JP2025035784A - 細胞作製用カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】液が流出する可能性に付帯する設備投資をせずに、安全性を確保すること。
【解決手段】 実施形態に係る細胞作製用カートリッジは、閉鎖系の流路と、前記流路を収容する閉鎖系の容器とを備えている。前記容器は、前記流路内で流体を送液するためのエネルギーを当該容器の外部から受けるエネルギー伝達部を備えている。前記エネルギー伝達部は、前記容器の内外を隔てる境界に位置する。
【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、細胞作製用カートリッジに関する。
細胞を作製する細胞作製プロセスは、例えば、ドナーの組織から細胞を抽出する工程と、その細胞を培養する工程とを含んでいる。これらの工程は、遠心分離機等の大型設備と技師による手技との組み合わせによって行われている。しかしながら、大型設備の準備及び維持は非常に高額である。また、一連の工程では作業が複雑かつ繊細であり、手作業の部分では個人の技量によって細胞の品質にばらつきが生じる。
従って、高品質で安価に細胞を作製するためには、細胞作製プロセスを装置で自動化する必要がある。但し、装置で自動化した場合、配管の流路に細胞を送液する際に、想定外の圧力が加わって配管が外れ、液が流出する可能性がある。このため、安全キャビネットや、バイオセーフティーレベル2(BSL-2)に対応した実験室など、安全性を確保する環境を構築することが求められる。
しかしながら、安全キャビネットやBSL-2対応の環境を構築するには、装置以外にも多額の設備投資が必要となり、安価に製造することが困難となる。従って、液が流出する可能性に付帯する設備投資をせずに、安全性を確保することが望まれる。
特開2016-118681号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、液が流出する可能性に付帯する設備投資をせずに、安全性を確保することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る細胞作製用カートリッジは、流路と、前記流路を収容する容器とを備えている。前記容器は、前記流路内で流体を送液するためのエネルギーを当該容器の外部から受けるエネルギー伝達部を備えている。前記エネルギー伝達部は、前記容器の内外を隔てる境界に位置する。
図1は、一実施形態に係る細胞作製用カートリッジ及びその周辺構成の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1の細胞作製用カートリッジの外観を模式的に示す斜視図である。 図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。 図4は、図1の細胞作製用カートリッジの機能を説明するための模式図である。 図5は、図1の送液機構から細胞作製用カートリッジがエネルギーを受けるダイヤフラムを説明するための模式図である。 図6は、図1の送液機構から細胞作製用カートリッジがエネルギーを受けるバルーンを説明するための模式図である。 図7は、図2の細胞作製用カートリッジにおけるピン部材が流路を開放した様子を模式的に示す断面図である。 図8は、図2の細胞作製用カートリッジにおけるピン部材が流路を閉塞した様子を模式的に示す断面図である。 図9は、一実施形態における動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図10は、一実施形態における動作の一例を説明するための模式図である。 図11は、一実施形態における動作の一例を説明するための模式図である。 図12は、一実施形態における動作の一例を説明するための模式図である。 図13は、一実施形態における動作の一例を説明するための模式図である。 図14は、一実施形態における動作の一例を説明するための模式図である。 図15は、一実施形態の変形例であるベローズを説明するための模式図である。 図16は、一実施形態の他の変形例における動作を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る細胞作製用カートリッジについて説明する。なお、以下の説明は、細胞作製用カートリッジを誘導多能性幹細胞(iPS(induced pluripotent stem)細胞)の作製に用いた場合を例に挙げて述べる。但し、細胞作製用カートリッジは、iPS細胞に限らず、任意の細胞の作製に使用可能である。
図1は、一実施形態に係る細胞作製用カートリッジ及びその周辺構成の一例を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1の細胞作製用カートリッジの外観を模式的に示す斜視図である。図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。細胞作製用カートリッジ1は、例えば、送液機構4の近傍に配置され、培養装置5に着脱自在に保持される。細胞作製用カートリッジ1は、閉鎖系の流路と、流路を収容する閉鎖系の容器とを備えている。閉鎖系の流路は、細胞を含む液体を輸送する流路としてチューブや貯留部などを接続して形成される第1閉鎖構造を有している。閉鎖系の容器は、液体が細胞作製用カートリッジ1の外部に漏れ出さないよう第1閉鎖構造の流路の外側に配置された第2閉鎖構造を有している。すなわち、細胞作製用カートリッジ1は、第1閉鎖構造及び第2閉鎖構造からなる二重閉鎖構造を有している。なお、閉鎖系の流路は、無菌フィルタによって無菌性を確保していれば、当該無菌フィルタを介して当該流路外ないし閉鎖系の容器外に連通していてもよい。また、その場合、無菌フィルタは疎水性を有することが好ましい。細胞作製用カートリッジ1の容器は、樹脂又はプラスチックからなり、当該流路を保持する凹部が形成された容器本体2と、当該凹部を覆うように容器本体2に装着されたフタ3とを備えている。容器本体2及びフタ3は、硬質である。ここで、硬質であることは、弾性率が、後述するチューブ20やバッグ等の軟質部の弾性率の10倍以上であることを意味する。容器本体2及びフタ3は、例えば、樹脂又はプラスチックからなる。樹脂は、例えば、ポリカーボネート(PC)又はポリスチレン(PS)である。