JP2025508564A - アロニア抽出物及びその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、1)プロアントシアニジン(PAC)及びアントシアニンを含むアロニア抽出物であって、ポリフェノール含量が少なくとも55乾燥質量%であり、PAC含量が少なくとも19乾燥質量%であり、PAC:アントシアニン比が少なくとも1.5である、アロニア抽出物、2)該アロニア抽出物を得る方法、及び、前記方法により得ることが可能な該抽出物、3)前記アロニア抽出物を含む又はそれからなる、食品、保健機能食品又は化粧用組成物、並びに、汚染物質への曝露、老化及び/又は運動に起因する酸化ストレスの発生を防止、制限又は軽減するためのその使用、4)前記アロニア抽出物を含む医薬組成物、並びに5)細胞酸化ストレスに関連する障害の処置を必要とする対象においてその処置における使用のための当該医薬組成物に関する。
Description
本発明は、天然抽出物、及び、その食品、保健機能食品(nutraceutical)又は医薬製品の原料としての使用の分野に属する。詳細には、本発明は、高い総ポリフェノール含量と、高いプロアントシアニジン含量と、プロアントシアニジンのアントシアニンに対する特定の比とを有するアロニア抽出物に関する。
この数十年間、天然産物を供給源とする抗酸化物質、及びそれらがヒトの健康にもたらす有益な効果に大きな注目が集まっている。「酸化ストレス」理論によれば、活性酸素種(ROS)と抗酸化物質との間の不均衡はレドックスシグナル伝達の欠失並びにDNA、タンパク質及び脂質の損傷を引き起こし、このような欠失や損傷が蓄積することにより老化並びに種々の変性疾患及び慢性疾患が生じる(Holmstrom及びFinkel、2014)。したがって、ストレス要因への曝露(汚染物質、運動、傷害、老化)による反応種の過剰な産生は、いくつかの疾患の発症及び進行に関与している。正常な状態においては、ROSは抗酸化防御系により中和される。抗酸化防御系には、in vivoで合成されるもの(SOD、カタラーゼ、グルタチオンを含む内因性の細胞抗酸化防御物質(endogenous cellular antioxidant defense))もあれば、食餌に由来するもの(外因性の植物化学物質、又はビタミンC及びEのような食餌性抗酸化物質)もある。果実、野菜及びマメの摂取量の増加は母集団における死亡率の低下と関連がある(Fragaら、2019)ことから、植物製品の消費を増やす重要性は消費者からますます注目されるようになっている。植物界においては8000を超える既知のポリフェノール化合物が同定されており、これらの植物二次代謝産物は、最も豊富な食餌性抗酸化物質である(Pandey及びRizvi、2009)。
低木のベリー類、例えば、レッド、パープル及びブラックチョークベリー(例として、アロニア・メラノカルパ(Aronia melanocarpa)、アロニア・プルニフォリア(Aronia prunifolia)及びアロニア・アルブティフォリア(Aronia arbutifolia))は、特にその優れた抗酸化活性に起因する健康増進及び慢性疾患防止特性のために研究者及び一般人の関心の的となりつつある(Borowska及びBrzoska、2016)。他の天然産物と比較すると、アロニア果実は最も豊富なポリフェノール化合物源のうちに入り、フェノール酸(主にクロロゲン酸及びネオクロロゲン酸)並びにフラボノイドの含有量が高い。アロニア中に存在するフラボノイドは、4つのサブグループ、すなわち、アントシアニン、フラボノール、フラバン-3-オール(又はフラバノール)及びプロアントシアニジンに分けることができる。アロニアのベリーは、暗色を呈し食品着色料として使用可能なアントシアニン(主にシアニジン-3-ガラクトシド及びシアニジン-3-アラビノシド)が豊富なことで知られる。アロニアのフラボノールは、5つのケルセチン誘導体(ケルセチン-3-O-ガラクトシド、ケルセチン-3-O-グルコシド、ケルセチン-3-O-ルチノシド、ケルセチン-3-O-ロビノビオシド及びケルセチン-3-O-ビシアノシド)の形で主に存在する。フラバン-3-オールは、モノマー形態(エピカテキン)又はオリゴマー形態及びポリマー形態(エピカテキン単位で構成される)として存在し、プロアントシアニジン(PAC)と称される(又は、アロニアにおけるB型プロシアニジンのように、エピカテキン単位のみからなる場合はプロシアニジンと呼ばれる)。プロアントシアニジン重合度は、アロニアの特性である。更に、アロニアは、ポリフェノール以外の抗酸化特性を有する活性化合物、例として、抗酸化ビタミン(C及びE)、カロテノイド並びにミネラル、例えばZn、Cu、Mo及びSe等を含有する。
WO2021122789A1には、アントシアニンを含有する、又は定義されたアントシアニンを有する抽出物を含有する抗酸化組成物が開示されている。US20120128800A1には、乾燥質量でアントシアニンを少なくとも20%含有するアロニア・メラノカルパ抽出物を含む栄養補助食品組成物が開示されている。
いくつかの刊行物において、アロニア抽出物は抗酸化効果及び関連障害の防止の処置に有望な候補であると指摘されてはいるものの、食品、保健機能食品及び医薬業界に更にいっそう関連性のある製品を提供する目的で有効性が改善されている新規の抽出物及びその強化画分が依然として必要とされている。
この必要性は、本発明により、新規のアロニア抽出物の提供という形で取り組まれたものであり、本発明のアロニア抽出物は、特に高い抗酸化有効性を示し、したがって、食品、保健機能食品、化粧品及び医薬用途に特に適している。直接的な抗酸化活性を試験する目的で革新的な細胞ベースアッセイを用いてこの有効性が評定されたのは初めてのことである。
本発明の第1の目的は、プロアントシアニジン(PAC)及びアントシアニンを含むアロニア抽出物であって、
- ポリフェノール含量が、少なくとも55乾燥質量%、好ましくは少なくとも60乾燥質量%であり、
- プロアントシアニジン(PAC)含量が、少なくとも19乾燥質量%、好ましくは少なくとも20乾燥質量%であり、
- PAC:アントシアニン比が少なくとも1.5であり、ポリフェノール含量はフォリン-チオカルトー(Folin Ciocalteu)法により測定可能であり(エピカテキン当量)、プロアントシアニジン(PAC)含量はBL-DMAC法により測定可能であり(プロシアニジンA2当量)、アントシアニン含量は分光光度法により測定可能である(シアニジン3-O-glu Cl当量)、アロニア抽出物に関した。
- ポリフェノール含量が、少なくとも55乾燥質量%、好ましくは少なくとも60乾燥質量%であり、
- プロアントシアニジン(PAC)含量が、少なくとも19乾燥質量%、好ましくは少なくとも20乾燥質量%であり、
- PAC:アントシアニン比が少なくとも1.5であり、ポリフェノール含量はフォリン-チオカルトー(Folin Ciocalteu)法により測定可能であり(エピカテキン当量)、プロアントシアニジン(PAC)含量はBL-DMAC法により測定可能であり(プロシアニジンA2当量)、アントシアニン含量は分光光度法により測定可能である(シアニジン3-O-glu Cl当量)、アロニア抽出物に関した。
特定の実施形態において、本発明のアロニア抽出物におけるPACのアントシアニンに対する比は、1.5~4.5の間、好ましくは1.5~3.5の間、より好ましくは1.5~2.5の間に含まれ、更により好ましくは約2である。
別の実施形態において、本発明のアロニア抽出物のアントシアニン含量は、少なくとも10乾燥質量%、好ましくは10~20乾燥質量%の間、より好ましくは10~15乾燥質量%の間である。
好ましい実施形態において、本発明のアロニア抽出物は、アロニア・アルブティフォリア抽出物、アロニア・メラノカルパ抽出物及びアロニア・プルニフォリア抽出物からなる群から選択される。より好ましくは、アロニア抽出物は、アロニア・メラノカルパの果実から得られる抽出物である。
特定の実施形態によれば、本発明のアロニア抽出物は、乾燥粉末形態にある。この実施形態において、抽出物は、pH値3の緩衝液中、アントシアニン0.04g/Lで測定された場合に、
- L*(明度)は65~70の間であり、
- a*(赤/緑座標)は55未満、好ましくは45~55の間、より好ましくは50~54の間であり、
- b*(黄/青座標)は20未満、好ましくは15未満、より好ましくは10~15の間である、色パラメーターを有してもよい。
- L*(明度)は65~70の間であり、
- a*(赤/緑座標)は55未満、好ましくは45~55の間、より好ましくは50~54の間であり、
