JP2510565C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、沸騰水型原子炉(以下、BWRと表す。)に装荷される燃料集合体
に関する。 〔従来の技術〕 従来の沸騰水型原子炉の炉心の構成を第2図に示す。炉心は、格子状に等間隔
に配置された多数の燃料集合体1,燃料集合体1間に挿入される制御棒2及び炉
内計装管3とを有している。また第3図には、従来型の8×8燃料集合体の横断
面図が示されている。燃料集合体は四角筒のチャンネルボックス11と、このチ
ャンネルボックス11の内部に収納された燃料バンドルからなる。燃料バンドル
は、正方格子状に規則正しく配列された複数本の燃料棒6と中性子減速棒である
水ロッド7とから構成される。一方チャンネルボックス11の周囲には制御棒2 あるいは中性子検出用の炉内計装管3が挿入できるよう飽和水の領域であるギャ
ップ水8が存在するようになっている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この様な現行の軽水冷却型原子炉においてウラン質源を有効に活用する方法と
して、燃料集合体の燃料の平均濃縮度を高め、取り出し燃焼度を増大し、経済性
を向上することが考えられる。しかし高濃縮度燃料で集合体を構成すると、核分
裂物質に対する冷却材量が相対的に減少するため、中性子の平均エネルギーが上
昇し、ボイド係数の絶対値が増大するとともに制御棒価値が減少する。これらは
、原子炉の安定性を悪くするとともに、核分裂性物質の有効利用の面からも好ま
しくない。またボイド係数の増大に対応して冷温停止時に発生する反応度が増加
し、原子炉が安全に停止する能力があるかどうかを示す指標として設けられた設
計基準である炉停止余裕が減少するという問題点があった。 本発明の目的は、安定性,安全性,燃料経済性を向上させた燃料集合体を提供
することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、核分裂性物質を含む燃料物質を内蔵する複数の燃料棒と、該複数
の燃料棒を取り囲み断面形状が実質的に四角筒状のチャンネルボックスとを備え
る燃料集合体であって、冷却材として軽水を有する原子炉炉心内に装荷ピッチP
で装荷される原子炉の燃料集合体において、前記複数の燃料棒を9行9列の正方
格子状に配列し、前記燃料集合体の中央部にはその軸方向に垂直な断面積が3c
m2よりも大きな水ロッドを配置して、更に前記チャンネルボックスの内幅D,
外幅L及び前記装荷ピッチPの間に、0.12≦(P−D)/Dの関係が成り立
つように構成することにより達成される。 〔作用〕 本発明によれば、0.12≦(P−D)/Dの関係が成り立つように燃料集合
体を構成することにより、この燃料集合体を原子炉炉心内に装荷ピッチPで装荷
したときに、チャンネルボックス間の冷却材(軽水)の存在領域を従来になく大
きくすることができる。 従って、チャンネルボックス周囲の大量の冷却材による中性子減速効果を利用 して、高濃縮度の燃料集合体を使用した場合に生じやすいボイド係数の増加に伴
う冷温時の反応度増加及び制御棒価値の減少を改善できるので、炉停止余裕を確
保し、安定性,安全性、及び燃料経済性を向上することができる。 更に、燃料棒を9行9列に配列した燃料集合体の中央部に断面積が3cm2よ
りも大きな水ロッドを配置することにより、ギャップ水領域の増大に起因する中
性子束分布の歪みを解消できるので、熱的余裕及び燃料経済性を向上することが
できる。 〔実施例〕 本発明の実施例では、現行炉心の炉心構造物を変更する必要がない高燃焼度燃
料体を開発することもねらっているのであるが、炉心構造物の変更を行わないと
いう前提は、燃料集合体が装荷される間隔(装荷ピッチ)P(以下燃料集合体ピ
ッチと略記する)を変えないことにほかならない。現行BWRの燃料集合体ピッ
チは、大半は6インチ(15.2cm)となっており、以下の説明もP=6インチを
例にとって行うが、P≠6インチの場合も同様の効果が得られる。 第4図,第5図は、第3図に示す現行の集合体(L=13.8cm,D=13.2
cm)で平均濃縮度を増加した場合の、冷温時反応度上昇及び冷温時制御棒価値の
変化を示したものである。現在、BWRの代表的な取替燃料は、濃縮度3重量%
、平均取り出し燃焼度28GWd/tである。例えば、平均取り出し燃焼度を1
.5倍以上にするためには、4重量%以上の濃縮度が必要となるが、冷温時の反
