JP2509540Y2 - 塗装装置用中間貯留槽 - Google Patents

塗装装置用中間貯留槽

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JP2509540Y2
JP2509540Y2 JP3026791U JP3026791U JP2509540Y2 JP 2509540 Y2 JP2509540 Y2 JP 2509540Y2 JP 3026791 U JP3026791 U JP 3026791U JP 3026791 U JP3026791 U JP 3026791U JP 2509540 Y2 JP2509540 Y2 JP 2509540Y2
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信成 荒井
十司夫 久保田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、被塗装物に対応して塗
料の貯留量を変更自在な塗装装置用中間貯留槽に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、導電性塗料に高電圧を直接印
加して自動車車体等の被塗装物に静電塗装を施す方法と
して、例えばボルテージブロック法が知られている。こ
の方法では、導電性塗料が、接地電位から絶縁されてい
る中間貯留槽に一旦導入された後、この中間貯留槽から
塗料経路を通って高電位にある塗装ガンに供給されるこ
とにより、被塗装物に対する静電塗装作業が行われてい
る。
【0003】この場合、中間貯留槽は、通常一定容量の
貯留室を備え、この貯留室内を進退変位するピストンを
介して一定量の塗料を塗装ガンに供給するよう構成され
ている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、被塗装部位
の形状や寸法によっては、塗装ガンに比較的少量の塗料
を供給するだけでよい場合があるが、上記の従来技術で
は、貯留室に余分な塗料まで貯留させており、非効率的
であるという問題が指摘されている。そこで、中間貯留
槽に供給される塗料の供給量を計量する手段と、この中
間貯留槽に所定量の塗料が供給されたことを確認する手
段とを備えた装置が知られているが、構造が複雑なもの
となり、この装置全体が高価になる等の問題がある。
【0005】本考案は、この種の問題を解決するもので
あり、被塗装部位に応じて塗料の貯留量を変更させて効
率的な塗料供給作業が可能になるとともに、構造を簡素
化することができる塗装装置用中間貯留槽を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本考案は、一端側から塗料が導入されるととも
に、他端側からエアが供給される貯留室と、前記貯留室
に移動自在に配置されるピストンと、前記ピストンの端
部からエア供給側に向かって前記貯留室の外部に突出す
るロッドと、前記ロッドの外周に、このロッドに対して
軸方向に相対移動自在に固定される中空ロッドと、前記
貯留室を形成するカバー部材とピストンとの間で、前記
中空ロッドに設けられるとともに、前記カバー部材に係
合自在な膨出部と、前記ロッドと中空ロッドとに設けら
れ、前記ピストンの進退位置を検出するための検出手段
とを備えることを特徴とする。
【0007】
【作用】上記の本考案に係る塗装装置用中間貯留槽で
は、貯留室の一端側から塗料が導入されることにより、
ピストンと一体的にロッドおよび中空ロッドが移動して
この中空ロッドに設けられている検出手段を介して前記
ピストンの後退位置が検出される。次に、貯留室の他端
側から供給されるエアによってピストンが前進し、この
貯留室内の塗料が塗装ガンに供給されるとともに、ロッ
ドに設けられている検出手段を介してこのピストンの前
進位置が検出される。ここで、ロッドと中空ロッドとの
軸方向の相対位置が変更されると、ピストンのストロー
クが増減され、これによって貯留室に貯留される塗料の
量が、所望の被塗装部位に対応して変更されることにな
る。
【0008】
【実施例】本考案に係る塗装装置用中間貯留槽について
