JP2508119B2 - 流動床ボイラの制御方法 - Google Patents

流動床ボイラの制御方法

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JP2508119B2 JP62200645A JP20064587A JP2508119B2 JP 2508119 B2 JP2508119 B2 JP 2508119B2 JP 62200645 A JP62200645 A JP 62200645A JP 20064587 A JP20064587 A JP 20064587A JP 2508119 B2 JP2508119 B2 JP 2508119B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は石炭等の流動燃焼を行なう流動床ボイラの制
御方法に関するものであり、詳しくは負荷変動があって
も流動床温度の変化が極めて少なくなるように改良され
た流動床ボイラの制御方法に関するものである。
[従来の技術] 流動床ボイラは、よく知られているように、流動室内
に燃料を連続的に供給すると共に、分散板を通して該流
動室内に空気を供給し、燃料の燃焼と流動媒体の流動と
を行い、該流動室内に配設された伝熱管にて熱交換させ
るものである。この流動床ボイラにおいては、従来、伝
熱管は流動床内に埋没するようにその設置高さや流動媒
体の充填量が設定されている。
このような流動床ボイラでは伝熱管が流動床内に埋没
しており、流動層伝熱の特徴として空気流速が下がって
も総括伝熱係数は下がらない領域で運転するところか
ら、ボイラ負荷が低下した場合に燃料供給量及び空気供
給量を減少させて燃料の燃焼熱を低下させても、伝熱係
数と伝熱面積が殆ど低下しない。従って、流動床の温度
が急激に低下し、運転不能に陥ることがある。
逆に、ボイラ負荷が増大した場合に燃料供給量及び空
気供給量を増大させると、流動床の温度が急激に上昇
し、流動媒体の焼結などの障害が生じることがある。
この対策として、USP4,279,207に、ボイラの負荷が上
昇したときには流動媒体の量を増して流動床と伝熱管と
の接触面積を増大させること、そして、これにより流動
床から伝熱管への伝熱量を増大させることが記載されて
いる。また、負荷減少時に流動媒体を抜き出すことが記
載されている(特に、第10コラムの第54〜62行及び第11
コラムの第7〜14行参照)。
USP4,499,857の特に第4コラム第53行〜60行及び第6
コラム第17〜19行には流動床の温度に応じて流動媒体の
高さをコントロールすることが記載されている。
米国で発行された1986年4月号のMining Engineering
の第244頁右側コラム第12〜19行及びFig.7には負荷に応
じて流動床高さを変え、流動床に没する伝熱管の数を増
減することが記載されている。
[発明が解決しようとする問題点] ところが、上記文献には、流動床高さを的確に制御す
るための方法が記載されていない。
本発明の第1の目的は上記のような流動床高さのコン
トロールを的確に実行する方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、従って、流動床ボイラの負荷
が変動しても、流動床温度の変動幅が極めて小さい流動
床ボイラの制御方法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の流動床ボイラの制御方法は、1次空気の供給
装置が接続された空気室と、この空気室の上側に設けら
れ、この空気室と分散板によって隔てられ、この分散板
を通して空気が供給される、燃料を燃焼するための流動
室と、この流動室内に、設置高さが異なるように設けら
れた伝熱管と、該伝熱管が接続された気水分離を行って
