JP2025041294A - インクジェットインクおよび画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性線により硬化するインクジェットインクであって、記録媒体を折り曲げた際に画像のひび割れを生じにくくしつつ、記録媒体から剥がれにくい画像を形成でき、かつ射出安定性が高められたインクジェットインク、およびこれを用いた画像形成方法を提供すること。
【解決手段】活性線により重合する重合性化合物を含むインクジェットインクであって、前記重合性化合物の全質量に対する、融点が25℃以上の重合性化合物の含有量は、3質量%未満であり、前記重合性化合物における1分子あたりのエチレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)をXとし、前記重合性化合物における1分子あたりのプロピレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)をYとしたとき、式(1)を満たす、活性線により硬化するインクジェットインク。
3.5≦X+Y≦9 (1)
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットインクおよび画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式に用いるインクとして、活性線により重合する重合性化合物(以下、活性線重合性化合物と称する)を液体成分とする、活性線により硬化するインクジェットインク(以下、活性線硬化型インクジェットインクと称する)が知られている。活性線硬化型インクジェットインクは、活性線が照射されると、活性線重合性化合物の重合により硬化して、色材を記録媒体に強固に付着させる。この硬化膜の形成により、所望の画像を形成できることが知られている。
例えば、特許文献1には、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型組成物が開示されている。特許文献1によれば、上記組成物を用いて形成された塗膜(平均厚み10μm)に、積算光量1500mJ/cmの活性エネルギー線を照射してなる硬化物の積層体(3層)は、延伸性および強度に優れていたとされている。また、特許文献1によれば、上記組成物はインクジェットインクとしても用いられ得るとされている。
特開2016-172841号公報
特許文献1のように、活性線硬化型インクジェットインクが知られている。
ところで、活性線硬化型インクジェットインクによって画像が形成された記録媒体は、持ち運びや収納の際に折り曲げられることがある。このとき、形成された画像にひび割れが生じることがあった。そのため、活性線硬化型インクジェットインクは、記録媒体を折り曲げた際に、ひび割れ(折り割れ)が生じにくい画像を形成できることが望ましい。
また、形成された画像が記録媒体から剥がれることを抑制するために、活性線硬化型インクジェットインクには、耐擦性が高められた画像を形成することが求められる
さらに、射出安定性が高められた活性線硬化型インクジェットインクへの要望が存在する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、活性線により硬化するインクジェットインクであって、画像の折り割れを生じにくくしつつ、耐擦性が高い画像を形成でき、かつ射出安定性が高められたインクジェットインク、およびこれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための、本発明の一態様は、下記[1]~[10]のインクジェットインクに関する。
[1]活性線により重合する重合性化合物を含むインクジェットインクであって、
前記重合性化合物の全質量に対する、融点が25℃以上の重合性化合物の含有量は、3質量%未満であり、
前記重合性化合物における1分子あたりのエチレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)をXとし、前記重合性化合物における1分子あたりのプロピレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)をYとしたとき、式(1)を満たす、
活性線により硬化するインクジェットインク。
3.5≦X+Y≦9 (1)
[2]前記式(1)において、Xは1.5以上7以下である、[1]に記載のインクジェットインク。
[3]前記重合性化合物における、1分子あたりのエチレンオキサイド基およびプロピレンオキサイド基の繰り返し数の加重平均値(質量基準)は2以上10以下である、[1]または[2]に記載のインクジェットインク。
[4]前記インクジェットインクは、60℃における粘度が10mPa・s以上25mPa・s以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のインクジェットインク。
[5]前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、160g/eq以上300g/eq以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のインクジェットインク。
[6]前記重合性化合物は、単官能の重合性化合物を含み、
前記単官能の重合性化合物の含有量は、前記インクジェットインクの全質量に対して5質量%より多く、40質量%以下である、
[1]~[5]のいずれかに記載のインクジェットインク。
[7]前記単官能の重合性化合物は、分子内にベンゼン環を有する化合物を含む、[6]に記載のインクジェットインク。
[8]前記ベンゼン環を有する単官能の重合性化合物における1分子あたりのエチレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)は2以上である、[7]に記載のインクジェットインク。
[9]前記ベンゼン環を有する単官能の重合性化合物における1分子あたりのエチレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)は4以上である、[8]に記載のインクジェットインク。
[10]顔料をさらに含み、
前記顔料が黄顔料のとき、前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、160g/eq以上200g/eq以下であり、
前記顔料が黒顔料のとき、前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、160g/eq以上210g/eq以下であり、
前記顔料が赤顔料のとき、前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、200g/eq以上250g/eq以下である、
または前記顔料が青顔料のとき、前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、200g/eq以上260g/eq以下である、
[1]~[9]のいずれかに記載のインクジェットインク。
上記課題を解決するための、本発明の別態様は、下記[11]の画像形成方法に関する。
[11][1]~[10]のいずれかに記載のインクジェットインクをインクジェットヘッドから吐出して記録媒体の表面に付与する工程と、
前記付与されたインクジェットインクに活性線を照射して、前記インクジェットインクを硬化させる工程と、
を有する、画像形成方法。
本発明によれば、活性線により硬化するインクジェットインクであって、画像の折り割れを生じにくくしつつ、耐擦性が高い画像を形成でき、かつ射出安定性が高められたインクジェットインク、およびこれを用いた画像形成方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。 図2は、本実施形態に係る画像形成方法を実施することができる画像形成装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
1.インクジェットインク
本実施形態における、活性線により硬化するインクジェットインク(以下、活性線硬化型インクジェットインクと称する)は、活性線により重合する重合性化合物(以下、活性線重合性化合物と称する)を含み、活性線重合性化合物における1分子あたりのエチレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)をXとし、前記重合性化合物における1分子あたりのプロピレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)をYとしたとき、式(1)を満たす。また、活性線重合性化合物の全質量に対する、融点が25℃以上の重合性化合物の含有量は、3質量%未満である。
3.5≦X+Y≦9 (1)
