JP2506837Y2 - リッツ線の端末絡縛装置 - Google Patents

リッツ線の端末絡縛装置

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JP2506837Y2
JP2506837Y2 JP10744991U JP10744991U JP2506837Y2 JP 2506837 Y2 JP2506837 Y2 JP 2506837Y2 JP 10744991 U JP10744991 U JP 10744991U JP 10744991 U JP10744991 U JP 10744991U JP 2506837 Y2 JP2506837 Y2 JP 2506837Y2
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井 一 男 石
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、絶縁した細い数本の
素線を一束として捩ったリッツ線の端末側がばらけない
よう縛るリッツ線の端末絡縛装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気電子の発達が目覚しく、応用
範囲も多様化されてきた。それに伴い、それらの電気機
器に供用されるコイルも多様化されてきた。そして、用
途に応じてボビンに巻く線材として絶縁した細い数本の
素線を一束として捩ったリッツ線も使用されるようにな
った。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記のように、リッツ
線は、絶縁した細い数本の素線を一束として捩っている
ために、非常に解れ易い。特に、巻き始めの時は、ボビ
ンの端子ピンに絡げて巻線作業に移れるので問題ない
が、巻き終って端子ピンに絡げた時等は、図10で示す
ように端子部がばらけ易く絡げた状態を維持することが
難しい。したがって、図9で示すようにボビン41のタ
ボ44に掛けてリッツ線43を端子ピン42に縛る必要
があるが、その作業が熟練を要し、自動巻線機の生産性
を阻害していた。
【0004】この考案は、上記のような点に鑑みてなさ
れたもので、線材をボビンに巻き終わった時に、その端
末部を強く捩ると共に、図9で示すようにボビンの端子
ピンに絡げて縛ることができるリッツ線の端末絡縛装置
の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案においては、自動巻線機に装着されたボビ
ン(41)に植設された端子ピン(42)へ遊嵌脱する
切欠き(35a)が形成された捨て棒(35)と、軸方
向に対して直角方向に立設された該捨て棒(35)を先
端部に有する回転体(34)と、該回転体(34)に回
転を与える回転手段(D)と、該回転手段(D)を介し
て前記回転体(34)が取り付けられたフレーム(2
1)と、該フレーム(21)を前記ボビン(41)に対
して上下方向に移動させる垂直移動手段(C)と、該垂
直移動手段(C)を介して前記フレーム(21)が取り
付けられたフレーム(11)と、該フレーム(11)を
前記ボビン(41)に対して前後方向に移動させる前後
移動手段(B)と、該前後移動手段(B)を介して前記
フレーム(11)が取り付けられたフレーム(1)と、
該フレーム(1)を前記ボビン(41)に対して左右方
向に移動させる水平移動手段(A)と、前記リッツ線
(43)が挿通し前記捨て棒(35)に前記リッツ線
(43)を半巻回させる移動自在な前記ノズル(51)
と、より構成され、前記水平移動手段(A),前後移動
手段(B)および前記垂直移動手段(C)は前記捨て棒
(35)を前記ボビン(41)に近接させ、前記回転手
段(D)は前記リッツ線(43)を半巻回された前記捨
て棒(35)を半回転させて前記リッツ線(43)を縛
り状態にし、前記前後移動手段(B)は前記リッツ線
(43)が縛り状態で巻回された前記捨て棒(35)を
前記切欠き(35a)で前記端子ピン(42)に遊嵌さ
せ、前記ノズル(51)は下降により前記縛り状態のリ
ッツ線(43)を前記捨て捨て棒(35)から前記端子
ピン(42)に受け渡すこと、を特徴とするものであ
る。また、回転手段(D)はラック(31)とピニオン
(32)を使用したことを特徴とするものである。ま
た、垂直移動手段(C)はスクリュ−シャフト(25)