蒸気を取り出すためのドラムと、この流動室へ燃料を供
給するための手段と、この流動室への流動媒体の供給手
段と、この流動室からの流動媒体の排出手段とを備えた
流動床ボイラを制御する方法に関する。
詳しくは、本発明方法は、ボイラ負荷の増減に対応し
て燃料供給量及び1次空気供給量を制御し、前記流動室
内の流動床に埋没される伝熱管の本数を増減させること
により、該ボイラ負荷が増減しても該流動床の温度をほ
ぼ一定にする流動床ボイラの制御方法に関する。
さらに詳しくは、本発明方法は、該空気室の圧力及び
温度と該1次空気供給量の検出値とから、該分散板の差
圧を計算し、フリーボード部と該空気室の差圧の検出値
から該分散板の差圧を減算し、この減算により得た値を
該流動媒体の嵩比重で除算して求めた値を静置高さと
し、この静置高さを指標として次のプロセス(1)、
(2)及び(3)によって該流動床ボイラを制御するよ
うにしたものである。
プロセス(1) 流動室に供給される固体燃料の種類及
びドラム圧力に応じて流動媒体の静置高さの基準範囲及
び流動室の流動床の基準温度範囲を設定し; プロセス(2) 流動室における流動媒体の静置高さを
検出し、設定された静置高さの基準範囲と比較し、この
静置高さの基準範囲内に入るように流動媒体の供給手段
又は排出手段によって流動媒体の供給又は排出を行な
い; プロセス(3) 流動室の流動床温度を検出し、この流
動床温度を設定された基準温度範囲と比較し、流動床温
度が基準温度範囲を上回るときにはこの上回り温度差に
応じて流動媒体静置高さの基準範囲を高い高さに設定し
直し、流動床温度が基準温度範囲を下回るときにはこの
下回る温度差に応じて流動媒体静置高さの基準範囲を低
い高さに設定し直し、 その後前記プロセス(2)に戻る。
[作用] 本発明では、例えば、ボイラ負荷の減少に対応して空
気と燃料の供給量を減少させると、流動床高さが低下
し、該流動床に埋没する伝熱管の本数が減少する。逆
に、負荷の増大に対応して空気と燃料との供給量を増大
させた場合には、流動床高さが高くなり、該流動床に埋
没する伝熱管本数が増大する。そのため、ボイラ負荷の
増減に対応して流動媒体が接触する伝熱管の面積が変化
することになり、流動床から伝熱管に伝えられる総伝熱
量が該負荷の増減に対応して増減されることになり、流
動床温度の変動幅が著しく小さくなる。従って、ボイラ
負荷が変動しても、安定した流動床ボイラの運転を継続
することが可能となる。
一般に、流動床ボイラでは、石炭の炭種や粒径分布の
変化に伴い、同一負荷、同一過剰空気率、同一流動媒体
静置高さでも流動床温度が変化する。本発明ではこのよ
うな国体燃料の種類や粒度の変化に対応して流動媒体の
供給又は排出が行なわれ、流動床の静置高さが制御され
る。これにより、流動床温度の変動幅が小さくなる。
[実施例] 以下図面を参照して実施例について説明する。
第1図は本発明の実施例に係る流動床ボイラの制御方
法を説明するための流動床ボイラの系統図、第2図は炉
体の縦断面図である。
符号10はボイラ炉体であり、その内部の底部には第1
の分散板12が該ボイラ炉体内部を横断するように設置さ
れ、空気室14が区画形成されている。この空気室14には
1次空気の供給管16を介して送風ファン17が接続されて
いる。分散板12の上方は第1の流動室19であり、多数の
伝熱管18が設置されている。本実施例では、伝熱管18は
高さ方向に3段になるように設置されており、かつ上下
方向に千鳥配列となるように設置されている。符号20は
燃料(本実施例においては粒状の石炭)の供給管であ
り、分散板12の直ぐ上に均一に供給するように複数本配
設されている。
伝熱管18の上方のフリーボード部21に2次空気を供給
するための供給管22がボイラ炉体10に設けられている。
2次空気供給管22の更に上方には、第2の分散板24がボ