本発明者らは、インクに含まれる活性線重合性化合物が上記式(1)を満たすことで、記録媒体を折り曲げた際の画像のひび割れ(以下、折り割れと称する)を生じにくくすることができ、かつ耐擦性が高い画像を形成できることを見出した。
式(1)におけるX+Yが3.5以上であることで、活性線重合性化合物の重合鎖に含まれる、エチレンオキサイド基(以下、EO基と称する)およびプロピレンオキサイド基(以下、PO基と称する)がより多くなる。EO基およびPO基は分子運動性を高めるため、X+Yが3.5以上であることで硬化膜(画像)の柔軟性が十分に高まり、記録媒体を折り曲げたときに画像が記録媒体に追従しやすくなる。これにより、画像の折割れを生じにくくすることができる。
一方、X+Yを高めすぎて、画像の柔軟性を過剰に高めると、硬化膜の硬度が低下して、画像の耐擦過性が低下してしまう。そのため、X+Yが9以下にすることで、硬化膜の柔軟性を高めすぎずに、硬化膜の硬度を低下させにくくできる。これにより、画像の耐擦性を高めることができる。
また、X+Yが9以下であることで、活性線重合性化合物の分子どうしで水素結合が過剰に形成されて分子の運動性が低下することによって生じる、インクの粘度の過剰な高まりを抑制できる。これにより、射出安定性を高めることができる。
さらに、活性線重合性化合物の全質量に対する、融点が25℃以上の重合性化合物の含有量が、3質量%未満であることで、射出安定性を高めることもできる。融点が25℃以上の重合性化合物は、常温またはインク吐出時のインクを加熱した温度において、インクの粘度を高めやすい。これに対し、上記含有量を3質量%未満とすることで、射出安定性を高めることができる。
なお、本明細書において、1分子あたりのEO基の数の加重平均値Xは、活性線重合性化合物に含まれる重合性化合物1分子に含まれるEO基の数に、当該重合性化合物の活性線重合性化合物における質量比率を乗じて算出される値を、各重合性化合物について合計した値のことをいう。同様に、1分子あたりのPO基の数の加重平均値Yは、活性線重合性化合物に含まれる重合性化合物1分子に含まれるPO基の数に、当該重合性化合物の活性線重合性化合物における質量比率を乗じて算出される値を、各重合性化合物について合計した値のことをいう。
以下、上記知見に基づく本発明の活性線硬化型インクジェットインクについて、より詳細に説明する。
1-1.活性線重合性化合物
活性線重合性化合物は、活性線の照射により重合および架橋する化合物である。活性線の例には、電子線、紫外線、α線、γ線およびエックス線などが含まれる。これらのうち、紫外線および電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
上述のように、活性線重合性化合物における1分子あたりのEO基の数の加重平均値(質量基準)をXとし、前記重合性化合物における1分子あたりのPO基の数の加重平均値(質量基準)をYとしたとき、式(1)を満たす。
3.5≦X+Y≦9 (1)
上記式(1)におけるX+Yは、3.5以上8以下であることが好ましく、3.5以上7以下であることがより好ましい。X+Yが3.5以上であることで、硬化膜の柔軟性をより高めて画像の折割れをより生じにくくすることができる。また、X+Yが8以下であることで、硬化膜の硬度をより低下しにくくして、画像の耐擦性を高めることができる。さらに、X+Yが8以下であることで、インク粘度がより高まりにくくなる。
上記式(1)において、Xは1.5以上7以下であることが好ましく、1.5以上6以下であることがより好ましい。EO基は、PO基よりも分子運動性が高いため、EO基の数がより多いことで、硬化膜の柔軟性をより高めることができる。そのため、Xが1.5以上であることで、画像の折割れをより生じにくくすることができる。また、Xが7以下であることで、硬化膜の硬度をより低下しにくくして、画像の耐擦性をより高められる。
活性線重合性化合物における、1分子あたりのEO基およびPO基の繰り返し数の加重平均値(質量基準)は、2以上10以下であることが好ましく、2以上8以下であることがより好ましい。
本明細書において、1分子あたりのEO基およびPO基の繰り返し数とは、分子鎖において連続するEO基またはPO基の数のことをいう。1分子内に、EO基またはPO基が連続してなるユニットが複数含まれるときは、上記繰り返し数は、EO基またはPO基が連続している数の合計を、上記ユニットの数で除した値となる。また、上記繰り返し数の加重平均値は、活性線重合性化合物に含まれる重合性化合物1分子あたりの上記繰り返し数に、当該重合性化合物の活性線重合性化合物における質量比率を乗じて算出される値を、各重合性化合物について合計した値のことをいう。
上記繰り返し数の加重平均値が2以上であることで、EO基またはPO基が重合鎖中において連続しているため、分子運動性が高い部位を長くして、硬化物の柔軟性をより高めることができる。これにより画像の折割れをより抑制できる。また、上記繰り返し数の加重平均値が10以下であることで、硬化膜の硬度をより低下しにくくして、画像の耐擦性をより高められる。
本実施形態において、活性線重合性化合物は、EO基を有する活性線重合性化合物またはPO基を有する活性線重合性化合物を含む。EO基を有する活性線重合性化合物、およびPO基を有する活性線重合性化合物の例には、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物が含まれる。これらのうち、ラジカル重合性化合物が好ましい。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。ラジカル重合性化合物は、インク中に1種のみ含まれてもよいし、2種以上が組み合わされて含まれてもよい。
ラジカル重合性化合物の例には、不飽和カルボン酸エステル、および(メタ)アクリレートが含まれる。これらのうち、(メタ)アクリレートが好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
EO基を有する(メタ)アクリレートの例には、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのEO変性体、ペンタエリスリトールテトラアクリレートのEO変性体、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのEO変性体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのEO変性体、フェノールアクリレートのEO変性体、ノニルフェノール(メタ)アクリレートのEO変性体、クレゾール(メタ)アクリレートのEO変性体、ビスフェノールAジアクリレートのEO変性体などが含まれる。
PO基を有する(メタ)アクリレートの例には、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートのPO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレートのPO変性体、グリセリルトリアクリレートのPO変性体、ビスフェノールAジアクリレートのPO変性体、ノニルフェノールアクリレートのPO変性体などが含まれる。
活性線重合性化合物は、EO基を有するカチオン重合性化合物およびPO基を有するカチオン重合性化合物を含んでもよい。
EO基を有する活性線重合性化合物およびPO基を有する活性線重合性化合物の含有量は、活性線重合性化合物の全質量に対して、65質量%以上であることが好ましい。上記含有量の上限値は、特に限定されず、例えば、100質量%である。
本実施形態では、活性線重合性化合物は、式(1)を満たす限りにおいて、EO基およびPO基を含まない重合性化合物を含んでも良い。
EO基およびPO基を含まない重合性化合物の例には、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物が含まれる。これらのうち、ラジカル重合性化合物が好ましい。
上記ラジカル重合性化合物の例には、不飽和カルボン酸エステル、および(メタ)アクリレートが含まれる。これらのうち、(メタ)アクリレートが好ましい。上記(メタ)アクリレートは、単官能であってもよいし、多官能であってもよい。
単官能の(メタ)アクリレートの例には、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコールアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、クミルフェノキシルエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、およびt-ブチルシクロヘキシルアクリレートなどが含まれる。
2官能の(メタ)アクリレートの例には、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが含まれる。
