JP2506888B2 - 電気コンロ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、家庭用調理器具として使用される電気コン
ロに関するものである。

従来の技術 従来のこの種の電気コンロは、例えば、特公昭61−31
781号公報に示されているように、第５図のような構造
になっていた。

すなわち、シーズヒータ101がヒータ受金具102の上に
載せられ、汁受皿103の外縁104に前記ヒータ受金具102
が載置され、そしてシーズヒータ101の端子105の近傍の
シーズ管部106にヒンジ金具107が固着されており、かつ
このヒンジ金具107はバネ板108を介してコンロ外周枠10
9に固定されている。また前記汁受皿103の中央部には通
気孔110が設けられており、さらに汁受皿103の外縁に設
けられた孔111にはヒータ受金具102の端部がバネ板108
の付勢力により挿入されている。また前記シーズヒータ
101の中央部には温度センサー112が設けられており、こ
の温度センサー112はシーズヒータ101上に載せられる鍋
底の温度を検知し、シーズヒータ101の通電制御を行っ
ている。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような構成では、径の大きな鍋等
をシーズヒータ101の上に載せると、鍋底の汁受皿103の
外縁との隙間が少なくなり、その結果、通気口110から
上方への空気の対流が少なくなるため、汁受皿103やコ
ンロ外周枠109の温度が高温になって火傷等を起こす危
険性が高くなったり、あるいは誤ってこぼれた煮汁が汁
受皿103やコンロ外周枠109に焦げ付いて取れにくくなっ
たりして掃除がやりにくいものであった。

また、鍋の大きさによって通気孔110からの空気の対
流量が変化するため、温度センサー112の雰囲気温度も
変化することになり、その結果、温度センサー112の温
度感知性能もこの影響を受けて温度センサー112の感知
精度が悪くなるという欠点を有していた。さらに、多量
の煮汁をふきこぼした時、煮汁は汁受皿103の中央部の
通気口110よりコンロ本体内に侵入することになり、こ
の場合、掃除ができないため、不衛生になるというおそ
れがあった。

本発明はこのような課題を解決するためになされたも
ので、枠体や汁受皿の温度が高温になるのを防ぐことが
でき、また煮汁などがこぼれても、容易に掃除を行うこ
とができる電気コンロを提供することを目的とするもの
である。

課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために本発明は、汁受皿の上方
に位置して配設され、かつヒータを保持した略格子状の
枠体を天板の内側にヒンジ部により回動自在に枢支し、
かつヒータの端子部の上方を覆うカバーを枠体に取付け
るとともに、前記枠体の周縁フレームの内側の側面に穴
部を設け、さらに前記カバーの上面を覆う鍋置き台を、
突出部を前記穴部に挿入することにより枠体に着脱自在
に取付けたものである。

作用 上記構成によれば、ヒータ上に大きな鍋を置いて加熱
しても、高温になった空気は略格子状の枠体の空間から
対流により放出され、枠体と汁受皿間に熱がこもるとい
うことはなくなるため、枠体および汁受皿の温度上昇は
小さくなる。

また誤って煮汁などをふきこぼしたりした場合、煮汁
などは枠体から汁受皿上に滴下するが、汁受皿の温度が
低いため、焦げつくことはなく、しかも掃除をする時
は、枠体を回動させれば、ヒータの電気接続線や他の突
起物などの障害物がない汁受皿上を容易にふき取ること
ができるとともに、鍋置き台は枠体に着脱自在に取付け
ているため、枠体より取外して水洗いすることができ、
さらにヒータの端子部の上方を覆うカバーの上面は鍋置
き台で覆われているため、塩分等を含む腐食性の高い煮
汁が直接カバー上に落ちるということはなくなり、また
鍋置き台は枠体の周縁フレームの内側の側面に設けた穴
部に突出部を挿入することにより取付けているため、鍋
置き台の上に鍋等を置いても鍋置き台がカバーから外れ
て落ちることはなくなるものである。

実 施 例 以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。第１図〜第４図において、１は電気コンロで、この
電気コンロ１は渦巻形状のヒータ2,3,4を保持した略格
子状の枠体11からなる天面部と、ロースタ部６と操作部
７からなる本体部で構成している。

まず天面部は中央に開口部を設けた天板８を有し、こ
の天板８の中央開口部には汁受皿９が着脱自在に設置さ
れ、かつこの汁受皿９の上方に位置して天板８の後方側
にヒンジ部10により略格子状の枠体11が回動自在に枢支
され、そしてこの枠体11にはヒータ受金具12により一部
を咬めて取付けたヒータ2,3,4が保持されている。また
ヒータ3,4の中央部には温度センサー3a,4aが配設されて
おり、さらに枠体11とヒータ2,3,4の間にはカバー13,1
4,15が取付けられ、かつこのカバー13,14,15上に略格子
状の鍋置き台16,17,18が着脱自在に配設されている。特
に鍋置き台16,17を支持するカバー13,14は裏面が開閉で
きる箱状に構成されており、ヒータ端子部、リード線お
よびセンサーリード線はこの箱状のカバー13,14に挿入
され、熱や汚れ物などが直接かからないようにしている
ものである。