- b*(黄/青座標)は20未満、好ましくは15未満、より好ましくは10~15の間である、色パラメーターを有してもよい。
本発明の別の目的は、第1の目的によるアロニア抽出物を得るための方法であって、
- 65Brixでのアントシアニン濃度(シアニジン当量として測定されたもの)が少なくとも0.5%であるアロニア果実の濃縮果汁を選択する工程と、
- 浸透水(osmosed water)を用いて濃縮果汁を約25Brixに希釈して希釈果汁を得る工程と、
- クロマトグラフィーカラム中で前記希釈果汁をマクロ多孔性の架橋脂肪族ポリマー吸着樹脂と接触させる工程であって、樹脂が、少なくとも300m2/gの表面積、約550オングストロームの平均細孔径、約0.5mL/mLの総細孔容積、61~69%の水分保持能力を有し、前記樹脂が、酸性化水を用いてpH3.5以下に調整されている工程と、
- 酸性化水で洗浄する工程と、
- 酸性化された含水エタノール溶液(hydro-ethanolic solution)を用いてポリフェノールを溶出させて溶出溶液を得る工程と、
- 任意で、溶出溶液を乾物含量35~55%w/wに濃縮させて濃縮抽出物を得る工程と、
- 任意で、前記濃縮抽出物を乾燥及び粉砕して乾燥抽出物を得る工程と
を含み、前記酸性化水が、水を0.03%量(体積/体積)の濃度96%の水酸化硫酸溶液(hydroxide sulfate solution)と混合することにより得られる、方法に関する。
- 65Brixでのアントシアニン濃度(シアニジン当量として測定されたもの)が少なくとも0.5%であるアロニア果実の濃縮果汁を選択する工程と、
- 浸透水(osmosed water)を用いて濃縮果汁を約25Brixに希釈して希釈果汁を得る工程と、
- クロマトグラフィーカラム中で前記希釈果汁をマクロ多孔性の架橋脂肪族ポリマー吸着樹脂と接触させる工程であって、樹脂が、少なくとも300m2/gの表面積、約550オングストロームの平均細孔径、約0.5mL/mLの総細孔容積、61~69%の水分保持能力を有し、前記樹脂が、酸性化水を用いてpH3.5以下に調整されている工程と、
- 酸性化水で洗浄する工程と、
- 酸性化された含水エタノール溶液(hydro-ethanolic solution)を用いてポリフェノールを溶出させて溶出溶液を得る工程と、
- 任意で、溶出溶液を乾物含量35~55%w/wに濃縮させて濃縮抽出物を得る工程と、
- 任意で、前記濃縮抽出物を乾燥及び粉砕して乾燥抽出物を得る工程と
を含み、前記酸性化水が、水を0.03%量(体積/体積)の濃度96%の水酸化硫酸溶液(hydroxide sulfate solution)と混合することにより得られる、方法に関する。
好ましい実施形態において、本発明によるアロニア抽出物を得るための方法に用いられるアロニア果実の濃縮果汁は、アロニア・メラノカルパから得られた濃縮果実果汁である。
本発明は、アロニア抽出物を得るための前記方法により得ることが可能なアロニア抽出物にも関する。
本発明の別の目的は、第1の目的によるアロニア抽出物を含む又はそれからなる、食品、保健機能食品又は化粧用組成物に関する。
本発明の別の目的は、汚染物質への曝露、老化及び/又は運動に起因する酸化ストレスを防止、制限又は軽減するための当該組成物の使用に関する。
別の目的によれば、本発明は、第1の目的によるアロニア抽出物を含む医薬組成物にも関する。別の目的において、本発明は、細胞酸化ストレスに関連する障害、例えば、腸バリア機能不全、腸管炎症、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、インスリン抵抗性、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、心血管障害及び神経変性障害等の処置を必要とする対象においてその処置に使用するための当該医薬組成物に関する。
定義
本発明の文脈において、「ポリフェノール」は、1超のフェノール単位により形成される分子に関する。フラボノイドは、最もよく見られるポリフェノールであり、例えば、フラボノール、フラバノール、カテキン、フラバノン、アントシアニジン、イソフラボノイドである。
本発明の文脈において、「ポリフェノール」は、1超のフェノール単位により形成される分子に関する。フラボノイドは、最もよく見られるポリフェノールであり、例えば、フラボノール、フラバノール、カテキン、フラバノン、アントシアニジン、イソフラボノイドである。
本発明の文脈において、「プロアントシアニジン」(PAC若しくはPACs)又は「縮合型タンニン」は、フラバノールのオリゴマー又はポリマーに相当する。用語「オリゴマー」はフラバノール二量体及び三量体を包含し、用語「ポリマー」は、重合度(DP)が少なくとも4であるフラバノール多量体を包含する。
本発明の文脈において、「アントシアニン」又は「アントシアン」又は「アントシアノシド」は、フラボノイドのサブクラスであるアントシアニジンの配糖体を意味する。アントシアニンの糖部分は、単糖(グルコース、ガラクトース、ラムノース)、二糖(グルコースがラムノースと結合されてできているルチノース、キシログルコース(xyloglucose))又は場合によっては三糖でありうる。アントシアニンは、花及び果実を含め多くの植物体に見られる赤色、青色及び紫色に関与している水溶性の植物色素である。本発明の文脈において、「乾燥質量%」は、特に明記しない限り、本発明による抽出物の総乾燥質量に対する化合物の質量百分率を指す。例えば、ポリフェノール含量が55乾燥質量%である抽出物とは、総乾燥抽出物100g中にポリフェノール55gが存在することを意味する。
本明細書で使用される場合、障害の「処置」は、該障害の治療若しくは予防、又は、該障害の発現の防止若しくは遅延、又は、該障害により誘発される症状の軽減を包含する。処置という用語は、特に、疾患進行及び随伴症状の制御を包含する。
本明細書で使用される場合、「対象」は、処置を受ける個体を指す。一態様において、対象は哺乳動物でありうる。別の態様において、対象はヒトでありうる。別の態様において、対象は、飼い馴らされた動物又は家畜でありうる。
生物活性化合物の「抗酸化特性」は、いくつかの定義又は潜在的細胞機序を指す。抗酸化物質は、酸化体に電子又は水素原子を供与して、当該酸化体が他の分子を酸化させることを防ぐ作用剤であり、ラジカル捕捉活性、反応種の形成の抑制、抗酸化酵素の回復及び酸化促進酵素の阻害又は金属イオンのキレート化を含む、直接的な効果を発揮する。更に、植物化学物質の間接的な抗酸化特性によって引き起こされる生物学的効果は、レドックス感受性転写因子、核因子赤血球系2関連因子2(Nrf2)を誘導する能力によるものとみなされうる(Forman、Davies及びUrsini、2014)。
初めて、本発明者らは、革新的な細胞ベースアッセイを用いてアロニア抽出物の直接的な抗酸化効果を評定した。驚くべきことに、その結果、この直接的な効果は、高いポリフェノール含量と高いPAC含量(高いアントシアニジン含量ではなく)との組合せに加え、PACのアントシアニンに対する比にも関係していることが実証された。
アロニア抽出物
本発明によるアロニア抽出物は、アロニア(Aronia)属の植物体から得られる。アロニア属は、チョークベリーとして知られる低木を包含し、バラ科(Rosaceae)に属する。アロニア属の主要種は、アロニア・アルブティフォリア(レッドアロニア)、アロニア・メラノカルパ(ブラックチョークベリー)又はアロニア・プルニフォリア(パープルアロニア)である。好ましい実施形態において、本発明のアロニア抽出物は、アロニア・メラノカルパ由来の抽出物である。
本発明によるアロニア抽出物は、アロニア(Aronia)属の植物体から得られる。アロニア属は、チョークベリーとして知られる低木を包含し、バラ科(Rosaceae)に属する。アロニア属の主要種は、アロニア・アルブティフォリア(レッドアロニア)、アロニア・メラノカルパ(ブラックチョークベリー)又はアロニア・プルニフォリア(パープルアロニア)である。好ましい実施形態において、本発明のアロニア抽出物は、アロニア・メラノカルパ由来の抽出物である。
ポリフェノール
本発明によるアロニア抽出物は、ポリフェノールに富む。抽出物又は組成物中のフェノール類を同定及び定量化するための方法は当技術分野において公知であり、限定されるものではないが例えば、280nmでの直接分光法;例えば当技術分野において認識され市販されている試薬及びアッセイ、例として、バニラン(Vanillan)アッセイ、フォリン-デニス(Folin-Denis)アッセイ、フォリン-チオカルトーアッセイ、プルシアンブルーアッセイ、ベイト-スミス(Bate-Smith)アッセイ及びポーター(Porter)アッセイを用いる間接分光法;並びに、例えば紫外線、蛍光、質量分析及び核磁気共鳴(NMR)等を用いる液体クロマトグラフィーが挙げられる。フェノール類の検出手法も文献に開示されている(例えば、(Fereidoon及びNaczk、1995)を参照のこと))。
