JP2026005229A - 曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金及びその製造方法 - Google Patents

曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金及びその製造方法

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Abstract

【課題】優れた強度及び電気伝導度を維持しながら、曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金及びその製造方法を提供する。
【解決手段】銅-ニッケル-ケイ素合金の全体重量に対し、3乃至4.5重量%のニッケル(Ni)と、0.7乃至1.0重量%のケイ素(Si)と、銅(Cu)と不可避な不純物の残部と、を含み、溶体化処理工程の後、{100}<001>(Cube方位)の面積分率が3%以上である、曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金である。
【選択図】図2

Description

本願は曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金及びその製造方法に関する。より詳しくは、本願は優れた強度及び電気伝導度を維持しながら曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金及びその製造方法に関する。
自動車、電気、電子部品産業の飛躍的な発展により、小型化及び高集積化を具現するための高性能部品の開発が求められている。最近、小型電子機器用の素材は軽薄短小の傾向により、0.1mm以下の厚さが求められている。しかし、このような厚さでHEM加工(完全密着曲げ)など180°に近接した過酷な曲げ加工が行われるため、前記薄板の状態でも優れた曲げ加工性が求められている。行程中に曲げ加工性が足りないため割れ(crack)が発生したら製品の信頼性に悪影響を及ぼすため、該当用途として適用され得ない。
一方、銅合金は他の金属に比べ優れた強度と電気伝導度のバランスを有し、電子製品の接点の素材として広く使用されている。前記のように電子部品の小型化傾向により、その部品として使用される銅合金は優れた強度と電気伝導度だけでなく優れた成形性も求められている。
しかし、銅合金の強度を向上させる析出強化、固溶強化、分散強化、加工硬化などの強化工程は合金の曲げ加工性を減少させ得る。つまり、強度及び曲げ加工性は互いに相反する特性であり、一特性が増加したら他の特性が減少する。よって、銅合金の強度及び曲げ加工性を同時に向上させることには限界がある。
よって、小型化及び高集積化を具現するための高性能部品を開発するために、強度及び電気伝導度に優れると共に曲げ加工性が向上された銅合金の設計及びその製造工程の設計が必要である。
本願の背景技術として、特許文献1の自動車及び電気電子部品用の銅合金材及びその製造方法が開示されている。
韓国登録特許 第10-1627696号
本願の目的は、銅合金のうち強度と電気伝導度の組み合わせに最も優れるが、曲げ加工性が足りない銅-ニッケル-ケイ素合金系の曲げ加工性を向上させて、曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金を提供することである。
本願の他の目的は、優れた強度及び電気伝導度を維持しながら曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法を提供することである。
本願の目的は以上で言及した目的に限らず、言及されていない他の目的は詳細な説明の記載から明確に理解されるはずである。
一側面によると、銅-ニッケル-ケイ素合金の全体重量に対し3乃至4.5重量%のニッケル(Ni)と、0.7乃至1.0重量%のケイ素(Si)と、銅(Cu)と不可避な不純物の残部と、を含み、溶体化処理工程の後、{100}<001>(Cube方位)の面積分率が3%以上である、曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金が提供される。
一実施例によると、溶体化処理工程の後、{112}<111>(Copper方位)の面積分率が11%以下であり得る。
一実施例によると、中間熱処理工程の後、再結晶組織の面積分率が5%乃至65%で、そのうち{100}<001>(Cube方位)の面積分率が15%以上であり得る。
一実施例によると、中間熱処理工程でNiSi粒子の周辺にCube集合組織(Texture)が生成され得る。
一実施例によると、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金には0.5μm乃至2.0μmのNiSi粒子が分布し得る。
一実施例によると、本願の前記曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は、90°曲げ試験性能が曲げ半径Rと板の厚さtの比R/tで0.25以上であり得る。
一実施例によると、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は、10μmの乃至500μmの薄板で曲げ半径Rと板の厚さtの比R/tを0.25乃至2.0にし、曲げ方向を圧延垂直及び水平方向に90°完全密着する際に割れが発生しないものであり得る。
一実施例によると、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の引張強度が800Mpa以上で、電気伝導度が30%IACS以上であり得る。
一実施例によると、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は、平均テイラー係数(Taylor factor)が3.2以下であり得る。
一実施例によると、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は、シートまたは板材状であり得る。
他の側面によると、i)銅-ニッケル-ケイ素合金の全体重量に対して3乃至4.5重量%のニッケル(Ni)と、0.7乃至1.0重量%のケイ素(Si)と、銅(Cu)と不可避な不純物の残部と、を含む銅-ニッケル-ケイ素合金を鋳造するステップと、ii)前記鋳造された銅-ニッケル-ケイ素合金を圧延するステップと、iii)前記圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金を600℃乃至800℃で0超過30分以下で中間熱処理するステップと、iv)中間熱処理された銅-ニッケル-ケイ素合金を圧延するステップと、v)前記圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金を溶体化処理するステップと、を含む、曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法が提供される。
一実施例によると、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法は、vi)前記溶体化処理された銅-ニッケル-ケイ素合金を冷間圧延するステップと、vii)前記冷間圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金を析出処理するステップと、を更に含み得る。
一実施例によると、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法において、前記ステップv)溶体化処理するステップは、850℃以上950℃未満で0超過30分以下で溶体化処理することであり得る。
一実施例によると、本願の銅-ニッケル-ケイ素合金は、成形性に有利な集合組織を含み、曲げ加工性が向上され得る。
一実施例によると、本願の銅-ニッケル-ケイ素合金を含む板材などの加工材は、冷間圧延にもキューブ組織の面積が減少せず、キューブ-方向の結晶粒が追加に生成されて曲げ加工性が向上され得る。
一実施例によると、本願の銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法は、製造工程中に中間熱処理工程を含み、曲げ加工性を向上させ得る集合組織を生成させて、曲げ加工性に優れた銅-ニッケル-ケイ素合金を効率的に製造し得る。