3官能以上の(メタ)アクリレートの例には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが含まれる。
カチオン重合性化合物の例には、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物などが含まれる。
上記エポキシ化合物の例には、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3′,4′-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ε-カプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3′,4′-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1-メチル-4-(2-メチルオキシラニル)-7-オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサノン-メタ-ジオキサン、およびビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテルなどが含まれる。
上記ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル-o-プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、およびオクタデシルビニルエーテルなどを含むモノビニルエーテル化合物、ならびにエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、およびトリメチロールプロパントリビニルエーテルなどを含むジまたはトリビニルエーテル化合物などが含まれる。
活性線重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、160g/eq以上300g/eq以下であることが好ましく、180g/eq以上300g/eq以下であることがより好ましく、200g/eq以上300g/eq以下であることがさらに好ましい。160g/eq以上であることで、活性線重合性化合物の重合体の架橋度を適度に下げて、硬化膜の柔軟性をより高めることができる。これにより、画像の折割れをより抑制できる。300g/eq以下であることで、上記重合体の架橋度を下げすぎずに、硬化膜の硬化度をより高めて、画像の剥がれをより抑制できる。
なお、上記重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、活性線硬化型インクジェットインクが着色剤として黄顔料を含むときは、160g/eq以上200g/eq以下であることが好ましい。また、上記重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、活性線硬化型インクジェットインクが着色剤として黒顔料を含むときは、160g/eq以上210g/eq以下であることが好ましい。また、上記重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、活性線硬化型インクジェットインクが着色剤として赤顔料を含むときは、200g/eq以上250g/eq以下であることが好ましい。また、上記重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、活性線硬化型インクジェットインクが着色剤として青顔料を含むときは、200g/eq以上260g/eq以下であることが好ましい。黄顔料および黒顔料は、活性線を吸収しやすい。そのため、黄顔料または黒顔料を用いるときは、活性線硬化型インクジェットインクを十分に硬化させやすくするため、その他の顔料(たとえば赤顔料および青顔料)を用いるときよりも上記加重平均値を低くすることが好ましい。
上記重合性基の当量は、活性線重合性化合物が、例えば、アクリレートであるときは、アクリル当量のことをいう。そして、上記重合性基の当量の加重平均値は、各重合性化合物の重合性基の当量に、活性線重合性化合物における各重合性化合物の質量比率を乗じた値の合計値のことをいう。
活性線重合性化合物は、単官能の重合性化合物を含み、かつ上記単官能の重合性化合物の含有量が活性線硬化型インクジェットインクの全質量に対して5質量%よりも多く、40質量%以下であることが好ましい。単官能の重合性化合物を5質量%よりも多く含むことで、活性線重合性化合物の重合体の架橋度を適度に下げて、硬化膜の柔軟性をより高めることができる。これにより画像の折割れをより抑制できる。また、単官能の重合性化合物の上記含有量が40質量%以下であることで、上記架橋度が下がりすぎず、画像の耐擦性の低下を抑制できる。
このとき、活性線重合性化合物は、多官能の重合性化合物をさらに含むことが好ましい。これにより、画像の耐擦過性の低下をさらに抑制できる。単官能の重合性化合物と、多官能の重合性化合物との含有質量比(単官能/多官能の重量比)は0~0.6であることが好ましく、0.1~0.4であることがより好ましい。
上記単官能の重合性化合物は、分子内にベンゼン環を有する化合物を含むことが好ましい。分子内にベンゼン環を有することで、ベンゼン環どうしの相互作用(π-π相互作用)によりベンゼン環のスタック構造が形成され、硬化膜の硬度がより高まると考えられる。そのため、単官能の重合性化合物が、分子内にベンゼン環を有することで、画像の折割れをより抑制しつつ、画像の耐擦性をより高められる。
上記分子内にベンゼン環を有する単官能の重合性化合物は、分子内にベンゼン環を1個以上2個以下含むことが好ましい。このような重合性化合物は、ベンゼン環のスタックにより硬化膜の強度を高めることができる。
上記分子内にベンゼン環を有する単官能の重合性化合物は、EO基またはPO基を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよいが、EO基またはPO基を含むことが好ましく、EO基を含むことがより好ましい。
上記ベンゼン環を有する単官能の重合性化合物がEO基を含むとき、上記ベンゼン環を有する単官能の重合性化合物における1分子あたりのEO基の数の加重平均値(質量基準)は、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。EO基およびPO基は、硬化膜の柔軟性を高めることができる。単官能性の重合性化合物がベンゼン環とEO基およびPO基とを兼ね備えると、ベンゼン環のスタックによる硬化膜の強度の向上と、EO基またはPO基による硬化膜の柔軟性の向上と、を両立させることができる。さらに、ベンゼン環のスタックは、EO基またはPO基により柔軟性を高められた硬化膜が延伸するときには一時的に分離して硬化膜を延伸させやすくし、折られた硬化膜をより破断しにくくする(折割れ耐性をより高める)。一方で、一時的に分離したベンゼン環は、延伸が解消されたときに再度スタックするため、延伸による硬化膜の強度低下も生じにくいと考えられる。このようにして、上記重合性化合物は、硬化膜の強度を低下させずに、硬化膜の柔軟性をさらに高めつつ、画像の折割れもさらに抑制すると考えられる。上記EO基数の加重平均値の上限値は、8あることが好ましい。上記1分子あたりのEO基の数の加重平均値は、上記ベンゼン環を有する、単官能の重合性化合物1分子に含まれるEO基の数に、当該単官能の重合性化合物の活性線重合性化合物における質量比率を乗じて算出される値を、各単官能の重合性化合物(ベンゼン環含有)について合計した値のことをいう。
このとき、上記ベンゼン環を有する、単官能の重合性化合物における1分子あたりのEO基の繰り返し数の加重平均値(質量基準)は、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。ベンゼン環同士をスタックさせやすくする観点からは、上記繰り返し数の加重平均値(質量基準)の上限値は、8であることが好ましい。
分子内にベンゼン環を有する単官能の重合性化合物の例には、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物が含まれる。これらのうち、ラジカル重合性化合物が好ましい。上記ラジカル重合性化合物は、(メタ)アクリレートであることが好ましい。
分子内にベンゼン環を有する単官能の(メタ)アクリレートの例には、フェノキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、クミルフェノキシルエチルアクリレート、フェノールアクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、クレゾール(メタ)アクリレート、およびこれらのEOまたはPO変性体などが含まれる。
