JP2512266B2 - ポリプロピレン系樹脂成形品の回収方法 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂成形品の回収方法Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
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- Pyrrole Compounds (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン系樹脂成
形品の回収方法に関する。詳しくは、熱硬化性樹脂が塗
布されて成るポリプロピレン系樹脂成形品の回収方法に
関する。
形品の回収方法に関する。詳しくは、熱硬化性樹脂が塗
布されて成るポリプロピレン系樹脂成形品の回収方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、資源の有効利用及び地球環境保全
の観点から、プラスチックの廃棄物の処理回収、再生利
用の要請が高まってきている。ポリプロピレン系樹脂
は、成形品材料としての諸物性に優れているうえ、比較
的回収再生が容易な熱可塑性樹脂のひとつとしてその利
用拡大が期待されている。しかしながら、通常のポリプ
ロピレン系樹脂成形品は、熱硬化性樹脂等で表面を塗布
したような形で用いられることが多い。従って、諸成形
品の廃棄物をそのまま回収し、再使用しても、低グレー
ドの成形品しか得ることができない。
の観点から、プラスチックの廃棄物の処理回収、再生利
用の要請が高まってきている。ポリプロピレン系樹脂
は、成形品材料としての諸物性に優れているうえ、比較
的回収再生が容易な熱可塑性樹脂のひとつとしてその利
用拡大が期待されている。しかしながら、通常のポリプ
ロピレン系樹脂成形品は、熱硬化性樹脂等で表面を塗布
したような形で用いられることが多い。従って、諸成形
品の廃棄物をそのまま回収し、再使用しても、低グレー
ドの成形品しか得ることができない。
【0003】例えば、自動車用バンパーとして、熱硬化
性樹脂を塗布したポリプロピレン系樹脂の成形品が、広
く使用されている。しかしながら、該ポリプロピレン製
バンパーは、塗膜の完全剥離が困難であるため、衝撃特
性の劣化や亀裂の発生を招き、高い機械的特性と高品質
の外観を求められるバンパーには再生できず、低グレー
ドの部品に再利用しているにすぎない。
性樹脂を塗布したポリプロピレン系樹脂の成形品が、広
く使用されている。しかしながら、該ポリプロピレン製
バンパーは、塗膜の完全剥離が困難であるため、衝撃特
性の劣化や亀裂の発生を招き、高い機械的特性と高品質
の外観を求められるバンパーには再生できず、低グレー
ドの部品に再利用しているにすぎない。
【0004】そこで、最近、上記バンパーの塗膜を除去
する方法として、ポリプロピレン系樹脂製バンパーを粉
砕し、此れを反応槽に入れ、水、アルコール及び有機塩
から成る特殊な塗膜除去剤に浸漬し、化学反応により塗
膜を除去し、遠心分離機にかけて乾燥させ、ペレット状
のポリプロピレン系樹脂に再生する方法が提案されてい
る(日刊工業新聞1991年9月6日号)。
する方法として、ポリプロピレン系樹脂製バンパーを粉
砕し、此れを反応槽に入れ、水、アルコール及び有機塩
から成る特殊な塗膜除去剤に浸漬し、化学反応により塗
膜を除去し、遠心分離機にかけて乾燥させ、ペレット状
のポリプロピレン系樹脂に再生する方法が提案されてい
る(日刊工業新聞1991年9月6日号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では廃液処理が必要となり、また、再生工程が複雑
になるので、再生コストが高くなるという問題点が考え
られる。
方法では廃液処理が必要となり、また、再生工程が複雑
になるので、再生コストが高くなるという問題点が考え
られる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記実情に
鑑み、ポリプロピレン系樹脂成形品の簡便かつ効率的な
回収方法につき鋭意検討した結果、該成形品をピロリド
ン液で浸漬することにより、成形品の塗膜が容易に剥離
でき、且つ、該塗膜とポリプロピレン系樹脂の分離も、
ピロリドン液中での両者の比重差により、容易になし
得、さらに回収したポリプロピレン系樹脂に付着するピ
ロリドンも押出機中で吸引することにより分離除去でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
鑑み、ポリプロピレン系樹脂成形品の簡便かつ効率的な
回収方法につき鋭意検討した結果、該成形品をピロリド