前記枠体11は第４図に示すように、板材をコ字状に曲
げて構成しているもので、ヒータ受金具12および鍋置き
台16,17の一部に設けた突出部16a,17aが、枠体11の周縁
フレームの内側の側面に設けられた穴部19を貫通して固
定されている。

前記汁受皿９などの掃除をするために、前記枠体11を
第３図に示すように、上方へ開いた際枠体11は枠体支持
棒20により支えられる。そしてこの枠体支持棒20も着脱
可能に構成されているものである。

一方、本体部は、引出し式のロースタ部６と操作部７
および筐体で構成しており、21はロースタ部６のガラス
窓、22は把手である。また操作部７とヒータ2,3,4との
電気的接続を行うリード線は、天面部のヒンジ部10の近
傍に設けられたバーリング穴を通って本体部内に挿入さ
れ、操作部７に接続されている。なお、23はシステムキ
ッチンのワークトップ、24はキャビネットである。

上記構成において、ヒータ2,3,4上に鍋を置き、ヒー
タ2,3,4に通電を行うと、ヒータ2,3,4の近傍の雰囲気温
度は上昇し、枠体11の空間から対流により高温の空気は
流出し、熱は外部に放熱されるため、汁受皿９と枠体11
間に熱がこもりにくくなり、その結果、汁受皿9,枠体11
および本体内部の温度上昇を少なくすることができる。
さらに、温度センサー3a,4aの雰囲気温度も低くするこ
とができるため、鍋の大きさなどによる雰囲気温度の変
化を小さくすることができるとともに、温度センサー3
a,4aの温度感知精度を高めることができる。

一方、調理時に誤って煮汁をこばした時は、煮汁は汁
受皿９上に落ちて汁受皿９に溜まるが、この場合、枠体
11をヒンジ部10を中心として上方に回動させることによ
り、汁受皿９を取外して容易に掃除することができ、し
かも略格子状の鍋置き台16,17,18も着脱可能に取付けて
いるため、これも取外して洗うことにより常に清潔に保
つことができる。

また煮汁などがこぼれても、ヒータ端子やリード線に
は直接かからないため、安全である。つまり、これら
は、枠体11に取付けられている箱状の鍋置き台16,17の
カバー13,14で保護されているからである。

発明の効果 以上のように本発明によれば、煮汁をこぼしても、汁
受皿の温度は低くなっているため、煮汁がこげつくこと
はなく、かつ枠体を回動させて容易にふき取ることがで
き、しかも枠体に煮汁がかかっても、鍋置き台は取外せ
るため、水洗いすることができ、さらに枠体の凹凸もな
くなって容易にふき取ることができ、その結果、常に清
潔に保つことができる。

またヒータの端子部を覆うカバーの上面は鍋置き台で
覆われているため、塩分等を含む腐食性の高い煮汁が直
接カバー上に落ちるということもなく、その結果、腐食
のおそれもなくなって安全性を高めることができる。

そしてまた、鍋置き台は枠体の周縁フレームの内側の
側面に設けた穴部に突出部を挿入することにより取付け
ているため、鍋置き台の上に鍋等を置いても、鍋置き台
がカバーから外れて落ちるということはなく、また枠体
を回動させても外れて落ちるということはないもので、
その操作性を高めることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電気コンロにおける枠
体部の分解斜視図、第２図は同電気コンロの斜視図、第
３図は同電気コンロの枠体構成を示す斜視図、第４図は
同枠体の一部拡大斜視図、第５図は従来の電気コンロの
ヒータ取付部の要部断面図である。 2,3,4……ヒータ、６……ロースタ部、７……操作部、
８……天板、９……汁受皿、10……ヒンジ部、11……枠
体、13,14,15……カバー、16,17,18…鍋置き台、16a,17
a……突出部、19……穴部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】中央に開口部を設けた天板と、この天板の
   中央開口部に配設された汁受皿と、この汁受皿の上方に
   位置して配設され、かつヒータを保持した略格子状の枠
   体と、ロースタ部と操作部を組込んだ本体部とを有し、
   前記枠体を天板の内側にヒンジ部により回動自在に枢支
   し、かつヒータの端子部の上方を覆うカバーを枠体に取
   付けるとともに、前記枠体の周縁フレームの内側の側面
   に穴部を設け、さらに前記カバーの上面を覆う鍋置き台
   を、突出部を前記穴部に挿入することにより枠体に着脱
   自在に取付けてなる電気コンロ。