JP2002501378A - ヒト腫瘍関連Kazalインヒビタ - Google Patents

ヒト腫瘍関連Kazalインヒビタ

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Abstract

(57)【要約】 本発明はヒト腫瘍関連Kazalインヒビタ(HuKI)及びHuKIを同定及びコードするポリヌクレオチドを提供する。また本発明は発現ベクタ、宿主細胞、抗体及びアンタゴニストも提供する。また本発明はHuKIの発現に関連する疾患の予防及び治療のための方法並びに診断検定法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト腫瘍関連Kazalインヒビタ 技術分野 本発明は新規のヒド腫瘍関連Kazalインヒビタの核酸配列及びアミノ酸配 列に、また炎症及び癌を含む消化器系の障害の診断、予防及び治療におけるこれ らの配列の使用法に関連する。 背景技術 Kazalインヒビタは、全ての脊椎動物に存在すると考えられる膵臓分泌ト リプシンインヒビタ(PSTI)に類似の配列を有するセリンプロテアーゼイン ヒビタ(serpins)である。Kazal型インヒビタのいくつかの例としては、 ブタの腸から単離されたアクロシンートリプシンインヒビタ(ATI)及びPE C−60(N−末端Glu及びC−末端Cysを有するペプチド)などがある。 PSTIは膵臓腺房細胞から膵液に分泌される。その生理学的役割は、膵臓及 び膵管内の酵素のトリプシンにより触媒された早発活性の予防と考えられる。ま たPSTIは血清及び種々の通常並びに悪性組織内に見いだされるため、PST Iはさらに別の役割を有する場合がある。Horii,A等は、ヒト(1987;Biochem.B iophys.Res.Commun.149:635-641)及びラット(1989;Biochem.Biophys.Res.C ommun.162:151-159)に由来するPSTI遺伝子をクローニングし、特徴付けた 。ラット及びヒトPSTIのいずれも23アミノ酸シグナル配列を有する79ア ミノ酸からなる前駆タンパク質と翻訳された。PSTIは6システイン残基を含 み、そのうち4つはKazalインヒビタコンセンサス配列モチーフCys39−(X7 )−Cys46−(X6)−Tyr53−(X3)−Cys58−(X2)−Cys67に含まれ ている。 腫瘍関連トリプシンインヒビタ(TATI)は、PSTIと同じであり、いく つかの腫瘍及び細胞株により合成される。TATIは最初に卵巣癌の患者の尿に おいて検出された(Stenman,U.H.等(1982)Int.J.Cancer 30:53-57;Huhtala, M.L.等(1982)J.Biol.Chem.257:13713-13716)。またTATIは消化管の粘膜 においても生成され、それは粘膜細胞にタンパク分解性の崩壊が生じるのを防ぐ ことができる。血清及び尿内のTATIレベルの上昇は特に、粘膜性卵巣癌と共 に生じ、非悪性疾患、例えば膵炎、重症感染症及び組織破壊において生じる場合 もある(Stenman,U.H.等(1991)Scand.J.Clin.Lab.Invest.51(suppl.(207 ):5-9)。 Kazal型インヒビタのアミノ酸配列の分析により他のserpinsと類似のい くつかの領域が示されるが、位置32、39、46、58、61及び75(ヒト PSTI前駆配列番号)において著しく保存的なシステイン残基がそれらのグル ープの結合を固定し、いくつかのアライメントに糖タンパクホルモン、絨毛性ゴ ナドトロビン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン及び甲状腺刺激ホルモンの βサブユニットを与える。Kazal型インヒビタついて報告済みの活性部位P 1−P’はヒトPSTI前駆体の位置41及び42における残基内に存在し、そ れがインヒビタの特異性の原因となる(Liepinsh,E.等(1994)J.Mol.Biol.23 9:137-53;Fink,E等(1990)FEBS Lett.270:222-4)。 PSTI相同体PEC−60の前駆体は長さ86アミノ酸であり、26アミノ 酸シグナル配列を有する。PEC−60はPSTIに約41%類似性を有する分 泌されたタンパク質であるが、トリプシンを抑制しないばかりでなく、基底血漿 インスリンレベルに影響を与えない。PEC−60の既知の役割はインスリンの グリコースにより誘導された分泌のin vivo抑制及びサイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)形成の用 量依存性還元によるcAMPの調節である。高レベルのPEC−60は骨髄及び 末梢血において記録されており、その中間レベルは脾臓において記録されている 。ラジオイムノアッセイの結果は、ブタPEC−60が単球から形成され、貯蔵 され、分泌されることを示す。高レベルのPEC−60はカテコールアミン神経 細胞において免疫活性であることが知られている(Laazik,J.及びR.Sillard( 1993)Biochem.Biophys.Res.Commun.197:849-52:Metsis,M.等(1992)J.Biol.Che m.267:19829-32;Ahren,B.等(1992)Pancreas7:443-6)。 PEC−60は尾状核におけるドーパミン利用を減少させることが知られてお り、それはPEC−60が中枢神経系の活性及び疾患においてある役割を有する ことを示唆する(Laasik、上記)。PEC−60にアミノ酸配列類似性を有する Kazal型インヒビタは最近、ラット胆汁/膵液において同定され、コレシス トキニンの遊離を刺激することが知られている(Agerberth,B.等(1989)Proc.Nat .Acad.Sci.86:8590-4)。ATIは精巣において合成され、いくつかの種の精液 から分離されており、糖タンパク質ホルモンの影響を調節する際にある役割を有 している。Kazal型インヒビタとβサブユニットとの間に配列類似性の領域 を与える場合、抑制は生殖組織における糖タンパク質ホルモン受容体を遮断する ことに依存する(Perry,A.C.等(1993)Biochim.Biophys.Acta1172:159-60;Fin k等、上記)。PSTIは、炎症性サイトカインに応じて肝臓及び膵臓のような 内臓において発現される。発現は肝臓、心臓、胃或いは結腸癌を患う患者に由来 する組織内において報告されたが、それはクローン病、慢性肝炎及び肝硬変にも 関連している(Ohmachi,Y.等(1994)J.Hepatol.21:1012-6,Int.J.Pancreatol.15 :65-73;Halme,L.等(1993)Scand.J.Clin.Lab.Invest.53:359-66)。同様に、卵巣 癌に おいて検出された腫瘍関連トリプシンインヒビタのレベルは癌の程度或いは段階 に対するマーカとして機能する(Medl,M.(1995)Br.J.Cancer 71:1051-4;Pectasid es,D.(1994)Am.J.Clin.Oncol.17:307-12)。 新規のヒトKazal型インヒビタ及びそのインヒビタをコードするポリヌク レオチドの発見は、炎症及び癌を含む消化器系の疾患を診断及び治療する際に有 用な新規の組成物を提供することができ、当分野の必要性を満たすものである。 発明の開示 本発明は、以降HuKIと呼ばれ、ラット及びヒトからのPSTI前駆体に類 似性を有するものと特徴付けられる新規のヒト腫瘍関連Kazalインヒビタを 特徴とする。 それゆえ本発明は、配列番号:1に示されるアミノ酸配列を有する実質的に精 製されたHuKIを特徴とする。 本発明の一態様は、HuKIをコードする単離され、実質的に精製されたポリ ヌクレオチドを特徴とする。ある特定の態様では、そのポリヌクレオチドは配列 番号:2のヌクレオチド配列である。 また本発明は配列番号:2の補体或いはその変異体を含むポリヌクレオチド配 列に関連する。さらに本発明は厳密性条件下で配列番号:2にハイブリダイズす るポリヌクレオチド配列を特徴とする。 さらに本発明はHuKIをコードするポリヌクレオチドのフラグメント、相補 性或いはアンチセンス配列をコードする核酸配列並びにHuKIをコードするポ リヌクレオチドを含む発現ベクタ及び宿主細胞を特徴とする。また本発明はHu KIに特異に結合する抗体及び実質的に精製されたHuKIを含む医薬品組成物 を特徴とする。また本発明はHuKIのアンタゴニストも特徴とする。また本発 明はHuKIを精製するた めの方法及びHuKIをコードするポリヌクレオチドを検出するための方法を特 徴とする。また本発明はHuKIを投与することによりプロテアーゼが媒介する 組織破壊を治療するための方法及びHuKIのアンタゴニストを投与することに より細胞増殖に関連する疾患を治療するための方法を特徴とする。 図面の簡単な説明 第1図はHuKIのアミノ酸配列(配列番号:1)及び核酸配列(配列番号: 2)を示す。そのアライメントはMacDNASIS PROTMsoftware(Hitachi Software E ngineering Co.,Ltd.,San Bruno,CA)を用いて生成された。 第2図は、HuKI(配列番号:1)、ラットPSTI前駆体(GI 206469、配列 番号:3)及びヒトPSTI前駆体(GI 190688、配列番号:4)の間のアミノ酸 配列アライメントを示す。そのアライメントはDNASTARTMsoftware(DNASTAR Inc, Madison WI)のマルチシーケンスアライメントプログラムを用いて生成された。 第3A図及び第3B図はそれぞれHuKI、すなわち配列番号:1及びラット PSTI前駆体、すなわち配列番号:3に対する疎水性プロット(MacDNASIS PR O software)を示す。正方向X軸はアミノ酸位置を表し、負方向Y軸は疎水性を 表す。 発明を実施するための形態 本タンパク質、ヌクレオチド配列並びに方法を記載する前に、本発明は記載さ れる特定の方法、プロトコル、細胞株、ベクタ並びに薬剤に限定されず、変更さ れる場合もあることを理解されたい。また本明細書で用いられる専門用語は、特 定の実施例を記載することのみを目的として おり、本発明の範囲を制限することを意図するわけではなく、本発明は添付の請 求の範囲によってのみ限定されることを理解されたい。 本明細書で用いられるように、添付の請求の範囲では、単数形の冠詞並びに「 その(前記)」は、文脈において異なるように明確に規定されない限り、複数の 指示物を含むことに注意されたい。従って例えば、「ある宿主細胞」が示すもの は、複数のそのような宿主細胞を含んでおり、「その抗体」は当業者には既知の 1つ或いはそれ以上の抗体及びその等価物を示しており、他も同様である。 異なるように規定されなければ、本明細書で用いられる科学技術用語は、本発 明が属する分野の当業者に通常理解されているのと同じ意味である。本明細書で 記載される内容と類似或いは等価な任意の方法、装置並びに材料が本発明の検証 に際して用いられてもよいが、好適な方法、装置並びに材料は本明細書中に記載 される。本明細書に記載される全ての発行物は、本発明に関連して用いられる場 合がある発行物において報告される細胞株、ベクタ、方法論を記載及び開示する ために、参照して本明細書の一部としている。本明細書に記載される内容は、本 発明が、先行発明によるそのような開示に先行して権利を有さないことを容認す るものと解釈されるべきではない。定義 ここで用いる「核酸配列」はオリゴヌクレオチド、ヌクレオチド或いはポリヌ クレオチド並びにそのフラグメント或いは部分、さらには一本鎖或いは二本鎖の 場合があるゲノム或いは合成起源のDNA或いはRNAのことであり、センス鎖 或いはアンチセンス鎖を表す。同様にここで用いるアミノ酸は、自然発生或いは 合成分子からなるオリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、或いはタンパク質 配列及びそのフラグメント 或いは部分のことである。 「アミノ酸配列」は自然発生タンパク質分子のアミノ酸配列を示すものとして 表されるが、「ポリペプチド」或いは「タンパク質」のような「アミノ酸配列」 等の用語は、示されるタンパク質分子に関連する完全な自然アミノ酸配列にその アミノ酸配列を限定することを意味しない。 ここで用いる「ペプチド核酸」は、リジンのようなアミノ酸残基及びアミノ基 が加えられているオリゴマを含む分子のことである。これらの小さな分子は、抗 遺伝因子(anti-gene agent)とも呼ばれ、核酸の相補鎖に結合することにより 転写伸長を停止する(Nielsen PE等(1993)Anticancer Drug Des 8:53-63)。 ここで用いるHuKIは自然、合成、半合成或いは組換え体の何れかの任意の ソースからの任意の種、特にウシ、ヒツジ、ブタ、ネズミ、ウマ及び好適にはヒ トを含む哺乳類から得られる実質的に精製されたHuKIのアミノ酸配列である 。 ここで用いる「コンセンサス」は、核酸配列のうち、不要な塩基を分解するた めに再配列されているもの、或いは5’或いは3’方向にXL-PCR(Perkin Elmer, Norwalk,CT)を用いて伸展され、再配列されているもの、或いはGELVIEW Fragmen t Assembly System.(GCG,Madison WI)を用いて2つ以上のインサイト社クロー ンの重複配列から構築されているもの、或いは伸展及び構築のいずれもが施され ているもののことである。 ここで用いるHuKIの「変異体」は、1つ或いはそれ以上のアミノ酸により 変更されるアミノ酸配列のことである。変異体は「保存的に」変化する場合があ り、その場合置換されたアミノ酸は、例えばロイシンをイソロイシンに置き換え る場合のように、類似の構造的及び化学的特性を有する。さらにまれにではある が、変異体は、グリシンをトリプト ファンに置き換える場合のように「非保存的に」変化する場合がある。また類似 の少数変異体は、アミノ酸欠失或いは挿入、またはその両方を含む場合もある。 生物学的及び免疫学的活性を無くすことなくアミノ酸残基が置換、挿入或いは欠 失されるかを確定する際の指標は、当業者に周知のコンピュータプログラム、例 えばDNAStar softwareを用いて見出すことができる。 ここで用いる「欠失」は、1つ或いはそれ以上のアミノ酸或いはヌクレオチド 残基がそれぞれ欠如するアミノ酸配列或いはヌクレオチド配列いずれかにおける 変化のことである。 ここで用いる「挿入」或いは「付加」は、自然発生分子に比べて、1つ或いは それ以上のヌクレオチド残基或いはアミノ酸残基がそれぞれ加わるヌクレオチド 配列或いはアミノ酸配列における変化のことである。 ここで用いる「置換」は、1つ或いはそれ以上のヌクレオチド或いはアミノ酸 が、それぞれ異なるヌクレオチド或いはアミノ酸に置き換えられることである。 ここで用いる用語「生物学的活性」は、自然発生分子の構造的、調節的或いは 生化学的機能を有するタンパク質のことである。同様に「免疫学的活性」は自然 、組換え体或いは合成HuKI、又はその任意のオリゴペプチドが、適当な動物 或いは細胞において特異な免疫反応を誘発し、かつ特異な抗体と結合する能力の ことである。 ここで用いる用語「アゴニスト」は、HuKIに結合される際に、HuKIの 量を増加するか、或いは活性の期間を延長する分子のことである。