一実施例によると、本願の銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法は、集合組織の生成を制御して銅-ニッケル-ケイ素合金の曲げ加工性を向上させながら、引張強度及び電気伝導度が低下されないのであり得る。
一般的な銅-ニッケル-ケイ素合金を製造するための製造工程を示すグラフ、及び製造工程による集合組織の変化を示す画像である。 本願の一実施例による銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織を制御するための製造工程を示すグラフ、及び製造工程による集合組織の変化を示す画像である。 本願の比較例によって中間熱処理を行っていない銅-ニッケル-ケイ素合金の製造工程(図3の(a))および、本願の一実施例によって中間熱処理を行って集合組織を制御するための製造工程(図3の(b))を示すグラフである。 本願の一実施例によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の中間熱処理の温度及び時間条件による集合組織の変化を示す画像である。 本願の実施例1によって製造される中間熱処理後の銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織を示す画像である。 本願の実施例1によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の溶体化処理の温度及び時間条件による集合組織の変化を示す画像である。 本願の比較例1及び実施例1によって製造される溶体化処理後の銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織を示す画像である。 本願の比較例2および実施例2によって製造された銅板金板材のIPF(図8の(a)および(b))、集合組織(図8の(c)および(d))、ODFマップ(図8の(e)および(f))、集合組織面積分率(図8の(g)および(h))、結晶粒径(図8の(i)および(j))、および粒子分布(図8の(k)および(l))を示す画像およびグラフである。 本願の一実施例による銅-ニッケル-ケイ素合金に対する曲げ実験(bending test)方法を概略的に示す図である。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の曲げ実験の後、析出硬化された銅-ニッケル-ケイ素合金のFESEM画像、IPF、KAM、及び集合組織の分布を示す画像である。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の曲げ成形性及び引張試験の結果を示す図である。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金を曲げた後のせん断バンドでのテイラー係数及びGOS(grain orientation spread)を示すグラフである。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の鋳造及び950℃で2時間熱間圧延した後のFESEM画像及び粒子分布を示すグラフである。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の圧下率85%で冷間圧延した後の粒子周辺の集合組織を示す画像である。 図15の(a)および(b)は、本願の比較例2および実施例2によって製造された銅-ニッケル-ケイ素合金を圧下率85%および90%で冷間圧延した後の(111)極点図を示し、図15の(c)は(111)極点図における集合組織を示し、図15の(d)~(g)は圧下率85%後のIQ、IPF、集合組織、及びKAMの結果を示す画像である。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の冷間圧延の後、中間熱処理後のIQ、IPF、集合組織、及びKAMの結果を示す画像である。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の中間熱処理の後、結晶粒系及びせん断バンド領域の再結晶された領域の組織分析結果を示す画像である。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の工程別微細組織の変化を示す画像である。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金を1分溶体化処理した後、再結晶された組織を分析した結果を示す画像である。 本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金を溶体化処理した後、完全再結晶された銅-ニッケル-ケイ素合金の組織を分析したIPF、ODF画像、及び集合組織の面積分率のグラフである。
本願の目的、長所、及び特徴は添付した表及び図面と関連する以下の詳細な説明と実施例からより明白になるはずである。
それに先立って、本明細書及び特許請求の範囲で使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈評価されてはならず、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義し得るとの原則に立脚して、本開示の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
本明細書で使用された用語は単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本開示を限定する意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」という際、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素を更に含み得ることを意味する。
以下、本願の内容を下記実施例でより詳細に説明する。但し、本願の権利範囲は下記実施例のみに限らず、それと等価の技術的思想の変形までを含む。
以下、添付した表及び図面を参照して、本願による曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金及びその製造方法について詳しく説明する。
本願の一側面によると、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は、銅-ニッケル-ケイ素合金の全体重量に対し3乃至4.5重量%のニッケル(Ni)と、0.7乃至1.0重量%のケイ素(Si)と、銅(Cu)と不可避な不純物の残部と、を含み、溶体化処理工程の後、{100}<001>(Cube方位)の面積分率が3%以上である。
銅-ニッケル-ケイ素合金は代表的な析出硬化型の銅合金であり、銅基質にNiSiのような微細なニッケル-ケイ素(Ni-Si)系の金属間化合物粒子を析出させて強度及び電気伝導度を向上させ得ることを特徴とする。本発明者らは、溶体化処理する前の冷間圧延工程中に中間熱処理工程を導入し、Cube集合組織を生成させて、曲げ加工性を向上されることを確認した。
図1は、一般的な銅-ニッケル-ケイ素合金を製造するための製造工程を示すグラフ、及び製造工程による集合組織の変化を示す画像である。図2は、本願の一実施例による銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織を制御するための製造工程を示すグラフ、及び製造工程による集合組織の変化を示す画像である。
図1及び図2を参照すると、本願は加工熱処理の工程制御として中間熱処理工程を導入し、成形性に優れた集合組織を生成させて銅-ニッケル-ケイ素合金の強度が低下されないながらも曲げ加工性を向上させ得る。一般に、コネクタ用の銅合金板材を製造するための必須工程である冷間圧延は銅合金のCube集合組織の面積分率を大きく減少させるが、圧延工程の途中に中間熱処理工程を追加するのであれば圧延による合金のCube集合組織の面積分率の減少が抑制され、更にはCube配向の結晶粒(Cube-oriented grains)を追加に生成させ得る。