イラ炉体内部を横断するように設置され、その上方に脱
硫用の第2の流動室25が形成されている。符号26はバン
カー27から石灰石やドロマイト等の脱硫剤(本実施例で
は石灰石)を供給するための配管であり、符号28は脱硫
反応後の石灰石を排出するための排出管である。
この炉体10には、第1の流動室19に流動媒体を供給す
るために、流動媒体の貯槽32が供給弁34付きの供給管36
を介して接続されている。また、第1の流動室19から流
動媒体を抜き出すために、炉体10に流動媒体の抜出用配
管38が接続され、この配管38に抜き出し弁40が設置され
ている。さらに、フリーボード部21と空気室14との差圧
を検出する差圧計42、第1の流動室19内の流動床Bの温
度を測定する温度計44、空気室14内の温度検出計45及び
空気室14内の圧力検出計46が設置されている。
炉体10には廃熱ボイラ50が接続されており、廃熱ボイ
ラ50には伝熱管52が配設されている。この伝熱管52へは
スチームドラム54が配管56、58を介して接続されてお
り、配管56の途中には循環ポンプ60が設けられている。
該ポンプ60の吐出側は配管62を介して前記伝熱管18の一
端に接続され、該伝熱管18の他端は配管64を介してスチ
ームドラム54に接続されている。該スチームドラム54に
はコントロールバルブ106が設けられた蒸気取出管66が
接続されると共に、給水ポンプ68及び配管70を介して軟
水が導入可能とされている。配管70にはフローコントロ
ールバルブ102が設けられている。符号72は廃熱ボイラ5
0に接続されたバグハウスであり、その下流側には誘引
ファン74が配置されている。
給炭装置76は、石炭バンカー78、横難ロータリーバル
ブ80、計量コンベア82、ドライヤ84、ハンマクラッシャ
86を備えており、前記供給管20から空気搬送により粒状
炭が炉体10に供給される。
かかる構成において、分散板12上方の流動室内には流
動媒体が充填され、供給管20から供給される粒状炭が空
気室14を通って供給される1次空気によって燃焼し、流
動床Bを形成する。燃焼ガスは、その後2次空気の供給
を受けた後、第2の分散板24を通り脱硫流動床B′内に
入り脱硫される。次いで、廃熱ボイラ50で熱交換した
後、バグハウス72で集塵処理され、大気中へ放出され
る。
しかして、この流動床Bの高さがボイラ負荷の変動に
対応して変えられた際に該流動床Bへの埋没本数が変化
するように伝熱管18の設置高さが設定されている。そし
て、例えば、ボイラ負荷が最大になった場合にはこれに
対応して粒状石炭の供給量及び1次空気供給量が最大と
され、流動床Bの高さは第2図のA′のレベルにまで増
大し、全ての伝熱管18が流動床Bに埋没する。また、中
間の負荷状態にあっては、それに見合て粒状石炭の供給
量及び1次空気供給量が減少され、流動床Bの高さは図
のA″のレベルにまで低下し、伝熱管18のうち最上段の
ものが流動床Bから露出する。更に、最低負荷状態にな
ったときには、粒状炭供給量及び1次空気供給量が最低
量まで減少され、流動床Bの高さは図のAのレベルに
まで低下する。これにより最上段及び中段の伝熱管18が
流動床Bから露出し、最下段の伝熱管18のみが流動床B
に埋没することになる。このように、流動床ボイラの負
荷変動に対応して流動床Bの高さが変動すると、該流動
床Bに埋没する伝熱管18の本数が増減し、伝熱面積が増
減する。従って、流動床Bから伝熱管18に伝えられる総
熱量が負荷の増減に対応して増減することになり、流動
床Bの温度の変動幅が著しく小さくなる。このようにし
て、ボイラ負荷が低下した場合においても多量の熱交換
がなされて流動床温度が急激に低下するという事態が回
避され、低負荷状態においても安定したボイラの運転を
行うことが可能である。
第2の流動室25には、配管26から粒状の石灰石が連続
