JP2503335B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

Info

Publication number
JP2503335B2
JP2503335B2 JP24630891A JP24630891A JP2503335B2 JP 2503335 B2 JP2503335 B2 JP 2503335B2 JP 24630891 A JP24630891 A JP 24630891A JP 24630891 A JP24630891 A JP 24630891A JP 2503335 B2 JP2503335 B2 JP 2503335B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
coupling agent
adhesive
adhesive composition
hap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24630891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0578632A (ja
Inventor
精記 上野
和晃 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta Gelatin Inc
Original Assignee
Nitta Gelatin Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitta Gelatin Inc filed Critical Nitta Gelatin Inc
Priority to JP24630891A priority Critical patent/JP2503335B2/ja
Publication of JPH0578632A publication Critical patent/JPH0578632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2503335B2 publication Critical patent/JP2503335B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、接着剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウムなどの金属の接着を
行うには、接着しようとする金属表面に前処理、たとえ
ばリン酸処理やエッチングなどの化学的処理を施してお
くことが一般的であった。これは、表面の汚れ、油、弱
い酸化皮膜を取り除いて強い酸化皮膜を形成させたり、
また、エッチングなどにより表面を荒くしたりすること
により強固な接着性能を得るためである。
【0003】被着材を化学的または物理的に前処理して
おく必要がある接着剤は、接着の作業性やトータルコス
トなどを考慮すると、電気部品(器具)、家具、自動車
等の構造部品の組み立て工程(アッセンブリー工程)に
おいて用いるのに極めて操作が繁雑である。したがっ
て、接着剤の設計を変えることにより、現行の前処理工
程がなくても良好な接着性を発揮するようにすることが
非常に重要な改善点と考えられる。
【0004】発明者らの研究では、従来の接着剤は、被
着材表面の前処理を施していない金属表面の酸化皮膜と
の結合力を高めるために、その酸化皮膜と化学的に結合
しうるリン酸ナトリウム、リン酸トリメチルや上記有機
リン酸化合物を用いているが、これらの配合物とマトリ
ックス成分との相互作用があまり考慮されていなかっ
た。前処理を施していない金属表面の酸化皮膜と接着剤
との結合力を高めるために添加する配合物が、接着剤層
の中においてマトリックス成分とも相互作用を発揮すれ
ば、接着剤全体としての接着力を向上させることができ
ると考えられる。
【0005】そこで、発明者らは、金属表面に対して、
前処理を行わずに塗布して良好な接着性を発揮する接着
剤を提案した。すなわち、マトリックス成分として造膜
性を有する樹脂、および、接着性改善剤として生体系カ
ルシウム化合物を含む接着剤組成物である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この接着剤組成物は、
生体系カルシウム化合物を含まない場合に比べて金属同
士を接着する力は向上しているが、耐水性能の点が改善