容器本体2及びフタ3の少なくとも一方は、光透過性であることが好ましい。例えば、容器本体2及びフタ3の少なくとも一方が可視光透過性を有している場合、細胞作製プロセスを容易に観察できる観点から好ましい。図2では、容器本体2が不透明であり、フタ3が透明である場合の外観を表している。容器本体2の凹部は、閉鎖系の流路の端部を収容する穴11H、12H、14H~17H、19Hと、閉鎖系の流路の中間部を収容する穴13H、18Hと、穴11H~19Hに接続するように形成され、閉鎖系の流路の中間部を収容する溝20Tとを備えている。フタ3の穴3aは、容器本体2の凹部の穴19H上に位置し、穴19Hに収容されたバルーン19を露出させる。フタ3は、容器本体2の凹部の穴11H、12H、14H、15Hを覆う位置にダイヤフラム3Dを備えている。言い換えると、フタ3は、流路のうちの貯留部を覆う位置にダイヤフラム3Dを備えている。ダイヤフラム3D及びバルーン19は、閉鎖系の流路内で流体を送液するためのエネルギーを当該容器の外部から受けるエネルギー伝達部の一例である。ダイヤフラム3D及びバルーン19は、当該容器の内外を隔てる境界に位置する。細胞作製用カートリッジ1のピン部材31~38及びハンドル39は、フタ3を貫通して容器本体2の溝20Tの一部に摺動可能に保持される。なお、穴11H~19Hの個数と、溝20Tの形状とに対応する凹部のレイアウトは、細胞作製プロセスに応じて任意のレイアウトが使用可能となっている。但し、細胞作製用カートリッジ1に対し、送液機構4及び培養装置5の両方を装着する場合、干渉を避けるため、送液機構4に関する領域(穴11H、12H、14H、15H、19H)と、培養装置5に関する領域(穴17H)とを離したレイアウトにする。一方、細胞作製用カートリッジ1に対し、送液機構4及び培養装置5を片方ずつ装着する場合、送液機構4に関する領域(穴11H、12H、14H、15H、19H)と、培養装置5に関する領域(穴17H)とを近接したレイアウトとしてもよい。フタ3の穴3a及びダイヤフラム3Dと、細胞作製用カートリッジ1のピン部材31~38及びハンドル39とについても同様に任意のレイアウトが使用可能である。なお、細胞作製用カートリッジ1の容器は、当該無菌フィルタを介して当該容器内外を連通していてもよい。また、その場合、無菌フィルタは疎水性を有することが好ましい。
送液機構4は、ダイヤフラム3Dにエネルギーを印加する第1機構41と、バルーン19にエネルギーを印加する第2機構42とを備えている。第1機構41は、先端がダイヤフラム3Dの上方に位置する第1アーム41aと、第1アーム41aの先端で保持及び制御され、ダイヤフラム3Dを介してピストンを押圧する棒状部材41bと、を備えている。第1機構41の個数は、ダイヤフラム3Dの個数と同数であり、ダイヤフラム3Dの個数に応じて適宜、変更可能となっている。第2機構42は、先端がバルーン19の上方に位置する第2アーム42aと、第2アーム42aの先端で保持及び制御され、バルーン19を押圧する柱状部材42bと、を備えている。第2機構42の個数は、バルーン19の個数と同数であり、バルーン19の個数に応じて適宜、変更可能となっている。
培養装置5は、着脱自在に保持した細胞作製用カートリッジ1の環境を調整する。具体的には例えば、培養装置5は、保持した細胞作製用カートリッジ1の穴17Hに収容された培養部(図示せず)の温度、湿度、CO2濃度といった環境を調整する。
図4は、図1の細胞作製用カートリッジの機能を説明するための模式図である。細胞作製用カートリッジ1は、閉鎖系の流路として、懸濁液供給部11、誘導因子供給部12、捕捉部13、樹立部14、洗浄液供給部15、廃液収容部16、培養部17、培地供給部18、バルーン19、チューブ20、コネクタCN及びバルブVLを有する。閉鎖系の流路は、細胞作製に用いられる流体を貯留し、少なくとも一部が可動である貯留部として、懸濁液供給部11、誘導因子供給部12、樹立部14、洗浄液供給部15及び培地供給部18を有する。ダイヤフラム3Dは、エネルギーに応じた駆動力を貯留部(懸濁液供給部11、誘導因子供給部12、樹立部14、洗浄液供給部15)の少なくとも一部に伝達する。バルーン19は、エネルギーに応じた駆動力を貯留部(培地供給部18)の少なくとも一部に伝達する。これらダイヤフラム3D及びバルーン19は、可動な部分であり、エネルギーに応じた力学的作用を当該可動な部分を介して、貯留部に伝達する。補足すると、細胞作製用カートリッジ1の一部(ダイヤフラム3D及びバルーン19)は、流体を送液するエネルギーを閉鎖系の流路内に伝達させるため、外部からの運動エネルギーの印加に追従して変形可能な構造となっている。同様に、貯留部の少なくとも一部は、エネルギー伝達部からの力学的作用の伝達に追従して変形可能な構造となっている。懸濁液供給部11、誘導因子供給部12、捕捉部13、樹立部14、洗浄液供給部15、廃液収容部16、培養部17、培地供給部18、バルーン19及びコネクタCNは、凹部の穴11H~19Hに収容されている。穴11H~19Hは、シリンジやバッグ等の収容物を支持する支持部材(図示せず)が形成されていてもよい。チューブ20及びバルブVLは、溝20Tに収容されている。溝20Tは、チューブ20、バルブVL、コネクタCN等を嵌め込み可能な嵌合部を有してもよい。チューブ20は、貯留部から送出された流体を通過させる。コネクタCNは、チューブ20を貯留部に着脱自在に接続する。
また、閉鎖系の流路は、例えば、ピン部材31~38で開放又は閉塞されるチューブ20で形成される第1の流路21、第2の流路22及び第3の流路23を有する。第1の流路21は、流路の方向(上流から下流)に、洗浄液供給部15、懸濁液供給部11、捕捉部13、誘導因子供給部12、及び廃液収容部16が設けられる。第1の流路21は、懸濁液供給部11によって供給された懸濁液と、誘導因子供給部12によって供給された誘導因子とが流入する。第1の流路21において、懸濁液は第1の方向に流入し、誘導因子は第1の方向とは反対の第2の方向に流入する。第2の流路22は、第1の流路21の捕捉部13よりも上流側で分岐されて設けられ、下流側に樹立部14が設けられる。第2の流路22は、第1の流路21における懸濁液の流入口と捕捉部13との間の位置で第1の流路21から分岐される。第3の流路23は、第2の流路22の下流側で接続され、上流側には培地供給部18が設けられ、下流側には培養部17が設けられる。