的に供給されており、脱粒用の流動床B′が形成されて
いる。第1の流動室21内の流動床Bを通った燃焼ガスと
脱硫反応した石灰石はオーバーフローして配管28から炉
体10の外に排出される。
次に上記の流動床ボイラの計装について第3図を参照
して説明する。なお、第3図は制御ブロック図である。
1次空気供給管16には流量検出計90とフローコントロ
ールバルブ92が設けられ、炉体10内には炉内O2濃度の検
出センサ44が設けられている。石炭の供給系には計量コ
ンベヤ82とフローコントロールバルブ80(横型ロータリ
ーバルブ)が設けられ、給水管70には流量計100及びフ
ローコントロールバルブ102が設けられている。蒸気の
取出管66には流量計104とフローコントロールバルブ106
が設けられ、スチームドラム54には圧力計108と水位計1
10が設けられている。
各流量計90、82、100、104の信号は、調節器112、11
4、116、118に入力されている。圧力計108と水位計110
の信号は調節器120、122に入力されている。
ドラム54のレベルは次のようにして制御される。即
ち、ドラムレベル調節器122と給水流量調節器116のカス
ケード制御を行ない、給水圧力の変動や給水弁の特性に
よる影響を改善すると共に、ドラムレベル調節計122の
制御出力に主蒸気流量をフィードフォワード信号として
加算器123にて加え、3要素(ドラムレベル、給水流
量、主蒸気流量)による制御を行なう。
ドラム54から取り出される蒸気(主蒸気)の圧力制御
は次のように自動燃焼制御により行なわれる。
ドラム圧力調節器120は主蒸気圧力を一定に制御する
ボイラ制御の中心をなす調節器で、ボイラーマスターと
呼ばれている。このボイラーマスター120の制御出力
(マスター信号)に、流量計104からの主蒸気流量をフ
ィードフォワード信号として加算器124で加算し、負荷
変動時の応答性を改善する。ボイラーマスター信号は、
それぞれ空気流量調節器112と石炭流量調節器114に入る
前に、石炭流量より演算された空気量と空気流量より演
算された石炭量と比較、選択される。さらにO2濃度計よ
りの信号に従って、燃料流量設定値と空気流量設定値の
バンドリミット演算(ある幅に制限する)を行ない、O2
濃度を一定幅に制御する。即ち、加算器124からのボイ
ラーマスター信号は低信号選択器126、128に入力されて
いる。低信号選択器126には演算器130からの石炭量演算
信号が入力されており、この石炭量演算信号は1次空気
量及び炉内O2濃度に基いて演算されている。低信号選択
器126は、ボイラーマスター信号に基く石炭量と演算器1
30からの石炭量の低い方を選択し、調節器114に出力し
ている。
流量計82で検出された石炭量を示す信号は加算器131
及び減算器132に入力されてバンドリミットを設定し、
それらの出力値が低信号選択器128と高信号選択器134に
入力され、ボイラーマスター信号との比較選択によりバ
ンドリミット内の信号が選択されて演算器136に出力さ
れる。演算器136では、この選択された信号と炉内O2
度とに基いて1次空気量を演算し、調節器112に演算結
果を出力する。以上により、ボイラ負荷の変化に対し、
O2濃度が一定範囲となるように空気量と石炭量とが同時
に制御される。
かかる本発明では、ボイラ負荷の減少に対応して1次
空気と燃料の供給量を減少させ、流動床高さを低下さ
せ、該流動床に埋没する伝熱管の本数を減少させる。逆
に、負荷が増大すると、1次空気と燃料との供給量を増
大させ、流動床高さを高くし、該流動床に埋没する伝熱
管本数を増大させる。このようにボイラ負荷の増減に対
応して流動媒体が接触する伝熱管の本数を変化させるこ
とにより、流動床から伝熱管に伝えられる総伝熱量が該
負荷の増減に対応して増減されることになり、流動床温
度の変動幅が著しく小さくなる。従って、ポイラ負荷が