本発明によるアロニア抽出物は、ポリフェノールに富む。抽出物又は組成物中のフェノール類を同定及び定量化するための方法は当技術分野において公知であり、限定されるものではないが例えば、280nmでの直接分光法;例えば当技術分野において認識され市販されている試薬及びアッセイ、例として、バニラン(Vanillan)アッセイ、フォリン-デニス(Folin-Denis)アッセイ、フォリン-チオカルトーアッセイ、プルシアンブルーアッセイ、ベイト-スミス(Bate-Smith)アッセイ及びポーター(Porter)アッセイを用いる間接分光法;並びに、例えば紫外線、蛍光、質量分析及び核磁気共鳴(NMR)等を用いる液体クロマトグラフィーが挙げられる。フェノール類の検出手法も文献に開示されている(例えば、(Fereidoon及びNaczk、1995)を参照のこと))。
本発明によるアロニア抽出物のポリフェノール含量は、フォリン-チオカルトー法により測定されエピカテキン当量として表されることが可能であるとき、少なくとも55乾燥質量%である。例えば、本発明による抽出物は、フォリン-チオカルトー法により測定されエピカテキン当量として表されることが可能であるとき、少なくとも56乾燥質量、少なくとも57乾燥質量%、少なくとも58乾燥質量%、少なくとも59乾燥質量%、少なくとも60乾燥質量%、少なくとも61乾燥質量%又は少なくとも62乾燥質量%の総ポリフェノールを含有し得る。より好ましくは、本発明による抽出物のポリフェノール含量は、フォリン-チオカルトー法により測定される(エピカテキン当量)ことが可能であるとき、少なくとも60乾燥質量%である。
アントシアニン
本発明のアロニア抽出物は、アントシアニンを含む。アントシアニン含量は、HPLC、HPLC-MS、欧州薬局方又はこれらの適応、例えば528nmでの分光光度法及びシアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量としてのアントシアニン含量の発現により測定することが可能である。
本発明のアロニア抽出物は、アントシアニンを含む。アントシアニン含量は、HPLC、HPLC-MS、欧州薬局方又はこれらの適応、例えば528nmでの分光光度法及びシアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量としてのアントシアニン含量の発現により測定することが可能である。
一実施形態において、アントシアニン含量は、528nmでの分光光度法により測定されシアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量として表されることが可能である場合、少なくとも10乾燥質量%、好ましくは10~20乾燥質量%の間、より好ましくは10~15乾燥質量%の間である。例えば、本発明のアロニア抽出物は、528nmでの分光光度法により測定されシアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量として表されることが可能である場合、10乾燥質量%~20乾燥質量%の間、すなわち、約10.5乾燥質量%、約11乾燥質量%、約11.5乾燥質量%、約12乾燥質量%、約12.5乾燥質量%、約13乾燥質量%、約13.5乾燥質量%、約14乾燥質量%、約14.5乾燥質量%、約15乾燥質量%、約15.5乾燥質量%、約16乾燥質量%、約16.5乾燥質量%、約17乾燥質量%、約17.5乾燥質量%、約18乾燥質量%、約18.5乾燥質量%、約19乾燥質量%、約19.5乾燥質量%又は約20乾燥質量%のアントシアニンを含有し得る。
驚くべきことに、アントシアニン含量は、アロニア抽出物の直接的な抗酸化有効性と正に相関していなかった(実施例3を参照のこと)。
PAC
本発明のアロニア抽出物は、プロアントシアニジンを含む。抽出物又は組成物中のPAC含量は、DMACアッセイ、BL-DMACアッセイ(Priorら、2010)又はこれらの適応、例えば、プロシアニジンA2当量として表されるBL-DMAC、フロログルシノリシス、欧州薬局方又はこれらの適応等を用いて評定されることが可能である。
本発明のアロニア抽出物は、プロアントシアニジンを含む。抽出物又は組成物中のPAC含量は、DMACアッセイ、BL-DMACアッセイ(Priorら、2010)又はこれらの適応、例えば、プロシアニジンA2当量として表されるBL-DMAC、フロログルシノリシス、欧州薬局方又はこれらの適応等を用いて評定されることが可能である。
本発明によるアロニア抽出物のプロアントシアニジン含量は、BL-DMAC法により測定されプロシアニジンA2当量として表されることが可能であるとき、少なくとも19乾燥質量%である。好ましい実施形態において、本発明による抽出物のプロアントシアニジン含量は、BL-DMAC法により測定される(プロシアニジンA2当量)ことが可能であるとき、少なくとも20乾燥質量%である。より好ましくは、本発明による抽出物のプロアントシアニジン含量は、BL-DMAC法により測定される(プロシアニジンA2当量)ことが可能であるとき、少なくとも21乾燥質量%である。
驚くべきことに、直接的な抗酸化効果を測定した際、PAC含量はアロニア抽出物の抗酸化有効性と強く正に相関していたが、これに対し、アントシアニン含量は正に相関していなかった(実施例3を参照のこと)。
プロアントシアニジン/アントシアニン比
本発明者らは、PAC/アントシアニン比は、アロニア抽出物において観察された抗酸化効果の最も強い成分であることを見出した(実施例3を参照のこと)。本発明のアロニア抽出物は、PAC:アントシアニン比が少なくとも1.5であることを特徴とする。好ましい実施形態において、PAC:アントシアニン比は、1.5~4.5の間、好ましくは1.5~3.5の間、より好ましくは1.5~2.5の間に含まれ、更により好ましくは約2である。驚くべきことに、この特徴は、アロニア抽出物の抗酸化効果と強く正に相関することが示された(実施例のAOPCATモデル及び図4を参照のこと)。
本発明者らは、PAC/アントシアニン比は、アロニア抽出物において観察された抗酸化効果の最も強い成分であることを見出した(実施例3を参照のこと)。本発明のアロニア抽出物は、PAC:アントシアニン比が少なくとも1.5であることを特徴とする。好ましい実施形態において、PAC:アントシアニン比は、1.5~4.5の間、好ましくは1.5~3.5の間、より好ましくは1.5~2.5の間に含まれ、更により好ましくは約2である。驚くべきことに、この特徴は、アロニア抽出物の抗酸化効果と強く正に相関することが示された(実施例のAOPCATモデル及び図4を参照のこと)。
粉末及び色
本発明の抽出物は、多様な形態で、特に、溶液形態で、又は乾燥形態で、提供されうる。有利には、本発明のアロニア抽出物は、乾燥粉末形態にある。こうした粉末化された抽出物は、輸送の際の体積を低減させることから、有利である。又、粉末をマトリックス内で更に加工して、例えば、食品、保健機能食品、化粧品又は医薬組成物、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び口腔内分散溶液剤等を得るのにも、より好都合である。例えば、蒸発、真空乾燥、スプレー乾燥、ローラー乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を用いて本発明の抽出物を乾燥させることが可能である。固体又は液体形態の場合、局所適用のためのゲル剤、クリーム剤、石鹸の調製、及び、希釈により再構成される又は即時使用できる飲料の調製も可能にしうる。
本発明の抽出物は、多様な形態で、特に、溶液形態で、又は乾燥形態で、提供されうる。有利には、本発明のアロニア抽出物は、乾燥粉末形態にある。こうした粉末化された抽出物は、輸送の際の体積を低減させることから、有利である。又、粉末をマトリックス内で更に加工して、例えば、食品、保健機能食品、化粧品又は医薬組成物、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び口腔内分散溶液剤等を得るのにも、より好都合である。例えば、蒸発、真空乾燥、スプレー乾燥、ローラー乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を用いて本発明の抽出物を乾燥させることが可能である。固体又は液体形態の場合、局所適用のためのゲル剤、クリーム剤、石鹸の調製、及び、希釈により再構成される又は即時使用できる飲料の調製も可能にしうる。
