体の結合においてある役割を演ずると考えられ、こ
れらの結合はt−PAの生物学的機能の調節のために必須
である。関係するプラスミノゲン活性化因子、ウロキナ
ーゼ、はクリングルと活性中心をもつ軽鎖を有する。
線維素溶解のためのt−PAの有効性の制御は、また、
分子中の領域の大きい数をかんがみて、きわめて複雑で
ある。
フィブリノゲンの凝集において、t−PAは凝血中に組
み込まれる。循環においてあるいは凝血の形成時におけ
る血管壁の内皮細胞からのt−PAの急速な再循環におけ
るt−PAの有効性は、線維素溶解のための必須のパラメ
ーターである。この面に関してt−PAが不十分であるこ
とは、血栓の素質を意味する;t−PAの過剰は出血の素質
を意味する。
t−PAの活性のフィブリン統制(fibrin−directedne
ss)は、ウロキナーゼおよびストレプトキナーゼ(バク
テリアの生産物)の活性と反対に、重要であり、それに
よるフィブリンへの結合はt−PAの活性の二桁の大きさ
の刺激を誘発する。t−PAのこの性質はt−PAの応用に
おいて血栓崩壊因子として使用される。血栓症および、
例えば、心不全における凝血の溶解のために必要である
ウロキナーゼおよびストレプトキナーゼの量は、また、
循環においてかなりな作用を与え、ここでプラスミンの
形成も起こり、そしてプラスミンは望ましくない蛋白質
加水分解を誘発し、その結果出血の危険が増加する。凝
血の外側のt−PAの活性は非常に低い。
t−PAの有効性および活性の制御は、なかでも、阻害
により、すなわち、PA阻害剤により実施される。循環に
おいて、PA阻害剤はt−PAの不活性に寄与し、また形成
すべきプラスミンによる望ましくない蛋白質加水分解の
制限に寄与する。この目的で、それは非常に急速にt−
PAと可逆的複合体を形成し、その複合体はt−PAが不活
性である不可逆的な複合体にゆっくり(半減期約0.5時
間)転化する。PA阻害剤の血液レベルは非常に変動し
(0〜18IU/ml)およびこのPA阻害剤の作用は、それゆ
え、同様に変動する。その上、37℃における凝血の過程
において、PA阻害剤は明らかに自発的に(半減期約80〜
100分)活性プロテインCおよびトロンビンにより不活
性化される。新しく発見された成分、PA−BP、は非常に
いっそう安定な血漿濃度を有し、安定であり、それゆ
え、循環におけるt−PA活性の防止において重要な連続
的因子である。
その不安定性をかんがみて、PA阻害剤は形成した凝血
中に一時的に存在するだけであり、そして、なかでも、
外部から来るプラスミノゲン活性化因子の、凝血の環境
における、阻害によって、凝血の一時的安定化のために
のみ重要である。PA−BPは永久に存在し、そしてPAの活
性の長期間の制御に重要である。
PAを使用する血栓崩壊の治療において、t−PAの多い
投与量は所望の血栓崩壊を得るために必要であるように
思われ、この投与量はPA阻害剤およびPA−BPの濃度より
も高くして、その結果全身の作用を生ずる。この投与量
は、また、高く、肝臓によるt−PAの非常に早い消滅
(clearing)(数分の半減期)を補うようにする。
新規な成分、PA−BP、はt−PA阻害試験において、t
−PAのプラスミノゲンを活性化する活性を阻害する活性
を示す。しかしながら、分析によると、また、t−PAと
PA阻害剤との反応が阻害され、これはちょうどt−PAを
可逆的に中和することができる他の血漿阻害剤との反応
に似ている。したがって、PA−BPは保護因子として見る
べきであり、この保護因子は、一方において、t−PAを
阻害剤による不活性化に対して保護し、そして他方にお
いて、プラスミノゲンを望ましくないプラスミンの形成
による不活性化に対して保護する。結局、PA−BPは循環
におけるt−PAのための安全な担体である。凝血におけ
るt−PAのフィブリンへの結合は阻害されない。これら
の理由は、ウロキナーゼの特別な性質に適合するとき、
ウロキナーゼにも等しく有効である。
これらのデータから誘導できるように、PA阻害および
PA−BPはt−PAの有効性を制御するうえで異なる役割を
演じ、そしてこれらの役割は条件に非常に依存すること
がある。t−PAの領域のどれがフィブリン、PA阻害剤お
よびPA−BPとの相互作用に参加するかについて、なお断
片的な知識が存在する。フィブリンの結合はフィンガー
領域(finger domain)に関係すると思われる。プラス
ミノゲン活性化は、t−PAの軽鎖を研究する場合にの
み、完全である。組み換えDNA技術により得られるt−P
Aの突然変異体を研究しているとき、PA−BPとの相互作