分子内にベンゼン環を有する単官能の重合性化合物の含有量は、活性線重合性化合物の全質量に対して0質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。5質量%であることで、硬化膜の硬化度をより高めて、画像の剥がれをより抑制できる。25質量%以下であることで、硬化膜の柔軟性の低下をより抑制して、画像の折割れをより抑制できる。
上述のように、本実施形態における、活性線重合性化合物は、活性線重合性化合物の全質量に対する、融点が25℃以上の重合性化合物の含有量は、3質量%未満である。射出安定性をより高める観点から、融点が25℃以上の重合性化合物の上記含有量は、1質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましく、0質量%であることがさらに好ましい。
融点が25℃以上の重合性化合物の例には、オクタデシルアクリレート、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、ベヘニルアクリレートなどが含まれる。
上記融点が25℃以上であるか否かは、当該重合性化合物が25℃で液状である(流動性を有する)か、または固体状である(流動性を有さない)かによって判断することができる。また、熱分析方法(DSC、DTA)などによって測定してもよい。
活性線重合性化合物の重量平均分子量(Mw)は、160以上300以下であることが好ましく、200以上300以下であることがより好ましい。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定できる。
活性線重合性化合物の含有量は、活性線硬化型インクジェットインクの全質量に対して、1質量%以上97質量%以下とすることができ、30質量%以上95質量%以下であることが好ましく、50質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましい。
1-2.その他
本実施形態に係る活性線硬化型インクジェットインク組成物は、本発明の効果を奏する範囲において、ゲル化剤、着色剤、界面活性剤、重合禁止剤、および保湿剤などのその他の成分をさらに含有してもよい
(ゲル化剤)
本実施形態では、活性線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤を含んでもよい。活性線硬化型インクジェットインクがゲル化剤を含むことにより、インクは(活性線の照射前に)ゾルゲル相転移する。具体的には、ゲル化剤は、ゲル化剤を含むインクを加熱したとき(たとえば80℃)、インクに含有される活性線重合性化合物に溶解し、かつ、常温付近(たとえば35℃)では、インク中で結晶化してインクをゲル化させる化合物のことをいう。
ゲル化剤は、インク中で結晶化して、板状に結晶化したゲル化剤によって形成された三次元空間に活性線重合性化合物が内包される構造を形成することが好ましい(このような構造を、以下「カードハウス構造」という。)。カードハウス構造が形成されると、液体状の活性線重合性化合物が上記空間内に保持されるため、インクのゲル化性がより高まる。これにより、インクが記録媒体に付着して形成されたドットがより濡れ広がりにくくなり、インクのピニング性が高まる。
結晶化によるカードハウス構造を、より形成しやすくすることができるゲル化剤の例には、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、グリセロール系化合物、ペンタエリスリトール系化合物、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、硬化ヒマシ油、変性ワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、ヒドロキシステアリン酸、N-置換脂肪酸アミドおよび特殊脂肪酸アミドを含む脂肪酸アミド、高級アミン、ショ糖脂肪酸のエステル、合成ワックス、ジベンジリデンソルビトール、ダイマー酸ならびにダイマージオールなどが含まれる。
これらのうち、極性を高めて活性線重合性化合物への溶解性をより高める観点から、ゲル化剤は、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、高級脂肪酸、および高級アルコールであることが好ましく、脂肪族ケトン、脂肪族エステルがより好ましい。なお、ゲル化剤は、1種のみ含まれていてもよく、2種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
脂肪族ケトンの例には、ジベヘニルケトン、ジステアリルケトン、ジエイコシルケトン、ジパルミチルケトン、ジラウリルケトン、ジミリスチルケトン、ミリスチルパルミチルケトンおよびパルミチルステアリルケトンなどが含まれる。
脂肪族エステルの例としては、ベヘニン酸ベヘニル、イコサン酸イコシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸パルミチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸オレイルなどのモノアルコールの脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸エステルが含まれる。
高級脂肪酸の例には、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸が含まれる。
高級アルコールの例には、ステアリルアルコールおよびベヘニルアルコールが含まれる。
脂肪族ケトンおよび脂肪族エステルの中でも、ゲル化性をより高める観点から、下記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン、または下記一般式(G2)で表される脂肪族エステルであることがより好ましい。
一般式(G1):R-CO-R
一般式(G2):R-COO-R
一般式(G1)において、RおよびRは、独立して炭素数12以上22以下の、直鎖状の炭化水素基を示し、一般式(G2)において、RおよびRは、独立して炭素数12以上22以下の、直鎖状の炭化水素基を表す。
一般式(G1)および(G2)において、R~Rの炭素数が12以上であることで、一般式(G1)および一般式(G2)で表されるゲル化剤の結晶性がより高まり、かつ、上記カードハウス構造においてより十分な空間が生じる。そのため、活性線重合性化合物(A)が上記空間内に十分に内包されやすくなり、インクのゲル化性およびピニング性がより向上する。
また、R~Rの炭素数が22以下であることで、一般式(G1)および一般式(G2)で表されるゲル化剤の融点が高まり過ぎず、ゲル化剤の溶解性が高まる。
一般式(G1)で表される脂肪族ケトンの例には、ジベヘニルケトン(炭素数:21-22)、ジステアリルケトン(炭素数:17-18)、ジエイコシルケトン(炭素数:19-20)、ジパルミチルケトン(炭素数:15-16)、ジミリスチルケトン(炭素数:13-14)、ジラウリルケトン(炭素数:11-12)、ラウリルミリスチルケトン(炭素数:11-14)、ラウリルパルミチルケトン(11-16)、ミリスチルパルミチルケトン(13-16)、ミリスチルステアリルケトン(13-18)、ミリスチルベヘニルケトン(13-22)、パルミチルステアリルケトン(15-18)、バルミチルベヘニルケトン(15-22)およびステアリルベヘニルケトン(17-22)などが含まれる。なお、上記括弧内の炭素数は、カルボニル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。
一般式(G2)で表される脂肪族エステルの例には、ベヘニン酸ベヘニル(炭素数:21-22)、イコサン酸イコシル(炭素数:19-20)、ステアリン酸ステアリル(炭素数:17-18)、ステアリン酸パルミチル(炭素数:17-16)、ステアリン酸ラウリル(炭素数:17-12)、パルミチン酸セチル(炭素数:15-16)、パルミチン酸ステアリル(炭素数:15-18)、ミリスチン酸ミリスチル(炭素数:13-14)、ミリスチン酸セチル(炭素数:13-16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(炭素数:13-20)、オレイン酸ステアリル(炭素数:17-18)、エルカ酸ステアリル(炭素数:21-18)、リノール酸ステアリル(炭素数:17-18)、オレイン酸ベヘニル(炭素数:18-22)およびリノール酸アラキジル(炭素数:17-20)などが含まれる。なお、上記括弧内の炭素数は、エステル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。
ゲル化剤の含有量は、活性線硬化型インクジェットインクの全質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。上記含有量が1.5質量%以上であると、インクのゲル化性およびピニング性をより高めることができる。また、上記含有量が8質量%以下であると、ゲル化剤の活性線重合性化合物への溶解性をより高めることができる。
