JP2507007Y2 - シ―ルドトンネル式下水管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、大容量の下水および汚水を流すための下
水管として使用するために敷設されるシールドトンネル
式下水管に関するものである。

〔従来技術〕

従来この種のシールドトンネル式下水管としては、第
３図に示すように、円弧状の各コンクリートセグメント
10を連結して１つのセグメントリングを形成し、セグメ
ントリングの断面形状を円形としたものが一般に知られ
ている。

〔この考案が解決しようとする課題〕

しかし、この従来のシールドトンネル式下水管は、大
容量の下水および汚水を流すために、狭少な6m程度の道
路の下へ敷設する管渠築造工事に使用すると、断面形状
が円形状であることから、自然流下の水理特性によって
下水，汚水を効率良く流すことができない。

この考案は前述した事情に鑑みて創案されたもので、
その目的は、管渠築造工事に使用した場合において、大
容量の下水，汚水等を効率良く確実に流すことができる
シールドトンネル式下水管を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

出願人は、大容量の下水，汚水等を効率良く確実に流
すには、自然流下の水理特性を十分考慮して、断面とし
て上下方向に長い形状のシールドトンネル式下水管を採
用することが良いことを考えついた。

このことから、この考案のシールドトンネル式下水管
は、断面形状が上下および左右に対称の上下に長く中央
部が幅広な盾型に形成され、上下端面は水平面に形成さ
れている。

〔実施例〕

以下この考案を図示する実施例によって説明する。

シールドトンネル式下水管１（第１図および第２図参
照）は、多数のコンクリートセグメントを周回方向およ
び敷設方向に連結して構築されており、断面形状が上下
および左右に対称の上下に長く中央部３が幅広な盾型に
形成され、上下端面に水平部4,4が形成されている。

この実施例でのコンクリートセグメントとしては、
（１）上下角部用屈曲コンクリートセグメント2a（２）
中央角部用屈曲コンクリートセグメント2b（３）平板コ
ンクリートセグメント2cの３種類のコンクリートセグメ
ントが使用される。

この３種類のコンクリートセグメントの中、上下角部
用屈曲コンクリートセグメント2aを上下角部に各１個、
計４個、中央角部用屈曲コンクリートセグメント2bを中
央角部に各１個、計２個、平板コンクリートセグメント
2cを直線部に各１個、計２個、設置して総計８個のコン
クリートセグメントを周回方向に連結して１つのセグメ
ントリングが構築される。

既設のセグメントリングに新設のセグメントリングを
連結して敷設方向にシールドトンネル式下水管１を延長
していく際には新設のセグメントリングを構成する各コ
ンクリートセグメントは既設のコンクリートセグメント
に対して千鳥配置となるように設置され敷設方向に連結
され次々にシールドトンネル式下水管１が敷設される。
（第２図参照） 上下角部用屈曲コンクリートセグメント2a、中央角部
用屈曲コンクリートセグメント2bの何れも屈曲はセグメ
ントの中央ではなく、偏った位置に設けられて成形され
ており、この千鳥配置に対応可能となっている。

使用する総てのコンクリートセグメントには、円弧部
が形成されておらず全て直線で形成されている。上下角
部用屈曲コンクリートセグメント2aの一辺はシールドト
ンネル式下水管１の上下端面の水平部4,4を形成し、互
いに平行となっている。なおこの水平部４は、厳密に水
平でなくてもほぼ水平ならばよい。

このような構成からなるシールドトンネル式下水管１
によれば、狭少な6m程度の道路の下に大容量の下水，汚
水を流すために敷設する管渠築造工事に使用すると、自
然流下の水理特性を十分活かして、大容量の下水，汚水
を効率良く確実に流すことができる。

なおこのシールドトンネル式下水管１の断面形状とし
ては、楕円形や小判型のものが考えられるが、施工性，
構造，製造等の諸性能から、この考案の盾型が最も優れ
ており最適である。

また、この考案で使用する各コンクリートセグメント
は３種類の型枠で製造ができるだけでなく、曲率を有し
ないため、型枠の製造が容易であり、ひいては各コンク
リートセグメントの製造が容易となる。しかも曲率を有
しないので、運搬時に積み重ねられるため、運搬効率が
向上する。

〔考案の効果〕

この考案のシールドトンネル式下水管は、僅か３種類
の形状の異なったコンクリートセグメントを千鳥配置し
て連結して構築されており、断面形状が上下および左右
に対称の上下に長く中央部３が幅広な盾型に形成され、
上下端面に水平部4,4が形成されている。

この構成によれば、コンクリートセグメントの製造が
合理化されるばかりでなく、シールドトンネル式下水管
の構築が簡素化され、構築されたシールドトンネル式下
水管は水の自然流下の水理特性を十分活かすことでき
て、大容量の下水，汚水を効率良く確実に流すことがで
きるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のシールドトンネルを示す断面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ線矢視図、第３図は従来のシール
ドトンネルを示す断面図である。 １……シールドトンネル式下水管、2a……上下角部用屈
曲コンクリートセグメント、2b……中央角部用屈曲コン
クリートセグメント、2c……平板コンクリートセグメン
ト、３……中央部、４……水平部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】（Ａ）上下角部用屈曲コンクリートセグメ
   ント（Ｂ）中央角部用屈曲コンクリートセグメント
   （Ｃ）平板コンクリートセグメントの３種類のコンクリ
   ートセグメントの連結により、断面形状を上下および左
   右に対称の上下に長く中央部が幅広な盾型とするととも
   に、上下端面を水平面とした１つのセグメントリングを
   形成し、隣接するセグメントリング間は各コンクリート
   セグメントを千鳥状に配置して敷設方向に連結すること
   によって構築されたシールドトンネル式下水管。