の余地があった。そこで、この発明は、接着に際し金属
表面の前処理が不要で、しかも、良好な接着強度を得る
ことができ、耐水性能の向上した接着剤組成物を提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、マトリックス成分として造膜性を有す
る樹脂、および、接着性改善剤として生体系カルシウム
化合物(以下、「生Ca−化合物」と言う)を含む接着
剤組成物であって、前記生Ca−化合物がカップリング
剤によって表面処理されたものであることを特徴とする
接着剤組成物を提供する。この接着剤組成物は、カップ
リング剤も含んでいてもよい。
【0008】この発明は、また、マトリックス成分とし
て造膜性を有する樹脂、および、接着性改善剤として生
Ca−化合物を含む接着剤組成物であって、カップリン
グ剤を含んでいることを特徴とする接着剤組成物を提供
する。生Ca−化合物は、カルシウムを含む化合物のう
ちで生物由来のもの、たとえば石灰化により生成する化
合物である。生Ca−化合物の具体的な例を挙げると、
たとえば、貝殻(たとえば、ホタテガイ、ハマグリ、ア
サリ、シジミなど)、卵の殻、ヒドロキシアパタイト
(以下、「HAp」と言う)、石灰岩(石灰石)などで
あり、これらの1種のみを単独で用いたり、2種以上を
併用したりすることができる。これらは、適宜、洗浄、
粉砕され、たとえば、平均粒径10μm以下の粉体にし
て使用される。この平均粒径を上回ると接着性能の低下
のおそれがある。ただし、この発明では、化学的な合成
を行って作られる、軽質炭酸カルシウム、白艶華(極微
細な炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウムの高純度
品))、カルシウム化合物試薬などは、生Ca−化合物
に含めない。
【0009】HApは、たとえば、典型的なものの構造
式としてはM10(ZO4)6(OH)2〔ここで、MはCa、
Pb;ZはAs、P、V〕で表される無機充填剤であ
り、一般には、Ca10(PO4)6(OH)2である。この発
明で用いるHApは、通常0.1〜0.5ppm 程度の不
純物を含んでいるが性能については問題はない。この発
明は、上記生Ca−化合物がカップリング剤(以下、生
Ca−化合物を表面処理するためのカップリング剤を
「カップリング剤A」と言う)で表面処理されている
か、および/または、配合成分としてカップリング剤
(以下、接着剤組成物の配合成分として用いられるカッ
プリング剤を「カップリング剤B」と言う)を含んでい
ることが特徴である。
【0010】生Ca−化合物をカップリング剤で表面処
理するには、たとえば、カップリング剤(すなわち、こ
の発明では、アルミニウム系、シラン系を指す)を水や
有機溶剤などの溶剤に溶かし、その溶液中に生Ca−化
合物を添加し、スラリー状で分散攪拌し、2〜3日保持
して処理した後、上澄みを除去し、残留溶媒を乾燥さ
せ、処理前の粒径にコントロールするというやり方が採
用されるが、これに限定されない。
【0011】カップリング剤AおよびBとしては、それ
ぞれ、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラ
ン、アミノシラン、メルカプトシランなどのシラン系カ
ップリング剤;アルミニウムアルコレート、アルミニウ
ムキレートなどのアルミニウム系カップリング剤などが
挙げられ、それぞれ、単独で使用されたり、あるいは、
2以上併用されたりする。
【0012】カップリング剤で表面処理されたか、ある
いは、表面処理されていない生Ca−化合物の添加量
は、特に限定はないが、たとえば、マトリックス成分1
00重量部(以下、「重量部」を単に「部」と言う)に
対して1〜8部の割合とするのが好ましい。この割合を
外れると生Ca−化合物の添加効果が発現されないおそ
れがある。カップリング剤Bの添加量は、特に限定はな
いが、たとえば、マトリックス成分100部に対して1
〜10部の割合とするのが好ましい。この割合を外れる
と充分な接着性、接着強度、耐水接着性、耐水接着強度
等が得られなかったり、発泡が起こったりするおそれが
ある。
【0013】この発明の接着剤組成物は、マトリックス
成分として、2以上のイソシアネート基を有するイソシ
アネート化合物、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ゴム等