色は、いくつかの方法、例えば、ハンター(Hunter)L,a,bスケール又はCIE 1976 L*a*bスケール等により定義されることが可能である。CIE(Commission Internationale de I'Eclairage、国際照明委員会)によれば、L*a*b色空間は、2つの色は同時に赤及び緑であることも同時に黄及び青であることもできない、という反対色理論をモデルにしている。L*は明度を示し、a*は赤/緑座標であり、b*は黄/青座標である。
好ましい実施形態において、本発明による抽出物は、pH値3の緩衝液中、アントシアニン0.04g/Lで測定された場合に、
- L*(明度)は65~70の間であり、
- a*(赤/緑座標)は55未満、好ましくは45~55の間、より好ましくは50~54の間であり、
- b*(黄/青座標)は20未満、好ましくは15未満、より好ましくは10~15の間である、色パラメーター(ハンターL,a,bスケール)を有する。好ましい実施形態によれば、本発明による粉末化されたアロニア抽出物は、pH値3の緩衝液中、アントシアニン0.04g/Lで測定された場合に、
- c*(彩度(saturation))は60未満、好ましくは55未満、より好ましくは50~55であり、
- h*(色相角(tint angle))は20未満、好ましくは18未満、より好ましくは10~18である、追加的な色パラメーター(ハンターL,a,bスケール)を有してもよい。
- L*(明度)は65~70の間であり、
- a*(赤/緑座標)は55未満、好ましくは45~55の間、より好ましくは50~54の間であり、
- b*(黄/青座標)は20未満、好ましくは15未満、より好ましくは10~15の間である、色パラメーター(ハンターL,a,bスケール)を有する。好ましい実施形態によれば、本発明による粉末化されたアロニア抽出物は、pH値3の緩衝液中、アントシアニン0.04g/Lで測定された場合に、
- c*(彩度(saturation))は60未満、好ましくは55未満、より好ましくは50~55であり、
- h*(色相角(tint angle))は20未満、好ましくは18未満、より好ましくは10~18である、追加的な色パラメーター(ハンターL,a,bスケール)を有してもよい。
アロニア抽出物を得るための方法
本発明の別の目的は、先述のアロニア抽出物を得るための方法に関するものであった。
本発明の別の目的は、先述のアロニア抽出物を得るための方法に関するものであった。
一実施形態において、本発明による抽出物は、アロニア属の植物体又は植物体の一部からフェノール類抽出により得られる。植物体の一部とは、固体又は液体形態の葉又は花又は果実(固体又は液体基材)を意味する。
好ましい実施形態において、本発明の抽出物は、液体基材、例えば、アロニア属の植物体又は植物体の一部の果汁又は濃縮果汁、好ましくはアロニア属の植物体由来の果実(ベリー)の果汁、より好ましくはアロニア属の植物体由来の果実(ベリー)の濃縮果汁から、フェノール類抽出により得られる。
特に好ましい実施形態において、本発明による抽出物は、アロニア・メラノカルパの果実の濃縮果汁から、より好ましくは、65Brixでのアントシアニンを少なくとも0.5%(w/w)(シアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量)含む、アロニア・メラノカルパの果実の濃縮果汁から、フェノール類抽出により得られる。
ポリフェノールを抽出するための好ましい方法は、クロマトグラフィー抽出である。この実施形態において、固体基材は希釈して液体にし、液体基材は有利に希釈できる。好ましい実施形態において、基材は、Brixが約20~約30の値、例えば、約20°Brix、約21°Brix、約22°Brix、約23°Brix、約24°Brix、約25°Brix、約26°Brix、約27°Brix、約28°Brix、約29°Brix又は約30°Brixに達するまで希釈される。より好ましくは、65°Brixでアントシアニンを少なくとも0.5%(w/w)(シアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量)含む、アロニアの果実の濃縮果汁を、Brixが約25に達するまで希釈する。希釈は、既知の溶液、例えば精製水等を用いて行うことができる。
希釈された基材を、次いで、クロマトグラフィーカラムにロードする。本発明の方法にとって好ましい樹脂は、Amberlite(商標)XAD-7HP樹脂(The Dow Chemical社により販売されている)である。XAD-7HPは、白色半透明のビーズからなる市販のマクロレティキュラー型の脂肪族架橋ポリマーエステル樹脂であり、このビーズは、少なくとも300m2/gの高い表面積、すなわち約500m2/g、約550オングストロームの平均細孔径、約0.5mL/mLの総細孔容積、61から69%の水分保持能力、430~690pmの粒径、7.0%未満の300pmに満たない粒径の粒子、8.0%未満の1180pmを超える粒径を有する粒子、及び、1.06~1.08g/mLの粒子密度を有する。より好ましくは、樹脂は、まず、精製水を用いて調整される。精製水は、浸透水、好ましくは、酸性化された浸透水を包含する。浸透水は、酸溶液を浸透水に添加することにより酸性化させることが可能である。好ましい実施形態において、酸性化水は、H2SO4溶液(約96%v/v)を浸透水に添加して最終濃度を約0.03%(v/v)とすることにより調製される。好ましい実施形態において、樹脂をpH3.5以下に調整する。より好ましい実施形態において、Amberlite(商標)XAD-7HP樹脂は、H2SO4溶液(96%v/v)を浸透水に添加して最終濃度を0.03%(v/v)とすることにより調製した酸性化水を用いて、pH3.5以下に調整される。
使用する樹脂の量を、調節し、本方法の実施規模及び/又はカラムの容積若しくは容量によって決めることが可能である。
組成物中に存在するフェノール類化合物が樹脂と結合するのに十分な時間及び条件には、組成物中に存在する望ましい量のフェノール類が樹脂と結合する時間及び条件が含まれる。
次いで、クロマトグラフィー樹脂にロードした基材を洗浄して、糖及び一部の酸を取り除くことができる。本発明の方法において使用できる洗浄溶液としては、水ベースの溶液、例えば、純水、又は、水と別の化合物、例えば溶媒若しくは酸等を含有する溶液を挙げることができる。好ましい実施形態において、精製水、好ましくは、先述したような酸性化水を使用する。洗浄工程は、1~5BV(ベッド体積)の酸性化水、例えば1BV、2BV、3BV、4BV又は5BVの酸性化水のカラムに添加することにより実施されうる。好ましくは、洗浄工程は、2~3BVの酸性化水を添加することにより実施される。
次いで、クロマトグラフィーカラムにロードした基材を溶出させて、樹脂と結合しているポリフェノールを回収することができる。本発明の方法において使用できる溶出溶液としては、樹脂からのポリフェノール分離を増加させる任意の濃度の1つ又は複数の溶媒を含有する水ベースの溶液を挙げることができる。好ましい実施形態において、溶出溶液は、酸性化された含水エタノール溶液、例えば、1%~99%v/vのエタノールと99%~1%の酸性化水とを含む溶液等からなる。好ましい酸性化された含水エタノール溶液は、約30%~約70%のエタノール及び約70%~約30%の酸性化水、例えば、約30%のエタノール及び約70%の酸性化水、約40%のエタノール及び約60%の酸性化水、約50%のエタノール及び約50%の酸性化水、約60%のエタノール及び約40%の酸性化水、又は約70%のエタノール及び約30%の酸性化水を含む。
溶出流(elution flow)を収集する。溶出流は、本発明の目的に従って、プロアントシアニジン及びアントシアニンを含むアロニア抽出物である。
溶出流を、任意で更に加工することができる。
例えば、溶出溶液の溶媒は、一部又は全部蒸発させることができる。好ましい実施形態において、溶出流は、乾物含量が35~55%w/wに、好ましくは40~50%w/w、例えば、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、約40%w/w、約41%w/w、約42%w/w、約43%w/w、約44%w/w、約45%w/w、約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、約54%w/w又は約55%w/wに達するまで、蒸発により濃縮させる。蒸発は、60℃~75℃の温度で、好ましくは68℃~72℃の温度で、実行されうる。