懸濁液供給部11は、目的細胞を含む懸濁液を供給する。懸濁液は、人体から採取された目的細胞が懸濁された血液でもよいし、目的細胞が懸濁された保存液でもよい。目的細胞は、誘導因子による初期化の対象となる細胞である。目的細胞は、初期化が可能な体細胞であれば、血液由来の細胞でもよいし、血液以外に由来する体細胞でもよい。血液由来の目的細胞としては、単核細胞が用いられる。
懸濁液供給部11は、例えば図5に示すように、シリンジとピストンとを含む注入器から構成される。シリンジは、懸濁液を収容可能であり、懸濁液が外気に曝されることを抑制又は防止可能に密閉性を有する。また、シリンジの先端部は、コネクタCNと、ピン部材31が上方に配置されたチューブ20を介して第1の流路21に接続される。ピストンは、ダイヤフラム3Dを介して棒状部材41bから押し下げられることで、シリンジに収容された懸濁液を吐出する。シリンジは貯留部の一例である。
誘導因子供給部12は、誘導因子入り培地を捕捉部13に供給する。誘導因子入り培地は、誘導因子と誘導多能性幹細胞を樹立するための培地とを有する。誘導因子は、目的細胞を初期化するものであり、具体的には、Octファミリー遺伝子、Klfファミリー遺伝子及びMycファミリー遺伝子、又はこれらの各遺伝子産物である。一例として、Octファミリー遺伝子としてはOct3/4、Klfファミリー遺伝子としてはKlf4、Mycファミリー遺伝子としてはc-MycもしくはL-Mycが用いられる。また、誘導因子は、Soxファミリー遺伝子又はその遺伝子産物でもよい。Soxファミリー遺伝子としては、Sox2が用いられる。
誘導因子供給部12は、例えば、シリンジとピストンとを含む注入器から構成される。シリンジは、誘導因子入り培地を収容可能であり、誘導因子入り培地が外気に曝されることを抑制又は防止可能に密閉性を有する。また、シリンジの先端部は、コネクタCNと、ピン部材33、34が上方に配置されたチューブ20を介して第1の流路21に接続される。ピストンは、ダイヤフラム3Dを介して棒状部材41bから押し下げられることで、シリンジに収容された誘導因子入り培地を吐出する。
捕捉部13は、第1の流路21において、懸濁液供給部11と誘導因子供給部12との間に設けられる。つまり、捕捉部13は、第1の流路21において、懸濁液の流入口と誘導因子の流入口との間に設けられる。捕捉部13は、懸濁液供給部11から供給された懸濁液に含まれる目的細胞を捕捉する。捕捉部13は、目的細胞を捕捉可能であり且つ目的細胞よりも粒径の小さい他の物質を通過可能な開き目を有するフィルタ131を含む容器から構成される。
樹立部14は、第2の流路22に連結され、ピン部材35、36が上方に配置されたチューブ20を含む第2の流路22を介して目的細胞と誘導因子とが供給される。樹立部14は、捕捉部13に捕捉された目的細胞に、捕捉部13に供給された誘導因子を導入して誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を樹立させる。また、樹立部14は、樹立した誘導多能性幹細胞を、第2の流路22から、ピン部材37が上方に配置されたチューブ20を含む第3の流路23を介して培養部17に移動する。
樹立部14は、例えば、シリンジとピストンとを含む注入器から構成される。シリンジは、誘導因子供給部12から供給され、捕捉部13を通過した誘導因子入り培地と、捕捉部13に捕捉された目的細胞とを収容可能であり、誘導因子入り培地及び目的細胞が外気に曝されることを抑制又は防止可能に密閉性を有する。また、シリンジは、目的細胞に誘導因子を導入することで樹立されたiPS細胞を収容可能である。シリンジの先端部は、コネクタCNと、ピン部材36が上方に配置されたチューブ20を介して第2の流路22に接続される。ピストンは、ダイヤフラム3Dを介して棒状部材41bから押し下げられることで、シリンジに収容されたiPS細胞を吐出する。
洗浄液供給部15は、洗浄液を第1の流路21に供給し、洗浄液によって、捕捉部13を洗浄する。洗浄液は、例えば、生理食塩水等であり、目的細胞への損傷の影響が少ない液体が用いられる。
洗浄液供給部15は、例えば、シリンジとピストンとを含む注入器から構成される。シリンジは、洗浄液を収容可能であり、洗浄液が外気に曝されることを抑制又は防止可能に密閉性を有する。また、シリンジの先端部は、コネクタCNと、ピン部材32が上方に配置されたチューブ20を介して第1の流路21に接続される。ピストンは、ダイヤフラム3Dを介して棒状部材41bから押し下げられることで、シリンジに収容された洗浄液を吐出する。
廃液収容部16は、廃液を収容する容器である。廃液収容部16は、捕捉部13を通過した懸濁液や洗浄液を廃液として収容する。廃液収容部16は、フラスコやバッグ等、廃液を収容可能な容器でよい。
培養部17は、樹立部14により樹立されたiPS細胞を培養する。培養部17は、ウェルプレートやフラスコ、ディッシュ、バッグ等、iPS細胞を培養可能な容器でもよい。
培地供給部18は、iPS細胞を培養するための培地を、ピン部材38が上方に配置されたチューブ20を介して接続された第3の流路23を介して培養部17に供給する。培地供給部18は、培地を貯留する容器であり、バッグ等の容器が使用可能となっている。
培地供給部18は、例えば図6に示すように、上端と下端にチューブを有するバッグから構成される。バッグは、培地を収容可能であり、培地が外気に曝されることを抑制又は防止可能に密閉性を有する。また、バッグの下端のチューブは、コネクタCNと、ピン部材38が上方に配置されたチューブ20を介して第3の流路23に接続される。バッグの上端のチューブは、コネクタCN及びバルブVLを介してバルーン19に接続される。バルブVLは、着脱自在なハンドル39が装着されると、ハンドル39の操作に応じて、開閉可能となっている。バルーン19は、柱状部材42bから押圧されることで、収容した空気を、バルブVL、コネクタCN及びチューブを介して培地供給部18の上端に導入する。培地供給部18は、導入された空気により押圧された培地を、下端のチューブから第3の流路23に供給する。