の脆性改質剤で変性されたエポキシ樹脂などの樹脂;お
よび、ゴム、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性弾性
ポリマーを含むものが挙げられる。マトリックス成分
は、官能基を有する合成樹脂を有することが好ましい。
マトリックス成分は、接着剤の用途などに応じて、適宜
設定すればよい。たとえば、上記樹脂や熱可塑性弾性ポ
リマーのうちの何れか1種のみを用いたり、2種以上を
併用したりするのである。併用の場合の組み合わせは、
たとえば、エポキシ樹脂と反応性エラストマーとの変性
樹脂、イソシアネート化合物とポリエステル樹脂とのポ
リマーブレンド品などが挙げられる。樹脂および熱可塑
性弾性ポリマーのうちの2以上の化合物を併用する場
合、その比率は樹脂の組み合わせなどにより適宜設定さ
れ、特に制限はない。
【0014】この発明に用いる、2以上のイソシアネー
ト基を有するイソシアネート化合物としては、たとえ
ば、ウレタンプレポリマーなどが挙げられる。このウレ
タンプレポリマーは、たとえば、アミン当量450〜1
500のものが好ましく、アミン当量500〜800の
ものがより好ましい。これらのアミン当量を有するウレ
タンプレポリマーは、たとえば、1000〜4000の
数平均分子量を有する。アミン当量(または数平均分子
量)が前記範囲を下回ると分子量が小さいため、架橋後
の強靭性に欠けるおそれがあり、前記範囲を上回ると粘
度が高く使いにくくなることがある。この発明で用いる
イソシアネート化合物は、イソシアネート基を2以上有
するものであれば特に限定はない。前記ウレタンプレポ
リマーは、たとえば、トリレンジイソシアネート系ウレ
タンプレポリマー、メチレンジフェニルジイソシアネー
ト系ウレタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシア
ネート系ウレタンプレポリマー、キシリレンジイソシア
ネート系ウレタンプレポリマー、イソホロンジイソシア
ネート系ウレタンプレポリマーなどイソシアネート誘導
体が挙げられ、それぞれ単独で使用されたり、または、
2以上併用されたりする。
【0015】また、マトリックス成分として上述の2以
上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を
用いる場合、必要に応じて接着性能向上のためなどに、
エポキシ樹脂などが用いられる。イソシアネート化合物
とエポキシ樹脂との配合量は、たとえばイソシアネート
化合物100部に対して、エポキシ樹脂5〜25部とさ
れる。
【0016】この発明に用いるエポキシ樹脂としては、
オキシラン環を2以上有する化合物であれば特に限定は
なく、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、これらの変性樹脂などが挙げられ、そ
れぞれ、単独で使用されたり、または、2以上併用され
たりする。また、エポキシ樹脂は、エポキシ当量180
〜700のものが好ましく、エポキシ当量180〜20
0のものがより好ましい。エポキシ当量が前記範囲を下
回ると分子量が低く脆性が発現するおそれがあり、上回
ると分子量が高くなり固形化するため取り扱いが悪くな
るおそれがある。
【0017】また、マトリックス成分として上述のエポ
キシ樹脂を用いる場合、必要に応じて接着性能向上のた
めなどに、各種反応性エラストマーなどが用いられる。
これらの配合量は、たとえば、エポキシ樹脂100部に
対して、5〜100部とされる。この発明に用いるアク
リル樹脂は、たとえば、2液混合型で硬化助触媒の作用
で主剤(マトリックス成分)が化学反応を起こして硬化
するものである。主剤は、エラストマーとアクリルモノ
マー、硬化触媒(たとえば過酸化物)、安定剤からな
る。SGA(第2世代アクリル)の場合、エラストマー
成分にクロロスルホン基(SO2Cl )が含まれているのが
特徴である。硬化触媒は主鎖延長のための作用をし、硬
化助触媒はそれを促進させるものである。硬化助触媒
は、たとえば、レドックス系の開始触媒であってアルデ
ヒド化合物とアニリンの縮合物が一般的である。
【0018】この発明に用いる熱可塑性弾性ポリマー
は、たとえば、クロロプレン系ゴム、SBR(スチレン
−ブタジエン2元ランダムコポリマー)、SBS(スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、S