応度上昇が現行より約1%増大し、制御棒価値が約0.7%減少する。その結果
、原子炉が安全に停止する能力があるかどうかを示す指標として設けられた設計
基準である炉停止余裕が約2%Δkeff減少することが予想される。 上述した核特性を本質的に改善するためには、減速材対燃料比を増大し、中性
子平均エネルギーを減少すれば良い。本発明の実施例では、チャンネルボックス
外に存在する減速材(軽水)の効果に注目したものである。 現行BWRの炉心にバックフィットすることを考えると除熱の面及び圧損によ
る安定性の面からチャンネルボックス内の冷却材流路面積は現行と同程度確保す
ることが望ましい。冷却材流路面積を同じにして減速材対燃料比を増大する方法
としては、 (1)燃料装荷量を減少し、チャンネルボックス内部の飽和水領域(水ロッド領域
)を増大する。 (2)燃料装荷量を減少し、チャンネルボックス外部の飽和水領域(ギャップ領域
)を増大する。 の2つが考えられる。 第6図は、冷温時反応度上昇を減少する効果に対する両者の比較を示している
。(2)の方が約1.3倍の効果がある。これは、水ロッド領域よりギャップ水領
域の方が減速材の集中度が高く、燃料に吸収される以前に効果よく中性子の減速
が行われるためである。またその結果、(2)の方法ではギャップ領域での熱中性
子束が増大し制御棒価値も増大する。一方(1)の方法では、水ロッドを増加する
に伴い燃料棒本数を減少しなければならず、(2)の方法に比較し熱的余裕が減少
することになる。 第7図,第8図は、炉心部での効果を示したものである。横軸のパラメータ は、チャンネルボックス内幅に対するギャップ水領域の厚さの比を示している。
前述の現行燃料体 を基準にして、 を増大するに伴い本発明の効果が得られることが分かる。例えば4重量%以上の
濃縮度を有する燃料集合体で炉停止余裕を確保するためには、水ロッド断面積に
よらずが0.12以上であることが必要である。第7図においては、水ロッド断面積を
2例に変えた場合について効果を示しているが、 に対する感度は同じである。 以下本発明の各実施例をより具体的に説明する。 第9図に示す第1実施例は、燃料集合体の平均濃縮度が6重量%程度の高燃焼
度燃料体に本発明を適応した実施例の燃料集合体の横断面である。燃料ペレット
としては表1に示す21〜26を使用している。 27は十字形水ロッドで水ロッド領域断面積は約9cm2で、現行の3cm2より大き
くしている。これは、ギャップ水領域の増大による中性子束分布の歪みを解消し
、熱的余裕及び燃料経済性を向上する働きがある。本発明においては、燃料集合
体ピッチP=15.24cmチャンネルボックスの外幅,内幅は、それぞれL=1
3.6mm,D=13.1mmとした。その結果 は約0.125となり、本実施例は、第7図,第8図より濃縮度6w/oにおい
ても、炉停止余裕が確保できることが分かる。つまり、濃縮度が6重量%に増加
することにより、増大した冷温時反応度上昇2.5%Δk/kと、減少した制御
棒価値1.5%Δk/kを、 の値を0.11から0.125に増加することにより、冷温時反応度上昇を3.5
%Δk/k減少し、制御棒価値を0.7%Δk/k増大して解決した。また本実
施例では、冷温時の反応度上昇を従来と同程度にできるのと同様に、運転時のボ
イド係数も現行と同程度の値にすることができる。そのため、現行炉心の炉内構
造物を何ら変更することなく現行取出燃焼度を2倍以上延長できる高燃焼度炉心
が実現できることになる。本実施例の省ウラン効果は、現行燃料集合体に比べ約
20%、また再処理量は約40%減少できる。 本発明の第2実施例は、燃料集合体の平均濃縮度が5重量%程度の高燃焼度燃
料体に本発明を適応した場合である。第10図に本実施例の濃縮度分布を示す。
燃料ペレットとしては、表2に示す31〜35を使用している。P,L,Dの値
はP=15.24cm,L=13.66cm,D=13.15cmで である。本実施例において、第7〜8図より、濃縮度5重量%の炉停止余裕が確
保できることが分かる。つまり、濃縮度が5重量%に増加して増大した。冷温時
反応度上昇 1.7Δk/kと減少した制御棒価値1.1%Δk/kを、 の値を0.11から0.12に増加することにより、冷温時反応度上昇を2.7%
Δk/k減少し、制御棒価値を0.5%Δk/k増大して解決した。 使用済燃料の再処理が行われるようになれば、核分裂性物質としてプルトニウ
ム−239,プルトニウム−241を用いることになるが、プルトニウムはウラ