また、第1の流路21を構成する弾性変形可能なチューブ20の上方には、上下方向に移動可能にピン部材31~34が設けられる。ピン部材31、32は、第1の流路21の一端側(上流側)のチューブ20の上方に配置され、当該チューブ20には懸濁液供給部11及び洗浄液供給部15が接続される。ピン部材31は、図7に示すチューブ20の開放又は図8に示すチューブ20の閉塞により、懸濁液供給部11から供給された懸濁液の第1の流路21への供給と停止を切り替え可能としている。なお、図7(a)は、チューブ20に略平行な断面を示し、図7(b)は、チューブ20に略直交する断面を示しており、それぞれピン部材31の先端31aがチューブ20に接していない。また、ピン部材31は、例えば、外側に付勢されるボール31bを有するボールピンとしてもよい。ボール31bは、溝20Tに形成された穴20Taに係合することで位置決め部材として機能する。同様に、図8(a)は、チューブ20に略平行な断面を示し、図8(b)は、チューブ20に略直交する断面を示しており、それぞれピン部材31の先端31aがチューブ20の一部を押しつぶすことで流路を閉塞している。溝20Tに形成された穴20Taは、ピン部材31がチューブ20を閉塞させる位置に対応して形成されている。なお、他のピン部材32~38も図7及び図8に示したピン部材31と同様に機能する。ピン部材32は、チューブ20の開放又は閉塞により、洗浄液供給部15から供給された洗浄液の第1の流路21への供給と停止を切り替え可能としている。ピン部材33は、第1の流路21の他端側(下流側)のチューブ20の上方に配置され、当該チューブ20には誘導因子供給部12が接続される。ピン部材33は、チューブ20の開放又は閉塞により、誘導因子入り培地の第1の流路21への供給と停止が切り替え可能としている。また、第1の流路21において、廃液収容部16の入口側に接続されたチューブ20の上方にはピン部材34が配置される。ピン部材34は、チューブ20の開放又は閉塞により、捕捉部13を通過した懸濁液や洗浄液の廃液収容部16への供給と停止を切り替え可能としている。
第2の流路22を構成するチューブ20の上方には、ピン部材35~37が設けられる。ピン部材35は、チューブ20の開放又は閉塞により、捕捉部13を通過した誘導因子入り培地、および、捕捉部13に捕捉された目的細胞の第2の流路22への供給と停止を切り替え可能としている。ピン部材36、37は、チューブ20の開放又は閉塞により、樹立部14で樹立された誘導多能性幹細胞の第3の流路23への供給と停止を切り替え可能としている。ピン部材38は、チューブ20の開放又は閉塞により、培地供給部18から供給された培地の第3の流路23への供給と停止を切り替え可能としている。このようなピン部材31~38は、流路に直交する方向に沿って移動可能に容器本体2及びフタ3に保持され、流路の一部を弾性変形させることにより、流路を閉塞する閉塞部材の一例である。
第1の流路21、第2の流路22、第3の流路23を構成するチューブ20は、例えば、ビニル又はプラスチック製のチューブ等、密閉性および可撓性を有する管状部材から構成される。これにより、第1の流路21、第2の流路22、第3の流路23を通る各種液体が外気に曝されることを抑制又は防止する。
以上のように構成された細胞作製用カートリッジ及びその周辺構成の動作例について図9のフローチャート及び図10乃至図14の模式図を用いて説明する。以下の説明では、懸濁液がドナーから採取された血液であるとする。細胞作製用カートリッジ1において、懸濁液供給部11には1回分の血液が、誘導因子供給部12には1回分の誘導因子入り培地が、洗浄液供給部15には1回分の洗浄液が貯留されているものとする。すなわち、細胞作製用カートリッジ1は、1回分の細胞作製プロセスのみに使用される、使い捨て(disposable)のものである。また、細胞作製用カートリッジ1では、ピン部材31~38が流路21~23を閉塞しており、バルブVLが閉状態にあるとする。また、細胞作製プロセスにおける各ステップST11~ST16は、ユーザが介入せず、送液機構4、培養装置5、搬送装置、切替装置及び制御装置を備えた自動機構によって動作する。但し、各ステップST11~ST16は、必要により、ユーザが介入してもよい。
ステップST11において、細胞作製用カートリッジ1は、図示しない搬送装置により、送液機構4の下方に搬送され、培養装置5にセット(装着)される。しかる後、細胞作製用カートリッジ1には、ピン部材31~38及びハンドル39を切り替え可能な切替装置(図示せず)が装着される。
ステップST11の後、ステップST12において、細胞作製用カートリッジ1は、図示しない切替装置によってピン部材31~38の各々の挿入位置が制御され、チューブ20の開放状態又は閉塞状態が切り替えられる。これにより、流路21~23が切り替えられる。
ステップST12の後、ステップST13において、送液機構4は、エネルギーを細胞作製用カートリッジ1に印加する。例えば、第1機構41がダイヤフラム3Dを介してピストンを押圧する。あるいは、第2機構42がバルーン19を押圧する。
ステップST13の後、ステップST14において、細胞作製用カートリッジ1は、印加されたエネルギーに応じて、切り替え後の流路に沿って液体を送出する。
ステップST14の後、ステップST15において、図示しない制御装置が、細胞作製プロセスが終了したか否かを判定する。この判定の結果、否の場合には、当該制御装置は、ステップST12に戻り、ステップST12~ST15の処理を繰り返すように、切替装置及び送液機構4を制御する。一方、ステップST14の判定の結果、細胞作製プロセスが終了した場合には、当該制御装置は、培養装置5を起動してステップST16に移行する。
ステップST15の後、ステップST16において、培養装置5は、細胞作製用カートリッジ1に収容された培養部17の環境を調整する。これにより、培養部17内の細胞が培養される。また、必要により、制御装置は、切替装置及び送液機構4の制御により、細胞作製用カートリッジ1の培地供給部18から培地を培養部17に供給する。しかる後、培養が終了すると、細胞作製プロセスが終了する。
次に、以上の動作のうち、細胞作製用カートリッジ1の流路に関するステップST12~ST14の繰り返し動作及びステップST16の動作について一例を説明する。
(1回目のステップST12~ST14)
