JP2503055B2 - 酸素センサの特性評価方法 - Google Patents

酸素センサの特性評価方法

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JP2503055B2 JP63196368A JP19636888A JP2503055B2 JP 2503055 B2 JP2503055 B2 JP 2503055B2 JP 63196368 A JP63196368 A JP 63196368A JP 19636888 A JP19636888 A JP 19636888A JP 2503055 B2 JP2503055 B2 JP 2503055B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、酸素センサの特性評価方法に係り、特に酸
素濃淡電池の原理により所定の起電力信号を出力する酸
素センサについて、そのセンサ特性を精度良く且つ簡便
に測定する方法に関するものである。
(背景技術) 従来から、空燃比検出装置として、自動車の内燃機関
の排気ガス(燃焼排ガス)中に含まれる酸素濃度を検知
し、その検出信号に基づいて内燃機関の燃焼状態を最適
にコントロールすることにより、排気ガスの浄化、燃費
の節減等を行なう、所謂酸素センサが知られている。
ところで、この種の酸素センサに用いられる酸素濃度
検出素子として、代表的には、酸素イオン伝導性の固体
電解質であるジルコニア磁器を用いた、酸素濃淡電池の
原理を利用して酸素濃度を求める構造のものが実用化さ
れており、そこでは、固体電解質にそれぞれ設けられ
た、被測定ガスに晒される測定電極と基準酸素濃度の基
準ガスに晒される基準電極との間における酸素濃度差に
起因する起電力を検出して、理論空燃比の状態で燃焼せ
しめて得られる燃焼排ガスの如き中性雰囲気のガスを境
にして、かかる被測定ガスがリーン雰囲気であるか、或
いはリッチ雰囲気であるかの識別(判別)を行ない、こ
れに基づいて、そのような被測定ガスとしての燃焼排ガ
スを発生するエンジンを制御して、かかる排ガスを浄化
する三元触媒が有効に働く理論空燃比近辺の領域の燃焼
排ガスとなるようにしている。
このため、かかる酸素センサのセンサ特性を知り、そ
れに基づいて、より正確な空燃比制御を行なうことが、
三元触媒による浄化特性を向上せしめる上において有効
とされ、従来から、酸素センサの特性を評価するための
各種の手法が紹介されてきている。
例えば、理論空燃比点(λ=1)より低い状態で燃焼
して得られるリッチ雰囲気と、それよりも高い状態で燃
焼して得られるリーン雰囲気のプロパン燃焼排ガスを用
いて、リッチ雰囲気に対応するリッチ電圧やリーン雰囲
気に対応するリーン電圧を測定したり、或いはそれらの
ガスを周期的に流すことにより、酸素センサのリッチか
らリーンへの応答時間やリーンからリッチへの応答時間
を測定したり、それら応答時間の非対称性を測定したり
する方法がある。しかしながら、これらの方法にあって
は、センサの特性値とエミッション値に殆ど関連性が認
められず、酸素センサの本来の目的であるエミッション
制御の観点からして、何れも、好ましいものではなかっ
たのである。
また、エンジン排気系に取り付けられた酸素センサに
よりエンジンをクローズ運転し、排気ガスのA/F値を測
定する、所謂ダイナミックラムダ測定法も知られてい
る。而して、このような手法によれば、酸素センサの特
性値とエミッション値に関連性は認められるものの、測
定に時間を要したり、A/Fを測定するための測定の精度
がそれ程高くない等の問題を内在している。これは、A/
Fの測定にガス分析系を用いるためであり、このこと
は、また、大規模な測定系となってしまったり、測定コ
ストが高くなってしまう等という問題を惹起している。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為
されたものであって、その解決課題とするところは、大
規模な測定システムを用いることなく、エミッションと
関連性のあるセンサ特性を精度良く測定し、その特性評
価をより正確に行なうことにある。
(解決手段) そして、本発明は、かかる課題解決のために、燃焼排
ガス若しくはそれに相当する模擬ガスからなる試験ガス
中に存在する一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物等の未
燃成分を浄化する浄化装置の下流側に、酸素濃淡電池の
原理により所定の起電力信号を出力する基準酸素センサ
