JP2501653B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

Info

Publication number
JP2501653B2
JP2501653B2 JP8528490A JP8528490A JP2501653B2 JP 2501653 B2 JP2501653 B2 JP 2501653B2 JP 8528490 A JP8528490 A JP 8528490A JP 8528490 A JP8528490 A JP 8528490A JP 2501653 B2 JP2501653 B2 JP 2501653B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
pole
loop
magnetic field
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8528490A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03224227A (ja
Inventor
治久 木下
治 松本
昭延 堀江
純一 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kokusai Electric Corp
Original Assignee
Kokusai Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokusai Electric Corp filed Critical Kokusai Electric Corp
Publication of JPH03224227A publication Critical patent/JPH03224227A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2501653B2 publication Critical patent/JP2501653B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はマグネトロン放電を利用したプラズマ処理
装置に関する。
〔従来技術〕
従来、この種のプラズマ処理装置としてのドライエッ
チング装置は文献『Digest of Papers of 1st Micro Pr
ocess Conference』(Sponsored by the Japan Society
of Applied Physics)に開示されるものがあり、以下
これについて説明する。
この従来のプラズマ処理装置に使用する永久磁石の概
要とこの装置の概要を第25図(a),(b)及び第26図
に示す。
第25図(a),(b)はこの従来装置に使用される磁
石の構成例を説明するための平面図及びそのXXV−XXV線
矢視断面図である。このループ状磁石1は円環(リン
グ)状形状の永久磁石となっており、直径方向に二分し
た一方の半部にN極くN磁極ともいう)2及び他方の半
部にS極(S磁極ともいう)4を帯磁させて主磁極層6
を形成し、これらN磁極2及びS磁極4により主として
ループの内側の中空部及びその近辺に、N極2からS極
4に向かう磁力線(図中矢印を付した実線で示してあ
る)8が平面的に見てほぼ平行で、かつほぼ均一な強度
となるように構成してある。
このような磁力線8を有する半休磁石よりなるループ
状磁石1は、例えば、主成分としてAl,Ni,Co,Feを含有
するアルニコ磁石においてCoの含有量を約30%前後と大
きくした場合に得られる。この例では、Coの含有量が約
30%と多いので、保磁力が約1000エルステッド以上と大
きくなり、その大きな保磁力のため、着磁後同一の一つ
のループ状磁石1の内側構成部分に主磁極層6のN磁極
2及びS磁極4とは反対磁極のS極3とN極5とがそれ
ぞれ自発的に帯磁して補助磁極層10が形成される。
従って、ループ外側構成部分の主磁極層6と、ループ
内側構成部分の補助磁極層10とで一つのループ状磁石1
が構成され、両者の磁極層6及び10の境界を第25図
(a),(b)に破線で示してある。このCoの含有量が
約25%以下となると、保磁力が約1000エルステッド以下
と小さくなってしまい、これがためこのような反対磁極
のS極3とN極5の帯磁形成はない。
このように、この従来例では主磁極層6のN,S磁極2,4
のそれぞれの内側構成部分に補助磁極層10の反対磁極S,
N磁極3,5がそれぞれ形成されているため、第25図(a)
に示すように、リング内側の中空部分に発生する磁力線
8は平面的に見て均一性が良く、また第25図(b)に示
すように、断面方向から見た磁力線8はこの中空部分に
おいて平行性と均一性が相当良くなっている。
第26図は第25図に示したループ状磁石1を用いた従来
のプラズマ処理装置の構成の一例を示す簡略断面図であ
る。真空容器21内にカソード電極22とアノード電極23と
を対向配設させてあり、このアノード電極23を接地す
る。カソード電極22は絶縁体24によってアノード電極23
と絶縁されている。そして第25図に示した構造のループ
状磁石1を真空容器21の下部外側周囲であって,カソー
ド電極22の近傍で,しかもカソード電極22の平面とほぼ
平行となるような位置関係で配設する。このループ状磁
石1はモータによって回転する。この時、ループ状磁石
1の中空部に被エッチング試料である基板またはウェハ
25が位置するように配置する。
このカソード電極22は高周波発振器26から周波数13.5
6MHzの高周波電力を印加すると、カソード電極22の上側
の空間にカソード電極22の面にほぼ直交する方向に高周
波交流電界Eが形成される。この交流電界Eと,磁石1
のN,S磁極2,4間に形成される磁界Bとによってマグネト
ロン放電(破線で示す)27が形成される。このマグネト
ロン放電27は磁界中を動く電子に働くローレンツカによ
って偏った分布を形成する。この偏ったプラズマの分布
を補正して均一性良いエッチングを行うためにループ状
磁石1を回転させ、磁界Bを回転させる。
通常、高周波放電励起によるエッチングガスのイオン
化率は10-4程度と小さいが、マグネトロン放電によるイ
オン化率は10-2程度と2桁以上増大するため、エッチン
グレートも1桁以上大きくなるという利点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来装置では、被エッチン
グ試料、例えば基板25の上側に形成される磁界Bが弱く
なるため、マグネトロン放電27のプラズマ濃度が薄くな
り、エッチング速度が低下する。この磁界Bを増大させ
ようとすると、磁石1の回転軸方向の厚さを厚くする必
要があり、厚さの増大に伴って第25図(b)に示した側
面方向から見た磁力線8の平行性が劣化し、エッチング
分布の均一性が悪くなる。そして磁石1は永久磁石で構
成されているため、磁界Bの強度を随意に適当な値に制
御することができないという課題があった。
更に被プラズマ処理試料,例えば基板25の上側に形成
される磁界Bが中心に対して点対称であるため、マグネ
トロン放電27のプラズマ濃度の分布を自由に制御するこ
とが容易でなく、磁界を回転させた時のプラズマ処理レ
ートの面内分布は中央部がやや大きくなる傾向にあり、
周辺部のプラズマ処理速度を向上させることが困難であ
るという課題があった。
この発明の目的は上述した従来の課題を解決するため
になされたもので、側面方向から見た磁力線の平行性を
劣化させることなく、磁界を強くしたり、磁界の強度を
随意に調節できるようにしたり、平面的に見た磁力線の
分布を一方向に歪ませて、磁界を回転させた時に周辺部
の処理レートをやや増大させ均一なプラズマ処理を可能
とし、密度の濃いプラズマを生成できるようになし、こ
の高密度プラズマを生成できることよりドライエッチン
グ装置,スパッタリング装置,CVD装置等を用いることが
でき、側面方向から見た磁力線の平行性が良いだけでな
く、磁界を回転させることによって均一性良く基板をエ
ッチングしたり、スパッタリングしたり、成膜すること
が可能なプラズマ処理装置を提供しようとするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明装置は、上記課題を解決し上記目的を達成する
ため、図示のようにカソード電極22に電力を印加してカ
ソード電極22とアノード電極23の間の空間にマグネトロ
ン放電27を生じさせるための磁界を発生する磁界発生装
置を具えたプラズマ処理装置において、磁界発生装置を
ループ状磁石1とし、このループ状磁石1はループ形状
の周方向に相対峙してN極32とS極34を有する第1磁石
と、この第1磁石のN極32とS極34ではさまれた2箇所
のループの一部分に設けられた第1磁石よりも残留磁束
密度又は磁束密度が大きく、N極32側にN極47を,S極34
側にS極48を有する第2磁石とよりなり、第1磁石を第
2磁石よりもその磁束密度を零にするに要する逆方向磁
場の強さの大きい磁石で構成し、第1磁石においてはN
極32とS極34よりなる主磁極層36のループ内側の構成部
分又はその一部分に、各N極32とS極34と反対のS極33
とN極35を磁気分極によって形成した補助磁極層40を設
けると共に、ループ状磁石1を真空容器21の内部または