ニッケル(Ni)は固溶硬化元素であって、Ni-Si系析出物を形成して銅合金の強度及び電気伝導度特性を向上させ得る元素として知られているが、本願ではニッケルはNiSi粒子を形成し、前記粒子の周辺にCube集合組織を生成させ得ることを初めて発見した。これに限らないが、ニッケル(Ni)の含量が3重量%以下であれば、前記効果が十分ではないのであり得る。一方、過剰のニッケルは電気伝導度の低下または粗大析出物の生成による曲げ加工性の低下を招き得、4.5重量%を超過しないことが適合であり得る。
ケイ素(Si)はNi-Si系析出物の形成に必要な元素であり、Ni-Si系析出物はNiSiを主体とする化合物である。合金中のNi及びSiは時効処理によっていずれも析出物になるとはいえず、ある程度は母相中に固溶された状態に存在する。固溶状態のNi及びSiは銅合金の強度を向上させるが、析出状態に比べその効果は小さく、電気伝導度を低下させる原因になり得る。よって、ケイ素(Si)の含有量は前記銅-ニッケル-ケイ素合金の全体重量に対し0.7乃至1重量%であることが適合であり得る。
銅-ニッケル-ケイ素系合金はニッケル及びケイ素の添加量の増大によって合金の強度を増大させ得るが、ある程度の添加量を超過したら強度の増大が飽和され得る。
これに限らないが、溶体化処理工程の後、銅-ニッケル-ケイ素合金の{100}<001>(Cube方位)の面積分率は3%以上が曲げ加工性の向上に適合であり得、5%以上であることがより適合であり得、10%以上であることが更に適合であり得る。
これに限らないが、溶体化処理工程の後、の{112}<111>(Copper方位)の面積分率が11%以下であることが曲げ加工性の向上に適合であり得、10%以下であることがより適合であり得、9%以下であることが更に適合であり得、8%以限であることがなお適合であり得る。これに限らないが、溶体化処理工程の後、の{112}<111>(Copper方位)の面積分率はCube集合組織が増加するほど減少し得る。
これに限らないが、溶体化処理工程の後、再結晶組織の面積分率が5%乃至65%で、そのうち{100}<001>(Cube方位)の面積分率が15%以上であることが曲げ加工性の向上により適合であり得る。
これに限らないが、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金には0.5μm乃至2.0μmのNiSi粒子が分布し、中間熱処理工程で前記NiSi粒子の周辺にCube集合組織が生成され得る。
これに限らないが、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は90°曲げ試験性能が曲げ半径Rと板の厚さtの比R/tで0.25以上であって、曲げ加工性に優れる。
これに限らないが、前記曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は、10μmの乃至500μmの薄板で曲げ半径Rと板の厚さtの比R/tを0.25乃至2.0にし、曲げ方向を圧延垂直及び水平方向に90度完全密着する際に割れが発生せず、曲げ加工性に優れる。
これに限らないが、前記曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の引張強度が800Mpa以上で、電気伝導度が30%IACS(International Annealed Copper Standard)以上であり得る。銅-ニッケル-ケイ素合金は代表的な析出硬化型の銅合金であり、銅基質にNiSiのような微細なニッケル-ケイ素(Ni-Si)系の金属間化合物粒子を析出させて引張強度及び電気伝導度を向上させ得ることを特徴とする。本願による銅-ニッケル-ケイ素合金は、曲げ加工性は向上されながら強度及び電気伝導度は優秀に維持され得る。
これに限らないが、前記曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は平均テイラー係数が3.2以下のものが曲げ加工性の向上に適合であり得、3.0以下であるものが更に適合であり得る。
これに限らないが、前記銅-ニッケル-ケイ素合金はシートまたは板材状であり得る。本願による銅合金シートまたは板材は曲げ加工性が向上され、強度及び電気伝導度に優れ、電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材など、自動車車両搭載用のコネクタや端子材、リレー、スイッチなどに適用し得る。
最近、コネクタ用オス端子(male terminal)は厚さを0.64t以下にする超小型化のための開発を進めている。コネクタの厚さが減少しながら高い強度の銅合金板材が求められているが、一般的な工程によっては1t以下で強度と電気伝導度のバランスは維持し得るが曲げ加工性を確保することが難しいという問題があったが、本願では前記問題を解決し得る。
他の側面によると、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法は、i)銅-ニッケル-ケイ素合金の全体重量に対して3乃至4.5重量%のニッケル(Ni)と、0.7乃至1.0重量%のケイ素(Si)と、銅(Cu)と不可避な不純物の残部と、を含む銅-ニッケル-ケイ素合金を鋳造するステップと、ii)前記鋳造された銅-ニッケル-ケイ素合金を圧延するステップと、iii)前記圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金を600℃乃至800℃で0超過30分以下で中間熱処理するステップと、iv)中間熱処理された銅-ニッケル-ケイ素合金を圧延するステップと、v)前記圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金を溶体化処理するステップと、を含む。
これに限らないが、前記ii)圧延するステップは、鋳造した合金を900乃至1,000℃で30分乃至4時間維持して熱間圧延し、熱間圧延してから冷間圧下率80%以上で1次冷間圧延するステップを含み得る。これに限らないが、80%乃至99.99%で1次冷間圧延することがより適合であり得る。
これに限らないが、ステップiii)で中間熱処理工程が600℃未満で行われる場合は中間熱処理効果が微々たるものであり得、800℃を超過する場合は合金の温度は過度に上昇して、Cube集合組織の生成が低下され得る。これに限らないが、前記ステップiii)の中間熱処理は板材の厚さによって30秒乃至30分間行われることが好ましい。ステップiii)において、中間熱処理が0超過30分以下で中間熱処理することがCube集合組織の生成に適合であり得、30秒乃至30分以下で中間熱処理することがより適合であり得、5分乃至30分以下で中間熱処理することが更に適合であり得る。
これに限らないが、前記iv)の前記中間熱処理された銅-ニッケル-ケイ素合金を圧延するステップは、冷間圧下率30%以上で2次冷間圧延するステップを含み得る。これに限らないが、30%乃至50%で2次冷間圧延することがより適合であり得る。
これに限らないが、前記v)溶体化処理するステップは、850℃乃至950℃未満で0超過30分以下で溶体化処理し得る。前記ステップv)の溶体化処理が850℃未満であれば溶体化処理時間が長くなることで生産性が急激に低下し得、950℃以上であれば再結晶後にCube集合組織の成長が十分に行われないのであり得る。これに限らないが、前記ステップv)の溶体化処理は板材の厚さによって0超過30分間に行われることが適合であり得、30秒超過30分間に行われるのがより適合であり得、3分乃至30分間に行われるのが更に適合であり得る。
これに限らないが、本願の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法は、vi)前記溶体化処理された銅-ニッケル-ケイ素合金を冷間圧延するステップと、vii)前記冷間圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金を析出処理するステップと、を更に含み得る。
これに限らないが、前記vi)の冷間圧延するステップは、冷間圧下率75%以下で冷間圧延することが合金の曲げ加工性の向上に適合であり得、冷間圧下率50%以下で冷間圧延することがより適合であり得、冷間圧下率40%以下で冷間圧延することが更に適合であり得、冷間圧下率30%以下で冷間圧延することがなお適合であり得る。