IS(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリ
マー)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、α
−オレフィン等の熱可塑性エラストマーであれば特に制
限はない。
【0019】この発明の接着剤組成物は、上記の成分以
外にも必要に応じて1以上のその他の成分を配合するこ
とができる。たとえば、溶剤、硬化剤、硬化促進剤、粘
着樹脂、ワックス、老化防止剤などが挙げられる。上記
イソシアネート化合物は、空気など雰囲気中の水分によ
り硬化したり、あるいは、硬化剤によって硬化したりし
て、3次元架橋構造を形成する。前記硬化剤としては、
たとえば、1個以上の活性水素を有する化合物(活性水
素化合物と言うことがある)が使用される。このような
化合物の具体例としては、たとえば、芳香族ポリアミ
ン、脂肪族ポリアミン、ポリオール、ポリカルボン酸、
ポリアミド、フェノール類などが挙げられ、いずれか1
つが単独で使用されたり、または、2以上併用されたり
する。硬化剤を使用する場合、その割合は特に制限はな
いが、上記イソシアネート化合物と活性水素化合物との
化学量論比として計算し添加され、理論上、理想的な量
を系に添加するのが好ましい。
【0020】エポキシ樹脂を用いる場合、適当な硬化
剤、硬化促進剤などが使用される。この発明では、マト
リックス成分としてエポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤
として芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、チオー
ル、ポリメルカプタン等が、硬化促進剤として第3級ア
ミン、カルボン酸、フェノール、第3級アミノ基を持つ
化合物とエポキシ樹脂の付加生成物などが用いられる。
硬化剤は、たとえば、エポキシ基と活性水素化合物の化
学量論比で計算し、添加量を決定する。また、硬化促進
剤は、たとえば、1〜10重量%(エポキシ樹脂の全重
量に対して)の割合とされる。また、たとえば、エポキ
シ樹脂の脆性改質剤として反応性エラストマー等の液状
ゴムやそれらで変性された変性エポキシ樹脂等を添加す
ることも可能である。
【0021】上記その他の成分の配合割合は特に限定は
ないが、たとえば、イソシアネート化合物100部に対
して0〜100部とされる。この発明の接着剤組成物
は、上記イソシアネート化合物と生Ca−化合物を用い
て反応性ホットメルト接着剤とすることができる。この
場合には通常、イソシアネート化合物の硬化は湿気によ
り起こる。また、上記イソシアネート化合物として熱可
塑性のウレタンプレポリマーと生Ca−化合物を用いて
反応性ホットメルト接着剤として用いることができる。
【0022】この発明の接着剤組成物は、金属同士(た
とえば、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅同士など)、金属
と他の被着材(たとえば、ガラス、プラスチック、木材
など)の接着などに用いることができる。被着材に塗布
する場合、その厚みはたとえば0.3〜0.5mmとされ
る。金属に塗布する場合、前処理を行わずに塗布しても
酸化皮膜と結合して強い接着力が得られる。また、表面
に油性物質の皮膜が存在していても、強い接着力を発揮
することができる。このため、この発明の接着剤組成物
は、自動車用の金属同士の接着、ガラスと金属、プラス
チックと金属の接着などに利用できる。この発明の接着
剤組成物は、また、シーラントとしても用いることがで
きる。
【0023】
【作用】接着性改善剤としてカップリング剤で表面処理
された生Ca−化合物が添加されていることにより、生
Ca−化合物が金属表面の酸化皮膜と相互作用を生じ、
また、生Ca−化合物が接着剤中のマトリックス成分と
相互作用を生じると考えられる。
【0024】接着剤の成分としてカップリング剤が添加
されていると、常態接着強度の向上と耐水性能の向上と
いう作用がある。耐水性をより向上させるという点から
は、カップリング剤で表面処理された生Ca−化合物を
含んでいるとともに、配合成分としてカップリング剤B
を含んでいることが好ましい。
【0025】このため、金属表面の前処理(たとえば、
化学的処理)をしなくても、接着が可能であり、その後
の接着性、特に耐水性も良好である。マトリックス成分
としてイソシアネート化合物を用いると、イソシアネー