を使用したことを特徴とするものである。また、前後移
動手段(B)はスクリュ−シャフト(15)を使用した
ことを特徴とするものである。また、水平移動手段
(A)はスクリュ−シャフト(5)を使用したことを特
徴とするものである。
【0006】
【作用】実施例において、先ず、巻き始めの絡げは、図
2で示す通り従来と同様にボビン41の端子ピン42に
絡げた後で、巻終作業に移るため縛ることができる。そ
して、図3に示すように巻線作業が終了した後で、巻き
終わったリッツ線43をタボ44にフッキングする前
に、ボビン41を回転させることによりリッツ線43の
捩りを強くする。
【0007】そこで、リッツ線43をタボ44にフッキ
ング後に、図4で示すように捨て棒35にリッツ線43
を捨て絡げする。この時、端末絡縛装置Rは、水平移動
手段A,前後移動手段B,垂直移動手段Cにより自動巻
線機のボビン41側に近接している。次に、回転手段D
の駆動モータを始動し、ラック31を左右動させること
により図5で示すように捨て棒35を180度反転さ
せ、リッツ線43の端末部が縛れるようにする。
【0008】更に、前後移動手段Bの減速機付モータ1
6を正転させ垂直移動手段Cのフレーム21を前進さ
せ、図6で示すように捨て棒35の切欠き35aがボビ
ン41の端子ピン42を遊嵌できる上方に位置させる。
次いで、図7で示すようにノズル51でリッツ線43を
抑えながら、垂直移動手段Cで捨て棒35を上昇させ
る。すると、図6で示すようにリッツ線43の巻き上り
側端末は、ボビン41の端子ピン42に縛られた状態と
なる。
【0009】
【実施例】以下、この考案に係るリッツ線の端末絡縛装
置の実施の1例について、図面を参照して詳細に説明す
る。図1は、この考案に係るリッツ線の端末絡縛装置の
実施の1例を示す概略斜視図である。図1において、リ
ッツ線の端末絡縛装置Rは、左右に動く水平移動手段A
と、前後に動く前後移動手段Bと、上下に動く垂直移動
手段Cおよび回転手段Dとを備えている。
【0010】水平移動手段Aは、前後移動手段Bを載設
した左右動用のフレーム1と、フレーム1の下面両側に
固着した摺動板2,2と、摺動板2,2を摺動自在に嵌
合する軌台3,3と、フレーム1の下面中央に垂設した
ブラケット4と、ブラケット4に螺合したスクリューシ
ャフト5と、減速機付モータ6および駆動プーリ7、エ
ンドレスベルト8、従動プーリ9等からなる駆動伝達機
構から構成されている。
【0011】そして、正逆回転する減速機付モータ6の
回転が駆動プーリ7、駆動プーリ7と従動プーリ9間に
張装されたエンドレスベルト8、従動プーリ9を介して
スクリューシャフト5に伝達される。そのスクリューシ
ャフト5に螺合されたブラケット4が左右に移動し、ブ
ラケット4を一体的に固着したフレーム1が左右に移動
する。この時、フレーム1は、下面に固着した摺動板
2,2が固定された軌台3,3によって水平に移動す
る。
【0012】水平移動手段Aのフレーム1に載設された
前後移動手段Bは、フレーム1の上面に平行状態で載置
固定された軌台13,13と、軌台13,13に摺動自
在な状態で嵌合された摺動板12,12と、摺動板1
2,12に載設された前後移動用のフレーム11と、フ
レーム11に螺合したスクリューシャフト15と、フレ
ーム1に載設された減速機付モータ16および駆動プー
リ17、エンドレスベルト18、従動プーリ19等から
なる駆動伝達機構から構成されている。
【0013】そして、水平移動手段Aと同様に正逆回転
する減速機付モータ16の回転が、減速機付モータ16
に直結された駆動プーリ17、駆動プーリ17と従動プ
ーリ19間に張装されたエンドレスベルト18、従動プ
ーリ19を介してスクリューシャフト15に伝達され
る。そのスクリューシャフト15に螺合したフレーム1
1が前後に移動する。この時、フレーム11は、下側に
固着した摺動板12,12がフレーム1上に載置固定さ
れた軌台13,13に案内されてフレーム1に対して直
交した状態で前後に移動する。
【0014】垂直移動手段Cは、前後移動手段Bのフレ
ーム11の前面に平行状態で対設された軌台23,23
と、軌台23,23に上下摺動自在な状態で嵌合された
摺動板22,22と、図示しない減速機付モータおよび
駆動プーリ、エンドレスベルト、従動プーリ等からなる
駆動伝達機構と、スクリューシャフト25、スクリュー
シャフト25に螺合したブラケット24およびフレーム
21から構成されている。