実施例を挙げ、添付の図面を参照して以下に説明する。
【0009】図2において、参照符号10は、静電塗装
装置を示し、この静電塗装装置10は、図示しない色替
弁機構等に接続された本実施例に係る中間貯留槽12を
備え、この中間貯留槽12に四方切換弁14を介して塗
装ガン16が接続されるとともに、保持装置18により
立位状態に固定されている。
【0010】図1に示すように、中間貯留槽12は、外
部から複数の管体を配管可能な管体接続部20を有し電
気絶縁材で形成されるマニホールド基台22と、前記マ
ニホールド基台22に一体的に設けられ、導電性塗料が
一旦貯留される貯留部24と、互いに所定の距離を確保
して離間するとともに、前記貯留部24に沿って配置さ
れる一組の三方切換弁26、28を有する絶縁機構30
と、前記絶縁機構30を含む機器類を覆って前記マニホ
ールド基台22に装着される電気絶縁材製カバー部材3
2a、32bとを備える。
【0011】このマニホールド基台22は、後述する管
体接続部20の他に、貯留部24の外壁部34および機
器類取付部36a乃至36dが一体的に成形されるとと
もに、この管体接続部20の両端には、カバー部材32
a、32bを固定するためのねじ部38a、38bが形
成される。この機器類取付部36a、36bに、絶縁機
構30を構成する三方切換弁26、28が固定され、こ
の三方切換弁26、28間に所定の高電圧を絶縁可能な
長さを有する絶縁管40が配置される。
【0012】貯留部24は、第1シリンダ室(一端側)
44から塗料が導入されるとともに、第2シリンダ室
(他端側)46からエアが供給される貯留室48と、こ
の貯留室48に移動自在に配置されるピストン50と、
このピストン50の端部からエア供給側に向かって前記
貯留室48の外部に突出するロッド52と、このロッド
52の外周に、前記ロッド52に対して軸方向に相対移
動自在に配置されるとともに、前記貯留室48を形成す
るカバー部材54とピストン50との間にあって前記カ
バー部材54に係合自在な膨出部56が設けられた中空
ロッド58と、前記ロッド52と中空ロッド58とに設
けられ、前記ピストン50の進退位置を検出するための
検出用ドグ(検出手段)60、62とを備える。
【0013】ロッド52の外周にねじ部64が形成され
ており、このロッド52の上部に洗浄用流体を貯留する
タンク66が設けられるとともに、このタンク66の所
定の下部に検出用ドグ60が形成されている。このロッ
ド52に外装される中空ロッド58は、貯留室48の外
部に突出する上端部小径部位67に検出用ドグ62が外
装されるとともに、この小径部位67の内周にねじ部6
4に係合するねじ溝68が形成される。このねじ部64
に係合して前記検出用ドグ62の端面を押圧支持するナ
ット部材70により、ロッド52と中空ロッド58とが
互いに固定される。
【0014】この検出用ドグ60、62に係合して切換
駆動される開閉弁72b、72aが、取付部材74を介
してマニホールド基台22の機器類取付部36cに固定
される。このマニホールド基台22の機器類取付部36
dには、貯留部24の第1シリンダ室44に連通して塗
料の吐出量を調節するための流量制御弁76が固定され
る。
【0015】この中間貯留槽12の流路系を、図3を用
いて以下に説明する。
【0016】マニホールド基台22の端部に形成された
管体接続部20には、塗料導入口78と洗浄液導入口8
0とが近接して設けられており、この塗料導入口78、
洗浄液導入口80は、三方切換弁26のそれぞれのポー
トに連通している。この三方切換弁26に絶縁管40を
介して連通する三方切換弁28には、管体接続部20で
開口する洗浄液導出口82と、貯留部24の第1シリン
ダ室44に開口する塗料流路84とを選択的に連通す
る。この第1シリンダ室44には、流量制御弁76を介
して塗料流路86が連通するとともに、この塗料流路8
6は、管体接続部20で開口する塗料導出口88に連通
する。
【0017】管体接続部20には、ピストン50を第1
シリンダ室44側に変位させるための第1駆動空気口9
0と、三方切換弁26、28および流量制御弁76を駆
動させるための第2駆動空気口92乃至第4駆動空気口