ン液で浸漬することにより、成形品の塗膜が容易に剥離
でき、且つ、該塗膜とポリプロピレン系樹脂の分離も、
ピロリドン液中での両者の比重差により、容易になし
得、さらに回収したポリプロピレン系樹脂に付着するピ
ロリドンも押出機中で吸引することにより分離除去でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、熱硬化性樹脂が塗
布されて成るポリプロピレン系樹脂成形品を、ピロリド
ン液に浸漬して該成形品より熱硬化性樹脂塗膜を剥離さ
せ、ポリプロピレン系樹脂成形品と熱硬化性樹脂塗膜と
を該ピロリドン液に対する比重差により分離し、分離回
収した該ポリプロピレン系樹脂成形品を押出機に投入
て、該押出機内を吸引しながら溶融混練した後、ペレッ
ト化又は成形品に成形しして回収することを特徴とする
ポリプロピレン系樹脂成形品の回収方法に存する。
布されて成るポリプロピレン系樹脂成形品を、ピロリド
ン液に浸漬して該成形品より熱硬化性樹脂塗膜を剥離さ
せ、ポリプロピレン系樹脂成形品と熱硬化性樹脂塗膜と
を該ピロリドン液に対する比重差により分離し、分離回
収した該ポリプロピレン系樹脂成形品を押出機に投入
て、該押出機内を吸引しながら溶融混練した後、ペレッ
ト化又は成形品に成形しして回収することを特徴とする
ポリプロピレン系樹脂成形品の回収方法に存する。
【0008】以下本発明につき更に詳細に説明する。熱
硬化性樹脂が塗布されて成るポリプロピレン系樹脂成形
品として、自動車用のバンパーがその代表として例示さ
れる。ポリプロピレン系樹脂は、重合体の主要単位がプ
ロピレンであるが、成形品としての諸物性向上のため
に、種々の第三成分が含んでもよく、また、重合法によ
りその結晶構造等も多岐に渡る。ポリプロピレン系樹脂
の具体例としては、例えば結晶性を有するアイソタクチ
ックプロピレン単独重合体や、エチレン単位の含有量が
少ないエチレンプロピレンランダム共重合体から成る共
重合部又はプロピレン単独重合体からなるホモ重合部と
エチレン単位の含有量が比較的多いエチレンプロピレン
ランダム共重合体から成る共重合部とから構成された、
いわゆるプロピレンブロック共重合体として市販されて
いる実質上結晶性のプロピレンとエチレンとのブロック
共重合体、あるいはこのブロック共重合体における各ホ
モ重合部又は共重合部が、さらにブテン−1などのα−
オレフィンを共重合したものから成る実質上結晶のプロ
ピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げら
れる。
硬化性樹脂が塗布されて成るポリプロピレン系樹脂成形
品として、自動車用のバンパーがその代表として例示さ
れる。ポリプロピレン系樹脂は、重合体の主要単位がプ
ロピレンであるが、成形品としての諸物性向上のため
に、種々の第三成分が含んでもよく、また、重合法によ
りその結晶構造等も多岐に渡る。ポリプロピレン系樹脂
の具体例としては、例えば結晶性を有するアイソタクチ
ックプロピレン単独重合体や、エチレン単位の含有量が
少ないエチレンプロピレンランダム共重合体から成る共
重合部又はプロピレン単独重合体からなるホモ重合部と
エチレン単位の含有量が比較的多いエチレンプロピレン
ランダム共重合体から成る共重合部とから構成された、
いわゆるプロピレンブロック共重合体として市販されて
いる実質上結晶性のプロピレンとエチレンとのブロック
共重合体、あるいはこのブロック共重合体における各ホ
モ重合部又は共重合部が、さらにブテン−1などのα−
オレフィンを共重合したものから成る実質上結晶のプロ
ピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げら
れる。
【0009】また、プロピレンにエチレン系共重合体ゴ
ム、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム又はエチ
レン−プロピレン−ブタジエン3元共重合体を少量から
主成分量として配合したものも使用できる。更に、ポリ
プロピレン系樹脂にはタルク、炭酸カルシウム等の無機
性フィラー、カーボンブラック等の顔料、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、熱安定剤等の添加剤を配合することがで
きる。
ム、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム又はエチ
レン−プロピレン−ブタジエン3元共重合体を少量から
主成分量として配合したものも使用できる。更に、ポリ
プロピレン系樹脂にはタルク、炭酸カルシウム等の無機
性フィラー、カーボンブラック等の顔料、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、熱安定剤等の添加剤を配合することがで