アゴニストは タンパク質、核酸、炭水化物或いはHuKIに結合する任意の他の分子を含む場 合がある。 ここで用いる「アンタゴニスト」は、HuKIに結合される際に、HuKIの 生物学的或いは免疫学的活性を減少させる分子のことである。 アンタゴニストはタンパク質、核酸、炭水化物或いはHuKIに結合する任意の 他の分子を含む場合がある。 ここで用いる用語「調節」は、HuKIの生物学的活性の変化或いは変更のこ とである。調節はタンパク質活性の増減、結合特性の変化、或いはHuKIの生 物学的、機能的或いは免疫学的特性の任意の他の変化である。 ここで用いる「擬態」は、その構造がHuKI或いはその一部の構造の知識か ら発生し、Kazalインヒビタ様分子の作用のいくつか或いは全てに影響を与 えることができる分子のことである。 ここで用いる用語「誘導体」は、HuKIをコードする核酸配列或いはそのコ ードされたHuKIの化学修飾体のことである。そのような修飾の例示は、水素 をアルキル基、アシル基或いはアミノ基に置換することである。核酸誘導体は、 自然分子の本質的な生物学的特性を保持するポリペプチドをコードするであろう 。 ここで用いる用語「実質的に精製された」は、自然環境から除去されるか、単 離されるか或いは分離された核酸配列或いはアミノ酸配列のことであり、それら は自然に関連する他の組成物から少なくとも60%、好適には75%、最も好適 には90%取り除かれている。 ここで用いる「増幅」は、核酸配列の付加的な複製の生成のことであり、一般 に、当分野において周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて実行さ れる(Dieffenbach,C.W.and G.S.Dveksler(1995)PCR Primer ,a Lavoratgry Man ual ,Cold Spring Harbor Press,Plainview,NY)。 ここで用いる用語「ハイブリダイゼーション」は、核酸の鎖が塩基対を介して 相補鎖と結合する任意のプロセスのことである。 ここで用いる用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、相補性のG とC塩基との間に、並びに相補性のAとT塩基との間に水素結合を形成すること により2つの核酸配列間に形成される複合体のことである。これらの水素結合は 、塩基スタッキング相互作用によりさらに安定化する場合もある。2つの相補性 核酸配列は、逆平行形状において水素結合する。ハイブリダイゼーション複合体 は、溶液(例えばC0t或いはR0t分析)内に、又は溶液中に存在する核酸配列と 固形支持体(例えば、in situハイブリダイゼーションの場合に細胞が固定されて いる膜、フィルタ、チップ、ピン、或いはスライドガラス)上に固定化される別 の核酸配列との間に形成されることができる。 ここで用いる「相補」或いは「相補性」は、塩基対による許容塩類及び温度条 件下でのポリヌクレオチドの自然結合のことである。例えば、配列「A−G−T 」の場合、相補性配列「T−C−A」に結合する。2つの一本鎖分子間の相補性 は、核酸のあるものだけが結合する「部分的」であるか、或いは全相補性が一本 鎖分子間に存在する場合には完全である場合もある。核酸鎖間の相補性の度合い は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率及び強度に著しく影響する。これ は核酸鎖間の結合に依存する増幅反応において重要である。 ここで用いられる用語「相同性」は相補性の度合いのことである。部分的相同 性或いは完全相同性(すなわち同一)がある。部分的相同性配列は、同一配列が 標的核酸にハイブリダイズするのを少なくとも部分的に抑制する配列である。こ の場合に実用的な用語「実質的に相同性の」を用いることが好ましい。完全に相 補性の配列の標的配列へのハイブリダイゼーションの抑制は、低い厳密性の条件 下でハイブリダイゼーション検定法を用いて検査されることができる(サザンブ ロット或いはノーザンブロット、溶液ハイブリダイゼーション等)。実質的に相 同性の配列或いはプローブは、低い厳密性の条件下で完全に相同性の配列及びプ ローブの標的配列への結合と競合し、それを抑制するであろう。低い厳密性の条 件は非特異な結合が許容されるような条件であるということは言うまでもない。 低い厳密性条件は、2つの配列の互いへの結合が特異な(すなわち選択的な)相 互作用であることを必要とする。非特異な結合の欠如は、部分的な度合いの相補 性さえ存在しない(例えば約30%同一性より小さい)第2の標的配列の使用によ り検査される場合もある。非特異な結合が存在しない場合、そのプローブは第2 の非相補性標的配列にハイブリダイズしないであろう。 当分野において知られるように、多くの等価な条件を用いて、低或いは高厳密 性条件のいずれかを構成することができる。その配列の長さ及び性質(DNA、 RNA、塩基組成物)、標的の性質(溶液中或いは固定化状態等で存在するDN A、RNA、塩基組成物)及び塩類及び他の組成物の濃度(例えばホルムアミド 、硫酸デキストラン並びにまたポリエチレングリコールの存在或いは不在)のよ うな要因が考慮され、ハイブリダイゼーション溶液は、上記条件とは異なるが、 等価な低或いは高厳密性の何れかの条件を生成するために変更されることができ る。 ここで用いる「厳密性条件」は、約Tm−5℃(プローブの融解温度Tmより 5℃低い温度)からTmより約20〜25℃低い温度までの範囲において生じる 「厳密性」である。ハイブリダイゼーションの厳密性を変更して、同一或いは関 連するポリヌクレオチド配列を同定或いは検出することができることは当業者に は理解されよう。 ここで用いる用語「アンチセンス」は、特異なDNA或いはRNA配列に相補 性をなすヌクレオチド配列のことである。用語「アンチセンス鎖」は、「センス 」鎖に相補性をなす核酸鎖を示すために用いられる。アンチセンス分子は、相補 鎖が合成できるようにするウイルス性プロモータに対して反対の配向をなす対象 の遺伝子を結合することによる合成 を含む任意の方法により生成されることができる。一度細胞内に導入されれば、 この転写された鎖は、二重鎖を形成するためにその細胞により形成される自然配 列と結合する。その際これらの二重鎖はそれ以上の転写或いは翻訳のいずれかを 阻害する。このようにして突然変異体表現型が生成される場合がある。記号「負 」はアンチセンス鎖を示す際に用いられる場合があり、「正」はセンス鎖を示す 場合に用いられることがある。 ここで用いる用語「部分」は、タンパク質に関して(「所与のタンパク質の一 部」をなすような)そのタンパク質のフラグメントを示す。そのフラグメントは 4アミノ酸残基から、全アミノ酸配列から1アミノ酸を引いたものにまで及ぶ場 合がある。こうして「配列番号:1のアミノ酸配列の少なくとも一部を含む」タ ンパク質は、完全長ヒトHuKI及びそのフラグメントを含む。 ここで用いる「形質転換」は、外来DNAが侵入し、受容体細胞を変化させる プロセスを意味する。それは当分野において周知の種々の方法を用いて自然或い は人工の条件下で生じさせることができる。形質転換は、外来核酸配列を原核或 いは真核宿主細胞に挿入するための任意の既知の方法に基づく場合がある。その 方法は形質転換される宿主細胞に基づいて選択され、限定はしないが、ウイルス 感染、電気穿孔法、リポフェクション並びに粒子照射を含む場合がある。そのよ うに「形質転換された」細胞は、安定に形質転換された細胞を含んでおり、挿入 されたDNAが自動的に複製するプラスミド或いはその宿主染色体の一部の何れ かとして複製されることができる。またその細胞は、限られた期間だけ挿入され たDNA或いはRNAを一時的に発現する細胞も含む。 ここで用いる用語「抗原決定基」は、分子の特定の抗体と接触する部分(すな わちエピトープ)のことである。タンパク質或いはそのフラグ メントを用いて宿主動物を免疫する際、タンパク質の多くの領域が、タンパク質 上の所与の領域或いは三次元構造体に特異に結合する抗体の生成を誘発する場合 がある。これらの領域或いは構造体は抗原決定基と呼ばれる。抗原決定基は、抗 体に結合するために、無傷の抗原(すなわち免疫反応を誘発するために用いられ るイムノゲン)と競合する場合がある。 ここで用いる用語「特異な結合」或いは「特異に結合する」は、抗体及びタン パク質或いはペプチドの相互作用に関して、その相互作用がタンパク質上の特定 の構造体(すなわち抗原決定基或いはエピトープ)の存在に依存するということ を意味する。言い換えると、その抗体は一般のタンパク質とは異なる特異なタン パク質構造体を識別し、かつ結合する。例えば、抗体がエピトープ「A」に対し て特異である場合に、標識された「A」及びその抗体を含む反応におけるエピト ープA(或いは遊離し、標識されないA)を含むタンパク質の存在が、その抗体 に結合される標識されたAの量を低減するであろう。 ここで用いる用語「サンプル」は幅広い意味に用いられる。HuKI或いはそ のフラグメントをコードする核酸を含むと予想される生体サンプルは、細胞、細 胞から分離した染色体(例えば中期染色体のスプレッド)、ゲノムDNA(溶液 中にあるか、或いはサザン分析の場合にように固体支持体に結合されている)、 RNA(溶液中にあるか、或いはノーザン分析の場合のように固体支持体に結合 されている)、cDNA(溶液中にあるか、或いは固体支持体に結合されている) 、細胞或いは組織からの抽出物等を含む。 ここで用いる用語「ポリヌクレオチドの発現と相関をなす」は、ノーザン分析 による配列番号:2に類似のリボ核酸の存在の検出が、サンプル内のHuKIを コードするmRNAの存在を示しており、それにより そのタンパク質をコードするポリヌクレオチドからの転写物の発現と相関をなす ということを示す。 ここで用いる配列番号:2のポリヌクレオチドの「変更」は、欠失、挿入並び にハイブリダイゼーション検定法を用いて検出される場合がある点突然変異を含 む、HuKIをコードするポリヌクレオチドの配列における任意の変更を含む。 本定義には、HuKIをコードするゲノムDNA配列に対する変更の検出(例え ば配列番号:2にハイブリダイズできる制限フラグメント長多形性のパターンに おける変更による)、配列番号:2の選択されたフラグメントがゲノムDNAの サンプルにハイブリダイズできないことの検出(例えばアレル特異性オリゴヌク レオチドプローブを用いる)及びHuKIをコードするポリヌクレオチド配列に 対する通常の染色体位置とは異なる位置へのハイブリダイゼーションのような不 適当な或いは予想外のハイブリダイゼーションの検出(例えば中期染色体スプレ ッドに対して蛍光性in situハイブリダイゼーション[FISH]を用いる)が含 まれる。 ここで用いる用語「抗体」は、エピトープ決定基を結合することができる、F a、F(ab’)2及びFvのような無傷の分子及びそのフラグメントのことで ある。HuKIポリペプチドを結合する抗体は、抗原を免疫するのに応じて、対 象の小さなペプチドを含む無傷のポリペプチド或いはフラグメントを用いて生成 されることができる。動物を免疫するために用いられるポリペプチド或いはペプ チドは、RNAの遷移から引き出されるか或いは化学的に合成され、所望に応じ て担体タンパク質に抱合されることができる。ペプチドに化学的に結合される通 常用いられる担体は、ウシ血清アルブミン及びサイログロブリンを含む。その後 結合されたペプチドを用いて動物(例えばマウス、ラット或いはウサギ)を免疫 する。 ここで用いる用語「ヒト化抗体」は、ヒト抗体により似せるためにアミノ酸が 非抗原結合領域内において置換されているが、その一方で元の結合能力を保持し ている抗体分子のことである。発明 本発明は、新規のヒト腫瘍関連Kazalインヒビタ(HuKI)、HuKI をコードするポリヌクレオチド及び癌及び炎症を含む消化器系の傷害の診断、予 防或いは治療に対するこれらの組成物の使用法に基づくものである。 本発明のヒトHuKIをコードする核酸は、アミノ酸配列アライメントに対す るコンピュータ生成検索を通して観血性2段階腺癌(COLNNOT08)に関 連する結腸組織から作成されたcDNAライブラリからのインサイト社クローン 1843692において最初に同定された。配列番号:2はインサイト社クロー ン1843692(COLNNOT08)の伸展物に由来した。 一実施例では、本発明は第1図に示されるような配列番号:1のアミノ酸配列 を有するポリペプチドを含む。HuKIは長さ85アミノ酸であり、ラットPS TI前駆体(GI 206469、配列番号:3)及びヒトPSTI前駆体(GI 190988、 配列番号:4)と化学的及び構造的相同性を有する。詳細には、HuKIはラッ ト及びヒトからのPSTI前駆体とそれぞれ37%及び34%アミノ酸同一性を 共有する(第2図)。第3A図及び第3B図に示されるように、HuKI及びラ ットPSTIは同様の疎水性プロットを有する。HuKIは6システイン及びK azalセリンプロテアーゼインヒビタ配列モチーフCys45−(X7)−Cys53−(X6) −Tyr60−(X3)-Cys64−(X2)−Cys67を含む。ノーザン分析は、観血性2段階腺癌 と関連する結腸組織におけるHuKIの発現を示す。 また本発明はHuKI変異体を含む。好適なHuKI変異体はHuKIアミノ 酸配列(配列番号:1)に少なくとも80%、より好ましくは90%のアミノ酸 配列同一性を有するものである。最も好ましいHuKI変異体は配列番号:1に 少なくとも95%アミノ酸同一性を有するものである。 また本発明はHuKIをコードするポリヌクレオチドを含む。従ってHuKI のアミノ酸配列をコードする任意の核酸配列を用いて、HuKIを発現する組換 え体分子を生成することができる。ある特定の実施例では、本発明は第1図に示 されるような配列番号:2の核酸配列を有するポリヌクレオチドを含む。 遺伝子コードの縮重の結果として、HuKIをコードする多数のヌクレオチド 配列が生成され、その中には任意の既知の自然発生遺伝子のヌクレオチド配列に 最低限の相同性を示すものもあるということは当業者には明らかであろう。この ように本発明は、可能なコドン選択に基いて組み合わせを選択することにより形 成されるようになるヌクレオチド配列のあらゆる可能な変異体を考慮する。これ らの組み合わせは、自然発生HuKIのヌクレオチド配列に適用されるような標 準的なトリプレット遺伝子コードに従って形成され、全てのそのような変異体が 明確に開示されているものと考慮されたい。 HuKI及びその変異体をコードするヌクレオチド配列は、適当に選択された 厳密性条件下で、自然発生HuKIのヌクレオチド配列にハイブリダイズできる ことが好ましいが、実質的に異なるコドン使用法を有するHuKI或いはその誘 導体をコードするヌクレオチド配列を生成することが有利な場合もある。コドン を選択して、特定のコドンが宿主によって利用される頻度に応じて、ペプチドの 発現が特定の原核或いは真核発現宿主において生じる割合を増加してもよい。コ ードされたアミノ 酸配列を変更することなくHuKI及びその誘導体をコードするヌクレオチド配 列を実質的に変更する他の理由は、より長い半減期といった、自然発生配列から 生成された転写物より望ましい特性を有するRNA転写物を生成することを含む 。 また本発明は、合成化学的に完全に、HuKI及びその誘導体をコードするD NA配列或いはその一部の生成することを含む。生成後、本特許出願の出願時点 で当分野において周知の薬剤を用いて、合成配列が、任意の多くの入手可能なD NAベクタ及び細胞系に挿入されることができる。