(着色剤)
着色剤は、染料または顔料であるが、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ対候性に優れることから、顔料が好ましい。顔料は、形成すべき画像の色彩などに応じて、たとえば、黄(イエロー)顔料、赤顔料、青顔料、黒顔料および白顔料から選択することができる。
黄顔料の例には、Pigment Yellow(PY) 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193などが含まれる。これらのうち、インク組成物中の不純物量をより低減して、絶縁膜の電気抵抗値をより高める観点からは、PY185、PY150が好ましい。
赤顔料の例には、Pigment Red(PR) 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、202、208、216、226、257、Pigment Violet(PV) 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange(PO) 13、16、20、36、などが含まれる。これらのうち、インク組成物中の不純物量をより低減して、絶縁膜の電気抵抗値をより高める観点からは、PR122、PV19が好ましい。
青顔料の例には、Pigment Blue(PB) 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1、22、27、28、29、36、60などが含まれる。これらのうち、インク組成物中の不純物量をより低減して、絶縁膜の電気抵抗値をより高める観点からは、PB15:3、PB15:4が好ましい。
黒顔料の例には、C.I.Pigment Black(以下、単に「PBk」ともいう。)7、PBk26、およびPBk28などが含まれる。
白顔料は、白色インクが硬化してなる硬化膜に白色を呈させる顔料であればよい。白顔料の例には、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、および水酸化アルミニウムなどの無機顔料が含まれる。これらのうち、酸化チタンが好ましい。
上記酸化チタンの結晶形態は、ルチル型、アナターゼ型およびブルーカイト型のいずれでもよいが、白顔料をより小粒径化しやすくする観点からは、比重が小さいアナターゼ型が好ましく、形成される画像の隠蔽性をより高める観点からは、可視光領域における屈折率が大きいルチル型が好ましい。
着色剤の含有量は、インク組成物の全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。白顔料の含有量は、3質量%以上8質量%以下であることが好ましい。
(顔料分散剤)
上記活性線硬化型インクは、顔料を分散させるための顔料分散剤を含んでもよい。顔料分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテートなどが含まれる。
顔料分散剤の含有量は、顔料の全質量に対して10質量%以上200質量%以下であることが好ましく、20質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。分散剤の含有量が顔料の全質量に対して10質量%以上であると、顔料の分散安定性が高まり、分散剤の含有量が顔料の全質量に対して200質量%以下であると、インクジェットヘッドからのインクの吐出性が安定しやすくなる。
(活性線重合開始剤)
本実施の形態において、活性線硬化型インクジェットインクは、活性線重合開始剤(以下、単に「重合開始剤」と称する。)を含んでもよい。重合開始剤は、活性線の照射により、上述の活性線重合性化合物の重合を開始できるものであればよい。例えば、活性線硬化型インクジェットインクがラジカル重合性化合物を有するときは、重合開始剤はラジカル重合開始剤とすることができ、上記活性線硬化型インクがカチオン重合性化合物を有するときは、重合開始剤はカチオン系の重合開始剤(光酸発生剤)とすることができる。なお、電子線の照射により活性線硬化型インクジェットインクを硬化させるときなど、重合開始剤がなくても活性線硬化型インクジェットインクが十分に硬化できるときは、重合開始剤は不要である。
ラジカル重合開始剤には、分子内結合開裂型のラジカル重合開始剤と分子内水素引き抜き型のラジカル重合開始剤とが含まれる。
分子内結合開裂型のラジカル重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-メチルチオフェニル)プロパン-1-オン、および2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノンなどを含むアセトフェノン系の開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、およびベンゾインイソプロピルエーテルなどを含むベンゾイン類、2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドなどを含むアシルホスフィンオキシド系の開始剤、ならびに、ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステルなどが含まれる。
分子内水素引き抜き型のラジカル重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、および3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノンなどを含むベンゾフェノン系の開始剤、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントンなどを含むチオキサントン系の開始剤、ミヒラーケトン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノンなどを含むアミノベンゾフェノン系の開始剤、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、ならびにカンファーキノンなどが含まれる。
カチオン系の重合開始剤の例には、光酸発生剤が含まれる。光酸発生剤の例には、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、およびホスホニウムなどを含む芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩など、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、ならびに鉄アレン錯体などが含まれる。
重合開始剤の含有量は、活性線(例えば紫外線)の照射によって活性線硬化型インクジェットインクが十分に硬化し、記録媒体の表面への塗布性を低下させない範囲であれば、特に限定されない。例えば、重合開始剤の含有量は、活性線硬化型インクジェットインクの全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
(重合禁止剤)
本実施の形態において、活性線硬化型インクジェットインクは、重合禁止剤を含んでもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチルアルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシムなどが含まれる。
上記重合禁止剤の含有量は、特に限定されないが、活性線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.05質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。
(界面活性剤)
本実施の形態において、活性線硬化型インクジェットインクは、表面張力を調整するための界面活性剤を含んでもよい。
界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類および脂肪酸塩類を含むアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類を含むノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類および第四級アンモニウム塩類を含むカチオン性界面活性剤、シリコーン系の界面活性剤、ならびにフッ素系の界面活性剤が含まれる。