ンに比べ核分裂断面積が大きく、濃縮度を高めた場合と同じ問題が生じる。この
ような燃料体に対しても本発明により同様の効果が得られる。 いずれの実施例にあっても、燃料集合体の上下両端部を除いた中央部の80%
の部分の集合体軸方向に垂直な断面での核燃料物質に対する核分裂性物質の重量
割合が4%以上の燃料集合体において、燃料集合体を構成する四角筒のチャンネ
ルボックスの外幅L,内幅Dの長さを 0.12D≦P−L となるように設定して燃料集合体を構成することが高燃焼度と安定性や安全性及
び経済性において良い。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、燃料集合体の装荷ピッチに対する燃料
集合体の大きさを小さくしてギャップ水領域を増大することにより、冷温時の反
応度増加及び制御棒価値の減少を極力防止できるので、炉停止余裕を確保し、安
定性,安全性、及び燃料経済性を向上することができる。 更に、燃料棒を9行9列に配列した燃料集合体の中央部に断面積が3cm2よ
りも大きな水ロッドを配置することにより、ギャップ水領域の 増大に起因する中性子束分布の歪みを解消できるので、熱的余裕及び燃料経済性
を向上することができる。
に関する。 〔従来の技術〕 従来の沸騰水型原子炉の炉心の構成を第2図に示す。炉心は、格子状に等間隔
に配置された多数の燃料集合体1,燃料集合体1間に挿入される制御棒2及び炉
内計装管3とを有している。また第3図には、従来型の8×8燃料集合体の横断
面図が示されている。燃料集合体は四角筒のチャンネルボックス11と、このチ
ャンネルボックス11の内部に収納された燃料バンドルからなる。燃料バンドル
は、正方格子状に規則正しく配列された複数本の燃料棒6と中性子減速棒である
水ロッド7とから構成される。一方チャンネルボックス11の周囲には制御棒2 あるいは中性子検出用の炉内計装管3が挿入できるよう飽和水の領域であるギャ
ップ水8が存在するようになっている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この様な現行の軽水冷却型原子炉においてウラン質源を有効に活用する方法と
して、燃料集合体の燃料の平均濃縮度を高め、取り出し燃焼度を増大し、経済性
を向上することが考えられる。しかし高濃縮度燃料で集合体を構成すると、核分
裂物質に対する冷却材量が相対的に減少するため、中性子の平均エネルギーが上
昇し、ボイド係数の絶対値が増大するとともに制御棒価値が減少する。これらは
、原子炉の安定性を悪くするとともに、核分裂性物質の有効利用の面からも好ま
しくない。またボイド係数の増大に対応して冷温停止時に発生する反応度が増加
し、原子炉が安全に停止する能力があるかどうかを示す指標として設けられた設
計基準である炉停止余裕が減少するという問題点があった。 本発明の目的は、安定性,安全性,燃料経済性を向上させた燃料集合体を提供
することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、核分裂性物質を含む燃料物質を内蔵する複数の燃料棒と、該複数
の燃料棒を取り囲み断面形状が実質的に四角筒状のチャンネルボックスとを備え
る燃料集合体であって、冷却材として軽水を有する原子炉炉心内に装荷ピッチP
で装荷される原子炉の燃料集合体において、前記複数の燃料棒を9行9列の正方
格子状に配列し、前記燃料集合体の中央部にはその軸方向に垂直な断面積が3c
m2よりも大きな水ロッドを配置して、更に前記チャンネルボックスの内幅D,
外幅L及び前記装荷ピッチPの間に、0.12≦(P−D)/Dの関係が成り立
つように構成することにより達成される。 〔作用〕 本発明によれば、0.12≦(P−D)/Dの関係が成り立つように燃料集合
体を構成することにより、この燃料集合体を原子炉炉心内に装荷ピッチPで装荷
したときに、チャンネルボックス間の冷却材(軽水)の存在領域を従来になく大
きくすることができる。 従って、チャンネルボックス周囲の大量の冷却材による中性子減速効果を利用 して、高濃縮度の燃料集合体を使用した場合に生じやすいボイド係数の増加に伴
う冷温時の反応度増加及び制御棒価値の減少を改善できるので、炉停止余裕を確
保し、安定性,安全性、及び燃料経済性を向上することができる。 更に、燃料棒を9行9列に配列した燃料集合体の中央部に断面積が3cm2よ
りも大きな水ロッドを配置することにより、ギャップ水領域の増大に起因する中
性子束分布の歪みを解消できるので、熱的余裕及び燃料経済性を向上することが
