JP2501548B2 - ヒ―トパイプ冷却式地中設置型変圧器とその設置方法 - Google Patents

ヒ―トパイプ冷却式地中設置型変圧器とその設置方法

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JP2501548B2
JP2501548B2 JP19539193A JP19539193A JP2501548B2 JP 2501548 B2 JP2501548 B2 JP 2501548B2 JP 19539193 A JP19539193 A JP 19539193A JP 19539193 A JP19539193 A JP 19539193A JP 2501548 B2 JP2501548 B2 JP 2501548B2
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0275Arrangements for coupling heat-pipes together or with other structures, e.g. with base blocks; Heat pipe cores

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】この発明は、地中設置型変圧器と
その設置方法に関するものである。
【0003】
【0002】
【0004】
【従来の技術】繁華街等においては、電柱をなくして電
力ケーブル等を地中に敷設することが、街路の美観を整
える目的や路面の有効利用等の目的で行われている。こ
れは図7に示すように、地中に洞道や管路を形成し、こ
の中にケーブルを引き込んで配線するとともに、洞道あ
るいは管路の途中にハンドホール1等を設けて、この中
に地中設置型変圧器2が設置され、またハンドホール1
内においてはケーブルの接続や分岐が行われる。
【0005】
【0003】この地中設置型変圧器2は、従来より電柱
上に設けられている柱上変圧器と同じように交流電圧を
変えるための装置で発熱量が多い。そのため、柱上変圧
器の場合には発生した熱を大気中に放出し易いことから
冷却が容易であったが、この地中設置型変圧器2の場合
には、ハンドホール1内等の閉塞された空間内に設置さ
れるため自然放熱しにくく、そのため、例えばヒートパ
イプ3による冷却が従来より行われている。
【0006】
【0004】ここで用いられる冷却用のヒートパイプ3
は、その蒸発部3aを、地中設置型変圧器2のケース2
a内に挿入して、このケース2a内に充填されている絶
縁油中に浸漬するとともに、このヒートパイプ3の凝縮
部3bを、ハンドホール1の側壁を貫通して外方へ直線
的、かつ蒸発部3a側が低くなるように若干傾斜させて
延出させてハンドホール1付近の土壌中に埋設させてい
る。
【0007】
【0005】したがって、地中設置型変圧器2が発熱し
て絶縁油の温度が上昇すると、この絶縁油中に浸漬され
ているヒートパイプ3の蒸発部3aが加熱され、その熱
によってヒートパイプ3内に封入されている作動流体が
蒸発する。蒸発した作動流体の蒸気は内部圧力の低い凝
縮部3bへ移動し、このとき蒸発部3aで吸収した熱を
蒸発潜熱の状態で凝縮部3bへ熱輸送し、この凝縮部3
bにおいて熱を奪われて凝縮し、放出された熱は周囲の
土壌に吸収される。また、凝縮して液相に戻った作動流
体は重力の作用によって低位置の蒸発部3aに還流す
る。このように、ヒートパイプ3が、その蒸発部3aに
おいて周囲の絶縁油から吸収した熱を凝縮部3bに熱輸
送して放熱させることによって、地中設置型変圧器2の
冷却を行っている。
【0008】
【0006】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
の地中設置型変圧器2においては、ヒートパイプ3によ
り絶縁油を冷却しているが、ヒートパイプ3の凝縮部3
bを、ハンドホール1の側壁を貫通して、周囲の土壌中
に直線上に延出させているため、このヒートパイプ3の
凝縮部3bを配設するための穴を、ハンドホール1の周