界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、活性線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.001質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.001質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態において、活性線硬化型インクジェットインクは、上記成分以外に、必要に応じて、定着樹脂、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防黴剤、防錆剤などを含んでもよい。
1-4.活性線硬化型インクジェットインクの物性
活性線硬化型インクの60℃における粘度は、10mPa・s以上25mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以上15mPa・s以下であることがより好ましい。これにより、インクジェットヘッドにおいて、インクを加熱してインクを射出する際の射出性を高めることができる。本実施形態では、式(1)を満たすようにすることで、上記粘度を上記範囲に調整できる。また、インクがゲル化剤を含むときは、ゲル化剤の含有量を調整することによっても、上記範囲の粘度に調整できる。
活性線硬化型インクがゲル化剤を含むとき、上記活性線硬化型インクの80℃における粘度は、6mPa・s以上25mPa・s以下であることが好ましく、7mPa・s以上15mPa・s以下であることがより好ましい。これにより、インクジェットヘッドにおいて、インクを加熱してインクを射出する際の射出性を高めることができる。
上記粘度は、レオメータによって測定することができる。例えば、上記プレコート剤を100℃に加熱し、ストレス制御型レオメータ(AntonPaar社製、Physica MCR301(コーンプレートの直径:75mm、コーン角:1.0°)によって粘度を測定しながら、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃までインクを冷却して、粘度の温度変化曲線を得る。上記粘度は、得られた温度変化曲線から、80℃における粘度を読み取ることで、求めることができる。
1-5.活性線硬化型インクジェットインクの調製方法
活性線硬化型インクジェットインクは、上述した活性線重合性化合物と、ゲル化剤と、任意のその他の成分とを、加熱下において混合することにより調製することができる。この際、得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。なお、顔料を含有するインクを調製する際は、顔料、活性線重合性化合物を含む顔料分散液を調製し、その後、顔料分散液と他の成分とを混合することが好ましい。顔料分散液は、分散剤をさらに含んでもよい。
上記顔料分散液は、活性線重合性化合物に顔料を分散して調製することができる。顔料の分散は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカーなどを用いて行えばよい。このとき、分散剤を添加してもよい。
なお、複数種の活性線重合性化合物を用いる場合、活性線重合性化合物を先に混合して活性線重合性組成物を作製してから、活性線重合性組成物と、ゲル化剤と、任意のその他の成分とを、加熱下において混合してもよい。
2.画像形成方法
図1は、本実施形態に係る画像形成方法を表すフローチャートである。本実施形態に係る画像形成方法は、上述の活性線硬化型インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して記録媒体の表面に付与する工程(工程S10)と、上記付与された前記活性線硬化型インクジェットインクの液滴に活性線を照射して硬化させる工程(工程S20)と、を有する。
2-1.活性線硬化型インクジェットインクを記録媒体に付与する工程(工程S10)
本工程では、上述の活性線硬化型インクジェットインクを、インクジェットヘッドから吐出して記録媒体の表面(形成すべき画像に応じた位置)に付与する。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式とコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型などの電気-機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(「バブルジェット」はキヤノン社の登録商標)型などの電気-熱変換方式などのいずれでもよい。また、インクジェットヘッドは、スキャン式およびライン式のいずれのインクジェットヘッドでもよい。
上記活性線硬化型インクの液滴は、インクがゲル化剤を含むときは、加熱されてゾル化した状態でインクジェットヘッドから吐出されるため、インクジェットヘッドに充填されたときのインクの温度を、インクのゲル化温度+10℃以上、ゲル化温度+30℃以下に設定することが好ましい。インクジェットヘッド内の上記活性線硬化型インクの温度が、ゲル化温度+10℃以上であると、インクジェットヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化することによる吐出性の低下が生じにくい。一方、インクジェットヘッド内のインクの温度がゲル化温度+30℃以下であると、高温による成分の劣化が生じにくい。
活性線硬化型インクジェットインクの加熱方法は、特に制限されない。例えば、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプおよびヘッド直前の前室インクタンクなどのインク供給系、フィルター付き配管ならびにピエゾヘッドなどの少なくともいずれかをパネルヒーター、リボンヒーターおよび保温水などによって加熱することができる。
活性線硬化型インクジェットインクの吐出液滴量は、記録速度および画質をより高める観点から、2pL以上20pL以下であることが好ましい。
記録媒体は、特に制限されず、通常の非コート紙、コート紙などの他、合成紙ユポ(「ユポ」は株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標)、軟包装に用いられる各種プラスチックおよびそのフィルムを用いることができる。各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PPフィルム、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムがある。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などを使用できる。
活性線硬化型インクジェットインクの記録媒体への付与は、吐出されたインクをそのまま記録媒体に着弾させて付与してもよいし、上記吐出されたインクを中間転写体に着弾させて中間画像を形成し、上記中間画像を中間転写体から記録媒体に転写して付与してもよい。
2-2.活性線硬化型インクジェットインクを硬化させる工程(工程S20)
本工程では、工程S10で記録媒体に付与した活性線硬化型インクジェットインクの液滴に活性線を照射して上記液滴を硬化させる。これにより、上記活性線硬化型インクジェットインクの硬化膜からなる画像が形成される。
活性線は、例えば、電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線などから選択することができるが、紫外線または電子線であることが好ましい。上記紫外線は、360nm以上410nm以下にピーク波長を有する光であることが好ましい。また、上記紫外線は、LED光源から照射されることが好ましい。LEDは従来の光源(例えばメタルハライドランプなど)と比較して、輻射熱が少ない。したがって、LEDは、活性線照射時に、インクが溶け難く、光沢ムラなどを生じさせにくい。
3.画像形成装置
以下、上述の画像形成方法を実施することができる画像形成装置100について説明する。
図2は、本実施形態に関する画像形成装置100の構成を示す模式図である。図2に示されるように、画像形成装置100は、インクジェットヘッド110、搬送部120、および照射部130を有する。なお、図2において、矢印は記録媒体の搬送方向を示す。
インクジェットヘッド110は、ノズル111の吐出口が設けられたノズル面113を、画像を形成する際に搬送部120に対向する面に有しており、搬送部120によって搬送される記録媒体200に対して活性線硬化型インクジェットインクを吐出する。活性線硬化型インクジェットインクの吐出性を高める観点から、インクジェットヘッド110は、インクの温度を調整してインクを低粘度に調整するための温度調整手段を有してもよい。温度調整手段の例には、パネルヒーター、リボンヒーターおよび保温水による加熱手段が含まれる。
インクジェットヘッド110は、記録媒体の搬送方向に直行する方向の幅が記録媒体200よりも小さいスキャン式のインクジェットヘッドでもよく、記録媒体の搬送方向に直行する方向の幅が記録媒体200よりも大きいライン式のインクジェットヘッドでもよい。