用は完全であることがわかり、ここでクリングル1を含
むN−末端は欠失した。またクリングル2を欠失する軽
鎖はPA−BPと相互作用しないように思われ、そしてこれ
はDFP不活性化された活性中心をもつt−PAの場合には
当てはまらない。明らかに、クリングル2およびt−PA
の活性中心はPA−BPとの相互作用に関与する。クリング
ルをもつウロキナーゼおよびそれをもたないウロキナー
ゼの研究によると、クリングルの存在はPA−BPとの相互
作用に必須ではないが、活性中心は、プロウロキナーゼ
が相互作用をまったく示さないので、必須であった。そ
れゆえ、プラスミノゲン活性化因子の少なくとも活性中
心はPA−BPとの相互作用にとって重要性をもつ。
PA阻害剤についてのアッセイ法をもちいてPA−BPのア
ッセイを実施し、ここで試料中に存在するPA阻害剤の影
響は、この阻害剤に対するIgGの添加により、あるい
は、例えば、37℃における適当な時間にわたる試料の予
備インキュベーションにより破壊され、これによってPA
阻害剤がもっぱら不活性化される。このアッセイ法にお
いて、可溶性刺激剤またはフィブリンモノマーを使用す
ることができる。このアッセイのための用量−応答曲線
は直線状であり、そしてPA阻害剤およびPA−BPの活性は
加法に従う。
t−PAとPA−BPとの間の相互作用は可逆的反応論を示
し、ここで結合したt−PAの対する遊離の相互的なプロ
ットは1〜5ピコモルの見掛けの解離または阻害の定数
を示す。t−PAとPA−BPとの間の相互作用の可逆性は、
次の観察によって反応論的にさらに支持される。残留す
るt−PAの量(過剰のPA−BPにかかわらず)は数時間一
定にとどまり、そして、希釈すると、平衡は遊離のt−
PAの百分率が高いとき、解離が高い方向にシフトする。
t−PAとPA−BPとの可逆的特性を示す他の観察を、t−
PAまたはウロキナーゼを血漿に添加することにより実施
した。過剰量のt−PAまたはウロキナーゼを血漿に添加
すると、PA−BPの活性はもはや検出されない。このよう
な混合物を37℃でインキュベーションした後、PA−BPの
活性はある時間後に回復する。明らかに、この場合、PA
−BPは最初に中和され、そしてt−PAおよびUKは結合さ
れるが、それ以上時間が経過しても、添加したt−PAお
よびウロキナーゼは血漿中で血漿の阻害剤、例えば、ア
ルファ−2−抗プラスミンに作用することにより不可逆
的に不活性化される。これが示すように、PA−PBは永久
にプラスミノゲン活性化因子により中和されえない。
血漿において、PA−BPの活性は、0〜56℃で1週間ま
でインキュベーションしたとき、安定である。37℃にお
いて、PA阻害剤の活性は80〜100分の半減期で消滅す
る。この半減期の多数倍の数、例えば、一夜のインキュ
ベーション後、血漿はもっぱらPA−BPの活性を含有す
る。PA阻害剤の不活性化は5のQ10で温度に強く依存
し、より高い温度における不活性化が非常に急速であ
る。血漿中で、PA阻害剤に対するIgGを用いる免疫沈殿
後、PA阻害剤は残留し、温度安定性であり、そしてPA−
BPと量的に同一である。PA−BPと同一の、この同じ活性
は、t−PAの阻害についてのアッセイ法においてPA阻害
剤IgGの過剰の添加後に残留する。37℃で一夜の血漿の
インキュベーション後に残留するPA−BP活性は、PA阻害
剤に対する過剰のIgGによる阻害に対しての不感受性で
ある。PA−BPの活性はEDTAの添加に対して不感受性であ
る。プラスミノゲン活性化因子の胎盤阻害剤は正常の血
漿中には見出されず、そしてPA−BPの活性は胎盤の阻害
剤に対する抗体により中和されず、そしてこの抗体は胎
盤の阻害剤の活性を阻害しない。
線維素溶解成分との相互作用を示す既知の阻害剤との
PA−BPの同一性は、PA阻害剤を除外する既知の阻害剤の
いずれについてもそれほど低くない血漿中の濃度をかん
がみて、排除される。PA−BPは抗プラスミンに欠乏する
血漿中に通常存在する。精製されたテトラネクチン(オ
ランダ国特許8501682号)はt−PAの阻害を示さない。
プラスミノゲンおよびフィブリノゲンは、PA−BPの活性
を破壊せずに、血漿から除去することができる。アルフ
ァ−2−マクログロブリンおよびC1−不活性化因子は、
血漿のゲル濾過においてPA−BPのそれと明瞭に異なる位
置に現われる。プロテアーゼネキシンが存在する線維芽
細胞の培地において、PA−BPは検出されなかった。
血漿において、PA−BPはゲル濾過によりPA阻害剤から
分離することができる。PA阻害剤は高分子量の位置に動