濃縮された溶出流を乾燥させて、すなわち、より高い乾物含量に達するまで更に濃縮させて、乾燥抽出物を得ることができる。適当な濃縮方法としては、限定されるものではないが、膜濃縮、加熱濃縮、真空(減圧)濃縮及び凍結濃縮が挙げられる。好ましい実施形態において、濃縮された溶出流は、真空乾燥により乾燥させる。
好ましい実施形態において、乾燥抽出物を粉砕して粉末にする。粉末は、有利にふるい分けできる。ふるい分けのためのメッシュサイズは、約250pm~約1000pm、好ましくは約500pmでありうる。
好ましい実施形態によれば、乾燥粉末化された抽出物を包装する。この実施形態は、原料として、例えば、食品、保健機能食品、化粧品又は医薬製品の原料として抽出物を販売する際に有利である。
方法別製品
本発明の別の目的は、先述の本発明の方法により得られるアロニア抽出物である。このアロニア抽出物は、先述のアロニア抽出物の特徴を共有する。特に、該アロニア抽出物は、少なくとも55乾燥質量%、好ましくは少なくとも60乾燥質量%のポリフェノール含量を有し、プロアントシアニジン(PAC)含量が少なくとも19乾燥質量%、好ましくは少なくとも20乾燥質量%であり、PACのアントシアニンに対する比が少なくとも1.5であり、ポリフェノール含量はフォリン-チオカルトー法により測定可能であり(エピカテキン当量)、プロアントシアニジン(PAC)含量はBL-DMAC法により測定可能であり(プロシアニジンA2当量)、アントシアニン含量は分光光度法により測定可能である(シアニジン3-O-グルコシドクロリド当量)。
本発明の別の目的は、先述の本発明の方法により得られるアロニア抽出物である。このアロニア抽出物は、先述のアロニア抽出物の特徴を共有する。特に、該アロニア抽出物は、少なくとも55乾燥質量%、好ましくは少なくとも60乾燥質量%のポリフェノール含量を有し、プロアントシアニジン(PAC)含量が少なくとも19乾燥質量%、好ましくは少なくとも20乾燥質量%であり、PACのアントシアニンに対する比が少なくとも1.5であり、ポリフェノール含量はフォリン-チオカルトー法により測定可能であり(エピカテキン当量)、プロアントシアニジン(PAC)含量はBL-DMAC法により測定可能であり(プロシアニジンA2当量)、アントシアニン含量は分光光度法により測定可能である(シアニジン3-O-グルコシドクロリド当量)。
組成物及びその使用
別の目的によれば、本発明は、先述のアロニア抽出物を含む組成物に関する。
別の目的によれば、本発明は、先述のアロニア抽出物を含む組成物に関する。
該組成物は、本発明によるアロニア抽出物の化合物以外の任意の化合物を含まない組成物を包含する。したがって、一実施形態において、本発明は、本発明によるアロニア抽出物からなる組成物に関する。そのような組成物は、ポリフェノールが他の化合物で希釈されず抗酸化物質としてより有効である可能性があることから、有利でありうる。該組成物は、食品、保健機能食品又は化粧用組成物若しくは製品のメーカーにとって興味深い製品でもあり、自身の処方に従ってアロニア抽出物を使用することができる。
別の実施形態において、該組成物は、本発明によるアロニア抽出物を少なくとも1つの他の化合物と共に含む。例えば、本発明による組成物は、先述のアロニア抽出物と、少なくとも1つの追加的な化合物、例えば、甘味料、保存料、香味剤、増粘剤、コーティング剤、等張剤、吸収遅延剤、結合剤、粘着剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、吸収剤、界面活性剤、乳化剤、抗酸化物質、ビタミン、ミネラル、タンパク質、脂肪、炭水化物、及び更には食品母材(food matrix)、例えば、果実、野菜若しくは肉調製物等、又はこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの追加的な化合物を含むことができる。結果的に、好ましい実施形態において、アロニア抽出物を含む該組成物は、組成物中に用いられる追加的な化合物によるが、食品、保健機能食品又は化粧用組成物である。
本発明によるアロニア抽出物からなる又はそれを含む組成物は、細胞における細胞内酸化ストレスの防止、制限又は軽減するために、特に有効であることが示された(実施例3を参照のこと)。特に、該組成物は、肝細胞モデルにおいて、市販の抽出物に比して優れた効果を示した。したがって、本発明によるアロニア抽出物からなる又はそれを含む組成物は、汚染物質への曝露、老化及び/又は運動に起因する酸化ストレスを防止、制限又は軽減するために有用である。
本発明によるアロニア抽出物が予想外の直接的な抗酸化効果を有することから、本発明の別の目的は、本発明によるアロニア抽出物を含む医薬組成物、及び、細胞酸化ストレスに関連する障害の処置を必要とする対象においてその処置における使用のための該医薬組成物に関する。細胞酸化ストレスに関連する障害は当技術分野では周知であり、これを扱っている文献はかなり多く存在する。好ましい実施形態において、細胞酸化ストレスに関連する障害は、腸バリア機能不全、腸管炎症、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、インスリン抵抗性、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、心血管障害及び神経変性障害からなる群から選択される。
本発明によるアロニア抽出物を含む医薬組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される担体又は賦形剤を典型的に含む。本発明の医薬組成物の投与量、投与頻度及び投与方法、並びに治療継続期間は、処置される疾患の段階、患者の年齢及び状態、並びに処置に対する患者の応答性の程度によって決まる。加えて、特定の患者についてのゲノム薬理学的な(遺伝子型が治療薬の薬物動態学、薬力学又は有効性プロファイルに及ぼす効果)情報は、使用される投与量に影響を及ぼす可能性がある。
可能な医薬組成物としては、経口的又は局所的(経皮的、口腔及び舌下を含む)投与に適したものが挙げられる。
より一般的には、これらの医薬組成物は、単一パッケージ、通常はブリスターパックで、個別の処置期間中に使用するためのいくつかの投与量単位、又は、計量された単位用量を投与するための他の手段を含有する「患者用パック(patient pack)」で患者に処方される。患者用パックは、薬剤師がバルク供給品(bulk supply)から患者への供給分の医薬を分ける旧来の処方薬に勝る利点を有する。その利点とは、旧来の処方薬では通常渡されない添付文書が患者用パックに含有されており、患者は常にそれを見ることができる点である。添付文書の組込みは、医師の指導と共に、患者コンプライアンスを向上させることが示されている。したがって、本発明は、本明細書において先述の医薬組成物と前記組成物に適した包装材との組合せを更に包含する。そのような患者用パックにおいては、併用療法に用いる製剤の所期の用途は、その療法に最も適した形で製剤を使用するのを助けるための、取扱説明書、手引書(facility)、但し書き(provision)、翻案書(adaptation)及び/又は他の手段によって推察されることが可能である。そのような判断基準(measure)があることにより、患者用パックは、本発明のアロニア抽出物を用いた処置に使用するために特に適し且つ適合したものとなる。
該アロニア抽出物は、任意の適当な担体物質中に任意の適切な量で含有されてよく、該組成物の総質量の1~99質量%の量で存在しうる。該組成物は、経口、非経口(例えば静脈内、筋肉内)、経皮又は皮膚(パッチ)投与経路に適した剤形で提供されうる。したがって、該組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤(granulate)、懸濁剤、乳剤、溶液剤、ヒドロゲル剤を含むゲル剤、ペースト剤、軟膏剤、クリーム剤、プラスター剤又は水薬の形態でありうる。
該医薬組成物は、従来の製薬手法により製剤化されうる(例として、Remington(2020)を参照のこと)。
(実施例1:本発明による抽出物の調製)
65Brixでのアントシアニン含量が少なくとも0.5%(シアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量)ある濃縮されたチョークベリー(アロニア・メラノカルパ)果汁を購入し、次いで、水で約25Brixに希釈した。希釈された製品をAmberlite(商標)XAD-7HP樹脂と接触させた。酸性化水を用いて樹脂を洗浄し、糖及び酸の大半を除去した。次いで、酸性化された含水エタノール溶液を用いて、結合されたフェノール類を溶出させた。溶出溶液を収集し、乾物比で少なくとも45%に達するまで、蒸発により濃縮させた。次いで、濃縮された溶出溶液を、68℃~70℃の間の温度で真空乾燥させ、粉砕した(ふるい分けして500pm未満にした)。赤スミレ色~暗赤色の粉末を得た。
