JP2026094271A - キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)株及びその医学的使用 - Google Patents
キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)株及びその医学的使用Info
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Abstract
【課題】皮膚炎もしくは乾癬又は感染症、特に皮膚又は粘膜の真菌又は細菌感染症などの炎症性疾患の予防又は治療のための薬学的又は栄養学的組成物の使用を提供する。
【解決手段】本発明は、選択されたキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)菌株及び/又はその細胞壁もしくはその株のポストバイオティクス、ならびにその医学的又は栄養学的使用に関する。本発明はまた、皮膚炎もしくは乾癬又は感染症、特に皮膚又は粘膜の真菌又は細菌感染症などの炎症性疾患の予防又は治療のための株、それらの細胞壁又はポストバイオティクスを含有する薬学的又は栄養学的組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、選択されたキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)菌株及び/又はその細胞壁もしくはその株のポストバイオティクス、ならびにその医学的又は栄養学的使用に関する。本発明はまた、皮膚炎もしくは乾癬又は感染症、特に皮膚又は粘膜の真菌又は細菌感染症などの炎症性疾患の予防又は治療のための株、それらの細胞壁又はポストバイオティクスを含有する薬学的又は栄養学的組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、キューティバクテリウム(Cutibacterium)属、アクネス(acnes)種に属する選択された菌株及びその医学的使用、ならびに同じ株を含有する薬学的組成物及び栄養学的組成物に関する。
本発明は、微生物学的分野に起源をもち、薬学、化粧品及び栄養学の分野における用途を見出す。
具体的には、本発明は、選択されたキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)株、ならびに構造的微生物成分を介して及び/又は物質を産生することによって線維芽細胞の増殖を促進する株のポストバイオティクス及び細胞壁断片のいずれかに関する。本発明の株、その壁の断片及びそのポストバイオティクスは、抗炎症活性及び抗菌活性を有する。好ましくは、選択された菌株又はその壁の断片は、皮膚疾患、感染症又は皮膚病を治療するための局所適用のためのものである。
炎症は、本質的に、刺激剤又は微生物との接触などの外的原因によって引き起こされ得る生物の組織の有害な刺激又は損傷に対する生物学的応答である。炎症は、組織損傷の原因を除去し、元の傷害及び炎症過程から損傷した壊死組織を除去し、組織修復を開始することを目的とした身体の防御応答と考えられる。生物のこの応答は、免疫細胞及び分子メディエーターに関与する。
現在、炎症は、非ステロイド系又はステロイド系抗炎症薬の全身投与又は局所投与によって治療される。抗炎症剤が広く普及しているにもかかわらず、炎症が抗炎症薬による治療後に持続する可能性があるといういくつかの後遺障害リスクが残っている。さらに、抗炎症治療は、局所適用及び全身投与のいずれの場合においても副作用がないわけではない。
近年、局所投与の場合の副作用の発生は、皮膚の炎症を治療することを目的としたステロイドクリームの乱用又は誤用により増加している。
したがって、現在、長期間使用しても重篤な副作用の影響を受けない抗炎症活性を備えた新規の製品が必要とされている。
皮膚又は粘膜感染症の場合、皮膚科及び婦人科分野でも同様の問題が生じる。
皮膚感染症を治療するための局所使用のための抗生物質製品の乱用は、局所抗生物質療法に対する耐性の症例数を増加させ、医師が第2世代の抗生物質を処方することを余儀なくしている。
したがって、現在、市販の医薬品に代わる抗炎症活性及び/又は潜在的に抗菌活性さえも備えた新規の製品が必要とされている。
本発明の目的の1つは、使用による副作用が実質的にない、抗炎症活性及び潜在的に抗菌活性又は抗真菌活性を備えた製品を提供することにある。ヒトの微生物叢を制御するのに有効な製品を提供することも望ましい。
本発明の別の目的は、皮膚又は膣粘膜などの粘膜への局所適用を特に目的とする、抗炎症活性を備えた非ステロイド系製品を提供することにある。
後者は、一般に、標的に応じて、殺菌剤もしくは静菌剤として、又は殺真菌剤もしくは静真菌剤として作用する病原体細菌及び/又は真菌に対して対処する。
一方、病原体とは対照的に、常在微生物叢の正常化により、恒常性状態のより迅速な回復が達成される。
本発明は、選択されたキューティバクテリウム(Cutibacterium)属菌株、すなわちアクネス(acnes)種が線維芽細胞の増殖を促進し、ほとんどの一般的な細菌及び真菌、特にヒトの皮膚に影響を及ぼす細菌及び真菌の増殖を妨害する能力を有するという知見に由来する。
特に、請求項1に定義されるような選択されたキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)菌株、その細胞壁の断片又はポストバイオティクス、又は本明細書に定義されるものを含有する組成物は、皮膚の病原体微生物に対する改善された阻害効果と組み合わされた免疫系に対する調節を示す。これらの効果は、一部には、宿主細胞への病原体付着に対する株による干渉に関連する。
さらに、本発明者らは、生存又は死滅した菌株又はその一部、例えば本発明のそれらの壁の断片が、線維芽細胞の増殖及び遊走を促進する物質又は副生成物を産生することを見出した。この特性は、選択された株又はそれによって産生される物質の免疫調節剤としての使用をさらに支持し、それを皮膚科又は婦人科分野における、特に細菌又は真菌皮膚感染症、特にカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)又は細菌感染症の治療における用途の適切な候補とする。
したがって、本発明は、第1の態様において、国際寄託当局Leibniz-Institut DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHにおいて受託番号(又は出願番号)DSM 28251で寄託されたキューティバクテリウム(Cutibacterium)属アクネス(acnes)種の菌株、又は上記菌株に本質的に由来する変異体を提供する。
一態様では、本発明は、受託番号DSM 28251で寄託された上述の菌株キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)の医学的使用を提供する。この態様によれば、本発明の株は局所又は全身投与のためのものである。
全身投与とは、全身が影響を受けるように、本発明の株を含む医薬品、栄養物を循環系に投与する経路を意味する。投与は、経腸、経口投与又は非経口投与、例えば注射、注入又は埋め込みによって行うことができる。
局所投与又は適用は、本発明によるキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)DSM 28251の好ましい投与経路である。キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)DSM 28251、ポストバイオティクス、細胞壁の断片及びそれらの断片を含有する組成物は、局所適用に適した任意の形態で皮膚に適用することができる。
別の態様によれば、本発明は、自然突然変異、誘導突然変異及び選択、ハイブリダイゼーション及び選択又は他の方法の遺伝子操作によって本質的に誘導され、戻って追跡することができる、上記で同定された菌株DSM 28251の株又は変異体を提供する。別の態様では、本発明は、上記株のポストバイオティクス及びその医学的又は栄養学的使用に関する。
本発明による菌株は、皮膚微生物叢を構成する多数の株のうち、健康な皮膚から単離され、選択され得る。
さらに別の態様によれば、本発明は、特に皮膚又は粘膜の炎症性疾患又は感染症の予防又は治療に使用するための、国際寄託当局Leibniz-Institut DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHに受託番号DSM 28251で寄託された菌株キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)、又は上記株に本質的に由来する変異体に関する。
好ましくは、本発明の菌株は、皮膚科及び婦人科分野、例えば皮膚又は粘膜の炎症又は細菌、真菌もしくは原虫からの感染症の治療に用途を見出す。特に、上記株は、特に皮膚の感染症の予防及び/又は治療に有効である。
本発明の選択された株は、真菌、特にカンジダ(Candida)属種の酵母、特にカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、又はマラセジア(Malassezia)種などの皮膚糸状菌の治療に有効であり、両方とも人体の日和見感染症の最も一般的な原因物質である。さらに、本発明の選択された株は、市場で入手可能な抗真菌製品に耐性のある真菌感染症の治療に使用される。
本発明はまた、特に痔疾又は肛門管裂傷又は皮膚瘢痕の治療における、キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)DSM 28251、特にこの株の加熱殺菌、ポストバイオティクスもしくは壁断片、又はその局所組成物の直腸病理学的使用を提供する。
別の態様では、本発明は、特に皮膚の創傷、擦過傷、潰瘍形成、例えば褥瘡の治療に使用するための、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251の細菌壁の断片を含むヒアルロン酸の組成物に関する。
本発明のさらなる態様は、赤み又はクーパーローズなどの皮膚の審美的側面を改善するための上記で同定された菌株の美容的使用に関する。
別の態様によれば、本発明は、上記の株又はそれによって得られるポストバイオティクスの栄養学的使用に関する。
ここで、添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
第1の態様では、本発明は、国際寄託当局Leibniz-Institut DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHにおける受託番号DSM 28251(ID 19-401)で出願された、キューティバクテリウム(Cutibacterium)属アクネス(acnes)種に属する株、又は上記株に本質的に由来する変異体に関する。
本発明はまた、請求項2、3に定義されるポストバイオティクス及び請求項4、5に定義される細胞壁に関する。
上記の菌株は、インビボでの抗炎症活性及びインビトロでの少なくとも抗菌活性の両方を有する。上記の株からの細胞壁又はポストバイオティクスもこれらの活性を有する。
上記の活性は、本発明者らが行った実験試験によって証明され、以下の例で報告される。これらの試験は、特に局所適用のための抗炎症剤、免疫調節剤及び抗菌剤としての上記で同定された菌株の使用のための科学的根拠を提供する。
本発明の特定の態様では、本明細書で定義される株/壁又はポストバイオティクスを含有する組成物、特に薬学的又は栄養学的組成物が本明細書で提供される。
別の態様によれば、本発明は、上記で同定された株/壁/ポストバイオティクスの医薬品としての使用、及び特に請求項9~13に定義されるその医学的使用に関する。
選択された菌株の固有の特性は、抗炎症作用を提供し、医師が広範囲の疾患、特に人体の皮膚又は粘膜に局在する疾患を治療することを可能にする。
さらに、選択された株の抗菌及び/又は静菌特性は、この株を、感染症、特に皮膚及び粘膜感染症の治療に有用なものにする。