さらに合成化学的に、HuK I或いは任意のその一部をコードする配列に突然変異を導入することもできる。 また本発明には、種々の厳密性の条件下で請求の範囲に記載されているヌクレ オチド配列、特に配列番号:2に示されるヌクレオチド配列にハイブリダイズす ることができるポリヌクレオチド配列が含まれる。ハイブリダイゼーション条件 は、Wahl,G.M及びS.L.Berger(1987;Methods Enzymol.Vol152:399-407)及びKimme l,A.R.(1987;Methods Enzymol.Vol 152:507-511)に教示されるように、複合体 或いはプローブを結合する核酸の融解温度(Tm)に基づいており、定義された 厳密性において用いられることができる。 本発明により含まれるHuKIをコードする変更核酸配列は、同一或いは機能 的に等価なHuKIをコードするポリヌクレオチドをもたらす種々のヌクレオチ ドの欠失、挿入或いは置換を含む。またコードされたタンパク質は、サイレント 変化を生成し、機能的に等価なHuKIをもたらすアミノ酸残基の欠失、挿入或 いは置換も含む。故意のアミノ酸置換は、HuKIの生物活性が保持される限り 、残基の極性、電荷、可溶性、疎水性、親水性並びにまた両親媒性における類似 性に基づいて行うことができる。例えば、負に帯電したアミノ酸はアスパラギン 酸及びグ ルタミン酸を含み、正に帯電したアミノ酸はリジン及びアルギニンを含み、同様 の親水値を有する帯電していない極性頭基(polar head group)有するアミノ酸 はロイシン、イソロイシン及びバリン、グリシン及びアラニン、アスパラギン及 びグルタミン、セリン及びスレオニン、フェニルアラニン及びチロシンを含む。 HuKIをコードする遺伝子のアレルも本発明の範囲内に含まれる。ここで用 いる「アレル」或いは「アレル配列」は、核酸配列における少なくとも1つの突 然変異から生じる遺伝子の代替形である。アレルは変更されたmRNA或いはポ リペプチドを生じ、その構造或いは機能は変更される場合もあれば、変更されな い場合もある。任意の所与の遺伝子は、1つ或いは多くのアレル形を有する場合 もあれば、全く有さない場合もある。アレルを引き起こす通常の突然変異は一般 に、ヌクレオチドの自然の欠失、付加或いは置換に起因する。これらの種類の変 化はそれぞれ単独で、或いは他との組み合わせにおいて、所与の配列において1 回或いは2回以上生じる場合がある。 当分野において周知で、一般に入手可能なDNA配列決定のための方法が本発 明の任意の実施例を実行するために用いられる。これらの方法はDNA polymerase I,Sequenase(登録商標)(US Biochemical Corp,Cleveland OH))のKlenow frag ment、Taq polymerase(Perkin Elmer)、耐熱性T7 polymerase(Amersham,Chicag o IL)或いはGibco BRL(Gaithersburg MD)により市販されているELONGASE Amplif ication Systemのような組換えポリメラーゼとプルーフリーディングエキソヌク レアーゼの組み合わせのような酵素を利用する。このプロセスはHamilton Micro Lab 2200(Hamilton,Reno NV),Peltier Thermal Cycler(PTC200;MJ Research ,Watertown MA)及びthe ABI 377 DNA sequencers(Perkin Elmer)のような機器 を用いて自動化すること が好ましい。 HuKIをコードする核酸配列は、部分ヌクレオチド配列を利用して、かつプ ロモータ及び調節エレメントのような上流配列を検出するための当分野において 既知の種々の方法を用いて伸展させることができる。例えば、用いられる場合が ある1つの方法、「制限部位」PCRは、汎用プライマを用いて既知の位置に隣 接する未知の配列を回収する(Sarkar.G(1993)PCR Methods Applic 2:318-322) 。詳細には、ゲノムDNAはリンカー配列に対するプライマ及び既知の領域に特 異なプライマの存在時に最初に増幅される。その後増幅された配列は、同じリン カープライマ及び第1のプライマに内在する別の特異なプライマを用いて第2巡 目のPCRにかけられる。各回のPCRの生成物は、適当なRNAポリメラーゼ を用いて転写され、逆転写酵素を用いて配列される。 また逆PCRを利用して、既知領域に基づく多岐プライマを用いて配列を増幅 或いは伸展することもできる(Triglia T等(1988)Nucleic Acids Res 16:8186)。 プライマはOLIGO4.06 Primer Analysis Software(1992;National Biosciences I nc,Plymouth MN)或いは別の適当なプログラムを用いて設計され、長さが22− 30ヌクレオチドになり、50%以上のGC含量を有し、さらに約68−72℃ の温度で標的配列にアニールすることができる。その方法はいくつかの制限酵素 を用いて、遺伝子の既知の領域内に適当なフラグメントを生成する。その後その フラグメントは、分子内連結反応により環状にされ、PCRテンプレートとして 用いられる。 用いられる場合がある別の方法は、ヒトの既知の配列に隣接するDNAフラグ メントと酵母菌人工染色体DNAとをPCR増幅することを伴う捕獲PCR(Lage rstrom M等(1991)PCR Methods Applic 1:111-19)である。この方法では、多数の 制限酵素消化及び連結を用いて、PCR を実行する前に遺伝子操作された二本鎖配列をDNA分子の未知の部分に配置す ることができる。 未知の配列を回収するために用いられることがある別の方法は、Parker JD等( 1991;Nucleic Acids Res 19:3055-60)による方法である。さらにある方法はPC R、入れ子状プライマ及びPromoterFinder(登録商標)libraryを用いて、ゲノ ムDNAに歩行することができる(Clontech,Palo Alto CA)。このプロセスに よりライブラリをスクリーニングする必要がなくなり、イントロン/エクソン接 合部を見つける際に有用である。 完全長cDNAに対してスクリーニングする際に、より長いcDNAを含むよ うに大きさを選択されたライブラリを用いることが好ましい。またランダムに初 回抗原刺激を受けたライブラリも、それらが遺伝子の5’及び上流領域を含むよ り大きな配列を含むという点で好ましい。ランダムに初回抗原刺激を受けたライ ブラリの使用は、オリゴd(T)ライブラリが完全長cDNAを産生しない状況 では特に好ましい。ゲノムライブラリは5’及び3’非転写調節領域に伸展する ために有用な場合がある。 市販の毛細管電気泳動システムを用いて、配列決定或いはPCR生成物の大き さを解析したり、或いはヌクレオチド配列を確認したりすることができる。特に 毛細管配列決定は、電気泳動分離のための流動性ポリマ、レーザにより活性化さ れる(各ヌクレオチドに対して1種類の)4つの異なる蛍光性染料及びCCDカ メラによる放射波長の検出を用いる場合がある。出力/光強度が適当なソフトウ エア(例えばGenotyperTM及びSequence NavigatorTM、Perkin Elmer)を用いて 電気信号に変換され、サンプルの装填からコンピュータ解析及び電子データ表示 までの全プロセスがコンピュータ制御される。毛細管電気泳動法は、特定のサ ンプルの限定された量内に存在する場合があるDNAの小片の配列決定に特に好 ましい。 本発明の別の実施例では、HuKIをコードするポリペプチド或いはそのフラ グメント、または融合タンパク質或いはその機能的等価物が、適当な宿主細胞に おいてHuKIの発現をもたらす組換え体DNA分子に用いられる場合がある。 ゲノムコードの固有の縮重により、概ね同一か或いは機能的に等価なアミノ酸配 列をコードする他のDNA配列が生成され、この配列を用いてHuKIをクロー ニングし、発現することもできる。 非自然発生コドンを有するHuKIをコードするヌクレオチド配列を生成する ことが有利な場合もあることは当業者には理解されよう。例えば、特定の原核或 いは真核宿主により選択されたコドンを選択して、タンパク質発現の割合の増大 したり、或いは自然発生配列から生成される転写物より長い半減期のような所望 の特性を有する組換え体RNA転写物を生成したりすることができる。 本発明のヌクレオチド配列は、限定はしないが、遺伝子生成物のクローニング 、プロセッシング並びにまた発現を修飾する変更を含む種々の理由によりHuK Iをコードする配列を変更するために、当分野において周知の方法を用いて遺伝 子操作されることができる。遺伝子フラグメント及び合成オリゴヌクレオチドの ランダムなフラグメント化及びPCR再構築によるDNA混合を用いて、ヌクレ オチド配列を遺伝子操作することができる。例えば、位置指定突然変異誘発を用 いて、新しい制限部位の挿入、グリコシレーションパターンの変更、コドン優先 度の変更、スプライシング変異体の生成、或いは他の突然変異等を行うこともで きる。 本発明の別の実施例では、HuKIをコードする自然、修飾或いは組 換え体ポリヌクレオチドは、融合タンパク質をコードするために異種配列に結合 されることもできる。例えば、HuKI活性のインヒビタ用のペプチドライブラ リをスクリーニングするために、市販されている抗体により識別されるキメラH uKIタンパク質をコードすることが有用な場合もある。また融合タンパク質は 、HuKIをコードする配列と異種タンパク質配列との間に位置する分割部位を 含むように遺伝子操作されることもでき、それによりHuKIは分割され、概ね 異種部分から離れて精製されるようになる。 本発明の別の実施例では、当分野で周知の化学的方法を用いて、HuKIをコ ードする配列が、全体的に或いは部分的に合成されることができる(Caruthers M H等(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 215-23,HornT等(1980)Nuc Acids Res Symp S er 225-32参照)。別法では、タンパク質自体が、HuKIのアミノ酸配列或いは 一部を合成するために化学的方法を用いて生成される場合がある。例えばペプチ ド合成は種々の固相技術(Roberge JY等(1995)Science 269:202-204)を用いて 実行されることができ、自動合成は、例えばABI 431A Peptide Synthesizer(Per kin Elmer)を製造業者により提供される取扱説明書に従って用いて達成すること ができる。 新たに合成されたペプチドは、調製用高速液体クロマトグラフィにより実質的 に精製されることができる(例えばCreighton(1983)Proteins,Structures and Mo lecular Principles,WH Freeman and Co,New York NY)。合成ペプチドの組成物 は、アミノ酸分析及び配列決定により確認することができる(例えばEdman degr adation procedure;Creighton,上記)。さらにHuKIのアミノ酸配列或いはそ の任意の一部は、直接合成中に変更されるか、並びにまた他のタンパク質或いは その任意の一部からの配列を用いる化学的方法により結合され、変異体ポリペプ チド を生成することもできる。 生物学的活性HuKIを発現するために、HuKIをコードするヌクレオチド 配列或いはその機能的等価物が、適当な発現ベクタ、すなわち挿入されたコード 化配列の転写及び翻訳のために必要なエレメントを含むベクタ内に挿入されても よい。 当業者に周知の方法を用いて、HuKIをコードする配列及び適当な転写或い は翻訳制御エレメントを含む発現ベクタを構成することができる。これらの方法 は、in vitro組換え体DNA技術、合成技術並びにin vivoゲノ ム再組換えを含む。そのような技術はSambrook等(1989)Molecular CloningA L aboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Plainview NY及びAusubel FM等 (1989)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New Y ork NYに記載されている。 種々の発現ベクタ/宿主系を利用して、HuKIをコードする配列を含有し、 発現する場合もある。これらは、限定するわけではないが、組換え体バクテリオ ファージ、プラスミド或いはコスミドDNA発現ベクタと形質転換されたバクテ リア、酵母菌発現ベクタと形質転換された酵母菌、ウイルス発現ベクタで感染し た昆虫細胞系(例えばバキュロウイルス)、ウイルス発現ベクタと形質転換され た植物細胞系(例えば、カリフラワーモザイクウイルスCaMV、タバコモザイ クウイルスTMV)或いはバクテリア発現ベクタと形質転換された植物細胞系( 例えば、Ti或いはpBR322プラスミド)又は動物細胞系のような微生物を 含む。 「制御エレメント」或いは「調節配列」はベクタの非翻訳領域、すなわちエン ハンサ、プロモータ並びに5’及び3’非翻訳領域であり、転写及び翻訳を実行 するために宿主細胞タンパク質と相互作用する。その ようなエレメントは強度及び特異性において異なる場合がある。用いられるベク タ系及び宿主により、構成的及び誘導性プロモータを含む、任意の数の適当な転 写及び翻訳エレメントを用いることができる。例えばバクテリア系においてクロ ーニングする際に、Bluescript(登録商標)ファージミド(Stratagene,LaJolla CA)のハイブリッドlacZプロモータ或いはpSport 1プラスミド(Gibco BRL) 等の誘導性プロモータを用いることができる。バキュロウイルスポリヘドリン( polyhedrin)プロモータは昆虫細胞に用いられる。植物細胞のゲノムに由来する プロモータ或いはエンハンサ(例えば熱ショックRUBISCO及び貯蔵タンパ ク質遺伝子)或いは植物ウイルスに由来するプロモータ或いはエンハンサ(例え ばウイルス性プロモータ或いはリーダ配列)が、ベクタにクローニングされる場 合もある。哺乳動物細胞系では、哺乳動物遺伝子或いは哺乳動物ウイルスに由来 するプロモータが好ましい。HuKIをコードする配列の多数の複製を含む細胞 株を発生させる必要がある場合には、SV40或いはEBV系のベクタを適当な 選択可能マーカと共に用いることができる。 バクテリア系では、いくつかの発現ベクタが、HuKIのための使用に応じて 選択されてもよい。例えば大量のHuKIが抗体を誘導するために必要とされる とき、容易に精製される融合タンパク質を高レベルで発現させるベクタを用いる ことができる。そのようなベクタは、限定するわけではないが、HuKIをコー ドする配列が、アミノ末端Met及び後続のβ−ガラクトシダーゼの7残基に対 する配列の枠内のベクタに結合されることができ、ハイブリッドタンパク質が生 成される、多機能coliクローニング及びBluescript(登録商標)(Strat agene)のような発現ベクタ、並びにpINベクタ(Van Heeke & Schuster(1989)J Biol Chem 264:5503-5509)等を含む。