きる。
【0010】次に、以上のポリプロピレン系樹脂成形品
に塗布されている熱硬化性樹脂としては、通常、塗料に
用いられるようなものであればよく、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド
樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂
は、ポリプロピレン系樹脂層上に直接塗布してもよい
し、また、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂のプライマーを
下塗りした後、更に別の熱硬化性樹脂の塗料を塗布する
方法も採用される。
に塗布されている熱硬化性樹脂としては、通常、塗料に
用いられるようなものであればよく、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド
樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂
は、ポリプロピレン系樹脂層上に直接塗布してもよい
し、また、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂のプライマーを
下塗りした後、更に別の熱硬化性樹脂の塗料を塗布する
方法も採用される。
【0011】本発明では、上記成形品のうち、主にその
不合格品または使用済の廃棄対象物をそのまま、あるい
は処理が行いやすい程度に切断機、圧砕機等で機械的に
細かく粉砕した小片とし、該小片をピロリドン液に浸漬
する。小片の大きさは、特に制限はないが、その一片が
通常0.1mm角〜20cm角、好ましくは0.1mm
角〜5cm角程度で実施される。ピロリドン液への浸漬
により成形品のポリプロピレン系樹脂層と塗膜の界面に
ピロリドン液が浸透していき、塗膜が剥離される。
不合格品または使用済の廃棄対象物をそのまま、あるい
は処理が行いやすい程度に切断機、圧砕機等で機械的に
細かく粉砕した小片とし、該小片をピロリドン液に浸漬
する。小片の大きさは、特に制限はないが、その一片が
通常0.1mm角〜20cm角、好ましくは0.1mm
角〜5cm角程度で実施される。ピロリドン液への浸漬
により成形品のポリプロピレン系樹脂層と塗膜の界面に
ピロリドン液が浸透していき、塗膜が剥離される。
【0012】浸漬の条件としては、成形品の全量に対
し、通常1〜50重量倍のピロリドン液に該成形品を、
通常10〜150℃、好ましくは25〜130℃の温度
で、通常30秒から5時間、好ましくは5〜30分間行
なわれる。また、該浸漬を、攪拌状態で、もしくは超音
波を照射しながら行うと、塗膜の剥離が促進されるの
で、浸漬時間を短縮することができる。
し、通常1〜50重量倍のピロリドン液に該成形品を、
通常10〜150℃、好ましくは25〜130℃の温度
で、通常30秒から5時間、好ましくは5〜30分間行
なわれる。また、該浸漬を、攪拌状態で、もしくは超音
波を照射しながら行うと、塗膜の剥離が促進されるの
で、浸漬時間を短縮することができる。
【0013】また、本発明で用いるピロリドン液とはピ
ロリドン化合物を主成分とする液体である。ピロリドン
化合物としては2−ピロリドン、3−ピロリドン、N−
アルキル−2−ピロリドン(例えば、N−メチル−2−
ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピ
ル−2−ピロリドン)、5−アルキル−2−ピロリドン
(例えば、5−メチル−2−ピロリドン、5−エチル−
2−ピロリドン、5−プロピル−2−ピロリドン)、N
−ビニル−2−ピロリドン、N−アルキル−3−ピロリ
ドン(例えば、N−メチル−3−ピロリドン、N−エチ
ル−3−ピロリドン、N−プロピル−3−ピロリドン)
等が例示されるが、特にN−メチル−2−ピロリドンが
有効である。
ロリドン化合物を主成分とする液体である。ピロリドン
化合物としては2−ピロリドン、3−ピロリドン、N−
アルキル−2−ピロリドン(例えば、N−メチル−2−
ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピ
ル−2−ピロリドン)、5−アルキル−2−ピロリドン
(例えば、5−メチル−2−ピロリドン、5−エチル−
2−ピロリドン、5−プロピル−2−ピロリドン)、N
−ビニル−2−ピロリドン、N−アルキル−3−ピロリ
ドン(例えば、N−メチル−3−ピロリドン、N−エチ
ル−3−ピロリドン、N−プロピル−3−ピロリドン)
等が例示されるが、特にN−メチル−2−ピロリドンが
有効である。
【0014】ピロリドン液はピロリドン化合物のみでも