外部に固定して設けるか或いは試料25の面に平行な面内
で回転出来るように設けてなる構成としたものである。
〔作 用〕
本発明装置において、磁化の方向は第1図(a)〜第
18図(a)のI−I線〜XVIII−XVIII線軸に沿った方向
であり、第1磁石30,45のN極32からS極34に向かう磁
力線8が平面的または側面的に見てほぼ平行で、かつ均
一な強度となる。ループ状磁石1の中空部の磁力線8の
密度,即ち磁界強度は、第2磁石31,41の残留磁束密度
又は磁束密度が第1磁石30,45より大きいために強くな
る。換言すれば、第2磁石31,41を第1磁石30,45の間に
装着したループ状磁石1の中空部の磁界強度は、第1磁
石だけのループ状磁石の中空部の磁界強度よりも強くな
る。
また、第1磁石30の磁束密度を零にするに要する逆方
向磁場の強さが第2磁石31のそれより大きいため、磁化
後、第1磁石30の内側構成部分又はその一部分には主磁
極層36のN極32及びS極34とは反対磁極のS極33とN極
35とがそれぞれ自発的に帯磁して補助磁極層40が形成さ
れる。
第1図(b)〜第18図(b)の縦断面図においてルー
プ状磁石1の回転軸方向の厚い領域においてほぼ平行な
磁力線8が形成されるが、このような磁力線分布はルー
プ状磁石1の主磁極層36の内側又はその一部分に強度の
弱い補助磁極層40が帯磁しているために形成される。
このように本発明におけるループ状磁石1では、側面
方向から見た磁力線8の平行性を劣化させることなく、
中心磁界の強度を大幅に増すことが可能となり、しかも
主磁極層36のN極32とS極34の中間のループ部分に残留
磁束密度又は磁束密度の大きな中空部の磁界強度が大き
くなり、平面的に見た場合の中心付近の磁力線8の平行
性が改善され、中心付近に広い領域に亘ってほぼ平行な
磁力線が形成されることになる。
このループ状磁石1は、第21図〜第24図示のように真
空容器21の内部または外部にあるいは試料25の面に平行
な面内で回転できるように設けられているので、カソー
ド電極22に高周波電力を印加すると、試料25の面にほぼ
直交する方向に高周波交流電界Eが形成される。
この交流電界Eとループ状磁石1のN,S極32,34間に形
成される磁界Bとによってマグネトロン放電27が形成さ
れ、このマグネトロン放電27の部分のプラズマ強度は、
交流電界Eの強度と磁界Bの強度分布が共に試料25上で
ほぼ均一に形成されているので、プラズマの強度分布が
磁力線方向に均一になるため、試料25を高均一に、かつ
高速でプラズマ処理することができる。
〔実施例〕
以下図面について本発明の実施例を説明する。
第1図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第1例を説明するための平面図及
びそのI−I線断面図である。
このループ状磁石1は保磁力が約1500エルステッド以
上と十分大きい第1永久磁石30と,それより保磁力が小
さいが残留磁束密度が第1永久磁石30より大きい第2永
久磁石31より構成されている。各第1,第2磁石30,31の
I−I軸方向の長さL,Mはすべて等しく、各磁石の接合
面はI−I軸に垂直な面となっている。磁化の方向はI
−I軸に沿った方向で、第1永久磁石30の各端にN極32
及びS極34を帯磁させて主磁極層36を形成し、これらN
極32からS極34に向かう磁力線(図中矢印を付した実線
で示してある)8が平面的または側面的に見てほぼ平行
でかつ均一な強度となるように構成してある。このよう
な磁化は、電磁石のN,S磁極間にループ状磁石の各磁極
となる部分を対向させて配置し着磁すると得られる。ル
ープ状磁石1の中空部の磁力線8の密度すなわち磁界強
度は第2永久磁石31の残留磁束密度に強く依存し、第2
永久磁石31の残留磁束密度が大きいと、第2永久磁石31
の両端に中空部磁界強度を増す方向にN極47とS極48が
形成され中空部の磁界強度も大きくなる。一方、第25図
に示した従来のループ状磁石同様に第1永久磁石3と第
2永久磁石31の材料が同一の場合、N極47とS極48は形
成されず、中空部の磁界強度が弱くなる。
従って中空部の磁界強度を強くするために、第2永久
磁石31の残留磁束密度を第1永久磁石30の残留磁束密度
より大きくすることが不可欠である。第1永久磁石30の
保磁力は約1500エルステッド以上と大きいため、着磁後
第1永久磁石30の内側構成部分に主磁極層36のN極32及
びS極34とは反対磁極のS極33とN極35とがそれぞれ自
発的に帯磁して補助磁極層40が形成される。両者の磁極
層36及び40の境界を第1図(a),(b)に破線で示し
てあり、第1図(b)における破線は図に示すように曲
線を描く。第1図(b)の断面図において、磁石の回転
軸方向の厚い領域においてほぼ平行な磁力線が形成され
ている。このような磁力線分布はループ状磁石1の主磁
極層36の内側に強度の弱い補助磁極層40が帯磁している
ために形成される。
第1永久磁石30のように保磁力が約1500エルステッド
以上と大きい磁石は、例えば、主成分としてAl,Ni,Co,C
u,Ti,Feを含有するアルニコ磁石においてCoの含有量を
約35%前後と大きくし磁界中で一方向からゆっくり高温
冷却処理した場合に得られる。第2永久磁石31のように
残留磁束密度の大きな磁石は、例えばアルニコ磁石にお
いてCoの含有量を約25%以下とした場合に得られる。ど
ちらの磁石も一長一短があって、Co含有量を増して保持
力を大きくすると残留磁束密度が小さくなり、Coの含有
量を減らして残留磁束密度を大きくすると保磁力が小さ
くなる。
従ってアルニコ磁石を用いてループ状磁石1を製作す
る場合、第25図に示した従来の永久磁石によるループ状
磁石1よりも本発明による第1図に示したループ状磁石
1の方が、側面方向から見た磁力線の平行性を劣化させ
ることく中心磁界の強度を増すことが可能となる。しか
もN極32とS極34の中間のループ部分に残留磁束密度の
大きな第2永久磁石31を配置してあるため、第2永久磁
石31の近傍の磁界強度が強くなり、平面的に見た場合の
中心付近の磁力線8の平行性が改善され、中心付近に広
い領域にわたってほぼ平行な磁力線8が形成される。
第2図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第2例を説明するための平面図及
びそのII−II線断面図である。ここで第1図に示した磁
石の構成部分と同様な構成部分については同一の符号を
付してある。このループ状磁石1は保磁力が約1000〜15
00エルステッドと大きい第1永久磁石30と、残留磁束密
度が第1永久磁石30よりも大きな第2永久磁石31より構
成されている。第1永久磁石30と第2永久磁石31の形
状,位置関係は第1図における第1永久磁石30と第2永
久磁石31の形状,位置関係と同じである。第2図におけ
る第1永久磁石の保磁力は約1000〜1500エルステッド
と、第1図における第1永久磁石3の保磁力約1500エル
ステッド以上より小さい。そのため、磁気分極作用がや
や弱く、第2図(b)に示すように補助磁極層40がルー
プ状磁石1の内側上下に分離して形成される。第2図
(b)において、補助磁極層40の形状は近似的に三角形
となるが、N,S磁極の界面を示す破線は必ずしも直線で
はなく一般的な曲線となる。
上下に分離した補助磁極層40の隙間に主磁極層36が部
分的に形成れるため、第2図におけるループ状磁石1の
中空部の磁界強度は第1図におけるループ状磁石1より
も強くなる。ただし第2図におけるループ状磁石1の補
助磁極層40の領域は第1図におけるループ状磁石1の補
助磁極層40の領域よりも狭くなっているため、第2図
(b)の断面図に示すようにほぼ平行な磁力線8が形成
される領域が多少狭くなる傾向にある。
第2永久磁石31は第1永久磁石30よりも保磁力が小さ
く、残留磁束密度が大きい。そのため第2永久磁石31の
両端に中空部の磁界強度を増す方向にN極47とS極48が
形成され、中空部の磁界強度が強くなる。一方、第25図
に示した従来のループ状磁石同様に第1永久磁石30と第
2永久磁石31の材料が同一の場合、N極47とS極48は形
成されず、中空部の磁界強度が弱くなる。第2図に示し
た第2例のループ状磁石1は、残留磁束密度が大きな第
2永久磁石31を用いているため、第1図に示した第1例
のループ状磁石とほぼ同等の平行性の優れた磁力線分布
を得ることができる。
第3図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第3例を説明するための平面図及
びそのIII−III線断面図である。ここで、第1図及び第
2図に示した磁石の構成部分と同様な構成部分について
は同一の符号を付してある。このループ状磁石1は、第
1永久磁石30が2種類の第1a永久磁石37と第1b永久磁石
39より構成される。第1a永久磁石37は保磁力が約1000エ
ルステッド以下と小さく第1b永久磁石39は保磁力が約10
00エルステッド以上と大きい。上下2枚の第1b永久磁石
39は保磁力が大きいため自発分極しN極32とS極33そし
てS極34とN極35にそれぞれ分極する。一方、第1a永久
磁石37は保磁力が小さいため自発分極が十分に発生せ
ず、左右の各第1a永久磁石37がそれぞれN極32及びS極
34の単極構造となる。第2永久磁石31は一体ものでよ