65Brixでのアントシアニン含量が少なくとも0.5%(シアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量)ある濃縮されたチョークベリー(アロニア・メラノカルパ)果汁を購入し、次いで、水で約25Brixに希釈した。希釈された製品をAmberlite(商標)XAD-7HP樹脂と接触させた。酸性化水を用いて樹脂を洗浄し、糖及び酸の大半を除去した。次いで、酸性化された含水エタノール溶液を用いて、結合されたフェノール類を溶出させた。溶出溶液を収集し、乾物比で少なくとも45%に達するまで、蒸発により濃縮させた。次いで、濃縮された溶出溶液を、68℃~70℃の間の温度で真空乾燥させ、粉砕した(ふるい分けして500pm未満にした)。赤スミレ色~暗赤色の粉末を得た。
(実施例2:本発明による抽出物及び4つの市販の抽出物の分析)
チョークベリーの乾燥抽出物を、実施例1に記載のとおりに調製した(「DF抽出物」)。
チョークベリーの乾燥抽出物を、実施例1に記載のとおりに調製した(「DF抽出物」)。
4つの市販の粉末化されたアロニア・メラノカルパ抽出物、すなわち、Naturex社により供給されているAronox(「市販抽出物1」)、Bestgrand Biotech社により供給されている抽出物(「市販抽出物2」)、Bioactor社により供給されているBrainberry(「市販抽出物3」)、及びIprona社により供給されているAroniacraft(「市販抽出物4」)を購入した。4つの市販抽出物はすべて、スミレ色又は暗赤色~暗紫色を有した。
下記のTable 1(表1)は、これらの粉末の主な特徴を示すものである。
実験手順
5つの試料を、以下に記載のとおりに分析した。
5つの試料を、以下に記載のとおりに分析した。
総ポリフェノール含量
試料は、フォリン-チオカルトー法を用い、ISO14502-1:2005の手順に基づくプロトコールで分析した。この分析方法は、野菜に存在するフェノール類との反応によるタングステン及びモリブデン酸化物の還元に基づくものである。金属酸化物の酸化型は、反応途中においては無色であり、還元反応時に青色になる。生じる青色呈色の強さは、試料中のフェノール類含量に比例する。この呈色の強さを、765nmでのODを記録することにより測定する。結果をエピカテキン当量で表す。
試料は、フォリン-チオカルトー法を用い、ISO14502-1:2005の手順に基づくプロトコールで分析した。この分析方法は、野菜に存在するフェノール類との反応によるタングステン及びモリブデン酸化物の還元に基づくものである。金属酸化物の酸化型は、反応途中においては無色であり、還元反応時に青色になる。生じる青色呈色の強さは、試料中のフェノール類含量に比例する。この呈色の強さを、765nmでのODを記録することにより測定する。結果をエピカテキン当量で表す。
アントシアニン含量
試料は、アントシアニンの定量のための分光光度法の手順を用い、欧州薬局方5.0(01/2005:1602)を改変したプロトコールで分析した。試料を酸性化されたメタノール溶液で希釈し、光学密度を適切な波長528nmで読み取った。結果をシアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量で表す。
試料は、アントシアニンの定量のための分光光度法の手順を用い、欧州薬局方5.0(01/2005:1602)を改変したプロトコールで分析した。試料を酸性化されたメタノール溶液で希釈し、光学密度を適切な波長528nmで読み取った。結果をシアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量で表す。
プロアントシアニジン含量
試料は、Priorら(2010)によるものから改変した手順を用いて分析した。この比色分析アッセイは、DMAC(p-ジメチルアミノシンナムアルデヒド)とPACポリマーの末端単位上のフェノール官能基との位置特異的な反応に基づくものである。反応生成物は緑色であり、これを分光光度法により640nmで検出する。定量化を、プロシアニジンA2について構築された外部較正曲線との比較により行った。結果をプロシアニジンA2当量で表す。
試料は、Priorら(2010)によるものから改変した手順を用いて分析した。この比色分析アッセイは、DMAC(p-ジメチルアミノシンナムアルデヒド)とPACポリマーの末端単位上のフェノール官能基との位置特異的な反応に基づくものである。反応生成物は緑色であり、これを分光光度法により640nmで検出する。定量化を、プロシアニジンA2について構築された外部較正曲線との比較により行った。結果をプロシアニジンA2当量で表す。
色パラメーター
色パラメーターを、一定のアントシアニン含量で測定した。脱塩水をクエン酸三ナトリウム、クエン酸及びソルビン酸カリウムと混ぜることによりpH=3の緩衝液を調製した。すべての試料を、アントシアニン濃度が0.04g/Lに達するまで緩衝液で希釈した。測定は、Minolta分光比色計を用いて行った。L*a*b*は、積分球を備えた分光比色計で製品のスペクトル曲線を分析することによりその色合いを評価することに基づく。使用される色空間は、3つの値、すなわち、
L*:透明度(clarity)、0(不透明)から100(透明)までの範囲の垂直軸(axial axis)、a*:色相又は色度、+60(赤)から-60(緑)までの横軸、b*:色相又は色度、+60(黄)から-60(青)までの縦軸
により特徴付けられる。
色パラメーターを、一定のアントシアニン含量で測定した。脱塩水をクエン酸三ナトリウム、クエン酸及びソルビン酸カリウムと混ぜることによりpH=3の緩衝液を調製した。すべての試料を、アントシアニン濃度が0.04g/Lに達するまで緩衝液で希釈した。測定は、Minolta分光比色計を用いて行った。L*a*b*は、積分球を備えた分光比色計で製品のスペクトル曲線を分析することによりその色合いを評価することに基づく。使用される色空間は、3つの値、すなわち、
L*:透明度(clarity)、0(不透明)から100(透明)までの範囲の垂直軸(axial axis)、a*:色相又は色度、+60(赤)から-60(緑)までの横軸、b*:色相又は色度、+60(黄)から-60(青)までの縦軸
により特徴付けられる。
他にも2つの値、すなわち、
C*: 彩度
H: 色相角
を測定できる。
C*: 彩度
H: 色相角
を測定できる。
結果
結果をTable 2(表2)に要約する。
結果をTable 2(表2)に要約する。
総ポリフェノール含量
「DF抽出物」は、分析した4つの市販抽出物に比して、総ポリフェノール含量が高かった。「DF抽出物」のポリフェノール含量は当該抽出物の60乾燥質量%超であったが、これに対して市販抽出物1~4のすべてにおいて、ポリフェノール含量は50乾燥質量%未満であった。
「DF抽出物」は、分析した4つの市販抽出物に比して、総ポリフェノール含量が高かった。「DF抽出物」のポリフェノール含量は当該抽出物の60乾燥質量%超であったが、これに対して市販抽出物1~4のすべてにおいて、ポリフェノール含量は50乾燥質量%未満であった。
アントシアニン含量
「DF抽出物」のアントシアニン含量は11~15乾燥質量%の範囲内であったが、これに対して市販抽出物1及び4においてアントシアニンは10乾燥質量%未満であり、市販抽出物2及び3においては20乾燥質量%超であった。
「DF抽出物」のアントシアニン含量は11~15乾燥質量%の範囲内であったが、これに対して市販抽出物1及び4においてアントシアニンは10乾燥質量%未満であり、市販抽出物2及び3においては20乾燥質量%超であった。
プロアントシアニジン含量
「DF抽出物」は、プロアントシアニジン含量が最も高く、20乾燥質量%超に相当した。プロアントシアニジン含量は、市販抽出物2においては18.5乾燥質量%であり、市販抽出物1、3及び4においては10乾燥質量%未満であった。
「DF抽出物」は、プロアントシアニジン含量が最も高く、20乾燥質量%超に相当した。プロアントシアニジン含量は、市販抽出物2においては18.5乾燥質量%であり、市販抽出物1、3及び4においては10乾燥質量%未満であった。
プロアントシアニジン/アントシアニン比
DF抽出物のプロアントシアニジン/アントシアニン比は約2.0である。この値は、市販抽出物について測定された値(すなわち、0.2~1.0の間)より2~10倍高い。