ト化合物と活性水素化合物とが硬化反応を起こして架橋
構造を形成する。マトリックス成分としてエポキシ樹脂
を用いると、エポキシ樹脂のエポキシ環(オキシラン
環)が活性水素化合物の活性水素と反応して開環し、順
次3次元架橋構造を形成することで強靭な接着層を形成
する。
【0026】マトリックス成分としてアクリル樹脂を用
いると、エラストマーとアクリルモノマーと硬化触媒、
安定剤などの主剤が、硬化助触媒と合わされることによ
り、たとえば、アクリルモノマーが室温で重合し、また
部分的にはエラストマーとグラフト重合することによ
り、強靭な接着層を形成する。マトリックス成分として
熱可塑性弾性ポリマーを用いると、化学的相互作用はな
いが、溶剤型では溶剤揮散させることで接着性を発現
し、熱溶融型では熱溶融したものを室温まで冷却させて
接着性を発現させる。
【0027】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。 −生Ca−化合物の調製例1− ホタテガイの貝殻をメタノールに24時間浸漬し、さら
に、水道水に24時間浸漬して充分に洗浄したものを非
循環のヒーター式恒温槽にて10時間以上水分除去した
ものをボールミルで粉砕し、ふるい分けして400メッ
シュ(タイラー標準ふるい。以下同様)通過のホタテガ
イ貝殻粉末(以下では、単に「ホタテガイ」と言うこと
がある)を得た。
【0028】−カップリング剤による生Ca−化合物の
表面処理例1− シランカップリング剤であるKBM−403(信越化学
株式会社製グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
を3g秤量し、これに、水を97g加え、3wt%のシラ
ンカップリング剤水溶液を作製した。そこへ、HAp
(新田ゼラチン株式会社製の商品名「ヒドロキシアパタ
イトBC」、平均粒径10μm以下、粒径分布4〜12
μmの範囲の粒子)の粉末を添加し(シランカップリン
グ剤とHApの粉末の量比は、シランカップリング剤水
溶液100部、生Ca−化合物の粉末50部であっ
た)、スラリー状として3日間室温で保持した後、その
上澄みを除去し、残存水分を恒温槽中での加熱乾燥によ
り除去した。乾燥したHApを微粉砕し、粒子径を処理
前の状態(平均粒子径10μm以下、粒子径分布4〜1
2μmの範囲の粒子)に戻した。このようにしてシラン
カップリング剤で表面処理されたHAp粉末をシラン処
理後HAp粉末と言う。
【0029】−カップリング剤による生Ca−化合物の
表面処理例2− 表面処理例1において、生Ca−化合物としてHApの
代わりにホタテガイ貝殻粉末を用いたこと以外は表面処
理例1と同様にして、シラン処理後ホタテガイ貝殻粉末
を得た。 −カップリング剤による生Ca−化合物の表面処理例3
− 表面処理例1において、生Ca−化合物としてHApの
代わりにタマゴの殻の粉末を用いたこと以外は表面処理
例1と同様にして、シラン処理後タマゴ殻粉末を得た。
【0030】−実施例1− エポキシ樹脂A(大日本インキ化学工業株式会社製のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂:エポキシ当量190)
100部、DICY(日本カーバイド株式会社製のジシ
アンジアミド)8部、HAp(新田ゼラチン株式会社製
の商品名「ヒドロキシアパタイトBC」、平均粒径10
μm以下、粒径分布4〜12μmの範囲の粒子)5部、
潜在性硬化促進剤A(味の素株式会社の製品で3級アミ
ノ基を持つ化合物とエポキシ樹脂の付加反応生成物)5
部、および、シランカップリング剤A(信越化学株式会
社製の商品名「KBM−403」)3部を用い、室温に
おいてポリエチレン(PE)ビーカー中でHApが均一
になるまで攪拌混合することにより接着剤組成物を調製
した。
【0031】−実施例2〜4および比較例1,2− 表1の配合で実施例1と同様にして接着剤組成物を調製
した。 −実施例5〜7および比較例3,4− 表2の配合で実施例1と同様にして接着剤組成物を調製
した。上記実施例および比較例で得られた接着剤組成物
について、剪断強度を次のようにして調べ、結果を表1
および2に示した。
【0032】厚み1.6mm、幅25mm、長さ100mmの
アルミニウム板(日本テストパネル株式会社製の標準試
験片)を表面処理せずに使用した。2枚のアルミニウム
板の両方に接着剤組成物を塗布し、12.5mm×25.