ノズル111は、ノズル面113に吐出口を有する。ノズル111の数は、画像形成に使用するインクの数(例えば4つ)以上であればよい。
搬送部120は、画像を形成する際に、インクジェットヘッド110の鉛直方向直下において、インクジェットヘッド110に対向する記録媒体200が移動するように、記録媒体200を搬送する。たとえば、搬送部120は、駆動ローラ121および従動ローラ122、ならびに搬送ベルト123を有する。
照射部130は、搬送部120の上面に活性線を照射する。これにより、搬送される記録媒体200上に着弾した活性線硬化型インクジェットインクの液滴に活性線を照射して、液滴を硬化させることができる。照射部130は、インクジェットヘッド110よりも下流側で搬送部120の直上に配設することができる。
画像形成装置100は、上記構成以外にも、吐出前の活性線硬化型インクを貯蔵するためのインクタンク(不図示)、インクタンクとインクジェットヘッド110とをインクが流通可能に連通するインク流路(不図示)、ならびに、インクジェットヘッド110、搬送部120、および照射部130の動作を制御する制御部(不図示)を有していてもよい。
また、画像形成装置100は、中間転写体および転写部(いずれも不図示)を有してもよい。このとき、インクジェットヘッド110は、中間転写体に対して活性線硬化型インクジェットインクを吐出して中間転写体の表面に着弾させ、活性線硬化型インクジェットインクの液滴が集合してなる中間画像を中間転写体の表面に形成する。その後、転写部は、中間転写体の表面から記録媒体の表面へと、中間画像を転写する。そして、照射部130は、記録媒体の表面に転写された中間画像に活性線を照射して、活性線硬化型インクジェットインクの液滴を硬化させる。
以下において、実施例を参照して本発明を説明する。実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.材料の用意/合成
活性線硬化型インクジェットインクの調製に用いた材料を以下に示す。
1-1.顔料分散液
9質量部の顔料分散剤(EFKA-7701、BASF社製)と、71質量部のトリプロピレングリコールジアクリレートとをステンレスビーカーに入れ、ホットプレート上で65℃に加熱しながら1時間加熱撹拌した。そして、室温まで冷却し、撹拌後のステンレスビーカー内に、20質量部の下記いずれかの顔料を加えた後、200gジルコニアビーズ(直径0.3mm、株式会社ニッカトー製)と共にガラス瓶に入れ密栓した。この顔料含有液を、ペイントシェーカーを用いて分散処理した後、ジルコニアビーズを取り除き、顔料分散液を得た。なお、分散処理の時間は、シアン顔料およびブラック顔料を用いたときは4時間、マゼンタ顔料およびイエロー顔料を用いたときは6時間であった。
・シアン顔料:Pigment Blue 15:4(クロモファインブルー6332JC、大日精化工業株式会社製)
・マゼンタ顔料:Pigment Violet19およびRed202の混晶(CINQUASIA MAGENTA RT-355D、BASF社製)
・イエロー顔料:Pigment Yellow 185(D1155、BASF社製)
・ブラック顔料:Pigment Black 7(#52、三菱ケミカル株式会社製)
1-2.活性線重合性化合物
(単官能の活性線重合性化合物)
m1:4EO変性ノニルフェノールアクリレート
(EO基の数:4、EO基の繰り返し数(平均):4、分子量:450、アクリル当量:450g/eq、融点:25℃未満)
m2:ラウリルアクリレート
(EO基またはPO基の数:0、分子量:240、アクリル当量:240g/eq、融点:25℃未満℃)
m3:4EO変性フェノールアクリレート
(EO基の数:4、EO基の繰り返し数(平均):4、分子量:324、アクリル当量:324g/eq、融点:25℃未満)
m4:オクタデシルアクリレート
(EO基またはPO基の数:0、分子量:324、アクリル当量:324g/eq、融点:30℃)
m5:8EO変性ノニルフェノールアクリレート
(EO基の数:8、EO基の繰り返し数(平均):8、分子量:626、アクリル当量:624g/eq、融点:25℃未満)
m6:2.5PO変性ノニルフェノールアクリレート
(PO基の数:2.5、PO基の繰り返し数(平均):2.5、分子量:419、アクリル当量:419g/eq、融点:25℃未満)
m7:(5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチルアクリレート
(EO基またはPO基の数:0、分子量:200、アクリル当量:200g/eq、融点:25℃未満)
m8:イソボルニルアクリレート
(EO基またはPO基の数:0、分子量:208、アクリル当量:208g/eq、融点:25℃未満)
m9:EO変性フェノールアクリレート
(EO基の数:1、EO基の繰り返し数(平均):1、分子量:192、アクリル当量:192g/eq、融点:25℃未満)
m10:2EO変性フェノールアクリレート
(EO基の数:2、EO基の繰り返し数(平均):2、分子量:236、アクリル当量:236g/eq、融点:25℃未満)
(多官能の活性線重合性化合物)
M1:ポリエステルアクリレート
(8官能、EO基の数:8、EO基の繰り返し数(平均):1、分子量561、アクリル当量:70g/eq、融点:25℃未満)
M2:トリプロピレングリコールジアクリレート
(2官能、PO基の数:3、PO基の繰り返し数(平均):3、分子量:300、アクリル当量:150g/eq、融点:25℃未満)
M3:PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート
(2官能、PO基の数:5、PO基の繰り返し数(平均):2.5、分子量:503、アクリル当量251g/eq、融点:25℃未満)
M4:3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(3官能、EO基の数:9、EO基の繰り返し数(平均):3、分子量:692、アクリル当量:231g/eq、融点:25℃未満)
M5:14EO変性ポリエチレングリコールジアクリレート#600
(2官能、EO基の数:14、EO基の繰り返し数(平均):14、分子量:708、アクリル当量:354g/eq、融点:25℃未満)
M6:3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(3官能、PO基の数:3、PO基の繰り返し数(平均):1、分子量:470、アクリル当量:157g/eq、融点:25℃未満)
M7:3PO変性グリセリルトリアクリレート
(3官能、PO基の数:3、PO基の繰り返し数(平均):1、分子量429、アクリル当量:143g/eq、融点:25℃未満)
M8:デカンジオールジアクリレート
(2官能、EO基またはPO基の数:0、分子量:282、アクリル当量:141g/eq、融点:25℃未満)
M9:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(2官能、EO基またはPO基の数:0、分子量:304、アクリル当量:152g/eq、融点:25℃未満)
M10:9EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(3官能、EO基の数:9、EO基の繰り返し数(平均):3、分子量:693、アクリル当量:231g/eq、融点:25℃未満)
M11:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
(4官能、EO基またはPO基の数:0、分子量:466、アクリル当量:117g/eq、融点:25℃未満)
M12:イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)
(3官能、EO基またはPO基の数:0、分子量:423、アクリル当量:141g/eq、融点:53℃)
上記活性線重合性化合物のうち、m4およびM12の融点は、カタログ値を用いており、それ以外の活性線重合性化合物の融点は、室温(25℃)で液体であることを確認することで、25℃未満とした。
1-3.ゲル化剤
G1:ベヘン酸ベヘニル(WEP-3、日油株式会社製)
G2:ステアリン酸ステアリル(エキセパールSS、花王株式会社製)
1-4.活性線重合開始剤
・開始剤1(Omnirad 819、IGM Resins B.V.社製)
・開始剤2(Speedcure 2-ITX、Arkema社製)
1-5.重合禁止剤
Irgasutab UV-10(BASF社製)
1-6.界面活性剤
KF-352A(信越化学工業株式会社製)
2.活性線硬化型インクジェットインクの調製