DF抽出物のプロアントシアニジン/アントシアニン比は約2.0である。この値は、市販抽出物について測定された値(すなわち、0.2~1.0の間)より2~10倍高い。
色パラメーター
値をTable 2(表2)及び図1に示す。これらの結果は、肉眼にどのように見えたかを裏付ける。「DF抽出物」は、これを市販抽出物と区別する特異的な色パラメーターを有する。Δ(デルタ)E*abは、複数の試料間における色差を評定するための測定基準である。ΔE*abは、その値が2より高いとき、有意と判断される。一方をDF抽出物、他方を市販抽出物1~4として算出した両者間のΔE*abはそれぞれ10、13、17及び10であり、このことから、DF抽出物は他方の抽出物とは視覚的に有意差があることが裏付けられた。すなわち、DF抽出物は、市販抽出物1~4よりも、赤/緑値が低く、黄/青値が低く、青みが強く、オレンジがかった色みが弱く、明るさが低い。
値をTable 2(表2)及び図1に示す。これらの結果は、肉眼にどのように見えたかを裏付ける。「DF抽出物」は、これを市販抽出物と区別する特異的な色パラメーターを有する。Δ(デルタ)E*abは、複数の試料間における色差を評定するための測定基準である。ΔE*abは、その値が2より高いとき、有意と判断される。一方をDF抽出物、他方を市販抽出物1~4として算出した両者間のΔE*abはそれぞれ10、13、17及び10であり、このことから、DF抽出物は他方の抽出物とは視覚的に有意差があることが裏付けられた。すなわち、DF抽出物は、市販抽出物1~4よりも、赤/緑値が低く、黄/青値が低く、青みが強く、オレンジがかった色みが弱く、明るさが低い。
(実施例3:抗酸化効果)
アロニア抽出物である「DF抽出物」及び市販抽出物1番~3番の機能的な抗酸化特性を調査した。
アロニア抽出物である「DF抽出物」及び市販抽出物1番~3番の機能的な抗酸化特性を調査した。
各アロニア抽出物の直接的な(すなわち細胞内における)抗酸化効果を、AOP1(「Anti Oxidant Power 1」)による細胞内ラジカルROS捕捉活性、及びAOPCATによるカタラーゼ様活性を試験するための革新的な細胞ベースアッセイを用いて、HepG2細胞系モデルとの関連で決定した。AOP1バイオアッセイは、抗酸化物質が酸化ストレスを中和させる能力を測定し、蛍光放射の発生動態(kinetic evolution of fluorescence emission)の遅延によりその効果を測定するものである(Girondeら、2020)。AOPCATは、特許付与された技術である(EP3044569)。本分析においては、AOPCATは、H2O2により蛍光が増加する核酸バイオセンサーが細胞内に存在することに基づいている。このバイオアッセイは、抗酸化物質がH2O2を中和させる能力(O2及びH2Oの不均化)を測定し、蛍光放射の発生動態の遅延によりその効果を測定するものである。
方法
HepG2細胞系の細胞培養
HepG2(5~30継代)細胞を、10%FBS及び1X pen-strep(ペニシリン-ストレプトマイシン)溶液を補ったGlutamax DMEM培地中、5%CO2下、37℃で培養した。細胞を70~80%コンフルエンスまで増殖させ、次いで、透明底の96ウェルマイクロプレートに、106cells/mL(75pL、1ウェル当たり細胞75000個)の密度で間断なく移した。
HepG2細胞系の細胞培養
HepG2(5~30継代)細胞を、10%FBS及び1X pen-strep(ペニシリン-ストレプトマイシン)溶液を補ったGlutamax DMEM培地中、5%CO2下、37℃で培養した。細胞を70~80%コンフルエンスまで増殖させ、次いで、透明底の96ウェルマイクロプレートに、106cells/mL(75pL、1ウェル当たり細胞75000個)の密度で間断なく移した。
細胞内ラジカル捕捉活性の決定:AOP1バイオアッセイ
アロニア試料(500mg)を、対応する細胞培養培地に最終濃度50mg/mLで可溶化した。溶液を8700rpmで10分間遠心分離し、その上清を用いて実験を実施した。細胞を、試料(段階希釈により得た9通りの異なる濃度)と共に、5%CO2下、37℃で4時間インキュベートした。
アロニア試料(500mg)を、対応する細胞培養培地に最終濃度50mg/mLで可溶化した。溶液を8700rpmで10分間遠心分離し、その上清を用いて実験を実施した。細胞を、試料(段階希釈により得た9通りの異なる濃度)と共に、5%CO2下、37℃で4時間インキュベートした。
試料と共にインキュベーションしてから4時間後、細胞を蛍光バイオセンサーとしてのチアゾールオレンジ(TO)で1時間処理した。Varioskan装置(Thermo Fisher Scientific社、Waltham、MA、USA)を用い、480nmのLEDを96ウェルプレート全体に反復して照射する手順(20回の反復)により、蛍光(535nmでの相対蛍光単位(RFU))を測定した。生データとして動的プロファイルを記録し、Prism8ソフトウェア(GraphPad社、San Diego、CA、USA)を用いて用量応答曲線をモデル化した。正規化された動的プロファイルから、次式により抗酸化細胞指数(antioxidant cell index)(AOP指数)を算出した:
AOP指数(%)=100-100(0{20 試料のRFU/o f20 対照のRFU)
AOP指数(%)=100-100(0{20 試料のRFU/o f20 対照のRFU)
試料濃度の対数に従うAOP指数を集積することにより用量応答曲線を得、次式:
AOP指数=AOP指数最小値+(AOP指数最大値-AOP指数最小値)/(1+10(Log(EC50-SC)*HS))(式中、SC=試料濃度であり、HS=Hil I勾配又は変曲点における正接の傾きである)
によりシグモイドフィッティングさせて、EC50を算出した。実験は、FBSを含有しない細胞培養培地を用いて行い、少なくとも2つの独立した実験を、それぞれ3組のウェルに対して実施した。
AOP指数=AOP指数最小値+(AOP指数最大値-AOP指数最小値)/(1+10(Log(EC50-SC)*HS))(式中、SC=試料濃度であり、HS=Hil I勾配又は変曲点における正接の傾きである)
によりシグモイドフィッティングさせて、EC50を算出した。実験は、FBSを含有しない細胞培養培地を用いて行い、少なくとも2つの独立した実験を、それぞれ3組のウェルに対して実施した。
カタラーゼ様活性の決定:AOPCATバイオアッセイ
アロニア試料(段階希釈により得た16通りの異なる濃度で)をH2O2(0.34%)で1時間インキュベートし、実験をこのインキュベーション化合物を用いて実施した。インキュベーション化合物は、バイオセンサーとしてのチアゾールオレンジ(TO)と共に5%CO2下、37℃で30分間事前にインキュベートしておいたHepG2細胞に添加した(最終体積の14.7%)。蛍光(535nmでの相対蛍光単位(RFU))を動態モード(kinetic mode)で75分間記録した。ここで、T=0はバイオセンサー添加時点である。ウシ肝臓カタラーゼを陽性対照として用いた。用量応答曲線を次式によりモデル化した:
★
アロニア試料(段階希釈により得た16通りの異なる濃度で)をH2O2(0.34%)で1時間インキュベートし、実験をこのインキュベーション化合物を用いて実施した。インキュベーション化合物は、バイオセンサーとしてのチアゾールオレンジ(TO)と共に5%CO2下、37℃で30分間事前にインキュベートしておいたHepG2細胞に添加した(最終体積の14.7%)。蛍光(535nmでの相対蛍光単位(RFU))を動態モード(kinetic mode)で75分間記録した。ここで、T=0はバイオセンサー添加時点である。ウシ肝臓カタラーゼを陽性対照として用いた。用量応答曲線を次式によりモデル化した:
★
EC50値を、次式によるシグモイドフィットから算出した:
倍増値(Fold Increase)Fl=Fi最小値+(Fl最大値-Fl最小値)/(1+10(Log(EC50-SC)*HS))(式中、SC=試料濃度であり、HS=Hil I勾配である)。2つの独立した実験を、それぞれ3組のウェルに対して実施した。
倍増値(Fold Increase)Fl=Fi最小値+(Fl最大値-Fl最小値)/(1+10(Log(EC50-SC)*HS))(式中、SC=試料濃度であり、HS=Hil I勾配である)。2つの独立した実験を、それぞれ3組のウェルに対して実施した。
統計分析