囲に掘削する必要があった。特に、ヒートパイプ3によ
る充分な冷却能力を得るためには、凝縮部3bを長尺に
形成して、凝縮部3bの表面積を広くする必要がある
が、この凝縮部3bを必要充分な長さにするためには広
い掘削スペースが必要となり、工事コストが高くなり、
また、この地中設置型変圧器2を利用する地域が、繁華
街等の掘削スペースを確保しにくい地域が対象となるた
め、ヒートパイプ3の凝縮部3bの長さが制限され、短
く抑えざるを得ない。そのため、設置箇所が限られて普
及が遅れており、また定格負荷を下回る運転を行わざる
を得ない等の不都合があった。
【0010】
【0007】この発明は、上記の事情に鑑みなされたも
ので、コンパクトであり、狭い掘削スペースで設置する
ことができるとともに、充分な冷却能力を有することか
ら高い負荷率による運転が可能なヒートパイプ冷却式地
中設置型変圧器とその設置方法を提供することを目的と
している。
【0011】
【0008】
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段としてこの発明は、地中に埋設するマンホール
やハンドホール等のプレハブ式埋設容器内に収容される
ヒートパイプ冷却式地中設置型変圧器において、地中に
埋設された前記埋設容器内に設置されるとともに、その
変圧器ケース内の絶縁油中にヒートパイプの蒸発部を浸
漬し、このヒートパイプの凝縮部を、前記埋設容器の側
壁内もしくはその側壁の外周に沿わせて配設したことを
特徴としている。
【0013】
【0009】また、地中に埋設するマンホールやハンド
ホール等のプレハブ式埋設容器内に収容されるヒートパ
イプ冷却式地中設置型変圧器の設置方法において、冷却
用のヒートパイプを、蒸発部側と凝縮部側とに分割し、
一方の蒸発部を地中設置型変圧器の絶縁油溜り内に浸漬
し、かつその凝縮部側端部を前記変圧器の外部に延出す
るとともに、他方の凝縮部を前記プレハブ式埋設容器の
側壁内もしくは側壁の外周に沿わせて配設し、かつその
蒸発部側端部をプレハブ式埋設容器の側壁内面から延出
させておき、所定の位置に埋設された前記プレハブ式埋
設容器内に前記変圧器を設置した後、分割されているヒ
ートパイプの前記蒸発部側と凝縮部側とを、ヒートパイ
プ作動可能に連結することを特徴としている。
【0014】
【0010】さらに、地中に埋設するマンホールやハン
ドホール等のプレハブ式埋設容器内に収容されるヒート
パイプ冷却式地中設置型変圧器の設置方法において、ヒ
ートパイプ用コンテナを、蒸発部側と凝縮部側とに分割
し、蒸発部側コンテナを地中設置型変圧器の絶縁油溜り
内に浸漬するとともにその接続用開口端を前記変圧器の
外部に延出しておき、また凝縮部側コンテナを前記プレ
ハブ式埋設容器の側壁内もしくは側壁の外周に螺旋状に
沿わせて配設し、かつその接続用開口端を前記プレハブ
式埋設容器の側壁内面から延出させておき、所定の位置
に埋設された前記プレハブ式埋設容器内に前記変圧器を
設置した後、分割されているヒートパイプ用コンテナの
前記蒸発部側と凝縮部側とを、それぞれの接続用開口端
で接続し、ついでそのコンテナ内を脱気した後に作動流
体を封入して、コンテナをヒートパイプ化することを特
徴としている。
【0015】
【0011】
【0016】
【作用】上記のように、この発明の地中設置型変圧器
は、地中に埋設されたマンホールやハンドホール等のプ
レハブ式埋設容器内に設置されるとともに、冷却用のヒ
ートパイプの蒸発部を、その変圧器ケース内の絶縁油中
に浸漬し、またその凝縮部を前記プレハブ式埋設容器の
側壁内もしくは前記側壁の外周に配設して、プレハブ式
埋設容器の側壁を介するか、または直接凝縮部から周囲
の土壌中に放熱するようにしたので、冷却用のヒートパ
イプの凝縮部の長さを、プレハブ式埋設容器の埋設場所
の立地条件等に制約されることなく任意に設定でき、変
圧器の容量に応じて適正な冷却性能を持たせることがで
きる。また、冷却用のヒートパイプを設置するための掘
削作業が必要なくなり、プレハブ式埋設容器の埋設用の
穴の径を若干大きめに掘削するだけで設置が可能とな