き、そしてPA−BPは100,000の分子量においてプラスミ
ノゲンとほぼ同時に展開する。これらのピークは、PA阻
害剤を抗血清で中和することができかつ温度不安定であ
り、これに対してPA−BPが抗血清に不感受性でありかつ
温度安定性であるという特性に従う。これは、37℃で24
時間予備インキュベーションした血漿のゲル濾過がPA−
BPのみを生ずるという事実に一致する。
PA−BPは硫酸アンモニウムで30〜50%の飽和率で沈殿
させ、そしてポリエチレングリコールで0〜9%の飽和
率で沈殿させることができる。PA−BPはリジン−アガロ
ースに結合しないので、血漿はPA−BPを損失しないでこ
のカラムを使用してプラスミノゲン不含とすることがで
きる。PA−BPはDFP処理したt−PAのカラムに結合せ
ず、これによりt−PAの完全な(intact)活性中心はPA
−BPとの相互作用のために必須であることが示される。
アガロース中の電気泳動において、PA−BPは血漿のβ
−グロブリンと同時に展開する単一の活性ピークを与え
る。等電点電気泳動(iso−electric focussing)にお
いて、PA−BPはpH6.5〜7.0に現われ、これはアガロース
中の電気泳動の移動度と一致する。
PA−BPは、t−PA阻害剤と対照的に、内皮細胞、HEP
G2細胞、および肝細胞の培養のコンディショニングし
た培地中に測定可能な量で見出された。また、凍結乾燥
により得られる高度に濃厚な培地(20×)において、測
定可能な量のPA−BPを検出することができた。
PA阻害剤は血小板のトリトンX−100抽出液中で検出
されたが、PA−BPは検出されなかった。これは、PA阻害
剤のすべてをPA阻害剤に対する抗血清で阻害できたとい
う事実から明らかである。
プールした正常の血漿において、5IU/mlのPA−BP濃度
が決定され、ここで100,000の分子量は10ng/mlまたは0.
1ナノモル/lの低い値に相当する。これは休止条件(res
ting conditions)下に得られた血漿中の遊離t−PAに
関して10〜100倍過剰である。1〜5ピコモルのt−PA
およびPA−BPの阻害/解離定数では、これはt−PAの本
質的にすべてがPA−BPとの複合体中に存在することを意
味する。健康な個体において、かなり一定(標準偏差15
%)のPA−BP濃度が見出された;これはPA阻害剤の大き
い個々の間の変動と対照的である。血漿中のPA阻害剤の
アッセイにおいて、得意的PA阻害剤を測定する目的で合
計からPA−BP値を減じなければならないことが明らかと
なったとき、PA阻害剤の個々の間の変動はなおいっそう
著しくなり、そして多くの場合本質的ゼロのPA阻害剤の
活性が見出された。明らかに、PA阻害剤は血漿で頻繁に
は検出可能ではない。
血漿中のPA阻害剤の変動は、ここでは2つの別々の成
分のためである。しかしながら、変動は主としてPA阻害
剤のためであることおよび、例えば、阻害の毎日のリズ
ムおよび急性期の反応はPA阻害剤のためであり、これに
対してPA−BPは一定であるかあるいは制限されたばらつ
きを示すことが発見された。
また、動物、例えば、ラットおよびウサギの血漿にお
いて、熱安定性の成分が見出され、これはPA−BPに匹敵
した。PA阻害剤の強いばらつきは、例えば、エンドトキ
シンを注射したとき、見られたが、PA−BPは一定にとど
まった。
ラットにおける高いレベルのPA阻害剤を有するラット
の血漿(他の動物においてエンドトキシンの注射および
4時間後の血液のサンプリングにより得られた)を注入
後、PA阻害剤は3〜4分の半減期を有する急速な消滅
(clearing)を示したが、これに対して注入により同様
に増加したPA−BPのレベルはこの観測期間の間にほとん
ど減少しないことが観察された。このことは、半減期ま
たはPA−BPについて数日程度を示唆する。このことが意
味するように、PA−BPの安定な血漿濃度は、また、t−
PAの循環の間および後に、例えば、DDAVPの注入後に、
急速な合成によって得られない。t−PAが肝臓を経る循
環から急速に消滅するとき、t−PAはPA−BPから解離さ
れること推定すべきである。
要約すると、本発明による新規な蛋白質、PA−結合性
蛋白質(PA−BP)、の性質は次の通りである: PA−BPは、ウルトロゲル(Ultrogel:商標)ACA44を使
用するゲルクロマトグラフィーにより推定して、100,00
0の分子質量(molecular mass)を有する血漿蛋白質で
ある。
アガロース電気泳動における電気泳動の移動度は、血
漿β−ブロブリンのそれに等しい。
等電点は6.5〜7.0である。