細胞作製用カートリッジ1は、図10に示すように、図示しない切替装置によってピン部材31、34の先端位置がチューブ20を開放するように引き上げられる。これにより、細胞作製用カートリッジ1は、懸濁液供給部11が捕捉部13及び流路21を介して廃液収容部16に連通するように流路が切り替えられる(ステップST12)。図10中、ピン部材31~38を表す丸印において、流路と重なる直線が流路の開放状態を表し、流路と直交する直線が流路の閉塞状態を表す。他の図も同様である。
送液機構4は、第1機構41がダイヤフラム3Dを介して懸濁液供給部11のピストンを押圧することにより、エネルギーを懸濁液供給部11に印加する(ステップST13)。
懸濁液供給部11は、印加されたエネルギーに応じて、切り替え後の流路に沿って懸濁液を送出する(ステップST14)。このとき、懸濁液供給部11は、目的細胞を含む懸濁液(血液)を、第1の流路21を介して順方向に沿って捕捉部13に供給する。順方向は、懸濁液が廃液収容部16へ向かう方向に規定される。具体的には、懸濁液供給部11は、iPS細胞を作製するために必要な目的細胞を含む1回分の懸濁液を第1の流路21に吐出する。第1の流路21に吐出された懸濁液は、捕捉部13に流入される。捕捉部13に流入された懸濁液に含まれる各種成分(物質)のうちのフィルタ131の開き目よりも大きい粒径を有する成分が捕捉され、フィルタ131の開き目よりも小さい粒径を有する成分がフィルタ131を通過する。フィルタ131としては、例えば、白血球と同サイズの成分を捕捉可能な開き目を有するフィルタが用いられるとよい。目的細胞は、開き目よりも粒径が大きいので、フィルタ131により捕捉されることとなる。目的細胞ではない赤血球等は、開き目よりも粒径が小さいのでフィルタ131を通過する。捕捉部13を通過した血液成分は、廃液として、廃液収容部16に収容される。
(2回目のステップST12~ST14)
細胞作製用カートリッジ1は、図11に示すように、図示しない切替装置によってピン部材31の先端位置がチューブ20を閉塞するように押し下げられた後、ピン部材32の先端位置がチューブ20を開放するように引き上げられる。これにより、細胞作製用カートリッジ1は、洗浄液供給部15が捕捉部13及び流路21を介して廃液収容部16に連通するように流路が切り替えられる(ステップST12)。
送液機構4は、第1機構41がダイヤフラム3Dを介して洗浄液供給部15のピストンを押圧することにより、エネルギーを洗浄液供給部15に印加する(ステップST13)。
洗浄液供給部15は、印加されたエネルギーに応じて、切り替え後の流路に沿って洗浄液を送出する(ステップST14)。このとき、洗浄液供給部15は、第1の流路21及び捕捉部13に残留する目的細胞以外の不要血液成分を洗浄液で廃液収容部16に流し込む。不要血液成分としては、主に血漿成分、赤血球成分と血小板成分である。なお、洗浄液供給部15のピストンを押し引きし、洗浄液の吐出及び吸引を繰り返すことにより、第1の流路21や捕捉部13に絡まっている不要血液成分を引き離して効率良く洗い流してもよい。
(3回目のステップST12~ST14)
細胞作製用カートリッジ1は、図12に示すように、図示しない切替装置によってピン部材32、34の先端位置がチューブ20を閉塞するように押し下げられた後、ピン部材33、35、36の先端位置がチューブ20を開放するように引き上げられる。これにより、細胞作製用カートリッジ1は、誘導因子供給部12が捕捉部13及び流路21、22を介して樹立部14に連通するように流路が切り替えられる(ステップST12)。
送液機構4は、第1機構41がダイヤフラム3Dを介して誘導因子供給部12のピストンを押圧することにより、エネルギーを誘導因子供給部12に印加する(ステップST13)。
誘導因子供給部12は、印加されたエネルギーに応じて、切り替え後の流路に沿って誘導因子入り培地を送出する(ステップST14)。このとき、誘導因子供給部12は、第1の流路21を介して、順方向とは逆方向に沿って、誘導因子入り培地を捕捉部13に供給し、誘導因子入り培地と目的細胞とを第2の流路22を介して樹立部14に供給する。具体的には、誘導因子供給部12は、貯留されている1回分の誘導因子入り培地を吐出する。吐出された誘導因子入り培地は、懸濁液の流れ方向とは逆方向から捕捉部13に流入する。捕捉部13に流入した誘導因子入り培地は、フィルタ131を通過し、フィルタ131に捕捉されている目的細胞と共に、第2の流路22を介して樹立部14に流れ込む。樹立部14のシリンジに誘導因子入り培地と目的細胞とを収容するため、予め樹立部14のピストンを限界まで引いておくとよい。
樹立部14において誘導因子が目的細胞に導入され、目的細胞からiPS細胞が樹立される。誘導因子は、様々な形態で供給可能である。例えば、誘導因子は各種ベクターに組み込んで供給されるとよい。ベクターとしては、特に限定されないが、センダイウイルスベクターやレトロウイルスベクター等のウイルスベクターでもよいし、プラスミド等の非ウイルス性ベクターでもよい。例えば、誘導因子が組み込まれたセンダイウイルスベクターを用いる場合、当該センダイウイルスベクターと目的細胞とが接触することにより、誘導因子が目的細胞に導入される。その後、誘導因子の遺伝子産物が合成される。当該遺伝子産物の作用により目的細胞の初期化が誘導され、多能性及び増殖能を有する未分化細胞であるiPS細胞が生成されることとなる。iPS細胞は、培地の存在下のもとで1時間程度培養される。これによりiPS細胞が樹立される。樹立作業時において樹立部14は37度、5%CO2程度に保たれていればよい。
なお、樹立部14におけるiPS細胞の樹立精度を高めるため、樹立部14のシリンジとして、比較的小さい容積の容器が用いられるとよい。これにより、目的細胞と誘導因子又は誘導因子が組み込まれたベクターとが接触する確率が高まり、ひいては、iPS細胞が樹立する確率が高まるためである。
(4回目のステップST12~ST14)
細胞作製用カートリッジ1は、図13に示すように、図示しない切替装置によってピン部材33、35の先端位置がチューブ20を閉塞するように押し下げられた後、ピン部材37の先端位置がチューブ20を開放するように引き上げられる。これにより、細胞作製用カートリッジ1は、樹立部14が流路22、23を介して培養部17に連通するように流路が切り替えられる(ステップST12)。