分析は、Prism8ソフトウェア(GraphPad社、San Diego、CA、USA)を用いて行った。蛍光プロファイルに関しては、バーは、3組のデータから得た標準誤差値に対応した。用量応答図に関しては、非対称の信頼区間がPrismから報告された。非線形回帰モデルから最良の決定係数(R2)を示した2つの実験を用いてEC値を求めた。
分析は、Prism8ソフトウェア(GraphPad社、San Diego、CA、USA)を用いて行った。蛍光プロファイルに関しては、バーは、3組のデータから得た標準誤差値に対応した。用量応答図に関しては、非対称の信頼区間がPrismから報告された。非線形回帰モデルから最良の決定係数(R2)を示した2つの実験を用いてEC値を求めた。
結果
各試料の用量応答曲線を図2に示す。
各試料の用量応答曲線を図2に示す。
DF抽出物について得たEC50を基準値(100%)として用いる。Table 3(表3)は、試験した各アロニア抽出物のEC50値及び関連する95%信頼区間、並びに相対的抗酸化効果を示すものである。
EC50は、最大効果の50%を得るために算出された濃度なので、値が最も低いものほど効果が良好である。Table 3(表3)に示すように、DF抽出物はAOP1アッセイ及びAOPCATアッセイにおけるEC50値が最も低く、このことは、最大効果の50%を得るためにより少ない量のDF抽出物が必要とされることを意味する。この差は、EC50の95%信頼区間が重ならなければ、統計学的に有意と判断される。市販抽出物の相対的抗酸化効果値はすべて100%を下回ったが、このことは、これらの製品はDF抽出物対抗酸化効果がより低いことを意味する。AOP1アッセイにおいて、DF抽出物の相対的抗酸化効果(100%)は、市販抽出物1(83.17%)及び市販抽出物3(84.24%)に比して高く、市販抽出物2(72.69%)に比して有意に高かった。AOPCATにおいて、DF抽出物の抗酸化効果(100%)は、市販抽出物1(48.17%)、市販抽出物2(35.85%)及び市販抽出物3(36.78%)に比して有意に高く、少なくとも2倍であった。
これらのEC50及び相対的抗酸化効果は、図3(AOP1アッセイ)及び図4(AOPCATアッセイ)において、総ポリフェノール含量、アントシアニン含量、PAC含量及びPAC/アントシアニン比の関数として表されている。
総ポリフェノール含量は抗酸化効果とわずかに相関していたが、これに対してアントシアニン含量は、驚くべきことに、直接的な(細胞内の)抗酸化効果と相関していなかった。反対に、PACは、HepG2細胞において観測された直接的な抗酸化効果の主要成分であるように思われる。その理由は、PACは、特にAOPCATアッセイにおいて、測定された抗酸化効果と、正に、且つ強く相関しているからである。このことは、PACのアントシアニンに対する比を検討した場合に、更にいっそう顕著になる。したがって、この特定の比により、DF抽出物の有効性がより高いものとなると考えられる。
これらの例から、以下のことが示された。i)本発明によるアロニア抽出物は、市場における公知のアロニア抽出物とは一線を画すものにする特異的なパラメーターを有する。事実、該アロニア抽出物は、高いポリフェノール及びPAC含量、並びに、少なくとも1.5のPAC/アントシアニン比を有する。更に、該アロニア抽出物は、異なる色を有する。ii)本発明によるアロニア抽出物は、酸化ストレスの軽減に特に有効であり、したがって、汚染物質への曝露、老化及び/又は運動に起因する酸化ストレスを防止、制限又は軽減するために、細胞酸化ストレスに関連する障害、例えば、腸バリア機能不全、腸管炎症、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、インスリン抵抗性、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、心血管障害及び神経変性障害の処置においても、使用することができる。
(参考文献)
(参考文献)
Claims (15)
- プロアントシアニジン(PAC)及びアントシアニンを含むアロニア抽出物であって、
- ポリフェノール含量が、少なくとも55乾燥質量%、好ましくは少なくとも60乾燥質量%であり、
- プロアントシアニジン(PAC)含量が、少なくとも19乾燥質量%、好ましくは少なくとも20乾燥質量%であり、
- PAC:アントシアニン比が少なくとも1.5であり、ポリフェノール含量はフォリン-チオカルトー法により測定可能であり(エピカテキン当量)、プロアントシアニジン(PAC)含量はBL-DMAC法により測定可能であり(プロシアニジンA2当量)、アントシアニン含量は分光光度法により測定可能である(シアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量)、アロニア抽出物。 - - PAC:アントシアニン比が、1.5~4.5の間、好ましくは1.5~3.5の間、より好ましくは1.5~2.5の間に含まれ、更により好ましくは約2である、請求項1に記載のアロニア抽出物。
- - アントシアニン含量が、少なくとも10乾燥質量%、好ましくは10~20乾燥質量%の間、より好ましくは10~15乾燥質量%の間である、請求項1又は2に記載のアロニア抽出物。
- アロニア・アルブティフォリア抽出物、アロニア・メラノカルパ抽出物及びアロニア・プルニフォリア抽出物からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載のアロニア抽出物。
- アロニア・メラノカルパの果実から得られる抽出物である、請求項4に記載のアロニア抽出物。
- 乾燥粉末形態にある、請求項1から5のいずれか一項に記載のアロニア抽出物。
- pH値3の緩衝液中、アントシアニン0.04g/Lで測定された場合に、
- L*(明度)は65~70の間であり、
- a*(赤/緑座標)は55未満、好ましくは45~55の間、より好ましくは50~54の間であり、
- b*(黄/青座標)は20未満、好ましくは15未満、より好ましくは10~15の間である、
色パラメーターを有する、請求項6に記載のアロニア抽出物。 - - 65Brixでのアントシアニン濃度(シアニジン-3-O-グルコシドクロリド当量)が少なくとも0.5%であるアロニア果実の濃縮果汁を選択する工程と、
- 浸透水を用いて濃縮果汁を約25Brixに希釈して希釈果汁を得る工程と、
- クロマトグラフィーカラム中で前記希釈果汁をマクロ多孔性の架橋脂肪族ポリマー吸着樹脂と接触させる工程であって、樹脂が、少なくとも300m2/gの表面積、約550オングストロームの平均細孔径、約0.5mL/mLの総細孔容積、61~69%の水分保持能力を有し、前記樹脂が、酸性化水を用いてpH3.5以下に調整されている工程と、
- 酸性化水で洗浄する工程と、
- 酸性化された含水エタノール溶液を用いてポリフェノールを溶出させて溶出溶液を得る工程と、
- 任意で溶出溶液を乾物含量35~55%w/wに濃縮させて濃縮抽出物を得る工程と、
- 任意で、前記濃縮抽出物を乾燥及び粉砕して乾燥抽出物を得る工程と
を含み、前記酸性化水が、水を0.03%量(体積/体積)の濃度96%の水酸化硫酸溶液と混合することにより得られる、請求項1から7のいずれか一項に記載のアロニア抽出物を得るための方法。 - アロニア果実の前記濃縮果汁が、アロニア・メラノカルパから得られた濃縮果実果汁である、請求項8に記載の方法。
- 請求項8又は9に記載の方法により得ることが可能なアロニア抽出物。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載のアロニア抽出物又は請求項10に記載のアロニア抽出物を含む又はこれらからなる、食品、保健機能食品又は化粧用組成物。
- 汚染物質への曝露、老化及び/又は運動に起因する酸化ストレスを防止、制限又は軽減するための請求項11に記載の組成物の使用。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載のアロニア抽出物又は請求項10に記載のアロニア抽出物を含む医薬組成物。
- 細胞酸化ストレスに関連する障害の処置を必要とする対象におけるその処置における使用のための、請求項13に記載の医薬組成物。
- 前記障害が、腸バリア機能不全、腸管炎症、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、インスリン抵抗性、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、心血管障害及び神経変性障害からなる群から選択される、請求項14に記載の使用のための医薬組成物。
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