JP2506447B2 - 対遠赤外線偽装用フイルム - Google Patents

対遠赤外線偽装用フイルム

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JP2506447B2
JP2506447B2 JP1141654A JP14165489A JP2506447B2 JP 2506447 B2 JP2506447 B2 JP 2506447B2 JP 1141654 A JP1141654 A JP 1141654A JP 14165489 A JP14165489 A JP 14165489A JP 2506447 B2 JP2506447 B2 JP 2506447B2
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敏裕 浜田
一郎 花森
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、対遠赤外線偽装に用いられるフイルムに関
するものである。
〈従来の技術〉 近年の各種防衛技術の進歩と共に探知、偵察技術の進
歩にはめざましいものがあり、従来の可視光、近赤外
線、紫外線、レーダー波等を利用する方式に加え、遠赤
外線による方式が注目を集めている。特にこの方式は、
従来方式と異なり、探知・偵察対照物自らが発する遠赤
外線(一般には熱線と称されている)をキヤツチ映像化
するものであることより、日中・夜間を問わず探知・偵
察が可能であり、また遠赤外線が長波長であるため、
霧、煙等に影響されにくい特長を有し、軍事対象物、例
えば戦車、飛行機等に対する偵察方式として極めて好ま
しい手段であると一般に言われている。
探知・偵察技術とそれを隠蔽する偽装技術は関連があ
り、新しい探知・偵察手段が登場するとそれを偽装する
手段が強く求められる。
現在・遠赤外線探知・偵察より軍事対象物を有効に偽
装する手段としては、種々の方法が提案されており、一
般的な方法としては、断熱性に優れた比較的厚い不織
布、あるいは遠赤外線放射性が低いアルミ箔等を利用し
た偽装シートが知られているが、戦車等を短時間に該シ
ートで覆い偽装する操作性において該断熱布は問題があ
り、またアルミ箔等においては軽量で操作性には問題は
ないものの、他の偵察手段、例えば目視(可視光)手段
に対し、輝くため、好ましくない結果を与えている。
〈発明が解決しようとする課題〉 以上の如く、遠赤外線に対し、有効かつ操作性に優れ
る偽装手段が強く求められているが、現状は、これらを
満足し、かつ他の探知・偵察手段に対し悪影響を及ぼさ
ない有用な偽装材料が見出されていない。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、反射や断熱の方式ではなく、散乱と吸収に
よつて対遠赤外線偽装性能を得ようとするもので、具体
的には、平均深さまたは高さ1ミクロン以上の凹部また
は凸部から形成された畝構造を表面に有し、かつ該畝構
造の断面形状が曲線状である遠赤外線吸収性合成樹脂フ
ィルムからなり、遠赤外線の直進透過率の平均値が20%
以下であることを特徴とする対遠赤外線偽装用フィルム
である。
合成樹脂フイルムの表面に凹部または凸部(以下凹凸
部と略す)を形成させるとフイルムを通過する熱線はラ
ンダムな方向に向けられる。これによつて直進する遠赤
外線量は減少することとなる。したがつて直接感じる熱
さを緩和させようとするものである。
物体から発した遠赤外線は、遠赤外線を窮する合成樹
脂フイルムに一部または大部分吸収され、その一部は熱
に変わりフイルムの温度を高め、みずから遠赤外線を発
する。また一部はフイルムを通過しようとする。これら
の再放射や通過する遠赤外線を表面の凹凸部でランダム
な方向に散乱させる。遠赤外線もプリズム効果で凹凸に
より屈折する。再放射する遠赤外線も物体の垂直方向に
もつとも強く放射するので、表面が凹凸部を有している
ことによつて、遠赤外線の直進を防害する。
フイルムの表面に凹凸部を形成する方法としてはいく
つかある。よく知られている梨地のエンボス等でも有効
である。凹凸部として細い畝を作る方法を用いるとより
有効である。特に隣り合う畝の間隔を0.5mm未満とする
ことによつて、直進透過率を大きく減少させることがで
きる。梨地であろうが細い畝であろうがその凹部の深さ
または凸部の高さは1μ以上である事が必要で、それ以
下では鏡面として作用し、遠赤外線を散乱させるには不
十分である。畝の幅も凹部の深さまたは凸部の高さと関
係するが、0.5mm以上であると散乱効果が不充分とな
る。ここで畝の形状は結果的に散乱効果が充分で遠赤外
線の直進透過率が素材による吸収・反射等と合せて15%
以下になればよいのであつて、特に制約するものではな
いが、その凹凸部の断面は半円等の曲線により少なくと
もその一部が形成されていなければならない。断面の一
部に直線部分が存在していてもある程度の散乱効果は得
られるが、曲線部分が多いほど優れた効果が得られる。
またその畝は一方向でも多方向でもあるいはあたかも模
様のごとく形成されていてもよい。
この様な合成樹脂フイルムに凹凸部を形成する方法と
しては、フイルム形成後に凹凸部を有する熱ロールに圧
着したり、レーザー、プラズマのエネルギーを利用した