変動しても、安定した流動床ボイラの運転を継続するこ
とが可能となる。
また、本発明では、固体燃料の種類(例えば炭種)や
粒径分布の変化に対応して流動媒体静置高さを調節し、
流動床温度の変動幅を小さくする。
即ち、流動床ボイラにおいては、同一負荷、同一過剰
空気率、同一流動媒体充填量にて運転を継続している場
合であっても、石炭の炭種や粒径分布が変わると、流動
床温度が変化する。
例えば、石炭が揮発分の高いものである程、あるいは
微粒の多いものである程、流動床内よりもフリーボード
で燃焼する割合が増えるため、流動床内で発生する熱量
が減少し流動床の温度が低下する。
また、ボタ等の低カロリーの石炭は頁岩等の岩分成分
を多く含むため、低カロリーの石炭を流動床ボイラに供
給すると、岩石成分が流動床内に蓄積され、流動媒体が
増加し、流動床に埋没する伝熱管本数が増え、流動床の
温度が低下する。
そこで、本発明では、負荷変動がなく同一燃料供給
量、同一1次空気供給量にて運転している場合であって
も、固体燃料の種類(例えば炭種、粒度)が変更された
ときには、この変更に合わせて流動媒体の高さ(静置高
さ)を変更する。
この変更を行なうには、上記プロセス(1)〜(3)
の通り、固体燃料種類及びドラム圧力に応じて予め静置
高さの基準範囲及び流動床の温度の基準範囲を設定す
る。
そして、まず静置高さが基準範囲となるように流動媒
体の給排を行なってみる。次いで、この流動媒体給排の
結果、流動床の温度が基準範囲内に納まるようになった
かどうかチェックし、現実の流動床温度が基準範囲が基
準範囲を上回るときには流動媒体静置高さの基準範囲を
高目に設定し直し、逆に流動床温度が基準範囲を下回る
ときには流動媒体静置高さの基準範囲を低目に設定し直
し、この新たに設定し直された静置高さと基準範囲とな
るように流動媒体の給排を行ない、以下、必要に応じこ
の「設定し直し」と「流動媒体給排」とを繰り返すこと
により流動床温度を基準範囲内に維持する。
このように、本発明によると、負荷変動だけでなく固
体燃料の種類及び粒度の変化があっても、流動床温度を
適切な温度範囲に確実に維持することができる。
この制御を行なうには、空気室14の圧力と温度を検出
し、かつ燃焼用1次空気量を検出し、それらを所定の演
算式で計算させ、燃焼室の分散板12の差圧を求める。一
方、フリーボード部と空気室14の差圧を差圧計42で検出
し、この検出値から上記分散板12の差圧△Pを引き、流
動媒体のかさ比重で割って、流動媒体の充填高さを求め
る。流動媒体の充填高さ、流動床温度、1次空気量を、
後述する如くの所定の実験整理式を用いた流動床温度の
制御式で計算し、その結果との差により流動媒体の供給
量及び抜き出し量の制御を自動的に行なう。
この間の演算、炭種の変化等の推論は、計算機のデー
タベースに蓄積したデータにより行なう、いわゆるエキ
スパートシステムにより実施することができる。
第4図はこの制御を行うためのブロック図であり、符
号138は計算機である。符号140は関数発生器であり、流
動床Bの温度と計算機138からのデータにより関数を発
生させ、繰返形アナログ計算機を内蔵する調節計142に
出力している。該調節計142では、差圧計42で検出され
た差圧、この関数及び空気室の圧力P、温度T1、流動床
Bの検出温度Tに基いて流動媒体抜出弁40と流動媒体供
給弁34の制御を行なう。
第5図は該調節計142の計算機プログラムを説明する
ためのフローチャートである。
まず燃焼用1次空気の量F、空気室14の温度T1と圧力
Pを読み込み(ステップ200、201、202)、第1の分散
板12の差圧△P1を次式(1)、(2)、(3)に従って
演算する(ステップ203)。
ここで、K1は定数、gは重力加速度、ρは空気密
度、Aは第1の分散板12の空気通過孔の面積の総計であ
る。