く、第1永久磁石30のなかの第1b永久磁石39よりも保磁
力は小さいが残留磁束密度は大きい。そのため第2永久
磁石31の両端に中空部の磁束密度を増す方向にN極47と
S極48が形成され、中空部の磁界強度が強くなる。第3
図の第1永久磁石30は第2図における第1永久磁石30同
様に、補助磁極層40がループ状磁石1の内側上下に分離
して形成される。そのため、第2図におけるループ状磁
石1同様に、側面方向から見た磁力線8の平行性を劣化
させることなく中心磁界の強度を増すことが可能とな
る。
第4図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第4例を説明するための平面図及
びそのIV−IV線断面図である。ここで第1図〜第3図に
示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同一
の符号を付してある。このループ状磁石1は、第1永久
磁石30が第3図におけるループ状磁石1同様に2種類の
第1a永久磁石37と第1b永久磁石39より構成される。第3
図におけるループ状磁石1では第1b永久磁石39は上下に
各2枚ずつ配置されているが、第4図のループ状磁石1
では上側にのみ左右計2枚配置されている。第4図にお
けるループ状磁石1は第4図(b)の断面図の上半分が
第3図(b)の上半分と同じであるため、上半分の磁力
線分布が第3図(b)の上半分の磁力線分布とほぼ等し
くなる。したがって第4図のループ状磁石1は、側面方
向から見た上半分の磁力線8の平行性が優れた領域が広
く、第4図(a)に示すように平面的に見た場合の中心
付近の磁力線8の平行性が良い。
第5図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第5例を説明するための平面図及
びそのV−V線断面図である。ここで第1図〜第4図に
示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同一
の符号を付してある。このループ状磁石1は、透磁率の
大きい磁性体をその磁芯とし、その磁束密度を零にする
に要する逆方向磁場の強さが約1500エルステッド以上と
大きい第1電磁石45と、残留磁束密度の大きい第2永久
磁石31より構成されている。第1電磁石45は第1図にお
ける第1永久磁石30と同じ位置関係で配置してある。第
1電磁石45のコイル45aに流す電流の向きはN極32とS
極34の磁界強度を増す方向であり、図中に矢印で示して
ある。
第1電磁石45の磁芯は透磁率が大きいことが必要条件
であって、保磁力,残留磁束密度の大小はそれほど重要
ではない。従って軟鉄でも良く、または第2永久磁石31
と同一の磁性体であっても良い。例えば第25図に示した
従来のループ状磁石に第5図に示したようにコイル45a
を巻いた構造であっても良く、この場合、コイル45aに
流す電流の量または方向を調節することによって中心磁
界の強度を変えることが可能となる。コイル45aに超電
導体を用いる場合、コイルの両端を接続して閉ループを
作り、一端電導電流を流すことにより電力を消費するこ
となく永久磁石とすることができる。第5図に示した第
5例のループ状磁石1は、その磁化を零にするに要する
逆方向磁場の強さが約1500エルステッド以上と大きく、
しかもループ内側にS極33とN極35が磁気分極によって
内側全面に形成されているため、側面方向及び平面方向
から見た中空部の磁力線8の平行性が第1図に示したル
ープ状磁石同様に良い。ループ内側全面にS極33とN極
35が磁気分極によって形成されるためには、コイル45a
に矢印方向に電流を十分流す必要がある。
第6図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第6例を説明するための平面図及
びそのVI−VI線断面図である。ここで第1図〜第5図に
示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同一
の符号を付してある。このループ状磁石1は、第5図に
示したループ状磁石1同様に透磁率の大きい磁性体をそ
の磁芯としてその磁化を零にするに要する逆方向地場の
強さが約1000〜1500エルステッドと大きい第1電磁石45
と、残留磁束密度の大きい第2永久磁石31より構成され
ている。このループ状磁石1の構造,機能はほとんど第
5図に示したループ状磁石1の場合と同等で、ただコイ
ル45aに流す電流の大きさが異なる。第6図のループ状
磁石1のコイル45aに流す電流の量は第5図のループ状
磁石1のコイル45aに流す電流の量よりも多少少なくす
る必要がある。コイル45aに流す電流の量を多少少なく
することにより、ループ内側に磁気分極によって形成さ
れるS極33とN極35の領域が減少し、ループ内側の中央
の一部にループ外側構成部分と同様に主磁極と同じN極
とS極が形成される。そのため、第6図におけるループ
状磁石1の中空部の磁界強度は第5図におけるループ状
磁石1よりも強くなる。ただし第6図におけるループ状
磁石1のS極33及びN極35の領域は第5図におけるルー
プ状磁石1のS極33及びN極35の領域より狭くなり第6
図(b)の断面図に示すようにほぼ平行な磁力線8が形
成される領域がいくらか狭くなる傾向にある。
第7図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第7例を説明するための平面図及
びそのVII−VII線断面図である。ここで第1図〜第6図
に示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同
一の符号を付してある。このループ状磁石1は保磁力が
約1500エルステッド以上と大きい第1永久磁石30と透磁
率の大きい磁性体をその磁芯とする第2電磁石41より構
成されている。第2電磁石41は第1図における第2永久
磁石31と同じ位置関係で配置してある。第2電磁石41の
コイル41aに流す電流の向きはN極32とS極34の磁界強
度を増す方向であり、図中に矢印で示してある。
第2電磁石41の磁芯は透磁率が大きいことが必要条件
であって、保磁力,残留磁束密度の大小は重要ではな
い。従って軟鉄でも良く、または第1永久磁石30と同一
の磁性体であっても良い。例えば第25図に示した従来の
ループ状磁石に第7図に示したようにコイル41aを巻い
た構造であっても良く、この場合、コイル41aに流す電
流の量を変えることによって中心磁界の強度を変えるこ
とが可能となる。コイル41aに超電導体を用いる場合、
コイルの両端を接続して閉ループを作り、一旦電導電流
を流すことにより電力を消費することなく永久磁石とす
ることができる。第7図に示した第7例のループ状磁石
1は、十分に大きな磁束密度が得られる第2電磁石41を
用いているため、第1図に示した第1例のループ状磁石
とほぼ同等の平行性の優れた磁力線分布を得ることが可
能である。
第1永久磁石30の保磁力は約1500エルステッド以上と
大きいため磁気分極が十分に発生し、ループ内側全面に
補助磁極層40が上下に分離することなく形成される。そ
のため側面的,平面的に見た磁力線8の平行性が改善さ
れ、中心付近の広い領域にわたってほぼ平行な磁力線8
が形成される。
第8図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第8例を説明するための平面図及
びそのVIII−VIII線断面図である。ここで第1図〜第7
図に示した磁石の構成部分と同様な構成部分については
同一の符号を付してある。このループ状磁石1は保磁力
が約1000〜1500エルステッドと大きい第1永久磁石30と
透磁率の大きい磁性体をその磁芯とする第2電磁石41よ
り構成されている。このループ状磁石1の構造,機能は
ほどんど第7図に示したループ状磁石1の場合と同等
で、ただ第1永久磁石30の保磁力の大きさが異なる。第
8図における第1永久磁石30の保磁力は約1000〜1500エ
ルステッドと第7図における第1永久磁石30の保磁力約
1500エルステッド以上より小さくしてある。保磁力を小
さくすることにより、ループ内側に磁気分極によって形
成されるS極33とN極35の領域が減少し、ループ内側の
中央の一部にループ外側構成部分と同様に主磁極と同じ
N極32とS極34が形成される。そのため第8図における
ループ状磁石1の中空部の磁界強度は第7図におけるル
ープ状磁石1よりも強くなる。ただし第8図におけるル
ープ状磁石1の補助磁極層40の領域は第7図におけるル
ープ状磁石の補助磁極層40の領域よりも狭くなり、第8
図(b)の断面図に示すようにほぼ平行な磁力線が形成
される領域がいくらか狭くなる傾向にある。
第9図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第9例を説明するための平面図及
びIX−IX線断面図である。ここで第1図〜第8図に示し
た磁石の構成部分と同様な構成部分については同一の符
号を付してある。このループ状磁石1は第2電磁石41と
第1電磁石45より構成されている。第2電磁石41と第1
電磁石45の磁芯は透磁率の大きな磁性体よりできてお
り、それぞれの磁芯の形状は第1図に示した第1例のル
ープ状磁石の第1永久磁石30と第2永久磁石31の形状と