送液機構4は、第1機構41がダイヤフラム3Dを介して樹立部14のピストンを押圧することにより、エネルギーを樹立部14に印加する(ステップST13)。
樹立部14は、印加されたエネルギーに応じて、切り替え後の流路に沿って、樹立したiPS細胞を送出する(ステップST14)。このとき、樹立部14は、iPS細胞懸濁液を第2の流路22に吐出する。第2の流路22に吐出されたiPS細胞懸濁液は、培養部17に移動する。
(ステップST16)
培養装置5は、細胞作製用カートリッジ1に収容された培養部17の環境を37度程度の室温に調整する。培養部17は、移動されたiPS細胞を培養する。また、必要により、制御装置は、切替装置及び送液機構4の制御により、細胞作製用カートリッジ1の培地供給部18から培地を培養部17に供給する。例えば、細胞作製用カートリッジ1は、図14に示すように、図示しない切替装置によってピン部材36、37の先端位置がチューブ20を閉塞するように押し下げられた後、ピン部材38の先端位置がチューブ20を開放するように引き上げられる。これにより、細胞作製用カートリッジ1は、培地供給部18が流路23を介して培養部17に連通するように流路が切り替えられる。また例えば、細胞作製用カートリッジ1は、図示しない切替装置によってハンドル39がバルブVLを開放するように操作される。これにより、細胞作製用カートリッジ1は、バルーン19がバルブVLを介して培地供給部18に連通するように流路が切り替えられる。
送液機構4は、第2機構42がバルーン19を押圧することにより、エネルギーを培地供給部18に印加する。
培地供給部18は、印加されたエネルギーに応じて、切り替え後の流路に沿って、培地を送出する。このとき、培地供給部18は、培地を第3の流路23に吐出する。第3の流路23に吐出された培地は、培養部17に移動する。しかる後、培養が終了すると、細胞作製プロセスが終了する。
上述したように一実施形態によれば、細胞作製用カートリッジ1は、流路と、流路を収容する容器とを備えている。流路は閉鎖系の流路としてもよい。容器は閉鎖系の容器としてもよい。容器は、流路内で流体を送液するためのエネルギーを当該容器の外部から受けるエネルギー伝達部を備えている。エネルギー伝達部は、容器の内外を隔てる境界に位置する。従って、仮に閉鎖系の流路が破損して流体が漏れても、当該漏れた流体を閉鎖系の容器が外部に流出させない。このため、液が流出する可能性に付帯する設備投資をせずに、安全性を確保することができる。補足すると、一実施形態によれば、安全キャビネットや実験室といった大域的な設備ではなく、細胞作製用カートリッジ1内で局所的に安全性を確保することができる。また、一実施形態によれば、細胞作製用カートリッジ1を位置決めして培養装置5などに配置すれば、収容された閉鎖系の流路や送液のためのエネルギー伝達部も一括して位置決めされて配置されるので、操作性を向上させることができる。すなわち、一実施形態によれば、閉鎖系の流路と、流路を収容する閉鎖系の容器といった二重閉鎖構造により、安全性と操作性を両立することができる。また、操作性を向上でき、且つ付帯する設備投資を省略できるので、高品質かつ安価な細胞作製が可能になる。また、細胞作製用カートリッジ1を自動機構にセットし、流体を送液するプロセス、流路を切り替えるプロセス、細胞を培養するプロセスといった、ユーザの技量を要するプロセスを自動化した場合、ユーザの技量によらず、安定した品質を確保することができる。
また、一実施形態によれば、流路は、細胞作製に用いられる流体を貯留し、少なくとも一部が可動である貯留部を有する。エネルギー伝達部は、エネルギーに応じた駆動力を貯留部の少なくとも一部に伝達する。従って、前述した効果に加え、貯留部がエネルギーに応じた駆動力を伝達されると、駆動力に応じて稼働することにより流体を吐出するので、流体内で流体を送液することができる。
また、一実施形態によれば、エネルギー伝達部は、可動な部分であり、エネルギーに応じた力学的作用を当該可動な部分を介して、貯留部に伝達する。従って、前述した効果に加え、可動な部分がエネルギーに応じた力学的作用を伝達する構成により、エネルギーを力学的作用に変換する際の損失が小さいため、細胞作製用カートリッジ1に印加するエネルギーの節約を図ることができる。
また、一実施形態によれば、貯留部は、シリンジである。従って、前述した効果に加え、定量的な精密送液を実現することができる。
また、一実施形態によれば、エネルギー伝達部は、ダイヤフラム3Dである。従って、前述した効果に加え、送液量が比較的少量の場合、変位量が小さいダイヤフラムという簡素な構成でエネルギー伝達部を実現することができる。
また、一実施形態によれば、エネルギー伝達部は、バルーン19である。従って、前述した効果に加え、定量不要な簡易送液を実現することができる。
また、一実施形態によれば、細胞作製用カートリッジ1における容器は、閉鎖系の流路を保持する凹部が形成された容器本体2と、当該凹部を覆うように容器本体2に装着されたフタ3と、を備えている。フタ3は、当該流路のうちの貯留部を覆う位置にエネルギー伝達部を備えている。従って、前述した効果に加え、容器本体2のフタ3を閉じるだけで、貯留部とエネルギー伝達部とを対向配置できるので、貯留部とエネルギー伝達部との位置決めを容易に行うことができる。
また、一実施形態によれば、ピン部材31~38が、流路に直交する方向に沿って移動可能に容器本体2及びフタ3に保持され、流路の一部を弾性変形させることにより、流路を閉塞する。従って、前述した効果に加え、ピン部材31~38がチューブ20を押しつぶすという簡素な構成で流路の閉塞を実現することができる。
また、一実施形態によれば、流路は、貯留部から送出された流体を通過させるチューブと、チューブを貯留部に着脱自在に接続するコネクタと、を備えている。従って、前述した効果に加え、コネクタを介して、任意の貯留部を流路に着脱することができる。
(変形例1)
一実施形態では、細胞作製用カートリッジ1が送液機構4からエネルギーを受けるためにダイヤフラム3Dを備えたが、これに限定されない。例えば、細胞作製用カートリッジ1は、図15に示すように、ダイヤフラム3Dに代えて、ベローズ3Bを備えてもよい。このような変形例としても、一実施形態と同様の効果に加え、送液量が比較的多量の場合、変位量が大きいベローズという簡素な構成でエネルギー伝達部を実現することができる。ベローズ3Bは、エネルギー伝達部の他の一例である。