【0015】そして、水平移動手段A、前後移動手段B
と同様に正逆回転する減速機付モータの回転が、駆動プ
ーリ、エンドレスベルト、従動プーリを介してスクリュ
ーシャフト25に伝達される。そのスクリューシャフト
25に螺合したブラケット24を昇降させ、ブラケット
24と一体的なフレーム21を昇降させる。すなわち、
フレーム21は、後面に固着した摺動板22,22がフ
レーム11に固着された軌台23,23に案内されフレ
ーム11に対して垂直に移動する。
【0016】回転手段Dは、垂直移動手段Cのフレーム
21の上部に設置されたもので、フレーム21に摺動自
在に配設されたラック31と、ラック31と噛合いフレ
ーム21に軸支された数個(図1では5個図示)のピニ
オン32と、フレーム21に固着したピニオン32と対
応した軸受33と、ピニオン32と連結され軸受33に
軸承された回転体34と、回転体34の先端に植設され
た捨て棒35とから構成されている。
【0017】上記の回転体34は、ピニオン32の軸3
2aと一体的なもので、フレーム21を貫通し軸受33
に軸承される部分が断面円形の軸部(図示しない)であ
り、軸受33から突出した部分が板状となっている。ま
た、捨て棒35は、後述のボビン41の端子ピン42に
外嵌装遊挿する切欠き35aが欠切されている。この捨
て棒35は、水平移動手段A、前後移動手段B、垂直移
動手段Cおよび回転手段Dによって、ボビン41に対し
て水平移動、前進後退、昇降および回転できるよう構成
されている。36は、ラック駆動部材である。
【0018】このような構成からなるリッツ線の端末絡
縛装置は、自動巻線機に設置され、ボビンに線材を巻装
した後で、リッツ線の端末を次のような手段で行う。先
ず、巻き始めの絡げは、図2で示す通り従来のと同様に
ボビン41の端子ピン42に絡げた後で、巻終作業に移
るため縛ることができる。そして、図3に示すように巻
線作業が終了した後で、巻き終わったリッツ線43をタ
ボ44にフッキングする前に、ボビン41を回転させる
ことによりリッツ線43の捩りを強くする。
【0019】そこで、リッツ線43をタボ44にフッキ
ング後に、図4で示すように捨て棒35にリッツ線43
を捨て絡げする。この時、端末絡縛装置は、水平移動手
段A、前後移動手段B、垂直移動手段Cにより自動巻線
機のボビン41側に近接している。
【0020】次に、回転手段Dのラック駆動部材36を
始動し、ラック31を左右動させることにより図5で示
すように捨て棒35を180度回転させ、リッツ線43
の端末が縛れるようにする。更に、前後移動手段Bの減
速機付モータ16を正転させ垂直移動手段Cのフレーム
21を前進させ、図6で示すように捨て棒35の切欠き
35aがボビン41の端子ピン42を遊嵌できる位置に
セットして、捨て棒35は横にスライドさせ切欠き35
aより、端子ピン42を内部に入れることができる。次
いで、図7で示すようにノズル51で、リッツ線を抑え
ながら、図8で示すように垂直移動手段Cで捨て棒35
を上昇させ、その後前後移動手段Bによりフレーム21
を後退させて捨て棒35を端子ピン42より引き離す。
すると、図9で示したようにリッツ線の巻き上がり端末
側は、ボビン41の端子ピン42に縛られた状態とな
る。
【0021】
【考案の効果】以上のように、この考案に係るリッツ線
の端末絡縛装置は、ボビンの端子ピンを遊嵌できる切欠
きのある捨て棒が水平移動手段、前後移動手段、垂直移
動手段及び回転手段によって、ボビンの端子ピンに対し
て水平移動、前進後退、昇降及び回転できるように構成
されている。上記のような構成によって、自動巻線機で
ボビンにリッツ線を巻き上げた端末を、ボビンのピンに
自動的に絡げ縛ることができる。また、捨て棒の切欠き
により捨て棒を端子ピンに横方向から入れることができ
るので、リッツ線に上下方向の撓みを持たす必要が無く
なり、絡げ縛り後のリッツ線の緩みを防止できる。これ
によって、自動巻線機でリッツ線使用のコイルの生産効
率が著しく向上ししかも品質の良いコイルができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係るリッツ線の端末絡縛装置の実施
の1例を示す概略斜視図である。
【図2】巻き始めの絡げる状態を示す部分斜視図であ
る。
【図3】ボビンにリッツ線を巻き終わった状態を示す斜
視図である。
【図4】ボビンのタボにフッキングして捨て棒に捨て絡