る。
【0017】
【0012】また、この発明の地中設置型変圧器の設置
方法は、冷却用のヒートパイプを蒸発部側と凝縮部側と
に分割し、この分割したうちの一方の蒸発部を地中設置
型変圧器の絶縁油溜りに浸漬し、かつその凝縮部側端部
を前記変圧器の外部に延出させるとともに、他方の凝縮
部を前記プレハブ式埋設容器の側壁内もしくは側壁の外
周に巻装し、かつその蒸発部側端部をプレハブ式埋設容
器の側壁内面から延出させておく。そして、所定の位置
に埋設された前記プレハブ式埋設容器内に前記変圧器を
設置した後、分割されているヒートパイプの前記蒸発部
側と凝縮部側とを、ヒートパイプ作動可能に気密に連結
して設置するので、分割したヒートパイプを、予め工場
においてプレハブ式埋設容器と変圧器本体とにそれぞれ
組付ておくことができ、現場での設置作業が大幅に省力
化される。
【0018】
【0013】さらに、ヒートパイプ用コンテナを、蒸発
部側と凝縮部側とに分割し、蒸発部側コンテナを地中設
置型変圧器の絶縁油溜り内に浸漬するとともにその接続
用開口端を前記変圧器の外部に延出しておき、また凝縮
部側コンテナを前記プレハブ式埋設容器の側壁内もしく
は側壁の外周に螺旋状に沿わせて配設し、かつその接続
用開口端を前記プレハブ式埋設容器の側壁内面から延出
させておく。そして、所定の位置に埋設された前記プレ
ハブ式埋設容器内に前記変圧器を設置した後、ヒートパ
イプ用コンテナの前記蒸発部側と凝縮部側とを、それぞ
れの接続用開口端で接続し、ついでそのコンテナ内を脱
気した後に作動流体を封入して、コンテナをヒートパイ
プ化するので、蒸発部側と凝縮部側とに分割されたヒー
トパイプ用コンテナを、予め工場においてプレハブ式埋
設容器と変圧器本体とにそれぞれ組付ておくことがで
き、現場での設置作業が大幅に省力化される。
【0019】
【0014】
【0020】
【実施例】以下、この発明のヒートパイプ冷却式地中設
置型変圧器の実施例について図1ないし図6を参照して
説明する。
【0021】
【0015】図1および図2はこの発明の第1実施例を
示すもので、地中設置型変圧器11は、管路式あるいは
暗渠式により敷設されている地中電線路の途中に埋設さ
れたハンドホール内に設置されている。
【0022】
【0016】この地中設置型変圧器11は、一次側に加
えた交流電力を、電圧の異なる同一周波数の交流電力に
変換して二次側から取出す装置で大量に発熱し、したが
って冷却を行うために、冷却用のヒートパイプ12を備
えている。
【0023】
【0017】このヒートパイプ12は、熱サイフォン式
ヒートパイプで、金属パイプ製のコンテナを蒸発部12
a側と凝縮部12b側とに二分割して、一方の蒸発部1
2a側には、その内部を一旦真空にした後、所定量の作
動流体(例えば、フッ素系不活性液等の絶縁性の作動流
体)を注入した状態で凝縮部側端部を気密にシールされ
ている。また、この気密にシールされた端部には、その
外周に左ねじが形成されるとともに、この左ねじの部分
には、他方の凝縮部12b側と連結するためのターンバ
ックル式カプラー13が螺着されている。このターンバ
ックル式カプラー13は、右ねじと左ねじとを半分ずつ
形成したナット状の部材である。
【0024】
【0018】また、二分割されたうちの他方の凝縮部1
2b側は、その内部の空気を排出して真空にするととも
に、その蒸発部側の端部12cを気密にシールされてい
る。また、この気密にシールされた端部外周には、他方
の蒸発部12a側に取り付けられているカプラー13を
螺合させる右ねじが形成されており、前記ターンバック
ル式カプラー13によって気密に連結できるようになっ
ている。さらに、前記ターンバックル式カプラー13に
は、蒸発部12aの凝縮部側端部と、凝縮部12bの蒸
発部側端部12cとが気密に連結されると、両端部のシ
ールを自動的に破って、蒸発部12a側と凝縮部12b
側とが連通して1本のヒートパイプ12が構成されるよ
うになっている。
【0025】
【0019】また、ヒートパイプ12の二分割されたう
ち、作動流体が封入されている蒸発部12a側は、地中