またpGEXベクタ(Promega, Madison WI)を用いて、外来のポリペプチドをグルタチオン-S-トランスフェラー ゼ(GST)を有する融合タンパク質として発現してもよい。一般にそのような融 合タンパク質は可溶性であり、グルタチオン−アガロースビードへの吸収及びそ れに後続する遊離グルタチオンの存在時の溶出により分離した細胞から容易に精 製することができる。そのような系内で形成されるタンパク質はヘパリン、トロ ンビン或いは第XA因子プロテアーゼ分割部位を含むように設計され、対象のク ローニングされたポリペプチドが自由にGST成分から遊離されるようにする。 酵母菌、サッカロミセスセレビジエでは、α因子、アルコールオキシダーゼ 及びPGHのような構成的及び誘導性プロモータを含むいくつかのベクタを用い ることができる。再確認する場合には、Ausubel等(上記)及びGrant等(1987)Meth ods in Enzymology 153:516-544を参照されたい。 植物発現ベクタが用いられる場合には、HuKIをコードする配列の発現は、 いくつかのプロモータの任意のものにより行われる。例えばCaMVの35S及 び19Sプロモータのようなウイルス性プロモータは単独で、或いはTMVから のω−リーダ配列と共に用いることができる(Takamatsu等(1987)EMBO J 6:307- 311)。別法では、RUBISCOの小サブユニットのような植物プロモータ或 いは熱ショックプロモータ(Coruzzi等(1984)EMBO J 3:1671-1680;Broglie等 (1984)Science 224:838-843及びWinter J and Sinibaldi RM(1991)Results Pr obl Cell Differ 17:85-105)を用いる場合もある。これらの構成体は、直接D NA形質転換或いは病原体媒介形質移入により植物細胞内に導入されることがで きる。その技術は一般に入手できるいくつかの概説に記載される(例えば、Hobb s S orMurry LE in McGraw Hill Yearbook of Science and Technology(1992)M cGraw Hill New York NY,pp.191- 196を参照されたい)。 また昆虫系もHuKIを発現するために用いることができる。例えばある系で は、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)をベクタとして用 いて、ヨトウガ細胞或いはイクラサキンウワバ幼虫(Trichoplusia larvae)に おいて外来遺伝子を発現する。HuKIをコードする配列は、ポリヘドリン(po lyhedrin)遺伝子のようなウイルスの非必須領域にクローニングし、ポリヘドリ ンプロモータの制御下に置かれる。HuKIをコードする配列を有効に挿入する ことにより、ポリヘドリン遺伝子は非活性になり、コートタンパク質を欠如する 組換え体ウイルスが生成される。その後組換え体ウイルスを用いて、HuKIが 発現される、例えばヨトウガ細胞或いはイクラサキンウワバ幼虫を感染させる( Engelhard EK等(1994),Proc Nat Acad Sci 91:3224-3227)。 哺乳類宿主細胞では、いくつかのウイルス性発現系が利用される場合がある。 アデノウイルスが発現ベクタとして用いられる場合には、HuKIをコードする 配列は、後期プロモータ及び3連のリーダ配列からなるアデノウイルス転写/翻 訳複合体に結合される場合がある。ウイルスゲノムの非必須E1或いはE3領域 内の挿入により、感染した宿主細胞においてHuKIを発現することができる生 ウイルスを得ることができる(Logan and Shenk(1984)Proc Natl Acad Sci 81:3 655-59)。さらにラウス肉腫(RSV)エンハンサのような転写エンハンサを用 いて、哺乳動物宿主細胞内の発現を増加させることができる。 また特異な開始シグナルを用いて、HuKIをコードする配列のより効率的な 転写を達成することもできる。そのシグナルはATG開始コドン及び隣接配列を 含む。HuKIをコードする配列、その開始コドン及び上流配列が適当な発現ベ クタ内に挿入される場合には、追加の転写或いは翻訳制御シグナルは不要である 。しかしながらコードする配列或い はその一部のみが挿入される場合には、ATG開始コドンを含む外来の翻訳制御 シグナルが与えられるべきである。さらに開始コドンは、全挿入物を確実に転写 するために、正確な読み枠内に置かれなければならない。外来転写エレメント及 び開始コドンは、自然及び合成両方の種々の起源からなることができる。発現の 効率は、論文に記載されるように、使用される特定の細胞系に適したエンハンサ を含有することにより高められる場合がある(Scharf D等(1994)Results Probl Cell Differ 20:125-162)。 さらに宿主細胞株は、挿入した配列の発現を調節できるように、或いは所望の ように発現したタンパク質を処理できるように選択されることができる。そのよ うなポリペプチドの調節は、限定はしないが、アセチル化、カルボキシル化、グ リコシル化、リン酸化、脂質化或いはアシル化を含む。またタンパク質の「プレ プロ」形態を切断する翻訳後プロセッシングを用いて、正確な挿入、折りたたみ 並びにまた機能を促進することができる。CHO,HeLa,MDCK,HEK293及びWI38のよう な種々の宿主細胞が、そのような翻訳後活性のために特異な細胞機構及び特性機 構を有しており、外来タンパク質の正確な調節及びプロセッシングを確実にする ように選択することができる。 長期間組換え体タンパク質を歩留まり高く生産する場合、安定した発現が望ま しい。例えば、HuKIを安定して発現する細胞株は、複製或いは内性発現エレ メントのウイルス起源及び同じ或いは別のベクタにおける選択可能マーカ遺伝子 を含む発現ベクタを用いて形質転換されことができる。ベクタの導入に続いて、 細胞を強化培地内で1〜2日間成長させ、その後選択培地に切り替えるようにす る。選択可能マーカの目的は、選択への耐性を与えることであり、その存在によ り、導入された配列を有効に発現する細胞が成長し、回収されるようになる。安 定して形 質転換された細胞の耐性クローンは、細胞タイプに適した組織培養技術を用いて 増殖させることができる。 任意の数の選択系を用いて、形質転換された細胞株を回収することができる。 これらは、限定はしないが、それぞれtk−細胞或いはaprt−細胞において 用いることができる単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler,M等(1977) Cell 11:223-32)及びアデニンフォスフォリボシール転換酵素遺伝子(Lowy I等 (1980)Cell 22:817-23)含む。また代謝拮抗物質、抗生物質或いは除草剤耐性を 選択のための基準として用いることができる。例えば、dhfrはメトトレキセ ートへの耐性を与え(Wigler M等(1980)Proc Natl Acad Sci 77:3567-70)、n ptはアミノグリコシッドネオマイシン及びG−418への耐性を与え(Colber e-Garapin F等(1981)J Mol Biol 150:1-14)、als或いはpatはそれぞれク ロルスルフロン及びホスフィノトリシン(phosphinotricin)アセチル基転移酵 素への耐性を与える(Murry、上記)。さらに選択可能遺伝子が記載されており 、例えば、trpBにより細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用で きるようになり、hisDにより細胞がヒスチジンの代わりにヒスチノール(hi stinol)を利用できるようになる(Hartman S.C及びR.C Mulligan(1988)Proc Na tl Acad Sci 85:8047-51)。最近、アントシアニン、β−グルクロニダーゼ及び その基質GUS並びにルシフェラーゼ及びその基質ルシフェリンのようなマーカ と共に可視マーカを使用することが普及しており、転換体を同定するのみならず 、特異なベクタ系に起因する一過性或いは安定したタンパク質発現の量を定量す るために幅広く用いられる(Rhodes CA等(1995)Methods Mol Biol 55:121-131) 。 マーカ遺伝子発現の存在/不在は、対象の遺伝子が存在することを示唆するが 、その存在及び発現は確認される必要がある。例えば、HuK Iをコードする配列がマーカ遺伝子配列内に挿入される場合には、HuKIをコ ードする配列を含む組換え体細胞は、マーカ遺伝子機能の欠如により同定される ことができる。別法では、マーカ遺伝子は、単一のプロモータの制御下でHuK Iをコードする配列と直列に配置される。誘導及び選択に応じたマーカ遺伝子の 発現は通常、同様に直列の遺伝子の発現を示す。 別法では、HuKIをコードする核酸配列を含み、HuKIを発現する宿主細 胞は、当業者に知られる種々の手順により同定されることができる。この手順は 、限定はしないが、核酸或いはタンパク質の検出並びにまた定量化のための膜、 溶液或いはチップ系技術を含むDNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダ イゼーション及びタンパク質バイオアッセイ或いはイムノアッセイ技術を含む。 HuKIをコードするポリヌクレオチド配列の存在は、HuKIをコードする ポリヌクレオチドのプローブ、一部或いはフラグメントを用いるDNA−DNA 或いはDNA−RNAハイブリダイゼーション或いは増幅により検出されること ができる。核酸増幅系アッセイは、HuKIをコードするDNA或いはRNAを 含む形質転換体を検出するために、HuKIをコードする配列に基づくオリゴヌ クレオチド或いはオリゴマを使用することを伴う。ここで用いる「オリゴヌクレ オチド」或いは「オリゴマ」は、少なくとも約10ヌクレオチドから60ヌクレ オチドの核酸配列、好ましくは約15−30ヌクレオチドの核酸配列、より好ま しくは20−25ヌクレオチドの核酸配列であり、プローブ或いはアンプライマ として用いることができる。 HuKIの発現を検出し、測定するための種々のプロトコルは、そのタンパク 質に対して特異なポリクローナル抗体或いはモノクローナル抗体のいずれかを用 いており、当業者には周知である。例えば酵素結合免 疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光標示式細胞分 取(FACE)などである。HuKIにおける2つの非干渉性エピトープに反応 するモノクローナル抗体を用いる2部位のモノクローナル系イムノアツセイ(mo noclonal-based immunoassay)が好ましいが、結合タンパク競合測定法が用いら れてもよい。ここで記載した検定法及び他の検定法は、Hampton R等(1990,Sero logical Methods,a Laboratory Manual,APS Press,St.Paul MN)及びMaddox DE等(1983,J Exp'Med 158:1211-1216)に記載される。 幅広い標識及び接合技術が当業者には知られており、種々の核酸及びアミノ酸 検定法において用いることができる。HuKIをコードするポリヌクレオチドに 関連する配列を検出するための標識化ハイブリダイゼーション或いはPCRプロ ーブを生成するための手段は、オリゴ標識化、ニックトランスレーション、末端 標識化或いは標識化ヌクレオチドを用いるPCR増幅を含む。別法では、HuK Iをコードする配列或いはその任意の一部が、mRNAプローブの生成のために ベクタ内にクローニングされる場合もある。そのようなベクタが当分野において 知られ、市販されており、T7、T3、或いはSP6のような適当なRNAポリ メラーゼ及び標識されたヌクレオチドを加えることによりin vitroでR NAプローブを合成するために用いることができる。これらの手順は種々の市販 のキット(Pharmacia&upjohn(Kalamazoo,MI)、Promega(Madison WI)及びUS Bioc hemical Corp(Cleveland OH))を用いて行われる。適当なリポータ分子或いは標 識が用いられる場合もあり、放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発光剤或いは色素 生産剤並びに基質、コファクタ、インヒビタ、磁気粒子等を含む。 HuKIをコードするヌクレオチド配列と形質転換された宿主細胞は、細胞培 養からのタンパク質の発現及び回収のために適した条件下で培養 されることができる。組換え体細胞により生成されるタンパク質は、用いられる 配列並びにまたベクタにより、分泌されるか或いは細胞内に含有される。HuK Iをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクタは、原核細胞膜或いは真核細 胞膜を介してHuKIの分泌を促すシグナル配列を含むように設計することがで きることは当業者には理解されよう。他の組換え体構造を用いて、可溶性タンパ ク質の精製を容易にするポリペプチド領域をコードするヌクレオチド配列にHu KIをコードする配列を結合する場合もある。そのような精製を容易にする領域 は、限定はしないが、固定化金属上で精製できるようにするヒスチジン−トリプ トファンモジュールのような金属キレート化ペプチド、固定化免疫グロブリン上 で精製できるようにするタンパク質Aドメイン及びFLAGS伸展/親和性精製 系(Immunex Corp.,Seatile,WA)において用いられるドメインを含む。精製ドメ インとHuKIとの間に第XA因子或いはエンテロキナーゼ(Invitrogen,San D iego,CA)に対して特異な配列のような分割可能リンカー配列を含有することに より、精製が容易になる場合もある。1つのそのような発現ベクタが、HuKI 及びチオレドキシン或いはエンテロキナーゼ分割部位に先行する6ヒスチジン残 基をコードする核酸を含む融合タンパク質の発現をもたらす。ヒスチジン残基は 、IMIAC(Porath,J.等(1992,Prot.Exp.Purif.3:263-281)に記載されるよう な固定化金属イオン親和性クロマトクグラフィ)において精製を容易にし、一方 エンテロキナーゼ分割部位は融合タンパク質からのHuKIを精製するための手 段を提供する。融合タンパク質を含むベクタの議論はKroll,D.J.等(1993;DNA Ce ll Biol.12:441-453)に与えられる。 組換え体生成物に加えて、HuKIのフラグメントは、固相技術(Merrifield J(1963)J Am Chem Soc 85:2149-2154)を用いる直接ペプチド合成により生成さ れる場合もある。タンパク質合成は手動技術を 用いて或いは自動化により実行されることができる。例えば、Applied Biosyste ms 431A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を製造者により提供される取扱説 明書に従って用いて、自動合成を実現してもよい。HuKIの種々のフラグメン トは化学的に個別に合成されるか、或いは化学的方法を用いて結合され、完全長 分子を生成することができる。治療 HuKIとラット及びヒトからのKazal型インヒビタPSTIとの間に化 学的及び構造的相同性がある。