vは第1の分散板12の孔を通過する空気の流速であ
る。
次に差圧△Pを読み込み(ステップ204)、流動床B
を構成する流動媒体の静置高さLcを次式(4)に従って
演算する(ステップ205)。
ここでρは流動媒体のかさ密度である。
次にステップ206にて、この静置高さLcが基準範囲(L
cs±△Lcs)の上限値Lcs+△Lcsよりも小さいか否かを
判断する。Lcが上限値Lcs+△Lcsと等しいかそれよりも
大きければステップ207に移り、流動媒体の抜き出し弁4
0を開き、流動媒体の排出を開始する。ステップ206と20
7とは閉ループを構成しており、流動媒体の静置高さLc
が上限値Lcs+△Lcsよりも小さくなるまで流動媒体の抜
き出しが継続される。静置高さLcが上限値Lcs+△Lcsよ
りも小さいときにはステップ208に移り、もし流動媒体
の抜き出し弁40が開いていれば該弁40を閉じ、ステップ
209に移り、静置高さLcが基準範囲の下限値Lcs−△Lcs
よりも大きいか否かを判断する。LcがLcs−△Lcsと等し
いかそれを下回るときにはステップ210に移り、流動媒
体供給弁34を開き、流動媒体を供給する。ステップ209
と210とは閉ループを構成しており、LcがLcs−△Lcsを
上回るまで流動媒体の供給が継続される。Lcが下限値Lc
s−△Lcsを上回るときにはステップ211に移り、もし弁3
4が開いているときにはこれを閉じ、次に流動床温度T
とO2濃度(但し、例えば10秒など比較的長い時間の平均
の濃度)を読み込む(ステップ212,213)。
そしてステップ214にて流動床温度O2濃度で補正す
る。補正した温度T′は次の式(5)で算出される。
ここでK2、mは定数であり、O2は酸素濃度である。
次に、ステップ215に移り、この補正された温度T′
が基準範囲Ts±△Ts内にあるか否かを判断し、基準範囲
内にあればステップ200に戻る。また、T′が基準範囲
外にあれば、ステップ216に移り、新たに基準とする流
動媒体静置高さLcsを演算し、次にそれまでのLcsの値を
この新しいLcsの値に変更し(ステップ217)、次いでス
テップ200に戻る。
新しいLcsは次の式(6)で算出される。なお式
(6)において、Lcs′は新しい基準値を示し、Lcsはそ
れまでの値を示す。
ただしK3、K4及びK5はそれぞれ定数である。
上記の式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
及び(6)において、K2、K3、K4、K5、mの係数は、炭
種の燃料比、粒度分布、全水分比率、灰分比率等によっ
て変化するが、炭種毎に後に説明する実験整理式を用い
たシュミレーション計算より求めた値を入れておけば、
このフローチャートに示す制御で同一炭種の場合安定し
た制御ができる。又、流動媒体の熱容量が大きいため、
流動床温度の制御は、ある温度幅でのON−OFF制御で充
分である。これにより、炭種が変わって流動床での発生
熱量が変っ場合とか、頁岩等の成分が流動床内に蓄積す
るような炭種の場合とかでも、自動的に流動床温度を制
御することができる。しかも、通常炭の場合には、流動
媒体が摩耗して飛散する分だけを補充すれば良いため、
砂の出し入れの頻度は1週間に1度もなく、負荷の変化
に対しては空気と石炭量を変化させるだけで制御でき
る。炭種が変るのも1カ月に1度の割であり、砂の出し
入れの頻度も少ない。
図の実施例では伝熱管18は高さ方向に3段に配列され
ているが、本発明は2段、4段もしくはそれ以上の多段
に配設してもよい。また、図の流動床ボイラは脱硫流動
床を設けているが、この脱硫流動床は本発明にとって必
須のものではない。
更に、上記実施例では燃料として粒状炭を採用してい
るが、粒状炭や微粉炭あるいは石炭以外の各種可燃性物
質をも原料とできる。
なお、本発明においては特に限定されるものではない