り等の後加工的な方法、押出し成型する時のノズルの形
状をたとえばノコギリ歯状にする方法が挙げられる。
合成樹脂フイルムの素材としては、有機化合物であれ
ば、いずれも程度の差はあるが遠赤外線を吸収する性能
を有する。その中でもポリビニルアルコール系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が特にすぐ
れている。
遠赤外線の吸収能は当然フイルムが厚くなれば増加す
る。したがつて表面に凹凸部を形成する前の吸収率が50
%以上である材料とする事によつて遠赤外線のエネルギ
ーの半分以上を熱に換え空気中に放熱させると、散乱だ
けではなく、両者の効果によつて遠赤外線バリアー効果
を高めることができる。遠赤外線の吸収を助けるものと
して遠赤外線の吸収剤としてたとえば無機・有機顔料や
各種セラミツク材料を樹脂中に添加することも有効であ
る。また表面にアルミ蒸着することやアルミ箔を混入し
たりすることは、可視光による探知を著しく招かない限
り、行なうことができる。
本発明のフイルムは、そのままの状態で、あるいはテ
ープ状にカツトして製編織することによつてシートの状
態とし、これをフイルムと同じ使い方をしても良く、又
このフイルムにさらに穴を開けたり、他のバリアー材と
の複合体としても使用される。
なお本発明で言う遠赤外線の直進透過率、吸収率、凹
凸の平均深さまたは高さは以下のように測定される。
遠赤外線の平均直進透過率 公知の赤外線分光光度計を使用し、赤外線の波長8〜
13μmの長波長域の遠赤外線の透過率を記録紙上に描か
せ、透過部分の積分面積値Aを100%透過時の面積値B
で除したものである。
直線透過率とあえて定義したのは、通常の赤外線分光
光度計では、鏡面の透明なフイルムを使つて測定する。
この場合には赤外線はほとんど直進するので問題ない
が、フイルムの表面が凹凸部を有していると散乱によつ
て直進しなくなると共に材料の吸収によつて透過が減少
する作用と散乱によつて減少する作用が混合されてしま
う。公知の赤外分光光度計は、構造上直進して来る赤外
線を主に測定している事になつている。すなわち直進透
過率とは通常の赤外分光光度計で常法で測定される透過
率のことである。
測定に際してはサンプル部分のバラツキを防ぐために
n=5以上測定し平均値とする。遠赤外線の平均吸収率
は表面平滑なフイルムを赤外分光光度計で測り、8〜13
μ波長領域での平均吸収率である。散乱がなければ平均
吸収率は100%より平均透過率を差引いた値である。
凹凸部の平均深さまたは高さ フイルムの表面に一見して凸部のみしか存在しない場
合であつても隣り合う凸部の間には必ず凹部が存在して
おり、逆に隣り合う凹部との間には必ず凸部が存在して
いることとなる。本発明で言う凹部の深さおよび凸部の
高さとは、隣り合う凹凸の凸部の頂点と凹部の底点との
間の高度差を意味しており、したがつて凹部の深さと凸
部の高さは同じことを意味していることとなる。具体的
な測定方法としては、凹凸部の断面の多数個(通常はn
>10)について光学顕微鏡、走査型顕微鏡等により、凹
部と凸部間のクリアランスを測定し、その平均クリアラ
ンスをミクロン単位で示す。
実施例1 ポリビニルアルコールの濃厚水溶液より歯型状のスリ
ツトノズルより通常の乾式押出法によりフイルム成形
し、これを後熱延伸し、第1図の様な畝構造を有する畝
幅30μの畝を形成する谷部の厚さ25μm、峰部の厚さ50
μmの表裏とも細い畝を有するフイルムを作製した。そ
のフイルムの8〜13μ波長の赤外線透過曲線は第2図の
通りであつた。この図より明らかなように8〜13μmの
波長領域の遠赤外線の透過率は2%であつた(散乱でな
い鏡面ポリビニルアルコールフイルムでは7%となり、
散乱により約1/3になる)。このフイルムの遠赤外線バ
リアー性能を測定するために100℃の発熱体にこのフイ
ルムを被覆し、デシラボ社製のサーモビユアー装置で観
察したところ36℃(室温20℃)に測定され、大幅な温度
低下が観察され、対遠赤外線偽装フイルムとして優れた
ものであることが判つた。この事は高熱の物体の近くで
も、あたかも高熱体が存在しない様に感じられる事を意
味しており、遠赤外線探知機により探知されにくいこと
を意味している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明フイルムの一例の斜視図であり、第2
図は、実施例1のフイルムの赤外線透過曲線、第3図は
表面が鏡面の厚さ50μのポリビニルアルコールフイルム
の赤外線透過曲線である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均深さまたは高さ1ミクロン以上の凹部
    または凸部から形成された畝構造を表面に有し、かつ該
    畝構造の断面形状が曲線状である遠赤外線吸収性合成樹
    脂フィルムからなり、遠赤外線の直進透過率の平均値が
    20%以下であることを特徴とする対遠赤外線偽装用フィ
    ルム。
JP1141654A 1989-06-02 1989-06-02 対遠赤外線偽装用フイルム Expired - Lifetime JP2506447B2 (ja)

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