JP2502283Y2 - 瓦 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、瓦に関する。

（従来の技術） 従来、瓦は、セメント、骨材、合成繊維に水を混合し
た組成物等を所定の厚みで脱水プレスするなどの方法に
よって製造されている。

このような瓦を屋根面に施工し、その瓦に荷重をかけ
た場合、荷重をかけた一点に応力が集中して破損し易
く、強度が弱い欠点があった。このため、瓦本体の裏面
に複数本の補強リブを形成し、荷重を分散させて強度を
向上させた瓦が出願人から提案されている。

一方、瓦の棟側辺に沿う表面縁部には左側辺かわ右側
辺にかけて盛り上がり状に釘座が連続的に形成されてお
り、この釘座を釘止めして瓦を所定位置に固定するよう
になっている。

（考案が解決しようとする課題） ところで、このような瓦で屋根を葺く場合、壁際の納
りなどによっては屋根寸法に瓦を一致させるように瓦を
切断することがある。そして、このような切断した瓦を
釘止め固定する場合、誤って補強リブを貫通するような
位置で釘座を釘止め固定すると、瓦にワレやカケが発生
する問題があった。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたもので、
釘止め固定する際、補強リブを貫通しないようにしてワ
レやカケを発生させることのない瓦を提供するものであ
る。

（課題を解決するための手段） 本考案は、瓦本体の裏面に棟側辺から軒側辺にかけて
適宜の間隔をおいて３本以上の補強リブを形成するとと
もに、瓦本体の棟側辺に沿う表面縁部に前記補強リブと
干渉しない位置に複数個の盛り上がり状釘座を形成した
ことを特徴とするものである。

（作用） 釘座が補強リブを避けて形成されているから、釘座に
釘打ちすると補強リブには当らない。したがって、安心
して迅速なる釘打ち作業を行うことができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図には本考案に係わる瓦１が示されており、瓦本
体２の裏面にはその棟側辺３から軒側辺４にかけて適宜
の間隔で３本の補強リブ5₁，5₂，5₃が形成されている。

一方、瓦本体２の棟側辺３に沿う表面縁部には、左側
辺６から右側辺７にかけて島状に釘座8₁，8₂，8₃，8₄が
盛り上がり状に形成されている。そして、これらの釘座
8₁…8₄は、前記補強リブ5₁，5₂，5₃と干渉しない位置、
具体的には、盛り上がり状の釘座8₁は左側辺６と補強リ
ブ5₁の間に位置するように形成され、盛り上がり状釘座
8₂は補強リブ5₁と補強リブ5₂の間に位置するように形成
されている。同様に、釘座8₃および8₄は、それぞれ補強
リブ5₂と補強リブ5₃の間および補強リブ5₃と右側辺７の
間に位置するように形成されている。

なお、本実施例においては、３本の補強リブ5₁，5₂，
5₃を設けた瓦１を示したが、その数を限定するものでは
ない。そして、この補強リブの本数に対応して釘座を形
成すればよいものである。

この結果、瓦本体２に連続した盛り上がり状の釘座を
形成した瓦では不良率がワレ20％、カケ30％であったの
が本実施例の瓦１においては釘止め時における不良は皆
無となった。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、瓦の裏面に補強リブを
形成し、その表面には前記補強リブに干渉しないように
盛り上がり状の釘座を形成したことにより、瓦の強度を
確保すると同時に、釘止め固定時における破損を解消す
ることができる。特に、瓦を切断して配置しなければな
らないような場所においても、破損を生じることなく釘
止め固定することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の瓦の実施例を例示するもので、第１図は
本考案の瓦の斜視図、第２図は同瓦における釘座部分の
断面図である。 １…瓦、２…瓦本体 ３…左側辺、４…右側辺 ５…補強リブ、６…棟側辺 ７…軒側辺、８…釘座

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】瓦本体の裏面に棟側辺から軒側辺にかけて
   適宜の間隔をおいて３本以上の補強リブを形成するとと
   もに、瓦本体の棟側辺に沿う表面縁部に前記補強リブと
   干渉しない位置に複数個の盛り上がり状釘座を形成した
   ことを特徴とする瓦。