が、例えば流動媒体の静置時の高さは150〜300mm、伝熱
管の上下方向のピッチは80〜170mm、伝熱管の直径は外
径で30〜90mm、最下段の伝熱管の中心が分散板から300
〜600mm上方に位置するように組み合わせるのが好適で
ある。
以下好適な具体例について説明する。
図に示した装置において、流動媒体として珪砂を採用
し、燃料として粒状炭を採用した。また、1次空気の空
気比を1.05、2次空気の空気比を0.17とし、伝熱管18の
総表面積を3.5m2とした。また、流動媒体の静置高さは2
00mmとし、伝熱管の上下方向のピッチは130mm、伝熱管
直径(外径)は65mm、最下段の伝熱管の中心位置が分散
板12の上方450mm、伝熱管設置段数3段(千鳥配列)と
し、ボイラ負荷を種々変動させて流動床Bの温度を測定
した。その結果を第6図に示す。
また、第7図は、伝熱管18の総表面積を65m2とした他
は、前記第6図に示したものとほぼ同様な条件で、ボイ
ラ負荷を種々変動させて流動床Bの温度を測定した結果
を示すものである。
第6図および第7図より、本発明によればボイラ負荷
が変動しても流動床温度は殆ど変化せず、ほぼ一定であ
ることが認められる。なお、これら第6図、第7図に示
す結果において、負荷が40%付近よりも以下になると、
1次空気量を一定として安定した流動化をはかる必要が
あるため、流動床温度は下降傾向となる。
ところで、本発明の流動床ボイラの制御方法におい
て、伝熱管の設置高さを最適値となるように決定するに
は、流動媒体の充填量及び空気供給量に基いて、高さの
異なるそれぞれの伝熱管の伝熱量がいくらになるかが把
握されなければならない。発明者らは、一辺が400mmの
方形の流動層実験装置により、常温空気を電気発熱伝熱
管で加熱し、伝熱係数を測定する方法で流動媒体の充填
量と空気供給量よりある設置高さの伝熱管の平均伝熱係
数を求めることができる実験整理式を得た。これは下記
に示す通りである。なお、伝熱管は3列千鳥配列され、
その直径は48mmである。また、流動媒体は平均粒径1m
m、Umf=0.46m/sの珪砂である。
ただし、 A=163e−4.2Ud n=1.67+1.87Ud Ud=Uo−Umf Hx:高さxにおける管列の平均熱伝達率 H∞:単相強制対流における管群の平均熱伝達率 Hmax:各空塔速度におけるHxの最大値 Lc:流動媒体の静止高さ Uo:空塔速度 Umf:最小流動化速度 x:分散板から電熱管中心までの高さ Zと(X−Lc)/Lcとの関係に関する実験値及び上記
整理式からの算出値を第8図に示す。この第8図の通
り、実験データと整理式は良好に一致する。
上記実験整理式を高温の実際の装置に適用するには、
別の公表された、流動層内水平伝熱管の最大伝熱係数の
式によりHmaxを求め、幅射伝熱係数を加算して、伝熱管
設置位置と平均伝熱係数の関係を求める。一方、燃料の
組成により変化する理論燃焼温度と、組成,燃焼性及び
粒径により変化する流動床内外の燃焼割合から熱バラン
ス計算することにより、所定の流動床温度を得るために
伝熱管で交換すべき熱量を求める。これから、計算によ
り、負荷の変動幅に対応する空気供給量の変動幅の間
で、所定の流動床温度を一定に保つための、平均伝熱係
数の変化を求める。その変化のしかたに合致する流動媒
体の充填量と伝熱管の設置の高さとが最適値ということ
になる。
前記一辺400mmの流動層実験装置の実験結果で示せ
ば、第9図の9aの線が望むべき平均伝熱率Hxの変化のし
かたであり、空塔速度Uoに比例している。この場合の静
止層高Lc=300mm、全伝熱管の平均設置高さXm=445mmが
最適値である。なお、第10図はLcとXmを示す模式図であ
る。
この方法によると低カロリーの燃料や、揮発分の非常
に高い燃料を燃焼させる場合、あるいは燃料が変化する