選択された株は、一般的な細菌、特にグラム陽性菌、特に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などの球菌(cocci)細菌に対して、又は大腸菌(Escherichia coli)及び例えばカンジダ(Candida)属の真菌に対して有効であることが証明されている。
本発明による株は、遺伝子型的に特徴付けられ、ゲノム内で同定された特定の形質によって明確かつ定義された様式で同定可能である。この株は、直接的な介入又は遺伝子操作なしに自発的に進化しており、産業用途に適切な特徴を有する。
DSM 28251株の特徴を検証及び確認し、この株が先行技術に記載されている株と重複する可能性を排除するために、遺伝子型の特徴付けがDSMZによってなされた。
一態様では、本発明は、特に人間の顔における特に敏感肌、赤みのある肌、クーパーローズ、乾燥肌の美容的治療又は予防のための、請求項7、8に定義される局所組成物の美容的使用のために提供される。
特定の態様では、本発明はまた、以下の治療における医学的使用のためのDSM 28251 C.アクネス(C.acnes)株の株もしくは壁又はポストバイオティクスに関する:
-膣炎、膣感染症もしくは炎症などの婦人科疾患、又は
-痔疾、肛門管裂傷もしくは肛門周囲領域の皮膚瘢痕などの直腸病理学的障害、又は
-皮膚の創傷、損傷、擦過傷、潰瘍形成、例えば褥瘡、又は創傷
を治癒するため。
-膣炎、膣感染症もしくは炎症などの婦人科疾患、又は
-痔疾、肛門管裂傷もしくは肛門周囲領域の皮膚瘢痕などの直腸病理学的障害、又は
-皮膚の創傷、損傷、擦過傷、潰瘍形成、例えば褥瘡、又は創傷
を治癒するため。
本発明における定義:
-「DSM 28251株」は、2013年12月18日に出願され(識別番号ULTIMO)、国際寄託当局Leibniz-Institut DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHにおける受託番号DSM 28251で2019年12月22日のブダペスト条約に基づき寄託された、キューティバクテリウム(Cutibacterium)属、アクネス(acnes)種の菌株を含むことが意図される。典型的には、キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)はグラム陽性菌である。
-「遺伝子操作」とは、対応する表現型形質として表される特定の遺伝的特徴の取得方法を指示することを目的とした任意の技術的介入を含むことが意図され、技術的介入は、以下(Sturley&Young、1986年)を含む:(i)天然の株を交雑し、続いて選択すること、(ii)ハイブリッドを作製し、続いて選択すること、(iii)形質転換、すなわち染色体もしくはミトコンドリアゲノムにおける外因性DNA、又はプラスミドなどの他の遺伝因子の挿入、(iv)誘導ランダム突然変異誘発に続いて、通常、ハイブリッドの選択及び/又は産生(Nevoigt 2008)をさらなる操作様式として加えることができること。
-「由来変異体」とは、マイクロサテライトDNAプロファイリングによって、又はゲノム配列決定及び比較分析によって検出可能な特有の遺伝的形質のために、戻って追跡することができる、受託番号DSM 28251でDSMZに寄託された株キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)の株の変異体を含むことが意図される。
-「増殖培地」(同義語:培地、増殖培地/培養ブロス/増殖ブロス)とは、微生物、特に単一細胞数の増加及び集団の増殖をもたらす細胞複製のためにグラム+細菌などの細菌が必要とするすべての化合物(因子)を含有する基質を指す。培地中での増殖のために微生物が必要とする因子は、主に、以下のカテゴリーに属する:炭素源、同様の窒素源(いずれもアンモニア及び遊離アミノ酸で構成され、後者はFANとしても知られる)、ビタミン及び塩(微量元素)。典型的な炭素源は、サトウキビ糖蜜、ビート糖蜜、オオムギ麦芽抽出物及びコムギ麦芽抽出物である。
-「DSM 28251株」は、2013年12月18日に出願され(識別番号ULTIMO)、国際寄託当局Leibniz-Institut DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHにおける受託番号DSM 28251で2019年12月22日のブダペスト条約に基づき寄託された、キューティバクテリウム(Cutibacterium)属、アクネス(acnes)種の菌株を含むことが意図される。典型的には、キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)はグラム陽性菌である。
-「遺伝子操作」とは、対応する表現型形質として表される特定の遺伝的特徴の取得方法を指示することを目的とした任意の技術的介入を含むことが意図され、技術的介入は、以下(Sturley&Young、1986年)を含む:(i)天然の株を交雑し、続いて選択すること、(ii)ハイブリッドを作製し、続いて選択すること、(iii)形質転換、すなわち染色体もしくはミトコンドリアゲノムにおける外因性DNA、又はプラスミドなどの他の遺伝因子の挿入、(iv)誘導ランダム突然変異誘発に続いて、通常、ハイブリッドの選択及び/又は産生(Nevoigt 2008)をさらなる操作様式として加えることができること。
-「由来変異体」とは、マイクロサテライトDNAプロファイリングによって、又はゲノム配列決定及び比較分析によって検出可能な特有の遺伝的形質のために、戻って追跡することができる、受託番号DSM 28251でDSMZに寄託された株キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)の株の変異体を含むことが意図される。
-「増殖培地」(同義語:培地、増殖培地/培養ブロス/増殖ブロス)とは、微生物、特に単一細胞数の増加及び集団の増殖をもたらす細胞複製のためにグラム+細菌などの細菌が必要とするすべての化合物(因子)を含有する基質を指す。培地中での増殖のために微生物が必要とする因子は、主に、以下のカテゴリーに属する:炭素源、同様の窒素源(いずれもアンモニア及び遊離アミノ酸で構成され、後者はFANとしても知られる)、ビタミン及び塩(微量元素)。典型的な炭素源は、サトウキビ糖蜜、ビート糖蜜、オオムギ麦芽抽出物及びコムギ麦芽抽出物である。
生きていない細胞/生存することができない細胞、細胞抽出物、細胞溶解物の組成は、DSM 28251株の独特の代謝特性及び生理学的特性に厳密に関連している。
-「ポストバイオティクス」とは、受託番号DSM 28251でDSMZに寄託された株などの微生物によって分泌された代謝副生成物を含む生存不可能な細菌産物を意味し、宿主において、又は皮膚などの人体の組織に適用された場合に生物学的活性を有する。
-「ポストバイオティクス」とは、受託番号DSM 28251でDSMZに寄託された株などの微生物によって分泌された代謝副生成物を含む生存不可能な細菌産物を意味し、宿主において、又は皮膚などの人体の組織に適用された場合に生物学的活性を有する。
ポストバイオティクスはまた、細菌溶解後に放出又は取得され得るその壁、細胞質、細胞質膜、遺伝物質(核様体)、リボソームを有利に含む、キューティバクテリウム(Cutibacterium)DSM 28251株の任意の物質を含む。ポストバイオティクスは、宿主に生理学的利益を提供し、本明細書に記載の医学的又は美容的使用ならびに経口及び/又は局所投与のための組成物を製剤化するために使用され得る。
キューティバクテリウム(Cutibacterium)DSM 28251株のポストバイオティクスは、以下のステップを含む一般的な手順/方法に従って得ることができる。
懸濁液を得るために、菌株を培地又はブロス中で増殖させる。
懸濁液を得るために、菌株を培地又はブロス中で増殖させる。
懸濁液を、従来の技術を用いて試験管内で遠心分離する。
遠心分離の終了時に、懸濁液の層別化が得られる。細胞を含むペレットを、液体/培養培地である上清を含む上層と共に試験管の底に堆積させる。
次いで、ペレットを試験管の底に堆積させたまま上清を除去し、ペレットを収集し、水で洗浄する。次いで、ペレットを生理(生理食塩水)溶液に再懸濁して細胞を得、さらに遠心分離して残りの培養培地を除去する。水に懸濁した細胞を、Ultratturrax(機械的溶解)などの機械的撹拌機で機械的に処理する。
細胞壁の機械的溶解により、細胞内容物が放出され、ポストバイオティクス(上清)が得られる。
この手順の具体的な実施形態は、以下の詳細な説明及び例に記載されている。
-「担体」とは、賦形剤、ビヒクル、希釈剤又はアジュバントを指し、本発明の組成物中に存在してもよく、又は存在しなくてもよい。
-「栄養学的製品」とは、栄養状態を改善し、生理学的境界内の1つ以上の器官の機能的活性又は人体の機能性を支持又は改善するために使用され得る製品を意味する。
-本明細書で言及される「選択された菌株」又は「株」とは、受託番号DSM 28251でDSMZに寄託された本発明の株を意味する。
-「細胞壁」又は「(本発明の)菌株の壁」とは、受託番号DSM 28251で寄託された菌株キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)の細胞壁を意味する。
-「担体」とは、賦形剤、ビヒクル、希釈剤又はアジュバントを指し、本発明の組成物中に存在してもよく、又は存在しなくてもよい。
-「栄養学的製品」とは、栄養状態を改善し、生理学的境界内の1つ以上の器官の機能的活性又は人体の機能性を支持又は改善するために使用され得る製品を意味する。
-本明細書で言及される「選択された菌株」又は「株」とは、受託番号DSM 28251でDSMZに寄託された本発明の株を意味する。
-「細胞壁」又は「(本発明の)菌株の壁」とは、受託番号DSM 28251で寄託された菌株キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)の細胞壁を意味する。
本発明の株の壁は、部分又は断片に破壊され得る。
「断片」という用語は、本発明のDSM 28251株の壁の一部を意味する。
断片はまた、DSM 28251株の壁の細胞溶解物を指示し得る。
DSM 28251株の細胞壁の断片又は溶解物は、例えば以下に開示されるような細胞破壊の従来の又は一般的な方法によって得ることができる。
ブロス又は培養培地中の細菌を、典型的にはソックスレー抽出器を使用して洗浄及び脱脂する。次いで、脱脂した細菌を水に懸濁し、次いで、例えば機械的撹拌機を用いて、例えばUltratturraxを使用して、機械的溶解に供し、内容物を硫酸アンモニウムで処理して細菌壁の断片を沈殿させる。
ブロス又は培養培地中の細菌を、典型的にはソックスレー抽出器を使用して洗浄及び脱脂する。次いで、脱脂した細菌を水に懸濁し、次いで、例えば機械的撹拌機を用いて、例えばUltratturraxを使用して、機械的溶解に供し、内容物を硫酸アンモニウムで処理して細菌壁の断片を沈殿させる。
次いで、断片を、例えば水で洗浄してクリーンにし、壁断片を得ることができる。
C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株の壁断片を得るための具体的な方法は、例6に記載されている。
株又はその壁の適切な破砕/破壊は、本発明の株を機械的方法/溶解処理又は非機械的方法/溶解処理のいずれかに供することによって達成することができる。
機械的方法/装置による株破壊
本株の壁細胞を破壊(溶解)し、壁断片を得るための適切な機械的方法としては、固体剪断法又は流体剪断法のいずれかが挙げられる。
本株の壁細胞を破壊(溶解)し、壁断片を得るための適切な機械的方法としては、固体剪断法又は流体剪断法のいずれかが挙げられる。
固体剪断は、ビーズミル、X-プレス又はHughesプレスの使用を含む。
液体剪断は、超音波処理及びHughesプレスもしくはフレンチプレスを含む高圧法、及び/又はホモジナイザーもしくはマイクロフルイダーホモジナイザー(microfluider homogenizer)の使用による均質化を含む。
ビーズミル(又は摩砕)を用いる技術は、典型的には、ガラスビーズを用いた株の懸濁液の撹拌を含む。