よいし、その他の成分として、ピロリドン化合物に対し
て相溶性のある水、またはアルコール等の有機溶媒を、
本発明の効果を損なわない範囲で最大50容量%程度ま
で含めることができる。本発明の効果を損なう場合とし
ては、具体的には、ピロリドン化合物の剥離効果が低下
すること、もしくは、ピロリドン液の比重が大きく変動
し、以下に説明する分離操作が困難となることが揚げら
れる。
よいし、その他の成分として、ピロリドン化合物に対し
て相溶性のある水、またはアルコール等の有機溶媒を、
本発明の効果を損なわない範囲で最大50容量%程度ま
で含めることができる。本発明の効果を損なう場合とし
ては、具体的には、ピロリドン化合物の剥離効果が低下
すること、もしくは、ピロリドン液の比重が大きく変動
し、以下に説明する分離操作が困難となることが揚げら
れる。
【0015】次に、以上のように浸漬した液を静置する
と、例えば、N−メチル−2−ピロリドンをピロリドン
液とすると該液の密度が約1.0g/cm3 に対し、ポ
リプロピレン系樹脂の密度が約0.9g/cm3 、ま
た、熱硬化性樹脂の密度が通常1.2g/cm3 以上で
あることにより、比重差によりポリプロピレン系樹脂と
熱硬化性樹脂塗膜が容易に分離できる。即ち、ポリプロ
ピレン系樹脂が液面に浮遊し、塗膜が液底に沈降する。
分離速度が充分でない場合は遠心分離を行ってもよい。
と、例えば、N−メチル−2−ピロリドンをピロリドン
液とすると該液の密度が約1.0g/cm3 に対し、ポ
リプロピレン系樹脂の密度が約0.9g/cm3 、ま
た、熱硬化性樹脂の密度が通常1.2g/cm3 以上で
あることにより、比重差によりポリプロピレン系樹脂と
熱硬化性樹脂塗膜が容易に分離できる。即ち、ポリプロ
ピレン系樹脂が液面に浮遊し、塗膜が液底に沈降する。
分離速度が充分でない場合は遠心分離を行ってもよい。
【0016】ポリプロピレン系樹脂成形品および塗膜
は、共に溶解したり、あるいは分離することなく、ほぼ
完全回収される。これらについて、通常、表面に付着し
たピロリドン液を除去、乾燥することが望ましい。ま
た、回収品を一度水洗して乾燥した方が効率的である。
乾燥方法としては窒素ガス等を回収品に吹きつけてもよ
いし、通常の乾燥機等を使用してもよい。
は、共に溶解したり、あるいは分離することなく、ほぼ
完全回収される。これらについて、通常、表面に付着し
たピロリドン液を除去、乾燥することが望ましい。ま
た、回収品を一度水洗して乾燥した方が効率的である。
乾燥方法としては窒素ガス等を回収品に吹きつけてもよ
いし、通常の乾燥機等を使用してもよい。
【0017】本発明においては上記で回収したポリプロ
ピレン系樹脂成形品を、更に、押出機に投入して、溶融
混練した後、ペレット化、または成形品に成形して回収
する。溶融混練の条件としては、押出機内部を真空ポン
プ等の吸引装置で吸引して、通常、大気圧以下、好まし
くは10〜700mmHgの減圧下にて実施することが
必要である。これにより、ペレット化、または成形品に
成形する際の残存ピロリドンの気泡発生による成形品等
の機械的物性の悪化や外観不良の問題が解決される。そ
の他の溶融混練の条件としては、押出温度を、通常20
0℃以上、好ましくは220〜280℃の範囲で、か
つ、押出機内の滞留時間を通常15秒以上、好ましくは
30〜300秒の範囲が設定される。
ピレン系樹脂成形品を、更に、押出機に投入して、溶融
混練した後、ペレット化、または成形品に成形して回収
する。溶融混練の条件としては、押出機内部を真空ポン
プ等の吸引装置で吸引して、通常、大気圧以下、好まし
くは10〜700mmHgの減圧下にて実施することが
必要である。これにより、ペレット化、または成形品に
成形する際の残存ピロリドンの気泡発生による成形品等
の機械的物性の悪化や外観不良の問題が解決される。そ
の他の溶融混練の条件としては、押出温度を、通常20
0℃以上、好ましくは220〜280℃の範囲で、か
つ、押出機内の滞留時間を通常15秒以上、好ましくは
30〜300秒の範囲が設定される。
【0018】なお、上記の回収操作において、ポリプロ
ピレン樹脂成形品の小片に一部に塗膜が残っているよう
な場合でも、該塗膜は溶融樹脂中に分散され、均一化さ
れるので実質的に問題となることはほとんどない。
ピレン樹脂成形品の小片に一部に塗膜が残っているよう
な場合でも、該塗膜は溶融樹脂中に分散され、均一化さ
れるので実質的に問題となることはほとんどない。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例
に限定されるものではない。