PA−BPは数日間少なくとも56℃まで熱安定性である。
PA−BPはフィブリンに結合せず、そしてt−PAのフィ
ブリンへの結合を阻害しない。PA−BPはコンカナバリン
Aに結合する糖残基を含有しない。
PA−BPは1〜5ピコモルの見掛けの阻害定数でt−PA
活性を阻害する。この阻害は短いおよび長い期間にわた
って可逆的であり、そしてまた他の阻害剤によるt−PA
の不活性化を阻害する。
PA−BPはウロキナーゼと相互作用するが、プロウロキ
ナーゼと相互作用しない。
PA−BPの相互作用のため、プラスミノゲン活性化因子
の活性中心は必要である。
PAとの相互作用において、クリングル2が参加する。
PA−BPは、免疫学的基準および蛋白質−化学的特性に
従い、かつ体中の分布に関するかぎりにおいて、PA阻害
剤と異なる。
PA−BPは、約10mg/mlの一定の血漿濃度を有し、循環
から数日のゆっくりして消滅し、そして血小板、および
内皮細胞および肝細胞の培養基の中に測定可能な濃度で
存在しない。
本発明は、前述の性質を有するPA−BPに関する。本発
明は、また、PA−BPを調製する方法に関する。第1に、
PA−BPは哺乳動物、例えば、ヒトまたはウサギまたはラ
ットの血液または血液分画から、蛋白質の性質に適合す
る通常の蛋白質精製技術により得ることができる。
本発明は、また、細胞培養物から、組み換えDNA技術
により修飾された微生物または他の宿主有機体により調
製されたPA−BPからなる。
PA−BPの精製は、プラスミノゲン活性化因子、あるい
はつのクリングルを含めて、N−末端部分が不存在であ
ることができる、突然変異のt−PAが結合したカラムを
使用する親和クロマトグラフィーにより実施することが
できる。親和クロマトグラフィーは、例えば、プラスミ
ノゲンの不存在下に実施することができ、そして蛋白質
の性質に適合する伝統的な分離技術を用いて完結するこ
とができる。プラスミノゲン活性化因子の活性中心は、
完全であるか、あるいは限界的に修飾されているべきで
ある。
さらに、本発明は、検出およびアッセイの方法に関
し、ここで試料の予備処理またはPA阻害剤の抗体の添加
は現存する方法を特異的とする。また、本発明は、現存
する方法をこの特定の因子に対して特異的とする方法に
関する。血漿および他の試料の中のPA阻害剤のための既
知のアッセイ法のすべては、ここで使用可能である。こ
うして、このアッセイ法は、PA阻害剤の抗体の添加によ
り、あるいはPA阻害剤を不活性化するために37℃で適当
な期間、例えば、少なくとも10時間の間試料を予備イン
キュベーションすることにより、PA−BPについて特異的
とする。PA阻害剤の特異的寄与は、活性が抗体により中
和されるとき、あるいは予備インキュベーションにより
不活性化されるとき、計算される。
PA−BPはヒト血漿中に0.1ナノモル/lの平均濃度で存
在する。この平均値は正常の健康なボラティアにおいて
決定された。PA−BPの濃度は(0900−1500時間)の日の
間に変化せず、そして急性期の反応または敗血症の患者
において強く異ならない。PA−BPのレベルは循環するt
−PAの一時的増加により、例えば、DDAVPの注入により
低下しない。
PA−BPはt−PAおよびウロキナーゼの有効性を特異的
な方法におけるプラスミノゲン活性化因子の可逆的結合
により制御し、ここでt−PAのフィブリンへの化合物は
阻害されないが、プラスミノゲン活性化因子の活性は重
合したフィブリンの不存在下におよびフィブリンおよび
フィブリノゲンの断片またはそれらの分解生成物の存在
下に阻害される。プラスミノゲン活性化因子は他の方法
による不活性化に対して保護される。
PA−BPのこの役割をかんがみて、PA−BPは線維素溶解
抑制因子として使用することができる。循環からの消滅
が遅いため、少量の物質は長時間にわたって血漿レベル
を実質的に増加させることができる。生成物はプラスミ
ノゲン活性化因子の全身作用を低下するという価値を有
することができる。それは血漿崩壊の治療においてt−
PAまたはウロキナーゼへの添加剤として価値をもつこと
ができ、そして血栓崩壊作用に比較して全身の作用を低
下させることができる。それはプラスミノゲン活性化因
子のフィブリン依存性活性、細胞外分解、散在性血管内
の凝血の抑制において価値をもつことができる。
したがって、本発明は、また、活性成分としてPA−BP
を含有する製薬学的組成物に関する。
以下の実施例により、本発明を説明する。これらの実
施例において使用した物質および方法は次の通りであ
る: ウルトルゲル(Ultrogel)ACA44はLKB(スウェーデ