典型的には、ビーズミル法による細胞壁の破壊は、その中心を通る回転シャフトを有するジャケット付き粉砕チャンバを含むビーズミルで行われる。シャフトには、チャンバ内のビーズに運動エネルギーを付与し、ビーズを互いに衝突させる撹拌器が取り付けられている(Chisti&Moo-Young,1986;Middelberg,1995)。適切なビーズは、細菌を効果的に破壊するために直径0.10~0.15mmであり得る。大型の工業装置は、懸濁液からビーズを分離する機構のために、直径0.4~0.6mmのビーズを使用することができる(Kula&Shutte,1987)。適切な先端速度は、細菌の破壊のために少なくとも10m-1である(Kula&Shutte,1987)。細胞濃度は、チャンバに導入されたブロス中の40~50湿潤重量%で変動し得る。
適切な固体剪断はまた、超音波処理及びHughesプレス又はフレンチプレスを含む高圧法も含み、この方法では、細胞の凍結懸濁液が高圧によって小さな開口部を通って押し出される(Engler,1985)。
超音波処理には、懸濁液中の細胞壁を破壊することができる超音波、典型的には15~20kHzを超える周波数を有する音波の使用が含まれる。適切な音響出力は、例えば、35~95Wの音響出力を使用して従来の液体培地中の20%細菌懸濁液5~30mLを超音波処理する場合である。
あるいは、Engler,1985によって報告されているように、株の細胞懸濁液を高圧下で、調整可能な制限されたオリフィス排出弁に通過させることによって、高圧弁ホモジナイザーで機械的破壊を得ることができる。典型的には、基本的なホモジナイザー設計は、細胞懸濁液を弁座の中心を通って座面を横切るように押し出す容積式ポンプを含む。弁にかかる力を調整することにより、圧力が制御される。流体は、弁を横切って半径方向に流れ、衝撃リングに衝突する(Middelberg,1995)。破壊は、細胞壁の非特異的な引き裂きから生じる。
例示的なホモジナイザーの種類は、Manton-Gaulin APV設計である(Middelberg,1995)。例えば、ホモジナイザー中で10MPa当たり約21C温度を上昇させる。ホモジナイザーでの破壊方法には、動作圧力の強い影響がある。ホモジナイザーをより高い圧力で動作させることにより、所与の程度の破壊のために、ホモジナイザーを通る細胞スラリーの通過回数を減少させることが可能である(Chisti&Moo-Young,1986;Bury et al.,2001)。
マイクロフルイダーホモジナイザー(microfluider homogenizer)はまた、断片化された細胞壁を得るための機器として使用され得る。この装置では、細胞懸濁液の2つの流れが静止表面に対して高速で衝撃を受け、エネルギー入力は衝撃点でほぼ瞬時に散逸し、細胞の破壊をもたらす(Middelberg,1995;Agerkvist&Enfors,1990)。デバイスの最も熱い部分であるマイクロフルイダイザー破壊チャンバ内の株懸濁液の滞留時間は、25~40msである。適所の冷却は、破壊チャンバを氷浴に浸漬することによって達成され得る(Sauer et al.,1989;Geciova,personal experience)。破壊された細胞の割合は、圧力及び通過回数が増加するにつれて増加する。
非機械的方法による株破壊
非機械的方法は、加圧された亜臨界又は超臨界ガスを細胞に導入することによって得られる減圧に基づいており、膨張によって加えられた圧力を解放した後に破壊を引き起こす。
非機械的方法は、加圧された亜臨界又は超臨界ガスを細胞に導入することによって得られる減圧に基づいており、膨張によって加えられた圧力を解放した後に破壊を引き起こす。
細胞壁の別の非機械的破壊は、浸透圧ショックによって得ることができ、細胞株懸濁液は、従来の条件下で高浸透圧で平衡化した後に液体培地/ブロスで希釈される。
細胞溶解の代替方法は、従来の条件下での細胞の熱処理を含む熱分解である。別の非機械的細胞溶解は、特に、抗生物質、例えばベータラクタム抗生物質、例えばペニシリン、キレート剤、例えばEDTA、カオトロープ、例えば尿素、グアニジン、エタノール、洗剤、例えばTriton Xシリーズ、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、溶媒、例えばトルエン、アセトン、クロロホルム、水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、次亜塩素酸塩、例えば次亜塩素酸ナトリウム、及びそれらの混合物から選択される物質を用いた化学的透過処理によって得ることができる。
株の細胞溶解は、例えばプロテアーゼ及びグルカナーゼを使用して、最初に細胞壁のマンノタンパク質複合体を攻撃し、次いでグルカン骨格を攻撃することによる酵素溶解によっても得ることができる(Kitamura,1982)。株壁溶解に適した製品は、市販品のZymolase-20T(Seikagaku America,Inc.、メリーランド州ロックビル)である。リゾチームは、b-1,4-グリコシド結合の加水分解を触媒するので、ペプチドグリカン層の溶解にも使用され得る。
好ましい実施形態によれば、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株の壁の断片は、好ましくは室温より低い温度、例えば10~2℃の範囲で硫酸アンモニウムで菌株を処理することによって得ることができ、有利には処理後に懸濁液を遠心分離し、沈殿した断片を収集する。
有利には、硫酸アンモニウムで処理する前に、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株を乾燥させ、場合により水で遠心分離する。場合により、遠心分離後、遠心分離から得られた上清を、例えば40~95℃、好ましくは75~85℃の温度で加熱し、次いで、例えば冷水、好ましくは3~15℃で冷却する。その後、沈殿ステップは、20~60%v/vの濃度の硫酸アンモニウム溶液と共に、例えば2~10℃でインキュベートして実施される。有利には、インキュベーション後、得られた懸濁液を遠心分離し、沈殿した断片を収集することができる。
例えば、細菌ペレットは、エーテル-エタノール、クロロホルム、メタノール-クロロホルム及びそれらの混合物から選択される有機溶媒を使用するソックスレー処理によって脱脂し、次いで、例えばフード層流の下で乾燥する。乾燥後、ペレットは、好ましくは1:2 p/Vの割合で蒸留水を添加しながら、好ましくはそれぞれ1分の2段階のUltratturrax処理によって均質化する。遠心分離後、上清を80℃で加温し、次いで冷水、好ましくは3~15℃で冷却し、最後に氷上で冷却する。続いて、40%v/vの冷硫酸アンモニウムと共に4℃で24時間インキュベートすることによって、断片沈殿ステップを実施する。インキュベーション後、懸濁液を遠心分離し、沈殿した断片を収集し、凍結乾燥した。
いくつかの実施形態では、受託番号DSM 28251で寄託されたキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)の細胞壁の断片は、脱脂される、すなわち、化学的/バイオテクノロジー技術によって細菌の細胞壁の脂質成分を除去又は大幅に減少させるように処理される。例えば、受託番号DSM 28251で寄託されたキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)は、圧砕前に脱脂されて細胞壁断片を生成する。
典型的には、本発明の株の細胞壁の脱脂された断片は、典型的には互いに結合して密に編み込まれたメッシュを形成する糖ペプチドになる糖及びペプチド鎖を含む。細胞壁の典型的な糖は、N-アセチルムラミン酸及びN-アセチルグルコサミンを含む。
薬学的組成物
菌株DSM 28251及びその本質的に由来する株、又はそれによって得られる断片もしくはポストバイオティクスは、薬学的組成物の調製における産業用途、特に局所適用に極めて有利であることが判明している。
菌株DSM 28251及びその本質的に由来する株、又はそれによって得られる断片もしくはポストバイオティクスは、薬学的組成物の調製における産業用途、特に局所適用に極めて有利であることが判明している。
一態様によれば、本発明は、上で定義した菌株又はそれによって得られる断片もしくはポストバイオティクス、及び薬学的もしくは生理学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物に関する。
生理学的又は薬学的に適切な担体、希釈剤又は賦形剤は、得られる薬学的組成物の意図される投与経路に基づいて選択され得る。
本発明の薬学的組成物は、本発明による本明細書で定義される株、その断片又はそのポストバイオティクスと、薬学的に許容される担体とを混合することによって製造される任意の組成物を包含する。そのような組成物は、動物又はヒトにおける薬学的使用に適している。
本発明の薬学的組成物は、治療有効量の上で定義した株又はその断片/ポストバイオティクス、及び薬学的に許容される担体を含む。
薬学的組成物は、場合により他の活性成分を含有してもよい。「担体」という用語は、それによって治療成分又は活性成分が投与されるビヒクル、賦形剤、希釈剤、又はアジュバントを指す。投与に望ましい調製物の形態に適した任意の担体及び/又は賦形剤は、本明細書に開示される株/壁/ポストバイオティクスと共に使用することが企図される。
担体は、投与に望ましい調製物の形態、例えば、経口又は非経口、静脈内などに応じて多種多様な形態をとり得る。経口剤形として組成物を調製する際、通常の薬学的媒体のいずれかを採用することができ、例えば、懸濁剤、エリキシル剤及び液剤などの経口液体調製物の場合、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などであり、又は例えば散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤及び錠剤などの経口固形調製物の場合、デンプン、糖、微結晶セルロースなどの担体、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などであり、固体経口調製物が液体調製物よりも好ましい。
特定の実施形態では、本発明の株/壁/ポストバイオティクスは、従来の薬学的配合技術に従って、適切な薬学的担体及び/又は賦形剤と密接に混合された活性成分として組み合わせることができる。
組成物は、皮下、筋肉内、及び静脈内、肺、鼻、直腸、局所投与などの非経口投与、又は経口投与に適した組成物を含む。任意の所与の場合の適切な投与経路は、治療される状態の性質及び重症度ならびに活性成分の性質に部分的に依存する。例示的な投与経路は経口経路である。組成物は、単位剤形で好都合に提供することができ、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。好ましい組成物は、経口、非経口、局所、皮下又は肺、経鼻もしくは頬側吸入の形態、投与に適した組成物を含む。組成物は、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。
薬学的組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤、散剤、坐剤の形態であってもよく、徐放性製剤としてであってもよい。
所望の場合、錠剤は、標準的な水性技術又は非水性技術によってコーティングしてもよい。特定の実施形態では、そのような組成物及び調製物は、少なくとも0.1パーセントの株を含有し得る。これらの組成物中の活性な株/壁/ポストバイオティクスの割合は、もちろん変動してもよく、好都合には単位の重量の約0.1パーセント~約60パーセント、0.5~20%であってもよい。そのような治療的に有用な組成物中の活性な株/壁/ポストバイオティクスの量は、治療的に活性な投与量が得られるような量である。株/壁/ポストバイオティクスは、例えば、液滴又はスプレーとして鼻腔内投与することもできる。