るが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0020】実施例1 使用済のポリウレタン系樹脂塗膜付ポリプロピレン樹脂
製バンパーを切断機で2〜8mm角に切断した細片1
8.6部と、N−メチル−2−ピロリドン(25℃での
比重1.03g/cm3 )150部を攪拌槽に入れ、攪
拌下、25℃で30分間浸漬した。その後、該浸漬処理
液を静置したところ、液面に細片の大部分が浮遊し、液
底に少量の樹脂の薄片が沈澱した。これら浮遊物、沈澱
物をそれぞれ回収し、水洗し、窒素ガスを吹きつけて乾
燥した後、回収量と比重を求めた。回収量は浮遊物が1
8.1部(比重0.92g/cm3 )、沈澱物が0.5
部(比重1.42g/cm3 )であった。
製バンパーを切断機で2〜8mm角に切断した細片1
8.6部と、N−メチル−2−ピロリドン(25℃での
比重1.03g/cm3 )150部を攪拌槽に入れ、攪
拌下、25℃で30分間浸漬した。その後、該浸漬処理
液を静置したところ、液面に細片の大部分が浮遊し、液
底に少量の樹脂の薄片が沈澱した。これら浮遊物、沈澱
物をそれぞれ回収し、水洗し、窒素ガスを吹きつけて乾
燥した後、回収量と比重を求めた。回収量は浮遊物が1
8.1部(比重0.92g/cm3 )、沈澱物が0.5
部(比重1.42g/cm3 )であった。
【0021】次に、回収した樹脂片について、赤外線吸
収スペクトル分析を行い、浮遊物がポリプロピレン樹脂
であり、沈澱物がポリウレタン系樹脂であること、更
に、ポリプロピレン樹脂の細片の表面へのポリウレタン
系樹脂塗膜が全くないことを確認した。上記回収樹脂細
片をスクリュー径30mmφ単軸混練押出機に投入し、
該押出機内を真空ポンプで50mmHg圧力下で吸引し
ながら、250℃の樹脂温度で溶融混練(滞留時間30
秒)し、押出ペレット化(1mmφ×3mm)した。
収スペクトル分析を行い、浮遊物がポリプロピレン樹脂
であり、沈澱物がポリウレタン系樹脂であること、更
に、ポリプロピレン樹脂の細片の表面へのポリウレタン
系樹脂塗膜が全くないことを確認した。上記回収樹脂細
片をスクリュー径30mmφ単軸混練押出機に投入し、
該押出機内を真空ポンプで50mmHg圧力下で吸引し
ながら、250℃の樹脂温度で溶融混練(滞留時間30
秒)し、押出ペレット化(1mmφ×3mm)した。
【0022】上記で得られた押出ペレットにつき以下の
方法によって物性評価した。結果を表−1に示す。 (1)引張強度=JIS K 7113「プラスチック
の引張試験方法」に準拠し、射出成形平板(JIS 2
号ダンベル片)を用いて23℃で測定した。 (2)引張伸度=JIS K 7113に準拠して測定
した。 (3)MFR(Melt Flow Rate)=JI
S K 7210「熱可塑性プラスチックの流れ試験方
法」に準拠し、230℃、2.16荷重で測定した。
方法によって物性評価した。結果を表−1に示す。 (1)引張強度=JIS K 7113「プラスチック
の引張試験方法」に準拠し、射出成形平板(JIS 2
号ダンベル片)を用いて23℃で測定した。 (2)引張伸度=JIS K 7113に準拠して測定
した。 (3)MFR(Melt Flow Rate)=JI
S K 7210「熱可塑性プラスチックの流れ試験方
法」に準拠し、230℃、2.16荷重で測定した。
【0023】実施例2 実施例1において、N−メチル−2−ピロリドンを用い
て塗膜を剥離して回収したポリプロピレン樹脂の細片を
水洗することなくそのまま乾燥したものを用いたこと以
外は同様にして行なった。その結果を表−1に示す。
て塗膜を剥離して回収したポリプロピレン樹脂の細片を
水洗することなくそのまま乾燥したものを用いたこと以
外は同様にして行なった。その結果を表−1に示す。
【0024】参考例 実施例1において、ポリウレタン系樹脂を塗装する前の
ポリプロピレン樹脂バンパーを2〜8mm角に切断した
細片を押出機に投入して溶融混練して押出ペレット化し
たこと以外は同様にして行なった。その結果を表−1に
示す。
ポリプロピレン樹脂バンパーを2〜8mm角に切断した
細片を押出機に投入して溶融混練して押出ペレット化し
たこと以外は同様にして行なった。その結果を表−1に
示す。
【0025】比較例1 実施例1において、回収ポリプロピレン樹脂細片を溶融
混練する際、押出機内を全く吸引せずに行なったこと以
外は同様にして行なった。その結果を表−1に示す。
混練する際、押出機内を全く吸引せずに行なったこと以
外は同様にして行なった。その結果を表−1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によりポリプロピレン系樹脂成形
品を簡便かつ効率よく回収することができる。即ち熱硬
化性樹脂が塗布されたポリプロピレン系樹脂からなる成