(変形例2)
一実施形態では、メーカ等で製造された完成品の細胞作製用カートリッジ1を用いたが、これに限定されない。例えば図16に示すように、細胞作製用カートリッジ1は、ユーザによって組み立てられてもよい。図16中、ユーザは、樹立部14、廃液収容部16及び培養部17といった下流側の各部が接続された閉鎖系の流路を収容した容器本体2を準備する(ステップST1)。ステップST1において、ユーザは、メーカ等で製造された容器本体2に閉鎖系の流路を収容してもよい。あるいは、ユーザは、メーカ等で製造された、閉鎖系の流路を収容した容器本体2を取得してもよい。続いて、ユーザは、誘導因子供給部12、洗浄液供給部15、及び培地供給部18を流路のコネクタCNに接続する(ステップST2)。また、ユーザは、空気が充満したバルーン19をバルブVLが閉じた状態で培地供給部18の上側のコネクタCNに接続する(ステップST3)。また、ユーザは、懸濁液供給部11を流路のコネクタCNに接続する(ステップST4)。これにより、容器本体2において、閉鎖系の流路が形成される。続いて、ユーザは、容器本体2のフタ3を閉める。これにより、閉鎖系の流路を収容した閉鎖系の容器が形成される(ステップST5)。しかる後、ユーザは、ピン部材31~38及びハンドル39を閉鎖系の容器に装着する(ステップST6)。これにより、細胞作製用カートリッジ1の組み立てが完了する(ステップST7)。このような変形例の場合、一実施形態の作用効果に加え、ユーザが使用したい液体を貯留した懸濁液供給部11、洗浄液供給部15、誘導因子供給部12及び培地供給部18を用いることができる。
(変形例3)
一実施形態では、懸濁液供給部11、誘導因子供給部12、樹立部14及び洗浄液供給部15は、シリンジとピストンとにより構成されるものとしたが、これに限定されない。例えば、懸濁液供給部11、誘導因子供給部12、樹立部14及び洗浄液供給部15は、適宜、バルーン19が接続され、可撓性を有する容器としてもよい。可撓性を有する容器は、プラスチック製又はビニル製の可撓性を有するバッグが適当である。このような変形例としても、一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(変形例4)
一実施形態では、培地供給部18は、プラスチック製又はビニル製のバッグにより構成され、バルーン19が接続されるものとしたが、これに限定されない。例えば、培地供給部18は、シリンジとピストンとにより構成されるものとし、バルーン19とは無関係なものしてもよい。このような変形例としても、一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(変形例5)
一実施形態では、ピン部材31~38によりチューブ20の一部を押しつぶすことで流路を閉塞したが、これに限定されない。例えば、チューブ20に電磁弁を接続し、電磁弁の制御に応じて流路を開閉させてもよい。このような変形例としても、一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(変形例6)
一実施形態では、ピン部材31~38のいずれかが適宜、チューブ20を押しつぶすことで流路を切り替えたが、これに限定されない。例えば、チューブ20の上方に配置したピン部材31~38に代えて、チューブ20の分岐部に三方弁を配置し、三方弁により、流路を切り替えてもよい。このような変形例としても、一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(変形例7)
一実施形態では、細胞作製用カートリッジ1が、流路内で流体を送液するためのエネルギーとして、運動エネルギーを送液機構4から受けたが、これに限定されない。例えば、細胞作製用カートリッジ1は、流路内で流体を送液するためのエネルギーとして、位置エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギー、光エネルギー、化学エネルギーのいずれかを送液機構4から受けてもよい。細胞作製用カートリッジ1は、受けたエネルギーから流路に圧力勾配を発生させる機構を予め備えることにより、受けたエネルギーに応じて流体を送液することができる。
(変形例8)
一実施形態では、細胞作製用カートリッジ1が、直方体を構成する6面の長方形のうち、上面及び底面が他の4面よりも大きい、横長の直方体形状を有したが、これに限定されない。例えば、細胞作製用カートリッジ1は、直方体を構成する6面の長方形のうち、対向する2つの側面が他の4面よりも大きい、縦長の直方体形状を有してもよい。このような変形例としても、一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(変形例9)
一実施形態では、細胞作製用カートリッジ1が、1種類の閉鎖系の流路のみを収容可能なレイアウトを有していたが、これに限定されない。例えば、細胞作製用カートリッジ1は、2種類の閉鎖系の流路を収容可能なレイアウトを有していてもよい。この場合、細胞作製用カートリッジ1の容器本体2は、2つの流路の両方で使用される凹部と、一方の流路のみに使用される凹部と、他方の流路のみに使用される凹部とからなるレイアウトを有する。同様に、細胞作製用カートリッジ1は、3種類以上の閉鎖系の流路を収容可能なレイアウトを有していてもよい。このような変形例によれば、一実施形態の効果に加え、細胞作製用カートリッジ1の汎用性を向上させることができる。
(変形例10)
一実施形態では、細胞作製用カートリッジ1を、閉鎖系の流路と、流路を収容する閉鎖系の容器といった二重閉鎖構造としたが、これに限定されない。例えば、細胞作製用カートリッジ1は、当該二重閉鎖構造を更に収容する容器を備えた三重閉鎖構造としてもよい。あるいは、細胞作製用カートリッジ1は、三重閉鎖構造に限らず、四重以上の多重閉鎖構造としてもよい。このような変形例によれば、一実施形態の効果に加え、細胞作製用カートリッジ1を落下させてしまったときの衝撃から閉鎖系の流路を保護することが期待できるため、より安全性の向上を図ることができる。
(変形例11)
一実施形態では、フタ3の全面が透明であったが、これに限定されない。例えば、フタ3は、全面が不透明でもよく、特定の領域のみが透明であってもよい。また、フタ3に遮光フィルタを着脱自在に取付可能とすることで、透明な領域を必要に応じて遮光できる構成としてもよい。これにより、遮光が必要な液体を貯留したり、遮光環境で細胞を培養したりすることができる。