錠剤、丸剤、カプセル剤などはまた、結合剤、例えばトラガカントゴム、アカシア、コーンスターチ又はゼラチン;賦形剤、例えばリン酸二カルシウム;崩壊剤、例えばコーンスターチ、バレイショデンプン、アルギン酸;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;及び甘味剤、例えばショ糖、乳糖、サッカリンを含有してもよい。単位剤形がカプセルである場合、カプセルは、上記の種類の材料に加えて、脂肪油などの液体担体を含有してもよい。様々な他の材料が、コーティングとして、又は投与単位の物理的形態を改変するために存在し得る。例えば、錠剤は、シェラック、糖又はその両方でコーティングすることができる。シロップ又はエリキシル剤は、活性成分に加えて、甘味剤としてショ糖、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、色素、ならびにサクランボ又はオレンジ風味などの香味剤を含有することができる。胃腸管の上部を通過する間の崩壊を防ぐために、組成物は腸溶性製剤である。
本発明の枠内では、局所使用が好ましい。したがって、特定の好ましい実施形態では、組成物は局所適用のためのものである。本出願では、本明細書で定義される株/壁/ポストバイオティクスを含有する組成物は、ヒトの皮膚に適用され得る。
局所投与のための組成物としては、限定されないが、軟膏、クリーム、ローション、液剤、ペースト、ゲル、スティック、リポソーム、ナノ粒子、パッチ、包帯及び創傷包帯が挙げられる。特定の実施形態では、局所製剤は浸透促進剤を含む。
肺投与のための組成物としては、限定されないが、株/断片/ポストバイオティクスの粉末と、適切な担体及び/又は潤滑剤の粉末とからなる乾燥粉末組成物が挙げられる。肺投与のための組成物は、当業者に公知の任意の適切な乾燥粉末吸入器から吸入することができる。
典型的には、局所使用のための組成物は、組成物の総重量に対して0.00001重量%~10重量%、0.0001~3重量%、0、1~2重量%の量の上記同定された菌株を含有し得る。
局所適用のための組成物は、固体、半固体又は流体の形態であり得る。固体形態の適切な製剤としては、クリーム、ゲル、軟膏(ointment)、ペースト、軟膏(unguent)、クリーム、パッチが挙げられる。
流体形態での局所適用のための組成物は、ローション、ゲル、懸濁剤、乳剤の形態であり得る。
流体又は半流体製剤形態の場合、菌株は、水、アルコール、水アルコール溶液又はグリセリル溶液などの生理学的に許容される液体形態の担体で希釈するか、又は局所適用に適した他の液体と混合することができる。
一例として、液体形態の本発明の組成物は、菌株又はその副生成物を水及び/又はアルコールに溶解又は分散させることによって調製することができる。液体組成物は、皮膚のpHと適合するように5~7から好都合に選択されるpH範囲に達するように緩衝され、次いで濾過され、ボトル又はバイアルなどの適切な容器に包装され得る。
一実施形態では、局所適用のための製剤は、適切な賦形剤に担持された菌株を含有するクリーム又は乳剤の形態である。
他の実施形態によれば、本発明の組成物は、全身投与、特に経口投与のための形態である。これらの場合、組成物は、先に定義された菌株と、全身投与に適した1つ以上のビヒクル又は賦形剤とを含有する。
組成物の投与は、プロトコルの下で、対象の標的疾患を低減するのに十分な投与量で行われる。
いくつかの実施形態では、本発明の薬学的組成物において、有効成分は、一般に、投与単位で製剤化される。投与単位は、毎日の投与について投与単位当たり0.00001~1000mgの株/壁/ポストバイオティクスを含有し得る。
いくつかの実施形態では、局所製剤に有効な量は、疾患、障害又は状態の重症度、以前の治療、個体の健康状態及び薬物に対する応答に依存する。いくつかの実施形態において、用量は、製剤の0.001重量%~約60重量%の範囲である。
1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、本発明の株/壁/ポストバイオティクス及び他の活性成分は、それぞれが単独で使用される場合よりも低い用量で使用され得る。
任意の様々な投与経路に対する製剤に関して、薬物を投与するための方法及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th Edition,Gennaro et al.Eds.,Mack Publishing Co.,1985、及びRemington’s Pharmaceutical Sciences,Gennaro AR ed.20th Edition,2000,Williams&Wilkins PA,USA、及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,Lippincott Williams&Wilkins Eds.,2005、及びAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,8th Edition,Lippincott Williams&Wilkins Eds.,2005に開示されており、これらは参照として本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、経口投与のための本発明の組成物は、栄養学的又は食養性的又は栄養補助食品である。
本発明の実施形態及び好ましい手順の例を、本発明を説明するために以下に記載する。
例1
菌株受託番号DSM 28251の培養物に由来する上清で刺激したヒト線維芽細胞のインビトロでの潜在的な遊走。
菌株受託番号DSM 28251の培養物に由来する上清で刺激したヒト線維芽細胞のインビトロでの潜在的な遊走。
研究の目的
菌株受託番号DSM 28251の培養物の上清の作用機序の1つは、ポストバイオティクス効果に起因する。ポストバイオティクスという用語は、微生物、特に細菌及び/又はプロバイオティクスの代謝副生成物を指す。典型的には、ポストバイオティクスは、プロバイオティクス(適切な量で投与された場合に宿主に有益な効果を及ぼす生きた微生物)などの細菌の代謝活性又は発酵プロセスによって産生される。
菌株受託番号DSM 28251の培養物の上清の作用機序の1つは、ポストバイオティクス効果に起因する。ポストバイオティクスという用語は、微生物、特に細菌及び/又はプロバイオティクスの代謝副生成物を指す。典型的には、ポストバイオティクスは、プロバイオティクス(適切な量で投与された場合に宿主に有益な効果を及ぼす生きた微生物)などの細菌の代謝活性又は発酵プロセスによって産生される。
ポストバイオティクスは、健康の調節及び健康な微生物叢の維持において極めて重要な役割を果たす。
この研究の目的の1つは、不死化ヒト皮膚線維芽細胞の遊走に対するポストバイオティクス効果を評価し、菌株受託番号DSM 28251の培養物由来の上清がこの細胞系統の遊走を促進するかどうかを評価することである。
試験サンプル
受託番号DSM 28251を有する菌株の培養物に由来する上清。
受託番号DSM 28251を有する菌株の培養物に由来する上清。
材料及び方法
細菌
本発明の受託番号DSM 28251を有する菌株を、ブレインハートインフュージョンブロス(BHI)培地中、37℃で一晩増殖させ、次いで、ポストバイオティクス効果を評価するために、細菌増殖からの上清を遠心分離し、続いて濾過し(0.45μm)、細菌細胞を除去した。使用前に、アリコートをBHI寒天上にプレーティングし、37℃で24時間インキュベートして、微生物の増殖がないことを検証した。
細菌
本発明の受託番号DSM 28251を有する菌株を、ブレインハートインフュージョンブロス(BHI)培地中、37℃で一晩増殖させ、次いで、ポストバイオティクス効果を評価するために、細菌増殖からの上清を遠心分離し、続いて濾過し(0.45μm)、細菌細胞を除去した。使用前に、アリコートをBHI寒天上にプレーティングし、37℃で24時間インキュベートして、微生物の増殖がないことを検証した。
細胞系統
非腫瘍形成性ヒト皮膚線維芽細胞を、1%のL-グルタミン200mM、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)及び10%のFBSを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、25cm2培養フラスコ中で維持した。DPBSで洗浄した後、細胞を0.25%トリプシン-EDTA溶液1Xを用いて室温で剥離し、細胞層が分散するまで(通常5分以内)、細胞を倒立顕微鏡下で観察する。細胞を、培養インサート(コード81176、Ibidi、Giemme、イタリア)を含むμ-Dish(直径35mm)にプレーティングした。培養インサートは2つのウェルからなり、両方のウェルが接着性細胞で満たされている場合、培養インサートを除去した後、約500μmの無細胞ギャップ(チャネル)が形成される。細胞懸濁液を3~7×105細胞/mLの密度で調製し、培養インサートの2つのウェルに適用し(70μL/ウェル)、1%のL-グルタミン200mm、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)及び10% FBSを補充したDMEM中5% CO2で37℃に維持する。適切な細胞接着の24時間後、培養インサートを滅菌ピンセットを使用して除去し、μ-Dishを培地(2mL)で満たした。
非腫瘍形成性ヒト皮膚線維芽細胞を、1%のL-グルタミン200mM、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)及び10%のFBSを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、25cm2培養フラスコ中で維持した。DPBSで洗浄した後、細胞を0.25%トリプシン-EDTA溶液1Xを用いて室温で剥離し、細胞層が分散するまで(通常5分以内)、細胞を倒立顕微鏡下で観察する。細胞を、培養インサート(コード81176、Ibidi、Giemme、イタリア)を含むμ-Dish(直径35mm)にプレーティングした。培養インサートは2つのウェルからなり、両方のウェルが接着性細胞で満たされている場合、培養インサートを除去した後、約500μmの無細胞ギャップ(チャネル)が形成される。細胞懸濁液を3~7×105細胞/mLの密度で調製し、培養インサートの2つのウェルに適用し(70μL/ウェル)、1%のL-グルタミン200mm、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)及び10% FBSを補充したDMEM中5% CO2で37℃に維持する。適切な細胞接着の24時間後、培養インサートを滅菌ピンセットを使用して除去し、μ-Dishを培地(2mL)で満たした。
遊走分析のための細胞実験
細胞を、DPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水)で1:10及び1:100希釈したAileens細菌の培養物に由来する、予め濾過した上清で処理した。さらに、DPBSで1:10及び1:100希釈したBHIで処理した線維芽細胞を対照として使用した。
細胞を、DPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水)で1:10及び1:100希釈したAileens細菌の培養物に由来する、予め濾過した上清で処理した。さらに、DPBSで1:10及び1:100希釈したBHIで処理した線維芽細胞を対照として使用した。
細胞をさらに24時間維持する。細胞遊走の程度をDigital Microscope Eyepieceによって撮影し、画像解析ソフトウェアImage J(米国国立衛生研究所によって提供されたV 1.45s)を使用して測定する。続いて、ソフトウェアの機能を使用して各画像を負に変換し、次いで測定する。実験を3連で行い、結果を平均±SEとして表した。統計学的有意性のためにスチューデントT検定を使用する。p>0.05の値は、統計的に有意であると考えられる。
結果
得られた結果は、DPBSで1:10及び1:100希釈した菌株受託番号DSM 28251上清が細胞遊走を促進することを示している(図1及び図2)。さらに、DPBSで1:10及び1:100希釈したBHIは線維芽細胞の遊走を妨害しない。
得られた結果は、DPBSで1:10及び1:100希釈した菌株受託番号DSM 28251上清が細胞遊走を促進することを示している(図1及び図2)。さらに、DPBSで1:10及び1:100希釈したBHIは線維芽細胞の遊走を妨害しない。
例2
ヒト病原体微生物の増殖に対する、DSMZによる受託番号DSM 28251の下で寄託された加熱殺菌された菌株の活性。
ヒト病原体微生物の増殖に対する、DSMZによる受託番号DSM 28251の下で寄託された加熱殺菌された菌株の活性。
材料及び方法
菌株をブレインハートインフュージョン(BHI)培地中で37℃で一晩増殖させ、次いで60℃で1時間加熱殺菌した。
菌株をブレインハートインフュージョン(BHI)培地中で37℃で一晩増殖させ、次いで60℃で1時間加熱殺菌した。
培養物を水で洗浄して培地を洗い流し、培地を含まない培養物を、ミューラー・ヒントン(MH)培地又はサブロー培地で、いずれも107、106、及び105CFU/mlで希釈した。黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 29213及び大腸菌(E.coli)ATCC 11775の105細胞/ml接種物を、96ウェルプレート中の加熱殺菌培養物の各ミューラー・ヒントン希釈物150ulの最終容量で3連で増殖させた。同様に、C.アルビカンス(C.albicans)の105細胞/ml接種物を、死滅させた細菌培養物の107、106、及び105サブロー希釈物中で3連で培養した。対照として、両方の培地ですべての希釈物を3連で作製し、同様に、株増殖の対照を、それぞれ150ulのミューラー・ヒントン培地及びサブロー培地の最終容量で黄色ブドウ球菌(S.aureus)及び大腸菌(E.coli)及びC.アルビカンス(C.albicans)株の105細胞/ml接種物を用いて作製した。波長600nmでの光学密度(O.D.)を、37℃でのインキュベーションの前(T0)ならびに3、6、20及び24時間後(T3、T6、T20、T24)に各ウェルについて測定した。加熱殺菌株を添加した培地中の各株について観察されたO.D.値の傾向としての増殖を、ミューラー・ヒントン又はサブロー培地のみのものと比較した。
ヒトの皮膚に一般的に見られる細菌及び真菌の微生物増殖を妨害又は阻害する菌株受託番号DSM 28251の能力(試験した菌株を参照)を、Hallらによって記載されている分光光度法で試験した。
微生物増殖阻害を96ウェルポリスチレンプレートで評価した。間欠滅菌した(tindalized)混合物の段階希釈物(107~105CFU/ml)に、微生物単独(対照)及び培地(ブランク)と共に試験微生物を接種した。すべての微生物株を、CLSI(Clinical Standard Laboratory Institute)のガイドライン[3,4]に従って試験した。
規定の間隔(3、6、20及び24時間)で、分光光度読み取りを600nmで行った。結果を、増殖曲線(微生物単独)及び阻害曲線(微生物及び間欠滅菌した(tindalized)濃度)として提供した。各実験を8回行い、3回繰り返し、結果を平均±SDとして表した。
試験した菌株:
-黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
-カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)
-大腸菌(Escherichia coli)
-黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
-カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)
-大腸菌(Escherichia coli)
結果を添付の図3に報告する。
図3から証明されるように、本発明の菌株受託番号DSM 28251を黄色ブドウ球菌(S aureus)培養物に添加すると、用量に依存して、増殖の対数期が遅くなる。
C.アルビカンス(C.albicans)でも同様の結果が見られる。
これらの実験データは、本発明による菌株受託番号DSM 28251の阻害効果を裏付けている。
培養培地単独(すなわち、28251株なし)による比較試験。
例3
C.アルビカンス(C.albicans)の増殖に対する本発明のDSM 28251株を含有する製剤を用いた試験
材料及び方法
試験した製剤
A)基本の処方物(DSM 28251株を含まない)
B)1%DSM 28251株を含む処方物
C)2.5%DSM 28251株を含む処方物
D)2,5%DSM 28251株を含む処方物(2×C40)
C.アルビカンス(C.albicans)の増殖に対する本発明のDSM 28251株を含有する製剤を用いた試験
材料及び方法
試験した製剤
A)基本の処方物(DSM 28251株を含まない)
B)1%DSM 28251株を含む処方物
C)2.5%DSM 28251株を含む処方物
D)2,5%DSM 28251株を含む処方物(2×C40)
基本の処方物の製剤は、水、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、グリセリンブチロスペルムパルキイバター(glycerin butyrospermum parkii butter)を含有する。
手順
各製剤を4セクタープレートの寒天培地(20%)に含めた。4つのセクターを使用して、異なる真菌希釈物(10-5 10-8 CFU/ml)をプレーティングし、同じ希釈物を、対照として、製剤を含まない培地にプレーティングした。接種後、製剤を含むプレートを37℃で48時間インキュベートした。製剤を含む培地中の真菌増殖を対照に対してチェックした。さらに、C.アルビカンス(C.albicans)の非病毒性状態への移行に対する病毒性状態との干渉の可能性を検証するために、培地単独及び処方物/培地のpHを記録した。
各製剤を4セクタープレートの寒天培地(20%)に含めた。4つのセクターを使用して、異なる真菌希釈物(10-5 10-8 CFU/ml)をプレーティングし、同じ希釈物を、対照として、製剤を含まない培地にプレーティングした。接種後、製剤を含むプレートを37℃で48時間インキュベートした。製剤を含む培地中の真菌増殖を対照に対してチェックした。さらに、C.アルビカンス(C.albicans)の非病毒性状態への移行に対する病毒性状態との干渉の可能性を検証するために、培地単独及び処方物/培地のpHを記録した。
結果
対照では、典型的な白色及び濁った形態を有する多数のコロニー(2×109 CFU/ml)の明らかな形成が観察された。
対照では、典型的な白色及び濁った形態を有する多数のコロニー(2×109 CFU/ml)の明らかな形成が観察された。
顕微鏡的所見から、本発明者らは、真菌菌糸の産生を伴う病原性微生物の特徴的な細胞形態を観察する。
試験したすべての製剤について、本発明者らは、病毒性状態から非病毒性状態への病原体の移行に関連する2つの特徴である菌糸の形成が失敗した不透明なパティナ(patina)の形成を観察する。
さらに、培養培地単独(S)のpHは、処方物培地のpHと同様であり、したがって、pH変化は表現型転換に関与していないようである。
結論
C.アルビカンス(C.albicans)では、コロニーの形態の変動が観察され、製剤の非存在下では、乳白色の外観を有する典型的なコロニーが観察されたが、製剤の存在下では、均一で半透明のパティナ(patina)が得られた。この変動は顕微鏡レベルでも確認され、製剤なしでは、微生物は酵母及びカビ(菌糸の存在)の両方として観察されたが、製剤の存在下では酵母としてのみ観察された。
C.アルビカンス(C.albicans)では、コロニーの形態の変動が観察され、製剤の非存在下では、乳白色の外観を有する典型的なコロニーが観察されたが、製剤の存在下では、均一で半透明のパティナ(patina)が得られた。この変動は顕微鏡レベルでも確認され、製剤なしでは、微生物は酵母及びカビ(菌糸の存在)の両方として観察されたが、製剤の存在下では酵母としてのみ観察された。
この観察は、本発明の選択された株を含有する製剤のカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の増殖に対する阻害活性の証拠である。
例4
黄色ブドウ球菌(S.aureus)によって産生される毒素/異化物に対するDSM 28251株を含有する製剤(LimpiAD)の阻害作用:ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)インビボ試験及び遺伝子発現アッセイ
序論
特定の生物学的標的に対する黄色ブドウ球菌(S.aureus)毒素の効果を低減することができる薬剤としての処方物及び有効成分の潜在的作用を試験した。
黄色ブドウ球菌(S.aureus)によって産生される毒素/異化物に対するDSM 28251株を含有する製剤(LimpiAD)の阻害作用:ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)インビボ試験及び遺伝子発現アッセイ
序論
特定の生物学的標的に対する黄色ブドウ球菌(S.aureus)毒素の効果を低減することができる薬剤としての処方物及び有効成分の潜在的作用を試験した。
黄色ブドウ球菌(S.aureus)は、アトピー性皮膚炎の病因及び発症において最も知られている微生物の1つである。その主な病理発生機序の1つは、広範囲の毒素の産生である。
試験したLimpiAD処方物は、水、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、グリセリンブチロスペルムパルキイバター(glycerin butyrospermum parkii butter)を含有する。
この目的のために、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)幼虫を用いたインビボアッセイを行った。
グレーターワックスモスハチノスツヅリガ(greater wax moth Galleria mellonella(G.mellonella))は、細菌感染実験及び薬理学的毒性試験のために既に検証されているモデル生物である。これは、新規化合物の予備的スクリーニング及び潜在的な阻害活性の迅速かつ信頼性の高い評価に不可欠なツールであり、したがって哺乳動物モデルを使用した必要とされる実験の数を減らすはずである[6]。
ハチノスツヅリガ(G.mellonella)の幼虫は、局所適用、経口送達、及び注射など、病原体の容易な送達のための複数の選択肢を与える。微生物は、幼虫のヘモコールに直接注射することができ、したがって、幼虫は既知の量の病原体を受け取る。
ハチノスツヅリガ(G.mellonella)モデルの別の利点は、免疫及びストレスに関連する遺伝子の発現を評価する可能性である。それにより、黄色ブドウ球菌(S aureus)の上清を接種したハチノスツヅリガ(G.mellonella)幼虫に対する考案物の作用を調べるために、本発明者らは、ハチノスツヅリガ(G.mellonella)の免疫及びストレス遺伝子に対するLimpiADの効果を評価するためにqPCRアッセイを行った。本発明者らは、感染に対する昆虫免疫応答:食作用、サイトカイン調節、細胞接着及びメタロプロテイナーゼ阻害において重要な役割を果たす遺伝子を選択した。
材料及び方法
試験した微生物株及び培養条件
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC BAA1680及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC 29213をブレインハートインフュージョンブロス中で増殖させ、37℃の熱的条件で一晩インキュベートした。
試験した微生物株及び培養条件
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC BAA1680及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC 29213をブレインハートインフュージョンブロス中で増殖させ、37℃の熱的条件で一晩インキュベートした。
上清調製:両方のブドウ球菌(Staphylococcus)株の一晩培養物を5000rpmで5分間遠心分離した。残留細菌細胞を濾過滅菌(0,22μm)によって除去し、比(1:2)で生理食塩水に希釈した。希釈上清を以下の3つの異なる製剤と混合した(1:5w/v)(表1)。
-LimpiAD A(活性成分なしの基本の処方物)、
-LimpiAD D(2,5%の活性成分を有する)、
-活性成分単独。
-LimpiAD A(活性成分なしの基本の処方物)、
-LimpiAD D(2,5%の活性成分を有する)、
-活性成分単独。
製剤を1時間及び4時間インキュベーションした後、上清を遠心分離によって回収し、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)幼虫に接種するために使用した。1:2の比で上清(製剤なし)及び培養培地単独(ブレインハートインフュージョンブロス)を注射して処理した幼虫を対照として使用した(図25)。
幼虫生存率ハチノスツヅリガ(G.mellonella)幼虫感染症を評価するために、体重及びサイズに基づいて幼虫を選択し、表1に列挙した実験群に分割した。幼虫の最後の腹脚を通して、インスリンシリンジ(BD,Wellington)及び1mLの超微細針を装備した反復ディスペンサーを使用して注射によって幼虫に接種した。接種後、各条件の幼虫をペトリ皿内で35℃でインキュベートし、その後96時間で生存を観察した。
遺伝子発現アッセイ:qPCR
各群について3つの生存幼虫(対照、生理食塩水;感染、上清ATCC BAA1680;上清ATCC BAA1680黄色ブドウ球菌(S aureus)で処理)を処理の96時間後に回収した。製造業者のプロトコルに従ってTRI試薬(Sigma Aldrich)中でRNAを抽出し、RNA抽出物を分光光度的に定量し、次いで、ReadyScript(商標)cDNA合成物混合物(Sigma Aldrich)を使用してcDNAに逆転写した。
各群について3つの生存幼虫(対照、生理食塩水;感染、上清ATCC BAA1680;上清ATCC BAA1680黄色ブドウ球菌(S aureus)で処理)を処理の96時間後に回収した。製造業者のプロトコルに従ってTRI試薬(Sigma Aldrich)中でRNAを抽出し、RNA抽出物を分光光度的に定量し、次いで、ReadyScript(商標)cDNA合成物混合物(Sigma Aldrich)を使用してcDNAに逆転写した。
遺伝子発現に使用されるプライマー名、機能及び配列を表2に列挙する。参照遺伝子EF1に対する遺伝子発現倍率を、PowerSYBR(登録商標)(AppliedBiosystems)を用いてRotor-Gene Q-QIAGENによって正規化サンプルにおいて決定した。サイクル条件は、95℃で5分、次いで42サイクルの95℃で5秒、アニーリング10秒、72℃で20秒であった。最初の5サイクルについて65℃からサイクル当たり1℃の最初のタッチダウンは、すべての遺伝子座について最適な増幅をもたらした。すべての実験は、3つの異なる測定について3連で実施した[7]。
試験に使用した上清及び黄色ブドウ球菌(S.aureus)の調製を図4(Fig. 5)に示す。
幼虫生存率
対照群と比較して、試験処方物と1時間プレインキュベートした上清ははるかに致死性が低かった。
対照群と比較して、試験処方物と1時間プレインキュベートした上清ははるかに致死性が低かった。
したがって、幼虫生存率の増加、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC BAA1680は、活性成分の作用に起因している。
同様に、4時間のインキュベーション後、基本の処方物Aの活性はより低いレベルで確認されたが、処方物Dではより高い幼虫生存率が確認された。
黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 29213株に関しても、試験した他の処方物と比較して、基本の処方物Aについてより低い活性が確認された。この場合、活性成分は、1時間及び4時間の前処理の両方で、処方物Dに対して幼虫生存率のより大きな増加をもたらした。
全体として、これらの結果は、活性成分が、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC BAA1680によって産生される毒素/異化物に関連する病理発生を妨害し得ることを示唆した。さらに、両方の株ならびに黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 29213株について、1時間のインキュベーション後に、上清中の毒素/異化物との推定上の相互作用がより長くなるにつれて、干渉の強度がより高くなったことが既に理解され得る(図27~28)。
逆に、処置群と比較して感染群では18-wheeler遺伝子が低発現(99.98%)であった。したがって、LimpiADプレインキュベーションは、細胞接着及び遊走に関与するこの遺伝子の発現を有意に増加させた。
遺伝子発現アッセイ
図7で証明されるように、代謝ストレスに関連する2つの遺伝子IMPI及びGLUTの発現は、両方の群において対照と比較して有意に変化しなかった。したがって、LimpiADはこれらの遺伝子の発現を変化させない。自然免疫に関連する2つの遺伝子の発現は、感染群では処置群とは異なって発現された。炎症性サイトカインを調節するCITOK遺伝子(NF-カッパBカスケード)は、処置群と比較して感染群で過剰発現した(93.8%)。したがって、LimpiADは炎症促進性サイトカインの発現を減少させた。
図7で証明されるように、代謝ストレスに関連する2つの遺伝子IMPI及びGLUTの発現は、両方の群において対照と比較して有意に変化しなかった。したがって、LimpiADはこれらの遺伝子の発現を変化させない。自然免疫に関連する2つの遺伝子の発現は、感染群では処置群とは異なって発現された。炎症性サイトカインを調節するCITOK遺伝子(NF-カッパBカスケード)は、処置群と比較して感染群で過剰発現した(93.8%)。したがって、LimpiADは炎症促進性サイトカインの発現を減少させた。
結論
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の病原性株による感染は、異化物を産生するこれらの微生物が炎症性サイトカインの産生を刺激し、表皮バリアの損傷及び疾患の特徴的な症状の発現の一因となるので、アトピー性皮膚炎における有害因子と考えられている。
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の病原性株による感染は、異化物を産生するこれらの微生物が炎症性サイトカインの産生を刺激し、表皮バリアの損傷及び疾患の特徴的な症状の発現の一因となるので、アトピー性皮膚炎における有害因子と考えられている。
得られた結果は、LimpiAD成分が、注射されたハチノスツヅリガ(G.mellonella)幼虫の生存に対する黄色ブドウ球菌(S.aureus)によって産生される異化物の影響を低減することを示唆している。
さらに、LimpiADによる処置は、炎症促進性サイトカインの発現を減少させ、細胞接着及び遊走に関与する18-wealer遺伝子の発現を増加させた。代謝ストレス及び免疫遺伝子の発現から得られたデータは、LimpiAD考案物の作用機序に関するさらなる証拠を提供する。
例5
比較インビトロ試験
皮膚の病原体微生物の増殖に対する間欠滅菌したC.アクネス(C.acnes)DSM 28251対他のキューティバクテリウム(cutibacterium)株の比較試験。
比較インビトロ試験
皮膚の病原体微生物の増殖に対する間欠滅菌したC.アクネス(C.acnes)DSM 28251対他のキューティバクテリウム(cutibacterium)株の比較試験。
試験の目的
皮膚に定着する細菌に対するC.アクネス(C.acnes)DSM 28251株の加熱殺菌細菌の阻害活性を、進化的観点(系統発生的近接性)から非常に近い同じ種の4つの異なる株(同じペプチドグリカン組成を有するキューティバクテリウム(Cutibacterium)株)及びC.グラニュロサム(C.granulosum)株の活性と比較した。
皮膚に定着する細菌に対するC.アクネス(C.acnes)DSM 28251株の加熱殺菌細菌の阻害活性を、進化的観点(系統発生的近接性)から非常に近い同じ種の4つの異なる株(同じペプチドグリカン組成を有するキューティバクテリウム(Cutibacterium)株)及びC.グラニュロサム(C.granulosum)株の活性と比較した。
この研究の目的は、系統発生的近接性を有する他の種と比較して、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株が特異的又は改善された特性を有するかどうかを評価することであった。
この目的のために、系統型又は系統発生的距離のいずれかによってDSM 28251株とは異なるキューティバクテリウム(Cutibacterium)種の4つの株(3つのキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)及び1つのキューティバクテリウム・グラニュロサムCutibacterium granulosum)を選択し、試験した(試験株)。
この研究には、C.アクネス(C.acnes)の2つの株(DSM 30738及び30753)も含まれており、その特徴は知られていないが、それらは本発明のDSM 28251株と同じ種に属する。
皮膚の病原体微生物
上記の6つのキューティバクテリウム(Cutibacterium)株の阻害活性を、周知であり、広く代表される皮膚病原体である以下の5つの微生物に対して試験した。
-黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 29213
-黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC BAA-1680
-黄色ブドウ球菌(S.aureus)DSM 20491
-表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)ATCC 12228
-カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)ATCC 90028
上記の6つのキューティバクテリウム(Cutibacterium)株の阻害活性を、周知であり、広く代表される皮膚病原体である以下の5つの微生物に対して試験した。
-黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 29213
-黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC BAA-1680
-黄色ブドウ球菌(S.aureus)DSM 20491
-表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)ATCC 12228
-カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)ATCC 90028
材料及び方法
加熱殺菌した細菌(キューティバクテリウム(Cutibacterium))の調製
試験したキューティバクテリウム(Cutibacterium)は、間欠滅菌(tindalization)(分画滅菌)によって死滅させた。
加熱殺菌した細菌(キューティバクテリウム(Cutibacterium))の調製
試験したキューティバクテリウム(Cutibacterium)は、間欠滅菌(tindalization)(分画滅菌)によって死滅させた。
すべてのキューティバクテリウム(Cutibacterium)株を、分光光度読み取り(O.D.600nm)によって増殖の指数期最大値が確認されるまで、37℃の温度で20%を補充したBHI(ブレインハートインフュージョン)ブロス中で増殖させた。続いて、培地を遠心分離によって除去し、上清試験のために処理した。残留上清が完全に除去されるまで細菌ペレットを生理食塩水溶液(NaCl 0.9%)で洗浄し、次いで、0.5マクファーランド濃度(1.5×108CFU/ml)に希釈した。
滴定された接種材料を間欠滅菌(tindalization)に供した。
間欠滅菌(tindalization)方法は、80℃で30分間加熱して栄養型を死滅させ、続いて37℃で24時間インキュベートして熱処理によって死滅しなかった残りの栄養細胞の発芽を促進し、次いで材料を再び80℃に30分間戻した。全熱サイクルを3回繰り返した。間欠滅菌した(tindalized)材料のアリコートをコロンビア血液寒天に播種し、好気生活状態で37℃で24時間インキュベートして、微生物増殖がないこと及び方法が正しく実施されたことを検証した。間欠滅菌した(tindalized)細菌細胞は、その細胞構造及び細胞壁を維持しながら、複製及び酵素能力が不活性化され、したがって生理学的に無傷であり、このため免疫学的に活性である。
病原性微生物増殖に対する死滅株の活性の評価
試験したブドウ球菌(Staphylococcus)株及びC.アルビカンス(C.albicans)株の増殖を妨害及び/又は阻害する加熱殺菌したC.アクネス(C.acnes)株の能力を、分光光度法を使用して評価した。
試験したブドウ球菌(Staphylococcus)株及びC.アルビカンス(C.albicans)株の増殖を妨害及び/又は阻害する加熱殺菌したC.アクネス(C.acnes)株の能力を、分光光度法を使用して評価した。
加熱殺菌した株を、同じ増殖培地(濃度で20%を補充したBHIブロス)を使用して以下の手順で試験した。
加熱殺菌した細菌を、105CFU/mlの最終濃度に予め希釈し、次いで、以下のように皮膚の病原性微生物を接種した。
加熱殺菌した細菌を、105CFU/mlの最終濃度に予め希釈し、次いで、以下のように皮膚の病原性微生物を接種した。
試験した株黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC(登録商標)BAA-1680(商標)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)DSM 20491、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC(登録商標)29213(商標)、表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)ATCC(登録商標)12228(商標)及びC.アルビカンス(C.albicans)ATCC(登録商標)90028(商標)の100ulの活性培養物を3連で各断片のウェルに接種した。各菌株を指数増殖段階まで37℃のBHI培地で予め増殖させ、細胞を3000rpmで5分間の遠心分離を通して収集した。ペレットを新鮮なBHI培地に再懸濁して、1×105CFU/mlの濃度の懸濁液を得た。
これらの懸濁液を接種物として96ウェルプレートのウェルに使用した。
分光光度較正のために、96ウェルプレートを3連で調製し、それぞれ実験対照、すなわち断片を添加しない株接種材料単独、及び実験の「ブランク」(各断片を含むBHI培地)を用いた。
VICTORマルチラベルプレートリーダー(PerkinElmer)システムを使用して600nmでの光学密度(O.D.600nm)を測定し、各株及び処理の時間0(T0)での増殖値とみなした。その後の測定は、インキュベーション期間中の2、4、6、8、18、20、22及び24時間後に行った。O.D.値をブランク及び対照に対して正規化し、次いで、壁断片あり/なし(CTR)の異なる病原菌の増殖傾向を評価するために分析した。結果は平均値±S.D.(標準偏差)として報告し、増殖曲線は、細菌増殖に適したシグモイド関数を使用した非線形回帰分析によって得た。ソフトウェアGraphPad Prismバージョン7.0aを用いて分析を行った。
結果
キューティバクテリウム(Cutibacterium)株の加熱殺菌細菌の存在下及び非存在下(対照)での皮膚の病原性微生物の増殖曲線を図9に示す。最初のAUC定性的評価は、加熱殺菌したC.アクネス(C.acnes)DSM 28251が、皮膚の試験したすべての病原性微生物について微生物増殖に対する改善された阻害効果を有することを示す。
キューティバクテリウム(Cutibacterium)株の加熱殺菌細菌の存在下及び非存在下(対照)での皮膚の病原性微生物の増殖曲線を図9に示す。最初のAUC定性的評価は、加熱殺菌したC.アクネス(C.acnes)DSM 28251が、皮膚の試験したすべての病原性微生物について微生物増殖に対する改善された阻害効果を有することを示す。
以下の表2aは、試験したすべての微生物に対する各派生物のAUCの定量的評価を報告する。これらの値は、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251から得られた加熱殺菌細菌が、試験したすべての皮膚微生物の増殖に対して顕著な影響/阻害活性を示す図9に示されていることを裏付けている。
表2a.増殖曲線の曲線下面積(AUC)及び相対標準誤差(水色)の値を、加熱殺菌細菌あり/なし(対照)で図2に示した。各株のカラースケールは、AUC値の範囲:小(暗赤色)から大(暗緑色)へのAUC値を示す。
対照条件と比較した増殖の低下率を以下の表2bに示す。これらのデータは、上記で論じた結果を裏付け、一般的なC.アクネス(C.acnes)株に対する、加熱殺菌したC.アクネス(C.acnes)DSM 28251の活性の改善を強調している。
表2b.対照条件(加熱殺菌細菌の接種物なし)に対する増殖減少率。各株のカラースケールは、減少の範囲:大(暗赤色)から小(暗緑色)への増殖減少(%)を示す。
例6
例5の比較試験を、(例5の加熱殺菌株の代わりに)C.アクネス(C.acnes)の全株のポストバイオティクス/上清を使用して繰り返した。
例5の比較試験を、(例5の加熱殺菌株の代わりに)C.アクネス(C.acnes)の全株のポストバイオティクス/上清を使用して繰り返した。
試験の目的
例5の皮膚の同じ病原性微生物に対する、例5の同じ6つのキューティバクテリウム(Cutibacterium)株から得られたポストバイオティクス/上清の阻害活性を比較した。
例5の皮膚の同じ病原性微生物に対する、例5の同じ6つのキューティバクテリウム(Cutibacterium)株から得られたポストバイオティクス/上清の阻害活性を比較した。
この研究の目的は、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株由来のポストバイオティクスが、例5のC アクネス(C acnes)種由来のポストバイオティクスと比較して、皮膚の病原性微生物に対する改善された阻害活性を有するかどうかを評価することであった。
材料及び方法
C.アクネス(C.acnes)DSM 28251のポストバイオティクスの調製。
キューティバクテリウム(Cutibacterium)株から以前に得られた細菌上清を濾過(0.22μmフィルター)に供して、細胞残留物を除去した。無菌性は、調査中の各上清のアリコートをコロンビア血液寒天に接種し、好気生活状態で37℃で24時間インキュベートした後に細菌増殖がないことによって確認した。
C.アクネス(C.acnes)DSM 28251のポストバイオティクスの調製。
キューティバクテリウム(Cutibacterium)株から以前に得られた細菌上清を濾過(0.22μmフィルター)に供して、細胞残留物を除去した。無菌性は、調査中の各上清のアリコートをコロンビア血液寒天に接種し、好気生活状態で37℃で24時間インキュベートした後に細菌増殖がないことによって確認した。
キューティバクテリウム(Cutibacterium)種のいくつかの株に典型的な酸性物質の産生による干渉を排除するために、各上清のpHを慎重に測定し、必要に応じて1M水酸化ナトリウム溶液で中和した。
病原性微生物の増殖に対するポストバイオティクスの活性の分光光度評価。
例5で言及したC.アクネス(C.acnes)株に由来するポストバイオティクスが例5で報告した同じブドウ球菌(Staphylococcus)株及びC.アルビカンス(C.albicans)株の増殖を干渉及び/又は阻害する能力を、分光光度法を使用して評価した。
ポストバイオティクスを、例5と同じ増殖培地(濃度で20%を補充したBHIブロス)を使用して以下の手順で試験した。
上清をBHIブロス中で1:10の比率で希釈し、次いで、試験した皮膚微生物とインキュベートした。
上清をBHIブロス中で1:10の比率で希釈し、次いで、試験した皮膚微生物とインキュベートした。
皮膚病原性微生物黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC(登録商標)BAA-1680(商標)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)DSM 20491、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC(登録商標)29213(商標)、表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)ATCC(登録商標)12228(商標)及びC.アルビカンス(C.albicans)ATCC(登録商標)90028(商標)の100ulの活性培養物を3連でウェルに接種した。各菌株を指数増殖段階まで37℃のBHI培地で予め増殖させ、細胞を3000rpmで5分間の遠心分離を通して収集した。ペレットを新鮮なBHI培地に再懸濁して、1×105CFU/mlの濃度の懸濁液を得た。
これらの懸濁液を接種物として96ウェルプレートのウェルに使用した。
分光光度較正のために、96ウェルプレートを3連で調製し、それぞれ実験対照、すなわち株接種材料単独、及び実験の「ブランク」(各断片を含むBHI培地)を用いた。
VICTORマルチラベルプレートリーダー(PerkinElmer)システムを使用して600nmでの光学密度(O.D.600nm)を測定し、各株及び処理の時間0(T0)での増殖値とみなした。その後の測定は、インキュベーション期間中の2、4、6、8、18、20、22及び24時間後に行った。O.D.値をブランク及び対照に対して正規化し、次いで、壁断片あり/なし(CTR)の異なる病原菌の増殖傾向を評価するために分析した。結果は平均値±S.D.(標準偏差)として報告し、増殖曲線は、細菌増殖に適したシグモイド関数を使用した非線形回帰分析によって得た。ソフトウェアGraphPad Prismバージョン7.0aを用いて分析を行った。
結果
C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株のポストバイオティクスの存在下及び非存在下(対照)での皮膚の病原性微生物の増殖曲線を図8に示す。
C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株のポストバイオティクスの存在下及び非存在下(対照)での皮膚の病原性微生物の増殖曲線を図8に示す。
AUC(曲線下面積)の最初の定性的評価は、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株から得られたプロバイオティクス(上清)が、試験した病原性微生物のほとんどに対して微生物増殖に対する最も高い阻害作用を有することを示す。
表1aは、各上清に対する定量的AUC評価を示す。これらの値は、図1に示されたことを裏付けている。実際、ポストバイオティクス/上清C.アクネス(C.acnes)DSM 28251は、C.アルビカンス(C.albicans)ATCC 90028(これはDSM 30738派生物によって阻害される)のみを除いて、試験した他の上清よりも試験したすべての皮膚細菌の増殖を阻害する。
表1a.増殖曲線の曲線下面積(AUC)及び相対標準誤差(水色)の値を、細菌上清あり/なし(対照)で図1に示した。各株のカラースケールは、AUC値の範囲:小(暗赤色)から大(暗緑色)へのAUC値を示す。
試験した上清によって得られた対照条件に対する増殖低下率を表1bに示す。これらのデータはまた、C.アルビカンス(C.albicans)ATCC 90028株に対する上清DSM 30738の活性がわずかに高いだけであり、したがって上清C.アクネス(C.acnes)DSM 28251の活性に匹敵することをさらに強調し、これまでに論じた結果を裏付ける。
表1b.対照条件(上清接種物なし)に対する増殖減少率。各株のカラースケールは、減少の範囲:大(暗赤色)から小(暗緑色)への増殖減少(%)を示す。
結果
最初のAUC定性的評価は、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251のポストバイオティクス/上清が、皮膚の試験したすべての病原性微生物について微生物増殖に対する改善された阻害効果を有することを示す。
最初のAUC定性的評価は、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251のポストバイオティクス/上清が、皮膚の試験したすべての病原性微生物について微生物増殖に対する改善された阻害効果を有することを示す。
例7
(例5の加熱殺菌株の代わりに)試験したすべてのC.アクネス(C.acnes)株の細胞壁断片を使用して、例5の比較試験を繰り返した。
(例5の加熱殺菌株の代わりに)試験したすべてのC.アクネス(C.acnes)株の細胞壁断片を使用して、例5の比較試験を繰り返した。
試験の目的
この試験の目的は、例5の同じ皮膚の病原性微生物に対する例5の同じ6つのキューティバクテリウム(Cutibacterium)株の壁断片の阻害活性を比較することであった。
この試験の目的は、例5の同じ皮膚の病原性微生物に対する例5の同じ6つのキューティバクテリウム(Cutibacterium)株の壁断片の阻害活性を比較することであった。
この研究の目的は、C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株由来の壁断片が、例5の比較C.アクネス(C.acnes)種の細菌壁の断片と比較して、皮膚の病原性微生物に対する改善された阻害活性を有するかどうかを評価することであった。
材料及び方法
C.アクネス(C.acnes)DSM 28251及び比較C.アクネス(C.acnes)株の壁断片の調製。
C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株及びキューティバクテリウム(Cutibacterium)株ATCC(登録商標)11829、DSM 16379、DSM 30738、DSM 30753及びDSM 1897を、濃度で20%を補充したBHI培地中、37℃で増殖させた。
C.アクネス(C.acnes)DSM 28251及び比較C.アクネス(C.acnes)株の壁断片の調製。
C.アクネス(C.acnes)DSM 28251株及びキューティバクテリウム(Cutibacterium)株ATCC(登録商標)11829、DSM 16379、DSM 30738、DSM 30753及びDSM 1897を、濃度で20%を補充したBHI培地中、37℃で増殖させた。
培養は、5~1000ml容量のバッチ及びスケールアップシステムで操作し、一定の細胞塊が得られるまで(より大量の接種材料で平均2日間)延長した。次いで、得られた細菌ペレットを収集し、以下に記載されるように、目的の壁断片を得るために標準化された手順に供した。以下、単離断片は、派生株のカタログコードで参照する。
具体的には、壁断片の単離を以下に記載されるように行った。
細菌ペレットを、先に脱脂手順、続いて有機溶媒(すなわち、エーテル-エタノール、クロロホルム、メタノール-クロロホルム、それらの混合物)溶媒を使用するソックスレー処理に供し、次いで、それをフード層流下で乾燥させた。乾燥後、ペレットを、蒸留水(1:2 p/Vの割合で)を添加しながら、2段階のUltratturrax処理(それぞれ20秒~10分)によって均質化した。遠心分離後、上清を80℃で加温し、次いで冷水、好ましくは3~15℃で冷却し、最後に氷上で冷却した。続いて、15~40%v/vの冷硫酸アンモニウムと共に4℃で24時間インキュベートして、断片沈殿ステップを実施した。インキュベーション後、懸濁液を遠心分離し、沈殿した断片を収集し、凍結乾燥した。
凍結乾燥標本を、臨時の多段階手順(-80℃の超凍結、80℃の過熱、1時間のU.V.滅菌)によって最終的に滅菌した。
最後に、以下に記載されるように、それらを使用して実験を設定した。
病原性微生物の増殖に対するポストバイオティクスの活性の分光光度評価。
C.アクネス(C.acnes)株(上記参照)に由来する壁断片が例5で報告した同じブドウ球菌(Staphylococcus)株及びC.アルビカンス(C.albicans)株の増殖を干渉及び/又は阻害する活性を、分光光度法を使用して評価した。
C.アクネス(C.acnes)株(上記参照)に由来する壁断片が例5で報告した同じブドウ球菌(Staphylococcus)株及びC.アルビカンス(C.albicans)株の増殖を干渉及び/又は阻害する活性を、分光光度法を使用して評価した。
壁断片を、例5と同じ増殖培地(濃度で20%を補充したBHIブロス)を使用して以下の手順で試験した。
壁断片を粉末化し、最終濃度10mg/mlのBHI増殖培地で乳化した。100μlのアリコートを96ウェル平底プレートのウェルに添加した。
壁断片を粉末化し、最終濃度10mg/mlのBHI増殖培地で乳化した。100μlのアリコートを96ウェル平底プレートのウェルに添加した。
皮膚病原性微生物黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC(登録商標)BAA-1680(商標)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)DSM 20491、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC(登録商標)29213(商標)、表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)ATCC(登録商標)12228(商標)及びC.アルビカンス(C.albicans)ATCC(登録商標)90028(商標)の100ulの活性培養物を3連で各断片のウェルに接種した。各菌株を指数増殖段階まで37℃のBHI培地で予め増殖させ、細胞を3000rpmで5分間の遠心分離を通して収集した。ペレットを新鮮なBHI培地に再懸濁して、1×105 CFU/mlの濃度の懸濁液を得た。
これらの懸濁液を接種物として96ウェルプレートのウェルに使用した。
分光光度較正のために、96ウェルプレートを3連で調製し、それぞれ実験対照、すなわち断片を添加しない株接種材料単独、及び実験の「ブランク」(各断片を含むBHI培地)を用いた。
VICTORマルチラベルプレートリーダー(PerkinElmer)システムを使用して600nmでの光学密度(O.D.600nm)を測定し、各株及び処理の時間0(T0)での増殖値とみなした。その後の測定は、インキュベーション期間中の2、4、6、8、18、20、22及び24時間後に行った。O.D.値をブランク及び対照に対して正規化し、次いで、壁断片あり/なし(CTR)の異なる病原菌の増殖傾向を評価するために分析した。結果は平均値±S.D.(標準偏差)として報告し、増殖曲線は、細菌増殖に適したシグモイド関数を使用した非線形回帰分析によって得た。ソフトウェアGraphPad Prismバージョン7.0aを用いて分析を行った。
結果(C.アクネス(C.acnes)壁断片)
多様な試験した壁断片あり及びなし(CTR)で培養した皮膚性細菌の増殖曲線を図10に示す。「曲線下面積」(AUC)パラメータの予備的な定性的評価に基づいて、試験した皮膚病原菌の大部分について、どのようにして断片DSM 28251が微生物増殖に対する最も高い阻害作用をもたらすかが強調される。
多様な試験した壁断片あり及びなし(CTR)で培養した皮膚性細菌の増殖曲線を図10に示す。「曲線下面積」(AUC)パラメータの予備的な定性的評価に基づいて、試験した皮膚病原菌の大部分について、どのようにして断片DSM 28251が微生物増殖に対する最も高い阻害作用をもたらすかが強調される。
代わりに、以下の表3aに、試験したすべての皮膚病原菌について同じAUCパラメータの定量的評価の結果を報告する。算出されたAUC値は、定性的評価によって定式化された仮説を裏付けている。細菌細胞壁断片DSM 28251は、他の試験された断片よりも細菌増殖に対して高い阻害効果を示した。
増殖阻害の推定を深く見てみると、表3bに示す値は、各株の対照条件に対する増殖低下率(%)を表し、これは特定の実験条件において増殖速度の100%とみなされる。増殖率の低下の比較は、DSM 28251株の断片のより高い阻害効果について上述した結論と一致していた。
C.アクネス(C.acnes)DSM 30738株から得られた断片は、DSM 28251断片と比較して近い阻害値を示すが、後者の阻害率は常により高く、さらに、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC BAA-1680株に対してより良好な性能を示す(DSM 30738の82,43%に対してDSM 28251は94.95%)。
表3a.増殖曲線の曲線下面積(AUC)及び相対標準誤差(水色)の値を、細菌壁断片あり/なし(対照)で図3に示した。各株のカラースケールは、AUC値の範囲:小(暗赤色)から大(暗緑色)へのAUC値を示す。
表3b.対照条件(断片接種物なし)に対する増殖減少率。各株のカラースケールは、減少の範囲:大(暗赤色)から小(暗緑色)への増殖減少(%)を示す。
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Claims (18)
- 寄託受託番号DSM 28251の下で国際寄託当局Leibniz-Institut DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHに寄託されたキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)である菌株。
- 細胞壁と、その細胞壁の溶解によって得られる請求項1に記載の菌株の細胞に含まれる生物学的材料とを含むポストバイオティクス生成物。
- 細胞壁の溶解が機械的溶解によって得られる、請求項2に記載のポストバイオティクス生成物。
- 請求項1に記載の菌株の細胞壁の断片。
- 好ましくは間欠滅菌によって不活性化されることを特徴とする、請求項1に記載の菌株。
- 医薬品として使用するための、請求項1に記載の菌株又は請求項2に記載のポストバイオティクス生成物又は請求項3に記載の断片もしくは細胞壁。
- 請求項1に記載の寄託受託番号DSMZ 28251の下で寄託された有効量のキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)、又は請求項2に記載のそのポストバイオティクス生成物、又は請求項4に記載のその細胞壁の断片及び生理学的に許容される担体を含む組成物。
- 好ましくはクリーム、フォーム、軟膏、ペースト、粉末、ゲル、溶液、膣粘膜への局所適用に用いるための製剤(ovum)、潅注液又は乳剤の形態の局所組成物である、請求項7に記載の組成物。
- 医薬品として使用するための、請求項7に記載の組成物。
- 炎症性又はアレルギー性の疾患又は感染症の治療に使用するための、請求項7に記載の組成物。
- 皮膚又は粘膜の炎症性又はアレルギー性疾患の局所治療に使用するための、請求項7に記載の組成物。
- 皮膚又は粘膜の細菌又は真菌感染症の予防又は治療における請求項10又は11に記載の使用のための組成物。
- 皮膚疾患が、湿疹、アトピー性皮膚炎、座瘡、脂漏性皮膚炎、酒さ、乾癬、紅斑、皮膚発疹である、請求項12に記載の使用のための組成物。
- 皮膚又は粘膜の真菌感染症、特にカンジダ(Candida)感染症を治療するための、請求項12に記載の使用のための組成物。
- 婦人科疾患の治療に使用するための、請求項7又は8に記載の組成物。
- 婦人科疾患が膣炎、膣感染症又は炎症である、請求項15に記載の使用のための組成物。
- 痔疾、肛門管裂傷又は皮膚瘢痕の治療における直腸病理学的使用のための、請求項7又は8に記載の組成物。
- 皮膚の創傷、損傷、擦過傷、潰瘍形成もしくは褥瘡の治療に使用するための、又は創傷を治癒するための、請求項7又は8に記載の組成物。
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