96が形成される。この管体接続部20には、開閉弁7
2a、72bに検出用空気を導入、導出させるための空
気導入口98a、98bと空気導出口100a、100
bとが設けられる。
【0018】保持装置18は、中間貯留槽12の外壁部
に設けられたボルト部材102a、102bと、この中
間貯留槽12の外形形状に対応する形状を有する枠体1
04と、この枠体104に設けられ、前記ボルト部材1
02a、102bを係合させて中間貯留槽12を立位状
態で保持するための溝部106a、106bとを備え、
この枠体104が、作業場内の壁面(図示せず)に固定
されている。
【0019】次に、このように構成される中間貯留槽1
2の動作について、静電塗装装置10との関連で説明す
る。
【0020】まず塗料導入口78が色替弁機構に接続さ
れ、洗浄液導入口80が洗浄弁に接続されるとともに、
洗浄液導出口82が廃液槽に接続される。塗料導出口8
8が四方切換弁14を介して塗装ガン16に連通する一
方、第1駆動空気口90乃至第4駆動空気口96が、空
気供給源に接続される。さらに、空気導入口98aと空
気導出口100aおよび空気導入口98bと空気導出口
100bとが、それぞれ検出部に接続されている。
【0021】そこで、静電塗装装置10による静電塗装
に際して、色替弁機構から所定の色の塗料が塗料導入口
78に圧送されると、この塗料は、三方切換弁26から
絶縁管40を通って三方切換弁28に供給され、塗料流
路84から貯留部24の第1シリンダ室44に充填され
る。この第1シリンダ室44に充填された塗料は、塗料
流路86から塗料導出口88を介して四方切換弁14に
送られた後、塗装ガン16まで充填される。その際、塗
料の充填によってピストン50と中空ロッド58とが一
体的に上昇され、この中空ロッド58の小径部位67に
設けられた検出用ドグ62が開閉弁72aに係合し、貯
留室48に所定量の塗料が充填されたことが自動的に検
出される。さらに、中空ロッド58の下端部に設けられ
ている膨出部56が、カバー部材54に係合してピスト
ン50の上昇を阻止することにより、貯留室48内に所
望の量の塗料を正確に充填することができる。
【0022】次いで、空気供給源から第2および第3駆
動空気口92、94に駆動用エアが供給されて、絶縁機
構30を構成する三方切換弁26、28の切換動作が行
われる。このため、洗浄弁から供給される洗浄液が、洗
浄液導入口80から三方切換弁26、絶縁管40および
三方切換弁28を通って洗浄液導出口82を介して廃液
槽に排出される。そして、この絶縁機構30が乾燥さ
れ、これにより色替弁機構と中間貯留槽12とは、電気
的に絶縁される。
【0023】ここで、空気供給源から第1駆動空気口9
0に駆動用エアが供給され、ピストン50が第1シリン
ダ室44側に変位して、塗料は、流量制御弁76により
吐出量が調節されるとともに、高電圧が直接印加された
状態で塗装ガン16から図示しないワークに供給され
る。その際、ピストン50が第1シリンダ室44側に移
動し、検出用ドグ60が開閉弁72bに係合してピスト
ン50の移動情報が自動的に検出される。
【0024】この場合、本実施例では、例えば異なるワ
ークに対して塗装を行う際に、塗装ガン16への塗料の
供給量を容易に変更することができる。すなわち、カバ
ー部材32bをマニホールド基台22から取り外した
後、ロッド52と中空ロッド58とを互いに固定してい
るナット部材70を弛緩する方向に回転させた状態で、
このロッド52を所定の方向に回転させる。このため、
ロッド52と中空ロッド58とが、軸方向に相対移動
し、このロッド52と中空ロッド58との位置が調整さ
れた後、ナット部材70を締め付けてこのロッド52と
中空ロッド58とを互いに固定させる。
【0025】ここで、中空ロッド58に装着された検出
用ドグ62と開閉弁72aとが係合する位置が、ピスト
ン50の後退位置であり、ロッド52を回転させること
によって貯留室48におけるこのピストン50の後退位
置を変更させる。例えば、図4に示すように、ピストン
50を第1シリンダ室44側に移動させれば、ロッド5