0mmのラップ面積で重ね合わせ、クリップで圧締し(圧
力50kg/cm2 )、150℃で30分間の硬化条件で硬
化を行った。得られた試験片について、JIS K−6
850に準じて、島津製作所製のオートグラフS−20
00にてクロスヘッドスピード50mm/分で25℃、6
5%RH雰囲気中で常態剪断接着強度を測定した。ま
た、硬化後、40℃の温水に30日浸漬した後、同様に
して剪断接着強度を測定した。剪断接着強度は、実測強
度をラップ面積で割ったものを示した。破壊の種類は、
ラップ面の接着剤層の破壊状態を観察し、凝集破壊を
C、界面−凝集混合破壊をAC、界面破壊をAでそれぞ
れ表した。
【0033】また、接着剤組成物の保持率を、40℃の
温水に30日浸漬する前後の接着強度から計算し〔保持
率(%)=(40℃の温水に30日浸漬後の接着強度/
初期接着強度(ここでは常態接着強度のこと))×10
0〕、表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1および2にみるように、単にHApを
添加しただけでは耐温水性が悪く、HApをシランカッ
プリング剤で処理し、さらに、配合物中にシランカップ
リング剤を添加すると耐温水性が向上することがわか
る。 −実施例8− TDI(トリレンジイソシアネート)とPTMG(ポリ
(オキシテトラメチレン)グリコール)を用いて合成さ
れたアミン当量650のウレタンプレポリマー(武田薬
品工業株式会社製)8.0部、芳香族ポリアミン(チバ
・ガイギー社製、アミン価8.0〜8.9モル/kg、液
状)1.0部、HAp(新田ゼラチン株式会社製の商品
名「ヒドロキシアパタイトBC」、平均粒径5μm、粒
径分布4〜12μmの範囲の粒子)0.5部、および、
シランカップリング剤A(信越化学株式会社製の商品名
「KBM−403」)0.3部を用い、室温においてポ
リエチレン(PE)ビーカー中でHApが均一になるま
で攪拌混合することにより接着剤組成物を調製した。
【0037】−実施例9,10および比較例5,6− 表3の配合で実施例8と同様にして接着剤組成物を調製
した。上記実施例および比較例で得られた接着剤組成物
について、剥離強度を次のようにして調べ、結果を表3
に示した。また、保持率も上記のようにして計算し、結
果を表3に示した。
【0038】剥離強度の測定には、厚み0.3mm、縦1
50mm、横150mmのアルミニウム板を表面処理せずに
使用した。このアルミニウム板にドクターブレードを用
いて接着剤組成物を塗布厚0.3〜0.4mmに塗布し、
0.4mmのスペーサーを挿入し、アルミニウム板同士を
貼り合わせ、ヒートプレスで120℃、15分間、50
kg/cm2 の条件にて硬化を行った。その後、試験片を2
5mm幅に裁断し、島津製作所製のオートグラフS−20
00にてクロスヘッドスピード300mm/分にて25
℃、65%RH中で常態剥離接着強度を測定した。この
方法は、JISK6854−77に準ずる。また、40
℃の温水に30日浸漬した後で同様にして剥離接着強度
を測定した。破壊の種類は、剥離強度測定時に剥離が生
じた箇所を観察し、界面破壊をA、界面−凝集混合破壊
をAC、凝集破壊をCでそれぞれ表した。
【0039】
【表3】
【0040】表3にみるように、先程の表1,2と同様
にシランカップリング剤でHApの表面処理を施したも
のや同時にシランカップリング剤を配合したもの双方共
に耐温水性が向上することがわかる。 −実施例11〜13および比較例7,8− 表4に示す配合で実施例1と同様にして接着剤組成物を
調製した。アクリル系接着剤は、コニシ株式会社製の一
般家庭用2液型アクリル系接着剤(マトリックス成分9
5重量%)を使用し、これの10.0部に対してHAp
を0.5部、シランカップリング剤を0.3部添加し
た。HApおよびシランカップリング剤は実施例1と同
じものを用いた。
【0041】得られた接着剤組成物を用い、剪断強度を
次のようにして調べ、結果を表4に示した。また、保持
率も上記のようにして計算し、結果を表4に示した。厚
み1.6mm、幅25mm、長さ100mmのアルミニウム板
(日本テストパネル株式会社製の標準試験片)を表面処
理せずに使用した。2枚のアルミニウム板の両方に接着
剤組成物を塗布し、12.5mm×25.0mmのラップ面
積で重ね合わせ、クリップで圧締し(圧力50kg/c
m2 )、室温で5日間硬化させた。得られた試験片につ
いて、実施例1と同様にして常態剪断接着強度、40℃
温水に7日間浸漬した後の剪断接着強度を測定した。
【0042】
【表4】
【0043】表4にみるように、先程と同様に耐温水性
の向上が認められた。 −実施例14〜16および比較例9,10− 表5に示す配合で実施例1と同様にして接着剤組成物を
調製した。ゴム系接着剤は、サンスター技研株式会社製
の工業用溶剤系ゴム接着剤(マトリックス成分30重量
%)を使用し、これの10.0部に対してHApを0.