設置型変圧器11のケース11a内に挿入され、その蒸
発部12aをケース11a内に充填されている絶縁油内
に浸漬するとともに、ターンバックル式カプラー13が
取り付けられている凝縮部側端部をケース11aの上方
へ延出している。
【0026】
【0020】また、内部が真空状態に保持されている凝
縮部12b側は、工場生産されるコンクリート製の有底
円筒形ハンドホール14の側壁14aの外側に、円周を
六等分する位置にほぼ垂直に取り付けられた山形鋼15
に、U字金具16によって掛止されて螺旋状に巻きつけ
られており、その蒸発部側端部12cは、側壁14aを
貫通してハンドホール14内に配設されている。したが
って、凝縮部12b側を長尺に形成しても、ハンドホー
ル14の外周に巻装できるため掘削スペースを拡げる必
要がなく、ヒートパイプ12に充分な冷却能力をもたせ
ることができる。
【0027】
【0021】このように、蒸発部12a側と凝縮部12
b側とに二分割されたヒートパイプ12は、予め工場等
において地中設置形変圧器11とハンドホール14とに
別々に取り付けられるとともに、変圧器の設置場所にお
いて、カプラー13により連結して1本のヒートパイプ
12となる。
【0028】
【0022】次に、上記のように構成されるこの実施例
の作用を説明する。
【0029】
【0023】地中設置型変圧器11の設置方法は、先
ず、ヒートパイプ12の凝縮部12b側が予め取り付け
られているハンドホール14を、管路等の中間の所定の
場所に埋設する。このハンドホール14を埋設するため
には、このハンドホール14の外側に,ヒートパイプの
凝縮部12bが巻装されている分だけ、穴を若干大きく
掘削して、その穴の中にハンドホール14を、その底面
が水平となるように設置した後、外周の隙間を埋め戻し
て、外側に巻装されているヒートパイプ12の凝縮部1
2bの回りに空間ができないように埋設する。
【0030】
【0024】そして、所定の位置に埋設されたハンドホ
ール14には、蓋14bを開けてその上部の開口から地
中設置型変圧器11が降ろされて、底部の所定位置に固
定されるとともに、ケース11aの上部から延出した蒸
発部12aの端部を、この端部に取付けられているター
ンバックル式カプラー13を、ハンドホール14の側壁
14aの内面から延出している凝縮部12bの端部12
cに形成された右ねじに螺合させる。そして、このカプ
ラー13をさらに回動すると、両端部がカプラー13内
において互いに引寄せられて気密に連結されるととも
に、カプラー13内に形成されている突起(図示せず)
によって両端部のシールがそれぞれ破られて連通するこ
とにより、1本のヒートパイプ12が形成される。
【0031】
【0025】そして、地中設置型変圧器11は、通電さ
れて発熱して絶縁油の温度が上昇すると、この絶縁油中
に浸漬されているヒートパイプ12の蒸発部12aが加
熱され、その熱によってヒートパイプ12内に封入され
ている作動流体が蒸発する。蒸発した作動流体の蒸気は
低圧の凝縮部12bへ移動し、このとき蒸発部12aで
吸収した熱を蒸発潜熱の状態で凝縮部12bへ熱輸送
し、凝縮部12bにおいて熱を奪われて凝縮し、放出さ
れた熱は周囲の土壌に吸収される。また、凝縮して液相
に戻った作動流体は重力の作用によって低位置の蒸発部
12aに還流する。このように、蒸発部12aにおいて
周囲の絶縁油から吸収した熱を凝縮部12bに熱輸送し
て放熱させることによって、地中設置型変圧器11の冷
却を行っている。
【0032】
【0026】したがって、この実施例のヒートパイプ冷
却式の地中設置型変圧器11は、ヒートパイプ12の凝
縮部12bを必要充分な長さに形成でき、充分な冷却能
力を得られるため、この地中設置型変圧器11の能力を
100%発揮するように高負荷状態で運転することがで
きる。
【0033】
【0027】また図3および図4は、この発明の第2実
施例を示すもので、前記第1実施例において、分割され
たヒートパイプをターンバックル式カプラーにより連結
するとともに、シールを破って両者を連通させて1本の