これに限らないが、前記vii)の析出処理するステップは、400℃乃至600℃で30分乃至10時間析出することが合金の曲げ加工性の向上に適合であり得、30分乃至5時間析出することがより適合であり得、30分乃至3時間析出することが更に適合であり得、30分乃至2時間析出することがなお適合であり得る。
以下、実施例によって本願をより詳細に説明する。
実施例
本願による銅-ニッケル-ケイ素合金の比較例1及び2、実施例1及び2は下記表2の組成を有し、鋳造、熱間圧延、1次冷間圧延、溶体化処理、2次冷間圧延、及び析出処理によって合金を製造した。但し、実施例1及び2は1次冷間圧延の途中に中間熱処理工程を含み、比較例1及び2は中間熱処理工程を含まない。
銅-ニッケル-ケイ素合金の場合、以下の表2に示すような、主にCube方位、Brass方位、Copper方位、及びS方位などと呼ばれる集合組織を形成し、それらに対応する結晶面が存在する。
これらの集合組織の形成は、同じ結晶系の場合でも中間熱処理及び溶体化処理方法の条件によって異なる。圧延による板材などの材料の集合組織の場合は面と方向で表示されるが、面は{ABC}で表され、方向は<DEF>で表される。
本明細書における結晶方位の表示方法は、材料の圧延方向RDをX軸、板幅方向TDをY軸、圧延の法線方向NDをZ軸にする直角座標系を取り、材料中の各領域がZ軸に垂直の結晶面の指数{hkl}とX軸に平行な結晶方向の指数<uvw>を利用して{hkl}<uvw>の形態で表す。上述した表記に伴い、各方位は下記表2のように表現される。そして、各集合組織の面積分率は15°の誤差範囲を基準に定義した。
通常の銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織は、上述したように相当多くの方位因子からなるが、このような結晶面の構成割合が変化したら板材などの材料の集合組織の挙動が変化し、曲げ加工性などの加工性が変化する。
実験例
1.銅-ニッケル-ケイ素合金の中間熱処理及び溶体化処理の条件による特性評価
1-1.銅-ニッケル-ケイ素合金の中間熱処理及び溶体化処理後の集合組織の面積分率(%)
本願による銅-ニッケル-ケイ素合金の中間熱処理及び溶体化処理後の集合組織の面積分率(%)でのCube、Brass、Copper、及びS集合組織の面積分率(%)の変化を確認するために、上記表1の組成を有する銅-ニッケル-ケイ素合金を製造し、その評価結果を表3に示した。
図3は、本願の比較例によって中間熱処理を行っていない銅-ニッケル-ケイ素合金の製造工程(図3の(a))、及び本願の一実施例によって中間熱処理を行って集合組織を制御するための製造工程(図3の(b))を示すグラフである。図3を参照すると、比較例1、2、及び実施例1、2は表1の組成によって合金成分を加熱及び溶解して鋳造した後、950℃で2時間断面積圧下率50%で熱間圧延し、断面積圧下率90%で冷間圧延した。
中間熱処理工程を含む実施例1及び2の場合、総圧下率90%の圧延工程のうち85%圧延後の銅-ニッケル-ケイ素合金を700℃で15分間中間熱処理した。中間熱処理が含まれた冷間圧延の後、900℃で溶体化処理及び水冷(Water quenching)した。溶体化処理の後、厚さ100μmの板材の表面の酸化スケールをグラインダで研削し除去した。研削後の厚さは80μmであった。次に、断面積圧下率30%で冷間圧延し、500℃で30分間時効処理した。
比較例1(Cu-3.0Ni-0.7Si)の場合は中間熱処理ステップを経ておらず、900℃で3分間溶体化処理した。溶体化処理の後、集合組織の面積分率(%)はCube集合組織の面積分率が1.2%と示されており、Brass、Copper、S集合組織の面積分率に比べ低く示されていた。
比較例2(Cu-4.5Ni-1.0Si)の場合は中間熱処理ステップを経ておらず、950℃で10分間溶体化処理した。溶体化処理の後、集合組織の面積分率が2.1%と示されており、Brass、Copper、S集合組織の面積分率に比べ低く示されていた。
よって、中間熱処理ステップを経ていない比較例1及び2は、Cube集合組織の面積分率が実施例1及び2に比べ低かった。
実施例1(Cu-3.0Ni-0.7Si)の場合は600℃、700℃、及び800℃で5分間溶体化処理した。中間熱処理の後、850℃、900℃、及び950℃で3分間溶体化処理した。溶体化処理の後、Cube集合組織の面積分率は、800℃で5分間中間熱処理し、次に900℃で3分間溶体化処理した場合に11.0%と最も高く示されており、Brass、Copper、及びS集合組織の面積分率はそれぞれ8.5%、7.8%、及び14.3%と示されていた。
実施例2(Cu-4.5Ni-1.0Si)の場合は中間熱処理工程の温度を700℃及び800℃でそれぞれ15分及び5分間中間熱処理した。中間熱処理の後、それぞれ950℃及び900℃で10分及び3分間溶体化処理した。700℃で15分間中間熱処理し、次に950℃で10分間溶体化処理した場合にCube集合組織の面積分率は15.6%と最も高く示されており、Brass、Copper、及びS集合組織の面積分率はそれぞれ12.1%、5.2%、及び16.2%と示されていた。
1-2.銅-ニッケル-ケイ素合金の中間熱処理による集合組織の変化
図4は、本願の実施例1によって製造される溶体化処理の温度及び時間条件による銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織の変化を示す画像である。図4によると、実施例1の中間熱処理の条件による集合組織の変化が示されている。それぞれ600℃で5分、70℃で5分、800℃で5分間中間熱処理する場合、再結晶の割合がそれぞれ5%、23%、64%と示されていた。中間熱処理工程によって銅-ニッケル-ケイ素合金の一部組織が再結晶されるということが分かり、800℃で5分間中間熱処理することが再結晶の割合が64%で最も高く、曲げ加工性に優れてより適合である。
図5は、実施例1によって製造される中間熱処理後の銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織を示す画像である。図5によると、実施例1で800℃で5分間中間熱処理する場合、再結晶組織のうちCube集合組織の面積分率が17.4%と示されていた。それによって、中間熱処理でCube集合組織が一部生成され、これらが後程溶体化処理の工程で粗大なCube結晶粒(grain)と成長し得る。
図6は、本願の実施例1によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の溶体化処理の温度及び時間条件による集合組織の変化を示す画像である。図6によると、溶体化処理によって全ての組織が再結晶され、900℃で3分間溶体化処理する場合、最も多いCube集合組織が生成されることを確認し得る。950℃で3分間溶体化処理する場合は集合組織が多く広がるようになり、適合ではないのであり得る。
図7は、本願の比較例1及び実施例1によって製造される溶体化処理後の銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織を示す画像である。図7のOFFマップ(map)によると、比較例1及び実施例1で900℃で3分間溶体化処理する場合、比較例1はCube集合組織が観察されないが、実施例1はCube集合組織が相当量観察されることを確認し得る。
1-3.銅-ニッケル-ケイ素合金の中間熱処理の実施可否による機械的特性の評価
本願の銅-ニッケル-ケイ素合金の中間熱処理及び溶体化処理の条件による硬度、引張強度、延性、及び電気電導度の特性を下記表4に示した。
下記表4によると、溶体化処理の後、比較例2及び実施例2の延性はそれぞれ13.1%及び12.9%で大きな差はなかった。硬度は比較例2及び実施例2がそれぞれ79.2Hv及び79.9Hvと示され、実施例2及び比較例2に比べ高かった。引張強度及び電気伝導度は実施例2がそれぞれ375.2MPa及び19.2%と示され、比較例2に比べより高かった。
加工熱処理の後、比較例2及び実施例2の硬度はそれぞれ224.9Hv及び216.8Hvで大きな差はなく、引張強度はそれぞれ811.8MPa及び804.7MPaで大きな差はなく、電気伝導度は32.8%IACS及び31.3%IACSで大きな差はなかった。延性は実施例2が4.1%で、比較例2に比べより高かった。