同一である。これらの磁芯のまわりに電流を流すコイル
45a,41aが第9図のように巻かれている。電磁石のコイ
ルに流す電流の向きはN極32とS極34の磁界強度を増す
方向であって、図中に矢印で示してある。第1電磁石45
のコイル45aに流す電流量を十分大きくするとその磁束
密度を零にするに要する逆方向磁場の強さが約1500エル
ステッド以上と大きくなり、ループ内側全面に磁気分極
によって補助磁極のS極33とN極35が形成される。電磁
石41と45の磁芯は透磁率が大きいことが必要条件であっ
て、保磁力,残留磁束密度の大小は重要ではない。コイ
ル41a,45aに超電導体を用いれば、超電導電流を流すこ
とにより永久磁石とすることが可能となる。
第2電磁石41はコイル41aに電流を流すことにより十
分大きな磁束密度を発生でき、第1電磁石45は強い磁界
を発生するN極32とS極34をそれぞれ分極させて、弱い
磁界を発生するS極33とN極35を形成する。従って第9
図に示した第9例のループ状磁石1は第1図に示した第
1例のループ状磁石とほぼ同等の平行性の優れた磁力線
分布を得ることができる。
第10図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第10例を説明するための平面図及
びX−X線断面図である。ここで第1図〜第9図に示し
た磁石の構成部分と同様な構成部分については同一の符
号を付してある。このループ状磁石1は第2電磁石41と
第1電磁石45より構成されている。このループ状磁石1
の構造,機能はほとんど第9図に示したループ状磁石1
の場合と同等で、ただコイル45aに流す電流の量が異な
る。第10図における第1電磁石45においては、コイル45
aに流す電流量を第9図における第1電磁石45のコイル4
5aに流す電流量よりも少なくし、その磁束密度を零にす
るに要する逆方向磁場の強さが約1000〜1500エルステッ
ドとなり第9図における第1電磁石45の約1500エルステ
ッド以上より弱くなっている。ただし第9図におけるル
ープ状磁石1と第10図におけるループ状磁石1の比較に
おいてそれぞれのコイル41aに流す電流量は等しくして
ある。その磁束密度を零にするに要する逆方向磁場の強
さを約1000〜1500エルステッドと抑制することにより、
ループ内側に磁気分極によって形成されるS極33とN極
35の領域が減少し、ループ内側の中央の一部にループ外
側構成部分と同様に主磁極と同じN極とS板が形成され
る。そのため第10図におけるループ状磁石1の中空部の
磁界強度は第9図におけるループ状磁石1よりも強くな
る。ただし第10図におけるループ状磁石1のS極33及び
N極35の領域は第9図におけるループ状磁石1のS極33
及びN極35の領域よりも狭くなり、第10図(b)の断面
図に示すようにほぼ平行な磁力線が形成される領域がい
くらか狭くなる傾向にある。
第11図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第11例を説明するための平面図及
びそのXI−XI線断面図である。ここで第1図〜第10図に
示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同一
の符号を付してある。
このループ状磁石1は保磁力が約1500エルステッド以
上と大きい第1永久磁石30と,それより保磁力がやや小
さい残留磁束密度が第1永久磁石30より大きい第2永久
磁石31と,第2永久磁石より残留磁束密度がやや小さい
第3永久磁石38より構成されている。磁化の方向はXI−
XI軸に沿った方向で、第1永久磁石30の各端にN極32及
びS極34を帯磁させて主磁極層36を形成し、これらN極
32からS極34に向かう磁力線(図中矢印を付した実線で
示してある)8が側面的に見てほぼ平行でかつ均一な強
度となるように構成してある。ループ状磁石1の中空部
の磁力線8の密度すなわち磁界強度は第2永久磁石31の
残留磁束密度に強く依存し、第2永久磁石31の残留磁束
密度が大きいと、中空部の磁界強度も大きくなる。
従って中空部の磁界強度を弱くするために、第2永久
磁石31の残留磁束密度を第1永久磁石30の残留磁束密度
より大きくすることが不可欠である。第1永久磁石30の
保磁力は約1500エルステッド以上と大きいため、着磁後
第1永久磁石30の内側構成部分に主磁極層36のN極32及
びS極34とは反対磁極のS極33とN極35とがそれぞれ自
発的に帯磁して補助磁極層40が形成される。両者の磁極
層36及び40の境界を第11図(a),(b)に破線で示し
てある。第11図(a)において、第2永久磁石31と第3
永久磁石38の残留磁束密度がそれぞれ異なるため、各磁
極の境界を示す破線の形状は上下非対称となる。断面方
向から見た補助磁極層40は第1永久磁石30の保磁力が約
1500エルステッド以上と大きいため、第11図(b)に示
すようにループ内側全面に形成される。したがって第11
図(b)の断面図において、磁石の回転軸方向の厚い領
域においてほぼ平行な磁力線が形成されている。このよ
うな磁力線分布はループ状磁石1の主磁極層36の内側に
強度の弱い補助磁極層40が帯磁しているために形成され
る。
従ってアルニコ磁石を用いてループ状磁石1を製作す
る場合、第25図に示した従来の永久磁石によるループ状
磁石1よりも本発明による第11図に示したループ状磁石
1の方が、断面方向から見た磁力線の平行性を劣化させ
ることなく中心磁界の強度を増すことが可能となる。し
かもN極32とS極34の中間のループ部分に残留磁束密度
の大きな第2永久磁石31と残留磁束密度のやや小さな第
3永久磁石38を配置してあるため、第1永久磁石30のN
極32側に第2永久磁石31のN極47を,S極34側にS極48を
配し、かつ第1永久磁石30のN極32側にこの第2永久磁
石31よりも残留磁束密度のやや小さな第3永久磁石38の
N極57を,S極34側にS極58を配されているため、第2永
久磁石31の近傍の磁界強度が強くなり、第3永久磁石38
の近傍の磁界強度が弱くなり、平面的に見た場合の中心
付近の磁力線8の形状が下側に凸になる。
第12図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第12例を説明するための平面図及
びそのXII−XII線断面図である。ここで第1図〜第11図
に示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同
一の符号を付してある。このループ状磁石1は保磁力が
約1000〜1500エルステッドと大きい第1永久磁石30と,
第1永久磁石30より保磁力がやや小さい残留磁束密度が
大きい第2永久磁石31と,残留磁束密度が第2永久磁石
31よりやや小さい第3永久磁石38より構成されている。
第1永久磁石30と第2永久磁石31と第3永久磁石38の形
状,位置関係は第11図における第1永久磁石30と第2永
久磁石31と第3永久磁石38の形状,位置関係と同じであ
る。第12図における第1永久磁石30の保磁力は約1000〜
1500エルステッドと、第11図における第1永久磁石30の
保磁力約1500エルステッド以上より小さい。そのため磁
気分極がやや弱く、第2図における第1永久磁石30同様
に補助磁極層40がループ内側上下に分離して形成され
る。そのためループ状磁石1の中空部に発生する磁場の
状態及びそのもたらす効果は、断面方向から見た場合第
2図(b)の場合とほぼ同等となり、平面方向から見た
場合第11図(a)の場合とほぼ同等となる。
第13図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第13例を説明するための平面図及
びそのXIII−XIII線断面図である。ここで第1図〜第12
図に示した磁石の構成部分と同様な構成部分については
同一の符号を付してある。
このループ状磁石1はその磁束密度を零にするに要す
る逆方向磁場の強さが約1500エルステッド以上と大きな
第1電磁石45と、それよりその磁束密度を零にするに要
する逆方向磁場の強さすなわち保磁力がやや小さいが、
残留磁束密度が第1電磁石45の磁束密度より大きい第2
永久磁石31と、残留磁束密度が第2永久磁石31よりやや
小さい第3永久磁石38より構成されている。磁化の方向
はXIII−XIII軸に沿った方向で、第1電磁石45の各端に
N極32及びS極34を帯磁させて主磁極を形成し、これら
N極32からS極34に向かう磁力線(図中矢印を付して実
線で示してある)8が側面的に見てほぼ平行でかつ均一
な強度となるように構成してある。ループ状磁石1の中
空部の磁力線8の密度すなわち磁界強度は第2永久磁石
31の残留磁束密度に強く依存し、第2永久磁石31の残留
磁束密度が大きいと、中空部の磁界強度も大きくなる。
従って、中空部の磁界強度を強くするために、第2永
久磁石31の残留磁束密度を第1電磁石45の磁束密度より
大きくすることが不可欠である。第1電磁石45のその磁
束密度を零にするに要する逆方向磁場の強さが約1500エ
ルステッド以上と大きいため、第1電磁石45の内側構成
部分に主磁極となるN極32及びS極34の反対磁極のS極
33とN極35とがそれぞれ自発的に分極して補助磁極が形
成される。両者の磁極32,34及び33,35の境界を第13図