形品より、高純度のポリプロピレン系樹脂を簡便に回収
することができ、該樹脂の再利用に好適である。また、
熱硬化性樹脂も固形塗膜として回収されるので、ピロリ
ドン液も溶剤としての回収、再利用も容易であり、極め
て経済的である。
品を簡便かつ効率よく回収することができる。即ち熱硬
化性樹脂が塗布されたポリプロピレン系樹脂からなる成
形品より、高純度のポリプロピレン系樹脂を簡便に回収
することができ、該樹脂の再利用に好適である。また、
熱硬化性樹脂も固形塗膜として回収されるので、ピロリ
ドン液も溶剤としての回収、再利用も容易であり、極め
て経済的である。
【0028】更に、該ピロリドン液は、一般に毒性が弱
く、金属に対する腐食性もないため、浸漬槽等の器具を
特殊材質にする必要もなく、熱硬化性樹脂塗膜剥離剤と
して広く利用される。
く、金属に対する腐食性もないため、浸漬槽等の器具を
特殊材質にする必要もなく、熱硬化性樹脂塗膜剥離剤と
して広く利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 23:00 B29K 23:00 105:26 105:26 (72)発明者 清水 敦雄 名古屋市中村区名駅三丁目28番12号 三 菱化成株式会社名古屋支店内 (56)参考文献 特開 平5−288937(JP,A) 特開 平5−337942(JP,A) 特開 平6−8246(JP,A) 特開 平5−115811(JP,A) 特開 昭62−151317(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】 熱硬化性樹脂が塗布されて成るポリプロ
ピレン系樹脂成形品を、ピロリドン液に浸漬して該成形
品より熱硬化性樹脂塗膜を剥離させ、ポリプロピレン系
樹脂成形品と熱硬化性樹脂塗膜とを該ピロリドン液に対
する比重差により分離し、分離回収した該ポリプロピレ
ン系樹脂成形品を押出機に投入して、該押出機内を吸引
しながら溶融混練した後、ペレット化して、または、成
形品に成形して回収することを特徴とするポリプロピレ
ン系樹脂成形品の回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19098992A JP2512266B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | ポリプロピレン系樹脂成形品の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19098992A JP2512266B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | ポリプロピレン系樹脂成形品の回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0631731A JPH0631731A (ja) | 1994-02-08 |
JP2512266B2 true JP2512266B2 (ja) | 1996-07-03 |
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ID=16267016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19098992A Expired - Fee Related JP2512266B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | ポリプロピレン系樹脂成形品の回収方法 |
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JP (1) | JP2512266B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4523208B2 (ja) * | 2001-08-06 | 2010-08-11 | 本田技研工業株式会社 | ポリプロピレン系樹脂成形品の再利用方法及び樹脂塗膜剥離剤 |
JP4182702B2 (ja) * | 2002-07-30 | 2008-11-19 | 日産自動車株式会社 | リサイクル樹脂製品の製造方法及び自動車用樹脂部品 |
-
1992
- 1992-07-17 JP JP19098992A patent/JP2512266B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0631731A (ja) | 1994-02-08 |
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