癌関連結腸組織における発現と共にいくつかのK azal型インヒビタファミリとしてのHuKIの同定は、HuKIが、炎症性 サイトカインに応じて発現され、疾患組織内に存在するセリンプロテアーゼ或い は糖タンパク質ホルモンの抑制において作用することを示唆する。それゆえHu KIは組織損傷の抑制及び細胞増殖、詳細には炎症及び癌を含む消化器系の疾患 における調節においてある役割を有する。 HuKIとその生成及び消化酵素の放出を制御する受容体との間の相互作用或 いは酵素自体が、消化器疾患の進行を著しく低減することができる。それゆえ一 実施例では、HuKI或いはそのフラグメント又は誘導体が被検者に投与され、 プロテアーゼが媒介する組織破壊を治療或いは予防することができる。そのよう な組織破壊は、限定はしないが、消化性潰瘍、膵炎、潰瘍性大腸炎、クローン病 、胆嚢炎、過敏性大腸症候群、萎縮性胃炎、虚血/再潅流傷害、外傷後炎症、癌 の炎症性合併症、或いは特に消化器系の任意の他の感染症又は炎症を含む障害に 関連する場合がある。 別の実施例では、HuKI、或いはそのフラグメント又は誘導体を発現するこ とができるベクターも被検者に投与され、上記疾患を含む疾患 に関連するプロテアーゼ媒介性組織破壊を治療或いは予防することができる。 別の実施例では、HuKIのアンタゴニストが被検者に投与され、細胞増殖に 関連する障害を治療或いは予防することができる。そのような疾患は、限定はし ないが、結腸直腸ポリープ、腸管化生及び腺癌、白血病、リンパ腫、黒色腫及び 肉腫を含む癌、詳細には結腸、直腸、小腸、膵臓、胃、肝臓、食道及び胆嚢のよ うな消化器系の癌を含む。ある態様では、HuKIに特異な抗体が、アンタゴニ ストとして直接、或いはHuKIを発現する細胞又は組織に医薬品因子を運ぶた めの標的或いは送達機構として間接的に用いられることができる。 別の実施例では、HuKIをコードするポリヌクレオチドの補体或いはアンチ センス配列を発現するベクタが、上記種類の状態を含む増殖及び分化に関連する 疾患を治療或いは予防するために被検者に投与されることができる。 他の実施例では、上記治療タンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニスト、 アンチセンス配列或いはベクタの任意のものが、他の適当な治療薬剤と組み合わ せて投与される場合もある。併用療法において用いるのに適した薬剤の選択は、 従来の製薬原理に基づいて当業者により行われることができる。治療薬剤の組み 合わせは相互依存的に作用し、上記種々の疾患の治療及び予防に影響を与えるよ うになる。このアプローチを用いて、少ない投与量の薬剤で治療有効度を達成し 、それにより有害な副作用に対する可能性を低減することができる。 HuKIのアンタゴニストは当業者に広く知られた方法を用いて生成されるこ とができる。詳細には生成されたHuKIを用いて抗体を生成するか、或いは医 薬品因子のライブラリをスクリーニングし、HuKIと特異に結合するものを同 定することができる。 HuKIに特異な抗体は当業者に周知の方法を用いて生成することができる。 そのような抗体は、限定はしないが、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ 、一本鎖、Fabフラグメント及びFab発現ライブラリにより生成されるフラグメン トを含む場合がある。中和性抗体(ダイマ形成を抑制する抗体)が特に治療上の 使用に適している。 抗体を生成する場合、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒト等を含む種々の宿 主は、HuKI或いはその任意のフラグメント又は免疫原特性を有するオリゴペ プチドを注射することにより免疫することができる。宿主種に応じて、種々のア ジュバントを用いて免疫学的反応を高めることができる。そのようなアジュバン トは、限定はしないが、フロイントアジュバント、水酸化アルミニウムのような ミネラルゲル、及びリゾレシチン、プルロニックポリオル、ポリアニオン、ペプ チド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン及びジニトロフェノールのよ うな表面活性物質を含む。ヒトに用いられるアジュバントの中では、BCG(カ ルメット−ゲラン杆菌)及びコリネバクテリウムパルヴムが特に好ましい。 HuKIに対する抗体を誘発するために用いられるペプチド、フラグメント或 いはオリゴペプチドは、少なくとも5アミノ酸からなるアミノ酸配列を有し、よ り好ましくは少なくとも10アミノ酸からなるアミノ酸配列を有する。それらは 自然タンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であり、小さな自然発生分子の完全 なアミノ酸配列を含むことが好ましい。HuKIアミノ酸の短い伸展部はキーホ ールリンペットヘモシアニン及びキメラ分子に対して生成される抗体のような別 のタンパク質の伸展部と融合される場合がある。 HuKIに対するモノクローナル抗体は、培養中の持続細胞株による抗体分子 の生成を実現する任意の技術を用いて調製されることができる。 これらの技術は、限定はしないが、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリド ーマ技術及びEBV−ハイブリドーマ技術を含む(Koehler等(1975)Nature 25 6:495-497、Kozbor等(1985)J.Immunol Methods 81:31-42、Cote等(1983)Proc Natl Acad Sci 80:2026-2030、Cole,S.P等(1984)Mol.Cell Biol.62:109-120)。 さらに「キメラ抗体」を生成するために開発された技術、適当な抗原特異性及 び生物活性を有する分子を得るためのマウス抗体遺伝子のヒト抗体遺伝子へのス プライシングを用いることができる(Morrison等(1984)Proc Natl Acad Sci 81: 6851-6855:Neuberger等(1984)Nature 312:604-608;Takeda等(1985)Nature 314:4 52-454)。別法では、一本鎖抗体の生成のために記載される技術が、HuKI特 異性一本鎖抗体を生成するために、当分野で知られた方法を用いて適合されても よい。関連する特異性を有するが、個別のイディオタイプ組成物からなる抗体が 、ランダムに組み合わせた免疫グロビンライブラリからの鎖混合により生成され る場合もある(Burton D.R.(1991)Proc Natl Acad Sci 88:11120-3)。 また抗体は、リンパ球集団においてin vivo生成を誘発することにより 、或いは組換え体免疫グロブリン又は論文(Orlandi等(1989,Proc Natl Acad S ci 86:3833-3837、Winter G and Milstein C(1991;Nature 349:293-299)に開示 されるような概ね特異性の結合剤のパネルをスクリーニングすることにより生成 することもできる。 またHuKIに対する特異な結合部位を含む抗体フラグメントを発生させるこ ともできる。例えば、そのようなフラグメントは、限定はしないが、抗体分子の ペプシン消化により生成することができるF(ab’)2フラグメント及びF( ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することにより生成すること ができるFabフラグメントを含む。 別法では、Fab発現ライブラリを構成して、所望の特異性を有するモノクロー ナルFabフラグメントを迅速にしかも容易に同定できるようにする(Huse WD 等(1989)Science 256:1275-1281)。 種々のイムノアッセイを用いて、所望の特異性を有する抗体を同定するために スクリーニングすることができる。確立された特異性を有するポリクローナル抗 体或いはモノクローナル抗体のいずれかを用いる結合タンパク競合測定法或いは 免疫放射測定法用の種々のプロトコルが、当分野では周知である。そのようなイ ムノアッセイは典型的には、HuKIとその特異性抗体との間の複合形成体を測 定することを含む。2つの非干渉性HuKIエピトープに反応するモノクローナ ル抗体を利用する2部位モノクローナル抗体用イムノアッセイが好ましいが、結 合タンパク質競合測定法を用いることもできる(Maddox上記)。 本発明の別の実施例では、HuKIをコードするポリヌクレオチド或いはその 任意のフラグメント、又はアンチセンス分子が治療のために用いられる場合があ る。一態様では、HuKIをコードするポリヌクレオチドに対するアンチセンス が、mRNAの転写を阻止することが望ましい状況において用いられる。詳細に は、細胞は、HuKIをコードするポリヌクレオチドに対して相補性の配列と形 質転換されことができる。このようにアンチセンス分子を用いて、HuKI活性 を調節するか、或いは遺伝子機能の調節を実現することができる。そのような技 術は当分野では周知であり、センス或いはアンチセンスオリゴマ又はより大きな フラグメントが、HuKIをコードする配列のコード化或いは調節領域に沿った 種々の位置から設計されることができる。 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス或いはワクシニアウイル スに、また種々の細菌性プラスミドに由来する発現ベクタが、標的となる器官、 組織或いは細胞集団にヌクレオチド配列を送達するた めに用いられる場合がある。当業者には周知の方法を用いて、HuKIをコード する遺伝子のポリヌクレオチドに相補性のアンチセンス分子を発現する組換え体 ベクタを構成することができる。これらの技術は、Sambrook等(上記)及びAusube l等(上記)の両方に記載される。 HuKIをコードする遺伝子は、細胞或いは組織を、HuKIをコードする高 レベルのポリヌクレオチド或いはそのフラグメントを発現する発現ベクタと形質 転換することにより遮断されるようになる。そのような構成体は、非翻訳センス 或いはアンチセンス配列を細胞内に導入するために用いられる。DNA内に統合 されない場合であっても、そのようなベクタは、内因性ヌクレアーゼにより無能 にされるまで、RNA分子を転写し続けることができる。一過性の発現は、非複 製ベクタを用いて一ヶ月或いはそれ以上の間持続し、適当な複製エレメントがベ クタ系の一部であるならさらに長く持続するようになる。 上記のように遺伝子発現の調節は、HuKIをコードする遺伝子の調節領域、 すなわちプロモータ、エンハンサ並びにイントロンに対してアンチセンス分子、 DNA、RNA或いはPNAを設計することにより得られるようになる。転写開 始部位、例えば開始部位からの位置−10と+10との間に由来するオリゴヌク レオチドが好ましい。同様に三重らせん塩基対技術を用いて抑制を実現すること ができる。二重らせんの能力の抑制がポリメラーゼ、転写因子或いは調節分子の 結合のために十分に開放されるようになるため、三重らせん対は有用である。三 重DNAを用いる最近の治療の進歩は、論文(Gee JE等(1994)In:Huber BE and B I Carr,Molecular and Immunologic Approaches,Futura Publishing Co.Mt Kis co NY)に記載されている。またアンチセンス分子は、転写物がリボソームに結合 するのを防ぐことによりmRNAの翻訳を阻止するように設計されることができ る。 リボザイム、すなわち酵素RNA分子が、RNAの特異性分割を触媒するため に用いられる場合がある。リボザイム作用の機構は、相補的標的RNAに対する リボザイム分子の配列特異性ハイブリダイゼーションを伴い、それにヌクレオチ ド鎖切断分割が伴う。用いられる例は、HuKIをコードする配列のヌクレオチ ド鎖切断分割に特異にしかも有効に触媒作用することができる遺伝子操作された ハンマヘッド状リボザイムを含む。 任意の潜在的なRNA標的内の特異なリボザイム分割部位は、後続する配列G UA、GUU並びにGUCを含むリボザイム分割部位に対して標的分子を走査す ることにより最初に同定される。一度同定されれば、分割部位を含む標的遺伝子 の領域に対応する15〜20のリボヌクレオチドの短いRNA配列は、オリゴヌ クレオチドを無能にする副構造的な特徴に対して評価されることができる。また 候補標的の適合性も、リボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて相補的なオリゴヌ クレオチドを用いるハイブリダイゼーションに対する容易性を検査することによ り評価することができる。 本発明のアンチセンス分子及びリボザイムは、核酸分子の合成に関して当分野 で知られた任意の方法により調製されることができる。これらは、固相ホスホラ ミダイト化学合成のようなオリゴヌクレオチドを化学的に合成するための方法を 含む。別法では、RNA分子は、HuKIをコードするDNA配列のin vi tro 及びin vivo転写により生成することができる。そのようなDNA 配列は、T7或いはSP6のような適当なRNAポリメラーゼプロモータを用い て種々のベクタ内に組み込まれることができる。別法では、アンチセンスcDN A構成体は、アンチセンスRNAを合成し、細胞株、細胞或いは組織内に構造的 に或いは誘導的に導入されることができる。 RNA分子を修飾して細胞内安定性及び半減期を改善することもできる。可能 な修飾は、限定はしないが、分子の5’並びにまた3’末端でのフランキング配 列の付加、或いは分子のバックボーン内のホスホジエステラーゼ連鎖ではなくホ スホロチオネート或いは2’O−メチルの使用を含む。この概念はPNAの生成 に固有のものであり、イノシン、キュェオシン及びワイブトシン並びにアセチル −、メチル−、チオ−、及び内因性エンドヌクレアーゼにより容易に識別されな いアデニン、シチジン、グアニン、チミン及びウリジンの同様に修飾された形成 体のような従来にはない塩基を含有することにより、これら分子の全体に拡張さ れることができる。 細胞或いは組織内にベクタを導入するために多くの方法が利用可能であり、 vivoin vitro及びex vivoに使用するのに同様に適し ている。ex vivo治療の場合、ベクタは、患者から取り出された基幹細胞 内に導入され、同じ患者に戻される自家移植物に対してクローンのように繁殖す ることができる。形質移入及びリポソーム注射による送達は、当分野で周知の方 法を用いて達成することができる。 上記治療方法の任意の方法は、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル 、そして最も好ましくはヒトのような哺乳類を含む、治療を要する被検者に適用 されることができる。 本発明のさらに別の実施例は、上記任意の治療効果のために、製薬的に許容可 能な担体と共に用いられる医薬品組成物の投与に関連する。そのような医薬品組 成物は、HuKI、HuKIに対する抗体、擬態、アゴニスト、アンタゴニスト 或いはHuKIのインヒビタからなることができる。組成物は単独で、或いは限 定はしないが、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース及び水を含む任意の無菌の 生体適合性医薬品担体におい て投与されることがある、安定化化合物のような少なくとも1つの他の薬剤との 組み合わせて投与されることができる。