2の検出用ドグ60が開閉弁72b側に移動してこのピ
ストン50の進退距離が短くなる。このため、貯留室4
8の塗料の貯留量が減少され、塗装ガン16への塗料の
供給量が減少されることになる。その際、中空ロッド5
8に膨出部56が設けられており、この膨出部56がカ
バー部材54に係合することによってピストン50が所
定の後退位置(上昇位置)以上に移動することがなく、
貯留室48に所望の量の塗料を確実にかつ正確に充填す
ることができる。
【0026】このように、本実施例では、ロッド52と
中空ロッド58とを相対的に回転させてピストン50の
後退位置を変更させるだけで、貯留室48に貯留される
塗料の量を容易にかつ正確に変更することができるとい
う効果が得られる。従って、ワークの形状や寸法に応じ
て塗装ガン16に所望量の塗料を供給することが可能に
なり、種々のワークに効率的な塗装作業を遂行すること
ができるという利点が得られる。
【0027】しかも、従来の塗料計量手段と塗料供給確
認手段とを備えた装置に比べて、構成が一挙に簡素化
し、中間貯留槽12全体を容易に小型化し得るととも
に、この中間貯留槽12を経済的に製造することが可能
になるという効果がある。
【0028】
【考案の効果】本考案に係る塗装装置用中間貯留槽によ
れば、以下の効果が得られる。
【0029】ロッドと中空ロッドとの軸方向の相対位置
が変更されることにより、ピストンの移動距離が増減さ
れ、これによって貯留室に貯留される塗料の量を所望の
被塗装部位に対応して変更することができる。しかも、
極めて簡単な構成で、塗装ガンに供給される塗料の量を
被塗装部位に応じて確実にかつ容易に変更することがで
き、種々の被塗装部位に対して効率的な塗装作業を遂行
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る塗装装置用中間貯留槽の縦断説明
図である。
【図2】前記中間貯留槽を組み込む静電塗装装置および
保持装置の概略構成斜視図である。
【図3】前記中間貯留槽の流路系の説明図である。
【図4】前記中間貯留槽を構成する貯留部の調整作業の
説明図である。
【符号の説明】
10…静電塗装装置 12…中間貯留槽 16…塗装ガン 18…保持装置 20…管体接続部 22…マニホールド基台 24…貯留部 30…絶縁機構 32a、32b…カバー部材 44、46…シリンダ室 48…貯留室 50…ピストン 52…ロッド 54…カバー部材 56…膨出部 58…中空ロッド 60、62…検出用ドグ 64…ねじ部 68…ねじ溝 72a、72b…開閉弁

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端側から塗料が導入されるとともに、他
    端側からエアが供給される貯留室と、前記貯留室に移動
    自在に配置されるピストンと、前記ピストンの端部から
    エア供給側に向かって前記貯留室の外部に突出するロッ
    ドと、前記ロッドの外周に、このロッドに対して軸方向
    に相対移動自在に固定される中空ロッドと、前記貯留室
    を形成するカバー部材とピストンとの間で、前記中空ロ
    ッドに設けられるとともに、前記カバー部材に係合自在
    な膨出部と、前記ロッドと中空ロッドとに設けられ、前
    記ピストンの進退位置を検出するための検出手段とを備
    えることを特徴とする塗装装置用中間貯留槽。
  2. 【請求項2】請求項1記載の中間貯留槽において、ロッ
    ドの外周にねじ部が形成されるとともに、中空ロッドの
    内周にこのねじ部に係合するねじ溝が形成されることを
    特徴とする塗装装置用中間貯留槽。
JP3026791U 1991-04-30 1991-04-30 塗装装置用中間貯留槽 Expired - Lifetime JP2509540Y2 (ja)

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JPH04126760U JPH04126760U (ja) 1992-11-18
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