ヒートパイプとして作動させるようにしたが、本実施例
においては、それぞれ2本一組のヒートパイプ22,2
3を複数組配設したもので、2本一組のうち、一方のヒ
ートパイプ22の凝縮部22b側の端部と、他方のヒー
トパイプ23の蒸発部23a側の端部とを熱伝達可能に
連結したもので、前記第1実施例と同一の構成部分に
は、同一の符号を付してその詳細な説明を省略して以下
に説明する。
【0034】
【0028】地中設置型変圧器21のケース21a内に
挿入される一方のヒートパイプ22は、その蒸発部22
aをケース21a内の絶縁油に浸漬するとともに、その
凝縮部22b側はケース21aの上方へ延出されてその
先端面中央には、軸線方向に嵌入する円形の凹部22c
を備えている。
【0035】
【0029】また、もう一方のヒートパイプ23は、そ
の凝縮部23b側が、工場生産されるコンクリート製の
ハンドホール14の側壁14aの外側に、この外周面に
設けられた山形鋼15に、U字金具16によって掛止さ
れて螺旋状に巻きつけられており、その蒸発部23a側
は、側壁14aを貫通してハンドホール14内に挿入さ
れ、その端部の蒸発部23aは、前記ヒートパイプ22
の凝縮部22b側の端部に形成された凹部23c内に、
隙間のない状態で嵌挿可能な外径に形成されている。
【0036】
【0030】したがって、蒸発部22aを地中設置型変
圧器11の絶縁油内に浸漬されたヒートパイプ22の凝
縮部22b側の端部の凹部22cに、もう一方のヒート
パイプ23の蒸発部23aを、熱伝達可能に嵌挿したの
で、ケース11a内の絶縁油内に浸漬された蒸発部22
aで吸収した熱が凝縮部22bに運ばれ、端部の凹部2
2cに嵌挿されたもう一方のヒートパイプ23の蒸発部
23aを加熱する。この蒸発部23a側に伝達された熱
は、ハンドホール14の外周に螺旋状に巻かれた凝縮部
23bに運ばれて周囲の土壌中に放熱される。したがっ
て、前記第1実施例の場合と同様に、ハンドホール14
の外周に巻装できるため掘削スペースを拡げる必要がな
く、ヒートパイプ23に充分な冷却能力をもたせること
ができる。
【0037】
【0031】また図5は、この発明の第3実施例を示す
もので、前記第1実施例においてハンドホールの側壁の
外周に巻装した分割ヒートパイプの凝縮部側を、工場に
おいて、コンクリート製のハンドホール34を成形する
際に、その側壁34a内に螺旋状に埋設したもので、熱
伝達性の高いコンクリート中に前記凝縮部32b側を配
設したことにより、前記第1実施例の場合と同様にヒー
トパイプ32の蒸発部側が絶縁油中に浸漬された地中埋
設型変圧器31と組合わせ、ヒートパイプ32の前記蒸
発部32a側と、凝縮部32b側とをカプラー33によ
り気密に連結することにより、第1実施例の場合と同様
の作用および効果が得られる。またさらに、ヒートパイ
プ32の凝縮部32bが、ハンドホール34の側壁34
a内に配設されて、ハンドホール34の外側に突出する
ものがないため、このハンドホール34の輸送およびス
トックが容易となるとともに、ハンドホール34を埋設
するために掘削する穴径を小さくすることができる。
【0038】
【0032】さらに図6は、この発明の第4実施例を示
すもので、これは、前記第1実施例において冷却用のヒ
ートパイプを蒸発部側と凝縮部側とに分割して用いた代
わりに、ヒートパイプ用コンテナを蒸発部側と凝縮部側
とに分割し、それぞれ変圧器とハンドホールとに予め取
付けておき、設置現場において分割されている2つのコ
ンテナを一体に接続し、その内部を脱気した後、作動流
体を封入してヒートパイプ化したものである。
【0039】
【0033】この地中設置型変圧器41は、地中電線路
の途中に埋設されたハンドホール44内に設置されてお
り、冷却用のヒートパイプ42を備えている。そして、
このヒートパイプ42は、設置現場においてヒートパイ
プ用コンテナを接続し、脱気および作動流体の封入を行
ってヒートパイプ化したもので、このヒートパイプ冷却
式の地中設置型変圧器41の設置方法を順に説明する。
【0040】