(変形例12)
一実施形態では、容器本体2の全面が不透明であったが、これに限定されない。例えば、容器本体2は、全面が透明でもよく、特定の領域のみが透明であってもよい。また、容器本体2の全面を透明とした際に、容器本体2の特定の面のみや特定の面の一部の領域のみに遮光フィルタを着脱自在に取付可能とすることで、透明な領域を必要に応じて遮光できる構成としてもよい。これにより、遮光が必要な液体を貯留したり、遮光環境で細胞を培養したりすることができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、液が流出する可能性に付帯する設備投資をせずに、安全性を確保することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上の実施形態に関し、発明の一側面及び選択的な特徴として以下の付記を開示する。(付記1)
流路と、前記流路を収容する容器とを備えた細胞作製用カートリッジ。
前記容器は、前記流路内で流体を送液するためのエネルギーを当該容器の外部から受けるエネルギー伝達部を備えてもよい。
前記エネルギー伝達部は、前記容器の内外を隔てる境界に位置してもよい。
(付記2)
前記流路は、細胞作製に用いられる流体を貯留し、少なくとも一部が可動である貯留部を有してもよい。
前記エネルギー伝達部は、前記エネルギーに応じた駆動力を前記貯留部の前記少なくとも一部に伝達してもよい。
(付記3)
前記エネルギー伝達部は、可動な部分であり、前記エネルギーに応じた力学的作用を前記可動な部分を介して、前記貯留部に伝達してもよい。
(付記4)
前記貯留部は、シリンジであってもよい。
(付記5)
前記エネルギー伝達部は、ダイヤフラムであってもよい。
(付記6)
前記エネルギー伝達部は、ベローズであってもよい。
(付記7)
前記エネルギー伝達部は、バルーンであってもよい。
(付記8)
前記容器は、
前記流路を保持する凹部が形成された容器本体と、
前記凹部を覆うように前記容器本体に装着されたフタと、
を備えてもよい。
前記フタは、前記流路のうちの前記貯留部を覆う位置に前記エネルギー伝達部を備えてもよい。
(付記9)
前記流路に直交する方向に沿って移動可能に前記容器本体及び前記フタに保持され、前記流路の一部を弾性変形させることにより、前記流路を閉塞する閉塞部材、を更に備えてもよい。
(付記10)
前記流路は、前記貯留部から送出された流体を通過させるチューブと、前記チューブを前記貯留部に着脱自在に接続するコネクタと、を更に備えてもよい。
(付記11)
前記流路は、閉鎖系の流路であってもよい。
(付記12)
前記容器は、閉鎖系の容器であってもよい。
1 細胞作製用カートリッジ
2 容器本体
3 フタ
3a、11H~19H、20Ta 穴
3B ベローズ
3D ダイヤフラム
4 送液機構
5 培養装置
11 懸濁液供給部
12 誘導因子供給部
13 捕捉部
131 フィルタ
14 樹立部
15 洗浄液供給部
16 廃液収容部
17 培養部
18 培地供給部
19 バルーン
20 チューブ
20T 溝
21 第1の流路
22 第2の流路
23 第3の流路
31~38 ピン部材
39 ハンドル
41 第1機構
41a 第1アーム
41b 棒状部材
42 第2機構
42a 第2アーム
42b 柱状部材

Claims (12)

  1. 流路と、前記流路を収容する容器とを備えた細胞作製用カートリッジであって、
    前記容器は、前記流路内で流体を送液するためのエネルギーを当該容器の外部から受けるエネルギー伝達部を備え、
    前記エネルギー伝達部は、前記容器の内外を隔てる境界に位置する、
    細胞作製用カートリッジ。
  2. 前記流路は、細胞作製に用いられる流体を貯留し、少なくとも一部が可動である貯留部を有し、
    前記エネルギー伝達部は、前記エネルギーに応じた駆動力を前記貯留部の前記少なくとも一部に伝達する、
    請求項1に記載の細胞作製用カートリッジ。
  3. 前記エネルギー伝達部は、可動な部分であり、前記エネルギーに応じた力学的作用を前記可動な部分を介して、前記貯留部に伝達する、
    請求項2に記載の細胞作製用カートリッジ。
  4. 前記貯留部は、シリンジである、請求項2に記載の細胞作製用カートリッジ。
  5. 前記エネルギー伝達部は、ダイヤフラムである、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の細胞作製用カートリッジ。
  6. 前記エネルギー伝達部は、ベローズである、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の細胞作製用カートリッジ。
  7. 前記エネルギー伝達部は、バルーンである、請求項2又は3に記載の細胞作製用カートリッジ。
  8. 前記容器は、
    前記流路を保持する凹部が形成された容器本体と、
    前記凹部を覆うように前記容器本体に装着されたフタと、
    を備えており、
    前記フタは、前記流路のうちの前記貯留部を覆う位置に前記エネルギー伝達部を備えた、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の細胞作製用カートリッジ。
  9. 前記流路に直交する方向に沿って移動可能に前記容器本体及び前記フタに保持され、前記流路の一部を弾性変形させることにより、前記流路を閉塞する閉塞部材、を更に備えた、請求項8に記載の細胞作製用カートリッジ。
  10. 前記流路は、前記貯留部から送出された流体を通過させるチューブと、前記チューブを前記貯留部に着脱自在に接続するコネクタと、を更に備えた、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の細胞作製用カートリッジ。
  11. 前記流路は、閉鎖系の流路である、請求項1に記載の細胞作製用カートリッジ。
  12. 前記容器は、閉鎖系の容器である、請求項1又は11に記載の細胞作製用カートリッジ。
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