これらの組成物は単独で、或いは他の薬 剤、薬物或いはホルモンと組み合わせて患者に投与してもよい。 本発明に用いられる医薬品組成物は、限定はしないが、経口、静脈内、筋肉内 、動脈内、骨髄内、クモ膜下、心室内、経皮、皮下、腹膜内、鼻腔内、腸内、局 所、舌下、直腸手段を含む任意の経路により投与されることができる。 活性処方成分に加えて、これらの医薬品組成物は、製薬的に用いることができ るプレパラート内への活性化合物の処理を容易にする医薬品添加物及び補助剤を 含む適当な製薬的に許容可能な担体を含む場合もある。さらに製剤及び投与に関 する技術についての詳細は、Remington's Pharmaceutical Sciences(Maack Publ ishing Co.Easton PA)の最新版に見出される。 経口投与の場合の医薬品組成物は、経口投与に適した投与量の当分野で周知の 製薬的に許容可能な担体を用いて調剤することができる。そのような担体により 、医薬品組成物は、患者が経口摂取するための錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル剤 、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁剤等として調剤されることができ る。 経口投与するための医薬品調剤は、活性化合物と固形の医薬品添加物とを混合 して、選択的にはその混合物を細かく砕いて、さらに所望に応じて、錠剤或いは 糖衣剤コアを得るために適当な補助剤を加えた後、顆粒剤の混合物を処理して得 られるようになる。適当な医薬品添加物は、ラクトース、スクロース、マンニト ール或いはソルビトールを含む糖、トウモロコシ、小麦、米、じゃがいも或いは 他の植物からのデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ ース或いはカルボ キシルメチルセルロースナトリウムのようなセルロース、及びアラビアゴム及び トラガカントゴムを含むゴム、並びにゼラチン及びコラーゲンのようなタンパク 質を含む炭水化物或いはタンパク質賦形剤である。必要なら、架橋結合されたポ リビニルピロリドン、寒天、アルギン酸或いはアルギン酸ナトリウムのようなそ の塩を含む、崩壊剤或いは可溶化剤が加えられてもよい。 糖衣剤コアは濃縮糖液のような適当なコーティングと共に用いられ、その濃縮 糖液はアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル(carbop ol gel)、ポリエチレングリコール並びにまた二酸化チタン、ラッカー溶液及び 適当な有機溶剤或いは溶剤混合物を含む場合もある。染料或いは色素が製品識別 、或いは活性化合物の量、すなわち投与量を特徴付けるために、錠剤或いは糖衣 錠コーティングに加えられる場合もある。 経口投与される医薬品製剤は、ゼラチンからなる押込嵌合式のプッシュフィッ トカプセル剤、並びにゼラチン及びグリコール或いはソルビトールのようなコー ティングからなる軟らかく封止されたソフトシールカプセル剤を含む。プッシュ フィットカプセル剤は、ラクトース或いはデンプンのような賦形剤或いは結合剤 、タルク或いはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、さらに選択的に安定 化剤と混合された活性処方成分を含むことができる。ソフトカプセル剤では、活 性化合物は、脂肪油、パラフィン油、或いは安定化剤を用いる場合、用いない場 合があるが液体ポリエチレングリコールのような適当な溶液内に溶解或いは懸濁 される場合がある。 非経口投与のための医薬品製剤は、活性化合物の水溶液を含む。注射するため に、本発明の医薬品組成物は、水溶液内で、好ましくはハンクス溶液、リンガー 溶液或いは生理緩衝食塩水のような生体適合性緩衝液 内で調製される。水性の注入懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウ ム、ソルビトール或いはデキストランのように、懸濁液を増粘する物質を含む場 合がある。さらに活性化合物の懸濁液は、適当な油性の注射懸濁液として調製さ れる場合もある。適当な親油性溶剤或いは溶媒は、ゴマ油のような脂肪油、或い はオレイン酸エチル又はトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、或いはリ ポソームを含む。さらに懸濁液は、高濃縮の溶液の調製を可能とするために化合 物の可溶性を増加させる適当な安定化剤或いは薬剤を含む場合もある。 局所或いは鼻腔投与の場合、特定の障壁を浸透させるのに適した浸透剤が調製 において用いられる。そのような浸透剤は当分野で一般に知られている。 本発明の医薬品組成物は、当分野において知られた、例えば、従来の混合、溶 解、顆粒化、糖衣形成、微粒子化、乳状化、カプセル化、包括(entrapping)或 いは凍結乾燥処理による方法で製造される。 医薬品組成物は塩類として提供され、限定はしないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳 酸、酒石酸、リンゴ酸、琥珀酸等の多くの酸を用いて形成することができる。塩 類は、対応する遊離塩基形の場合より、水性或いはプロトン性溶剤において可溶 性をなす傾向がある。他の場合に好ましい製剤は、使用前に緩衝剤と結合された pH範囲4.5−5.5の1mM−50mMヒスチジン、0.1%−2%スクロ ース、2%−7%マンニトールの任意のもの或いは全てを含む凍結乾燥粉末であ る。 医薬品組成物が調製された後、それらは適当な容器に入れられ、指示された条 件の治療のためにラベルを貼付される。HuKIの投与の場合、そのようなラベ ル貼付は、投与の量、頻度並びに方法を含むであろう。 本発明に用いるために適した医薬品組成物は、活性処方成分が目的を果たすた めの有効な量だけ含まれる組成物を含む。有効な量を投与する ことは、当業者の能力内で果たすことができる。 任意の化合物の場合、製薬的に有効な量は、例えば腫瘍性細胞の細胞培養アッ セイ、或いは通常マウス、ウサギ、イヌ或いはブタの動物標本のいずれかにおい て最初に見積もられる。また動物標本を用いて、所望の濃縮範囲及び投与の経路 が確定される。その後その情報を用いて、ヒトに投与するための有効な量及び経 路を確定することができる。 製薬的に有効な量は、症状或いは状態を改善する、例えばHuKI或いはその フラグメント、HuKIの抗体、アゴニスト、アンタゴニスト、或いはHuKI のインヒビタの主成分の量である。そのような化合物の治療に対する有効度及び 毒性は、細胞培養或いは実験動物における標準的な製薬的手順、例えばED50 (集団の50%において製薬的に有効な量)及びLD50(集団の50%が致死 する量)により確定することができる。治療効果と毒性効果の投与量比が治療指 数であり、比LD50/ED50として表すことができる。大きな治療指数を示 す医薬品組成物が望ましい。細胞培養アッセイ及び動物実験から得られるデータ は、ヒトに投与するための量の範囲を処方する際に用いられる。そのような化合 物の投与量は、毒性が非常に少ないか或いは全くなくED50を含む血中濃度の 範囲内にあることが好ましい。投与量は、用いられる投与形態、患者の感度及び 投与経路によりこの範囲内で変化する。 厳密な投与量は、治療される患者を診察する個々の医師により選択される。量 及び投与を調整して、十分なレベルの活性成分を与えたり、或いは所望の効果を 維持したりする。考慮される場合がある要因は疾患状態の重症度、被検者の健康 状態、患者の年齢、体重及び性別、食事、投与の時間及び頻度、薬物の組み合わ せ、反応への敏感度、並びに治療に対する耐性/反応を含む。特定の製剤の半減 期及びクリアランス率に応じて、3〜4日毎、毎週或いは2週間毎に一度、長時 間作用性の医薬品 組成物が投与される場合もある。 通常の投与量は0.1μg〜100,000μgまで変化し、投与の経路にも よるが、全投与量は約1gまでである。詳細な投与量及び送達の方法に関する手 引きは文献に与えられており、一般に当分野の開業医が利用できる。当業者は、 タンパク質或いはそのインヒビタの場合とは異なる製剤を、ヌクレオチドの場合 に用いるであろう。同様にポリヌクレオチド或いはポリペプチドの送達は特定の 細胞、状態、位置等に対して特異であろう。診断 別の実施例では、HuKIを特異に結合する抗体が、HuKIの発現により特 徴付けられる状態或いは疾患の診断のために、又はHuKI、アゴニスト、アン タゴニスト或いはインヒビタを用いて治療されている患者をモニタするための検 定法において用いることができる。診断のために有用な抗体は、治療の場合に上 記した方法と同様の方法で調製されることができる。HuKIに対する診断検定 法は、抗体及び標識を用いて、ヒト体液或いは細胞又は組織の抽出物においてH uKIを検出する方法を含む。抗体は、修飾と共に、或いは修飾を用いずに用い られる場合があり、リポータ分子と共有結合で、或いは非共有結合での何れかで 結合することにより標識化されることができる。当分野において知られる種々の リポータ分子を用いることができ、そのいくつかが上記される。 HuKIを測定するためのELISA、RIA及びFACSを含む種々のプロ トコルが当分野において知られており、HuKI発現の変更されたレベル或いは 異常なレベルを診断するための方法を提供する。HuKI発現のための正常或い は標準的な値は、正常な哺乳動物被検者、好ましくはヒトから取り出された体液 或いは細胞抽出物を複合体形成に 適した条件下でHuKIに対する抗体と結合することにより確立される。標準的 な複合体形成量は種々の方法により定量されることができるが、光計測による手 段が好ましい。被検者において発現したHuKIの量、制御及び疾患、生検組織 からのサンプルが標準値と比較される。標準値と被検者値との間の偏差が疾患を 診断するためのパラメータを確立する。 本発明の別の実施例では、HuKIをコードするポリヌクレオチドを診断のた めに用いることができる。用いられるポリヌクレオチドはオリゴヌクレオチド配 列、アンチセンスRNA及びDNA分子及びPNAを含む。ポリヌクレオチドを 用いて、HuKIの発現が疾患と相関をなす可能性がある生検組織の遺伝子発現 を検出かつ定量することができる。診断検定法を用いて、HuKIの不在、存在 及び過剰発現を識別することができ、さらに治療処置中のHuKIレベルの調節 をモニタすることができる。 一態様では、HuKI或いは密接に関連する分子をコードするゲノム配列を含 むポリヌクレオチド配列を検出することができるPCRプローブを用いるハイブ リダイゼーションにより、HuKIをコードする核酸配列を同定することができ る。非常に特異な領域、例えば5’調節領域内の10個の特有のヌクレオチド、 或いは特異性の低い領域、例えば特に3’コード化領域の何れかからなるプロー ブの特異性及びそのハイブリダイゼーション或いは増幅の厳密性(最大、高、中 間或いは低)が、そのプローブがHuKIをコードする自然発生配列のみを同定 するか、或いは関連する配列を同定するかを確定するであろう。 またプローブは関連する配列の検出に用いることもでき、HuKIをコードす る配列の任意のものからのヌクレオチドの少なくとも50%を含むことが好まし い。本発明のハイブリダイゼーションプローブはDNA或いはRNAであり、配 列番号:2のヌクレオチド配列に、或いはプ ロモータ、エンハンサエレメント及び自然発生HuKIのイントロンを含むゲノ ム配列に由来する。 HuKIをコードするポリヌクレオチド配列は、HuKIの発現に関連する障 害の診断に用いることができる。そのような障害の例としては、消化性潰瘍、膵 炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、胆嚢炎、過敏性大腸症候群、萎縮性胃炎、虚血 /再潅流傷害、外傷後炎症、癌の炎症性合併症、結腸直腸ポリープ、腸管化生及 び腺癌、白血病、リンパ脛、黒色腫及び肉腫を含む癌、詳細には結腸、直腸、小 腸、膵臓、胃、肝臓、食道及び胆嚢のような消化器系の癌などがある。HuKI をコードするポリヌクレオチド配列は、サザン分析或いはノーザン分析、ドット ブロット、又は他の膜系技術において、又はPCR技術において、又は変更され たHuKI発現を検出するために患者生検からの体液或いは組織を利用するディ ップスティック、pIN、ELISA或いはチップ検定法において用いることが できる。そのような定性的或いは定量的方法は当分野において周知である。 特定の態様では、HuKIをコードするヌクレオチド配列は、種々の癌、特に 上記したような癌の活性化或いは誘発を検出する検定法において有用である。H uKIをコードするヌクレオチド配列は標準的な方法において標識され、ハイブ リダイゼーション複合体の形成に適した条件下で患者からの体液或いは組織サン プルに加えられることができる。適当な時間インキュベートした後、サンプルは 洗浄され、そのシグナルが定量され、標準値と比較される。生検された或いは抽 出されたサンプルのシグナルの量が比較制御サンプルのシグナルの量から著しく 変更されている場合には、そのヌクレオチド配列はサンプル内のヌクレオチド配 列とハイブリダイズされており、サンプル内のHuKIをコードするヌクレオチ ド配列の変更レベルの存在が関連する疾患の存在を示す。また そのような検定法を用いて、動物実験、臨床試験或いは個々の患者の治療をモニ タする際に特定の治療措置の有効度を評価することができる。 HuKIの発現に関連する疾患を診断する基準を与えるために、発現に対する 正常或いは標準値が確立される。これは、動物或いはヒトいずれかの正常な被検 者から取り出された体液或いは細胞抽出物を、当分野で周知の複合体形成に適し た条件下でHuKIをコードする配列或いはそのフラグメントと結合することに より与えられる。標準的なハイブリダイゼーションは、正常な被検者から得られ た値を、既知の量の実質的に精製されたポリヌクレオチドが用いられる実験から 得られた値と比較することにより定量することができる。正常サンプルから得ら れた標準値が、疾患の症状がある被検者のサンプルから得られた値と比較される 。標準値と被検者値との間の偏差を用いて、疾患状態の存在を立証する。 一度疾患が確定され、治療プロトコルが開始されれば、その患者の発現のレベ ルが正常な患者において観測されるレベルに接近し始めるか否かを評価するため に、ハイブリダイゼーション検定法が規則的に繰り返される。継続的な検定法か ら得られる結果を用いて、数日から数ヶ月の期間に渡る治療の有効度を示すこと ができる。 癌の場合、個々の患者からの生検組織内の異常な量の転写物の存在が、疾患の 発生に対する素因を示すか、或いは実際の臨床的な症状が発生する前に疾患を検 出するための手段を提供する。この種のより決定的な診断により、専門医は、予 防措置或いは初期段階での積極的な治療を行うことができ、それにより癌の発生 を予防したり、或いは進行するのを防げたりすることができる。 HuKIをコードする配列から設計されるオリゴヌクレオチドに対するさらな る診断的な使用は、PCRの使用を含む場合がある。そのようなオリゴマは化学 的に合成されるか、酵素的に生成されるか、或いは組 換え体源から生成されてもよい。オリゴマは、2つのヌクレオチド配列、すなわ ち1つがセンス方向(5’−>3’)を有し、もう1つがアンチセンス方向(3 ’<−5’)を有するヌクレオチド配列からなり、特異な遺伝子或いは条件の同 定のために最適化された条件下で用いられることが好ましい。