【0034】先ず、金属パイプ製のヒートパイプ用コン
テナを蒸発部側コンテナ42aと凝縮部側コンテナ42
bとに二分割するとともに、それぞれのコンテナ接続用
開口端に接続フランジ43a,43bを形成する。ま
た、凝縮部側コンテナ42bの先端側には、コンテナ内
の脱気および作動流体の封入を行う際に連通遮断を行う
コック47が設けられている。そして、この蒸発部側コ
ンテナ42aは、その先端側部分を地中設置型変圧器4
1の絶縁油溜り内に浸漬するとともに、その接続用フラ
ンジ43aを備えた開口端を前記変圧器41の外部に延
出させている。
【0041】
【0035】また、凝縮部側コンテナ42bは、有底円
筒形ハンドホール44の側壁44aの外側にほぼ垂直に
取り付けられた山形鋼45に、U字金具46によって掛
止されて外周に螺旋状に巻きつけられており、その接続
用フランジ43bを備えた接続用開口端は、側壁44a
を貫通してハンドホール44内に配設されている。した
がって、凝縮部側コンテナ42bを長尺にしても、ハン
ドホール44の外周に螺旋状に巻装できるため掘削スペ
ースを拡げる必要がない。
【0042】
【0036】このように、蒸発部側コンテナ42aと凝
縮部側コンテナ42bとは、予め工場等において地中設
置形変圧器41とハンドホール44とに別々に取り付け
られるとともに、変圧器の設置場所において、接続用フ
ランジ43aと,接続用フランジ43bとをボルト締結
して気密に連結された後、凝縮部側コンテナ42bの先
端付近に設けられたコック47を開いて真空ポンプ等に
よるコンテナ内の脱気を行った後、凝縮性の作動流体を
所定量注入した後、このコック47を閉じてヒートパイ
プ化する。
【0043】
【0037】したがって、蒸発部側コンテナ42aと凝
縮部側コンテナ42bとを、工場等において変圧器41
とハンドホール44とに予め取付けておき、設置現場に
おいては、両コンテナ42a,42bの接続と、脱気お
よび作動流体の封入とを行うだけでよく、したがって、
現場での設置作業を大幅に省力化することができる。
【0044】
【0038】そして、前記両実施例と同様に、ヒートパ
イプ42の蒸発部が絶縁油から熱を吸収し、この熱を凝
縮部に熱輸送して放熱させることによって、地中設置型
変圧器41の冷却を行っている。
【0045】
【0039】
【0046】
【発明の効果】以上、説明したようにこの発明のヒート
パイプ冷却式地中設置型変圧器は、冷却用ヒートパイプ
の蒸発部を変圧器ケース内の絶縁油中に浸漬し、このヒ
ートパイプの凝縮部を、ハンドホール等の埋設容器の側
壁内もしくはその側壁の外周に螺旋状に沿わせて配設し
たので、設置面積を増やすことなくヒートパイプの冷却
能力を向上でき、変圧器の高負荷率運転が可能となる。
また、この発明の設置方法は、冷却用ヒートパイプを蒸
発部側と凝縮部側とに分割し、蒸発部を地中設置型変圧
器の絶縁油溜り内に浸漬し、他方の凝縮部を前記プレハ
ブ式埋設容器の側壁内もしくは側壁の外周に螺旋状に沿
わせて配設しておき、設置現場でヒートパイプを連結す
るようにすれば、現場作業を大幅に省力化することがで
きる。また、ヒートパイプ用コンテナを蒸発部側と凝縮
部側とに分割し、それぞれ変圧器とプレハブ式埋設容器
とに予め取付けておき、設置現場で両コンテナを接続し
た後、その内部を脱気して作動流体を封入してヒートパ
イプ化するようにしても、全てを現場で組み立てる場合
に比べて現場作業を大幅に省力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の地中設置型変圧器の設
置状態を示す断面図である。
【図2】ヒートパイプの凝縮部側を取付けたハンドホー
ルと、蒸発部側を取付けた地中設置型変圧器とを示す一
部断面正面図である。
【図3】この発明の第2実施例の地中設置型変圧器の設
置状態を示す断面図である。
【図4】2本のヒートパイプの連結部を示す拡大断面図
である。
【図5】この発明の第2実施例の地中設置型変圧器の設
置状態を示す断面図である。
【図6】この発明の第3実施例の地中設置型変圧器の設
置状態を示す断面図である。
【図7】従来のヒートパイプ冷却式地中設置型変圧器の
設置状態を示す断面図である。
【符号の説明】
11…地中設置型変圧器、 11a…ケース、 12…
ヒートパイプ、 12a…蒸発部、 12b…凝縮部、
13…カプラー、 14…ハンドホール、14a…側
壁、 21…地中設置型変圧器、 22,23…ヒート
パイプ、 22c…凹部、 32…ヒートパイプ、 3
4…ハンドホール、 34a…側壁、42…ヒートパイ
プ、 42a…蒸発部側コンテナ、 42b…凝縮部側
コンテナ、 43a,43b…接続用フランジ、 44
…ハンドホール、 47…コック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 祐士 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内 (72)発明者 二宮 司 福岡県福岡市中央区渡辺通二丁目1番82 号 九州電力株式会社内 (72)発明者 丸山 博 福岡県宗像郡福間町字汐井道2150番地の 1 九州変圧器株式会社内 (72)発明者 垂水 辰男 福岡県宗像郡福間町字汐井道2150番地の 1 九州変圧器株式会社内 (72)発明者 白柳 勝 大分県大分市大字駄原2899 西日本電線 株式会社内 (72)発明者 長谷川 仁 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に埋設するマンホールやハンドホー
    ル等のプレハブ式埋設容器内に収容されるヒートパイプ
    冷却式地中設置型変圧器において、 地中に埋設された前記埋設容器内に設置されるととも
    に、その変圧器ケース内の絶縁油中にヒートパイプの蒸
    発部を浸漬し、このヒートパイプの凝縮部を、前記埋設
    容器の側壁内もしくはその側壁の外周に螺旋状に沿わせ
    て配設したことを特徴とするヒートパイプ冷却式地中設
    置型変圧器。
  2. 【請求項2】 地中に埋設するマンホールやハンドホー
    ル等のプレハブ式埋設容器内に収容されるヒートパイプ
    冷却式地中設置型変圧器の設置方法において、 冷却用のヒートパイプを、蒸発部側と凝縮部側とに分割
    し、一方の蒸発部を地中設置型変圧器の絶縁油溜り内に
    浸漬し、かつその凝縮部側の端部を前記変圧器の外部に
    延出するとともに、他方の凝縮部を前記プレハブ式埋設
    容器の側壁内もしくは側壁の外周に沿わせて配設し、か
    つその蒸発部側の端部をプレハブ式埋設容器の側壁内面
    から延出させておき、所定の位置に埋設された前記プレ
    ハブ式埋設容器内に前記変圧器を設置した後、分割され
    ているヒートパイプの前記蒸発部側と凝縮部側とを、ヒ
    ートパイプ作動可能に連結することを特徴とするヒート
    パイプ冷却式地中設置型変圧器の設置方法。
  3. 【請求項3】 地中に埋設するマンホールやハンドホー
    ル等のプレハブ式埋設容器内に収容されるヒートパイプ
    冷却式地中設置型変圧器の設置方法において、 ヒートパイプ用コンテナを、蒸発部側と凝縮部側とに分
    割し、蒸発部側コンテナを地中設置型変圧器の絶縁油溜
    り内に浸漬するとともにその接続用開口端を前記変圧器
    の外部に延出しておき、また凝縮部側コンテナを前記プ
    レハブ式埋設容器の側壁内もしくは側壁の外周に螺旋状
    に沿わせて配設し、かつその接続用開口端を前記プレハ
    ブ式埋設容器の側壁内面から延出させておき、所定の位
    置に埋設された前記プレハブ式埋設容器内に前記変圧器
    を設置した後、分割されているヒートパイプ用コンテナ
    の前記蒸発部側と凝縮部側とを、それぞれの接続用開口
    端で接続し、ついでそのコンテナ内を脱気した後に作動
    流体を封入して、コンテナをヒートパイプ化することを
    特徴とするヒートパイプ冷却式地中設置型変圧器の設置
    方法。
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