できる。 〔実施例〕 本発明の実施例では、現行炉心の炉心構造物を変更する必要がない高燃焼度燃
料体を開発することもねらっているのであるが、炉心構造物の変更を行わないと
いう前提は、燃料集合体が装荷される間隔(装荷ピッチ)P(以下燃料集合体ピ
ッチと略記する)を変えないことにほかならない。現行BWRの燃料集合体ピッ
チは、大半は6インチ(15.2cm)となっており、以下の説明もP=6インチを
例にとって行うが、P≠6インチの場合も同様の効果が得られる。 第4図,第5図は、第3図に示す現行の集合体(L=13.8cm,D=13.2
cm)で平均濃縮度を増加した場合の、冷温時反応度上昇及び冷温時制御棒価値の
変化を示したものである。現在、BWRの代表的な取替燃料は、濃縮度3重量%
、平均取り出し燃焼度28GWd/tである。例えば、平均取り出し燃焼度を1
.5倍以上にするためには、4重量%以上の濃縮度が必要となるが、冷温時の反
応度上昇が現行より約1%増大し、制御棒価値が約0.7%減少する。その結果
、原子炉が安全に停止する能力があるかどうかを示す指標として設けられた設計
基準である炉停止余裕が約2%Δkeff減少することが予想される。 上述した核特性を本質的に改善するためには、減速材対燃料比を増大し、中性
子平均エネルギーを減少すれば良い。本発明の実施例では、チャンネルボックス
外に存在する減速材(軽水)の効果に注目したものである。 現行BWRの炉心にバックフィットすることを考えると除熱の面及び圧損によ
る安定性の面からチャンネルボックス内の冷却材流路面積は現行と同程度確保す
ることが望ましい。冷却材流路面積を同じにして減速材対燃料比を増大する方法
としては、 (1)燃料装荷量を減少し、チャンネルボックス内部の飽和水領域(水ロッド領域
)を増大する。 (2)燃料装荷量を減少し、チャンネルボックス外部の飽和水領域(ギャップ領域
)を増大する。 の2つが考えられる。 第6図は、冷温時反応度上昇を減少する効果に対する両者の比較を示している
。(2)の方が約1.3倍の効果がある。これは、水ロッド領域よりギャップ水領
域の方が減速材の集中度が高く、燃料に吸収される以前に効果よく中性子の減速
が行われるためである。またその結果、(2)の方法ではギャップ領域での熱中性
子束が増大し制御棒価値も増大する。一方(1)の方法では、水ロッドを増加する
に伴い燃料棒本数を減少しなければならず、(2)の方法に比較し熱的余裕が減少
することになる。 第7図,第8図は、炉心部での効果を示したものである。横軸のパラメータ は、チャンネルボックス内幅に対するギャップ水領域の厚さの比を示している。
前述の現行燃料体 を基準にして、 を増大するに伴い本発明の効果が得られることが分かる。例えば4重量%以上の
濃縮度を有する燃料集合体で炉停止余裕を確保するためには、水ロッド断面積に
よらずが0.12以上であることが必要である。第7図においては、水ロッド断面積を
2例に変えた場合について効果を示しているが、 に対する感度は同じである。 以下本発明の各実施例をより具体的に説明する。 第9図に示す第1実施例は、燃料集合体の平均濃縮度が6重量%程度の高燃焼
度燃料体に本発明を適応した実施例の燃料集合体の横断面である。燃料ペレット
としては表1に示す21〜26を使用している。 27は十字形水ロッドで水ロッド領域断面積は約9cm2で、現行の3cm2より大き
くしている。これは、ギャップ水領域の増大による中性子束分布の歪みを解消し
、熱的余裕及び燃料経済性を向上する働きがある。本発明においては、燃料集合
体ピッチP=15.24cmチャンネルボックスの外幅,内幅は、それぞれL=1
3.6mm,D=13.1mmとした。その結果 は約0.125となり、本実施例は、第7図,第8図より濃縮度6w/oにおい
ても、炉停止余裕が確保できることが分かる。つまり、濃縮度が6重量%に増加
することにより、増大した冷温時反応度上昇2.5%Δk/kと、減少した制御
棒価値1.5%Δk/kを、 の値を0.11から0.125に増加することにより、冷温時反応度上昇を3.5
%Δk/k減少し、制御棒価値を0.7%Δk/k増大して解決した。また本実
施例では、冷温時の反応度上昇を従来と同程度にできるのと同様に、運転時のボ
イド係数も現行と同程度の値にすることができる。そのため、現行炉心の炉内構
造物を何ら変更することなく現行取出燃焼度を2倍以上延長できる高燃焼度炉心
が実現できることになる。本実施例の省ウラン効果は、現行燃料集合体に比べ約