よって、銅-ニッケル-ケイ素合金は中間熱処理を含んでも硬度、引張強度、延性、及び電導度を低下させないのであり得ることを確認した。
図8は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅板金板材の曲げ加工性の差の原因を分析するために、2つの試片の巨視的な微細組織及び集合組織を分析した図である。図8の(a)乃至(h)によると、比較例2の銅-ニッケル-ケイ素合金では析出硬化(aging)後のCube方位の結晶粒が約2%観察された。それに対し、実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金では析出硬化の後、Cube方位の結晶粒が約14%以上の高い割合で観察された。
また、図8の(g)及び(h)によると、比較例2の銅-ニッケル-ケイ素合金は主にS、Copper、及びBrass方位の結晶粒からなっており、これはそれぞれ約36%、14%、及び10%の面積分率を占めており、S、Copper、及びBrass方位の総面積分率は60%であった。実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金は比較例2の合金に対してS及びCopper方位の結晶粒がより小さい面積分率で約33%及び9%を示したが、Brass方位の結晶粒は約15%を示してより高かった。実施例2の合金のS、Copper、及びBrass方位の総面積分率は60%であった。
結論的に、比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の圧延組織(S、Copper、Brass)は全体の面積分率は大きな差がなかったが、実施例2のCube方位の結晶粒は比較例2に比べ約7倍高かった。このようなCube集合組織は曲げの際にせん断バンドの形成を制限することで、合金の曲げ加工性を向上されると分析された。
図8の(i)乃至(l)は、比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の結晶粒と基質組織(matrix)に分散されている粒子(particle)の大きさ及び分布を示している。比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の結晶粒の大きさは、それぞれ19.7μm及び19.6μmで差が大きくなかった。また、銅-ニッケル-ケイ素合金の粒子(particle)の平均大きさもそれぞれ0.83μm及び0.81μmでほぼ同じであった。よって、2つの銅-ニッケル-ケイ素合金の曲げ加工性の差は結晶粒または粒子の大きさ及び分散の影響より集合組織の差に起因している可能性がある。
「強化相(reinforcing phase)」は合金の内部で強度を向上させる成分を意味する。
実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金は比較例2に比べ優れた曲げ加工性を有し、面心立方構造(FCC)合金の曲げ性能を効果的に向上されると知られているCube集合組織の高い面積比率に起因していると分析された。
2つの合金の対等な強度及び電導度は、溶体化処理の後に2つの試片の同じ析出及び加工硬化工程によって類似した形態(強化相の大きさ、分布、及び電位密度など)を有するためであると考えられる。
図9は、本願の一実施例による銅-ニッケル-ケイ素合金に対する曲げ実験方法を概略的に示す図である。
本願では図9に示した銅-ニッケル-ケイ素合金の曲げ実験方法で行われた。
図10は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の曲げ実験の後、析出硬化された銅-ニッケル-ケイ素合金のFESEM画像、IPF、KAM、及び集合組織の分布を示す画像である。図10によると、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織が曲げ加工性に及ぼす影響を分析するために、R/t=2.0の条件で曲げテストをした後の曲げられた合金シートの板幅方向TDの集合組織を確認した。
図10の(a)によると、比較例2の合金では曲げた後にせん断バンドがはっきりと観察された。粒子の周辺及び結晶粒系でも歪み(strain)の集中(concentration)が観察されるが、せん断バンド内ではこれより大きい歪みエネルギーが観察されていた。つまり、曲げによる割れは粒子または結晶粒系ではなくせん断バンドで発生したと予測し得る。前記せん断バンドはCopper及びS方位の結晶粒を貫通して生成されたものと示された。一方、前記実施例2の合金は、曲げた後にはっきりとしたせん断バンド観察されておらず、比較例2の合金に比べだいぶ少ない表面不規則性を示した。
図10の(f)によると、実施例2の合金で大きいせん断バンドと発展し得る歪みの集中領域が観察されてはいるが、比較例2の合金のせん断バンドよりその歪みは小さいと示された。この歪みの集中領域はCube、Copper、Sなどの多様な集合組織に沿って生成されると分析された。結論的に、実施例2の合金は比較例2の合金より曲げによるせん断バンドの生成が抑制されて優れた曲げ加工性を有すると判断され、これは合金の集合組織が大きい影響を及ぼしたと判断される。
図11は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の曲げ加工性及び引張試験の結果を示す図である。図11の(a)によると、比較例2の銅-ニッケル-ケイ素合金はR/t=1.5の条件でw-曲げ(90°曲げ試験)の後に微細な割れた発生しており、R/t=1.0の条件で曲げる際に完全に壊れた。
それに対し、図11の(a)によると、実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金はR/t=0.25の条件での曲げ試験の後も表面に割れが観察されなかった。よって、中間熱処理工程が含まれた工程で製造される実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金が、中間熱処理工程なしに製造される比較例2の銅-ニッケル-ケイ素合金に比べ曲げ加工性に優れていた。引張試験の結果、比較例2と実施例2の溶体化及び最終加工熱処理の後の強度と延伸率は殆ど差がなかった。
図11の(b)は溶体化処理及び析出硬化後の比較例2及び実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金の引張試験の結果を示している。
図11及び表4によると、中間熱処理工程が含まれた工程で製造される実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金は、中間熱処理工程なしに製造される比較例2の合金と対等な強度、電導度、及び延性を示したが、より高い曲げ成形性を示した。
前記銅-ニッケル-ケイ素合金の組織分析の結果によると、合金の集合組織が曲げの際にせん断バンドの生成に直接的な影響を及ぼしており、これらのせん断バンドの形成が合金シートの曲げ加工性を決定することが分かった。本願の銅-ニッケル-ケイ素合金に生成された集合組織の曲げの際、銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織を定量的に分析しようとした。
図12は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金を曲げた後のせん断バンドでのテイラー係数及びGOSを示すグラフである。
図12の(a)は図10で分析された比較例2及び実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金の歪みの集中領域をせん断バンドと仮定し、それに沿って合金シートの表面から一定間隔でテイラー係数を計算した結果である。
比較例2の銅-ニッケル-ケイ素合金のせん断バンドで測定したテイラー係数の平均値は3.66で、せん断バンドの平均テイラー係数値が3.09の実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金より更に高かった。これは比較例2の銅-ニッケル-ケイ素合金の微細構造が曲げの際に比較的せん断バンドを容易に生成し得て、曲げによる割れがより容易に発生することを意味する。