ン)から入手した。
刺激剤は、ヴェルヘイジェン(Verheijen)ら、トロ
ンボシス・ヘマストシス(Thromb.Haemastos.)、48、2
66−269(1982)に記載されるようにして、フィブリノ
ゲンから臭化シアンの処理により調製した。
S2251。式H−D−Val−Leu−Lys−p−ニトロアニリ
ド・2時間細胞を有するこの色素発生性プラスミン基質
は、カビ(Kbi)(ウェーデン国モルンダル)から入手
した。
プラスミノゲン。プラスミノゲンは、リジン−エウペ
ルギット(lysine−eupergit)を使用する親和クロマト
グラフィーによりコーンフラックションIIIから単離し
た。
t−PA。クラフト(Kluft)ら、アドバンス・イン・
バイオテクノロジカル・プロセス(Advance in Biote
chnological Processes)vol.2[ミズラヒ(Mizrah
i)、A.v.ウェゼル(Wezel)AL編]ニューヨーク:ARリ
ス(Liss)、1983、97−100ページに記載されるように
して、ボウエス(Bowes)色素細胞腫系統の細胞培養基
から、一本鎖および二本鎖のt−PAを単離した。ファー
マシア(Pharmacia)会社のCNBr−セファロースについ
て取扱説明に従い、t−PAをセファロースの結合した。
t−PAをジイソプロピルフルオロホスフェート(1ミリ
モル)で処理することにより不活性化した。活性中心を
含有するt−PAの軽鎖を、二本鎖のt−PAの還元、再酸
化およびゲル濾過による分離によって得た。フィンガ
ー、成長ホルモン、およびN−末端クリングル領域を欠
く突然変異のt−PAを、色素細胞腫のt−PAの暗号を指
定するc−DNAの組み換えDNA操作によって調製した。突
然変異体の発現はCHO[チャイニーズ・ハムスター・オ
バリウ(Chinese Haster Ovaium)]細胞から得た。
ウロキナーゼは、レオ(Leo)(スウェーデン国バレ
ラップ]から高分子量および低分子量の形態の混合物と
して、およびアボッド(Abott)から低分子量の形態と
して入手した。
プロウロキナーゼは、サル腎細胞培養物から、ウロキ
ナーゼに対するIgGを使用するカラムへの吸着により精
製した。
PA阻害剤に対するIgG。PA阻害剤は、バン・ムーリク
(Van Mourik)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、259、14914−1492
1(1984)に記載されるようにして、内皮細胞培養基か
ら単離した。抗血清はウサギの免疫化により発生させ、
そしてIgGは蛋白質Aセルァロース[ファーマシア(Pha
rmacia)、スウェーデン国ウップサラ]を使用して精製
した。
エンドキシン、大腸菌(Escherichia coli)(血清
型0128:B12)はシグマ(Sigma)、米国セイント・ルウ
スから入手した。
ウイスター(Wister)ラットは、セントラアアル・プ
レフディエレンベドリジフ(Centraal Proefdierenbed
rijf)TNO、ゼイスト(Zeist)から入手し、そして試験
はネンブタール(Nembutal)の麻酔(60mg/kg 腹腔
内)の下に実施した。
内皮細胞はへその緒の容器(umbilical cord vesse
l)からコラゲナーゼ発酵により単離し、そして、血清
を添加しない、ダルベッコ(Dullbeco)の変性イーグル
ス(Eagles)培地中でフィブリノネクチン被覆ディスク
上で全面成長に培養した。永久ヘパトーム細胞系統HEP
G2の細胞、肝細胞および線維芽細胞を血清不含培地中
で標準条件下に培養した。
血漿を供与体の血液から入手し、そして0.11モルのク
エン酸ナトリウムを含有する溶液の0.10容量で安定化し
た。
ウルトロゲル(Ultrogel)ACA34のゲル濾過。これは
0.01モルのトリスHCl緩衝液、pH7.4および0.05モルのNa
Clと平衡化しかつそれらを充填した275mlのカラム中で
実施した。このカラムを種々のマーカー蛋白質を使用す
ることによりおよび、カビ(Kbi)会社(ウェーデン国
モルンダル)のストレプトキナーゼ不活性化法に従い血
漿プラスミノゲンの測定を経る内部目盛定めにより目盛
定めした。
等電フォーカシングはポリアクリルアミドゲルのロッ
ド中で実施し、電気泳動後、このゲルをスライスに切断
した。阻害アッセイ法の試験緩衝液中でスライスを抽出
した後、t−PAの阻害を測定した。3.5〜9.5のpHの勾配
を研究した。
t−PAのアッセイ、0.13μモルのプラスミノゲン、0.