(b)に破線で示してある。
断面方向から見た補助磁極のS極33及びN極35は第1
電磁石45のその磁束密度を零にするに要する逆方向磁場
の強さが約1500エルステッド以上と大きいため、第11図
のループ状磁石1と同様にループ内側全面に形成され
る。そのため、発生する磁場の状態及びそのもたらす効
果は第11図におけるループ状磁石とほぼ同等である。
第14図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第14例を説明するための平面図及
びそのXIV−XIV線断面図である。ここで第1図〜第13図
に示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同
一の符号を付してある。
このループ状磁石1はその磁束密度を零にするに要す
る逆方向磁場の強さが約1000〜1500エルステッドと大き
な第1電磁石45と、それよりその磁束密度を零にするに
要する逆方向磁場の強さすならち保磁力がやや小さい
が、残留磁束密度が第1電磁石45の磁束密度より大きい
第2永久磁石31と、残留磁束密度が第2永久磁石31より
やや小さい第3永久磁石38より構成されている。磁化の
方向はXIV−XIV軸に沿った方向で、第1電磁石45の各端
にN極32及びS極34を帯磁させて主磁極を形成し、これ
らN極32からS極34に向かう磁力線(図中矢印を付した
実線で示してある)8が側面的に見てほぼ平行でかつ均
一な強度となるように構成してある。第1電磁石45のそ
の磁束密度を零にするに要する逆方向磁場の強さが約10
00〜1500エルステッドとやや大きいため、第1電磁石45
の内側構成部分に主磁極となるN極32及びS極34の反対
磁極のS極33とN極35とがそれぞれ自発的に分極して、
第12図のループ状磁石同様にループ内側の上下に分離し
て補助磁極が形成される。したがって第12図のループ状
磁石同様に、中空部の磁界強度は第13図のループ状磁石
よりやや強く、断面方向から見た磁力線の平行性は中空
部のかなり広い領域において良く、第2永久磁石31の近
傍の磁界強度が強くなり、第3永久磁石38の近傍の磁界
強度が弱くなり、平面的に見た場合の中心付近の磁力線
8の形状が下側に凸になる。
第15図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第15例を説明するための平面図及
びそのXV−XV線断面図である。ここで第1図〜第14図に
示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同一
の符号を付してある。このループ状磁石1は保磁力が15
00エルステッド以上と大きい第1永久磁石30と透磁率の
大きい磁性体をその磁芯とする第2電磁石41と第3電磁
石43より構成されている。第2電磁石41及び第3電磁石
43は第11図における第2永久磁石31と第3永久磁石38と
同じ位置関係で配置してある。第2電磁石41と第3電磁
石43のコイル41a及び43aに流す電流の向きは第13図及び
第14図における第1電磁石45のコイルaの場合と同様に
N極32とS極34の磁界強度を増す方向であり、図中に矢
印で示してある。
第2電磁石41及び第3電磁石43の磁芯は第13図及び第
14図における第1電磁石45の場合と同様に透磁率が大き
いことが必要条件であって、保磁力,残留時速密度の大
小は重要ではない。従って軟鉄でも良く、または第1永
久磁石30と同一の磁性体であっても良い。例えば第25図
に示した従来のループ状磁石に第15図に示したようにコ
イル41a及び43aを巻いた構造であっても良く、この場
合、コイル41a及び43aに流す電流の大きさまたは方向を
変えることによって中心磁界の強度を変えることが可能
となる。第13図及び第14図における第1電磁石45のコイ
ル45aと同様にコイル41a及び43aに超電導体を用いる場
合、コイルの両端を接続して閉ループを作り、一旦電導
電流を流すことにより電力を消費することなく永久磁石
とすることができる。第15図に示した第15例のループ状
磁石1は、十分に大きな磁束密度が得られる第2電磁石
41を用いているため、第11図に示した第11例のループ状
磁石1とほぼ同等の磁力線分布を得ることが可能であ
る。
第16図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第16例を説明するための平面図及
びそのXVI−XVI線断面図である。ここで第1図〜第15図
に示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同
一の符号を付してある。このループ状磁石1は保磁力が
約1000〜1500エルステッドと大きい第1永久磁石30と透
磁率の大きい磁性体をその磁芯とする第2電磁石41と第
3電磁石43より構成されている。第1永久磁石30の保磁
力が約1000〜1500エルステッドとやや大きいため、第1
永久磁石30の内側構成部分に磁気分極によって補助磁極
のS極33とN極35がループ内側部分の上下に分離して形
成される。したがってループ状磁石1を第15図における
ループ状磁石1と類似して用いた場合、第12図に示した
第12例のループ状磁石1とほぼ同等の磁力線分布を得る
ことが可能である。
第17図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第17例を説明するための平面図及
びXVII−XVII線断面図である。ここで第1図〜第16図に
示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同一
の符号を付してある。このループ状磁石1は第2電磁石
41と第1電磁石45と第3電磁石43より構成されている。
第2電磁石41と第1電磁石45と第3電磁石43の磁芯は透
磁率の大きな磁性体よりできており、それぞれの磁芯の
形状は第11図に示した第11例のループ状磁石の第1永久
磁石30と第2永久磁石31と第3永久磁石38の形状と同一
である。これら磁芯のまわりに電流を流すコイル45a,41
a,43aが第17図のように巻かれている。電磁石のコイル
に流す電流の向きはN極32とS極34の磁界強度を増す方
向であって、図中に矢印で示してある。電磁石41と45の
磁芯は透磁率が大きいことが必要条件であって、保磁
力,残留磁速密度の大小は重要ではない。コイル41a,45
a及び43aに超電導体を用いれば、超電導電流を流すこと
により永久磁石とすることが可能となる。
第2電磁石41及び第3電磁石43はコイル41a及び43aに
電流を流すことにより十分大きな磁速密度を発生でき、
第1電磁石45は強い磁界を発生するN極32とS極34をそ
れぞれ分極させて、弱い磁界を発生するS極33とN極35
を形成する。従って第17図に示した第17例のループ状磁
石1は第11図に示した第1例のループ状磁石とほぼ同等
の歪んだ磁力線分布を得ることができる。
第18図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ
処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構
成するループ状磁石の第18例を説明するための平面図及
びXVIII−XVIII線断面図である。ここで第1図〜第17図
に示した磁石の構成部分と同様な構成部分については同
一の符号を付してある。このループ状磁石1は、第17図
におけるループ状磁石1同様に第2電磁石41と第1電磁
石45と第3電磁石43より構成されている。各電磁石の構
造及びコイル45a,41a,43aへの電流の流し方は第17図に
おけるループ状磁石1と同様であるが、第1電磁石45の
コイル45aに流す電流量は第17図における第1電磁石45
のコイル45aに流す電流量よりやや少なくし、第18図の
第1電磁石45のその磁速密度を零にするに要する逆方向
磁場の強さが約1000〜1500エルステッドとなるようにす
る。このようにすると第1電磁石45の内側構成部分に磁
気分極によって補助磁極のS極33とN極35がループ内側
部分の上下に分離して形成される。したがってループ状
磁石1を第17図におけるループ状磁石1と類似して用い
た場合、第12図に示した第12例のループ状磁石1とほぼ
同等の磁力線分布を得ることが可能である。
この発明のプラズマ処理装置に組み込んで使用して好
適な磁界発生装置を構成するループ状磁石1は第1例〜
第18例のみではなく、その他多くの例がある。例えば第
1図又は第11図において左右2個の第1永久磁石30又は
上下2個の第2永久磁石31は各2個が類似した磁気的性
質を持っていれば異なった種類の磁石で構成されていて
も良い。更に第1,第2,第3永久磁石30,31,38の長さL及
びMは異なっていても良く、第2永久磁石31と第3永久
磁石38の長さ,形状は異なっていても良く、第1,第2,第
3永久磁石30,31,38の接合面はI−I線と垂直でなくも
良い。例えば第19図に示したような構成であっても良
い。またループは必ずしも円形状である必要はなく、第
20図に示したような正方形状であっても良く、長方形,
楕円形状またはその他のループ形状であっても良い。第
19図と第20図において、下側の第2永久磁石31は第11図
〜第14図の実施例の場合、第3永久磁石38と置き換え