場合であっても、適切に伝熱管位置、流動媒体の充填量
を設定できる。これにより、負荷変動に対して流動床温
度を一定に保つことができる。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば流動床ボイラの負荷が変
動しても、流動床温度の変動幅が極めて少なく、極めて
安定した流動床ボイラの運転を行うことが可能である。
本発明方法によれば固定燃料の種類(例えば石炭の種
類)が変って流動床内での発生熱量が変化した場合や、
頁岩等の燃焼残が流動床内に蓄積するような炭種の場合
であっても自動的に流動媒体の供給、排出が行なわれ流
動床温度が一定に制御される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を説明する流動床ボイラの系統
図、第2図はボイラの炉体部分の縦断面図、第3図と第
4図は制御ブロック図、第5図は制御プログラムを説明
するフローチャート、第6図および第7図はそれぞれ実
験結果を示すグラフである。第8図はZとYとの関係を
示すグラフ、第9図はHxとUoとの関係を示すグラフ、第
10図はLcとXmとを示す模式図である。 12……第1の分散板、14……空気室、 16……1次空気供給管、18……伝熱管、 20……燃料供給管、B……流動床。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1次空気の供給装置が接続された空気室
    と、 この空気室の上側に設けられ、この空気室と分散板によ
    って隔てられ、この分散板を通して空気が供給される、
    燃料を燃焼するための流動室と、 この流動室内に、設置高さが異なるように設けられた伝
    熱管と、 該伝熱管が接続された気水分離を行って蒸気を取り出す
    ためのドラムと、 この流動室へ燃料を供給するための手段と、 この流動室への流動媒体の供給手段と、 この流動室からの流動媒体の排出手段とを備えた流動床
    ボイラを制御する方法において、 ボイラ負荷の増減に対応して燃料供給量及び1次空気供
    給量を制御し、前記流動室内の流動床に埋没される伝熱
    管の本数を増減させることにより、該ボイラ負荷が増減
    しても該流動床の温度をほぼ一定にする流動床ボイラの
    制御方法であって、 該空気室の圧力及び温度と該1次空気供給量の検出値と
    から、該分散板の差圧を計算し、フリーボード部と該空
    気室の差圧の検出値から該分散板の差圧を減算し、この
    減算により得た値を該流動媒体の嵩比重で除算して求め
    た値を静置高さとし、 この静置高さを指標として次のプロセス(1)、(2)
    及び(3)によって該流動床ボイラを制御するようにし
    た流動床ボイラの制御方法。 プロセス(1) 流動室に供給される固体燃料の種類及
    びドラム圧力に応じて流動媒体の静置高さの基準範囲及
    び流動室の流動床の基準温度範囲を設定し; プロセス(2) 流動室における流動媒体の静置高さを
    検出し、設定された静置高さの基準範囲と比較し、この
    静置高さの基準範囲内に入るように流動媒体の供給手段
    又は排出手段によって流動媒体の供給又は排出を行い; プロセス(3) 流動室の流動床温度を検出し、この流
    動床温度を設定された基準温度範囲と比較し、流動床温
    度が基準温度範囲を上回る時にはこの上回り温度差に応
    じて流動媒体静置高さの基準範囲を高い高さに設定し直
    し、流動床温度が基準温度範囲を下回る時にはこの下回
    る温度差に応じて流動媒体静置高さの基準範囲を低い高
    さに設定し直し、 その後前記プロセス(2)に戻る。
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