実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金の微細構造は、曲げの途中に均一な歪みによってせん断バンドの形成が比較的抑制されるため、比較例2の銅-ニッケル-ケイ素合金より割れが少なく発生し得る。これはテイラー係数が集合組織のうち最も低いCube集合組織が実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金内に多く形成されて、曲げ加工性を向上させ得ることを期待し得る。
図12の(b)は図10の比較例2及び実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金を曲げた後、全ての結晶粒の平均テイラー係数とGOS値を比較したものである。ここで、GOS値は各結晶粒の平均結晶方位差角度(misorientation angle)を意味し、この値が高いほど結晶粒に多くの歪みが誘導されたことを意味する。図12の(b)によると、結晶粒のテイラー係数が高いほど曲げによってより高い歪みエネルギーが蓄積されることが分かる。結果的に、2.5以下の低いテイラー係数を有するCube集合組織が多いほど、曲げによる歪みの集中を抑制し得る。これは、Cube集合組織が多い実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金が曲げの途中にせん断バンドの形成を効果的に抑制し得ることを意味する。
銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織の分析結果、中間熱処理がCube集合組織の割合を上げるのに重要な役割をし、これが銅-ニッケル-ケイ素合金の曲げ加工性の向上に核心であることが分かる。ならば、中間熱処理が銅-ニッケル-ケイ素合金のCube方位の集合組織の面積分率をいかに向上させ得るのか、そのメカニズムを理解するために、実施例2の工程で各工程別の銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織の変化を調べた。まず、鋳造及び熱間圧延した後、銅-ニッケル-ケイ素合金の微細構造を観察した。
図13は、鋳造及び950℃で圧下率50%で熱間圧延した後の比較例2及び実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金のFESEM画像及び粒子分布を示すグラフである。鋳造合金では大きさ2乃至6μmの粒子が観察されており、熱間圧延の後には粒子の大きさが1μm未満に減少すると示された。
鋳造及び熱間圧延した後、合金で観察される全ての粒子はδ-NiSiであるとSEM-EDS分析によって確認された。このような粒子は殆ど鋳造または熱間圧延の過程で試片が冷却されながら生成されると判断される。鋳造の後、凝固過程ではNiSi粒子が晶出されて数μmの粗大な介在物を形成する。前記介在物は熱間圧延のための950℃の熱処理過程で大部分がCu基質に固溶されるが、試片が冷却されることでこれらの溶解性(solubility)が減少しNiSiの析出が発生する。この際、結晶粒系、せん断バンドなどのエネルギーが高いところでは不均一な核生成が発生して0.8μm以上の比較的大きい粒子が生成され、基質内には均一な核生成によって0.4μm以下の小さい粒子が生成されると分析された。熱間圧延の後、全ての粒子が均一に分散されてはいないが、大きな凝集なしに生成され得ることを確認した。
図14は本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の85%の断面積圧下率で熱間圧延した後の粒子周辺の集合組織を示す画像である。図14の(a)によると、圧下率85%で冷間圧延した後、大きさ約0.6乃至1μmの粒子がCu-4.5Ni-1Siの合金結晶粒系の近くに約2乃至3μmの間隔で分散されていることが観察された。
冷間圧延した後の試片の粒子及び熱間圧延後の試片の粒子は大きさが対等であった。これは冷間圧延の際、圧下率85%でも試片の粒子が割れなしに維持されていることを意味する。結果的に、冷間圧延によって発生した歪みエネルギーが粒子の歪みまたは破壊に使用されず、その周辺の基質組織に大きな歪みを誘発すると予想される。
図14の(c)によると、KAM分析の結果、冷間圧延の後に粒子の周辺に粒子影響変形帯(PADZ、Particle Affected Deformation Zone)が生成されたが、これらは基質組織より高い歪みエネルギーを有し、特に粒子の間に強い歪みが集中されていると示された。それと共に、特定粒子の間には周辺の基質とは異なる他の結晶方向を有する亜結晶(sub-grain)が観察された。
よって、圧延の際に主に平面変形が誘導される基質とは異なって、冷間圧延の際に粒子の間の領域は平面及びせん断変形によって生成される高い水準の複合変形が誘導される。それによって、粒子の間の基質と結晶方向が異なる亜結晶が形成され得る。粒子の周辺の粒子影響変形帯(PADZ)、特に、粒子の間の領域は、圧延後に他の基質とは異なって非常に高い歪みエネルギーが蓄積され得る。そして、これらの領域は他の領域より再結晶駆動力が相対的に高いと判断される。
図15の(a)-(b)は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金を圧下率85%と90%で冷間圧延した後、XRDで分析された(111)極点図を示す画像である。面心立方構造(FCC)合金の理想的な(111)極点図は図15の(c)に示されている。圧下率85%及び90%で冷間圧延した後、銅-ニッケル-ケイ素合金は典型的なβ-繊維組織であるBrass、Copper、及びSの集合組織を示す。圧下率が85%から90%に増加することで、圧延組織(rolling texture)などの強度(intensity)が増加することを確認し得た。
実施例2の工程では圧下率85%で圧下した後に中間熱処理されて比較的小さい圧延組織が生成されるが、比較例2の工程では圧下率90%の連続した冷間圧延で相対的に多い量の圧延組織が生成される。このような集合組織の差は、後程行われる溶体化処理による再結晶組織に大きな影響を及ぼし得る。
圧下率85%で冷間圧延した後、実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金の集合組織を高倍率のEBSDを利用して分析した。図15の(d)乃至(g)は、圧下率85%で冷間圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金の微細構造及び組織分析の結果を示している。図15の(f)によると、圧延方向に沿って延伸されたβ-繊維結晶粒(fiber grain)が観察され、これらの大部分はS及びBrass成分であると分析された。また、歪みができた結晶粒内で圧延方向に約20°乃至30°傾いた多数のせん断バンドが形成されていた。
図15の(g)によると、これらのせん断バンドは他のところより高い歪みエネルギーを有すると分析された。これらのせん断バンドは図15の(e)及び(f)のAとBから見られるように、Goss方位に整列されると示された。また、歪みエネルギーが高い特定の結晶粒系が観察され、冷間圧延の途中に結晶粒系の粒子によって誘導された粒子影響変形帯(PADZ)に起因していると判断される。
図16は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の冷間圧延の後、中間熱処理後のIQ、IPF、集合組織、KAMの結果を示す画像である。図16の(d)によると、中間熱処理の後に一部のせん断バンド及び結晶粒系に再結晶が起こっていることを確認し得る。図16の(g)によると、一部のせん断バンド及び結晶粒系は基質に比べ相対的に大きい歪みエネルギーを有し、これは中間熱処理の間に再結晶化が始まると期待し得る。
Goss集合組織は主にせん断バンドで発見される反面、結晶粒系で再結晶された結晶粒内で豊富なCube方位({100}<001>)組織が観察された。高解像度EBSD分析のために、せん断バンド及び結晶粒系内の再結晶領域を図16の(b)でA及びBで表した。