同一の2つのオリ ゴマ、入れ子状の組のオリゴマ、或いはオリゴマの縮重プールであっても、密接 に関連するDNA或いはRNA配列を検出並びにまた定量するための低い厳密性 条件下で用いることができる。 またHuKIの発現を定量するために用いることができる方法は、ヌクレオチ ドの放射標識化或いはビオチン標識化、或いは制御核酸の相互増幅並びに実験結 果を書き込める標準曲線を含む(Melby,P.C.等(1993)J.Immunol.Methods,159: 235-244;Duplaa,C.等(1993)Anal.Blochem.229-236)。多数サンプルを定量する 速度は、ELISAフォーマットの検定法を実行することにより加速することが でき、その際対象のオリゴマは種々の希釈法において表され、スペクトル光計測 反応或いは色計測反応が迅速な定量化をもたらすようになる。 本発明の別の実施例では、HuKIをコードする核酸配列を用いて、自然発生 ゲノム配列をマッピングするために有用なハイブリダイゼーションプローブを生 成することもできる。その配列は、周知の技術を用いて特定の染色体に、或いは 染色体の特異領域に遺伝子座が決定されるようになる。そのような技術は、FI SH、FACS、或いはPrice CM(1993;Blood Rev 7:127-34)及びTrask BJ(1991 ;Trends Genet 7:149-54)に記載されるような、酵母菌人工染色体、細菌性人工 染色体、細菌性P1構造体或いは単一染色体cDNAライブラリのような人工染 色体構造を含む。 FISH(Verma等(1988)Human Chromosomes:A Manual of Basic Technioues,Pergamon Press,New York NYに記載される)は、他の物理的 な染色体マッピング技術及び遺伝マップデータと相関をなす。遺伝子マップデー タの例は1994 Genome Issue of Science(265:1981f)に見出すことができる。物 理的染色体マップ上のHuKIをコードする遺伝子の位置と特定の疾患或いは特 定の疾患に対する素因との間の相関は、その遺伝的疾患に関連するDNAの領域 の境界を定めることを可能にする。本発明のヌクレオチド配列を用いて、正常者 と保菌者、すなわち感染した個体との間の遺伝子配列の差を検出することができ る。 染色体標本のin situハイブリダイゼーション及び確立された染色体マ ーカを用いる連鎖分析のような物理的マッピング技術が、遺伝子マップを拡張す るために用いることができる。マウスのような別の哺乳動物種の染色体上の遺伝 子の配置が、特定のヒト染色体の数或いは腕が未知であっても、関連したマーカ を明らかにできる場合もある。新規の配列は、物理的なマッピングにより染色体 腕或いはその一部に割り当てることができる。これは、位置クローニング或いは 他の遺伝子発見技術を用いて疾患遺伝子を検索する研究者に貴重な情報を与える 。一度疾患或いは症候群が、特定のゲノム領域、例えばATから11q22-23まで(Gat ti等(1998)Nature 336:577-580)への遺伝子連鎖により自然のまま局在されてい れば、その領域に対する任意の配列マッピングが、さらなる研究のための関連或 いは調節遺伝子を表すことができる。また本発明のヌクレオチド配列を用いて、 正常個体と保菌者、すなわち感染個体との間における転座、逆位等により染色体 位置内の差を検出することができる。 本発明の別の実施例では、HuKI、その触媒作用或いは免疫原性フラグメン ト又はオリゴペプチドを用いて、種々の薬物スクリーニング技術の任意のものに おいて化合物のライブラリをスクリーニングすること ができる。そのようなスクリーニングにおいて用いられるフラグメントは溶液中 に遊離するか、固形支持体に付着するか、細胞表面上に支持されるか、或いは細 胞内に配置されてもよい。HuKIと被試験薬剤との間に形成される結合複合体 が測定される場合もある。 薬物スクリーニングに用いる場合がある別の技術は、PCT出願WO84/0 3564に記載されるような、対象のタンパク質への適当な結合親和性を有する 化合物の高スループットスクリーニングを実現する。この方法では、HuKIに 適用されるような、多数の異なる小さな検査化合物がプラスチックピン或いはあ る他の表面のような固体基質上で合成される。検査化合物はHuKI或いはその フラグメントと反応し、洗浄される。その後結合されたHuKIが当分野で周知 の方法により検出される。また精製されたHuKIは、上記の薬物スクリーニン グ技術において用いるためのプレート上に直接コーティングされることもできる 。別法では、非中和性抗体を用いて、ペプチドを捕捉し、それを固体支持体上に 固定化することができる。 別の実施例では、HuKIを特異に結合することができる中和性抗体がHuK Iを結合するための検査化合物と競合する、競合薬物スクリーニングアッセイを 使用する。この方法では、抗体を用いて、HuKIと1つ或いはそれ以上の抗原 決定基を共有するあらゆるペプチドの存在を検出することができる。 さらに別の実施例では、その新規の技術が、限定はしないがトリプレット遺伝 子コード及び特異な塩基対相互作用のような特性を含む現在知られているヌクレ オチド配列の特性に依存する場合には、HuKIをコードするヌクレオチド配列 を、さらに発展していくあらゆる分子生物学技術において用いることができる。 以下の例は、本発明を例示するために与えるものであり、本発明を制 限するものではない。 産業上の利用可能性 I COLNNOT08cDNAライブラリ構成 COLNNOT08cDNAライブラリは、腸の別の部分における腺癌を除去 するために左側結腸半切除をした60歳白人男性から得られた微視的に正常な結 腸組織から構成された。その患者には、血栓静脈炎、前立腺炎症性疾患及び直腸 の切除の病歴があった。腸の腺癌に加えて、患者のリンパ節の1つには転移性腺 癌があった。患者の家族の経歴には、母親にアテローム性硬化症及び兄弟に結腸 の悪性腫瘍があった。 凍結組織は、グアニジニウムイソチオシアネート溶液中でBrinkmann Homogeni zer Polytron PT-3000(Brinkmann Instruments,Westbury NJ)を用いて均質化、 かつ溶解された。溶解生成物は5.7M CsCL緩衝材上で、周囲温度におい て25,000min-1で18時間Beckman L8-70M Ultracentrifuge(Beckman I nstruments)においてBeckman SW28ロータを用いて遠心分離された。RNAは、 酸性フェノールpH4.0を用いて抽出され、0.3M酢酸ナトリウム及び2. 5体積のエタノールを用いて沈殿され、リボヌクレアーゼ遊離水内に再懸濁され 、37℃でデオキシリボヌクレアーゼ処理された。抽出及び沈殿は繰り返された 。その後RNAはQlagen Oligotex kit(QIAGEN Inc.Chatsworth CA)を用いて分 離され、cDNAライブラリを構成するために用いられた。 mRNAは、SuperScript Plasmid System(Cat.No.18248-013:Gaithersburg ,MD)における推奨プロトコルに従って処理された。COLNNOT08cDN AはSepharose CL4B column(Cat.No.275105-01.Pharmacia)上で分割され、40 0bpを超えるcDNAはpINC Y1に結合された。その後プラスミドpINCY1はDH5a(登録商標)形質転換 受容性細胞(Cat.No.18258-012 Gibco/BRL)に形質転換された。II cDNAクローンの単離及び配列決定 プラスミドDNAは細胞から遊離され、REAL Prep 96 Plasmid Kit(Catalog N o.26173,QIAGEN,Inc.)を用いて精製された。推奨プロトコルを用いたが以下の点 が異なる。1)細菌は、25mg/Lのカルビンシリン及び0.4%のグリセロ ールを有する1mlの無菌のTerrific Broth(Catalog No.22711.LIFE TECHNOLO GIESTM)中で培養された。2)接種後、培養株は19時間インキュベートされ、 インキュベーション終了時に細胞は0.3mlの溶解緩衝液で溶解された。3) イソプロパノール沈殿に続いて、プラスミドDNAペレットが0.1mlの蒸留 水内に再懸濁された。プロトコルの最後のステップを終了した後、サンプルは4 ℃で保管するために96−ウエルブロックに移された。 cDNAは、Peltier Thermal Cyclers(PTC200 from MJ Research,Watertown MA)及びApplied Biosystems 377 DNA Sequencing Systemsと共にHamilton Micr o Lab 2200(Hamilton,Reno NV)を用いて、Sanger F等(1975;J Mol Biol 94:441f )の方法により配列決定され、読み枠が確定された。III cDNAクローン及び推定されたタンパク質の相同性検索 読み枠が確定された後に、配列表のヌクレオチド配列及びそれに由来するアミ ノ酸配列がGenBank、SwissProt,BLOCKS及びPima IIのようなデータベースに対す る問合せ配列として用いられた。そのデータベースは以前に同定され、注釈を付 けた配列を含んでおり、Basic Local Alignment Search Tool(Altschul(1993) 上記,Altschul(1990)上記) を表すBLASTを用いて相同性(類似性)の領域に対する検索が行われた。 BLASTはヌクレオチド及びアミノ酸配列の両方のアライメントを生成し、 配列類似性を確定する。そのアライメントの局部的な性質のため、BLASTは 厳密な一致を判定する際に、或いは原核(細菌)又は真核(動物、真菌或いは植 物)の起源の中の相同性を同定する際に特に有用であった。ここでSmith R.F及 びT.F.smith(1992,Protein Engineering 5:35-51)に記載されるアルゴリズムの ような他のアルゴリズムが参照して用いられており、主要配列パターン及び副次 的な構造間隙の問題を取り扱う際に用いられた。本出願において開示される配列 は少なくとも49ヌクレオチドの長さを有し、不要な塩基は12%以下である( この場合A、C、G或いはTではなくNが記録される)。 BLASTアプローチは、Karlin等(上記)に詳述され、参照して本明細書に おいて用いられており、問合せ配列とデータベース配列との間の一致を検索する 。BLASTは見い出されたあらゆる一致の統計的有意性を評価し、ユーザによ り選択された有意性の閾値を満足する一致のみを報告する。この応用例では、閾 値はヌクレオチドの場合10-25、ペプチドの場合10-14に設定された。 インサイト社ヌクレオチド配列が霊長類(pri)、齧歯類(rod)及び他の哺乳 類配列(mam)の場合のGenBankデータベースに対して検索され、その後同じクロ ーンに由来するアミノ酸配列がGenBank機能タンパク質データベース、哺乳動物 (mamp)、脊椎動物(vrtp)及び真核生物(eukp)に対して相同性を検索された 。ある特定の一致に対して関連したデータベースがGixxx±pとして報告された( ここでxxxはpri、rod等であり、存在する場合にはpはペプチドである)。IV ノーザン分析 ノーザン分析は、遺伝子の転写物の存在を検出するために用いられる実験用技 術であり、特定の細胞種或いは組織からのRNAが結合されている膜への標識さ れたヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを伴う(Sambrook等、上記)。 BLAST(Altschul SF 1993及び1990上記)を用いる類推コンピュータ技術 (analogous computer technique)を用いて、GenBank或いはLIFESEQTM databas e(Incyte Pharmaceuticals)のようなヌクレオチドデータベース内の同じ分子或 いは関連する分子を検索する。この分析は多数の膜系ハイブリダイゼーションよ り非常に速度が速い。さらにコンピュータ検索の感度を変更して、任意の特定の 一致が、厳密な一致、或いは相同的一致の何れとして分類されるかを確定するこ とができる。 検索の基準は、 (%配列密度×%最大BLASTスコア)/100 として定義される積スコアである。積スコアは、2つの配列間の類似度及び配列 一致の長さの両方を考慮する。例えば、積スコア40の場合、その一致は1−2 %誤差の範囲内で正確であり、70ではその一致は正確であろう。相同性の分子 は通常、15−40間の積スコアを示す分子を選択することにより同定されるが 、それより低いスコアでも関連した分子が同定される場合もある。 ノーザン分析の結果は、HuKIをコードする転写物が発生するライブラリの リストとして報告される。また存在量及び存在比も報告される。存在量は、特定 の転写物がcDNAライブラリ内に現れる回数を直接表し、存在率は、存在量を cDNAライブラリ内で試験された配列の全数で割った値である。V HuKIをコードするポリヌクレオチドの伸展 インサイト社クローン1843692或いは配列番号:2の核酸配列を用いて 、部分ヌクレオチド配列を完全長まで伸展するか、或いはゲノムライブラリから 5'又は3’、イントロン或いは他の制御配列を得るためのオリゴヌクレオチド プライマを設計する。1つのプライマを合成して、アンチセンス方向(XLR) に伸展を開始し、他のプライマを合成して、センス方向(XLF)に配列を伸展 する。プライマを用いて、対象の領域に対する新規で未知のヌクレオチド配列を 含むアンプリコンを「外側に」発生させる既知の配列の伸展を容易にする。初期 プライマは、OLIGO 4.06(National Biosciences)或いは他の適当なプログラムを 用いてcDNAから設計され、長さ22−30のヌクレオチドになり、50%以 上のGC含有物を有し、約68−72℃の温度で標的配列にアニーリングする。 ヘアピン構造及びプライマ−プライマ2量体化をもたらすことになるヌクレオチ ドのあらゆる伸長は避けられる。 元の選択されたcDNAライブラリ或いはヒトゲノムライブラリを用いて配列 を伸展する。後者は5’上流領域を得るのに最も有用である。さらに伸展が必要 或いは要望される場合には、既知領域をさらに伸展させるために、追加のプライ マの組が設計される。 XL-PCR kit(Perkin Elmer)の取扱説明書に従って、完全に酵素及び反応混合物 を混合することにより、高い忠実度の増幅が得られる。各プライマを40pmo lで、かつキット全ての他の成分を推奨された濃度で開始する際に、PCRはPe ltier Thermal Cycler(PTC200;MJ Research,Watertown MA)及び以下のパラメー タを用いて実行される。 ステップ1 1分間94℃(初期変性) ステップ2 1分間65℃ ステップ3 6分間68℃ ステップ4 15秒間94℃ ステップ5 1分間65℃ ステップ6 7分間68℃ ステップ7 さらに15サイクル間ステップ4−6の繰返し ステップ8 15秒間94℃ ステップ9 1分間65℃ ステップ10 7分15秒間68℃ ステップ11 12サイクル間ステップ8−10の繰返し ステップ12 8分間72℃ ステップ13 4℃(保持) 反応混合物の5−10μl部分標本が低濃度(約0.6−0.8%)アガロー スミニゲル上で電気泳動法により分析され、どの反応物が配列の伸展に成功した かを判定する。