る。また第3永久磁石38の材料は第1永久磁石30と同じ
であってもよい。第2図〜第10図又は第12図〜第18図に
示したループ状磁石においても同様に多くの構成例が存
在し、第1図又は第11図に示した第2永久磁石31を第2
電磁石41に置き替えたり、または第1永久磁石30を第1
電磁石45に置き替えたり、また第3永久磁石38を第3電
磁石43に置き替えた場合と等価であるので、同様の変形
例が多く存在する。例えば左右2個の第1磁石又は上下
2個の第2磁石又は上下各1個の第2及び第3磁石にお
いて、各2個1組の磁石の磁気的性質が第2図〜第10図
又は第12図〜第18図に示した各部分をなす磁石の性質と
類似している限り、永久磁石の材料,又は各磁石の種類
(永久磁石又は電磁石)の組み合せは更に多くの場合が
存在する。保磁力とかその磁束密度を零にするに要する
逆方向磁場の強さとか残留磁束密度とか磁束密度に関し
ては具体的な強度の例を挙げて説明してあるが、あくま
でもアルニコ磁石を用いてループ状磁石1を構成した場
合の強度の目安であって、用いる磁石の材料,形状が大
幅に変わるとその強度も相対的に変化する。例えば第2
永久磁石31の残留磁束密度がアルニコ磁石の一般的な強
度である10〜13kGよりはるかに大きな値となると、第1
永久磁石30の保磁力も本実施例中で説明した少なくとも
1000エルステッドよりも更に大きくする必要がある。こ
のように保磁力と残留磁束密度を相対的に変化させるこ
とにより適当な強度をもつ補助磁極層40が形成され、ル
ープの中空部の広い範囲において平行性の良い磁力線8
が形成される。
第21図はこのような2種類の永久磁石または電磁石の
組み合わせによりなる例えば円環状の永久磁石によるル
ープ状磁石1を用いてマグネトロン放電を行うように構
成した第1プラズマ処理装置、例えばドライエッチング
装置或いはスパッタ装置の構成例を示す図で、真空容器
21の外周のカソード電極2側にこのループ状磁石1を取
り付けた例を示す。尚、この第1プラズマ処理装置では
第1図に示した構造のループ状磁石1を用いた例につき
説明するが、第2図〜第20図に示した構造のループ状磁
石1であっても本質的には何等変わりがない。
第21図に示す構成例では、真空容器21内にカソード電
極22を配置し、アノード電極23と対向配設してあり、こ
のアノード電極23を設置する。そして、この装置では、
ループ状磁石1を真空容器21の外側周囲であって,カソ
ード電極22のアノード電極23との対向面付近に配設す
る。この時、ループ状磁石1の平面のどちら側が上面に
なるかは第4図に示したループ状磁石1の場合を除いて
重要ではない。この場合、ループ状磁石1の中空部に被
真空処理試料である例えば基板(またはウェハ)25が位
置するように配置する。例えば第21図に示す例では、基
板25の周辺に、真空容器21の外部からこの基板25を取り
込むようにしてループ状磁石1を配設する。
このカソード電極22に高周波発振器26から周波数13.5
6MHzの高周波電力を印加すると、カソード電極22の上側
の空間にカソード電極22,従って基板25の面にほぼ直交
する方向に高周波交流電界Eが形成される。この交流電
界Eと、ループ状磁石1のN,S極間に形成される磁界B
とによってマグネトロン放電(破線で示す)27が形成さ
れる。このマグネトロン放電27の部分のプラズマ強度は
交流電界Eの強度と、磁界Bの強度とに比例している。
そこで、交流電界Eの強度分布は基板25上でほぼ均一に
形成されているが、磁界Bは第2永久磁石31の近傍で強
くなっているため、プラズマの強度分布も第2永久磁石
の近傍でやや強くなっている。プラズマの強度分布が周
方向で強いため、ループ状磁石1を回転させることによ
り例えば,エッチング装置では中央付近のエッチング速
度のみ大きくなることなく、周辺部のエッチング速度も
大きくなり、高均一なエッチングが可能となる。
マグネトロン放電によるプラズマのイオン化率は通常
の高周波放電によるプラズマのイオン化率よりも2桁以
上高いので、この第1プラズマ処理装置でのプラズマ処
理は、従来に比べて1桁以上高速でかつ高均一となる。
第22図はこの発明の第2プラズマ処理装置である。例
えばドライエッチング装置構成を示す図で、この第2装
置は、第1装置の構成に対して別のループ状磁石1を真
空容器21の外周のアノード電極23側に追加して設けた例
である。この時、2個のループ状磁石のN極,S極,第2
永久磁石,第3永久磁石は互いに向い合せとなるように
配置する必要がある。このように構成すれば、2つの磁
石1からの磁界の作用により、カソード電極22上の磁界
Bの平行性を向上させることが可能である。
第23図はこの発明の第3プラズマ処理装置である,例
えばプラズマCVD装置の構成を示す図である。
第23図において、第21図と同一の構成部分については
同一の符号を付して示し、その詳細な説明は省略する。
この第3装置では、アノード電極23に被成膜基板25を設
け、ループ状磁石1を、真空容器21の外周のアノード電
極23側に設けた例である。この第3装置においても、カ
ソード電極22に高周波発振器26から周波数13.56MHzの高
周波電力を印加すると、カソード電極22の下側の空間に
カソード電極22とアノード電極23,従って基板25の面に
ほぼ直交する方向に高周波電界Eが形成される。この交
流電界Eと、ループ状磁石1により形成される磁界Bと
によってマグネトロン放電(破線で示す)27が形成され
る。このマグネトロン放電27の部分のプラズマ強度は交
流電界Eの強度と、磁界Bの強度とに比例するため、交
流電界Eの強度分布が共に基板25上でほぼ均一であるの
に対して、磁界Bの強度分布が第2永久磁石31の近傍で
強いので、ループ状磁石1を回転させた時、中央付近の
成膜速度のみ大きくなること無く、周辺部の成膜速度も
大きくなり、高均一な成膜が可能となる。尚、15は必要
に応じて設けられるヒータである。
上述した第21図〜第23図に示す構成の装置はループ状
磁石1を真空容器21の外周部に固定または回転自在に設
けた例であるが、このループ状磁石1を真空容器2内部
に固定または回転自在に設けてもよい。この場合、磁石
をカソード電極22側及びアノード側電極23側のいずれか
一方または双方にそれぞれ設計に応じて適切に設けるこ
とが出来る。
第24図はこのループ状磁石1を直接カソード電極22,
特にカソード電極22のアノード電極23対向面に設けて構
成した第4プラズマ処理装置の構成を示す図である。こ
のような構成であっても、試料25の上側領域でのプラズ
マ強度を第2永久磁石近傍で強くすることが出来る。
この発明は上述した第1〜第4実施例に限定されるも
のではなく、多くの変形または変更を成し得ることは明
らかである。
例えば、真空容器21内において、このループ状磁石1
を設計に応じて直接カソード電極22或いはアノード電極
23に設置することが出来るが、その場合にはこれらの電
極の上面または下面に設けてもよいし、或いはこれらの
電極中に一部分または全部を埋め込んで設けてもよい。
また、このループ状磁石1を直接カソード電極22或い
はアノード電極23に接地する代わりに、ループ状磁石1
をカソード電極22或いはアノード電極23と接触しないよ
うに少し浮かせて配置することによって、高密度プラズ
マを発生させ、よって例えばスパッタリングガスの流れ
を円滑に行わせることにより、高均一かつ高速のスパッ
タリング蒸着を行わせること等も出来る。
例えば、上述したプラズマ処理装置においては、ルー
プ状磁石1を真空容器21内または真空容器21外に固定し
て設けているが、これらループ状永久磁石1を含む面内
で、例えば回転対称の中心軸または重心を中心として回
転させて交流電界に対しほぼ直交する面内で磁界を回転
させることによって、試料25すなわち被エッチング基
板,ターゲット或いは被成膜基板上のプラズマ強度分布
が均一となり、従って、エッチング速度,スパッタ速度
或いは成膜速度の均一化を図ることができる。
尚、この場合、ループ状磁石1を回転させるための手
段は特に限定されるものではなく、従来技術を用いて容
易に回転手段を設けることが出来る。例えば、カソード
電極22或いはアノード電極23にループ状磁石1を設けた
場合には、これらカソード電極22或いはアノード電極23
を回転させる構造としても良い。またループ状磁石1を
カソード電極22或いはアノード電極23に設けない場合に
は、ループ状磁石1の保持機構を用いて機械的に回転制
御させたり或いは例えば磁石の反発力を利用したり、電
磁的な方法で真空容器21外から回転の制御を行うように
構成しても良い。
尚、これら回転の場合には、回転速度は重要ではな
い。また、カソード電極22及びアノード電極23にそれぞ
れ前述したようなループ状磁石1を個別に設けた場合に
は、それぞれ対向配置されたS極同士及びN極同士にず
れが生じないように互いに同期回転させるのが好まし
い。
また、上述した真空容器21外にループ状磁石1を設け
た実施例では、このループ状磁石1を設ける位置は図示
例に限定されるものではないが、好ましくは真空容器2
内の,カソード電極22の上側の空間にカソード電極22と
ほぼ平行な方向の磁力線を持つ磁界を形成するように、
ループ状磁石1を容器21外の適切な箇所に、真空容器21
に接触させてまたは真空容器21と離間させて配置するの