1%(v/v)のツイーン80、0.12mg/mlのフィブリノゲン
断片(刺激剤またはフィブリンのモノマー)および0.30
ミリモルの色素発生性プラスミン基質(例えば、S225
1)を含有する0.25mlのトリス−HCl緩衝液(0.01モル、
pH7.5)中で、アッセイ25℃でインキュベーションす
る。405nmにおける光の吸収を、種々のインキュベーシ
ョン期間後に測定する。このアッセイは96ウェル(wel
l)を有するマイクロタイタープレート(microtiter p
late)中でタイターテク(Titertek)試験装置[フロー
(Flow)、英国アービン]を使用して実施する。吸収の
増加をインキュベーションの期間の平方で割った値は、
活性化因子の濃度に対して比例する。t−PAの活性は、
WHOのファースト・インターナショナル・スタンダード
(First International Standard)、コード83/517に
従う国際単位で表わす。
実施例I t−PA−阻害剤のアッセイは、阻害剤含有試料、例え
ば、血漿をt−PA系列を使用する滴定として実施する。
t−PAの活性は前述のt−PAアッセイ法を使用して実施
する。
第1図は、試験において20μlの血漿を添加して曲線
を作成する方法を示し、これはX軸への外挿で、阻害の
量を中和されたt−PAの量として表わす。第1図は、ま
た、37℃で一夜インキュベーションした血漿が低い阻害
を示すことを明らかにする。この残留阻害は、内皮細胞
の培養基から単離されたPA阻害剤に対する免疫グロブリ
ンを使用して阻害されえない。これらの免疫グロブリン
は新しい血漿に対して作用を事実有し、そしてt−PAの
阻害をインキュベーションした血漿のレベルに減少す
る。したがって、この曲線はプラズマー(マイナス)t
−PA阻害剤の指示を与える。
実施例II PA阻害剤の熱安定性。第2図は、プールした正常の血
漿中のPA阻害剤のt−PA阻害剤の活性が0℃により高い
温度においてインキュベーションすると減少することを
示す。PA−BPの阻害は減じられている。不活性化速度
(k)は温度に高度に依存性であり、10℃の温度の上昇
毎にファクター5で増加する(インセット)。PA−BPの
残留阻害は、いずれの場合においても、少なくとも1週
間の間かつ56℃までの温度において安定にとどまること
が観測された。現在まで、PA阻害剤の同一のインキュベ
ーション速度がすべての個々の血漿において得られた。
実施例III 阻害の速度論。見掛の阻害定数は、例えば、第1図に
おけるように、遊離のt−PAおよび結合したt−PAの相
互的な値をプロットすることにより結果から得ることが
できる。これらの直線状の曲線は、すべての場合におい
て、合計の血漿、内皮細胞の培養基およびインキュベー
ションした血漿(PA−BP)について1〜5ピコモルの同
一の値を表わすX軸上の軸の区画を示す。t−PAおよび
インキュベーションした血漿または精製したPA−BPの混
合物を異なる希釈でアッセイするとき、異なる百分率の
遊離のt−PAが得られる。例えば、t−PAの欠失の場合
において、38%、33%および22%の遊離のt−PAが、そ
れぞれ、1:10および1:3の希釈および未希釈において得
られた。これは可逆的な複合体の形成を示唆する。
実施例IV PA決定PA−BPの可逆的結合。正常の血漿の合計の阻害
剤容量に関して4倍過剰量のt−PAまたはウロキナーゼ
の添加は、アッセイすると、t−PAに関する阻害のすべ
てが阻害剤のアッセイにおいて中和されることを示し
た。混合物を37℃で一夜インキュベーションした後、阻
害は再び測定可能であり、これはPA−BPの活性に量的に
等しく、そして安定にとどまった。明らかなように、知
られているように、t−PAおよびウロキナーゼは血漿中
で大量に存在する他のプロテアーゼ阻害剤によりゆっく
り不活性化され、そしてPA−BPは再び開放され、そし
て、明らかに、不可逆的に中和されなかった。
実施例V 血漿中のPA−BPのアッセイ。この目的に、血漿を適当
な期間(45℃で2時間または37℃で一夜)インキュベー
ションしてPA阻害剤を不活性化することによって、血漿
を予備処理する。次いで、阻害を前述のt−PA阻害剤ア
ッセイ法に従いアッセイする。この方法は、また、例え