20%、また再処理量は約40%減少できる。 本発明の第2実施例は、燃料集合体の平均濃縮度が5重量%程度の高燃焼度燃
料体に本発明を適応した場合である。第10図に本実施例の濃縮度分布を示す。
燃料ペレットとしては、表2に示す31〜35を使用している。P,L,Dの値
はP=15.24cm,L=13.66cm,D=13.15cmで である。本実施例において、第7〜8図より、濃縮度5重量%の炉停止余裕が確
保できることが分かる。つまり、濃縮度が5重量%に増加して増大した。冷温時
反応度上昇 1.7Δk/kと減少した制御棒価値1.1%Δk/kを、 の値を0.11から0.12に増加することにより、冷温時反応度上昇を2.7%
Δk/k減少し、制御棒価値を0.5%Δk/k増大して解決した。 使用済燃料の再処理が行われるようになれば、核分裂性物質としてプルトニウ
ム−239,プルトニウム−241を用いることになるが、プルトニウムはウラ
ンに比べ核分裂断面積が大きく、濃縮度を高めた場合と同じ問題が生じる。この
ような燃料体に対しても本発明により同様の効果が得られる。 いずれの実施例にあっても、燃料集合体の上下両端部を除いた中央部の80%
の部分の集合体軸方向に垂直な断面での核燃料物質に対する核分裂性物質の重量
割合が4%以上の燃料集合体において、燃料集合体を構成する四角筒のチャンネ
ルボックスの外幅L,内幅Dの長さを 0.12D≦P−L となるように設定して燃料集合体を構成することが高燃焼度と安定性や安全性及
び経済性において良い。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、燃料集合体の装荷ピッチに対する燃料
集合体の大きさを小さくしてギャップ水領域を増大することにより、冷温時の反
応度増加及び制御棒価値の減少を極力防止できるので、炉停止余裕を確保し、安
定性,安全性、及び燃料経済性を向上することができる。 更に、燃料棒を9行9列に配列した燃料集合体の中央部に断面積が3cm2よ
りも大きな水ロッドを配置することにより、ギャップ水領域の 増大に起因する中性子束分布の歪みを解消できるので、熱的余裕及び燃料経済性
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による燃料集合体の平断面図、第2図は、従来型BWRの炉
心平断面図、第3図は、従来の燃料集合体の平断面図、第4図は、燃料濃縮度と
冷温時反応度上昇の関係を示すグラフ線図、第5図は、濃縮度と制御棒価値の関
係を示すグラフ線図、第6図,第7図,第8図は、本発明燃料集合体の効果を示
すグラフ線図、第9図,第10図は、本発明の各実施例における濃縮度分布を示
す図である。 1…燃料集合体、2…制御棒、3…炉内計装管、6…燃料棒、7…水ロッド、
8…ギャップ水、11…チャンネルボックス。
心平断面図、第3図は、従来の燃料集合体の平断面図、第4図は、燃料濃縮度と
冷温時反応度上昇の関係を示すグラフ線図、第5図は、濃縮度と制御棒価値の関
係を示すグラフ線図、第6図,第7図,第8図は、本発明燃料集合体の効果を示
すグラフ線図、第9図,第10図は、本発明の各実施例における濃縮度分布を示
す図である。 1…燃料集合体、2…制御棒、3…炉内計装管、6…燃料棒、7…水ロッド、
8…ギャップ水、11…チャンネルボックス。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.核分裂性物質を含む燃料物質を内蔵する複数の燃料棒と、該複数の燃料棒
を取り囲み断面形状が実質的に四角筒状のチャンネルボックスとを備える燃料集
合体であって、冷却材として軽水を有する原子炉炉心内に装荷ピッチPで装荷さ
れる原子炉の燃料集合体において、 前記複数の燃料棒を9行9列の正方格子状に配列し、前記燃料集合体の中央部
にはその軸方向に垂直な断面積が3cm2よりも大きな水ロッドを配置して、更
に 前記チャンネルボックスの内幅D,外幅L及び前記装荷ピッチPの間に、 0.12≦(P−L)/D の関係が成り立つように構成したことを特徴とする原子炉の燃料集合体。 2.特許請求の範囲第1項において、前記燃料集合体の軸方向の上下端部を除
く中央部の80%の領域で、軸方向に垂直な断面における前記燃料物質に対する
前記核分裂性物質の重量割合が4%以上であることを特徴とする原子炉の燃料集
合体。
Family
ID=
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