が良い。
また、本実施例ではカソード電極22に高周波交流電力
を印加したが、その周波数は重要ではなく、直流電力を
印加してもよい。
さらに、通常アノード電極23は接地されているので、
プラズマ中で反応して形成された物質を積層させること
が可能である。特にスパッタ装置或いはプラズマCVD装
置において、蒸着膜をイオンでスパッタしながら積層し
たい場合には、アノード電極23に直流または高周波電界
を印加することも可能である。
この発明はマグネトロン放電を形成するために必要な
磁界発生装置として二種類又は三種類の異なった機能を
有する磁石を接合したループ状磁石1を用いることを特
色としているので、プラズマ処理装置のその他の多くの
構成部分は上述した構成にのみ限定されるものでなく、
設計に応じて任意に変更できる。
〔発明の効果〕
上述した説明からも明らかなように、この発明のプラ
ズマ処理装置によれば、断面方向の磁力線の平行性の優
れた、しかも周辺部近傍において磁界強度の強い磁界を
ループ状磁石1のループ内側に形成することが出来るた
め、高濃度なプラズマを周辺部を中心として被エッチン
グ試料,ターゲット試料或いは被成膜試料等の試料25の
上部の空間に発生させることが出来る。従って、磁界を
回転させた時、これら試料25に対し高速度でかつ高均一
にエッチング,スパッタリング或いはCVD成膜すること
が出来る。
更に、この発明のプラズマ処理装置によれば、試料25
にほぼ平行な方向に磁界が形成されているため、プラズ
マ中の電子が試料25側に流れにくく、従って、イオンシ
ースが形成されにくいので、自己バイアス電圧が1/5以
下と小さくなる。このため、入射イオンによって試料25
が受ける損傷が小さくなるので、この発明のプラズマ処
理装置は特に低損傷エッチング或いは高速蒸着が必要な
ゲートとかトレンチエッチング或いは配線材料の蒸着と
かに用いて好適である。
また、この発明によれば、磁界の増大と併せて磁石の
小型化が図れるので、装置の高性能化と同時に装置の小
型化,低廉化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ処
理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構成
するループ状磁石の第1例を説明するための平面図及び
そのI−I線断面図、第2図(a),(b)はそれぞれ
この発明のプラズマ処理装置に組み込んで使用して好適
な磁界発生装置を構成するループ状磁石の第2例を説明
するための平面図及びそのII−II線断面図、第3図
(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ処理装置
に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構成するル
ープ状磁石の第3例を説明するための平面図及びそのII
I−III線断面図、第4図(a),(b)はそれぞれこの
発明のプラズマ処理装置に組み込んで使用して好適な磁
界発生装置を構成するループ状磁石の第4例を説明する
ための平面図及びそのIV−IV線断面図、第5図(a),
(b)はそれぞれこの発明のプラズマ処理装置に組み込
んで使用して好適な磁界発生装置を構成するループ状磁
石の第5例を説明するための平面図及びそのV−V線断
面図、第6図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラ
ズマ処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置
を構成するループ状磁石の第6例を説明するための平面
図及びそのVI−VI線断面図、第7図(a),(b)はそ
れぞれこの発明のプラズマ処理装置に組み込んで使用し
て好適な磁界発生装置を構成するループ状磁石の第7例
を説明するための平面図及びそのVII−VII線断面図、第
8図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ処理
装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構成す
るループ状磁石の第8例を説明するための平面図及びそ
のVIII−VIII線断面図、第9図(a),(b)はそれぞ
れこの発明のプラズマ処理装置に組み込んで使用して好
適な磁界発生装置を構成するループ状磁石の第9例を説
明するための平面図及びそのIX−IX線断面図、第10図
(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ処理装置
に組み込んで使用して好適な磁界発生装置を構成するル
ープ状磁石の第10例を説明するための平面図及びそのX
−X線断面図、第11図(a),(b)はそれぞれこの発
明のプラズマ処理装置に組み込んで使用して好適な磁界
発生装置を構成するループ状磁石の第11例を説明するた
めの平面図及びそのXI−XI線断面図、第12図(a),
(b)はそれぞれこの発明のプラズマ処理装置に組み込
んで使用して好適な磁界発生装置を構成するループ状磁
石の第12例を説明するための平面図及びそのXII−XII線
断面図、第13図(a),(b)はそれぞれこの発明のプ
ラズマ処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装
置を構成するループ状磁石の第13例を説明するための平
面図及びそのXIII−XIII線断面図、第14図(a),
(b)はそれぞれこの発明のプラズマ処理装置に組み込
んで使用して好適な磁界発生装置を構成するループ状磁
石の第14例を説明するための平面図及びそのXIV−XIV線
断面図、第15図(a),(b)はそれぞれこの発明のプ
ラズマ処理装置に組み込んで使用して好適な磁界発生装
置を構成するループ状磁石の第15例を説明するための平
面図及びそのXV−XV線断面図、第16図(a),(b)は
それぞれこの発明のプラズマ処理装置に組み込んで使用
して好適な磁界発生装置を構成するループ状磁石の第16
例を説明するための平面図及びそのXVI−XVI線断面図、
第17図(a),(b)はそれぞれこの発明のプラズマ処
理装置を構成するループ状磁石の第17例を説明するため
の平面図及びそのXVII−XVII線断面図、第18図(a),
(b)はそれぞれこの発明のプラズマ処理装置に組み込
んで使用して好適な磁界発生装置を構成するループ状磁
石の第18例を説明するための平面図及びそのXVIII−XVI
II線断面図、第19図及び第20図はそれぞれ本発明装置に
おけるループ状磁石の他の例を示す平面図、第21図は本
発明装置の第1実施例の構成を示す簡略断面図、第22図
は本発明装置の第2実施例の構成を示す簡略断面図、第
23図は本発明装置の第3実施例の構成を示す簡略断面
図、第24図は本発明装置の第4実施例の構成を示す簡略
断面図、第25図(a),(b)はそれぞれ従来装置にお
けるループ状磁石の一例を示す平面図及びそのXXV−XXV
線断面図、第26図は従来装置の一例の構成を示す簡略断
面図である。 1……ループ状磁石、2……N極、3……S極、4……
S極、5……N極、6……主磁極層、8……磁力線、10
……補助磁極層、21……真空容器、22……カソード電
極、23……アノード電極、25……試料(基板)、26……
高周波発振器、E……高周波交流電界、B……磁界、27
……マグネトロン放電、30……第1(永久)磁石、31…
…第2(永久)磁石、32……N極、33……S極、34……
S極、35……N極、36……主磁極層、37……第1a(永
久)磁石、38……第3(永久)磁石、39……第1b(永
久)磁石、40……補助磁極層、41……第2磁石(電磁
石)、41a……コイル、43……第3磁石(電磁石)、43a
……コイル、45……第1磁石(電磁石)、45a……コイ
ル、47……N極、48……S極、57……N極、58……S
極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀江 昭延 東京都西多摩郡羽村町神明台2―1―1 国際電気株式会社羽村工場内 (72)発明者 町田 純一 東京都西多摩郡羽村町神明台2―1―1 国際電気株式会社羽村工場内 (56)参考文献 特開 昭64−74725(JP,A) 特開 昭63−276226(JP,A)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カソード電極(22)に電力を印加してカソ
    ード電極(22)とアノード電極(23)の間の空間にマグ
    ネトロン放電(27)を生じさせるための磁界を発生する
    磁界発生装置を具えたプラズマ処理装置において、磁界
    発生装置をループ状磁石(1)とし、このループ状磁石
    (1)はループ形状の周方向に相対峙してN極(32)と
    S極(34)を有する第1磁石と、この第1磁石のN極
    (32)とS極(34)ではさまれた2箇所のループの一部
    分に設けられ第1磁石よりも残留磁束密度又は磁束密度
    が大きく、N極(32)側にN極(47)を,S極(34)側に
    S極(48)を有する第2磁石とよりなり、第1磁石を第
    2磁石よりもその磁束密度を零にするに要する逆方向磁
    場の強さの大きな磁石で構成し、第1磁石においてN極