ば、PA−BPが同様に見出されるラットおよびウサギの血
漿について有効であるように思われる。すなわち、この
インキュベーション技術は、また、かなりの量のt−PA
を含有する試料に適当であり、例えば、線維素溶解を刺
激しかつt−PAを注入し、妨害するPAの活性が、また、
インキュベーションにより消失した(実施例IV参照)試
料に適する。血漿を予備処理しない、t−PAまたはウロ
キナーゼを実質的に含有しないヒトの物質の代替法とし
て、内皮PA阻害剤に対するIgGを過剰にアッセイ系に添
加して、t−PA阻害剤のアッセイを実施する。これは≧
1μg/mlの使用する抗血清のIgGである。
実施例VI 培地および臨床試料の中のPA−BP。PA−BPアッセイ法
を使用して、正常の供与体の血漿中に存在するPA−BPの
量はかなり一定(標準偏差15%)であり、そして5IU/ml
のt−PAに等しいことが決定された。0900〜15000時間
の間の日の間、および高いPA阻害剤のレベルをもつ明瞭
な急性期の反応を有する患者、例えば、多数の外傷(2
以上の骨折)を受けた患者において、変動は見られなか
った。DDAVPの注入の間、PA−BPは循環するt−PAによ
り一時的にのみ中和されるように見え、そして血漿のイ
ンキュベーション後には常に正常に検出可能である。ラ
ットにおけるエンドトキシン(10μg/kg)の注射は、4
時間後、血漿中に過度に高い阻害値(1500%まで)を発
生させたが、しかし、これは完全にPA阻害剤によるもの
であった;PA−BPは不変化にとどまった。内皮細胞の培
地およびHEP G2細胞において、t−PA阻害のすべてはP
A阻害剤に対するIgGで阻害することができる。また、20
倍の濃度の培地は測定可能なPA−BPの含量を示さなかっ
た。血液から沈殿させた血小板のトリトンX−100抽出
液はt−PAの阻害を示さなかったが、この阻害はPA阻害
剤に対するIgGで完全に阻害することができた。プロテ
アーゼネキシンを含有する線維芽細胞の培養基は、PA−
BPの活性を示さなかった。PA−BPは血漿のユーゴブリン
分画中に見出されなかった。
実施例VII PA−BPの特異性。アッセイ阻害剤のアッセイ法を使用
して、PA−BPのみを含有する血漿に添加したどの成分が
PA−BPの活性に影響を及ぼすかを発見しようとした。こ
のようにして、10nmg/mlのレオ(Leo)ウロキナーゼお
よびアボット(Abott)ウロキナーゼはPA−BPの活性を5
0%だけ中和することが発見され、この事実はt−PAに
関する等しく強い結合を示唆している。サルの肝細胞か
ら精製されたプロウロキナーゼ(14ng/ml)およびヒト
線維芽細胞培養基中に存在するプロウロキナーゼ(100n
g/ml)は、作用をまったく示さなかった。t−PAについ
ての同一の実験が示すように、DEF不活性化t−PA(100
ng/ml)およびt−PAの単離された活性軽鎖(10ng/ml)
は作用をなんら有さなかった。
このアッセイ手順のt−PAの代わりに、組み換えDNA
操作により得られた欠失突然変異体t−PAを使用した。
この突然変異体は、フィンガー、成長ホルモンおよびク
リングルー1の領域を含有しなかった。PA−BP活性は通
常これを用いてなおアッセイ可能であるように思われ
た。明らかなように、PA−BPとプラスミノゲン活性化因
子との間の相互作用は、主として完全な活性中心に依存
し、そしてt−PAでは、またクリングル2に依存する。
実施例VIII PA−BPのゲル濾過。ウルトロゲル(Ultrogel)ACA44
を使用する5mlの血漿のゲル濾過は、PA阻害剤とPA−BP
との分離を示す。第3図の2つのピークは、それらの熱
不安定性によって同定された。PA−BPはクロマトグラフ
に、プラスミノゲン(90,000)に近く、そしてアルドラ
ーゼ(147,000)の後の、分子量100,000に相当する位置
に現われる。
実施例IX t−PAのフィブリン結合。t−PAを血漿の添加した。
この血漿は、37℃のインキュベーションのため、PA−BP
活性のみを示した。t−PAはPA−BP容量に等しい量でお
よびその2倍の量で添加した。この血漿を塩化カルシウ
ムの添加およびトロンビンの添加により凝固させ、そし
て形成した凝塊を取り出した。形成した血清において、
同一量、すなわち、出発血漿中に存在したのと同一量、