を配して、該基準酸素センサから出力される、前記浄化
装置にて浄化された前記試験ガス中の酸素濃度に対応し
た起電力信号に基づいて、該試験ガスを、理論空燃比点
を中心にして、燃料過剰の状態のリッチ雰囲気と空気過
剰の状態のリーン雰囲気に周期的に切り換える一方、前
記浄化装置の上流側に、特性評価されるべき被測定酸素
センサを配し、該被測定酸素センサから、酸素濃淡電池
の原理によって、前記周期的にリッチ雰囲気とリーン雰
囲気に切り換えられる試験ガスに従って出力される起電
力信号に基づいて、該被測定酸素センサのリッチ信号時
間とリーン信号時間の時間比率を測定するようにしたの
である。
また、本発明は、上記した課題解決のために、燃焼排
ガス若しくはそれに相当する模擬ガスからなる試験ガス
中に存在する一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物等の未
燃成分を浄化する浄化装置の下流側に、酸素濃淡電池の
原理により所定の起電力信号を出力する基準酸素センサ
を配して、該基準酸素センサから出力される、前記浄化
装置にて浄化された前記試験ガス中の酸素濃度に対応し
た起電力信号に基づいて、該試験ガスを、理論空燃比点
を中心にして、燃料過剰の状態のリッチ雰囲気と空気過
剰の状態のリーン雰囲気に周期的に切り換える一方、前
記浄化装置の上流側に、特性評価されるべき被測定酸素
センサを配し、該被測定酸素センサから、酸素濃淡電池
の原理によって、前記周期的にリッチ雰囲気とリーン雰
囲気に切り換えられる試験ガスに従って出力される起電
力信号に基づいて、該被測定酸素センサのリーン電圧若
しくは出力振幅を測定することをも、その特徴とするも
のである。
(具体的構成・実施例) 以下、図面を参照しつつ、本発明を更に具体的に明ら
かにすることとする。
先ず、第1図は、本発明に従う測定システムの一具体
例を示すものであって、そこにおいて、2は、ガス供給
装置としてのエンジンである。そして、このエンジン2
において発生せしめられる、燃料過剰の状態下に燃焼せ
しめて得られる燃焼排ガスに相当するリッチ雰囲気や空
気過剰の状態下に燃焼せしめて得られる燃焼排ガスに相
当するリーン雰囲気が、試験ガスとして、排気マニホー
ルド4及び第一の排気管6を通じて、三元触媒装置等の
浄化装置8に導かれるようになっており、そしてこの浄
化装置8において、かかる試験ガス中に存在する一酸化
炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の
未燃成分が浄化されるようになっている。
なお、ガス供給装置は、上記の如きエンジン2の他
に、そのようなエンジンから排出される排ガス成分を模
擬した、かかる排ガスに相当する模擬ガスを与える模擬
ガス供給装置であっても良く、例えば空気とプロパンガ
スの燃焼排ガスにCO,H2,NO,CO2等の混合ガスを組み合わ
せたガス供給装置であっても何等差支えないのであり、
また浄化装置8としても、よく知られている三元触媒装
置や酸化触媒装置の他に、燃焼排ガス(試験ガス)の平
衡化反応(清浄化反応)を促進させるものであるなら
ば、如何なる装置であっても良く、例えば単なる加熱装
置であっても何等差支えないのである。
そして、かかる浄化装置8において浄化された試験ガ
スは、第二の排気管10を通じて大気中に排出されること
となるが、この浄化装置8よりも下流側に位置する第二
の排気管10には、酸素濃淡電池の原理により所定の起電
力信号を出力する基準酸素センサ12が設けられており、
浄化装置8から流出する浄化された試験ガス中の酸素濃
度に対応した起電力信号を出力するようになっている。
この基準酸素センサ12は、酸素イオン伝導性の固体電解
質と測定電極,基準電極とを有する公知の構造のもので
あるが、特に本発明にあっては、その酸素検知部をヒー
タによって所望の温度に加熱するようにした加熱型セン
サ(特開昭57-142555号公報、特開昭55-140145号公報等
参照)の使用が推奨される。これは、非加熱型のセンサ
と比べて、後述する動作点が、より理論空燃比点に近づ
くからである。
また、基準酸素センサ12は、ガス成分制御装置として
の空燃比制御用コンピュータ14に接続されており、かか
る基準酸素センサ12から出力される信号に基づいて、エ
ンジン2の空燃比が、かかるコンピュータ14によって制
御され、以てエンジン2から排出される試験ガスとして
の燃焼排ガス中のガス成分がリッチとリーンに可変せし
められるようになっている。つまり、空燃比制御用コン
ピュータ14により、エンガン2の空燃比が制御され、試
験ガスが、理論空燃比点を中心にして、燃焼過剰の状態
下に燃焼せしめて得られるリッチ雰囲気と空気過剰の状
態下に燃焼せしめて得られるリーン雰囲気に周期的に切
り換えられるようになっているのである。従って、この
ような浄化装置8の後方に取り付けられた基準酸素セン
サ12の信号により、本エンジン2は、クローズ運転され
ているのである。
一方、特性評価の為されるべき被測定酸素センサ16
は、それが通常に自動車の排気系に取り付けられる部
位、つまり、浄化装置8の前方(上流側)となる第一の
排気管6の部位に取り付けられて、エンジン2から導か
れる試験ガス、換言すれば周期的に切り換えられるリッ
チ雰囲気とリーン雰囲気に従って、酸素濃淡電池の原理
により所定の起電力信号を出力し、それが、記録計18に
おいて記録されるようになっている。そして、この記録
計18にて記録された波形より、被測定酸素センサ16のリ
ッチ信号とリーン信号の時間比率が求められるようにな
っている。
ところで、この測定システムにおいて、エンジン2か
ら浄化装置8に導かれる試験ガスは、基準酸素センサ12
からの出力信号に基づく空燃比制御用コンピュータ14の
制御下において、理論空燃比点を中心にして、燃料過剰
の状態下に燃焼せしめて得られるリッチ雰囲気と空気過
剰の状態下に燃焼せしめて得られるリーン雰囲気に周期
的に切り換えられる。第2図(a)及び(b)には、そ
のような基準酸素センサ12の信号及びそれに基づいて空
燃比制御用コンピュータ14から出力される空燃比制御信
号が示されている。それらの図において、基準酸素セン
サ12からの信号は、空燃比制御用コンピュータ14に設定
されたリッチ雰囲気からリーン雰囲気或いはリーン雰囲
気からリッチ雰囲気への反転のためのしきい値に従って
処理され、第2図(b)に示される如き、反転点:S1,S
2,S3,S4・・・を有する空燃比制御信号が空燃比制御用
コンピュータ14から出力されて、エンジン2の空燃比が
切換、制御されるのである。即ち、反転点:S1からS2
間、S3からS4の間では、空燃比がリッチ側からリーン側
に移行するような制御が為され、一方、反転点:S2とS3
の間では、空燃比がリーン側からリッチ側に移行するよ
うな制御が行なわれることとなるのである。なお、かか
るリッチ/リーンの反転のためのしきい値と適宜に決定
されることとなるが、ここでは、第2図(a)に示され
るように、基準酸素センサ12のリッチ時間:TR1,リー
ン時間:TL1の比率が1:1となるように空燃比制御が行な
われるようになっている。
このように、エンジン2の空燃比の変化に従って、そ
の燃焼排ガスである試験ガスをリッチ雰囲気とリーン雰
囲気に周期的に切り換えてなる状態下において、第一の
排気管6に設けられた被測定酸素センサ16の信号は、そ
のような変化する試験ガスのガス成分によって、例えば
第2図(c)に示される如き波形を与え、所定の判定レ
ベル、一般的にはエミッションに最も関係するとして予
め定められた所定のレベルにおいて、より長いリッチ信
号時間:TR2と短いリーン信号時間:TL2を与える波形と
なるのである。なお、かかる被測定酸素センサ16のリッ
チ信号時間:TR2とリーン信号時間:TL2の時間比率は、
TR2/(TR2+TL2)にて表わして、ここでは65%となっ
ており、リッチ信号時間の割合が多くなっている。そし
て、ここでは、かかる比率:TR2/(TR2+TL2)をデュ
ーティ比と呼ぶこととする。
本発明は、このようなデューティ比を用いて、被測定
酸素センサ16のセンサ特性を評価するものである。即
ち、空燃比と酸素センサの出力の関係を示す第3図にお
いて、センサの取付け位置を浄化装置8の前にした場合
と後にした場合では、酸素センサの出力特性が大きく異
なるものであって、例えばセンサの取付け位置を浄化装
置8の前にした場合、センサの出力特性、換言すれば被
測定酸素センサ16の出力特性は、破線で示されるように
大きくリーン側にシフトし、リッチ/リーンの判定のし
きい電圧になる空燃比(動作点)は、理論空燃比点か
ら大きくリーン側にシフトする一方、センサの取付け位
置を浄化装置8の後にした場合、センサの出力特性、換
言すれば基準酸素センサ12の出力特性は、実線で示され
る如く、略理論的なλカーブとなって、かかるセンサ12
の動作点は理論空燃比点と完全に一致するようにな
る。
なお、かかるセンサの出力特性のリーンシフトの理由
は、排気ガス(試験ガス)がリーンであっても、排気ガ
ス中にはHC,CO,NOx等の未燃成分が残存し、この未燃成
分が三相界面で局部的に起電力を発生させるものである
ところから、リーン雰囲気であっても起電力を生じるこ
とによるものである。しかしながら、浄化装置8を通過
した排気ガス(試験ガス)には、そのような未燃成分の
残存が殆どないものであるところから、上記の如きリー
ンシフトは惹起されず、理論的なλカーブが得られるの
である。
而して、本発明では、エンジン2を制御するための基
準酸素センサ12は、上述の如く浄化装置8の後に取り付
けられており、このために、エンジン2の空燃比は、理
論空燃比点を中心にしてリッチとリーンに周期的に振ら
れるようになっているのであり、そしてそのような状態
下において、浄化装置8の前に取り付けられた被測定酸
素センサ16は、センサの出力特性がリーン側にシフトし
ているために、リッチからリーンへの応答時間が長くな
り、上述したようにデューティ比が大きくなることとな
るのである。そして、このデューティ比は、被測定酸素
センサ16の出力特性(第3図における破線で示される出
力カーブ)に対応して変化することとなるのである。な
お、基準酸素センサ12が浄化装置8の後に配されている
と、試験ガスのガス温が変わっても、測定系は常に理論
空燃比点(λ=1)で動作して、都合がよい。けだし、
浄化装置8の前に取り付けられた場合には、ガス温によ
りλポイントがずれ、データの一貫性を失ってしまうか
らである。
このように、本発明にあっては、理想的な状態で動作
している基準酸素センサ12の信号に基づいて、試験ガス
としての燃焼排ガスを、理論空燃比点を中心にして、正
確にリッチ雰囲気とリーン雰囲気に周期的に変化せしめ
た状態下において、被測定酸素センサ16の信号を測定す
るものであるところから、かかる被測定酸素センサ16の
理想状態からのセンサ特性のずれを明確に捉えることが
出来るのである。
因みに、第4図(a),(b)及び(c)には、被測
定酸素センサ16を種々交換して、上記した本発明に従う
測定手法によって求めたデューティ比と、そのような被
測定酸素センサ16を取り付けた自動車から排出されたエ
ミッション(CO,HC,NOx)との関係が示されている。な
お,そこにおいて、エミッション測定時の自動車の運転
モードは、LA-4モードとした。そして、第4図のそれぞ
れの関係から明らかなように、本発明に従う測定手法に
よって求められたデューティ比とエミッション(CO,HC,
NOx)との間には、強い相関関係が認められ、デューテ
ィ比を測定することによってエミッションを容易に推測
することが出来、酸素センサの評価方法として極めて有
効であることが認識されるのである。
なお、上記の具体例においては、被測定酸素センサ16
からの出力波形におけるリッチ信号時間とリーン信号時
間との時間比率を、デューティ比〔TR2/(TR2
TL2)〕において求めているが、このデューティ比に限
られるものではなく、それらの比率を表すものであれ
ば、如何なる形態のものであっても何等差支えなく、例
えばTR2/TL2、TL2/(TR2+TL2)或いはこれらの逆数
であっても良いのであり、更にはそのようなデューティ
比等の時間比率に代えて、第5図に示される如く、被測
定酸素センサ16の出力波形におけるリーン電圧(リーン
起電力)やその出力振幅を測定し、その特性評価を行な
うことも可能である。
すなわち、第5図に示されるように、基準酸素センサ
12からの出力に基づいて、試験ガスとしての排気ガスの
空燃比は、理論空燃比点を中心に矢印の範囲で振れてお
り、そしてそのような変化する排気ガスの空燃比に対し
て、浄化装置8の前に取り付けられた被測定酸素センサ
16の出力波形において、そのリーン電圧は、前記したリ
ーンシフトのために理想状態から持ち上がり、またその
出力振幅も小さくなるのである。そして、この振幅幅或
いはリーン電圧とエミッションとの間にも、前記のデュ
ーティ比等の時間比率と同様に、強い相関関係が認めら
れるのであり、それ故酸素センサの評価方法として有利
に採用され得るものである。
ところで、上記に例示の本発明に従う具体的手法にお
いては、浄化装置8の上流側の第一の排気管6には、特
性評価されるべき被測定酸素センサ16の1本のみが取り
付けられているが、そのような被測定酸素センサ16の複
数本を取り付けて、それぞれの酸素センサの特性評価を
同時に行なうようにすることも可能である。
また、被測定酸素センサ16の出力波形から求められる
デューティ比等の時間比率や出力振幅、リーン電圧は、
コンピュータ等の適当な演算装置を用いて、同時に処理
するようにすることも可能であり、更にはデューティ比
等の時間比率、出力振幅、或いはリーン電圧は、或る一
定の時間、例えば10秒以上10分以内の時間での平均値と
して表わすのが好ましい。なお、この測定時間は、測定
精度との関係において適宜に選択されることとなる。
その他、一々例示はしないが、本発明が、本発明の趣
旨を逸脱しない限りにおいて、種々なる形態において実
施され得るものであることは、言うまでもないところで
あり、そのような実施形態のものが、何れも本発明の範
疇に属するものであることが、理解されるべきである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明は、理想的な
状態で動作している基準酸素センサの出力信号に基づい
て、周期的にリッチ雰囲気とリーン雰囲気に変化せしめ
られる試験ガスによって、被測定酸素センサからの出力
(起電力信号)を取り出し、そしてそれより、デューテ
ィ比等の時間比率、出力振幅或いはリーン電圧を求める
ようにしたものであって、従来の如きガス分析系等の装
置も必要でないところから、大規模な測定システムとす
ることなく、従って測定コストの上昇を大幅に惹起する
ことなく、エミッションと関連性のあるセンサ特性を精
度良く測定することが可能となったのであり、そこに、
本発明の大きな工業的意義が存するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に従う測定システムの一例を示す系統
図であり、第2図(a),(b)及び(c)は、それぞ
れ、基準酸素センサの信号、空燃比制御信号及び被測定
酸素センサの信号の一例を示す説明図であり、第3図
は、酸素センサの異なる配置に基づく空燃比−センサ出
力の関係を示すグラフであり、第4図(a),(b)及
び(c)は、それぞれ、エミッション(CO,HC,NOx)と
デューティ比との関係の一例を示すグラフであり、第5
図は、被測定酸素センサの空燃比−出力特性及び被測定
酸素センサの出力波形の一例を示すグラフである。 2:エンジン、4:排気マニホールド 6:第一の排気管、8:浄化装置 10:第二の排気管、12:基準酸素センサ 14:空燃比制御用コンピュータ 16:被測定酸素センサ 18:記録計

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼排ガス若しくはそれに相当する模擬ガ
    スからなる試験ガス中に存在する一酸化炭素、炭化水
    素、窒素酸化物等の未燃成分を浄化する浄化装置の下流
    側に、酸素濃淡電池の原理により所定の起電力信号を出
    力する基準酸素センサを配して、該基準酸素センサから
    出力される、前記浄化装置にて浄化された前記試験ガス
    中の酸素濃度に対応した起電力信号に基づいて、該試験
    ガスを、理論空燃比点を中心にして、燃料過剰の状態の
    リッチ雰囲気と空気過剰の状態のリーン雰囲気に周期的
    に切り換える一方、 前記浄化装置の上流側に、特性評価されるべき被測定酸
    素センサを配し、該被測定酸素センサから、酸素濃淡電
    池の原理によって、前記周期的にリッチ雰囲気とリーン
    雰囲気に切り換えられる試験ガスに従って出力される起
    電力信号に基づいて、該被測定酸素センサのリッチ信号
    時間とリーン信号時間の時間比率を測定することを特徴
    とする酸素センサの特性評価方法。
  2. 【請求項2】燃焼排ガス若しくはそれに相当する模擬ガ
    スからなる試験ガス中に存在する一酸化炭素、炭化水
    素、窒素酸化物等の未燃成分を浄化する浄化装置の下流
    側に、酸素濃淡電池の原理により所定の起電力信号を出
    力する基準酸素センサを配して、該基準酸素センサから
    出力される、前記浄化装置にて浄化された前記試験ガス
    中の酸素濃度に対応した起電力信号に基づいて、該試験
    ガスを、理論空燃比点を中心にして、燃料過剰の状態の
    リッチ雰囲気と空気過剰の状態のリーン雰囲気に周期的
    に切り換える一方、 前記浄化装置の上流側に、特性評価されるべき被測定酸
    素センサを配し、該被測定酸素センサから、酸素濃淡電
    池の原理によって、前記周期的にリッチ雰囲気とリーン
    雰囲気に切り換えられる試験ガスに従って出力される起
    電力信号に基づいて、該被測定酸素センサのリーン電圧
    若しくは出力振幅を測定することを特徴とする酸素セン
    サの特性評価方法。
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