最も大きな生成物を含むと考えられる帯が選択され、そのゲルか ら取り出される。さらに精製は、QIA QuickTM(QIAGEN Inc.Chatsworth,CA)のよ うな市販のゲル抽出方法を使用することを含む。DNAを回収した後、クレノウ 酵素を用いて、再連結及びクローニングを容易にするブラントエンドを生成する 一本鎖ヌクレオチドオーバーハングを切除する。 エタノール沈殿後、その生成物は13μlの連結緩衝液中に再溶解され、1μ lT4−DNAリガーゼ(15ユニット)及び1μlT4ポリヌクレオチドキナ ーゼが加えられ、その混合物は2〜3時間室温で、或いは16℃で一晩の間イン キュベートされる。コンピテントcoli細胞(40μlの適当な媒質内に ある)が3μlの連結混合物と形質転換され、80μlのSOC媒質内で培養さ れる(Sambrook J等、上記)。37℃で1時間インキュベートした後、全形質転 換混合物が、2xCarbを含むLuria Bertani(LB)-agar(Sambrook J等、上記) 上に 蒔かれる。翌日、いくつかのコロニーが各プレートから無作為に選び取られ、適 当な市販の無菌の96ウエル微量定量プレートの個々のウエル内に配置される1 50μlの液体LB/2xCarb媒質内で培養される。その翌日、各5μlの 一晩おいた培養株が有菌の96ウエルプレートに移され、水で1:10に希釈さ れた後、5μlの各サンプルがPCRアレイ内に移される。 PCR増幅の場合、4ユニットのrTthDNAポリメラーゼ、ベクタプライ マ及び伸展反応のために用いられる1つ或いは両方の遺伝子特異性プライマを含 む18μlの濃縮PCR反応混合物(3.3x)が各ウエルに加えられる。増幅 は以下の条件で実行される。 ステップ1 60秒間94℃ ステップ2 20秒間94℃ ステップ3 30秒間55℃ ステップ4 90秒間72℃ ステップ5 さらに29サイクルの間ステップ2−4の繰返し ステップ6 180秒間72℃ ステップ7 4℃(保持) PCR反応物の部分標本が、分子重量マーカと共にアガロースゲル上で処理さ れる。PCR生成物の大きさが、元の部分cDNAと比較され、適当なクローン が選択され、プラスミドに連結され、そして配列決定される。VI ハイブリダイゼーションプローブの標識化及び使用 配列番号:2に由来するハイブリダイゼーションプローブが、cDNA、ゲノ ムDNA或いはmRNAをスクリーニングするために用いられる。約20塩基対 からなるオリゴヌクレオチドの標識化が特に記載され るが、より大きなcDNAフラグメントにも概ね同じ手順が用いられる。オリゴ ヌクレオチドは、OLIGO 4.06(National Biosciences)のような当分野で用いられ るソフトウエアにより設計され、50pmolの各オリゴマと250μCiの[ γ-32P]アデノシン三リン酸(Amersham)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuP ont NEN(登録商標),Boston MA)とを組み合わせることにより標識される。標識さ れたオリゴヌクレオチドは、Sephadex G-25 super fine resin column(Pharmaci a&Upjohn)を用いて実質的に精製される。センス及びアンチセンスオリゴヌクレ オチドをそれぞれ毎分107カウント含む部分は、エンドヌクレアーゼ(Ase I,Bg l Il,Eco RI,Pst I,Xba 1.或いはPvu II、DuPont NEN(登録商標))の1つを用い て消化されるヒトゲノムDNAの典型的な膜系ハイブリダイゼーション分析にお いて用いられる。 各消化物からのDNAは、0.7%アガロースゲルにおいて分画され、ナイロ ン膜(Nytran Plus,Schleicher & Schuell,Durham NH)に転写される。ハイブリダ イゼーションは40℃で16時間実行される。非特異性シグナルを除去するため に、ブロットは、0.1×クエン酸ナトリウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸 ナトリウムまでの徐々に厳密性を増す条件下で室温にて連続して洗浄される。XO MAT ARTM film(Kodak,Rochester NY)が数時間Phosphoimager cassette(Molecul ar Dynamics,Synnyvale CA)内でブロットに露光された後、ハイブリダイゼーシ ョンパターンが視覚的に比較される。VII アンチセンス分子 HuKIをコードする配列或いはその任意の一部のアンチセンス分子又は補体 を用いて、自然発生HuKIのin vivo及びin vitro発現を抑制 する。約20塩基対を含むアンチセンスオリゴヌクレ オチドの使用が特に記載されるが、より大きなcDNAフラグメントにも概ね同 じ方法が用いられる。第1図に示されるようなHuKIをコードする配列に基づ くオリゴヌクレオチドを用いて、自然発生HuKIの発現を抑制する。相補性オ リゴヌクレオチドは、第1図に示されるような最も特有な5’配列から設計され 、プロモータが上流非翻訳化配列に結合するのを防ぐことにより転写を抑制する か、或いはリボソームが結合するのを防ぐことにより、HuKIをコードする転 写物の翻訳を抑制するかのいずれかに用いられる。配列番号:2のシグナル及び 5’配列の適当な一部を用いる際に、有効なアンチセンスオリゴヌクレオチドは 、第1図に示されるようなポリペプチドのシグナル或いは5’コード化配列に翻 訳する領域に及ぶ任意の15−20ヌクレオチドを含む。VIII HuKIの発現 HuKIの発現は、適当なベクタ内にcDNAをサブクローニングし、ベクタ を宿主細胞に形質転換することにより達成される。この場合に、cDNAライブ ラリの発生のために用いられるクローニングベクタを用いて、coli内で HuKIを発現する。クローニング部位の上流では、このベクタはβ−ガラクト シダーゼのためのプロモータを含み、アミノ末端Met及びそれに後続するβ− ガラクトシダーゼの7残基を含む配列が後続する。これらの8残基の直後は、転 写のために有用なバクテリオファージプロモータ及びいくつかの特有の制限部位 を含むリンカーである。 標準的な方法を用いてIPTGを有する分離され、形質転換された細菌株の誘 発は、β−ガラクトシダーゼの最初の8残基、リンカーの約5〜15残基及び完 全長タンパク質からなる融合タンパク質を生成する。シグナル残基は、バクテリ ア成長媒質内へのHuKIの分泌を促す。IX HuKI活性の例示 HuKIをコードするポリヌクレオチド配列は、哺乳類ベクタ内に配置され、 肝臓癌細胞に形質転換された。細胞及び培養抽出物においてIL−2を用いて剌 激する場合及び刺激しない場合において一時的な発現が定量される。位相差顕微 鏡を用いて、細胞分裂の速さが、形質転換された肝臓癌細胞及び形質転換されな い肝臓癌細胞集団においてモニタされ、選択された放射標識アミノ酸を培地に与 えた後に、細胞内HuKI活性の部位がその同じ細胞のオートラジオグラフィを 用いて検査される。 cAMPターンオーバの速度に対するHuKI発現の影響が、γ標識32P−A TPからの放射活性32Pを供給するパルスチェイス実験及びγラジオアイソトー プカウンタを用いて形質転換された細胞及び形質転換されない細胞において検査 される。その細胞は37℃でインキュベートされ、細胞の収集時間にトリクロロ 酢酸を加えることにより酵素反応が終了される。酸抽出物は中和され、ゲル電気 泳動にかけ、一リン酸、二リン酸及び三リン酸ヌクレオチド画分を分離する。一 リン酸画分が切除され、カウントされる。形質転換集団と非形質転換集団との間 で回収される放射活性の差は、一時的に発現したHuKIによるcAMPの調節 に比例する。X HuKI特異性抗体の生成 PAGE電気泳動法(Sambrook、上記)、或いは他の精製技術を用いて実質的に 精製されるHuKIを用いて、ウサギを免疫し、標準的なプロトコルを用いて抗 体を生成する。配列番号:2に由来するアミノ酸配列は、DNAStar software(DNA Star Inc)を用いて分析され、免疫原性の高い領域を確定し、対応するオリゴポ リペプチドを合成かつ使用して、 当業者に知られた手段により抗体を産生させる。C−末端付近、或いは親水性領 域内にあるような適当なエピトープの選択は、Ausube等(上記)などに記載され る。 典型的にはオリゴペプチドは長さ15残基で、fmoc(フルオレニルメトキ シカルボニル)化学作用を用いるApplied Biosystems Peptide Synthesizer Mod el 431Aを用いて合成され、M-maleimidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester( MBS:Ausubel等、上記)と反応することによりキーホールリンペットヘモシアニ ン(KLH,Sigma,St.Louis,MO)に結合される。ウサギは、完全なフロイントアジ ュバント内でオリゴペプチド−KLH複合体で免疫される。その結果生じる抗血 清は、例えば、プラスチックにペプチドを結合し、1%BSAで遮断し、ウサギ 抗血清と反応させ、洗浄し、さらに放射ヨウ素標識されたヤギ抗ウサギIgGと 反応させることにより、抗ペプチド活性に対して検査される。XI 特異性抗体を用いる自然発生HuKIの精製 自然発生或いは組換え体HuKIは、HuKIに対して特異な抗体を用いる免 疫親和性クロマトグラフィにより実質的に精製される。免疫親和性カラムが、H uKI抗体を、CnBr-activated Sepharose(Pharmacia & Upjohn)のような活性化 されたクロマトグラフ樹脂に共有結合することにより構成される。結合後、製造 者の取扱説明書に従って樹脂は遮断及び洗浄される。 HuKIを含む媒質を免疫親和性カラム上を通過させ、カラムは、HuKIを 選択吸収させる条件下(例えば洗浄剤中に高イオン強度緩衝剤を入れたもの)で 洗浄される。カラムは、抗体/HuKI結合を分裂させる条件下(pH2−3の 緩衝剤或いは尿素或いはチオシアネートイオンのような高濃度のカオトロープ) で溶離され、HuKIが回収される。XII HuKIと相互作用する分子の同定 HuKI或いはその生物学的活性フラグメントは、125I Bolton-Hunter reage nt(Bolton AE and Hunter WM(1973)Biochem J 133:529)を用いて標識される。9 6ウエルプレートのウエル内に以前に配列された候補分子が、標識されたHuK Iでインキュベートされ、洗浄され、標識されたHuKI複合体を有する任意の ウエルが検定される。種々のHuKI濃度から得られたデータを用いて、数、親 和性及びHuKIと候補分子との関係を示す値を計算する。 上記明細書中に記載された全ての特許出願及び特許は参照して本明細書の一部 としている。記載された本発明の方法及びシステムの種々の変更例及び変形例は 、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者には明らかとなろう。本発 明は特定の好適な実施例に関連して記載されてきたが、請求される本発明はその ような特定の実施例に不当に制限されるべきでないことを理解されたい。実際に 、本発明を実施するために記載された形態の種々の変更例は、分子生物学或いは 関連する分野の当業者には明らかであり、以下の請求の範囲内に入るものである 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/00 C07K 14/81 35/00 16/38 C07K 14/81 C12N 1/21 16/38 C12P 21/02 C C12N 1/21 C12Q 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/53 M C12Q 1/68 D G01N 33/53 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/566 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AT ,AU,BR,CA,CH,CN,DE,DK,ES, FI,GB,IL,JP,KR,MX,NO,NZ,R U,SE,SG,US (72)発明者 シャー、パルビ アメリカ合衆国カリフォルニア州94087・ サニーベイル・#5・クイーンシャルロッ トドライブ 1608

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:1のアミノ酸配列或いはそのフラグメントを含む実質的に精製さ れたヒト腫瘍関連Kazalインヒビタ。 2.請求項1のヒト腫瘍関連Kazalインヒビタをコードする単離され、精製 されたポリヌクレオチド配列。 3.請求項2のポリヌクレオチド配列に厳密性条件下でハイブリダイズするポリ ヌクレオチド配列。 4.請求項2のポリヌクレオチド配列を含むハイブリダイゼーションプローブ。 5.配列番号:2或いはその変異体を含む単離され、精製されたポリヌクレオチ ド配列。 6.請求項2のポリヌクレオチド配列或いはその誘導体に相補性を有するポリヌ クレオチド配列。 7.請求項6のポリヌクレオチド配列を含むハイブリダイゼーションプローブ。 8.請求項2のポリヌクレオチド配列を含む発現ベクタ。 9.請求項8のベクタを含む宿主細胞。 10.配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドを精製するための方法で あって、前記方法が、 a)ポリペプチドの発現に適した条件下で請求項9の宿主細胞を培養する過程 と、 b)宿主細胞培地株からポリペプチドを回収する過程とを有することを特徴と する方法。 11.適当な医薬品担体と共に配列番号:1のアミノ酸配列を含む実質的に精製 されたヒト腫瘍関連Kazalインヒビタを含む医薬品組成物。 12.請求項1のポリペプチドに特異に結合する精製された抗体。 13.請求項1のポリペプチドに特異に結合し、その活性を調節する精製された アンタゴニスト。 14.請求項11の医薬品組成物の有効量を、治療を要する被検者に投与する過 程を含むプロテアーゼ媒介性組織破壊を治療するための方法。 15.請求項13のアンタゴニストの有効量を、その治療を必要とする被検者に 投与することを含む細胞増殖に関連する疾患を治療するための方法。 16.生体サンプルにおいてヒト腫瘍関連Kazalインヒビタをコードするポ リヌクレオチドの検出するための方法であって、 a)請求項6のポリヌクレオチドを生体サンプルの核酸物質にハイブリダイズ し、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成する過程と、 b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程とを有し、 前記ハイブリダイゼーション複合体の存在が前記生体サンプルのヒト腫瘍関連 Kazalインヒビタをコードするポリヌクレオチドの存在に相関をなすことを 特徴とする方法。
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