げした状態を示す工程斜視図である。
【図5】図4の状態から捨て棒を180度反転させリッ
ツ線が縛れる状態を示す工程斜視図である。
【図6】捨て棒を端子ピンに外嵌した状態を示す工程斜
視図である。
【図7】捨て棒に絡げたリッツ線をノズルで下に落し端
子ピンへ移行させた状態を示す工程斜視図である。
【図8】捨て棒が離脱し端子ピンへの絡げた状態を示す
工程斜視図である。
【図9】リッツ線をボビンの端子ピンに絡げ縛った状態
を示す斜視図である。
【図10】リッツ線がばらけた状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
A 水平移動手段 B 前後移動手段 C 垂直移動手段 D 回転手段 1,11,21 フレーム 2,12,22 摺動板 3,13,23 軌台 4,24 ブラケット 5,15,25 スクリューシャフト 6,16 減速機付モータ 7,17 駆動プーリ 8,18 エンドレスベルト 9,19 従動プーリ 31 ラック 32 ピニオン 33 軸受 34 回転体 35 捨て棒 36 ラック駆動部材 41 ボビン 42 端子ピン 43 リッツ線 44 タボ 51 ノズル

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動巻線機に装着されたボビン(41)
    に植設された端子ピン(42)へ遊嵌脱する切欠き(3
    5a)が形成された捨て棒(35)と、 軸方向に対して直角方向に立設された該捨て棒(35)
    を先端部に有する回転体(34)と、 該回転体(34)に回転を与える回転手段(D)と、 該回転手段(D)を介して前記回転体(34)が取り付
    けられたフレーム(21)と、 該フレーム(21)を前記ボビン(41)に対して上下
    方向に移動させる垂直移動手段(C)と、 該垂直移動手段(C)を介して前記フレーム(21)が
    取り付けられたフレーム(11)と、 該フレーム(11)を前記ボビン(41)に対して前後
    方向に移動させる前後移動手段(B)と、 該前後移動手段(B)を介して前記フレーム(11)が
    取り付けられたフレーム(1)と、 該フレーム(1)を前記ボビン(41)に対して左右方
    向に移動させる水平移動手段(A)と、 前記リッツ線(43)が挿通し前記捨て棒(35)に前
    記リッツ線(43)を半巻回させる移動自在な前記ノズ
    ル(51)と、より構成され、 前記水平移動手段(A),前後移動手段(B)および前
    記垂直移動手段(C)は前記捨て棒(35)を前記ボビ
    ン(41)に近接させ、 前記回転手段(D)は前記リッツ線(43)を半巻回さ
    れた前記捨て棒(35)を半回転させて前記リッツ線
    (43)を縛り状態にし、 前記前後移動手段(B)は前記リッツ線(43)が縛り
    状態で巻回された前記捨て棒(35)を前記切欠き(3
    5a)で前記端子ピン(42)に遊嵌させ、 前記ノズル(51)は下降により前記縛り状態のリッツ
    線(43)を前記捨て捨て棒(35)から前記端子ピン
    (42)に受け渡すこと、 を特徴とするリッツ線端末絡縛装置。
  2. 【請求項2】 回転手段(D)はラック(31)とピニ
    オン(32)を使用したことを特徴とする請求項1記載
    のリッツ線端末絡縛装置。
  3. 【請求項3】 垂直移動手段(C)はスクリュ−シャフ
    ト(25)を使用したことを特徴とする請求項1記載の
    リッツ線端末絡縛装置。
  4. 【請求項4】 前後移動手段(B)はスクリュ−シャフ
    ト(15)を使用したことを特徴とする請求項1記載の
    リッツ線端末絡縛装置。
  5. 【請求項5】 水平移動手段(A)はスクリュ−シャフ
    ト(5)を使用したことを特徴とする請求項1記載のリ
    ッツ線端末絡縛装置。
JP10744991U 1991-12-26 1991-12-26 リッツ線の端末絡縛装置 Expired - Lifetime JP2506837Y2 (ja)

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JPH0555528U JPH0555528U (ja) 1993-07-23
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