    (32)とS極(34)よりなる主磁極層(36)のループ内
    側の構成部分又はその一部分に、各N極(32)とS極
    (34)と反対のS極(33)とN極(35)を磁気分極によ
    って形成した補助磁極層(40)を設けると共に、ループ
    状磁石(1)を、真空容器(21)の内部または外部に固
    定して設けるか或いは試料(25)の面に平行な面内で回
    転出来るように設けてなることを特徴とするプラズマ処
    理装置。
  2. 【請求項2】カソード電極(22)に電力を印加してカソ
    ード電極(22)とアノード電極(23)の間の空間にマグ
    ネトロン放電(27)を生じさせるための磁界を発生する
    磁界発生装置を具えたプラズマ処理装置において、磁界
    発生装置をループ状磁石(1)とし、このループ状磁石
    (1)はループ形状の周方向に相対峙してN極(32)と
    S極(34)を有する第1磁石と、この第1磁石のN極
    (32)とS極(34)ではさまれた2箇所のループの一部
    分に設けられ第1磁石よりも残留磁束密度又は磁束密度
    が大きくN極(32)側にN極(47)を,S極(34)側にS
    極(48)を有する第2磁石と、第2磁石よりも残留磁束
    密度又は磁束密度の小さな第3磁石とよりなり、第1磁
    石を第2磁石よりもその磁束密度を零にするに要する逆
    方向磁場の強さの大きな磁石で構成し、第1磁石におい
    てN極(32)とS極(34)よりなる主磁極層(36)のル
    ープ内側の構成部分又はその一部分に、各N極(32)と
    S極(34)と反対のS極(33)とN極(35)を磁気分極
    によって形成した補助磁極層(40)を設けると共に、ル
    ープ状磁石(1)を、真空容器(21)の内部または外部
    に固定して設けるか或いは試料(25)の面に平行な面内
    で回転出来るように設けてなることを特徴とするプラズ
    マ処理装置。
  3. 【請求項3】補助磁極層(40)が第1磁石のループ内側
    全面若しくはループ内側の上部と下部の2箇所若しくは
    ループ内側の上部の1箇所に分離して形成されているこ
    とを特徴とする請求項第1項又は第2項に記載のプラズ
    マ処理装置。
  4. 【請求項4】第1磁石を第1永久磁石(30)若しくは第
    1電磁石(45)とすることを特徴とする請求項第1項〜
    第3項のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】第2磁石を第2永久磁石(31)若しくは第
    2電磁石(41)とすることを特徴とする請求項第1項〜
    第4項のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】第3磁石を第3永久磁石(38)若しくは第
    3電磁石(43)とすることを特徴とする請求項第2項〜
    第5項のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】第1磁石において保磁力又はその磁化を零
    にするに要する逆方向磁場の強さを少なくとも1000エル
    ステッドとすることを特徴とする請求項第1項〜第6項
    のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】第2磁石の残留磁束密度又は磁束密度を少
    なくとも5000ガウスとすることを特徴とする請求項第1
    項〜第7項のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】ループ状磁石(1)をカソード電極(22)
    側に設けたことを特徴とする請求項第1項〜第8項のい
    ずれかに記載のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】ループ状磁石(1)をアノード電極(2
    3)側に設けたことを特徴とする請求項第1項〜第8項
    のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】ループ状磁石(1)をカソード電極(2
    2)側及びアノード電極(23)側に個別に設け,第1磁
    石及び第2磁石を互いに対向配置したことを特徴とする
    請求項第1項〜第8項のいずれかに記載のプラズマ処理
    装置。
JP8528490A 1989-03-31 1990-03-30 プラズマ処理装置 Expired - Fee Related JP2501653B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8085689 1989-03-31
JP1-80856 1989-03-31
JP30608189 1989-11-22
JP1-306081 1989-11-22

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03224227A JPH03224227A (ja) 1991-10-03
JP2501653B2 true JP2501653B2 (ja) 1996-05-29

Family

ID=26421820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8528490A Expired - Fee Related JP2501653B2 (ja) 1989-03-31 1990-03-30 プラズマ処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2501653B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6113731A (en) * 1997-01-02 2000-09-05 Applied Materials, Inc. Magnetically-enhanced plasma chamber with non-uniform magnetic field

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03224227A (ja) 1991-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1214509A (en) Permanent magnet multipole with adjustable strength
US4960073A (en) Microwave plasma treatment apparatus
JP3548240B2 (ja) 磁気共鳴画像形成装置(mri)磁石
KR100199216B1 (ko) 자기 공명 영상 장치용 자계 발생 장치
EP0251567A1 (en) Dry process apparatus
EP0504329A1 (en) Eddy current control in magnetic resonance imaging
JP3611324B2 (ja) マグネトロンプラズマ用磁場発生装置
WO1999021197A1 (en) Single dipole permanent magnet structure with linear gradient magnetic field intensity
JP2501653B2 (ja) プラズマ処理装置
JPS5951446A (ja) 荷電粒子ビ−ムの軌道の偏向を変化させる方法
WO1999053506A1 (en) Combination of magnets for generating a uniform external magnetic field
JPS63190311A (ja) 永久磁石式磁場発生装置
US4048555A (en) Spin resonance spectrometer and magnet structure
US4887058A (en) Periodic permanent magnet structures
KR101018266B1 (ko) 자기소용돌이 구조가 형성되어 있는 오실레이터 및 이를 이용한 교류신호 생성방법
JPH0715900B2 (ja) ドライプロセス装置
JP3445303B2 (ja) Mri用磁界発生装置
JPH04329875A (ja) スパッタデポジション装置
JPH046792B2 (ja)
KR910000507B1 (ko) 드라이 프로세스장치
JPH05144628A (ja) 磁場発生装置
JPH07201493A (ja) マグネトロンプラズマエッチング用磁場発生装置
Solov'ev The Magnetization Process in Ferromagnetic Particles Having a Small Number of Band Domains
JPH04358064A (ja) マグネトロンスパッタカソード
JPH02243763A (ja) マグネトロンカソードのマグネット

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees