JP2502851B2 - 物体の形状および位置の測定装置 - Google Patents

物体の形状および位置の測定装置

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JP2502851B2 JP3218998A JP21899891A JP2502851B2 JP 2502851 B2 JP2502851 B2 JP 2502851B2 JP 3218998 A JP3218998 A JP 3218998A JP 21899891 A JP21899891 A JP 21899891A JP 2502851 B2 JP2502851 B2 JP 2502851B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的マッチド・フィ
ルタ法技術に関し、特に、多形状物体の形状、数及び位
置を同時に測定することが可能な物体の形状および位置
の測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路基板の検査、文字認識、一般物
体形状の識別のためのロボットの眼、微生物・生体細胞
の識別などのために、複数の物体形状と位置及びその数
を同時に実時間で識別するための技術を早急に開発する
ことが望まれている。
【0003】このような技術として、特開昭64−46
888号の光学的マッチドフィルタ法が知られている。
この技術は、基本的にはVander Lugt式のマ
ッチド・フィルタ法を用いたもので、被測定物体の位置
を特定するために、検出しようとするいくつかの物体に
よる出力信号(相関信号)を、物体独自の位置に出力さ
せるという概念を取り入れたものである。物体の識別
は、複数の測定物体(フィルタ作成パターン)の1つ1
つが形成する個々の参照領域を、被測定物体が形成する
領域(測定視界)の大きさの最大値より大きく形成する
ことによって、相関出力信号を互いにオーバーラップす
ることがなく、複数の測定物体(フィルタ作成パター
ン)の1つ1つの位置を中心にして、被測定物体の現在
位置に対応した位置に自己相関の出力信号光として出力
することによって行なわれる。
【0004】この原理を示すと、図5および図6のよう
になる。まず、図5のようにして測定物体(フィルタ作
成パターン)のマッチドフィルタが作成される。すなわ
ち、測定物体に物体照射光(平行光束)をあて、フーリ
エ変換レンズL1 により測定物体のフーリエ変換像をマ
ッチドフィルタに形成する。このとき、ハーフミラーを
介して参照光(平行光束)を照射すれば、干渉によって
フーリエ変換ホログラムがマッチドフィルタに形成され
る。
【0005】上記のようにして得たマッチドフィルタを
用いて、図6のようにして被測定物体の形状、位置を測
定する。すなわち、参照光の照射をやめて逆フーリエ変
換レンズL2 を配置する。そして、測定物体(フィルタ
形成用パターン)の代りに被測定物体を置き、物体照射
光を入射する。すると、出力面には自己相関信号が得ら
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、測定視界の大きさは参照領域によって制限されてし
まうため、狭いものとなってしまう(参照領域より狭い
方向でしか測定視界が形成できない)。すなわち、図7
に示すように、FとM1 、FとM2 、FとM3 というよ
うに、別々に相関をとっていくと、フィルタ作成物体
(図5のプロセスで使用される)における参照領域より
狭い領域が測定視界となってしまう。このため、測定対
象の密度が小さい場合には、実質上、1つ1つを測定し
ているのと大差がなくなり、効率の低いものとなってし
まう。測定対象の密度が大きい場合でも、測定対象物1
つ1つが独立して存在していることが必要であり(互い
に接触していたり、付着していてはいけない)、また位
置を特定するためには光軸方向の重なりを避けるような
測定対象物の配置を取る必要があるために、実際の測定
では、ある程度測定物の密度を小さくして行なっている
ため、必ずしも適切な方法ではない。
【0007】また、被測定物体が動き回るような場合、
その相関信号は狭い領域に集中して他と識別しにくくな
るし、大きな動きに対しては対応できなくなる。また、
フィルタとなるフーリエ変換ホログラムの記録材には十
分な光感度を持つものがないため、ホログラム作成にあ
たっては入力光強度を大きくする必要があり、そのため
にもフィルタ作成パターンは小さくして、それに照射す
るレーザー光の強度(またはコヒーレント変換したパタ
ーンよりの出力光の強度)を大きく保つ必要があるた
め、参照領域を大きく取らねばならないということは、
適切な方法ではない。
【0008】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するためになされたもので、広い範囲での測定が可能な
物体の形状および位置の測定装置を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の測定物
体を1つの光束中に互いに離して特定された位置に配置
し、それぞれの測定物体のフーリエ変換像の間に位置に
よる位相差を発生させながら、これら測定物体のフーリ
エ変換像を同時に形成したマッチドフィルタを用い、こ
れら測定物体と被測定物体との相関を求める物体の形状
および位置の測定装置において、複数の測定物体が形成
する参照領域を、測定視界中の個々の被測定物体が形成
する領域の最小値よりも小さくしたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の構成によれば、自己相関信号は被測定
物体のそれぞれの位置を中心として(0次光の位置)、
測定パターンのそれぞれの測定物体に対応する位置に現
われるので、対応する自己相関信号の位置により被測定
物体を識別し、0次光の位置で被測定物体の位置を検出
することができる。フィルター作成物体のそれぞれの位
置は、相関信号となる点像と0次光の点像が識別できれ
ばよいので、それぞれが重ならない範囲で小さくし、具
体的には、複数の測定物体が形成する参照領域を、測定
視界中の個々の被測定物体が形成する領域の最小値より
も小さくしたので、広い範囲での測定が可能になり、そ
のため動き回る対象物を識別し追跡することが容易にな
る。
【0011】
【実施例】以下、添付の図1〜図4により、本発明の実
施例を説明する。
【0012】図1はその装置の構成図である。レーザ光
源1からのレーザビームはビームスプリッタ2により物
体照射光と参照光に分岐され、物体照射光はミラー4お
よびビームエキスパンダ5を介して平行光束となり、物
体面8に照射される。一方、参照光はミラー3およびビ
ームエキスパンダ5を介して平行光束となり、ハーフミ
ラー9に入射される。物体面8はフーリエ変換レンズL
1 の前側焦点P1 に置かれ、マッチドフィルタ10はフ
ーリエ変換レンズL2 の後側焦点P2 に置かれ、逆フー
リエ変換レンズL2 の後側焦点P3 には出力面11が置
かれる。この出力面11の像はCCDカメラ12に撮像
され、その映像信号はフレームメモリ13を介してマイ
クロコンピュータ14に与えられることにより、物体の
形状と位置が判別される。
【0013】次に、上記実施例に係る装置の作用を、概
略的に説明する。
【0014】まず、フーリエ変換レンズL1 の前焦点面
1 に被測定物体を互いに離した位置に配置して、物体
照射光で照明すると、物体のフーリエ変換像がフーリエ
変換レンズL1 の後焦点面P2 に同時に重ね合わされて
形成されるが、それぞれの物体のフーリエ変換像の間に
は位置の違いによる位相差が発生している。このように
して形成されたフーリエ変換像と、1つの参照光とをP
2 面で干渉させてホログラムを形成し、このホログラム
をマッチド・スペイシャル・フィルタ10としてP2
に配置し、次のような光学マッチドフィルタ法を行う。
【0015】すなわち、マッチドフィルタ10をレンズ
1 の後焦点面P2 に配置し、レンズL1 の前焦点面P
1 に平行光束をあて、この光束中に被測定物体群を入れ
ると、逆フーリエ変換レンズL2 の後焦点面P3 上に、
被測定物体の形状、数、位置を表す物体識別信号光の光
点が観測される。
【0016】これを、図2および図3を参照して説明す
ると、次のようになる。まず、マッチドフィルタを作製
するために、図2のように、広い平行光束中に被測定形
状(A,B,C)物体を互いに遠く離して物体面8に配
置し、フーリエ変換レンズL1 の前焦点面P1 に置く。
各形状物体から生じた回折光は、レンズL1 の後焦点面
2 上に光軸を中心としてそれぞれの回折パターンを形
成する。物体の位置による位相偏移情報と形状が含まれ
ているこれらの回折パターンを、同時に1つの参照光6
と干渉させれば、各物体(A,B,C)の形状及び位置
の情報が1度の露光で同時に1枚のホログラムに凍結さ
れる。このホログラムはフーリエ変換レンズL1 の後焦
点面P2 上で、マッチドフィルタとして作製される。
【0017】このようにして作成されたマッチドフィル
タ10を用いて物体の形状とその位置を識別するために
は、図3のように、マッチドフィルタ10をレンズL1
の後焦点面P2 に設置する。そして、参照光は照射する
ことなく、レンズL1 の前焦点面P1 に物体照射光(平
行光束)をあて、測定視界を形成する。測定視界中に被
測定物体群を入れると、マッチドフィルタ10によって
それぞれの物体の形状とその位置が逆フーリエ変換レン
ズL2 の後焦点面P3 上で識別される。すなわち、出力
面11には自己相関信号光がスポットとして現れ、これ
がCCDカメラ12に撮像される。
【0018】被測定物体と測定物体の大きさの関係を、
図4に示す。複数の測定物体(フィルター作成パター
ン)、すなわちA,B,Cが形成する参照領域を、測定
視界中の個々の被測定物体が形成する領域(互いにオー
バーラップすることがない測定領域)の最小値より小さ
く形成している。図示の如く、自己相関信号は被測定物
体のそれぞれの位置を中心として(0次光の位置)、測
定パターンのそれぞれの測定物体に対応する位置に現わ
れるので、対応する自己相関信号の位置により被測定物
体を識別し、0次光の位置で被測定物体の位置を検出す
ることができる。フィルタ作成物体のそれぞれの位置
は、相関信号となる点像と0次光の点像が識別できれば
よいので、それぞれが重ならない範囲で小さくすること
が出来る。そして、フィルタ作成後は、相関信号は光電
子増倍管などで光強度を増倍して取ればよいので測定視
界が大きくても問題はない。
【0019】
【発明の効果】以上の通り、本発明の構成によれば、自
己相関信号は被測定物体のそれぞれの位置を中心として
(0次光の位置)、測定パターンの測定物体に対応する
それぞれの位置に現われるので、対応する自己相関信号
の位置により被測定物体を識別し、0次光の位置で被測
定物体の位置を検出することができる。フィルタ作成物
体のそれぞれの位置は、相関信号となる点像と0次光の
点像が識別できればよいので、それぞれが重ならない範
囲で小さくし、具体的には、複数の測定物体が形成する
参照領域を、測定視界中の個々の被測定物体が形成する
領域の最小値よりも小さくしたので、広い範囲での測定
が可能になり、そのため動き回る対象物を識別し追跡す
ることが容易になる。このように、ホログラム作成にあ
たっては適した構成となり、相関信号を光電子増倍管な
どで光強度を増倍することによって、より広い測定視界
を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される物体の形状および位置の測
定装置の構成図である。
【図2】実施例におけるマッチドフィルタの作成を示す
図である。
【図3】実施例における形状と位置の測定を示す図であ
る。
【図4】実施例における参照領域と測定視界の関係図で
ある。
【図5】従来例におけるマッチドフィルタの作成を示す
図である。
【図6】従来例における形状と位置の測定を示す図であ
る。
【図7】従来例における参照領域と測定視界の関係図で
ある。
【符号の説明】 1…レーザ光源 2…ビームスプリッタ 5…ビームエキスパンダ 10…マッチドフィルタ 11…出力面 L1 …フーリエ変換レンズ L2 …逆フーリエ変換レンズ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の測定物体を1つの光束中に互いに
    離して特定された位置に配置し、それぞれの前記測定物
    体のフーリエ変換像の間に位置による位相差を発生させ
    ながら、これら測定物体のフーリエ変換像を同時に形成
    したマッチドフィルタを用い、これら測定物体と被測定
    物体との相関を求める物体の形状および位置の測定装置
    において、 前記複数の測定物体が形成する参照領域を、測定視界中
    の個々の前記被測定物体が形成する領域の最小値よりも
    小さくしたことを特徴とする物体の形状および位置の測
    定装置。
  2. 【請求項2】 前記マッチドフィルタが、前記複数の測
    定物体のフーリエ変換像と1つの参照光を干渉させて形
    成されたフーリエ変換ホログラムである請求項1記載の
    物体の形状および位置の測定装置。
  3. 【請求項3】 前記マッチドフィルタが、前記複数の測
    定物体のフーリエ変換像の強度パターンである請求項1
    記載の物体の形状および位置の測定装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の測定物体と前記被測定物体の
    フーリエ変換を同時に行なってパワースペクトラムを
    得、このパワースペクトラムのフーリエ変換を行って、
    このフーリエ変換面にて前記複数の測定物体と前記被測
    定物体との間の相関を得る相関器を備える請求項1また
    は請求項3記載の物体の形状および位置の測定装置。
  5. 【請求項5】 前記マッチドフィルタが、前記複数の測
    定物体のフーリエ変換像の位相情報のみを用いる位相フ
    ィルタである請求項1記載の物体の形状および位置の測
    定装置。
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