表1~7に示した組成になるように、顔料分散液と、活性線重合性化合物と、ゲル化剤と、重合開始剤と、重合禁止剤と、界面活性剤と、をステンレスビーカーに入れ、これを105℃で45分間撹拌した。その後、ADVANTEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過することにより活性線硬化型インクジェットインク1~34を得た。なお、表1~7における「ベンゼン環」の表記は、分子内にベンゼン環を含む活性線重合性化合物が含まれているか否かを示すものである。また、表1~7における「単官能のEO基数」の表記は、ベンゼン環を含む単官能の活性線重合性化合物における1分子辺りのエチレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)を示すものである。
Figure 2025041294000002
Figure 2025041294000003
Figure 2025041294000004
Figure 2025041294000005
Figure 2025041294000006
Figure 2025041294000007
Figure 2025041294000008
3.画像の形成
活性線硬化型インクジェットインク1~34のいずれかを用いて、ライン型インクジェット記録装置を用いて単色画像を形成した。インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。記録媒体(OKトップコート+127g、王子製紙株式会社製)に、5cm×5cmのベタ画像を印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。吐出用記録ヘッドは、ピエゾヘッドを用いた。吐出条件は1滴の液滴量が、9.0plとなる条件で、液的速度約6m/sで出射させて、1200dpi×1200dpiの解像度で記録した。記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。dpiとは、1インチ(2.54cm)当たりのドット数を表す。
4.評価
(折り割れ)
紙折り機(AFV-564FKT、株式会社ホリゾン製)を用いて、記録媒体に形成された画像に対して山折りした。その後、画像の状態を観察し、割れによる記録媒体の露出が生じていない部分(非露出部分)の面積の割合を、画像解析によって求めた。以下の基準に沿って折り割れ性を評価した。
5:画像の割れが確認されなかった
4:画像に割れが確認でき、白地の露出はわずかだった
3:画像に割れが確認でき、半分未満の領域で白地の露出があった
2:画像に割れが確認でき、半分以上の領域で白地の露出があった
1:画像に割れが確認でき、全領域で白地の露出があった
(断裁剥離(画像の耐擦性))
卓上断裁機(PC-P430、株式会社ホリゾン製)を用いて、記録媒体の画像形成部分を断裁した。断裁された部分を指でこすり、塗膜(画像)の剥がれ具合について、以下の基準に沿って評価した。
5:塗膜に剥がれが生じなかった
4:剥がれがあるが目視で視認できなかった
3:剥がれがあるが目視で視認しにくかった
2:剥がれがあり目視で視認できた
1:大きく剥がれがあり明らかに視認できた
(粘度)
得られた活性線硬化型インクジェットインク1~34について、60℃における粘度を求めた。上記粘度は、モジューラーコンパクトレオメータ(MCR302e、アントンパール社製)を用いて、振動モードにて90℃から30℃まで温度を変化させながら測定した粘度変化曲線において、温度が60℃になったときの複素粘度から求めた。測定された粘度をもとに、以下の基準に沿って評価した。
2:粘度は10~25mPa・sだった
1:粘度は10~25mPa・sの範囲外だった
(射出性)
<評価基準>
各試料の画像出力物について、10枚目と100枚目印刷時の100%印字部の白ヌケのスジ(吐出不良による白スジ)がないかを目視確認した。
2:白ヌケの発生はなかった、または、1,2箇所白ヌケがあったが、実用上問題ないレベルだった
1:白ヌケが多数発生して、実用上問題があった
各評価結果を表8~表14にまとめて示した。
Figure 2025041294000009
Figure 2025041294000010
Figure 2025041294000011
Figure 2025041294000012
Figure 2025041294000013
Figure 2025041294000014
Figure 2025041294000015
インク5~34の結果から、活性線重合性化合物が式(1)を満たし、かつ融点が25℃以上の活性線重合性化合物の願湯量が3質量%未満であることで、画像の折割れを抑制でき、画像の剥がれを抑制でき、かつ射出安定性を高められることがわかった。
本発明のインクジェットインクは、記録媒体を折り曲げた際に画像のひび割れを生じにくくしつつ、記録媒体から剥がれにくい画像を形成でき、かつ射出安定性が高めることができる。そのため、本発明は画像形成分野において有用である。
100 画像形成装置
110 インクジェットヘッド
120 搬送部
130 照射部

Claims (11)

  1. 活性線により重合する重合性化合物を含むインクジェットインクであって、
    前記重合性化合物の全質量に対する、融点が25℃以上の重合性化合物の含有量は、3質量%未満であり、
    前記重合性化合物における1分子あたりのエチレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)をXとし、前記重合性化合物における1分子あたりのプロピレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)をYとしたとき、式(1)を満たす、
    活性線により硬化するインクジェットインク。
    3.5≦X+Y≦9 (1)
  2. 前記式(1)において、Xは1.5以上7以下である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記重合性化合物における、1分子あたりのエチレンオキサイド基およびプロピレンオキサイド基の繰り返し数の加重平均値(質量基準)は2以上10以下である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  4. 前記インクジェットインクは、60℃における粘度が10mPa・s以上25mPa・s以下である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  5. 前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、160g/eq以上300g/eq以下である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  6. 前記重合性化合物は、単官能の重合性化合物を含み、
    前記単官能の重合性化合物の含有量は、前記インクジェットインクの全質量に対して5質量%より多く、40質量%以下である、
    請求項1に記載のインクジェットインク。
  7. 前記単官能の重合性化合物は、分子内にベンゼン環を有する化合物を含む、請求項6に記載のインクジェットインク。
  8. 前記ベンゼン環を有する単官能の重合性化合物における1分子あたりのエチレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)は2以上である、請求項7に記載のインクジェットインク。
  9. 前記ベンゼン環を有する単官能の重合性化合物における1分子あたりのエチレンオキサイド基の数の加重平均値(質量基準)は4以上である、請求項8に記載のインクジェットインク。
  10. 顔料をさらに含み、
    前記顔料が黄顔料のとき、前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、160g/eq以上200g/eq以下であり、
    前記顔料が黒顔料のとき、前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、160g/eq以上210g/eq以下であり、
    前記顔料が赤顔料のとき、前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、200g/eq以上250g/eq以下である、
    または前記顔料が青顔料のとき、前記重合性化合物における重合性基の当量の加重平均値(質量基準)は、200g/eq以上260g/eq以下である、
    請求項1に記載のインクジェットインク。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載のインクジェットインクをインクジェットヘッドから吐出して記録媒体の表面に付与する工程と、
    前記付与されたインクジェットインクに活性線を照射して、前記インクジェットインクを硬化させる工程と、
    を有する、画像形成方法。

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