のPA−BPがt−PAを含まない対照において、およびt−
PAを有する2つの血漿においてアッセイされた。これに
より示されるように、凝血へのt−PAの結合はPA−BPに
妨害されずに起こった。
実施例X 阻害に対する保護。種々のインキュベーションを、種
々の条件下にPA阻害のアッセイにおいて研究した。PA−
BPのみを含有する血漿において、t−PAの活性はPA−BP
のレベルより低いt−PAの濃度で25℃において5時間の
間安定にとどまることが観測された。同等の点より上に
おいて、t−PAは約1時間の半減期で血漿の阻害剤によ
り不活性化される。不活性化はほぼ等価点(equivalenc
e point)で停止するということは、驚くべきことであ
る。PA−BPは血漿の阻害剤による不活性化に対してt−
PAを保護する。細胞培養の血清不含培地を使用し、PA阻
害剤のみを存在させる、同様な試験により、t−PAの活
性はゆっくり不可逆的に不活性化される(半減期2.5〜
3時間)ことが示された。PA−BPおよびPA阻害剤の両者
が存在する血漿において、t−PAはPA−BPの等価点より
上において2.5〜3時間の半減期でゆっくり不活性化
し、そしてt−PAの活性はこの等価点より下において安
定である。明らかに、PA−BPは、また、PA阻害剤の活性
に対して保護する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、試験において20μlの血漿を添加して曲線を
作成する方法を示し、これはX軸への外挿で、阻害の量
を中和されたt−PAの量として表わす。第1図は、ま
た、37℃で一夜インキュベーションした血漿が低い阻害
を示すことを明らかにする。 第2図は、プールした正常の血漿中のPA阻害剤のt−PA
阻害剤の活性が0℃により高い温度においてインキュベ
ーションすると減少することを示す。 第3図は、ウルトロゲル(Ultrogel)ACA44を使用する5
mlの血漿のゲル濾過のピークを示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の性質: a.ウルトロゲル(Ultrogel:商標)ACA44を使用するゲル
    クロマトグラフィーにより決定して約100,000の分子質
    量を有する; b.pH8.6のアガロースにおいて血漿β−グロブリンの電
    気泳動移動度に等しい移動度を有する; c.6.5〜7.0の等電点を有する; d.t−PAの遊離の活性中心および特異的クリングル2の
    存在下にt−PAおよびウロキナーゼに特異的にかつ可逆
    的に結合する; e.少なくとも56℃まで熱安定性である; そして f.数日程度の半減期で循環から消滅する; を少なくとも示すことを特徴とするPA結合性蛋白質(PA
    −BP)と呼ぶ蛋白質。
  2. 【請求項2】有効成分として、次の性質: a.ウルトロゲル(Ultrogel:商標)ACA44を使用するゲル
    クロマトグラフィーにより決定して約100,000の分子質
    量を有する; b.pH8.6のアガロースにおいて血漿β−グロブリンの電
    気泳動移動度に等しい移動度を有する; c.6.5〜7.0の等電点を有する; d.t−PAの遊離の活性中心および特異的クリングル2の
    存在下にt−PAおよびウロキナーゼに特異的にかつ可逆
    的に結合する; e.少なくとも56℃まで熱安定性である; そして f.数日程度の半減期で循環から消滅する; を少なくとも示すPA結合性蛋白質(PA−BP)と称される
    蛋白質を含有することを特徴とするt−PAおよびウロキ
    ナーゼの有効性を制御するための医薬組成物。
  3. 【請求項3】PA−BPと一緒に、t−PAまたはウロキナー
    ゼを含有する特許請求の範囲第3項記載の医薬組成物。
JP61164544A 1985-07-12 1986-07-12 血液蛋白質、その調製方法、前記蛋白質およびt−PA阻害剤をアツセイする方法、および前記蛋白質を含有する製薬学的組成物 Expired - Lifetime JP2512437B2 (ja)

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