15部、シランカップリング剤を0.3部添加した。H
Apおよびシランカップリング剤は実施例1と同じもの
を用いた。
【0044】得られた接着剤組成物を用い、剪断強度を
実施例11と同様にして調べ、結果を表5に示した。ま
た、保持率も上記のようにして計算し、結果を表5に示
した。
【0045】
【表5】
【0046】表5にみるように、先程と同様に耐温水性
の向上が認められた。 −実施例17− 日本ポリウレタン工業株式会社製のポリヘキサメチレン
アジペートとポリネオペンチレンアジペートの共重合体
ジオール100部を反応釜に入れ、3mmHgの減圧下で
100℃に加熱し、2時間脱水を行った。ついで、MD
I(メチレンジフェニルジイソシアネート)25部を投
入し、N2 (窒素)気流下、95℃で4時間反応させ、
ポリエステル系ウレタンプレポリマーを得た。この時の
アミン当量は約1250であった。このウレタンプレポ
リマー70部に日本合成化学工業株式会社製の飽和ポリ
エステル樹脂30部を窒素気流下で120℃で30分間
混合した。得られた混合物にHApを5部、シランカッ
プリング剤を3部添加して反応性ホットメルト接着剤を
得た。HApおよびシランカップリング剤は実施例1と
同じものを用いた。
【0047】−実施例18,19および比較例11,1
2− 表6に示す配合により、実施例17と同様にして反応性
ホットメルト接着剤(接着剤組成物)を得た。実施例1
7〜19および比較例11,12の反応性ホットメルト
接着剤について、溶融粘度、完全硬化後の剥離強度、4
0℃温水に7日間浸漬した後の剥離強度およびそれぞれ
の破壊の種類(評価は上述のとおり)を調べ、結果を表
6に示した。また、保持率も上記のようにして計算し、
結果を表6に示した。
【0048】完全硬化後の剥離強度は、接着剤組成物を
溶融状態で塗布して被着材(上述のアルミニウム板同
士)を貼り合わせ、その後、23℃、65%RHで1週
間放置してから、上述のやり方で常態剥離接着強度を測
定することにより調べた。
【0049】
【表6】
【0050】表6にみるように、先程と同様に耐温水性
の向上が認められた。 −カップリング剤による生Ca−化合物の表面処理例4
− 表面処理例1において、カップリング剤としてアルミニ
ウム系カップリング剤〔川研ファインケミカル株式会社
製の商品名アルミニウムキレートALCH(化合物名:
エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト)〕を用いたこと、および、溶剤として水の代わりに
アセトンを用いたこと以外は表面処理例1と同様にし
て、表面処理HAp粉末(アルミニウム系カップリング
剤処理HApと言う)を得た。
【0051】−実施例20〜23− 表7の配合で実施例1と同様にして接着剤組成物を調製
した。エポキシ樹脂A、DICY、HAp、および、潜
在性硬化促進剤は実施例1で用いたものと同じものであ
り、アルミニウム系カップリング剤処理HApは、表面
処理例4で得られたものである。アルミニウム系カップ
リング剤は表面処理例4で用いたものと同じものであ
る。
【0052】上記実施例で得られた接着剤組成物につい
て、剪断強度を実施例1と同様にして調べ、結果を表7
に示した。また、保持率も上記のようにして計算し、結
果を表7に示した。なお、表7には、対比のために比較
例1のデータも載せた。
【0053】
【表7】
【0054】表7にみるように、やはりHAp単独より
も、表面処理したHApを添加したり、表面処理したH
Apと同時にアルミニウムカップリング剤を添加したり
すると耐温水性能が向上することがわかる。
【0055】
【発明の効果】この発明にかかる接着剤組成物は、以上
に述べたようなものであり、接着に際し金属表面の前処
理が不要で、しかも、良好な接着性を得ることができ、
耐水性能も良い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09C 1/02 PAD C09C 1/02 PAD

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス成分として造膜性を有する
    樹脂、および、接着性改善剤として生体系カルシウム化
    合物を含む接着剤組成物であって、前記生体系カルシウ
    ム化合物がカップリング剤によって表面処理されたもの
    であることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 カップリング剤を含んでいる請求項1記
    載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 マトリックス成分として造膜性を有する
    樹脂、および、接着性改善剤として生体系カルシウム化
    合物を含む接着剤組成物であって、カップリング剤も含
    んでいることを特徴とする接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 生体系カルシウム化合物が、ヒドロキシ
    アパタイト、貝殻およびタマゴの殻からなる群の中から
    選ばれた少なくとも1種である請求項1から3までのい
    ずれかに記載の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 マトリックス成分として、2以上のイソ
