JP2505627B2 - プロクタ―ゼa遺伝子 - Google Patents

プロクタ―ゼa遺伝子

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JP2505627B2 JP2189362A JP18936290A JP2505627B2 JP 2505627 B2 JP2505627 B2 JP 2505627B2 JP 2189362 A JP2189362 A JP 2189362A JP 18936290 A JP18936290 A JP 18936290A JP 2505627 B2 JP2505627 B2 JP 2505627B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアスペルギルス・ニガー由来のプロクターゼ
Aをコードする遺伝子、該遺伝子を含有するベクター、
及びこのベクターにより形質転換された宿主を用いる前
記ポリペプチドの製造方法に関する。
(従来の技術及び発明が解決すべき課題) プロクターゼは蛋白を加水分解する酵素として、消炎
酵素製剤、消化酵素製剤等の成分に使用されているが、
アスペルギルス・ニガー株が生産するプロクターゼは主
にプロクターゼA及びプロクターゼB成分より構成され
ており、各々を単一酵素として、単離・精製し、その構
造を決定した報告はまだない。
又、近年組換えDNA技術の発達により遺伝子が単離さ
れ、その遺伝子を宿主細胞に導入する事により、目的の
酵素を量産する技術も可能となり、商業上関心のある酵
素の遺伝子組換えによる生産も検討・実施されている。
プロクターゼAは、従来知られている通常の酸性プロ
クターゼ中の、アスパラギン酸型プロテアーゼとは性質
を異にした、新規なプロチアーゼである(特公昭43−44
36)。アスペルギルス・ニガー株の染色体中に存在する
プロクターゼAの構造遺伝子をクローニングし、プロク
ターゼAをコードするDNA塩基配列を決定し、かかるDNA
配列を含む組換え体DNAを含む宿主細胞中で該プロテア
ーゼを生産させることは工業上重要な課題である。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、Aspergillus niger var.macrosporus
が生産する酸性プロテアーゼに着目し、その中で、従来
知られているアスパラギン酸プロテアーゼとは性質を異
にするプロクターゼAについて該プロテアーゼを容易に
生産する方法を見出だすべく鋭意研究を進めた結果、該
プロテアーゼをコードする遺伝子をクローニングし、宿
主中で発現させることに成功し、本発明を完成するに至
った。従って、本発明は、酸性プロテアーゼ活性を有す
るプロクターゼAをコードする遺伝子;該遺伝子を含む
ベクター;および該ベクターにより形質転換された宿主
を培養し、この培養物から酸性プロテアーゼ活性を有す
るプロクターゼAを採取する事を特徴とするプロクター
ゼAの製造方法を提供しようとするものである。
本発明の方法により生産される酸性プロテアーゼ活性
を有するプロクターゼAは、Aspergillusniger var.mac
rosporus DBD−0406により生産され、本発明の遺伝子
は、この株から得ることができる。この菌株は、工業技
術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第2737号(ATCC
No.16513)として寄託されている。
本酵素は、ペプスタチン非感受性の酸性プロテアーゼ
であり、タンパク質分解能を有しているが、アミノ酸の
放出はほとどないので、エンド型のプロテアーゼと考え
られる。
アスペルギルス・ニガー株からクローン化されたプロ
クターゼA酵素の遺伝子の塩基配列及びそれから推定さ
れるプロクターゼAのアミノ酸配列を第1図に示す。上
列はクローン化された遺伝子の全塩基配列であり、この
うち、614位のヌクレオチドから1462位のヌクレオチド
により282個のアミノ酸(下列)から成るポリペプチド
がコードされている。この部分の塩基配列はcDNAでも全
く等しく、イントロンは含まれていない。
このアミノ酸配列のN−末端には1位のMetから59位
のAsnまでのシグナル配列及びプロ配列を含み、また99
位から109位までの11アミノ酸残基の挿入がある。活性
酵素は60位から98位までの39残基よりなるポリペプチ
ド、及び110位から282位までの173残基よりなるポリペ
プチドを有する。
以下に、本発明の内容を段階を追って説明する。
a.プロクターゼAの特異的DNAプローブの作製 プロクターゼAの遺伝子あるいはcDNAをDNAプローブ
を用いてクローニングするためにアミノ酸配列の情報が
必要であり、発明者等のグループにより決定されたアミ
ノ酸配列を元にしたが、その手順と結果を以下に述べ
る。精製プロクターゼAを還元・アミノエチル化または
還元・ピリジルエチル化し、リシルエンドペプチター
ゼ、トリプシン、キモトリプシン、V8プロテアーゼ等に
より分解し、生成ペプチドをゲル濾過及び液体クロマト
グラフィーにより分離し、構造分析を行い、全アミノ酸
配列をEdman法を用いたアプライド・バイオシステム(A
BI)社のペプチド・シークエンサーにより決定した。こ
れらの結果、第2図に示すように、プロクターゼAは軽
鎖(39残基)及び重鎖(173残基)の2本鎖からなる総
残基数212の蛋白質であり、また、ジスルフィド結合
は、重鎖Cys45−Cys69、Cys57−Cys140にかかってい
た。また、重鎖のN末端はピログルタミン酸であった。
DNAプローブは、特異的な塩基配列が長い程スクリー
ニングの確実性が増すので、プロクターゼA産生菌の全
DNAを鋳型にしたポリメラーゼ・チェイン・リアクショ
ン(PCR)法により数百塩基対の特異的配列をもったDNA
を増幅して用いた。PCR法は両端の塩基配列がわかって
いれば、その間の配列が未知であってもそのDNAを得る
ことができるという利点がある。本発明の場合、全塩基
配列が未知であったが、アミノ酸配列から予想される塩
基配列の縮重の数が少ない領域を2箇所選んで、可能な
塩基配列をすべて含むオリゴヌクレオチドの混合物を合
成しPCRのプライマーとして用いた。すなわち、重鎖の
N端41位から46位のアミノ酸配列は、Trp−Tyr−Glu−T
rp−Tyr−Proであるが、これからプロリンのコドンの3
文字目を除けば、このアミノ酸配列に相当する17塩基の
配列が8通り予想できる。また、重鎖の149位から154位
のアミノ酸配列Met−Asp−Ile−Glu−Gln−Aspからは、
154位のアスパラギン酸のコドンの3文字目を除けば、1
7塩基の配列が24通り予想される。この2箇所をプライ
マーとしてPCRを行えば、イントロンが存在しなければ3
41塩基対のDNAがプロクターゼAの遺伝子を鋳型にして
増幅されるはずである。そこでN端側のプライマーとし
ては重鎖41〜46位のコーディング・ストランドの配列
を、C端側のプライマーは149〜154位のアンチストラン
ドの配列をそれぞれ可能な配列をすべて混合物として合
成して用いた。C端側のプライマーは24通り予想できる
が、混合物の中の特異的プライマーの濃度を高くするた
めに、12通りずつの2つのプールに分けて合成し、PCR
に供した。
プロクターゼA産生菌アスペルギルス・ニガー・ヴァ
ール・マクロスポルス(Aspergillus niger var.macros
porus DBD−0406(ATCC No.16513))の全DNAを鋳型に
してPCRを行ったところ、プライマー1とプライマー3
(実施例1参照)の組合せで約350塩基対のDNAが増幅さ
れることが、アガロース・ゲルを用いた電気泳動により
確認された。ゲルからDNAのバンドを切り出し、抽出後
32P標識してプローブとして用いた。
b.DNAブロッティング アスペルギルス・ニガーより得た全DNAを制限酵素Eco
RI、BamHIで切断し、上記のプローブを用いてサザンハ
イブリダイゼーション法(Southern hybridization法)
[ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.
Mol.Biol.)、98巻、503〜517(1975)]によりハイブ
リダイズさせた。その結果、ハイブリダイズするDNA断
片(EcoRI 10kb断片、BamHI 3kb断片、EcoRI+BamHI 3k
b断片)を得た。
c.遺伝子ライブラリーの作製 上記bの結果から、プロクターゼA遺伝子は3kbのBam
H I断片にコードされていると考えられるので、BamH I
消化した全DNAをショ糖密度勾配遠心により分画し、2
〜4kbを含む断片をとり、T4DNAポリメラーゼにより平滑
末端化し、EcoR Iアダプターを連結後、λgt10のEcoR I
部位に挿入した。このDNAをファージ蛋白質でパッケー
ジングし、遺伝子ライブラリーを作成した。
d.プロクターゼAの遺伝子クローニング 上記で得られたファージを大腸菌に感染させてλ寒天
培地にまき、37℃で培養後、生じたプラークをアマシャ
ム(Amersham)ナイロンメンブランへ移し、アルカリで
DNAを変性させ、トリス塩酸バッファー(pH7)で中和処
理を行った後、前記のプローブとハイブリダイゼーショ
ンさせた。ハイブリダイゼーションは6倍濃度のSSC
(0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、
アマシャム(Amersham)ハイブリダイゼーション・バッ
ファー及びDNAプローブ約5×105cpm/mlを用いて65℃、
2時間行った。この後、6倍のSSC(0.1%SDSを含む)
を用いて65℃で30分、つづいて2倍濃度のSSCで2回、
1倍のSSCで1回洗浄した。さらにSDSを含まない2倍の
SSCで軽く洗浄した後、風乾し、オートラジオグラフィ
ー(−80℃、一夜)に供した。その結果、約4万個のク
ローンから9個のハイブリダイゼーション陽性のプラー
クが得られた。このプラークをとり、同様にして2次ス
クリーニングを行い、クローン化した。
e.塩基配列の決定 上記dで得られたクローンのうち1個について、ファ
ージのDNAを調製し、制限酵素EcoRIで消化してM13mp18
ベクターのEcoRI部位に挿入してサブクローニングを行
った。大腸菌JM103により、2本鎖プラスミドDNAを調製
し、挿入したDNAについてExo IIIヌクレアーゼを用いて
種々の長さの欠失変異体を作成し、ABI社のDNAシークエ
ンサーを用いて、塩基配列を決定した。その結果、得ら
れたクローンは2714塩基対を含み、第1図に示すように
849塩基のオープン・リーディング・フレーム(Open re
ading frame)を有していた。プロクターゼAの2本の
ポリペプチド鎖のアミノ酸配列はすべて一残基の相違も
なく、この遺伝子にコードされていた。また、N末端に
は59残基のシグナルペプチド及びプロ配列が存在し、軽
鎖と重鎖の間に11残基の挿入のあることが見られた。
又、イントロンの存在を確認する目的で、遺伝子の塩
基配列をもとにN端とC端のオリゴヌクレオチド・プラ
イマーを合成し、PCR法によりcDNAの全塩基配列を得
た。プロクターゼ産生菌アスペルギルス・ニガーから得
たメッセンジャーRNAより逆転写酵素によりcDNAを合成
し、これをPCRの鋳型として用いた。PCRにより増幅され
たDNAをM13ベクターに挿入してDNA塩基配列を決定し
た。その結果、遺伝子の配列はすべてcDNAに転写されて
いて、イントロンを含まないことを確認した。
f.大腸菌による発現 上記のようにして得られたプロクターゼAの遺伝子
を、大腸菌中で発現できる事を以下の様に確認した。ア
スペルギルス・ニガーのcDNAを鋳型にしてPCR法により
プロクターゼA前駆体(1−282番目のアミノ酸)及び
(16−282番目のアミノ酸)をコードする塩基配列をそ
れぞれ増幅し、前者は発現ベクターpKK233−2(クロー
ンテック社,Clontech)に挿入して組換えプラスミドpMP
−1とし、後者は分泌型のシグナル・ペプチドを持つ発
現ベクターpKT287(クローンテック社・Clontech)に挿
入して組換えプラスミドpMP−2とした。プロクターゼ
A前駆体(1−282)をコードする塩基配列のDNAの増幅
には、増幅後ベクターのNco I/Hind III部位に挿入する
ために、Bsp I部位を有するセンス・プライマーとHind
III部位を持つアンチセンス・プライマーを用いた。
又、プロクターゼA前駆体(16−282)をコードする塩
基配列のDNAの増幅には、センス、アンチセンスともにP
st I部位を有するプライマーを用い、ベクターのPst I
部位に挿入した。このようにして作製した発現プラスミ
ッドを形質転換した大腸菌を培養後、溶菌してSDS電気
泳動、ウエスタン・ブロッティングを行った。その結
果、上記のいずれの発現プラスミッドを用いた場合もプ
ロクターゼAタンパク質が大腸菌により製造される事
を、精製プロクターゼAを抗原としてマウスより調製し
た抗血清を用いて確認した。
更に本発明の説明を実施例により詳細に行うが、本発
明は実施例によって制限を受けるものではない。
実施例1 DNAプライマーの合成 プロクターゼAの重鎖のアミノ酸配列をもとにオリゴ
ヌクレオチド(17mer)を合成した。すなわち、重鎖の
N端から41位から46位の配列Trp−Tyr−Glu−Trp−Tyr
−Proから予想される塩基配列8通りの混合物、T−G
−G−T−A−T/C−G−A−A/G−T−G−G−T−A
−T/C−C−C(プライマー1)、及び、149位から154
位の配列Met−Asp−Ile−Glu−Gln−Aspから予想される
アンチ・ストランドの塩基配列24通りを2つにわけた12
通りずつの混合物、T−C−T/C−T−G−T/C−T−C
−A/G/T−A−T−A−T−C−C−A−T(プライマ
ー2)とT−C−T/C−T−G−T/C−T−C−A/G/T−
A−T−G−T−C−C−A−T(プライマー3)を合
成した。オリゴヌクレオチドの合成はABI社製のDNAシン
セサイザー(Synthesizer)モデル381Aを用いて行い、
合成DNAの精製法は、文献「続生化学実験講座I,遺伝子
研究法I,pl−33,1986」によった。
実施例2 アスペルギルス・ニガー(Aspergillus nige
r)から全DNAの抽出 Aspergillus niger var.macrosporusDBD−0406の核の
DNAは以下のごとく調製した。上記株を24時間培養して2
4gの菌体を採集し、液体窒素中で凍結した後、液体窒素
中でポリトロン処理し、粉末を得た。これを、60mlの緩
衝液(50mMEDTA,0.2%SDS,1μ/mlDEPC)に懸濁し、68
℃で15分間加熱した後、室温迄冷却する。混合物を10,0
00rpmで10分間遠心し、上清を70ml得る。上清を0℃、
4.4mlの8M酢酸カリ(pH8.0)を加え、1時間0℃で放置
した後25,000rpm,15分間遠心し、上清を分離する。この
上清に70mlのイソプロピルアルコールを加え、遠心して
ペレットを得、エタノールで1回洗浄した後、ペレット
を10mlの緩衝液(50mM EDTA,0.2%SDS,最終濃度300μg/
mlのプロナーゼK)に懸濁し、37℃で6時間放置した
後、2回フェノール洗浄し、エタノール沈澱した後、TE
S−Lに透析して23.08A260/mlを3.5ml,計4mgのDNAを得
た。
実施例3 ポリメラーゼ・チェイン・リアクション法に
よる特異的DNAプローブの増幅 合成オリゴヌクレオチド混合物をプライマーに用い、
アスペルギルス・ニガーより得たDNAを鋳型としてポリ
メラーゼ・チェイン・リアクション(PCR)を行った。P
CRは、宝酒造のGeneAmpTMDNA Amplification Reagent K
itを用いた。鋳型DNAは100ng/ml、プライマー混合物は
各10μM、94℃(1分)、55℃(2分)、72℃(3分)
を35サイクルの条件で行った。その結果、プライマー1
とプライマー3の組合せから約350塩基対のDNAを得たの
で、これをアガロース・ゲルを用いた電気泳動にり単離
し、32P標識してプローブとした。標識にはアマシャム
(Amersham)のMultiprimeTMDNA labelling system及び
[α−32P]dCTPを用いた。
実施例4 DNAブロッティング アスペルギルス・ニガーより得たDNAを1μgずつそ
れぞれ制限酵素EcoR I、BamH I、EcoR I+BamH Iで切断
し、アガロース・ゲルで電気泳動後、アマシャム(Amer
sham)ナイロン・メンブランに転移し、UV照射した後、
上記のプローブを用いてサザンハイブリダイゼーション
(Southern hybridization法)[ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)、98巻、503
〜517(1975)]を行った。ハイブリダイゼーション
は、6倍濃度のSSC(0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナト
リウム、pH7.0)、0.1%牛血清アルブミン、0.1%フィ
コール、0.1%ポリビニルピロリドン、0.5%SDS、10%
デキストラン硫酸、0.1mg/mlサケ精子DNAの溶液中42℃
で一晩行った。洗浄は65℃で、2倍濃度のSSC(0.1%SD
S)で15分及び30分、0.5倍のSSC(0.1%SDS)で30分行
い、SDSを含まない2倍のSSCですすぎ、風乾後、オート
ラジオグラフィーを行った。その結果、ハイブリダイズ
するDNA断片(EcoRI 10kb断片、BamH I 3kb断片、EcoR
I+BamH I 3kb断片)を得た。
実施例5 アスペルギルス・ニガー(Aspergillus nige
r)の遺伝子ライブラリーの作成 アスペルギルス・ニガーのDNA300μgをBamH Iで消化
し、断片をショ糖密度勾配遠心により分画し、2〜4kb
の断片を得た。このDNA断片1μgを宝酒造のDNAブラン
ティング・キットを用いて、T4DNAポリメラーゼにより
平滑末端化し、フェノール処理後エタノール沈澱した。
このDNA断片にEcoR Iアダプターを連結後、λgt10のEco
R I部位に挿入した。このDNAをアマシャム社のパッケー
ジング・キットを用いてファージ粒子にパッケージング
し、遺伝子ライブラリーを作成した。
実施例6 プロクターゼAの遺伝子クローニング 上記で得られたファージを大腸菌に感染させてL−寒
天培地にまき、37℃で培養後、生じたプラークをアマシ
ャム(Amersham)ナイロンメンブランへ移し、0.5M NaO
H、1.5M NaClでDNAを変性させ、0.5Mトリス塩酸バッフ
ァー(pH7)、1.5M NaClで中和処理を行った後、前記の
プローブとハイブリダイゼーションさせた。ハイブリダ
イゼーションは6倍濃度のSSC(0.15M NaCl、0.015Mク
エン酸ナトリウム、pH7.0)、アマシャム(Amersham)
ハイブリダイゼーション・バッファー及びDNAプローブ
約5×105cpm/mlを用いて65℃、2時間行った。この
後、6倍のSSC(0.1% SDSを含む)を用いて65℃で30
分、つづいて2倍濃度のSSCで2回、1倍のSSCで1回洗
浄した。さらにSDSを含まない2倍のSSCで軽く洗浄した
後、風乾し、オートラジオグラフィー(−80℃、一夜)
に供した。その結果、約4万個のクローンから9個のハ
イブリダイゼーション陽性のプラークが得られた。この
プラークをとり、同様にして2次スクリーニングを行
い、クローン化した。
実施例7 塩基配列の決定 実施例6で得られたクローンのうち1個について、L
−寒天培地で培養、溶菌後、ファージをSMバッファーで
抽出した。4mlのファージSMライセートにSMバッファー
中20%ポリエチレングリコール、2M塩化ナトリウムを含
む液を4ml加え、氷上で1時間インキュベートした。遠
心して上清を取り除き、沈澱を0.75mlのL−ブロスに懸
濁し、L−ブロスに懸濁したDE52を0.75ml加え混和した
後、遠心して上清をとった。上清に13μの0.1mg/mlプ
ロティナーゼKと32μの10%SDSを加え、室温で5分
間放置した。130μの3M酢酸カリウムを加え、88℃、2
0分間インキュベートし、さらに氷上で10分間冷却し
た。遠心後上清をイソプロパノール沈澱してファージの
DNAを得た。DNAを制限酵素EcoRIで消化し、M13mp18ベク
ターのEcoR I部位に挿入し、大腸菌JM103に挿入し、2
本鎖プラスミドDNAを常法に従って調製した。挿入したD
NAについてExo IIIヌクレアーゼを用いて種々の欠失変
異体を作成し、JM103を用いてM13の1本鎖DNAを調製
し、ABI社のDNAシークエンサーを用いて、塩基配列を決
定した。Exo IIIによる欠失には宝酒造のキロシークエ
ンス・キットを用いた。
実施例8 cDNAのクローニング、塩基配列の決定 遺伝子の塩基配列をもとにN端とC端のオリゴヌクレ
オチド・プライマーを合成し、実施例2と同様にしてPC
R法によりcDNAの増幅を行った。プロクターゼ産生菌ア
スペルギルス・ニガーから得たメッセンジャーRNAより
逆転写酵素によりcDNAを合成し、これをPCRの鋳型とし
て用いた。PCRにより増幅されたDNAをM13のSma I部位に
挿入して、実施例7と同様にしてDNA塩基配列を決定し
た。その結果、遺伝子の配列はcDNAと全く一致してお
り、イントロンを含まないことを確認した。
実施例9 プロクターゼAのオリクローナル抗体の作製 単離・精製したプロクターゼA100μgを1mlの生理食
塩水に溶解し、アジュバンドとして、半井社製のフロイ
ント完全アジュバンドを使用した。又、マウスは静動協
のBalb/c雄マウス5匹を用いた。マウス1匹当り、プロ
クターゼA10μg(0.1ml)及びアジュバント0.1mlを混
合して、oil in water状にして、Balb/cマウスの腹腔に
投与する。感作は、1週間ごとに計4回行い、4回目の
感作から1週間後に勁動脈より採血し、シャーレ上室温
で2時間放置する。上清を遠心管に入れ、2500rpm、10
分間遠心し、その上清をプロクターゼAの抗血清とす
る。
実施例10 発現プラスミドの構築 アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のcDN
Aを鋳型に、センス・プライマーC−T−C−T−G−
T−C−A−T−G−A−A−G−T−T−C−T−C
−T−A−C−C−A−T−C−C−T−T、アンチセ
ンス・プライマーC−T−C−T−C−A−A−G−C
−T−T−A−T−T−A−G−A−C−G−T−A−
G−G−T−G−A−C−A−G−T−G−A−C−G
−C−Tを用いて、実施例3と同様にしてPCRを行なっ
た。アガロース・ゲル電気泳動後、約0.8kbのDNAを単離
し、BspH I及びHind III消化後、pKK233−2ベクター
(クローンテック社、Clontech)のNco I,Hind III部位
に挿入し、プロクターゼA前駆体(1−282)の発現プ
ラスミドを構築した。また、センス・プライマーC−T
−C−T−G−C−T−G−C−A−G−C−T−C−
T−G−G−C−T−G−C−T−C−C−T−C−T
−C−A−C−T、アンチセンス・プライマーC−T−
C−T−C−C−T−G−C−A−G−C−T−A−T
−T−A−G−A−C−G−T−A−G−G−T−G−
A−C−A−G−T−G−A−C−G−C−Tを用いて
PCRを行い、同様にDNAを単離し、Pst I消化後、pKT287
ベクター(クローンテック社、Clontech)のPst I部位
に挿入し、プロクターゼA前駆体(16−282)の分泌型
発現プラスミドを作製した。第3図、第4図。
実施例11 大腸菌によるプロクターゼA前駆体の発現 実施例10で作製したプラスミドにより形質転換した大
腸菌HB101を50μgアンビシリンを含むM9CA培地で37℃
で1.5時間培養し、IPTG(終濃度0.1mM)加えてさらに7
時間培養した。集菌後、2%SDS/0.125Mトリスー塩酸
(pH6.8)/0.2%メルカプトエタノール/10%グリセロー
ル/0.1%ブロムフェノールブルー溶液に懸濁して5分間
煮沸して溶菌し、SDS−電気泳動後、ウェスタンプロテ
ィングを行い、実施例9で作製したプロクターゼAの抗
体と特異的に反応するプロクターゼA前駆体の生成を確
認した。
(発明の効果) 本発明により産業上有用なプロクターゼAの量産化が
可能となる。
【図面の簡単な説明】 第1図:アスペルギルス・ニガー株からクローン化され
たプロクターゼA酵素の遺伝子の塩基配列及びそれから
推定されるプロクターゼAのアミノ酸配列を示す。 第2図:活性を示すプロクターゼAのアミノ酸配列を示
す。 第3図:本発明のプラスミドpMP−1の構築方法を示
す。 第4図:本発明のプラスミドpMP−2の構築方法を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) C12R 1:685)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 で表されるアミノ酸配列をコードする遺伝子。
  2. 【請求項2】請求項(1)に記載のアミノ酸配列中60位
    から98位迄の39残基より成るペプチド、及び110位から2
    82位迄の173残基より成るペプチドから構成されるポリ
    ペプチドからなる で表されるアミノ酸配列をコードする遺伝子。
  3. 【請求項3】 の塩基配列で表される遺伝子
  4. 【請求項4】 の塩基配列で表される遺伝子。
  5. 【請求項5】請求項(1)〜(4)のいずれか1項に記
    載の遺伝子を含むベクター
  6. 【請求項6】請求項(5)に記載のプラスミドにより形
    質転換された宿主を培養し、この培養物から酸性プロテ
    アーゼ活性を有するポリペプチドを採取することを特徴
    とする、該ポリペプチドの製造方法。
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AGRIC.BIOL.CHEM=1987 *

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