図17は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金を700℃で1時間中間熱処理の後、結晶粒系及びせん断バンド領域(図16のA及びBで表した領域)の組織分析結果を示す画像である。図17の(a)乃至(c)によると、結晶粒系に沿って大きさ約1μmの粒子が分散されている。図17の(c)はCube方位の結晶粒を赤色の矢印で示している。再結晶された結晶粒は粒子の周辺で大きさ約5乃至10μmで観察された。このような再結晶された結晶粒は、中間熱処理の間に粒子影響変形帯(PADZ)で生成され得る。そのうちほぼ半分がCube配向を有している。
しかし、図17の(d)によると、粒子がない結晶粒系はアニーリングの後も再結晶されなかった。この結果は中間熱処理の間に粒子影響変形帯(PADZ)のみ再結晶し得、これらの大部分はCube方位に配向された結晶粒を形成する可能性があることを示している。
実験及びシミュレーション基盤の多数の研究において、面心立方構造(FCC)合金で冷間圧延した後、再結晶する際にCube集合組織の形成に対する選好度が調べられた。この研究で説明される大部分のメカニズムは配向成長理論(oriented growth theory)に依存する。この理論はランダムに配向されている核の集合内で、これらを囲む基質組織に関連して、成長に最も有利な条件を見つける核が最も早く成長する傾向があることを示す。このような加速された成長は再結晶組織を定義するのに支配的な要素になる。
配向成長理論に基づく代表的なモデルのうち一つは、歪み率-エネルギー放出-最大化理論(SERM、strain-energy-release-maximization theory)である。Int.J.Mech.Sci.42(8)(2000)1645-1678で提案したモデルは、再結晶が圧延工程によって貯蔵されているエネルギーを減少させて核の生成及び成長過程を容易にすると仮定する。
高エネルギー基質組織で絶対最大応力方向(AMSD、absolute maximum stress direction)が応力のない結晶の最小ヤング率方向(MYMD、minimum Young’s modulus direction)に整列される際、歪み率エネルギーの放出が最大化される。前記モデルは焼成変形された銅合金で好まれる再結晶方向を予測し得る。銅合金のMYMDは以下の式を使用し、立法結晶のヤング率から計算し得る:
[式1]
1/E=S11+[S44-2(S11-S12)](a11 12 +a12 13 +a13 11
前記式1において、Eはヤング率(Young’s module)、Sijは順応率(compliances)、aijは任意の引張方向xを対称軸xに連関する方向コサインである。700℃で面心立方構造(FCC)の銅に対し、与えられた弾性定数を使用して(S11=0.0232、S44=0.0182、S12=-0.00101)、計算「S44-2(S11-S12)」は実際に負の値を算出する。これは、配向成分が「a11=a12=a13=0」である際に最小ヤング率が達成されることを示す。このように、MYMDは<100>方位に整列される。これは圧延法線方向ND、材料の圧延方向RD、及び板幅方向TDに沿って<100>配向を有するCube集合組織が中間熱処理温度で銅合金のヤング率を最小化することを意味する。
よって、他の配向粒子に比べ、Cube集合組織はより効率的なエネルギー放出のため、中間熱処理の間に優先的に成長する可能性が高い。また、配向成長理論によると、S集合組織とCube集合組織との間の40°<111>配向関係は、Cube配向された粒子がS配向された粒子で高い結晶粒系移動性を有することを示している。それらは中間熱処理の間にS配向された粒子を吸収することで速く成長し得る。よって、高い歪みエネルギーを有する粒子影響変形帯(PADZ)、特にS配向された粒子を有する粒子影響変形帯(PADZ)はCube集合組織により容易に再結晶される。
図17の(d)乃至(f)は、せん断バンド内の再結晶領域(図16のBの領域)でのEBSD分析結果を提示する。せん断バンドに沿って再結晶された結晶粒は、実行処理の前に元のせん断バンドの方向と整列されるGoss方向を有すると確認された。これは、時効処理前のせん断バンドで元の結晶方向が再結晶後も維持されていることを示している。SERMモデルでは特定方向のAMSDと面心立方構造(FCC)Cu合金のMYMDを比較し、再結晶の際に特定の集合組織を維持する確率を予測し得る。
前記モデルは特定結晶粒のAMSDがCu合金のMYMDと整列される際、元の方向が再結晶の間に変わらない可能性がより高いということを仮定する。この方法は、中間熱処理の後、Cu-Ni-Si合金のせん断バンドからGoss集合組織への再結晶を説明し得る。せん断バンドでのGoss方位の結晶(110)[001]のAMSDを計算するために、全体制約条件のテイラー・ビショップ・ヒル(Taylor-Bishop-Hill)モデルが使用された。平面変形圧縮の間、活性スリップシステムは(111)[0-11]、(111)[-101]、(-1-1)[011]、及び(-1-1)[101]と確認される。このような選択されたスリップ方向は最大歪み方向[001]を有する鋭角を形成することに関連する。このような全ての方向を合算すると、AMSDは[0-11]+[-101]+[011]+[101]=[004]/[001]と得られる。
このようなAMSDは面心立方構造(FCC)銅のMYMDと一致する。よって、圧延されたCu-Ni-Si合金でGoss整列されたせん断バンドは再結晶の後に方位が変更されない可能性がある。このような現象は多くの面心立方構造(FCC)の金属から報告されている。しかし、せん断バンドの結晶配向が圧延の途中に導入された複雑な歪みのため正確にGoss方位ではないのであり得ることを考慮することが重要である。よって、Gossだけでなく、潜在的に他の方向もGossになり得る。しかし、せん断バンドの結晶粒はCube集合組織を形成するよりは、優先的に方向性を維持しながらGoss集合組織に再結晶される。
図18は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金の工程別微細組織の変化を示す画像である。実施例2は熱間圧延の後、大きさ0.5乃至2.0μmのNiSi粒子が生成されて分散されている。前記NiSi粒子の周辺には冷間圧延によって強い電位が生成される。中間熱処理工程の後、前記NiSi粒子の周辺にCube集合組織が再結晶される。
図19は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金を1分溶体化処理した後、再結晶された組織を分析した画像である。以前の組織分析で中間熱処理が粒子影響変形帯(PADZ)と特定のせん断バンドでCube方位の結晶粒を生成することを確認した。中間熱処理がない実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金の組織変化を調べるために、溶体化処理後の再結晶された組織を分析した。
銅-ニッケル-ケイ素合金で溶体化処理の初期ステップでの再結晶挙動を分析するために、比較例2及び実施例2の工程中に900℃で1分間溶体化処理した後の組織を調べた。
2つの銅-ニッケル-ケイ素合金はいずれも熱処理時間が短いにもかかわらず、大部分の微細構造が再結晶されると観察された。特に、中間熱処理を含む実施例2によって製造される合金は1分間溶体化処理した後、比較例2によって製造される合金より大きい結晶粒を有していた。これは実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金で、中間熱処理の間に既に生成されている再結晶粒のためであり得る。また、比較例2の銅-ニッケル-ケイ素合金で、Cube方位の結晶粒が周辺の結晶粒より小さかった。それに対し、実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金でCube方位の結晶粒は他の結晶粒と対等であるか、より大きい大きさを示した。実施例2の銅-ニッケル-ケイ素合金で、Cube方位の結晶粒が後続する熱処理の途中にたの結晶粒を吸収して成長し得る。それに対し、比較例2の銅-ニッケル-ケイ素合金では追加の熱処理の途中に隣接した結晶粒が膨張し、Cube方位の結晶粒の成長が妨害され得る。
図20は、本願の比較例2及び実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金を溶体化処理した後、完全再結晶されたCu-Ni-Si合金の組織を分析したIPF、ODF画像、そして集合組織の面積分率のグラフである。比較例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金は10分間溶体化処理をし、実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金は5分間溶体化処理をしたにもかかわらず、約20μmの対等な結晶粒の大きさを示していた。
しかし、Cu-Ni-Si合金の組織でははっきりとした差がある。中間熱処理工程を経ていない比較例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金では、溶体化処理の後にCube方位の結晶粒が3%観察された。それに対し、実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金ではS、Copper、及びBrass方位の圧延組織がそれぞれ約24%、13%、及び10%と非常に高かった。実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金はこのような集合組織の割合が減少し、S、Copper、及びBrass集合組織がそれぞれ約15%、6%、及び12%と示された。このような集合組織の傾向は、加工熱処理が完了された銅-ニッケル-ケイ素合金と一致していた。
圧下率30%で冷間圧延された実施例2によって製造される銅-ニッケル-ケイ素合金は、溶体化処理後の合金に比べ圧延組織の面積分率が増加し、Cube集合組織の分離が多少減少していたが、その差がとても小さかった。
結果的に、溶体化処理の前に中間熱処理工程を含むことで、溶体化処理による再結晶の後、より高い割合のCube方位の結晶粒を示した。特に、Cu-Ni-Si合金の粒子は中間熱処理の間にCube方位の結晶粒の形成に核心的な役割をする。よって、高い歪み率エネルギーによって、粒子影響変形帯(PADZ)で中間熱処理の間にCube集合組織が形成され得る。
このようなCube方位の結晶粒は溶体化処理によって粗大なCube集合組織に成長し、Cu-Ni-Si合金でCube集合組織の割合を向上させていた。しかし、粒子がない領域では冷間圧延によってCube方位の結晶粒を形成するために十分な歪み率エネルギーが誘導され得る。その結果、適切な変形率が足りない結晶粒は溶体化処理の間に前の結晶方向を維持しながら回復され得る。
比較例2と異なり実施例2によるCu-4.5Ni-Si合金を製造する工程で中間熱処理工程が追加され、これは相当な量のCube方位の結晶粒の形成を効果的に誘導する。これは合金の強度を低下させないながら、向上された曲げ加工性を示す。
前記中間熱処理が含まれた銅-ニッケル-ケイ素合金の製造工程が現在の商業的な製造工程に円滑に適用され得、硬度、引張強度、延性、電導度を低下させないながら、曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の商業的活用度を向上させ得る。
以上、本願内容の特定部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとって、このような具体的な技術は単に好ましい実施の態様に過ぎず、それによって本願の範囲が制限されることはないという点は明白である。よって、本願の実質的な範囲は添付した特許請求の範囲はそれらの等価物によって定義されるといえる。

Claims (13)

  1. 銅-ニッケル-ケイ素合金の全体重量に対し、
    3乃至4.5重量%のニッケル(Ni)と、
    0.7乃至1.0重量%のケイ素(Si)と、
    銅(Cu)と不可避な不純物の残部と、を含み、
    溶体化処理工程の後、{100}<001>(Cube方位)の面積分率が3%以上である、曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  2. 溶体化処理工程の後、{112}<111>(Copper方位)の面積分率が11%以下である、請求項1に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  3. 中間熱処理工程の後、再結晶組織の面積分率が5%乃至65%で、そのうち{100}<001>(Cube方位)の面積分率が15%以上である、請求項1に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  4. 中間熱処理工程でNiSi粒子の周辺にCube集合組織(Texture)が生成される、請求項1に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  5. 0.5μm乃至2.0μmのNiSi粒子が分布する、請求項1に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  6. 前記曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は、90°曲げ試験性能が曲げ半径Rと板の厚さtの比R/tで0.25以上である、請求項1に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  7. 10μmの乃至500μmの薄板で曲げ半径Rと板の厚さtの比R/tを0.25乃至2.0にし、曲げ方向を圧延垂直及び水平方向に90°完全密着する際に割れが発生しないものである、請求項1に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  8. 前記曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の引張強度が800Mpa以上で、電気伝導度が30%IACS以上である、請求項1に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  9. 前記曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は、平均テイラー係数(Taylor factor)が3.2以下である、請求項1に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  10. 前記曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金は、シートまたは板材状である、請求項1に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金。
  11. i)銅-ニッケル-ケイ素合金の全体重量に対して3乃至4.5重量%のニッケル(Ni)と、0.7乃至1.0重量%のケイ素(Si)と、銅(Cu)と不可避な不純物の残部と、を含む銅-ニッケル-ケイ素合金を鋳造するステップと、
    ii)前記鋳造された銅-ニッケル-ケイ素合金を圧延するステップと、
    iii)前記圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金を600℃乃至800℃で0超過30分以下で中間熱処理するステップと、
    iv)中間熱処理された銅-ニッケル-ケイ素合金を圧延するステップと、
    v)前記圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金を溶体化処理するステップと、を含む、曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法。
  12. vi)前記溶体化処理された銅-ニッケル-ケイ素合金を冷間圧延するステップと、
    vii)前記冷間圧延された銅-ニッケル-ケイ素合金を析出処理するステップと、を更に含む、請求項11に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法。
  13. 前記ステップv)溶体化処理するステップは、850℃以上950℃未満で0超過30分以下で溶体化処理することである、請求項11に記載の曲げ加工性が向上された銅-ニッケル-ケイ素合金の製造方法。
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