    シアネート基を有するイソシアネート化合物、エポキシ
    樹脂、アクリル樹脂、および、熱可塑性弾性ポリマーか
    ら選ばれる少なくとも1種を含む請求項1から4までの
    いずれかに記載の接着剤組成物。
JP24630891A 1991-09-25 1991-09-25 接着剤組成物 Expired - Fee Related JP2503335B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24630891A JP2503335B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 接着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24630891A JP2503335B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 接着剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0578632A JPH0578632A (ja) 1993-03-30
JP2503335B2 true JP2503335B2 (ja) 1996-06-05

Family

ID=17146624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24630891A Expired - Fee Related JP2503335B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2503335B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005200434A (ja) * 2003-12-15 2005-07-28 Hori Glass Kk 2液型構造用アクリル接着剤組成物、ならびにこれを用いた接着構造および接着方法
CN1320888C (zh) * 2004-03-01 2007-06-13 大连经济技术开发区锋华生物营养有限公司 多糖生物钙的制作方法
KR101889142B1 (ko) * 2015-12-11 2018-08-16 주식회사 포스코 고망간강 브레이크 디스크

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0578632A (ja) 1993-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7786214B2 (en) Composition of epoxy resin, epoxy adduct, urea derivative thixotropic agent and curing agent
US4525570A (en) Heat-setting mixtures which have a long shelf life and comprise a polyisocyanate and compounds which are reactive toward isocyanate groups, and their preparation
TWI450926B (zh) 可濕固化之接枝改性樹脂組成物,其製法及使用該樹脂組成物黏合基質之方法
JP2002533511A (ja) 耐衝撃性エポキシ樹脂系接着剤
JP2001512762A (ja) ジまたはポリスルフィド結合を含む結合剤を基本成分として含有する解離可能な接着剤
JP4810878B2 (ja) 接着剤組成物
JP2002526618A (ja) 耐衝撃性エポキシ樹脂組成物
JP5757707B2 (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
DK2917254T3 (en) REACTIVE LIQUID CAUTION OF BLOCKED ISOCYANATE TERMINATED PREPOLYMERS WITH GLYCOL CATCHERS
JPS6038485A (ja) ポリウレタン接着剤用のポリオール及び/又はポリアミン及びポリイソシアナートからの混合物
JP2599222B2 (ja) 接着剤組成物
JPH05230364A (ja) ポリウレタン水性分散液
JPH02150484A (ja) 自動車構造用接着剤
JP2503335B2 (ja) 接着剤組成物
JPH041220A (ja) エポキシ樹脂組成物
JPH048786A (ja) ポリオレフィン用湿気硬化性反応型ホットメルト接着剤
JP2613991B2 (ja) ウレタン系接着剤組成物
JPH02178383A (ja) ホットメルト接着剤組成物
JPH10330709A (ja) 接着剤組成物及び表面化粧材
JPH02163186A (ja) ホットメルト接着剤組成物
CA2042659A1 (en) Heat curable adhesive
JPH0892540A (ja) ウレタン系水性接着剤組成物
JP3615470B2 (ja) 制振接着ゴム組成物
JP2010084024A (ja) 接着剤組成物
JP2008516064A (ja) 耐老化性被覆剤および接着剤複合材料

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees